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JP2020195372A - 乳化調味料及びサラダ - Google Patents

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JP2020195372A JP2020092529A JP2020092529A JP2020195372A JP 2020195372 A JP2020195372 A JP 2020195372A JP 2020092529 A JP2020092529 A JP 2020092529A JP 2020092529 A JP2020092529 A JP 2020092529A JP 2020195372 A JP2020195372 A JP 2020195372A
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Abstract

【課題】本発明の一態様は、コクがあり、かつ、口当たりのよい乳化調味料及びサラダを提供する。【解決手段】食用油脂と、卵黄と、卵白と、を含有した乳化調味料において、前記卵黄(生換算)の含有量は卵白(生換算)の含有量より多く、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出することを特徴とする、乳化調味料。【選択図】なし

Description

本発明はコクがあり、かつ、口当たりのよい乳化調味料及びサラダに関する。
特許文献1には油滴粒径の対数値を横軸にとり、その粒径に対応する油滴の体積を縦軸にとった油滴の粒度分布曲線が少なくとも2つの極大値を有する曲線で表されるものであることを特徴とする可塑性のある水中油型乳化食品が記載されている。
また、特許文献2には、食用油脂、食酢および卵白を含有する第1の酸性水中油型エマルションと、食用油脂、食酢および卵黄を含有する第2の酸性水中油型エマルションとを混合してなる複合エマルション型酸性水中油型乳化食品が記載されている。
しかし、このような従来の食品について、コク及び口当たりに関して改善の余地がある。
特公平5−77383号公報 特許第4306502号公報
そこで、本発明の一態様は、コクがあり、かつ、口当たりのよい乳化調味料及びサラダを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、食用油脂と、卵黄と、を含有し、卵黄の含有量は卵白の含有量より多く、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出する乳化調味料は、コクがあり、かつ、口当たりがよくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)食用油脂と、卵黄と、卵白と、を含有した乳化調味料において、前記卵黄(生換算)の含有量は卵白(生換算)の含有量より多く、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出することを特徴とする、乳化調味料、
(2)前記卵黄はホスフォリパーゼA処理卵黄を含む、(1)の乳化調味料、
(3)(1)又は(2)の乳化調味料の製造方法において、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークを検出する第1乳化調味料と、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm以上の範囲の第2ピークを検出する第2乳化調味料と、を混合する、乳化調味料の製造方法、
(4)前記第2乳化調味料1質量部に対する、前記第1乳化調味料の量が0.1質量部以上、15質量部以下である、(3)の乳化調味料の製造方法、
(5)乳化調味料を含有するサラダにおいて、前記乳化調味料は、食用油脂と、卵黄と、卵白と、を含有し、前記卵黄(生換算)の含有量は卵白(生換算)の含有量より多く、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出することを特徴とする、サラダ、
(6)(5)のサラダの製造方法において、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークを検出する第1乳化調味料と、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm以上の範囲の第2ピークを検出する第2乳化調味料と、を混合する、(5)のサラダの製造方法、
(7)前記第2乳化調味料1質量部に対する前記第1乳化調味料の量が、0.1質量部以上、15質量部以下である、(6)のサラダの製造方法。
本発明の一態様によれば、コクがあり、かつ、口当たりのよい乳化調味料及びサラダを提供することができる。したがって、乳化調味料及びサラダの更なる需要拡大が期待できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、単に「%」と記載されている場合は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の乳化調味料の特徴>
本発明の一態様は、食用油脂と、卵黄と、卵白と、を含有し、前記卵黄(生換算)の含有量は卵白(生換算)の含有量より多く、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出することにより、コクがあり、かつ、口当たりのよい乳化調味料を提供することに特徴を有する。
<乳化調味料>
本発明の一態様に係る乳化調味料は、水中油型乳化粒子が水相中に分散された調味料であればよい。水中油型乳化粒子とは、水相原料と油相原料とが水中油型に乳化されてなる乳化物、すなわち、油滴の表面に乳化剤層が形成されたエマルション粒子である。乳化調味料としては、例えば、マヨネーズ、タルタルソース、ドレッシング等の酸性乳化調味料が挙げられる。本発明の一態様に係る乳化調味料は、例えば、サラダ等に用いることができる。サラダの種類としては、乳化調味料を用いるものであればよく特に制限されず、ポテトサラダ、卵サラダ、マカロニ等のパスタを含むサラダ等が好ましい。
<乳化調味料のpH>
本発明の一態様に係る乳化調味料のpHは特に制限されず、用途等に応じて適宜調整すればよい。例えば、乳化調味料のpHは、微生物発生を制御して保存性を高めながら、コクがあり、かつ、口当たりのよい乳化調味料が得られる観点から、好ましくは3.0以上であり、より好ましくは3.3以上であり、さらに好ましくは3.8以上である。また、例えば、乳化調味料のpHは、微生物発生を制御して保存性を高めながら、コクがあり、かつ、口当たりのよい乳化調味料が得られる観点から、好ましくは6.5以下であり、より好ましくは5.5以下であり、さらに好ましくは4.6以下である。
<食用油脂の種類>
本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる食用油脂は、一般に乳化調味料の原料となる油脂を使用することができる。食用油脂としては、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、米油、パーム油等の植物性油脂、魚油等の動物性油脂、並びにMCT(中鎖脂肪酸トリアシルグリセロール)、ジアシルグリセロール等の化学処理又はリパーゼ処理を施して得られる油脂等が挙げられる。
<食用油脂の含有量>
本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる食用油脂の含有量は、十分なコクを有し、口当たりのよい乳化調味料が得られる観点から、乳化調味料の総量に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。また、同様に、十分なコクを有し、口当たりのよい乳化調味料が得られる観点から、乳化調味料の総量に対して、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
<卵黄の種類>
本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる卵黄は、一般に乳化調味料の原料となる卵黄を使用することができる。卵黄としては、例えば、(i)酵素処理、脱コレステロール処理あるいは脱糖処理等を施した加工卵黄、(ii)卵を割卵し、工業的に卵白を分離除去した液卵黄、(iii)液卵黄に砂糖や食塩を添加し、0℃以下あるいはチルドで流通させる加塩卵黄又は加糖卵黄、(iv)液卵黄を乾燥処理した乾燥卵黄等が挙げられる。中でも、水中油型乳化粒子の安定性を向上させる観点から、好ましくはホスフォリパーゼA処理卵黄である。また、ホスフォリパーゼA処理卵黄としては、例えば、リゾ化率が好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、また、好ましくは90%以下、より好ましくは70%以下のものが好ましい。
<卵黄の含有量>
本発明の一態様に係る乳化調味料は、卵黄を含有する。本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる卵黄の含有量は、卵白の含有量よりも多い。卵黄の含有量が卵白の含有量以下であると、乳化調味料のコクが無くなる。
<卵黄の好ましい含有量>
本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる卵黄の含有量は、コクを向上させる観点から、乳化調味料の総量に対して、生卵黄換算で好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。また、口当たりを軽くする観点から、乳化調味料の総量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
<卵白の種類>
本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる卵白は、一般に乳化調味料の原料となる卵白を使用することができる。卵白としては、例えば、割卵して卵黄と分離した液卵白、乾燥卵白、冷凍卵白、加熱殺菌卵白等が挙げられる。
<卵白の含有量>
本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる卵白の含有量は、卵黄の含有量よりも少なければよい。卵白の含有量が卵黄の含有量以上であると、乳化調味料のコクが無くなる。
<卵白の好ましい含有量>
本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる卵白の含有量は、例えば、乳化調味料の総量に対して、生卵白換算で好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。下限値は特に限定されず、卵白は少なければ少ないほどよい。例えば、生卵から卵黄を取り出すときに、卵黄と共に混入する程度の量であってもよく、例えば、0.1質量%以上、または1質量%以上などであってもよい。
<食酢の種類>
本発明の一態様に係る乳化調味料は、食酢を含有していることが好ましい。本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる食酢は、一般に乳化調味料の原料となる食酢を使用することができる。食酢としては、例えば、米酢等の穀物酢、果実酢等が挙げられる。
<食酢の含有量>
本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる食酢の含有量は、上記の好適な数値範囲のpHに調整することができる観点から、乳化調味料の総量に対して、酢酸含有量4質量%の場合は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上である。また、同様に、上記の好適な数値範囲のpHに調整することができる観点から、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
<その他の原料>
本発明の一態様に係る乳化調味料は、上述した原料のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の原料を含有していてもよい。その他の原料としては、例えば、食塩、砂糖等の調味料、柑橘類の果汁、クエン酸、酒石酸、乳酸等の酸味料、グルタミン酸ソーダ等の呈味料、辛子粉、オイルマスタード、コショウ等の香辛料、ピクルス、オニオン等の具材等が挙げられる。また、本発明の一態様に係る乳化調味料は、食用油脂の含有量を低減する観点から、大豆蛋白質、澱粉、デキストリン、セルロース、その他増粘多糖類等を含んでいてもよい。中でも、乳化調味料の離水を低減する観点から、澱粉、増粘多糖類等の増粘剤を含んでいることが好ましい。澱粉としては、例えば、ワキシーコーンスターチ等のコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉等の澱粉が挙げられる。澱粉は未加工澱粉でも加工澱粉でもよい。加工澱粉としては、α化、架橋等の処理を施した加工澱粉、及び湿熱処理を施した澱粉等が挙げられる。増粘多糖類としては、例えば、キサンタンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、カラギーナン、ウェランガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム等のガム質等が挙げられる。一般的に、増粘剤を含む乳化調味料は口当たりが重くなることがあるが、本発明の一態様に係る乳化調味料によれば、増粘剤を含んでいても、増粘剤を含んでいない乳化調味料と同等の口当たりの軽さを実現することができる。
<増粘剤の含有量>
本発明の一態様に係る乳化調味料に含まれる増粘剤の含有量は、所望する乳化調味料の性状、製造条件等によって適宜調整すればよい。例えば、本発明の効果をより向上させる観点から、増粘剤の含有量は、乳化調味料の総量に対して、2質量%以下が好ましい。
<水中油型乳化粒子の油滴の体積基準の粒度分布>
水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布は、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出する。第1ピークに対応する油滴を含む乳化調味料はコクに寄与し、第2ピークに対応する油滴は口当たりの軽さに寄与する。よって、第1ピーク及び第2ピークを検出する構成とすることで、コクがあり、かつ、口当たりのよい乳化調味料となる。
<第1ピークの範囲>
第1ピークは10μm未満の範囲である。第1ピークが検出されない乳化調味料はコクが弱くなる。第1ピークは、コクを向上させる観点から、好ましくは9.5μm以下、より好ましくは9μm以下の範囲である。また、同様に、コクを向上させる観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは1.5μm以上の範囲である。第1ピークは、コクを向上させる観点から、第1乳化調味料の油滴のモード径(最頻度粒子径)であることが好ましい。
<第2ピークの範囲>
第2ピークは10μm以上の範囲である。第2ピークが検出されない乳化調味料は口当たりが重くなる。第2ピークは、口当たりを向上させる観点から、好ましくは11μm以上、より好ましくは12μm以上の範囲である。また、良好な乳化状態を維持する観点から、好ましくは40μm以下の範囲である。第2ピークは、口当たりを向上させる観点から、第2乳化調味料の油滴のモード径であることが好ましい。
<第1ピークの頻度%と第2ピークの頻度%との比>
本発明の一態様に係る乳化調味料は、より良好なコクとより良好な口当たりを共に実現する観点から、第2ピークの頻度%に対する第1ピークの頻度%の比が、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.5以上である。また、同様に、より良好なコクとより良好な口当たりを共に実現する観点から、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下であり、さらに好ましくは5以下である。
<水中油型乳化粒子の油滴の体積基準の粒度分布の測定方法>
レーザー回析式粒度分布測定装置としては、例えば、「粒度分布計MT3300EXII(日機装株式会社製)」を用いることができる。より具体的には、非球形、屈折率1.6の分析条件で測定することが好ましい。また、乳化調味料を5質量%SDS溶液に10倍希釈した試料を測定試料とすることが好ましい。
<本発明の乳化調味料の製造方法>
本発明の一態様に係る乳化調味料の製造方法は、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークを検出する第1乳化調味料と、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm以上の範囲の第2ピークを検出する第2乳化調味料と、を混合すればよい。
<水中油型乳化粒子の油滴の粒子径の調整方法>
本発明の一態様に係る乳化調味料の水中油型乳化粒子の油滴の粒子径は、材料の撹拌条件を制御することによって調整することができる。例えば、回転数をより早く、撹拌時間をより長くすることにより、当該粒子径をより小さくすることができる。また、回転数をより遅く、撹拌時間をより短くすることにより、当該粒子径をより大きくすることができる。このように撹拌条件を制御することによって、第1ピークを検出できる乳化調味料及び第2ピークを検出できる乳化調味料を製造することができる。
<第1乳化調味料と第2乳化調味料との混合比>
本発明の一態様に係る乳化調味料は、より良好なコクとより良好な口当たりを共に実現する観点から、第2乳化調味料1質量部に対する第1乳化調味料の量が、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上である。また、同様に、より良好なコクとより良好な口当たりを共に実現する観点から、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
<第1乳化調味料及び第2乳化調味料の卵黄の含有量>
第1乳化調味料に含まれる卵黄の含有量は、コクを向上させる観点から、好ましくは卵白の含有量より多く、第1乳化調味料の総量に対して、生卵黄換算でより好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。第2乳化調味料に含まれる卵黄の含有量は、コクを向上させる観点から、好ましくは卵白の含有量より多く、第1乳化調味料の総量に対して、生卵黄換算でより好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。第1乳化調味料に含まれる卵黄の含有量と、第2乳化調味料に含まれる卵黄の含有量とが何れも、好ましくは卵白の含有量よりも多く、第1乳化調味料の総量に対して、生卵黄換算でより好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。
<増粘剤を含む乳化調味料の製造方法>
増粘剤を含む乳化調味料を製造する形態においては、第1乳化調味料及び第2乳化調味料のうち少なくとも一方に増粘剤を予め混合してもよく、第1乳化調味料と第2乳化調味料とを混合した後に増粘剤を混合してもよい。中でも、増粘剤を含まない乳化調味料により近い口当たりのよさを得ることができる観点から、第1乳化調味料に増粘剤を予め混合しておくことが好ましく、増粘剤を含む第1乳化調味料と増粘剤を含まない第2乳化調味料とを混合することがより好ましい。なお、増粘剤の含有量は特に制限されず、例えば、第1乳化調味料と第2乳化調味料混合後の乳化調味料全体中の増粘剤の含有量が、前述した好ましい範囲になるように適宜調整すればよい。
<撹拌工程>
本発明の一態様に係る乳化調味料の製造方法において、第1乳化調味料と第2乳化調味料とを混合する方法は特に制限されず、例えば、第1乳化調味料と第2乳化調味料とを撹拌する撹拌工程を行なえばよい。撹拌工程の具体的な方法は、第1乳化調味料と第2乳化調味料とが混合される限り制限されず、例えば、真空下、減圧下、常圧下等の環境で撹拌すればよく、空気を含ませて口当たりをより軽くする観点から、常圧下で撹拌することがより好ましい。
<本発明のサラダの特徴>
本発明の一態様に係るサラダは、乳化調味料を含有し、当該乳化調味料は、食用油脂と、卵黄と、を含有し、前記卵黄の含有量は卵白の含有量より多く、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出することにより、コクがあり、かつ、口当たりのよいサラダを提供することに特徴を有する。以下、乳化調味料については前述の説明に準じ、同じ説明は繰り返さない。
<サラダの形態の例>
本発明の一態様に係るサラダは、乳化調味料が、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークを検出する第1乳化調味料と、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm以上の範囲の第2ピークを検出する第2乳化調味料と、を含有してもよい。つまり、本発明のサラダは、じゃがいも、卵、マカロニ等のパスタ等の具材に対して、第1乳化調味料、第2乳化調味料をそれぞれ混合したものであってもよい。本発明の一態様に係るサラダは、ポテトサラダ、卵サラダ、マカロニ等のパスタを含むサラダのいずれかであることが好ましい。本発明の一態様に係る乳化調味料はこのようなサラダに好適に用いることができる。
<乳化調味料の含有量>
本発明の一態様に係るサラダに含まれる乳化調味料の含有量は、乳化調味料のコク及び口当たりをより活かす観点から、サラダの総量に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上である。また、具材の持ち味をより活かす観点から、サラダの総量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
<じゃがいも>
本発明の一態様に係るサラダに含まれるじゃがいもは、一般にポテトサラダの原料となるじゃがいもを使用することができる。じゃがいもとしては、例えば、男爵、トヨシロ、さやか等が挙げられる。じゃがいもは、一般にポテトサラダの製造するための加工を施したじゃがいもを使用することができる。加工を施したじゃがいもとしては、例えば、破砕したじゃがいも、所定の大きさにカットされたじゃがいも、及びそれらの組み合わせ等が挙げられる。じゃがいもは、破砕又はカットする前に加熱してもよいし、後に加熱してもよい。
<サラダに用いる他の食品原料>
本発明の一態様に係るサラダは、上述した原料のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の原料を含有していてもよい。具材としては、例えば、きゅうり、玉ねぎ、にんじん、キャベツ、レタス、コーン、ハム、コンビーフ、ツナ肉、キクラゲ等が挙げられる。調味液としては、例えば、食塩水、食酢、卵黄、糖液、ブイヨン、アミノ酸溶液等が挙げられる。静菌剤としては、例えば、グリシン、酢酸ナトリウム、卵白リゾチーム、プロタミン、ポリリジン等が挙げられる。また、乳化調味料に用いるその他の原料として説明した原料を、乳化調味料とは別に、サラダに添加してもよい。
<サラダの製造方法>
本発明の一態様に係るサラダの製造方法は特に限定されない。例えば、予め製造した第1ピークと第2ピークとを有する乳化調味料をじゃがいも、卵、マカロニ等の具材に混ぜてもよく、第1乳化調味料と第2乳化調味料とをそれぞれ直接具材に加えて混ぜてもよい。また、第1ピークと第2ピークとを有する乳化調味料は、例えば、第1乳化調味料と第2乳化調味料とを、混合すればよい。第1乳化調味料と第2乳化調味料とは、他の具材を混合する前に、予め混合してもよい。また、具材と第1乳化調味料と第2乳化調味料とを混合する方法は特に制限されず、例えば、真空下、減圧下、常圧下等の環境で撹拌すればよく、空気を含ませて口当たりをより軽くする観点から、常圧下で撹拌することがより好ましい。
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[第1乳化調味料の製造例1]
各材料を表1に示す配合量で、まず食用油脂以外の水相原料をミキサーで撹拌し水相を調製する。続いてミキサーで撹拌しながら油相原料である食用油脂を注加して粗乳化し、次にせん断力に優れたコロイドミルを用いて油滴のモード径が4μmになるように調整することによって、油滴のモード径が4μmの第1乳化調味料1を作製した。なお、表1に記載のホスフォリパーゼA処理卵黄(リゾ化率25%)、生卵黄、生卵白の各含有量は、生換算である。
[第1乳化調味料の製造例2]
油滴のモード径が9μmになるようにコロイドミルのクリアランスを調整した以外は、第1乳化調味料の製造例1と同様にして、油滴のモード径が9μmの第1乳化調味料2を作製した。
[第1乳化調味料の製造例3]
ホスフォリパーゼA処理卵黄の代わりに、生卵から採取した生卵黄を用いた以外は、第1乳化調味料の製造例1と同様にして、第1乳化調味料3を作製した。
[第1乳化調味料の製造例4]
卵白を5.0質量%、水を2.0質量%とし、油滴のモード径が5μmになるようにコロイドミルのクリアランスを調整した以外は、第1乳化調味料の製造例1と同様にして、第1乳化調味料4を作製した。
[第1乳化調味料の製造例5]
表1に示す配合量で、油滴のモード径が3μmになるように調整した以外は第1乳化調味料の製造例1と同様にして、第1乳化調味料5を作製した。
[第1乳化調味料の製造例6]
油滴のモード径が5μmになるように調整した以外は第1乳化調味料の製造例1と同様にして、第1乳化調味料6を作製した。
[第1乳化調味料の製造例7]
増粘剤としてキサンタンガムを0.02質量%となるように混合し、水を2.98質量%とし、油滴のモード径が4μmになるように調整した以外は第1乳化調味料の製造例1と同様にして、第1乳化調味料7を作製した。
[第1乳化調味料の製造例8]
増粘剤としてキサンタンガムを0.06質量%となるように混合し、水を2.94質量%とし、油滴のモード径が4μmになるように調整した以外は第1乳化調味料の製造例1と同様にして、第1乳化調味料8を作製した。
[第1乳化調味料の製造例9]
増粘剤としてワキシーコーンスターチ由来の加工澱粉であるヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン(商品名:インスタントピュアフロ、イングレディオンジャパン製)を0.04質量%となるように混合し、水を2.96質量%とし、油滴のモード径が5μmになるように調整した以外は第1乳化調味料の製造例1と同様にして、第1乳化調味料9を作製した。
[第2乳化調味料の製造例1]
油滴のモード径が14μmになるようにコロイドミルのクリアランスを調整した以外は、第1乳化調味料の製造例1と同様にして、油滴のモード径14μmの第2乳化調味料1を作製した。
[第2乳化調味料の製造例2]
油滴のモード径が24μmになるようにコロイドミルのクリアランスを調整した以外は、第2乳化調味料の製造例1と同様にして、油滴のモード径24μmの第2乳化調味料2を作製した。
[第2乳化調味料の製造例3]
ホスフォリパーゼA処理卵黄の代わりに生卵から採取した生卵黄を用いた以外は、第2乳化調味料の製造例1と同様にして、第2乳化調味料3を作製した。
[第2乳化調味料の製造例4]
卵白を5.0質量%、水を2.0質量%とし、油滴のモード径が16μmになるようにコロイドミルのクリアランスを調整した以外は、第2乳化調味料の製造例1と同様にして、第2乳化調味料4を作製した。
[第2乳化調味料の製造例5]
増粘剤としてキサンタンガムを0.06質量%となるように混合し、水を2.94質量%とし、油滴のモード径が11μmになるように調整した以外は第2乳化調味料の製造例1と同様にして、第2乳化調味料5を作製した。
[実施例1]
第1乳化調味料1と第2乳化調味料1とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、各材料を以下に示す配合量で混合して、それぞれポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
<ポテトサラダの配合>
乳化調味料 20質量%
茹でジャガイモ 70質量%
きゅうり 5質量%
タマネギ 5質量%
計 100質量%
<卵サラダの配合>
乳化調味料 20質量%
ボイルマカロニ 30質量%
ゆで卵 18質量%
茹でジャガイモ 17質量%
ニンジン 5質量%
きゅうり 5質量%
タマネギ 5質量%
計 100質量%
[実施例2]
第1乳化調味料1と第2乳化調味料2とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[実施例3]
第1乳化調味料2と第2乳化調味料1とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[実施例4]
第1乳化調味料2と第2乳化調味料2とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[実施例5]
第1乳化調味料1と第2乳化調味料1とを質量比9:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[実施例6]
第1乳化調味料1と第2乳化調味料1とを質量比1:4で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[実施例7]
第1乳化調味料3と第2乳化調味料3とを質量比1:1で混合して生卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[実施例8]
第1乳化調味料5と第2乳化調味料1とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄2.8質量%、生卵黄3.8質量%、生卵白2.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[実施例9]
第1乳化調味料6と第2乳化調味料1とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダを作製した。
[実施例10]
第1乳化調味料6と第2乳化調味料5とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%、キサンタンガム0.03質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダを作製した。
[実施例11]
第1乳化調味料7と第2乳化調味料1とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%、キサンタンガム0.01質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダを作製した。
[実施例12]
第1乳化調味料8と第2乳化調味料1とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%、キサンタンガム0.03質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダを作製した。
[実施例13]
第1乳化調味料9と第2乳化調味料1とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%、ワキシーコーンスターチ由来の加工澱粉0.02質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダを作製した。
[比較例1]
第2乳化調味料1を用いずに、第1乳化調味料1のみ(ホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有)を用いた以外は実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[比較例2]
第1乳化調味料1を用いずに、第2乳化調味料1のみ(ホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有)を用いた以外は実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[比較例3]
第2乳化調味料1と第2乳化調味料2とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[比較例4]
第1乳化調味料1と第1乳化調味料2とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白4.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
[比較例5]
第1乳化調味料4と第2乳化調味料4とを質量比1:1で混合してホスフォリパーゼA処理卵黄4.5質量%、生卵白5.0質量%含有の乳化調味料を作製した。また、当該乳化調味料を用いて、実施例1と同様にしてポテトサラダ及び卵サラダを作製した。
Figure 2020195372
[試験例1]
<水中油型乳化粒子の油滴の体積基準の粒度分布の測定>
実施例1〜13、比較例1〜5の乳化調味料を5質量%SDS溶液に10倍希釈して測定試料とした。各試料の水中油型乳化粒子の油滴の体積基準の粒度分布を、レーザー回析式粒度分布測定装置として「粒度分布計MT3300EXII(日機装株式会社製)」を用いて、非球形、屈折率1.6の分析条件で測定した。なお、第1乳化調味料の製造例1〜9、第2乳化調味料の製造例1〜5のモード径も同様に測定した。
<水中油型乳化粒子の油滴の体積基準の粒度分布の測定の結果>
水中油型乳化粒子の油滴の体積基準の粒度分布の測定の結果を表2に示す。各実施例、比較例において、表2に示す各粒子径のピークを検出した。なお、第2ピークの頻度%に対する第1ピークの頻度%の比は、実施例1〜7、9については第1乳化調味料と第2乳化調味料の組成が同一であったため、第2乳化調味料1質量部に対する、第1乳化調味料の量の比と一致した。実施例8の第2ピークの頻度%に対する第1ピークの頻度%の比は、4.1であった。実施例10〜13の第2ピークの頻度%に対する第1ピークの頻度%の比は、第2乳化調味料1質量部に対する、第1乳化調味料の量の比と一致した。増粘剤の含有量が、第1乳化調味料の量、第2乳化調味料の量に比べると微量であるためと考えられる。
Figure 2020195372
[試験例2]
<pH測定>
実施例1〜13の乳化調味料のpHを測定した。その結果pHは全ての乳化調味料において3.0以上、4.6以下であった。
[試験例3]
<乳化調味料の風味の評価>
実施例1〜13、比較例1〜5の乳化調味料を下記の評価基準により官能評価した。なお、試験例3〜5の評価は、乳化調味料の研究年数2年以上の評価者5名(訓練されたパネル)により行なった。
<乳化調味料の風味の評価基準>
◎:非常にコクがあり、かつ、非常に口当たりが軽い。
○:十分にコクがあり、かつ、十分に口当たりが軽い。
△:コクがあり、かつ、口当たりが軽い。
×:コクがない、または、口当たりが重い。
<乳化調味料の風味の評価結果>
乳化調味料の風味の評価結果を表3に示す。
Figure 2020195372
実施例1〜13より、乳化調味料において、食用油脂と、卵黄と、を含有し、前記卵黄の含有量は卵白の含有量より多く、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出するものであることにより、コクがあり、かつ、口当たりがよいことが示された。また、実施例10〜13より、増粘剤を用いても、増粘剤を含まない乳化調味料と同様に、コクがあり、かつ、口当たりがよいことが示された。
[試験例4]
<ポテトサラダの風味及び加工適正の評価>
実施例1〜13、比較例1〜5のポテトサラダの風味及び加工適正の評価を下記の評価基準により評価した。
<ポテトサラダの風味の評価基準>
◎:非常にコクがあり、かつ、非常に口当たりが軽い。
○:十分にコクがあり、かつ、十分に口当たりが軽い。
△:コクがあり、かつ、口当たりが軽い。
×:コクがない、または、口当たりが重い。
<ポテトサラダの加工適正の評価基準>
◎:粘り及び油分離は見られず、加工適正に優れる。
○:やや粘るが加工適正に問題ない。
△:やや油分離が見られるが加工適正に問題ない。
×:油っこい。
<ポテトサラダの風味及び加工適正の評価結果>
ポテトサラダの風味及び加工適正の評価結果を表4に示す。
Figure 2020195372
実施例1〜13より、乳化調味料を含有するポテトサラダにおいて、前記乳化調味料は、食用油脂と、卵黄と、卵白と、を含有し、前記卵黄(生換算)の含有量は卵白(生換算)の含有量より多く、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出するものであることにより、コクがあり、かつ、口当たりのよいポテトサラダが得られることが示された。また、このようなポテトサラダは加工適正に優れることが示された。また、実施例10〜13より、増粘剤を含む乳化調味料を用いても、増粘剤を含まない乳化調味料を含有するポテトサラダと同様に、コクがあり、かつ、口当たりがよいポテトサラダが得られることが示された。
[試験例5]
<卵サラダの風味及び加工適正の評価>
実施例1〜8、比較例1〜5の卵サラダの風味及び加工適正の評価を卵サラダの風味及び加工適正の評価基準と同様に評価した。
<卵サラダの風味の評価結果>
卵サラダの風味の評価結果を表7に示す。
Figure 2020195372
実施例1〜8より、乳化調味料を含有する卵サラダにおいて、前記乳化調味料は、食用油脂と、卵黄と、卵白と、を含有し、前記卵黄(生換算)の含有量は卵白(生換算)の含有量より多く、水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出するものであることにより、コクがあり、かつ、口当たりのよい卵サラダが得られることが示された。また、このような卵サラダは加工適正に優れることが示された。

Claims (7)

  1. 食用油脂と、
    卵黄と、
    卵白と、
    を含有した乳化調味料において、
    前記卵黄(生換算)の含有量は卵白(生換算)の含有量より多く、
    水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出することを特徴とする、乳化調味料。
  2. 請求項1に記載の乳化調味料において、
    前記卵黄はホスフォリパーゼA処理卵黄を含む、乳化調味料。
  3. 請求項1又は2に記載の乳化調味料の製造方法において、
    水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークを検出する第1乳化調味料と、
    水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm以上の範囲の第2ピークを検出する第2乳化調味料と、を混合する、乳化調味料の製造方法。
  4. 請求項3に記載の乳化調味料の製造方法において、
    前記第2乳化調味料1質量部に対する前記第1乳化調味料の量が、0.1質量部以上、15質量部以下である、乳化調味料の製造方法。
  5. 乳化調味料を含有するサラダにおいて、
    前記乳化調味料は、
    食用油脂と、
    卵黄と、
    卵白と、を含有し、
    前記卵黄(生換算)の含有量は卵白(生換算)の含有量より多く、
    水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークと、10μm以上の範囲の第2ピークとを検出することを特徴とする、サラダ。
  6. 請求項5に記載のサラダの製造方法において、
    水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm未満の範囲の第1ピークを検出する第1乳化調味料と、
    水中油型乳化粒子の油滴の粒度分布をレーザー回析式粒度分布測定装置で測定したときの体積基準の粒度分布が、10μm以上の範囲の第2ピークを検出する第2乳化調味料と、を混合する、サラダの製造方法。
  7. 請求項6に記載のサラダの製造方法において、
    前記第2乳化調味料1質量部に対する、前記第1乳化調味料の量が0.1質量部以上、15質量部以下である、サラダの製造方法。
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