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JP2020187355A - 調整可能プリズム - Google Patents

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JP2020187355A
JP2020187355A JP2020083008A JP2020083008A JP2020187355A JP 2020187355 A JP2020187355 A JP 2020187355A JP 2020083008 A JP2020083008 A JP 2020083008A JP 2020083008 A JP2020083008 A JP 2020083008A JP 2020187355 A JP2020187355 A JP 2020187355A
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スモルカ シュテファン
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アシュワンデン マニュエル
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ハーゼ ヨハネス
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Sanggyu Biern
ビエルン サンギュ
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ボーズ フランク
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Abstract

【課題】搭載空間を削減し、特定の方向の有効口径を最大にする、調整可能なプリズム1を提供すること。【解決手段】調整可能なプリズム1は、透明で可撓性の第1の表面11、第1の表面11とは反対方向を向いた透明で可撓性の第2の表面12、及び2つの表面11、12間に配置された光学媒体2を有する部材10であって、それにより第1の表面11に入射した光Lが、光学媒体2を通過し、第2の表面12を通って部材10を出て、それにより2つの表面11、12間の角度Wに応じて部材10により偏向される、部材10と、第1の表面11に連結された表面エリア21を有する剛性の第1の光学素子20と、第2の表面12に連結された表面エリア31を有する剛性の第2の光学素子30と、第1の光学素子20及び/又は第2の光学素子30を傾斜させて前記角度Wを調整するように構成されたアクチュエータ・システムSとを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、調整可能プリズムに関する。
具体的には、かかる調整可能なプリズムを使用して、制御された調整可能な様式で、プリズムに入射する光ビームを偏向させることができる。すなわち、光ビームの光学偏向角を調整することができる。
したがって、本発明による調整可能なプリズムは、ビーム・ステアリング用途、光学画像安定化、及び超解像度(たとえば、画素シフトによって)に使用できる。
調整可能なプリズムを、搭載する空間が特定の方向にかなり制限された小さいデバイス(スマート・フォン及び他の家電製品など)に一体化することが必要な場合が多いので、プリズムの少なくとも1つの重要な寸法において設計を最小化しながらも、同時に、その方向に沿って可能な限り大きな有効口径を確保することが望ましい。
本発明の目的は、具体的には、搭載空間を削減し、特定の方向の有効口径を最大にするという上記の課題に関して、改善された調整可能なプリズムを提供することである。
この目的は、請求項1の特徴を持つ調整可能なプリズムによって解決される。
本発明のこの態様の有利な実施例は、対応する従属請求項で述べ、以下で説明する。
請求項1によれば、調整可能なプリズムに入射する光ビームを偏向させる調整可能なプリズムが開示され、調整可能なプリズムは、以下を有する。
− 透明で可撓性の第1の表面、第1の表面とは反対の方向を向いた透明で可撓性の第2の表面、及び2つの表面間に配置された光学媒体を有する部材であって、それにより第1の表面に入射する光は、光学媒体を通過し、第2の表面を通って部材を出て、それにしたがって光が、部材によって、2つの表面間の角度に応じて偏向される部材と、
− 第1の表面に連結された表面エリアを有する、剛性で透明な第1の光学素子と、
− 第2の表面に接続された表面エリアを有する、剛性で透明な第2の光学素子と、
− 第1の光学素子及び/又は第2の光学素子を傾けて前記角度を調整するよう構成されたアクチュエータ・システム。
前記角度は、具体的には、2面角、すなわち、第1の表面の延長平面と第2の表面の延長平面との間の、2つの延長平面間の交線を直角に切断する第3の平面における角度であり得る。
すべての実施例において、部材に取り付けられる第1の光学素子の表面エリアが、表面エリアであり得る。第1の光学素子の表面エリアは、具体的には、円形、楕円形、又は四角形の形状を有することができる(他の形状も考えられる)。同様に、部材に取り付けられる第2の光学素子の表面エリアも、表面エリアであり得る。第2の光学素子の表面エリアも、具体的には、円形、楕円形、又は四角形の形状を有することができる(他の形状も考えられる)。
光学素子の表面エリアは、具体的には、平坦である必要はない。光学素子の表面エリアはまた、湾曲していてもよい(たとえば、凹状又は凸状の形状を持つか、又は他の任意の波の形状の要素を形成する)。光学素子はまた、平坦な一方の表面(たとえば、表面エリア)を持つことができるのに対して、反対側の表面は異なる形状を有し、逆もまた同様である。
調整可能なプリズムは、原理的に、およそシステムの有効口径ほどであり得る一方向に小さい高さを持つことを可能にし、一方、アクチュエータ・システムの個々のアクチュエータなどの構成要素は、前記高さ方向に垂直な方向に沿って配置できる。これにより、調整可能なプリズムを、スマート・フォンなどの1方向(たとえば、表示面に対して垂直)に搭載空間が制限されているデバイス内に統合できる。
本発明の一実施例によれば、第1の光学素子の表面エリアは、第1の表面が第1の光学素子の表面エリアで覆われていない自由周囲部分を有するように、第1の表面の一部分に連結され、且つ/又は、第2の光学素子の表面エリアは、第2の表面が第2の光学素子の表面エリアで覆われていない自由周囲部分を有するように、第2の表面の一部分に連結される。第1の表面の前記周囲部分は、具体的には、第1の表面の前記部分を取り囲んでいる。さらに、第2の表面の前記周囲部分は、具体的には、第2の表面の前記部分を取り囲んでいる。
第1の光学素子の表面エリアは、具体的には、第1の光学素子の周縁部によって境界を定められ得る。さらに、第2の光学素子の表面エリアは、第2の光学素子の周縁部によって境界を定められ得る。
さらに、本発明の一実施例によれば、部材は、光学媒体で満たされた容器であり、ここで容器は、第1の透明で弾性変形可能な膜及び第2の透明で弾性変形可能な膜を有し、2つの膜は、容器の周囲側壁によって連結され、第1の膜は第1の表面を形成し、第2の膜は第2の表面を形成し、光学媒体は第1の膜と第2の膜との間に配置される。第1の表面の自由周囲部分は、具体的には、第1の膜の対応する自由周囲部分によって形成される。同様に、第2の表面の自由周囲部分は、具体的には、第2の膜の対応する自由周囲部分によって形成される。
第1の表面及び/又は第2の表面は、具体的には、プリズムの反射を最小にするために反射防止コーティングを有することができる。
さらなる実施例によれば、外側の壁は剛性の外側の壁であり得る。さらに別の実施例によれば、具体的には、第1又は第2の光学素子を傾けるのに必要な力を低減するために、外側の壁は可撓性の外側の壁である。
さらに、本発明の一実施例によれば、第1の光学素子の表面エリアの直径は、周囲側壁で囲まれたボリュームの直径より小さい。さらに、一実施例では、第2の光学素子の表面エリアの直径は、周囲側壁で囲まれた前記ボリュームの直径より小さい。
さらに、本発明の代替実施例によれば、部材は、光学媒体を密閉する透明で弾性変形可能な膜を有する容器であり(したがって、膜は、部材の周囲側壁も形成する)、ここで膜は、前記第1の表面及び前記第2の表面を形成する。
さらに、本発明の代替実施例によれば、容器は、第1の透明で弾性変形可能な膜及び第2の透明で弾性変形可能な膜を有し、ここで2つの膜は、光学媒体を密閉するために互いに連結され、第1の膜は前記第1の表面を形成し、第2の膜は前記第2の表面を形成する。ここでも、部材の周囲側壁は、具体的には、連結された膜自体で形成される。
さらに、本発明の一実施例によれば、光学媒体は、透明な液体又は透明なゲルである。
さらに、本発明の一実施例によれば、部材は、透明で可撓性の物質(物体;body)、ゴムで形成された透明で可撓性の物質、硬化したゲルで形成された透明で可撓性の物質のいずれかである。ここで、物質(すなわち、部材)は、具体的には、光学媒体(たとえば、ゴム、ゲル、又は別の材料)で形成され、第1及び第2の表面を有する。
さらに、本発明の一実施例によれば、調整可能なプリズムは、第1の光学素子を保持するよう構成された第1の保持構造体(第1のプリズム成形器とも呼ばれる)を有する。さらに、一実施例では、調整可能なプリズムは、第2の光学素子を保持するよう構成された第2の保持構造体(第2のプリズム成形器とも呼ばれる)を有する。
さらに、本発明の一実施例によれば、第1の保持構造体は、開口を有するプレートで形成され、ここで第1の光学素子は、開口の前、具体的には、第1の保持構造体と部材の第1の表面との間に配置される。さらに、一実施例では、第2の保持構造体は、開口を有するプレートで形成され、ここで第2の光学素子は、第2の保持構造体の開口の前、具体的には、第2の保持構造体と部材の第2の表面との間に配置される。
第1の光学素子は、具体的には、第1の保持構造体の周囲境界領域に連結することができ、境界領域が第1の保持構造体の開口を取り囲んでいる。同様に、第2の光学素子は、第2の保持構造体の周囲境界領域に連結することができ、(第2の保持構造体の)境界領域が第2の保持構造体の開口を取り囲んでいる。
それぞれの開口は、具体的には、円形の開口、楕円形の開口、四角形の開口のうちの1つであり得る。それぞれのプレートは、四角形のプレートであり得る。
さらに、本発明の一実施例によれば、具体的には、部材/容器の第1の表面の自由周囲部分を増やすために、第1の光学素子は、第1の中間光学素子を介して第1の保持構造体に連結され、ここで第1の中間光学素子は、第1の光学素子の直径よりも大きい直径を有する。さらに、一実施例では、具体的には、部材/容器の第2の表面の自由周囲部分を増やすために、第2の光学素子は、第2の中間光学素子を介して第2の保持構造体に連結され、ここで第2の中間光学素子は、第2の光学素子の直径よりも大きい直径を有する。
第1の中間光学素子の直径は、具体的には、第1の保持構造体の開口の内径よりも大きい。さらに、第1の光学素子の直径は、具体的には、第1の保持構造体の開口の内径に等しいか又はより大きい。
同様に、第2の中間光学素子の直径は、第2の保持構造体の開口の内径よりも大きい。さらに、第2の光学素子の直径は、具体的には、第2の保持構造体の開口の内径に等しいか又はより大きい。
第1の光学素子及びそれに連結された第1の中間光学素子は、周方向の段部を形成することが好ましい。同様に、第2の光学素子及びそれに連結された第2の中間光学素子も、周方向の段部を形成することが好ましい。
第1の光学素子の表面エリア及び/又は第2の光学素子の表面エリアは、具体的には、調整可能なプリズムの有効口径に一致し得る。
さらに、本発明の一実施例によれば、第1の保持構造体は、一部品として第1の光学素子と一体に形成される。さらに、一実施例では、第2の保持構造体は、一部品として第2の光学素子と一体に形成される。
第1の表面(又は第1の膜)及び/又は第2の表面(たとえば第2の膜)の自由周囲部分を増やすこと、すなわちそれぞれの光学素子を傾けるために必要な力を減らすことは、以下に説明するように、それぞれの光学素子の突部を使用して達成することもできる。
本発明の一実施例によれば、第1の光学素子は、(たとえば、一体式の)突部を有し(その結果、たとえば、第1の光学素子が周方向の段部を有し)、ここで第1の光学素子の表面エリアは、突部の周縁部によって境界を定められ、突部の面側を形成する。さらに、一実施例では、第2の光学素子は、(たとえば、一体式の)突部を有し(その結果、たとえば、第2の光学素子も周方向の段部を有し)、ここで第2の光学素子の表面エリアは、第2の光学素子の突部の周縁部によって境界を定められ、第2の光学素子の突部の面側を形成する。
さらに、本発明の一実施例によれば、調整可能なプリズムは、2つの(すなわち、第1又は第2の)保持構造体の一方を介して調整可能なプリズムの支持構造体に強固に連結され、ここでアクチュエータ・システムは、前記角度を調整するために、他方の保持構造体に作用するよう構成される。ここで、部材は、具体的には、調整可能なプリズムの支持構造体に連結された保持構造体に浮遊式に支持される。
さらに、本発明の一実施例によれば、調整可能なプリズムは、部材又は容器を介して(具体的には、部材/容器の周囲側壁を介して)調整可能なプリズムの支持構造に強固に連結され、ここでアクチュエータ・システムは、前記角度を調整するために、第1の保持構造体に作用して第1の光学素子を傾斜させ、第2の保持構造体に作用して第2の光学素子を傾斜させるよう構成される。
さらに、本発明の一実施例によれば、部材は、1つ若しくはいくつかのばねを介して、又はジンバルを介して、調整可能なプリズムの支持構造体に連結される。
さらに、本発明の一実施例によれば、アクチュエータ・システムは、第1の保持構造体を第1の軸及び/又は第2の軸を中心にして傾斜させる複数のアクチュエータを有し、ここで2つの軸は、具体的には、直角をなす。さらに、一実施例によれば、アクチュエータ・システムは、第2の保持構造体を第1の軸及び/又は第2の軸を中心にして傾斜させる複数のアクチュエータを有し、ここで2つの軸は、具体的には、直角をなす。
それぞれのアクチュエータは、任意の種類の好適なアクチュエータ、具体的には、ボイス・コイル・アクチュエータ、形状記憶合金アクチュエータ、圧電アクチュエータ、電気永久磁石アクチュエータのうちの1つであり得る。傾斜する次元ごとに、少なくとも1つのアクチュエータを使用することが好ましい。
さらに、本発明の一実施例によれば、調整可能なプリズム(具体的には、第1及び/又は第2の保持構造体)は、第1の方向の高さ及び第1の方向に垂直に延びる第2の方向の長さを有し、ここで2つの方向は、調整可能なプリズムの光軸に対して垂直に延び、高さは長さよりも小さい。
さらに、本発明の一実施例によれば、アクチュエータ・システムのアクチュエータは、2つのアクチュエータ・グループにグループ化され、ここで前記アクチュエータ・グループは、第2の方向について、部材の両側に配置される(すなわち部材は、第2の方向について、2つのアクチュエータ・グループ間に配置される)。グループの一方だけ(すなわち、部材の片側のアクチュエータのみ)を使用することもできるが、これは、アクチュエータの数がより少ないため、傾斜方向あたりの力が半分だけになるという結果をもたらすことになる。それに対応して、一実施例では、アクチュエータ・システムのすべてのアクチュエータは、部材の片側に配置される。
さらに、本発明の一実施例によれば、それぞれのアクチュエータのストローク、具体的にはプリズムの傾斜位置又は角度を測定するために、各アクチュエータに隣接してホール・センサが配置され、ここで調整可能なプリズムは、具体的には、それぞれの測定されたストロークを、前記角度の調整を制御するため、又は個々のアクチュエータ間のクロストークを低減するために使用するよう構成される。さらに、ストロークを、互いに異なるアクチュエータを使用できるようにするための、より速いステップ応答を実現させるための、アクチュエータの経年劣化及び効率ロスに対抗するための、且つ/又は磁場などの外力の影響を打ち消すための、閉ループ制御アルゴリズムで使用することもできる。
さらに、本発明の一実施例によれば、調整可能なプリズムは、光学媒体の温度を測定するための、光学媒体に隣接する温度センサを有する。
温度センサは、具体的には、保持構造体の一方、光学素子の一方(たとえば、第1又は第2の保持要素)、又は外側の壁に配置できる。
さらに、本発明の一実施例によれば、調節可能なプリズムを通過する光の所望の光学偏向角を生成するために、調整可能なプリズムは、測定された温度に基づいて光学媒体の実際の屈折率を決定し、前記角度の基準値を決定するよう構成され、それによって、調整可能なプリズムの前記角度が決定された基準値に調整されたときに、所望の光学偏向角が達成される。
さらに、本発明のさらに別の態様によれば、調整可能なプリズムに入射する光を可変的な様式で偏向する、調整可能なプリズムが開示され、ここで調整可能なプリズムは以下を有する。
− 表面エリアを有する剛性の第1の光学素子と、
− 表面エリアを有する剛性の第2の光学素子と、
− 2つの表面エリア間に配置される光学媒体であって、その結果第1の剛性の光学素子に入射する光が、剛性の第1の光学素子の表面エリア、光学媒体、及び剛性の第2の光学素子の表面エリアを通過することができ、これにより、光は、2つの表面エリア間の角度に応じて偏向される光学媒体。
以下に、本発明のこの態様の好ましい実施例を説明する。こうした実施例は、上記でさらに説明した本発明の第1の態様による調整可能なプリズムと共に使用することもできる。
一実施例によれば、第1の剛性の光学素子は、剛性のプリズムである。ここで、剛性の第2の光学素子は、具体的には、プリズムではなく、プレート部材、たとえば平坦なプレート部材、又は他の何らかの光学素子(たとえば、剛性のレンズ)であり得る。剛性のプリズムは、ガラス又はポリマーなどのプラスチック材料などの、好適な透明の材料から形成することができる。
剛性のプリズムを調整可能なプリズムに直接つなぐと、様々な利点がある。従来、折曲げ(folded)カメラ・システムでは、折曲げられた剛性プリズムが傾斜されるか、又は追加の調整可能なプリズムが傾斜され、両方の構成要素が互いに分離されている。
調整可能なプリズムの平坦な部材を傾斜させる場合、剛性のプリズム(たとえば、ガラスのプリズム)と比較して、移動質量ははるかに小さくなる。さらに、(剛性のプリズムが、光学媒体を密閉する可撓性の容器に直接接着され)ガラス窓を1つ減らすことができるので、剛性のプリズムと別個のシステムとを組み合わせたシステムのアッベ数を大きくすることができる。
またこれにより、表面反射量が減るので、光透過率がより高くなり、波面誤差がより小さくなる。
この実施例はまた、全体として、部品数を減らすことを可能にし、その結果、位置合わせの課題は、より小さいものなる。
折曲げ要素としてミラーの代わりにプリズムを使用すると、全体として、入射エリアを減らすことができる。すなわち、プリズムに必要な空間/高さがより小さくなる。別法として、折曲げ要素のための空間が同じ場合、F値は光の面積によって与えられるので、より小さくすることができる。
一実施例によれば、剛性の第1の光学素子は、剛性の第1の光学素子の表面エリアに対して鋭角をなして延在する外面を有し、ここで外面は、調整可能なプリズムによって偏向されるべき光を受光するよう構成される。この外面は、具体的には、剛性の第1の光学素子の表面エリアとは反対側を向いている。
さらに、一実施例によれば、剛性の第1の光学素子は、凸状に湾曲した第1の縁部及び第1の縁部とは反対側の凸状に湾曲した第2の縁部を有し、ここで剛性の第1の光学素子は、直線の第3の縁部及び第3の縁部とは反対側の直線の第4の縁部を有し、第3及び第4の縁部は、それぞれ、第1の縁部と第2の縁部との間に延在する。かかる光学素子は、Dカット光学素子とも呼ばれる。
さらに、一実施例によれば、剛性の第2の光学素子は、凸状に湾曲した第1の縁部及び第1の縁部とは反対側の凸状に湾曲した第2の縁部を有し、ここで剛性の第2の光学素子は、直線の第3の縁部及び第3の縁部とは反対側の直線の第4の縁部を有し、第3及び第4の縁部は、それぞれ、第1の縁部と第2の縁部との間に延在する。
その上、さらに別の実施例によれば、第2の剛性の光学素子は、第1の剛性の光学素子に対して傾けられ、剛性の光学素子の表面エリア間の前記角度を調節する、すなわち調整するよう構成され、これにより、調節可能な様式で、調整可能なプリズムへの入射光を偏向させることができる。
一実施例によれば、調整可能なプリズムは、剛性の第1の光学素子に対して剛性の第2の光学素子を傾斜させるための、少なくとも1つのアクチュエータを有することが好ましい。
別の実施例によれば、それぞれのアクチュエータ(たとえば、上記でより詳しく説明したアクチュエータ・システムのそれぞれのアクチュエータ、又は上記の少なくとも1つのアクチュエータ)は、調整可能なプリズムの前記角度を調整するために、電流が電気コイルに印加されたときにローレンツ力を生成する、磁石及び対向する電気コイルを有する。
調整可能なプリズムは、具体的には、剛性の第1の光学素子及び/又は剛性の第2の光学素子をそれぞれ1つ又は2つの相異なる軸を中心にして傾け、調整可能なプリズムの前記角度を調整するよう構成された、かかる磁石及び電気コイルの配置構成である、複数のアクチュエータを有することができる。
一実施例では、具体的には、剛性の第1及び剛性の第2の光学素子の表面エリアが平行である場合、その周りに電気コイルの導体によって形成された巻線が延在する巻軸は、磁石の磁化と一直線に並べられるか又は平行であることが好ましい。
さらに、一実施例によれば、磁石は、電気コイルの磁化及び/又は巻軸の方向に、電気コイルから間隔を置いて配置される。代替実施例では、磁石は、電気コイルの中心開口内に突出し、ここで電気コイルの巻線は、この中心開口の周りに延在する。
さらに、一実施例によれば、磁石は剛性の第2の光学素子に連結され、電気コイルは剛性の第1の光学素子に連結される(又はその逆である)。
さらに、一実施例では、剛性の第2の光学素子及びそれに連結された磁石は固定することができ、一方剛性の第1の光学素子及びそれに連結された対向するコイルは、アクチュエータを使用して傾斜するよう構成される。
さらに、代替実施例では、剛性の第1の光学素子及びそれに連結された電気コイルは固定することができ、一方剛性の第2の光学素子及びそれに連結された磁石は傾斜するよう構成される(これは、剛性の第1の光学素子が剛性のプリズムである場合に、特に適している)。ここで、それぞれが前述の磁石/電気コイル構成を有するいくつかのアクチュエータの構成を使用して、剛性の第2の光学素子を2次元、すなわち2つの相異なる軸を中心にして傾斜させ、容器をプリズムの形に成形し(たとえば、くさび形)、調整可能なプリズムを通過する光を2Dで偏向することができる。
すべての実施例において、それぞれのアクチュエータの磁石及び対向する電気コイルの位置は、原則として交換できる。
それぞれの電気コイルは、プリント回路基板に統合されることが好ましい。
一実施例によれば、具体的には、剛性の第2の光学素子を傾斜させるために、少なくとも1つのアクチュエータは、剛性の第2の光学素子の外部側面に連結され、ここで外部側面は、剛性の第1の光学素子に面し、その結果少なくとも1つのアクチュエータは、具体的には、剛性の第1の光学素子の横に配置される。
別法として、剛性の第2の光学素子を傾斜させるために、少なくとも1つのアクチュエータは、剛性の第2の光学素子の外部側面に連結することができ、ここで外部側面は、剛性の第1の光学素子とは反対側を向き、その結果第2の光学素子は、具体的には、少なくとも1つのアクチュエータと剛性の第1の光学素子との間に配置される。
さらなる実施例によれば、少なくとも1つのアクチュエータは、保持構造体を介して外部側面に連結され、ここで保持構造体は、剛性の第2の光学素子を保持するよう構成される。保持構造体は、外部側面に取り付けられ、したがって、アクチュエータと剛性の第2の光学素子との間に中間要素を形成する。
一実施例によれば、保持構造体は、開口を有するプレートで形成することができ、ここで剛性の第2の光学素子は、開口の前に配置される。開口は、2つの対向する直線縁部及び2つの対向する凹状の縁部を有することができ、ここでそれぞれの凹状の縁部は、2つの直線縁部間に延在する。かかる開口は、Dカットの剛性の第2の光学素子と組み合わされることが好ましい(上記も参照)。開口はまた、他の輪郭(たとえば、円形、四角形、又は他の形状)を持つこともできる。さらに、本明細書に記載する保持構造体は、金属、ガラス、プラスチック材料、ポリマーの材料のうちの1種類から形成できる。さらに、それぞれの保持構造体は、CNC機械加工されたもの、成形されたもの、打ち抜かれたもの、エッチングされたもののうちの1つであり得る。
調整可能なプリズムは、第1の剛性の光学素子を保持する、別の保持構造体を有することができる。別の保持構造体も、開口を有するプレートで形成することができ、ここで剛性の第1の光学素子は、別の保持構造体の開口の前に配置される。剛性の光学素子(及び具体的には容器)は、具体的には、2つの保持構造体間に配置されることが好ましい。別の保持構造体の開口も、2つの対向する直線縁部及び2つの対向する凹状の縁部を有することができ、ここでそれぞれの凹状の縁部は、2つの直線縁部間に延在する。
別の保持構造体は、調整可能なプリズムを、デバイス(たとえば、調整可能なプリズムを構成要素として使用するデバイス)にしっかり付けるよう構成され得る。別法として、剛性の第1の光学素子自体が、調整可能なプリズムをデバイスにしっかり付けるよう構成され得る。この点に関して、保持構造体又は剛性の第1の光学素子は、デバイスの装着構造体に接合(たとえば、接着又は溶接)できるか、又はねじ、ラッチ接続、又は前述のしっかり付ける手段の組合せなどの他の手段によって、デバイスの装着構造体にしっかり付けることができる。剛性の第1の光学素子(たとえば、剛性のプリズム)がデバイスに連結されると、剛性の第2の光学素子は、少なくとも1つのアクチュエータを用いて、剛性の第1の光学デバイスに対して傾けられ得る。
さらに、一実施例によれば、光学媒体は、可撓性の容器、たとえば蛇腹の形態の容器内に配置され、ここで容器は、第1及び第2の剛性の光学素子に連結され、剛性の第1の光学素子と剛性の第2の光学素子との間に配置され、その結果剛性の第2の光学素子に対して剛性の第1の光学素子を傾けることによって、且つ/又は剛性の第1の光学素子に対して剛性の第2の光学素子を傾けることによって、容器を通過する光が偏向されるように、容器はプリズム(たとえば、くさび形)に成形され得る。光学媒体は、容器で密閉された内部空間を完全に満たすことが好ましい。
一実施例によれば、容器は、剛性の第1の光学素子の表面エリアに連結された第1の透明で弾性変形可能な膜を有し、ここで、この第1の膜は、容器の壁を形成する。
一実施例では、剛性の第2の光学素子も、具体的には、容器の壁を形成し、ここで光学媒体は、剛性の第2の光学素子の表面エリアに接触する。第1の膜はまた、第1の膜の縁部領域を介して第2の剛性の光学素子に連結されることが好ましい。
別の実施例によれば、容器は、剛性の第2の光学素子の表面エリアに連結された第2の透明で弾性変形可能な膜を有する。第2の膜及び剛性の第1の光学素子の表面エリアに連結される第1の膜は、たとえば、それぞれの膜の周囲に沿って互いに連結されることが好ましい。したがって、この実施例では、光学媒体は2つの膜によって密閉されている。
一実施例によれば、2つの膜の周囲を連結するのではなくて、2つの膜を、容器の周囲側壁(たとえば、リング部材の形状の外側の壁)を介して連結することも可能であり、ここで光学媒体は、やはり第1の膜と第2の膜との間に配置される。
一実施例によれば、部材は、すべての面(側;side)で、光学媒体のボリュームの境界を完全に定める。部材は、1つ又は2つの膜を有し、具体的には、1つ又は2つの膜で構成され得る。膜は、枕状又は蛇腹状の構造体を持つことができる。
一実施例によれば、少なくとも1つの光学面は膜でできている。第1及び/又は第2の光学素子は、部材で密閉されたボリュームの対向する面の膜に直接接して配置され、光学素子は、1区画のガラスであり得る。膜は、光学素子の表面の少なくとも95%、特に少なくとも99%を覆うことができる。表面の中央エリアは、具体的には、表面の中央エリアに完全に接合されており、中央エリアを取り囲む表面の外側エリアでは、表面は膜から離れている。外側エリアの幅は、たとえば、2マイクロメートルから200マイクロメートルである。中央エリアにおいて、膜は、第1及び/又は第2の光学素子の前記表面に沿って切れ目なく延在し得る。これにより、特に、プリズムの信頼性が高くなるという結果がもたらされる。
一実施例によれば、第1及び第2の膜は、プラズマ接合によって互いに連結される。さらに、光学素子及び膜は、プラズマ接合を用いて互いに連結され得る。保持構造体は、具体的には、プラズマ接合を用いて光学素子に連結される。たとえば、プラズマ接合処理は、大気圧プラズマ処理又は低圧プラズマ処理である。光学素子は、具体的には、D263Tガラスであり得る透明なホウケイ酸ガラスを有する。膜は、シリコーンを有するか、又はシリコーンで構成される。一実施例によれば、プリズム全体は、50より大きい、好ましくは70より大きい、特に好ましくは80より大きいアッベ数を持つ。たとえば、光学素子のアッベ数は40から70、光学媒体のアッベ数は40から120、膜のアッベ数は30から60である。プリズムは、特に低い色収差を持つので有利である。
一実施例によれば、屈折率は、光学媒体と膜と光学素子との間で整合される。たとえば、膜の屈折率は、光学媒体の屈折率と光学素子の屈折率との間である。これにより、プリズム内の屈折率の滑らかな遷移がもたらされ、それにより、膜、光学素子、及び光学媒体の表面での内部反射が最小化されるので有利である。光学素子は、具体的には、膜とは反対側に向く面に、反射防止コーティングを有する。たとえば、光学素子の屈折率は1.5±0.1であり、膜の屈折率は1.4±0.1であり、光学媒体の屈折率は1.2から1.6である。光学媒体の屈折率は、特に、1.3±0.1である。たとえば1.45未満である光学媒体のより低い屈折率により、特定の光学的傾斜角(プリズムを透過したビームの偏向)に必要な、より大きな機械的傾斜角がもたらされるので有利である。したがって、比較的低い機械的分解能しか備えていないセンサを使用して、機械的傾斜角を測定できる一方で、光学的傾斜の分解能は高いままである。
一実施例によれば、プリズムの主な延在方向に垂直な光学素子及び膜の総厚さは、前記方向に沿った光学媒体の厚さよりも大きい。
一実施例によれば、光学素子は、部材によって互いに機械的に連結される。たとえば、部材は、ビーム経路に沿って光学素子の距離が調節可能となるように、十分な動きの範囲を設ける。光学素子の距離は、具体的には、5マイクロメートルから少なくとも150ミクロン、特に、少なくとも370ミクロンに調節され得る。たとえば、ガラス間の距離を、少なくとも150ミクロン、特に少なくとも370ミクロンに設定できるように、部材は、膜の十分なたるみ又は十分な弾性を有する。偏向されていない状態では、部材の周囲部は、具体的には、光学素子の表面にわたって横方向に延在する。周囲部は、具体的には、第1の膜及び/又は第2の膜の自由周囲部分に相当する。延ばされた状態では、光学素子が引き離され、それによって部材の周囲部が光学素子間で引っ張られる。たとえば、部材の弾性度は、0.3MPaから最大10MPaのヤング率である。光学素子及び部材は、具体的には、延ばされた状態で400ミクロンから最大1500ミクロンの総厚さである。周辺部は、光学素子間の最大距離をより大きくすることを可能にし、機械的傾斜を調節するために必要な力を低減するので有利である。
一実施例によれば、光学部材は、上面図では、非円形、特に、丸くない幾何形状を持つ。たとえば、光学部材は、上面図では、D字形の外形を持つ。別法として、光学部材は、角が丸い四角形の外形又は楕円形の外形を持つ。さらに、光学部材は、2つの直線縁部及び2つの凸状に湾曲した縁部を備える外形を持ち、ここで直線縁部は互いに向かい合い、凸状に湾曲した縁部は互いに向かい合う。光学部材の外形は、具体的には0.2ミリメートル、特に少なくとも0.5mmの最小曲率半径を持つ。光学部材の前記外形は、光学部材により膜に穿孔が生じるリスクを低減するので有利である。
一実施例によれば、光学素子は、上面図に見られる、その横方向の広がりが異なる。たとえば、第1の光学素子及び第2の光学素子の外形は、相似像によって互いに統合され得るが、一方第1及び第2の光学素子の外形は、相異なるサイズである。第1及び第2の光学素子のサイズが相異なることにより、互いに対する光学素子の移動の自由度を増加させることが可能になるので有利である。別法として、第1の剛性の光学素子の外形は、第2の光学素子の外形とは異なり、その結果、相似像によって外形が互いに統合され得ない。
上面図では、液体のボリュームは、具体的には、光学素子の1つを越えてすべての方向に外側に広がる。平面図に見られる光学素子のサイズが相異なることにより、光学素子の、互いに対する速い傾斜が可能になることは有利である。さらに、光学素子の縁部を越えて外側に広がる液体のボリュームは、たとえば光学素子を引き離すことによって光学素子間の距離が増加したときに、光学素子間で引っ張られる貯留槽のボリュームとして機能する。
一実施例によれば、2つの膜は予歪を与えられている。たとえば、2つの膜は、少なくとも2%だけ、好ましくは少なくとも10%、25%、又は50%だけ予歪を与えられている。たとえば、膜は、熱的予歪又は機械的予歪によって、予歪が与えられる。膜の予歪により、光学素子の縁部を越える部材の横方向の広がりが減少する。これにより、プリズムの横方向のサイズが小さくなるので有利である。さらに、予歪は、傾きに対する線形の力応答をもたらし、それによって、アクチュエータを用いたプリズムとのインタフェースが簡素化されるので有利である。
一実施例によれば、光学素子は、その広がりの主平面に沿って、互いに対して移動可能である。光学素子の互いに対する相対移動により、光学組立体へのプリズムの搭載が簡素化されることは有利である。さらに、製造公差は、光学素子の互いに対する相対移動によって補償され得る。
一実施例によれば、調整可能なプリズムは、少なくとも1つの終端停止部(endstop)を有する。終端停止部は、機械的な急停止部(hard stop)であり、少なくとも1つの方向への光学素子の互いに対する相対移動を制限する。終端停止部は、具体的には、第1及び第2の光学素子の6つの方向への相対移動を制限するよう配置される。終端停止部は、具体的には、前記光学素子の移動が終端停止部によって制限されるとき、光学素子の1つと直接接触する。たとえば、終端停止部は、光学素子間の最大及び/又は最小距離を制限するよう配置される。さらに、終端停止部は、光学素子の互いに対する傾斜を制限できる。
終端停止部は、光学素子の主な延在平面に垂直な方向における光学素子間の最大距離を制限するよう配置され得る。終端停止部は、光学素子を互いに対して変位させる加速力により、膜が過剰な負荷を受けることを防止するので有利である。
一実施例によれば、プリズムは、枢動構造体を有し、枢動構造体は、光学素子の一方の、他方の光学素子に対する枢動点を画定するよう配置される。枢動構造体は、ジンバルであってもよい。別法として、枢動構造体は、アクチュエータに取り付けられたばねを有することができ、ここでばねは、光学素子の互いに対する相対移動の受動式制振を実現する。別法として、枢動構造体は、光学素子の一方に固定的に連結される突部を有することができる。突部は、レール要素に係合し、レール要素は、レール要素に沿った突部の移動を誘導する。たとえば、突部はボールの形状を持ち、ここで突部及びレール要素は、ボール・ジョイントを構築する。枢動構造体は、具体的には、終端停止部である。枢動構造体は、傾斜性能を改善し、プリズムを振動に対してより頑丈にするので有利である。
調整可能なプリズムの1つの実施例によれば、光学的傾斜角は、350nmから800nmまでの可視波長範囲の電磁放射に対して、適切に画定される。光学的傾斜角は、具体的には、赤外光及び近赤外光の波長範囲の電磁放射に対して適切に画定される。
さらに、調整可能なプリズムを有するデバイスもある。ここに記載するデバイスは、特に、調整可能なプリズムを有することができる。これは、デバイスについて開示されるすべての特徴が、調整可能なプリズムについても開示され、その逆も同様であることを意味する。
一実施例によれば、デバイスは、プロジェクタ又はカメラにおける超解像度用のビーム・シフタである。ビーム・シフタは、具体的には、プロジェクタのビーム経路に配置される。ビーム・シフタは、光がプロジェクタによって放射される方向をシフトするよう配置される。ビーム・シフタは、プロジェクタによって生成される画像を、プロジェクタの画素ピッチの割合でシフトし、したがって、特に正確なシフトが必要である。カメラでは、ビーム・シフタは、画像センサのビーム経路の前に配置される。ビーム・シフタは、画像センサによって取り込まれる画像を、センサの画素ピッチの割合でシフトするよう配置され、したがって、特に正確なシフトが必要である。
ビーム・シフタは、調整可能なプリズムを有し、光がプロジェクタによって放射される方向、又は光が画像センサに入射する方向を画定することを可能にする。光偏向の角度は、機械的偏向の角度よりも小さい。したがって、調整可能なプリズムは、特に正確なビームシフトを可能にする。たとえば、ビーム・シフタは、第1の光学素子を少なくとも2つの予め定義された位置、好ましくは少なくとも4つの予め定義された位置に傾けるよう配置される。したがって、プロジェクタ又はの解像度は、2倍、好ましくは4倍増加する。
さらに、ビーム・シフタは、予め定義された位置間を特に高速で切り替えるよう配置される。たとえば、ビーム・シフタは、投影される画像の1フレーム中に、予め定義された位置のそれぞれに切り替わるよう配置される。したがって、ビーム・シフタの予め定義された位置間での切替え頻度は、フレーム・レートより少なくともn倍高く、ここでnは、予め定義された位置の数に相当する。カメラにおいては、ビーム・シフタは、超解像度画像が取り込まれている間、予め定義された位置のそれぞれに切り替わるよう構成され得る。したがって、カメラは、ビーム・シフタの予め定義されたそれぞれの位置で画像を取り込み、ここで取り込まれた画像は後で合成される。結果として、合成された画像は、超解像度画像になる。
さらに、調整可能なプリズムは、300Hz未満、特に100Hz未満の、付加的な機械的共振のない、本質的に制振された液体システムである。調整可能なプリズムは、広い周波数帯域幅で切り替えることができるので有利である。
ビーム・シフタの特に高速な切替えを実現するため、調整可能なプリズムの移動質量は小さい。すなわち、第1の保持構造体及び第1の光学素子の最大総重量は、100ミリグラム、好ましくは60ミリグラムである。さらに、調整可能なプリズムは、光軸に対してある角度で画像をシフトする。調整可能なプリズムは、具体的には、光軸を中心にして画像を回転させない。
一実施例によれば、デバイスはイメージ・スタビライザである。イメージ・スタビライザは、カメラ・ユニット、双眼鏡、又は望遠鏡の一部であってもよい。イメージ・スタビライザは、取り込まれる画像のぼけを低減し、ここでぼけは、露光中のカメラ・ユニットの動きに伴う。イメージ・スタビライザは、撮像デバイス、双眼鏡、又は望遠鏡のパン及びチルト(ある角度をなす動き、ヨー及びピッチに相当する)を補正するよう配置される。イメージ・スタビライザは、露光中の寄生動作を補正するよう配置される調整可能なプリズムを有する。第2の光学素子に対する第1の光学素子の機械的傾斜角は、光学的傾斜角をもたらす。光学的傾斜角は、調整可能なプリズムに入射するビームと調整可能なプリズムを出るビームとの間を測定されたものである。機械的傾斜角の変化は、具体的には、光学的傾斜角のそれぞれの変化より小さい。したがって、調整可能なプリズムは、光学的傾斜角の特に正確な制御を可能にする。たとえば、3.5度の機械的傾斜角は、光学的傾斜角の1度になる。
以下では、本発明の態様の実施例、並びに本発明のさらなる特徴及び利点を、以下の図面を参照して説明する。
本発明による、調整可能なプリズムの実施例の概略断面図である。 図1に示す調整可能なプリズムの概略上面図である。 図2のアクチュエータの配置構成の修正形態を示す図である。 第1及び/又は第2の光学素子がそれぞれ単一の軸を中心にして傾斜可能である、図1に示す調整可能なプリズムの変形例の概略上面図である。 本発明による、調整可能なプリズムの実施例の概略上面図である。 本発明による、調整可能なプリズムの実施例の概略上面図である。 本発明による、調整可能なプリズムの実施例の概略上面図である。 第2の保持構造体が、プリズムの支持構造体に固定され、第1の保持構造体が、プリズムの角度を調整するために傾斜可能である、本発明による調整可能なプリズムの実施例の概略断面図である。 光学媒体を有するプリズムの部材が、プリズムの支持構造体に固定され、プリズムの第1の保持構造体及び/又は第2の保持構造体が、プリズムの角度を調整するために傾斜可能である、本発明による調整可能なプリズムの実施例の概略断面図である。 光学偏向角を示し、さらに図6が、両方の保持構造体が作動/傾斜される場合に、部材を変形させるために、保持構造体ごとにより僅かな作動力しか必要としないことも明示する、図6による状態を示す図である。 調整可能なプリズムの固定型容器及び浮遊型容器/部材での、プリズムの、部材に加えられるトルク対機械的傾斜角を示すグラフである。 中間光学素子が、第1及び第2の光学素子のサイズを小さくし、それぞれの光学素子を傾けるときに、自由膜エリアが増えるほど、作動力がより小さくなるという結果をもたらす、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 図9に示す実施例の修正形態を示す図である。 部材/容器の外側の壁の相異なる剛性値での、プリズムの、トルク対機械的傾斜角を示すグラフである。 部材/容器の相異なる形状及び部材/容器の相異なる剛性値での、プリズムの、トルク対傾斜角を示すグラフである。 プリズムの部材が、光学媒体から形成された可撓性の物質で形成されている、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 プリズムの部材/容器が、可撓性の外側の壁を有し、プリズムの光学素子が、外側の壁を越えて延在する、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 部材/容器が、1つ又はいくつかのばねを介して調整可能なプリズムの支持構造体に連結される、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 部材/容器が、ジンバルを介して調整可能なプリズムの支持構造体に連結される、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成する、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成する、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成し、光学媒体を封じ込むための容器が、膜及び剛性の第2の光学素子を使用して形成される、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成し、光学媒体を封じ込むための容器が、2つの膜及び周囲側壁を使用して形成される、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成し、光学媒体を封じ込むための容器が、周囲部で連結される2つの膜を使用して形成される、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成し、保持構造体が、(たとえば、第2の光学素子を傾斜させるために)剛性の第2の光学素子に連結される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の斜視図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成し、剛性の第2の保持部材が、剛性の第2の光学素子を傾斜させるために、少なくとも1つのアクチュエータに直接連結されるよう構成される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の斜視図である。 少なくとも1つのアクチュエータが、剛性の第2の光学素子の、剛性の第1の光学素子(たとえば、剛性のプリズム)に向く面に配置される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の概略上面図である。 図24に示す実施例の概略側面図である。 少なくとも1つのアクチュエータが、剛性の第2の光学素子の、剛性の第1の光学素子(たとえば、剛性のプリズム)とは反対に向く面に配置される、本発明による調整可能なプリズムの代替実施例の概略側面図である。 保持構造体(たとえば、少なくとも1つのアクチュエータと連結するための)が、剛性の第2の光学素子の、剛性の第1の光学素子(たとえば剛性のプリズム)とは反対に向く面に配置される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の概略側面図である。 保持構造体(たとえば、少なくとも1つのアクチュエータと連結するための)が、剛性の第2の光学素子の、剛性の第1の光学素子(たとえば剛性のプリズム)に向く面に配置される、本発明による調整可能なプリズムの代替実施例の概略側面図である。 磁石及び磁石と向かい合う電気コイルを備えるアクチュエータを有する、本発明による調整可能なプリズムの実施例を示す図である。 磁石及び磁石と向かい合う電気コイルを備えるアクチュエータを有する、本発明による調整可能なプリズムの実施例を示す図である。 磁石及び磁石と向かい合う電気コイルを備えるアクチュエータを有する、本発明による調整可能なプリズムの実施例を示す図である。 調整可能なプリズムが、光学媒体の両側に2つのDカットの剛性の光学素子を有し、剛性の第2の光学素子が、具体的には、別のデバイスに連結されるよう構成される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の斜視図である。 調整可能なプリズムが、光学媒体の両側に2つのDカットの剛性の光学素子を有し、第1の保持構造体が、剛性の第1の光学素子に連結され、剛性の第2の光学素子が、具体的には、別のデバイスに連結されるよう構成される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の斜視図である。 調整可能なプリズムが、光学媒体の両側に2つのDカットの剛性の光学素子を有し、第1の保持構造体が、剛性の第1の光学素子に連結され、第2の保持構造体が、剛性の第2の光学素子に連結され、第2の保持構造体が、具体的には、別のデバイスに連結されるよう構成される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の斜視図である。 光学素子のz軸方向の相対移動を制限する終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の側面図である。 光学素子のz軸方向の相対移動を制限する終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の側面図である。 光学素子のz軸、x軸及びy軸方向の相対移動を制限する、及び終端停止部及び横方向の終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の側面図である。 枢動構造体を有する、調整可能なプリズムの実施例の概略斜視図である。 予歪を与えられていない第1及び第2の膜を持つ、調整可能なプリズムの、部分的に示した概略側面図である。 予歪を与えられた第1及び第2の膜を持つ、調整可能なプリズムの部分的な概略側面図である。 予歪を与えられた第1及び第2の膜を持つ、調整可能なプリズムの部分的な概略側面図である。 z軸方向の光学素子の相対移動を制限する、間に挟まれた終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の概略斜視図である。 z軸方向の光学素子の相対移動を制限する、間に挟まれた終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の概略斜視図である。 z軸方向の光学素子の相対移動を制限する、間に挟まれた終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の概略側面図である。 z軸方向の光学素子の相対移動を制限する、間に挟まれた終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の概略側面図である。
図1は、本発明にしたがって、調整可能なプリズム1へ光軸Oの方向に入射する光Lを調整可能な様式で偏向するよう構成される、調整可能なプリズム1の実施例を示す。すなわち、プリズム1は、調整可能な角度(本明細書では、機械的角度とも呼ばれる)W(たとえば、角度Wを示す図5参照)を有する。この目的を達成するために、調整可能なプリズム1は、透明で可撓性の第1の表面11、第1の表面11とは反対の方向を向いた透明で可撓性の第2の表面12、及び2つの表面11と12との間に配置された光学媒体2を有する部材10を有し、それにより第1の表面11に入射する光Lは、光学媒体2を通過し、第2の表面12を通って部材10を出る(又はその逆である)。それにしたがって、光Lは、部材10によって、2つの表面11と12との間の前記角度Wに応じて偏向される。この偏向は、たとえば図7に示す光学偏向角Uに対応する。さらに、プリズム1は、部材10の第1の表面11に取り付けられた(たとえば接着された)表面エリア21を有する剛性の第1の光学素子20、及び部材10の第2の表面12に取り付けられた(たとえば接着された)表面エリア31を有する剛性の第2の光学素子30を有する。2つの表面エリア21、31は平坦であることが好ましいが、湾曲していてもよい(上記も参照)。2つの表面エリア21、31のこの特徴は、本発明の他の実施例にも適用され得る。さらに、2つの光学素子20、30は互いに向かい合っており、ここで前記部材10は、2つの光学素子20と30との間に配置される。それぞれの光学素子20、30は、具体的には、それぞれの表面エリア21、32に平行な、別の表面を持つ平坦なプレート部材20、30であり得る。光学素子20、30は、ガラス又はプラスチック材料(たとえば、ポリマー)から形成できる。
さらに、プリズム1は、第1の光学素子20及び/又は第2の光学素子30を傾けて、上記で説明した前記角度Wを調整するよう構成される、個々のアクチュエータS1、S2、S3、S4で構成され得るアクチュエータ・システムSを有することが好ましい。
前記角度Wは、具体的には、2面角、すなわち、第1の表面11の延長平面E1と第2の表面12の延長平面E2との間の、2つの延長平面E1、E2間の仮想交線Iを直角に切断する第3の平面E3における角度であり得る。
図1にさらに示すように、第1の光学素子20の表面エリア21は、第1の表面11が第1の光学素子20の表面エリア21で覆われていない自由周囲部分11bを有するように、第1の表面11の一部分11aに取り付けられる。同様に、第2の光学素子の表面エリア31は、第2の表面12が第2の光学素子30の表面エリア31で覆われていない自由周囲部分12bを有するように、第2の表面12の一部分12aに連結される。
第1の光学素子20の表面エリア21は、具体的には、第1の光学素子20の周縁部によって境界を定められ得る。同様に、第2の光学素子30の表面エリア31は、第2の光学素子30の周縁部によって境界を定められ得る。
図1にさらに示すように、部材10は、光学媒体(たとえば、液体又はゲル)2で満たされた容器であってもよく、ここで容器10は、第1の透明で弾性変形可能な膜101及び第2の透明且つ弾性変形可能な膜102を有する。ガラス、プラスチック材料、ポリマー(たとえば、シリコーンベースのポリマー)又はエラストマーなどの、透明で伸縮可能な任意の好適な材料から形成され得る2つの膜101、102は、容器10の周囲側壁13を介して連結される。周囲側壁13は、星型の形状も含む様々な形であり得る。具体的には、第1の膜101は、前記第1の表面11を形成し、第2の膜102は、前記第2の表面12を形成し、ここで光学媒体2(たとえば、シリコーン・オイル)は、第1の膜101と第2の膜102との間に配置される。さらに、外側の壁13は剛性であるが、代替実施例では可撓性であってもよい。
さらに、光学素子20、30の表面エリア21、31の直径D1、D2は、自由周囲膜部分/表面部分11b、12bを確保する周囲側壁13で囲まれたボリュームの直径Dよりも小さい。
さらに、作動力を光学素子20、30に伝達するために、第1及び第2の保持構造体40、50が設けられ、ここで第1の保持構造体40は、第1の光学素子20を保持するよう構成され、第2の保持構造体50は、第2の光学素子30を保持するよう構成される。保持構造体40、50は、部材10を変形させるそれぞれの光学素子20、30を傾けて、所望の角度Wをもたらすことができるので、プリズム成形器とも呼ばれる。この角度Wは、光学媒体2の屈折率と共に、一実例として図7に示すように、偏向された光ビームLの光学偏向角Uを生み出す。
保持構造体40、50はそれぞれ、具体的には、それぞれの光学素子20、30がその前に配置される開口41、51を有するプレート40、50で形成することができる。第1の光学素子20は、具体的には、第1の保持構造体40の周囲境界領域42に連結することができ、境界領域42が第1の保持構造体40の開口41を取り囲んでいる。同様に、第2の光学素子30は、第2の保持構造体50の周囲境界領域52に連結することができ、境界領域52が第2の保持構造体50の開口51を取り囲んでいる。それぞれの開口41、51は、具体的には、円形の開口、楕円形の開口、四角形の開口、又は他の任意の好適な形状のうちの1つであり得る。それぞれのプレート40、50は、四角形のプレートであってもよいが、他の外形も有することができる(図4Aから4Cも参照)。
本発明により、プリズムの高さHを最小に保ちながらも、同時に、プリズム1の有効口径C(すなわち、開口41、51の直径)を最大にすることができるので有利である。これは、アクチュエータ・システムSのアクチュエータS1、S2、S3、S4が、好ましくは第2の空間方向(プリズム長さXの方向)に沿って配置されるという事実によって裏づけけられている。したがって、アクチュエータは、部材10の外側に隣接して配置することができ、プリズムの高さHに影響しない。このようにして、高さHは、調整可能なプリズム1の長さXよりはるかに短くすることができる。
具体的には、図2に示すように、アクチュエータ・システムSは、4つのアクチュエータS1、S2、S3、S4を有し、第1の保持構造体40又は第2の保持構造体50を、第1の軸A1及び直線の別個の第2の軸A2を中心にして傾けることができる。アクチュエータ・システムSはまた、2つの軸A1、A2を中心にして、両方の保持構造体40、50を傾けるようにも構成され得る。少なくとも1つのアクチュエータS1、S2、...は、具体的には、傾斜方向(片側)ごとに使用される。
さらに、両方の保持構造体/プリズム成形器40、50を傾斜させる場合には、個々のアクチュエータの構成要素を両方の構造体40、50に配置することも可能である。たとえば、電気コイルを第1の保持構造体40に配置することができ、一方対応する磁石を第2の保持構造体50に配置する(組合せ式ボイス・コイル・アクチュエータ)。部材10の片側にのみアクチュエータS1、S2を配置するための、図2Aに示す、かかるアクチュエータの配置構成も使用できる。
各アクチュエータS1、S2、S3、S4は、具体的には、作動される保持構造体(たとえば、第1の保持構造体40)の角の領域に作用する。図2に示すように、アクチュエータS1、S2、S3、S4は、2つのアクチュエータ・グループG1、G2にグループ化され、ここで前記アクチュエータ・グループG1、G2は、高さHに垂直に延びる第2の方向について、部材10の両側に配置されることが好ましい。言い換えると、部材10は、それに沿ってプリズム1が長さXを有する第2の方向について、2つのアクチュエータ・グループG1とG2との間に配置される。
それぞれのアクチュエータS1、S2、...は、具体的には、任意の種類の好適なアクチュエータ、具体的には、ボイス・コイル・アクチュエータ、形状記憶合金アクチュエータ、圧電アクチュエータ、電気永久磁石アクチュエータのうちの1つであり得る。
図3に示すように、調整可能なプリズム1はまた、第1及び/又は第2の保持構造体40、50が、それぞれ単に、単一の軸A1を中心にして傾斜できるようにも構成され得る。ここで、少なくとも2つのアクチュエータS1、S2が使用され、これらもやはり上記のようにグループ化されることが好ましい。すなわち、部材10は、プリズム1がその長さXを有する第2の方向について、2つのアクチュエータS1とS2との間に配置される。
さらに、図4Aから図4Cは、全体的に、相異なる実施例で使用できる、光学素子20、30、膜101、102及び外側の壁13の相異なる、とり得る外形を示す。図4Aによれば、前述の構成要素は、円形の外形を有することができる。別法として、前記構成要素20、30、101、102、13はまた、楕円形の外形(図4B参照)又は四角形の外形(図4C参照)を有することができる。それぞれの自由膜部分11b、12bは、具体的には、円形の設計(図4A)でその最小値をとり、四角形の設計(図4C)で最大値をとる。四角形の設計は、丸みを帯びた角を有することができる。
さらに、プリズム1の角度Wを調整するために、第2の保持構造体50は、調整可能なプリズム1の支持構造体3に強固に連結することができ、ここでアクチュエータ・システムSは、角度Wを設定するために、第1の保持構造体40に作用するよう構成される。したがって、部材10は、具体的には、調整可能なプリズム1の支持構造体3に連結された第2の保持構造体50上で浮遊式に支持される。
図6は、さらなる可能性を示し、ここで部材(たとえば、容器)10は、そうではなくて、支持構造体3に強固に連結される。この目的を達成するために、外側の壁13を前記支持構造体3に固定することができる。これにより、アクチュエータ・システムSを用いて両方の保持構造体40、50を(たとえば、同時に)傾け、プリズム1の角度Wを設定することができる。
図7は、両方の保持構造体(プリズム成形器)40、50を傾ける利点を示す。両方の保持構造体40、50を作動させることができる(たとえば、図5と比較してより多くの数のアクチュエータが使用される)ので、同じ光学的傾斜角Uを得るのに、より大きい傾斜力が使用可能である。しかし同数のアクチュエータを持っていれば、図6の構成は、図5に示す構成と同様の効率を有する。
図8を見て分かるように、第1又は第2の保持構造体40、50の機械的傾斜角の関数としてトルクを示しており、プリズムの高さHの減少及び有効口径Cの増加により、プリズム1を傾斜状態に作動させるのに必要なトルクが大幅に増加する。
浮遊型容器10を導入し、外側の壁13で囲まれたボリュームの内径よりも小さい直径を持つ傾斜可能な第1の光学素子20を備えることによって、トルクを低減することができる(ここでは、第2の保持構造体50は固定されている)。
図9及び図10は、第1及び/又は第2の保持構造体40、50を傾けるために必要な力をより小さくするためのさらなる方策を示す。こうした特徴は、自由膜エリア11b、12bを増やすことを目的とする。プリズムの幅は、それに応じて大きくなる。
図9によれば、第1の光学素子20は、具体的には、第1の中間光学素子25を介して第1の保持構造体40に連結され得る。ここで、第1の中間光学素子25は、第1の光学素子20の直径D1よりも大きい直径D3を有する。同様に、第2の光学素子30は、第2の中間光学素子35を介して第2の保持構造体50に連結される。ここで、第2の中間光学素子35は、第2の光学素子30の直径D2よりも大きい直径D4を有する。
したがって、有効口径Cを一定に保ち得る一方で、光学素子20、30の径D1、D2を小さくすることができる。
光学素子20、30及び中間光学素子25、35の直径が相異なるため、第1の光学素子20及びそれに連結された第1の中間光学素子25は、周方向の段部26を形成する。同様に、第2の光学素子30及びそれに連結された第2の中間光学素子35も、周方向の段部36を形成する。
これらの段部26、36はまた、図10に示すように、それぞれの光学素子20、30と一体に形成される保持構造体40、50を使用する場合にも生成できる。ここで、第1の光学素子20は、突部27を有し、それにより、第1の光学素子20は、周方向の段部26を有し、ここで第1の光学素子20の表面エリア21は、突部27の周縁部28によって境界を定められる。同様に、第2の光学素子30は、突部37を有し、それにより、第2の光学素子30は、周方向の段部36を有し、ここで第2の光学素子30の表面エリア31は、第2の光学素子30の突部37の周縁部38によって境界を定められる。
図11にさらに示すように、壁部材13の剛性、幅、及び高さも、プリズムの傾斜力に影響を及ぼし、力を減らすために使用することができる。図11は、具体的には、剛性の外側の壁13(図11の下側のプリズム1)ではなくて、可撓性の壁13(図11の上側のプリズム1)を使用することによって、トルクを低減できることを示している。
さらに、図12は、相異なる容器の外径(円形及び四角形、図4A及び図4Cも参照)及びそれぞれの容器10の剛性について、傾斜角の関数としてトルクを示し、相異なる設計を使用した力の低減の可能性を実証している。具体的には、自由膜エリア11b、12bが増加すると(たとえば、円形から四角形に)、必要なトルクが減少する。さらに、容器10の剛性が低下すると、必要なトルクが低下する。
さらに、図13によれば、光学液体/媒体2及び周囲の容器10は、光学媒体2、具体的には硬化性シリコーン、ゲル、又はゴム粒(rubber drop)から形成される透明な可撓性の物質10で置き換えることができ、ここで材料2の剛性(ショア)は、傾斜トルクを規定する。材料2の屈折率が大きいほど、必要な機械的傾斜角Wを減少させることができる。
さらに、図14によれば、光学素子30、40は、平坦なプレート部材の形でそれぞれの保持構造体40、50と一体に形成することができ、ここで、こうしたプレート部材を可撓性部材10の上に延在させて、機械的な傾斜を可能にするための最小の部材高さを確保することができる。これにより、費用効果の高い様式で、プリズム全体の高さが低くなる。
さらに、図15及び図16に示すように、部材/容器10は、1つ若しくはいくつかのばね4を介して、又はジンバル5を介して、調整可能なプリズム1の支持構造体3に連結することができる。
部材10の外側の壁13の支持構造体3への、かかるばねによる連結は、依然として傾斜させる動きを可能にしながらも、光軸Oの方向(z位置)、並びに、特にまたx及びy方向の部材の移動を低減する。この自由移動質量の減少は、プリズム1の剛性を高め、それによって落下又は衝撃試験に対する信頼性を向上させる。さらに、プリズムの高さが制御され、精度を高める。
図16によれば、2次元ジンバル5もまた、部材/容器10を保持するために使用できる。前述の利点に加えて、かかるジンバル5は、測定及び傾斜の精度を向上させる画定された枢動点を実現させるのに役立つ。
具体的には、ガイド用ばねを使ってアクチュエータ・システムSを誘導することにより、プリズム1を傾けることとz方向(すなわち、光軸Oの方向)に沿って移動することとの間のクロストークを低減する、プリズム1の画定される枢動点を画定できる。ここでも、作動精度を向上させることができ、アクチュエータの自由移動質量が減少する。これは、プリズム1の剛性をさらに高め、それによって落下又は衝撃試験に対する信頼性を向上させる。さらに、プリズムの高さが制御され、精度を高める。
さらに、アクチュエータは、最大傾斜移動及びz方向移動(すなわち、光軸O方向の移動)、並びにz方向に垂直な移動(すなわち、x方向及びy方向)を制限する急停止部を有することが好ましい。かかる停止部により、膜101、102の過度の伸張、塑性変形、及び破裂を回避することができる。その結果、落下試験の際の安定性が向上する。
さらに、図2に戻ると、調整可能なプリズム1は、複数のホール・センサH1、H2、...を有することが好ましく、ここで各ホール・センサは、アクチュエータS1、S2、...のうちの1つに隣接して配置され、それぞれのアクチュエータのストロークを測定する。調整可能なプリズム1は、具体的には、それぞれの測定されたストロークを使用して、前記角度Wの調整を制御するか、又は個々のアクチュエータS1、S2、...間のクロストークを低減するよう構成される。一般に、ホール・センサの代わりに、他のセンサ、たとえば容量性又は誘導性センサも使用できる。
光学素子20、30を意図した方向に傾けようとすると、かかるクロストークにより、意図しない傾斜が発生する可能性がある。基本的に、クロストークは、作動部品の非対称なストロークに起因し得る。たとえば、図2に示す意図した傾斜軸、たとえば第1の軸A1を中心にして傾斜するには、アクチュエータS2、S4を有するグループG2を作動させる必要がある。対応するストロークが非対称である場合、意図しない(たとえば、第2の軸A2を中心とした)傾斜が顕在化する可能性がある。
ホール・センサH1、H2、...をアクチュエータのエリア近くに装着することにより、各エリアでそれぞれのストロークを読み取り、非対称を修正してクロストークを減らすことができる。
さらに、調整可能なプリズム1は、光学媒体2の温度を測定するために、光学媒体2に隣接する温度センサ6(図2参照)を有することができる。温度センサ6は、具体的には、保持構造体40、50の一方、光学素子20、30の一方(たとえば、第1又は第2の保持要素)、又は外側の壁13に配置できる。
測定された温度を使用して、光学液体/媒体2の屈折率を計算することができ、所望の光学偏向角を達成するための機械的な角度Wを計算することができる。
図17及び図18は、可変的な様式で、調整可能なプリズム1に(ここでは剛性の第1の光学素子20の外面20aに)入射する光Lを偏向する、調整可能なプリズム1の別の実施例を示す。調整可能なプリズム1は、表面エリア21を有する剛性の第1の光学素子20と、剛性の第1の光学素子20の表面エリア21に面する表面エリア31を有する剛性の第2の光学素子30とを有する。さらに、調整可能なプリズム1は、2つの表面エリア21と31との間に配置される光学媒体(たとえば液体)2を有し、その結果、第1の剛性の光学素子20に入射する光Lが、剛性の第1の光学素子20の表面エリア21、光学媒体2、及び剛性の第2の光学素子30の表面エリア31を通過し、これにより、光Lは、2つの表面エリア21と31との間の角度Wに応じて偏向される。角度Wは、上記で画定された2面角であり得る。第1の剛性の光学素子20は、たとえばガラス又は好適なポリマーから形成された剛性のプリズムであることが好ましい。さらに、剛性の第2の光学素子30は、透明で平坦なプレートであるが、剛性のレンズ30として機能するように(たとえば、光学エラーの補正などのために)曲率を有してもよい。剛性の第2の光学素子30もまた、ガラス又はプラスチック材料(たとえば、好適なポリマー)から形成できる。
剛性のプリズム20の外面20aは、具体的には、剛性のプリズム20の表面エリア21に対して鋭角Aをなして延在し、具体的には、表面エリア21と交わって剛性のプリズム20の縁部を形成し、ここで外面20aは、調整可能なプリズム1によって偏向されるべき光Lを受光するよう構成される。
図17に示すように、第1の軸Tを中心として剛性プリズム20を傾斜させることが可能であるだけでなく、異なる第2の軸T’を中心として第2の光学素子30を傾斜させ、光線Lの方向に影響を与えることが可能である。2つの軸T、T’は垂直であり得る。第1の軸Tは、剛性のプリズム20の表面エリア21に垂直であり得る。
別法として、図18に示すように、好ましくは2つの別個の軸を中心にして剛性の第2の光学素子30を傾け、剛性のプリズム20を固定した状態で維持することも可能である。
好適な液体又はゲルであり得る光学媒体2は、2つの光学素子20と30との間に配置され、表面エリア21、32に連結される、少なくとも部分的に透明な容器10内に配置されることが好ましく、ここで容器10は、剛性の第1及び/又は剛性の第2の光学素子20、30が傾けられたときに、可変プリズムを形成できるよう変形可能(たとえば、くさび形)である。
図19から図21は、図17及び図18に示したプリズム1の容器10の別個の実施例を示す。
図19に示す第1の変形例によれば、容器10は、剛性の第1の光学素子20の表面エリア21に連結された第1の透明で弾性変形可能な膜101を少なくとも有し、ここで第1の膜101はさらに、第1の膜100の縁部領域101aを介して第2の剛性の光学素子30に連結され、その結果、光学媒体2は、第1の膜101及び剛性の第2の光学素子30の表面エリア31によって密閉される。ここで、光学媒体2は、剛性の第2の光学素子30の表面エリア31に接触する。
図20に示す実施例によれば、容器10は、剛性の第2の光学素子30の表面エリア31に連結される第2の透明で弾性変形可能な膜102を有し、一方、第1の膜101は、剛性の第1の光学素子20の表面エリア21に連結される。ここで、2つの膜101、102の縁部領域101a、102aは、リング部材13として形成することができる周囲側壁13に連結されている。ここで光学媒体2は、2つの膜101、102及び外側の壁13によって密閉される。
別法として、図21に示すように、2つの膜101、102の縁部領域101a、102aは(たとえば、接着剤によって)互いに付着されてもよく、その結果、光学媒体2は2つの膜101、102のみによって密閉された状態になる。
図22に示すように、剛性の第2の光学素子30は、光が通過するための開口51を有する保持構造体50に連結され得る。保持構造体は、可撓性の容器10に連結された第2の光学素子30を保持するよう機能し、また、第2の光学素子30を傾けるために、保持構造体50を介して第2の光学素子30に連結され得る、1つ又は複数のアクチュエータの装着構造体としても機能する。
図22によれば、剛性の第2の光学素子30は、いわゆるDカットの光学素子である。すなわち、2つの対向する直線縁部303、304、並びに2つの対向する凸状に湾曲した縁部301、302を有する。これに対応して、保持構造体の開口51は、対応する外形、すなわち、2つの対向する直線縁部と2つの対向する凹状に湾曲した縁部とを有する。
別法として、図23に示すように、剛性の第2の光学素子30は、剛性のプリズム20の1つ又は2つの外側の壁20bを越えて突出し、第2の光学素子30を保持するための、且つ/又は1つ又は複数のアクチュエータを第2の光学素子30に連結するための部分又は表面を設けることができる。
図24から図26は、剛性の第2の光学素子30を傾斜させるための、アクチュエータS1、S2、S3、S4の配置構成に関する、様々な実施例を示す。ここで、調整可能なプリズム1は、図17から図23に関連して上記した実施例の1つにしたがって設計することができる。
図24及び図25に示すように、調整可能なプリズム1は、少なくとも1つのアクチュエータ、ここではたとえば4つのアクチュエータS1、S2、S3、S4を有し、剛性の第1の光学素子/剛性のプリズム1に対して剛性の第2の光学素子30を傾けることができる。作動は、剛性のプリズム10の隣又は反対方向(図26参照)で、可動コイル型ボイス・コイル・モータ(VCM:voice coil motor)、可動磁石型VCM、形状記憶合金アクチュエータなどのアクチュエータS1、S2、S3、S4を使用して行われ得る。それぞれのアクチュエータS1、S2、S3、S4は、システムに画定された枢動点を与えるための誘導用ばねを有することができ、ここでそれぞれのばねは、必要に応じて電流リードとしても機能できる。
図24及び図25によれば、具体的には、剛性の第2の光学素子30を傾斜させるために、それぞれのアクチュエータS1、S2、S3、S4は、剛性の第2の光学素子30の外部側面30aに連結され、ここで外部側面30aは、剛性の第1の光学素子/剛性のプリズム20に面し、その結果それぞれのアクチュエータS1、S2、S3、S4は、具体的には、剛性の第1の光学素子/剛性のプリズム20の横に配置される。
別法として、図26に示すように、それぞれのアクチュエータS1、S2、S3、S4は、剛性の第2の光学素子30の外部側面30bに連結され、ここで外部側面30bは、剛性の第1の光学素子20とは反対側を向き、その結果第2の光学素子30は、アクチュエータS1、S2、S3、S4と剛性の第1の光学素子/剛性のプリズム20との間に配置される。
図24から図26では、それぞれのアクチュエータは、調整可能なプリズム1の角度Wを調整するように、剛性の第2の光学素子30を傾斜させるために、剛性の第2の光学素子30に直接連結される。
しかし、図27及び図28に示すように、それぞれのアクチュエータS1、S2、S3、S4は、保持構造体50を介して剛性の第2の光学素子30に連結され得る。かかる保持構造体50は、剛性のプリズム20とは反対側を向く外部側面30b(図27参照)又は剛性のプリズム20に向く他方の外部側面30a(図28参照)に連結することができる。図27の保持構造体50は、図26のアクチュエータの配置構成に特に好適である。図28の保持構造体50は、図24及び図25のアクチュエータの配置構成に特に好適である。さらに、保持構造体は、いくつかの分離した部品で構成され得る(たとえば、図26参照)。
図29Aから図29Cは、本発明による調整可能なプリズム1の別の実施例を示し、ここで、それぞれのアクチュエータS1、S2は、磁石80及び対抗する電気コイル70を有し、電流がそれぞれの電気コイル70印加されたときに、剛性の第1の光学素子(図29Aを参照)又は剛性の第2の光学素子30(図29Bを参照)を、それぞれ、少なくとも1つの軸(ここでは図示の断面に垂直に延びる軸)を中心にして傾けることによって、調整可能なプリズムの前記角度を調整するための、ローレンツ力を生成する。
図29Aから図29Cに示すように、剛性の第1及び剛性の第2の光学素子20、30の表面エリア21、31が平行である場合、その周りにそれぞれの電気コイル70の導体の巻線71が延在する巻軸zは、磁石80の磁化Mと一直線に並ぶことが好ましい。
図29A及び図29Bに示す実施例によれば、それぞれの磁石80は、連係する電気コイル70の磁化M及び/又は巻軸zの方向に、連係する電気コイル70から間隔を置いて配置される。図29Cに示す代替実施例では、磁石80は、電気コイル70の中心開口内に突出し、ここで電気コイルの巻線71は、この中心開口の周りに延在する。
図29Aから図29Cに示す実施例では、磁石80は、剛性の第2の光学素子30に連結され、電気コイル70は、剛性の第1の光学素子20に連結される。しかし、磁石80及びコイル70の位置もまた交換可能であり、その結果、コイル70は剛性の第2の光学素子30に連結され、磁石80は剛性の第1の光学素子20に連結される。
図29Aに示す実施例では、剛性の第2の光学素子30及びそれに連結された磁石80は固定されており、一方剛性の第1の光学素子20及びそれに連結されたコイル70は、アクチュエータS1、S2を使用して傾けられるよう構成される。
図29Bに示す代替実施例では、剛性の第1の光学素子20及びそれに連結された電気コイル70は固定されており、一方剛性の第2の光学素子30及びそれに連結された磁石80は、傾けられるよう構成される(これは、剛性の第1の光学素子20が剛性のプリズム20である場合に、特に好適である)。
それぞれの電気コイル70は、プリント回路基板に統合されることが好ましい。
調整可能なプリズム1の可動部は、自由に動くことができるか、又はたわみばね(flexture spring)と連結され、旋回点を画定することができる。
さらに、磁石80及びコイル70はまた、本明細書で説明するような中間保持構造体40、50を用いて、それぞれの構造体(第1又は第2の光学素子20、30)に連結され得る。
さらに、図30は、本発明による調整可能なプリズム1の一実施例の斜視図を示し、ここで調整可能なプリズム1は、光学媒体2を封じ込む容器10の両側に、2つの平坦なDカットの剛性の光学素子20、30の形態である、剛性の第1及び剛性の第2の光学素子20、30を有し、剛性の第2の光学素子30は、具体的には、調整可能なプリズム1を使用する別のデバイス(たとえば、調整可能なプリズム1がカメラの一部である携帯電話)の装着構造体60に連結されるよう構成される。
Dカットは、具体的には、各剛性の光学素子20、30が、凸状に湾曲した第1の縁部201、301、第1の縁部201、301の反対側にある凸状に湾曲した第2の縁部202、302、直線の第3の縁部203、303、第3の縁部203、304の反対側の直線の第4の縁部204、304を有し、第3及び第4の縁部203、204、303、304は、それぞれ第1及び第2の縁部201、202、301、302間に延在することを意味する。
図31に示すように、剛性の第1の光学素子20のDカット形状に一致する開口41を有する第1の保持構造体40は、たとえば剛性の第2の光学素子30に対して剛性の第1の光学素子20を傾斜させるために、剛性の第1の光学素子20に連結することができ、その結果、2つの光学素子20と30との間の容器10は、調整可能なプリズム1に入る光の偏向を調整するように、プリズム(たとえば、くさび形)を形成する。またここでも、剛性の第2の光学素子30は、調整可能なプリズム1を使用する別のデバイス(たとえば、調整可能なプリズム1がカメラの一部である携帯電話)の装着構造体60に連結されるよう構成される。
さらに、図32に示すように、Dカットの第2の光学素子30の形状に一致する輪郭を持つ開口51を有する第2の保持構造体50は、第2の光学素子30に連結され、その結果、2つの光学素子20、30及びその間にある容器10は、2つの保持構造体40と50との間に配置される。ここで、第2の保持構造体50は、調整可能なプリズム1を使用する別のデバイス(たとえば、調整可能なプリズム1がカメラの一部である携帯電話)の装着構造体60に連結されるよう構成され得る。
概して、すべての実施例において、剛性の光学素子20、30(たとえば、ガラス要素)の形態、及び容器10の形態も、所望の幾何形状に適合させることができ、Dカットに限定されず、やはり四角形、楕円形、円形などであってもよい。さらに、それぞれの保持構造体40、50は、QRコード(登録商標)、DMCコード、バーコード、プレーン・テキストなどのシリアル番号を有し、製造中の調整可能なプリズム1の追跡可能性を確保できる。
図33は、終端停止部90を有する調整可能なプリズム1を示す。終端停止部90は、第1の光学素子20及び第2の光学素子30のz軸方向の相対移動を制限するよう配置される。終端停止部90は、射出成形によって製造できる。終端停止部90は、具体的には、光学素子の移動を制限するよう配置され得る。たとえば、終端停止部90は、第1の光学素子が傾斜するという結果をもたらす、z軸方向の引っ張り移動、x軸方向及び/又はy軸方向のねじり移動(shear travel)、並びに押込み移動を制限する。
第2の光学素子30は、第2の保持構造体50に装着される。第1の光学素子20は、第1の保持構造体40に取り付けられる。第1の保持構造体40及び第2の保持構造体50は、x軸及びy軸によって画定される平面に沿って広がる、フレームのような形状を持つ。保持構造体40、50の少なくとも一方は、保持構造体40、50を互いに対して動かすよう配置されたアクチュエータに機械的に連結されるよう配置される。アクチュエータは、具体的には、第1の保持構造体を傾斜状態40’にさせるよう配置される。たとえば、アクチュエータによって作動されたときに、傾斜状態40’の第1の保持構造体は、終端停止部90と間接的に接触しない。
図34は、図33の調整可能なプリズムの同じ実施例を示し、ここで保持構造体40、50は、加速力91によって互いに対して移動する。加速力91は、アクチュエータによって生じるものではない。加速力91は、可動式に装着された第1の保持構造体40及び第1の光学素子20の慣性によって生じ得る。加速力91は、第1の保持構造体40及び第1の光学素子20をz軸方向に引っ張る。調整可能なプリズム1が加速力91に曝されると、膜101、102は、すべての面が同時に完全に伸長するようになる。終端停止部90は、伸長による膜101、102の損傷を防止する。第1の光学素子20及び第2の光学素子30の相対移動は、終端停止部90によって制限される。光学媒体2のボリュームは、一定のままである。したがって、光学素子20と30との間の距離がz軸方向に増加すると、膜101、102の周囲部が光学素子20と30との間に引き込まれる。膜の周囲部の寸法は、具体的には、光学素子の相対位置が終端停止部90によって画定されている状態で、x軸及びy軸によって画定される平面で、膜が光学素子を越えて突出しないように選択される。加速力91のない状態では、膜101、102の周囲部は、x軸及びy軸によって画定される平面に沿って、光学素子20、30の縁部を越えて突出する。膜101、102の周囲部は、具体的には、加速力91がない状態で、光学素子から少なくとも200マイクロメートルだけ突出している。
図35は、光学素子20、30のz軸方向の相対移動を制限する終端停止部90を有する、調整可能なプリズムの実施例の側面図を示す。調整可能なプリズム1は、さらに、横方向の終端停止部92を有し、これは、x軸及びy軸によって画定される平面に沿った光学素子20、30の相対移動を制限する。終端停止部90及び横方向の終端停止部92は、第1の光学素子20の位置を、第1の保持構造体40を急停止させることによって制限する。
たとえば、調整可能なプリズム1、具体的には、第1の保持構造体40は、x軸及びy軸によって画定される平面を上面図で見ると、四角形の形状を持つ。第1の保持構造体40は、基本的にx軸方向に延びる第1の縁部と、基本的にy軸方向に延びる第2の縁部とを持つ。第1の縁部の長さは、第2の縁部の長さよりも長い。具体的には、保持構造体40に面する終端停止部90の表面は、曲げられている。したがって、第1の保持構造体50が加速力91によって終端停止部90に対して引かれる最大引っ張り範囲95は、第1の保持構造体40の最大傾斜を制限しない。たとえば、最大引っ張り範囲95は、たわみのない状態の第1の保持構造体40と終端停止部90との間の最小距離によって画定される。最大引っ張り範囲95は、具体的には、200マイクロメートル、好ましくは100マイクロメートルである。引っ張り範囲95が小さいと、第1及び第2の光学素子20、30を越えて突出する、第1及び第2の膜101、102の必要な周囲部の材料が減るので有利である。それにより、調整可能なプリズム101、102のサイズを最小化することができる。したがって、z軸方向の、第2の縁部と終端停止部90との間の距離は、第1の縁部と終端停止部90との間の距離よりも大きい。
図36は、第2の光学素子30に対する第1の光学素子20の枢動点を画定するよう配置された枢動構造体を有する、調整可能なプリズム1の実施例の概略斜視図を示す。枢動構造体は、第1の保持構造体40に固定的に連結された突部94を有する。突部94は、レール要素93に係合し、レール要素93は、レール要素93に沿った突部94の移動を誘導する。レール要素93が、傾斜の動きの際に第1の保持構造体40の動きを誘導し、z軸の方向に終端停止部を設けるように、レール要素93は曲げることができる。枢動構造体は、傾斜性能を改善し、プリズムを振動に対してより頑丈にするので有利である。
図37は、予歪を与えられていない第1及び第2の膜101、102を持つ、調整可能なプリズム1の実施例の概略側面図を部分的に示す。この実施例では、第1又は第2の光学素子20、30と直接接触していない膜101、102の周囲部は、たわみのない状態で、x軸及びy軸によって画定される平面に沿って延出する。ここ及び以下において、たわみのない状態で、第1の光学素子20は、その重量によって第2の光学素子の上に載っているか、又はその逆である。
図37及び図38は、予歪を与えられた第1及び第2の膜101、102を持つ調整可能なプリズムの概略側面図を部分的に示す。第1及び第2の膜の周囲部は、たわみのない状態で、x軸及びy軸によって画定される平面に対して斜めに延出する。たとえば、第1及び第2の膜101、102の周囲部は、皺を有する。皺のために、膜101、102は、第1又は第2の光学素子20、30に向かって少なくとも部分的に曲げられる。
図40は、光学素子20と30との間の最小距離を制限する、間に挟まれた終端停止部96を有する、概略斜視図における調整可能なプリズム1の実施例を示す。間に挟まれた終端停止部96のz軸方向の全高は、z軸方向の光学素子20、30の厚さよりも大きい。間に挟まれた終端停止部96は、第1の保持構造体40及び第2の保持構造体50に一体化される。間に挟まれた終端停止部96は、第1及び第2の保持構造体40、50の突部によって形成される。第1及び第2の保持構造体40、50の、間に挟まれた終端停止部96は、互いに向かい合っている。間に挟まれた終端停止部96はそれぞれ、z軸方向に互いに向かって延出する。光学素子20、30の損傷のリスクを低減するので、有利である。
図41及び図42は、光学素子20と30との間の最小距離を制限する、間に挟まされた終端停止部96を有する、概略斜視図及び側面図における調整可能なプリズム1の実施例を示す。間に挟まれた終端停止部96は、球状要素によって形成される。球状要素は、金属、ゴム、pdms、又はポリステロールを有することができる。間に挟まれた終端停止部96は、具体的には、硬化した接着剤を使って形成される。第1及び第2の保持構造体40、50は、間に挟まれた終端停止部96が配置される凹部を有する。第1の保持構造体40に配置された、間に挟まれた終端停止部96のそれぞれは、第2の保持構造体50に配置された、間に挟まれた終端停止部96と向かい合う。間に挟まれた終端停止部96によって光学素子20、30の相対移動が制限されるとき、第1保持構造体40の少なくとも1つの、間に挟まれた終端停止部96は、第2保持構造体50の向かい合う、間に挟まれた終端停止部96と直接接触する。
図43は、z軸方向の光学素子20と30との間の最小距離を制限する、間に挟まれた終端停止部96を有する、概略側面図における調整可能なプリズム1の実施例を示す。間に挟まれた終端停止部96は、球状要素によって形成される。間に挟まれた終端停止部は、第1の保持構造体40又は第2の保持構造体50の表面に配置される。光学素子20と30との間の距離が、間に挟まれた終端停止部96によって制限されるとき、少なくとも1つの球状要素は、両方の保持構造体40、50と直接接触している。
本発明による、調整可能なプリズムの実施例の概略断面図である。 図1に示す調整可能なプリズムの概略上面図である。 図2のアクチュエータの配置構成の修正形態を示す図である。 第1及び/又は第2の光学素子がそれぞれ単一の軸を中心にして傾斜可能である、図1に示す調整可能なプリズムの変形例の概略上面図である。 本発明による、調整可能なプリズムの実施例の概略上面図である。 本発明による、調整可能なプリズムの実施例の概略上面図である。 本発明による、調整可能なプリズムの実施例の概略上面図である。 第2の保持構造体が、プリズムの支持構造体に固定され、第1の保持構造体が、プリズムの角度を調整するために傾斜可能である、本発明による調整可能なプリズムの実施例の概略断面図である。 光学媒体を有するプリズムの部材が、プリズムの支持構造体に固定され、プリズムの第1の保持構造体及び/又は第2の保持構造体が、プリズムの角度を調整するために傾斜可能である、本発明による調整可能なプリズムの実施例の概略断面図である。 光学偏向角を示し、さらに図6が、両方の保持構造体が作動/傾斜される場合に、部材を変形させるために、保持構造体ごとにより僅かな作動力しか必要としないことも明示する、図6による状態を示す図である。 調整可能なプリズムの固定型容器及び浮遊型容器/部材での、プリズムの、部材に加えられるトルク対機械的傾斜角を示すグラフである。 中間光学素子が、第1及び第2の光学素子のサイズを小さくし、それぞれの光学素子を傾けるときに、自由膜エリアが増えるほど、作動力がより小さくなるという結果をもたらす、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 図9に示す実施例の修正形態を示す図である。 部材/容器の外側の壁の相異なる剛性値での、プリズムの、トルク対機械的傾斜角を示すグラフである。 部材/容器の相異なる形状及び部材/容器の相異なる剛性値での、プリズムの、トルク対傾斜角を示すグラフである。 プリズムの部材が、光学媒体から形成された可撓性の物質で形成されている、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 プリズムの部材/容器が、可撓性の外側の壁を有し、プリズムの光学素子が、外側の壁を越えて延在する、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 部材/容器が、1つ又はいくつかのばねを介して調整可能なプリズムの支持構造体に連結される、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 部材/容器が、ジンバルを介して調整可能なプリズムの支持構造体に連結される、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成する、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成する、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成し、光学媒体を封じ込むための容器が、膜及び剛性の第2の光学素子を使用して形成される、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成し、光学媒体を封じ込むための容器が、2つの膜及び周囲側壁を使用して形成される、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成し、光学媒体を封じ込むための容器が、周囲部で連結される2つの膜を使用して形成される、本発明による調整可能なプリズムのさらなる実施例の概略断面図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成し、保持構造体が、(たとえば、第2の光学素子を傾斜させるために)剛性の第2の光学素子に連結される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の斜視図である。 剛性の第1の光学素子が、好ましくは剛性のプリズムを形成し、剛性の第2の保持部材が、剛性の第2の光学素子を傾斜させるために、少なくとも1つのアクチュエータに直接連結されるよう構成される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の斜視図である。 少なくとも1つのアクチュエータが、剛性の第2の光学素子の、剛性の第1の光学素子(たとえば、剛性のプリズム)に向く面に配置される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の概略上面図である。 図24に示す実施例の概略側面図である。 少なくとも1つのアクチュエータが、剛性の第2の光学素子の、剛性の第1の光学素子(たとえば、剛性のプリズム)とは反対に向く面に配置される、本発明による調整可能なプリズムの代替実施例の概略側面図である。 保持構造体(たとえば、少なくとも1つのアクチュエータと連結するための)が、剛性の第2の光学素子の、剛性の第1の光学素子(たとえば剛性のプリズム)とは反対に向く面に配置される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の概略側面図である。 保持構造体(たとえば、少なくとも1つのアクチュエータと連結するための)が、剛性の第2の光学素子の、剛性の第1の光学素子(たとえば剛性のプリズム)に向く面に配置される、本発明による調整可能なプリズムの代替実施例の概略側面図である。 磁石及び磁石と向かい合う電気コイルを備えるアクチュエータを有する、本発明による調整可能なプリズムの実施例を示す図である。 磁石及び磁石と向かい合う電気コイルを備えるアクチュエータを有する、本発明による調整可能なプリズムの実施例を示す図である。 磁石及び磁石と向かい合う電気コイルを備えるアクチュエータを有する、本発明による調整可能なプリズムの実施例を示す図である。 調整可能なプリズムが、光学媒体の両側に2つのDカットの剛性の光学素子を有し、剛性の第2の光学素子が、具体的には、別のデバイスに連結されるよう構成される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の斜視図である。 調整可能なプリズムが、光学媒体の両側に2つのDカットの剛性の光学素子を有し、第1の保持構造体が、剛性の第1の光学素子に連結され、剛性の第2の光学素子が、具体的には、別のデバイスに連結されるよう構成される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の斜視図である。 調整可能なプリズムが、光学媒体の両側に2つのDカットの剛性の光学素子を有し、第1の保持構造体が、剛性の第1の光学素子に連結され、第2の保持構造体が、剛性の第2の光学素子に連結され、第2の保持構造体が、具体的には、別のデバイスに連結されるよう構成される、本発明による調整可能なプリズムの実施例の斜視図である。 光学素子のz軸方向の相対移動を制限する終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の側面図である。 光学素子のz軸方向の相対移動を制限する終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の側面図である。 光学素子のz軸、x軸及びy軸方向の相対移動を制限する、及び終端停止部及び横方向の終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の側面図である。 枢動構造体を有する、調整可能なプリズムの実施例の概略斜視図である。 予歪を与えられていない第1及び第2の膜を持つ、調整可能なプリズムの、部分的に示した概略側面図である。 予歪を与えられた第1及び第2の膜を持つ、調整可能なプリズムの部分的な概略側面図である。 予歪を与えられた第1及び第2の膜を持つ、調整可能なプリズムの部分的な概略側面図である。 z軸方向の光学素子の相対移動を制限する、間に挟まれた終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の概略斜視図である。 z軸方向の光学素子の相対移動を制限する、間に挟まれた終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の概略斜視図である。 z軸方向の光学素子の相対移動を制限する、間に挟まれた終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の概略側面図である。 z軸方向の光学素子の相対移動を制限する、間に挟まれた終端停止部を有する、調整可能なプリズムの実施例の概略側面図である。

Claims (44)

  1. 入射する光(L)を可変的な様式で偏向させる調整可能プリズム(1)であって、前記調整可能プリズム(1)は、
    − 透明で可撓性の第1の表面(11)、前記第1の表面(11)とは反対の方向を向いた透明で可撓性の第2の表面(12)、及び前記2つの表面(11、12)間に配置された光学媒体(2)を有する部材(10)であって、前記第1の表面(11)に入射した光(L)は、前記光学媒体(2)を通過して、前記第2の表面(12)を通って前記部材(10)を出て、それにより前記光(L)は、前記2つの表面(11、12)間の角度(W)に応じて、前記部材(10)により偏向される、部材(10)と、
    − 前記第1の表面(11)に連結された表面エリア(21)を有する、剛性の第1の光学素子(20)と、
    − 前記第2の表面(12)に連結された表面エリア(31)を有する、剛性の第2の光学素子(30)と、
    − 前記第1の光学素子(20)及び/又は前記第2の光学素子(30)を傾けて、前記角度(W)を調整するように構成されたアクチュエータ・システム(S)と
    を有する、調整可能プリズム。
  2. 前記部材(10)は、すべての側で、前記光学媒体(2)のボリュームの境界を完全に定めている、請求項1に記載の調整可能プリズム。
  3. 前記第1の光学素子(20)の前記表面エリア(21)は、前記第1の表面(11)が前記第1の光学素子(20)の前記表面エリア(21)で覆われていない自由周囲部分(11b)を有するように前記第1の表面(11)の一部(11a)に連結されており、且つ/又は、前記第2の光学素子(30)の前記表面エリア(31)は、前記第2の表面(12)が前記第2の光学素子(30)の前記表面エリア(31)で覆われていない自由周囲部分(12b)を有するように前記第2の表面(12)の一部(12b)に連結されている、請求項1又は2に記載の調整可能プリズム。
  4. 前記部材(10)は、前記光学媒体(2)で満たされた容器であり、前記容器は、第1の透明で弾性変形可能な膜(101)及び第2の透明で弾性変形可能な膜(102)を有し、前記2つの膜(101、102)は、前記容器の周囲側壁(13)を介して連結され、前記第1の膜(101)は前記第1の表面(11)を形成し、前記第2の膜(102)は前記第2の表面(12)を形成し、前記光学媒体(2)は前記第1の膜(101)と前記第2の膜(102)との間に配置される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  5. 前記第1の膜(101)は前記第1の光学素子(20)の下で連続的に延び、前記第2の膜(102)は前記第2の光学素子(30)の下で連続的に延びている、請求項4に記載の調整可能プリズム。
  6. 前記側壁(13)は、剛性又は可撓性である、請求項5に記載の調整可能プリズム。
  7. 前記側壁(13)は可撓性であり、且つ前記自由周囲部分(11b、12b)からなる、請求項6に記載の調整可能プリズム。
  8. 前記第1の光学素子(20)の前記表面エリア(21)の直径(D1)が、前記周囲側壁(13)で囲まれたボリュームの直径(D)よりも小さく、且つ/又は前記第2の光学素子(30)の前記表面エリア(31)の直径(D2)が、前記周囲側壁(13)で囲まれたボリュームの直径(D)よりも小さい、請求項4から7までに記載の調整可能プリズム。
  9. 前記部材は、前記光学媒体を密閉する透明で弾性変形可能な膜を有する容器であり、前記膜が前記第1の表面及び前記第2の表面を形成する、請求項1又は2に記載の調整可能プリズム。
  10. 前記容器は、第1の透明で弾性変形可能な膜及び第2の透明で弾性変形可能な膜を有し、前記2つの膜は、前記光学媒体を密閉するように互いに連結され、前記第1の膜が前記第1の表面を形成し、前記第2の膜が前記第2の表面を形成する、請求項1又は2に記載の調整可能プリズム。
  11. 前記光学媒体(2)は、透明な液体又は透明なゲルである、請求項1から10までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  12. 前記部材(10)は、透明で可撓性の物体、ゴムで形成された透明で可撓性の物体、硬化したゲルで形成された透明で可撓性の物体のうちの1つである、請求項1又は2に記載の調整可能プリズム。
  13. 前記調整可能プリズム(1)は、前記第1の光学素子(20)を保持するように構成された第1の保持構造体(40)を有し、且つ/又は前記調整可能プリズム(1)は、前記第2の光学素子(30)を保持するように構成された第2の保持構造体(50)を有し、前記第1の保持構造体(40)は、開口(41)を有するプレートで形成され、前記第1の光学素子(20)は、前記開口(41)の正面に配置され、且つ/又は前記第2の保持構造体(50)は、開口(51)を有するプレートで形成され、前記第2の光学素子(30)は、前記第2の保持構造体(50)の前記開口(51)の正面に配置される、請求項1から12までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  14. 前記第1の光学素子(20)は、第1の中間光学素子(25)を介して前記第1の保持構造体(40)に連結され、前記第1の中間光学素子(25)は、前記第1の光学素子(20)の直径(D1)よりも大きい直径(D3)を有し、且つ/又は前記第2の光学素子(30)は、第2の中間光学素子(35)を介して前記第2の保持構造体(50)に連結され、前記第2の中間光学素子(35)は、前記第2の光学素子(30)の直径(D2)よりも大きい直径(D4)を有する、請求項13に記載の調整可能プリズム。
  15. 前記第1の保持構造体(40)は、前記第1の光学素子(20)と一体に形成され、且つ/又は前記第2の保持構造体(50)は、前記第2の光学素子(30)と一体に形成される、請求項13に記載の調整可能プリズム。
  16. 前記第1の光学素子(20)は突部(27)を有し、前記第1の光学素子(20)の前記表面エリア(21)は、前記突部(27)の周縁部(28)によって境界を定められ、且つ/又は前記第2の光学素子(30)は突部(37)を有し、前記第2の光学素子(30)の前記表面エリア(31)は、前記第2の光学素子(30)の前記突部(37)の周縁部(38)によって境界を定められている、請求項13又は15に記載の調整可能プリズム。
  17. 前記2つの保持構造体(40、50)の一方が、前記調整可能プリズム(1)の支持構造体(3)に剛的に連結され、前記アクチュエータ・システム(S)は前記保持構造体(50、40)の他方に作用するよう構成され、それにより前記角度(W)を調整する、請求項13から16までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  18. 前記部材(10)は、前記調整可能プリズム(1)の支持構造体(3)に剛的に連結され、前記アクチュエータ・システム(S)は、前記第1の光学素子(20)を傾斜させるように前記第1の保持構造体(40)に作用し、且つ前記第2の光学素子(30)を傾斜させるように前記第2の保持構造体(50)に作用するように構成され、それにより前記角度(W)を調整する、請求項13から16までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  19. 前記部材(10)は、1又はいくつかのばね(4)を介して、或いはジンバル(5)を介して、前記調整可能プリズム(1)の前記支持構造体(3)に連結される、請求項17又は18に記載の調整可能プリズム。
  20. 前記アクチュエータ・システム(S)は、前記第1の保持構造体(40)を、第1の軸(A1)を中心に、且つ/又は第2の軸(A2)を中心に傾けるための複数のアクチュエータ(S1、S2、...)を有し、特に前記2つの軸(A1、A2)は直角をなしており、且つ/又は前記アクチュエータ・システム(S)は、前記第2の保持構造体(50)を、第1の軸を中心に、且つ/又は第2の軸を中心に傾けるための複数のアクチュエータ(S1、S2、...)を有し、特に前記2つの軸は直角をなしている、請求項1から19までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  21. 前記調整可能プリズム(1)は、第1の方向の高さ(H)及び前記第1の方向に垂直に延びる第2の方向の長さ(X)を有し、前記2つの方向は、前記調整可能プリズム(1)の光軸(O)に対して垂直に延び、前記高さ(H)は前記長さ(X)よりも短い、請求項1から20までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  22. 前記アクチュエータ(S1、S2、...)は2つのアクチュエータ・グループ(G1、G2)にグループ化され、前記アクチュエータ・グループ(G1、G2)は、前記第2の方向に関して前記部材(10)の反対両側に配置される、請求項20及び21に記載の調整可能プリズム。
  23. センサ(H1、H2、...)、特にホール・センサが、前記それぞれのアクチュエータのストロークを測定するために各アクチュエータ(S1、S2、...)に隣接して配置され、特に前記調整可能プリズム(1)は、前記それぞれの測定されたストロークを使用して、前記角度(W)の調整を制御するように、又は個々のアクチュエータ(S1、S2、...)間のクロストークを低減するように構成されている、請求項20から22までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  24. 前記調整可能プリズム(1)は、前記光学媒体(2)の温度を測定するために前記光学媒体(2)に隣接する温度センサを有している、請求項1から23までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  25. 前記調節可能なプリズム(1)を通過する前記光(L)の所望の光学偏向角(U)を生成するために、前記調節可能なプリズム(1)は、前記測定された温度に基づいて前記光学媒体(2)の実際の屈折率を決定し、且つ前記角度(W)の基準値を決定するように構成されており、それにより、前記調節可能なプリズム(1)の前記角度(W)が前記決定された基準値に調整されたときに前記所望の光学偏向角(U)が達成される、請求項24に記載の調整可能プリズム。
  26. 入射する光(L)を可変的な様式で偏向させる調整可能プリズム(1)であって、前記調整可能プリズム(1)は、
    − 表面エリア(21)を有する剛性の第1の光学素子(20)と、
    − 表面エリア(31)を有する剛性の第2の光学素子(30)と、
    − 前記2つの表面エリア(21、31)間に配置される光学媒体(2)と
    を有し、それにより、前記第1の剛性の光学素子に入射した光(L)は、前記剛性の第1の光学素子(20)の前記表面エリア(21)、前記光学媒体(2)、及び前記剛性の第2の光学素子(30)の前記表面エリア(31)を通過し、前記光(L)は、前記2つの表面エリア(21、31)間の角度(W)に応じて偏向される、調整可能プリズム。
  27. 前記第1の剛性の光学素子(20)は、剛性のプリズムである、請求項1から26までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  28. 前記剛性の第1の光学素子(20)は、前記剛性の第1の光学素子(20)の前記表面エリア(21)に対して鋭角(A)をなして延びる外面(20a)を有し、前記外面(20a)は、前記調整可能プリズム(1)によって偏向される光(L)を受光するように構成されている、請求項26に記載の調整可能プリズム。
  29. 前記剛性の第1の光学素子(20)は、凸状に湾曲した第1の縁部(201)及び前記第1の縁部(201)の反対側の凸状に湾曲した第2の縁部(202)を有し、前記剛性の第1の光学素子(20)は、直線の第3の縁部(203)及び前記第3の縁部(203)の反対側の直線の第4の縁部(204)を有し、前記第3及び第4の縁部(203、204)は、それぞれ、前記第1の縁部(201)と前記第2の縁部(202)との間に延びている、請求項1から26までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  30. 前記剛性の第2の光学素子(30)は、凸状に湾曲した第1の縁部(301)及び前記第1の縁部(301)の反対側の凸状に湾曲した第2の縁部(302)を有し、前記剛性の第2の光学素子(30)は、直線の第3の縁部(303)及び前記第3の縁部(303)の反対側の直線の第4の縁部(304)を有し、前記第3及び第4の縁部(303、304)は、それぞれ、前記第1の縁部(301)と前記第2の縁部(302)との間に延びている、請求項1から29までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  31. 前記第2の剛性の光学素子(30)は、前記角度(W)を調整するために傾けられるように構成され、且つ/又は前記剛性の第1の剛性の光学素子(20)は、前記角度(W)を調整するために傾けられるよう構成されている、請求項26から30までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  32. 前記調整可能プリズム(1)は、前記剛性の第1の光学素子(10)に対して前記剛性の第2の光学素子(30)を傾斜させるために、少なくとも1つのアクチュエータ(S1、S2、S3、S3)を有する、請求項26から31までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  33. 前記剛性の第2の光学素子(30)を傾斜させるために、前記少なくとも1つのアクチュエータ(S1、S2、S3、S4)は、前記剛性の第1の光学素子(20)に面する、前記剛性の第2の光学素子(30)の外部側面(30a)に連結される、請求項32に記載の調整可能プリズム。
  34. 前記剛性の第2の光学素子(30)を傾斜させるために、前記少なくとも1つのアクチュエータ(S1、S2、S3、S4)は、前記剛性の第1の光学素子(20)とは反対側を向いた、前記剛性の第2の光学素子(30)の外部側面(30b)に連結される、請求項32に記載の調整可能プリズム。
  35. 前記少なくとも1つのアクチュエータ(S1、S2、S3、S4)は、保持構造体(50)を介して前記外部側面(30a、30b)に連結され、前記保持構造体(50)は、前記剛性の第2の光学素子(30)を保持するよう構成され、前記保持構造体(50)は、前記外部側面(30a、30b)に取り付けられる、請求項32から34までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  36. 前記それぞれのアクチュエーター(S1、S2、S3、S3)は、磁石(80)及び対向する電気コイル(70)を有し、それにより、前記電気コイルに電流が印加されたときにローレンツ力を生成する、請求項20から23までのいずれか一項又は請求項30から33までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  37. 前記保持構造体(50)は、開口(51)を有するプレートで形成され、前記剛性の第2の光学素子(30)は、前記開口(51)の正面に配置される、請求項35に記載の調整可能プリズム。
  38. 前記光学媒体(2)は容器(10)内に配置される、請求項26から37までのいずれか一項に記載の調整可能プリズム。
  39. 前記容器(10)は、前記剛性の第1の光学素子(20)の前記表面エリア(21)に連結された第1の透明で弾性変形可能な膜(101)を有し、特に前記第1の膜(101)は前記容器(10)の壁を形成している、請求項38に記載の調整可能プリズム。
  40. 前記剛性の第2の光学素子(30)は、前記容器(10)の壁を形成し、前記光学媒体(2)は、前記剛性の第2の光学素子(30)の前記表面エリア(31)に接触している、請求項38又は39に記載の調整可能プリズム。
  41. 前記第1の膜(101)は、前記第1の膜(101)の縁部領域(101a)を介して、前記第2の剛性の光学素子(30)に連結される、請求項39又は40に記載の調整可能プリズム。
  42. 前記容器(10)は、前記剛性の第2の光学素子(30)の前記表面エリア(31)に連結された第2の透明で弾性変形可能な膜(102)を有する、請求項38又は39に記載の調整可能プリズム。
  43. 前記第1及び前記第2の膜(101、102)は、互いに連結されている、請求項42に記載の調整可能プリズム。
  44. 前記第1及び前記第2の膜(101、102)は、前記容器(10)の周囲側壁(13)を介して互いに連結され、前記光学媒体(2)は、前記第1の膜(101)と前記第2の膜(102)との間に配置される、請求項42に記載の調整可能プリズム。
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