JP2020185013A - 油脂組成物及び該油脂組成物を使用して得られる油性食品 - Google Patents
油脂組成物及び該油脂組成物を使用して得られる油性食品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020185013A JP2020185013A JP2020137764A JP2020137764A JP2020185013A JP 2020185013 A JP2020185013 A JP 2020185013A JP 2020137764 A JP2020137764 A JP 2020137764A JP 2020137764 A JP2020137764 A JP 2020137764A JP 2020185013 A JP2020185013 A JP 2020185013A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- mass
- fat
- triglyceride
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Confectionery (AREA)
- Edible Oils And Fats (AREA)
Abstract
Description
(a)X3を1〜20質量%含有する。
(b)X2Uを45〜75質量%含有する。
(c)XUX/XXUの質量比が0.50〜1.50である。
(d)X2O/X2Uの質量比が0.60以上である。
(e)St2O/X2Oの質量比が0.10以下である。
(f)XU2を5〜50質量%含有する。
(g)U3を10質量%以下含有する。
(h)構成脂肪酸として、Stを10質量%以下含有する。
(i)St/Pの質量比が0.34以下である。
(j)構成脂肪酸として、Uを20〜55質量%含有する。
上記の(a)から(j)の条件において、X、U、O、P、St、X3、X2U、XUX、XXU、X2O、St2O、XU2、U3はそれぞれ以下のものを示す。
X:炭素数16〜18の飽和脂肪酸
U:炭素数18の不飽和脂肪酸
O:オレイン酸
P:パルミチン酸
St:ステアリン酸
X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
X2U:Xが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド
X2O:Xが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド
XUX:1位と3位にX、2位にUが結合しているトリグリセリド
XXU:1位及び2位にX、3位にUが結合しているトリグリセリド、又は2位及び3位にX、1位にUが結合しているトリグリセリド
St2O:Stが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド
XU2:Xが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド
U3:Uが3分子結合しているトリグリセリド
本発明の第2の発明は、構成脂肪酸として、ラウリン酸を5質量%以下、トランス脂肪酸を5質量%以下含有する第1の発明に記載の油脂組成物である。
本発明の第3の発明は、下記油脂Aを0.5〜10質量%含有する第1の発明又は第2の発明に記載の油脂組成物である。
油脂A:M2L+ML2を40質量%以上含有する油脂。
上記において、M、L、M2L、ML2はそれぞれ以下のものを示す。
M:炭素数8〜10の飽和脂肪酸
L:炭素数16〜24の飽和脂肪酸
M2L:Mが2分子、Lが1分子結合しているトリグリセリド
ML2:Mが1分子、Lが2分子結合しているトリグリセリド
本発明の第4の発明は、前記油脂組成物がノンテンパリング型チョコレートに使用される第1の発明〜第3の発明のいずれか1つの発明に記載の油脂組成物である。
本発明の第5の発明は、第1の発明〜第4の発明のいずれか1つの発明に記載の油脂組成物を含有する油性食品である。
本発明の第6の発明は、前記油性食品がチョコレートである本発明の第5の発明に記載の油性食品。
本発明の第7の発明は、下記のランダムエステル交換油Aと下記の油脂Bとを混合することで混合油を得る工程、該混合油を分別することで低融点部を得る工程を含む油脂組成物の製造方法。
ランダムエステル交換油A:ランダムエステル交換することにより得られ、X3を20〜40質量%、X2Oを25〜50質量%含有し、XOX/XXOの質量比が0.40〜1.00、St/Pの質量比が0.30以下である油脂。
油脂B:XOXを40〜60質量%含有し、St/Pの質量比が0.30以下である油脂。
上記において、X、O、P、St、X3、X2O、XOX、XXOはそれぞれ以下のものを示す。
X:炭素数16〜18の飽和脂肪酸
O:オレイン酸
P:パルミチン酸
St:ステアリン酸
X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
X2O:Xが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド
XOX:1位と3位にX、2位にOが結合しているトリグリセリド
XXO:1位及び2位にX、3位にOが結合しているトリグリセリド、又は2位及び3位にX、1位にOが結合しているトリグリセリド
(a)X3を1〜20質量%含有する。
(b)X2Uを45〜75質量%含有する。
(c)XUX/XXUの質量比が0.50〜1.50である。
(d)X2O/X2Uの質量比が0.60以上である。
(e)St2O/X2Oの質量比が0.10以下である。
(f)XU2を5〜50質量%含有する。
(g)U3を10質量%以下含有する。
(h)構成脂肪酸として、Stを10質量%以下含有する。
(i)St/Pの質量比が0.34以下である。
(j)構成脂肪酸として、Uを20〜55質量%含有する。
なお、本発明において、X3はXが3分子結合しているトリグリセリド(XXX)である(トリグリセリドとは、グリセロールに3分子の脂肪酸が結合したトリアシルグリセロールのことである。)。また、本発明において、Xは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。
なお、本発明において、X2UはXが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド(XXU+XUX+UXX)である。また、本発明において、Uは炭素数18の不飽和脂肪酸である。
なお、本発明において、XUX/XXUの質量比は、XXU含有量(質量%)に対するXUX含有量(質量%)の比のことである。また、本発明において、XUXは1位と3位にX、2位にUが結合しているトリグリセリドである。また、本発明において、XXUは1位及び2位にX、3位にUが結合しているトリグリセリド(XXU)又は2位及び3位にX、1位にUが結合しているトリグリセリド(UXX)である。
なお、本発明において、X2O/X2Uの質量比は、X2U含有量(質量%)に対するX2O含有量(質量%)の比のことである。また、本発明において、X2OはXが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド(XXO+XOX+OXX)である。また、本発明において、Oはオレイン酸(炭素数18の1価の不飽和脂肪酸)である。
なお、本発明において、St2O/X2Oの質量比は、X2O含有量(質量%)に対するSt2O含有量(質量%)の比のことである。また、本発明において、St2OはStが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド(StStO+StOSt+OStSt)である。また、本発明において、Stはステアリン酸(炭素数18の飽和脂肪酸)のことである。
なお、本発明において、XU2はXが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド(XUU+UXU+UUX)である。
なお、本発明において、U3はUが3分子結合しているトリグリセリド(UUU)である。
なお、本発明において、St/Pの質量比は、構成脂肪酸中のP含有量(質量%)に対するSt含有量(質量%)の比のことである。また、本発明において、Pはパルミチン酸(炭素数16の飽和脂肪酸)のことである。
本発明の実施の形態に係る油脂組成物は、構成脂肪酸として、Xを好ましくは40〜70質量%含有し、より好ましくは42〜68質量%含有し、更に好ましくは45〜65質量%含有する。
本発明の実施の形態に係る油脂組成物は、炭素数16〜18の脂肪酸を好ましくは90質量%以上含有し、より好ましくは92質量%以上含有し、更に好ましくは95質量%以上含有し、最も好ましくは95〜99質量%含有する。なお、本発明において、炭素数16〜18の脂肪酸はC16〜18FAと記載することもある。
本発明の実施の形態に係る油脂組成物は、炭素数20以上の脂肪酸を好ましくは3質量%未満含有し、より好ましくは2質量%未満含有し、更に好ましくは1質量%未満含有する。なお、本発明において、炭素数20以上の脂肪酸はC20以上FAと記載することもある。
なお、本発明において、XOX/XXOの質量比は、XXO含有量(質量%)に対するXOX含有量(質量%)の比のことである。また、本発明において、XOXは1位と3位にX、2位にOが結合しているトリグリセリドである。また、本発明において、XXOは1位及び2位にX、3位にOが結合しているトリグリセリド(XXO)又は2位及び3位にX、1位にOが結合しているトリグリセリド(OXX)である。
化学的エステル交換は、例えば、原料油脂を十分に乾燥させ、ナトリウムメトキシドを原料油脂に対して0.1〜1質量%添加した後、減圧下、80〜120℃で0.5〜1時間攪拌しながら反応を行うことができる。化学的エステル交換終了後は、水洗等により触媒を除去した後、通常の食用油脂の精製工程で行われる脱色・脱臭処理を施すことができる。
酵素的エステル交換は、例えば、リパーゼ粉末又は固定化リパーゼを原料油脂に対して0.02〜10質量%(好ましくは0.04〜5質量%)添加した後、40〜80℃、好ましくは40〜70℃で0.5〜48時間(好ましくは0.5〜24時間)攪拌しながら反応を行うことができる。酵素的エステル交換終了後は、濾過等によりリパーゼを除去した後、通常の食用油脂の精製工程で行われる脱色・脱臭処理を施すことができる。ランダムエステル交換を行うことのできるリパーゼは、アルカリゲネス属由来リパーゼ(例えば、名糖産業株式会社製のリパーゼQLM、リパーゼPL等)、キャンディダ属由来リパーゼ(例えば、名糖産業株式会社製のリパーゼOF等)等が挙げられる。
本発明の実施の形態に係る油脂組成物は、下記油脂Aを好ましくは0〜10質量%含有し、より好ましくは0.5〜10質量%含有し、更に好ましくは1〜8質量%含有する。油脂組成物が下記油脂Aを前記範囲で含有すると、経時的にグレインがより発生しにくい油性食品が得られる。
なお、本発明において、M2L+ML2はM2LとML2の合計含有量のことである。また、本発明において、M2LはMが2分子、Lが1分子結合しているトリグリセリド(MML+MLM+LMM)である。また、本発明において、ML2はMが1分子、Lが2分子結合しているトリグリセリド(MLL+LML+LLM)である。また、本発明において、Mは炭素数8〜10の飽和脂肪酸である。また、本発明において、Lは炭素数16〜24の飽和脂肪酸である。
なお、本発明において、構成脂肪酸中のDe/Mの質量比は、M含有量(質量%)に対するDe含有量(質量%)の比のことである。また、本発明において、Deはデカン酸(炭素数10の飽和脂肪酸)である。
なお、本発明において、構成脂肪酸中のSt/Lの質量比は、L含有量(質量%)に対するSt含有量(質量%)の比のことである。
前記油脂Dは、M3のみからなる。前記油脂Dは、好ましくは中鎖脂肪酸トリアシルグリセロール(以下、MCTとする。)である。なお、本発明において、M3はMが3分子結合しているトリグリセリド(MMM)である。
前記油脂Eは、沃素価が5以下であり、構成脂肪酸としてXを90質量%以上含有する。前記油脂Eは、沃素価が5以下であり、好ましくは3以下であり、より好ましくは2以下である。前記油脂Eは、構成脂肪酸としてXを90質量%以上含有し、好ましくは93質量%以上含有し、より好ましくは95質量%以上含有する。前記油脂Eは、好ましくは菜種油の極度硬化油、大豆油の極度硬化油又はパーム油の極度硬化油であり、より好ましくは菜種油の極度硬化油である。
前記油脂Dと油脂Eとの混合油の配合比(油脂D:油脂E)は、好ましくは質量比10:90〜65:35であり、より好ましくは質量比20:80〜55:45であり、さらに好ましくは質量比40:60〜55:45である。
前記油脂A製造するためのランダムエステル交換は、前記ランダムエステル交換油Aを製造するためのランダムエステル交換と同じである。
本発明の実施の形態に係る油脂組成物の製造に使用される油脂Aは、ランダムエステル交換の後に、分別を行うこともできる。油脂Aの製造時にランダムエステル交換の後に分別を行う場合、分別することで中融点部を得る。油脂Aの製造時にランダムエステル交換の後に分別を行う場合の分別は、前記の本発明の実施の形態に係る油脂組成物の製造方法の分別と同じである。
本発明の実施の形態に係る油脂組成物は、パーム中融点部を好ましくは0〜20質量%含有し、より好ましくは3〜18質量%含有し、更に好ましくは5〜16質量%含有する。
本発明の実施の形態に係る油脂組成物は、パームオレインを好ましくは0〜15質量%含有し、より好ましくは3〜15質量%含有し、更に好ましくは3〜12質量%含有する。
本発明の実施の形態に係る油脂組成物は、構成脂肪酸としてXの含有量が90質量以上である極度硬化油を好ましくは0〜5質量%含有し、より好ましくは0.5〜5質量%含有し、更に好ましくは0.5〜3質量%含有する。
油脂に含まれるM2L含有量、ML2含有量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Ce5−86準拠)を用いて測定することができる。
油脂を構成する脂肪酸の含有量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Ce1f−96準拠)を用いて測定することができる。
油脂の沃素価は、「基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.3.4.1−2013 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」に準じて測定することができる。
油脂のSFCは、IUPAC 2.150固体脂含量(NMR法)に準じて測定することができる。
本発明におけるチョコレートは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)乃至法規上で規定されたチョコレートに限定されない。本発明においてチョコレートとは、食用油脂、糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加え、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、成形工程、冷却工程等の全部乃至一部)を経て製造され、油脂が連続相をなし、実質的に水を含有しない食品(好ましくは水分含量が3質量%以下である。)である。また、本発明におけるチョコレートは、ダークチョコレート、ミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート、カラーチョコレートも含む。
本発明の実施の形態に係る油性食品は、油性食品に含まれる油脂がココアバターを好ましくは0.1〜28質量%含有し、より好ましくは1〜28質量%であり、さらに好ましくは1〜25質量%である。ココアバターの含有量が上記範囲であると、良好な風味を有する油性食品が得られる。
なお、本発明においてココアバターは、カカオマス、ココアパウダー等の含油原料由来のココアバターも含むものである。
本発明の実施の形態に係る油性食品は、糖類を好ましくは10〜65質量%含有し、より好ましくは20〜60質量%含有し、更に好ましくは30〜55質量%含有する。
本発明の実施の形態に係る油性食品がチョコレートである場合は、例えば、油脂、カカオ成分、糖類、乳化剤等を原料として、混合工程、微粒化工程、精練工程等を経て製造することができる。本発明の実施の形態に係る油性食品がチョコレートである場合は、好ましくは微粒化工程を経て製造される。本発明の実施の形態に係る油性食品がチョコレートである場合は、テンパリング又はシーディングを行わずに製造することができるため、好ましくはテンパリング又はシーディングを行わずに製造される。
〔分析方法〕
油脂に含まれるX3含有量、X2U含有量、XUX含有量、XXU含有量、X2O含有量、XOX含有量、XXO含有量、StO2含有量、XU2含有量及びU3含有量は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)準拠)及び銀イオンカラム−HPLC法(J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)準拠)を用いて測定した。
油脂に含まれるM2L含有量、ML2含有量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Ce5−86準拠)を用いて測定した。
油脂を構成する脂肪酸の含有量は、ガスクロマトグラフィー法(AOCS Ce1f−96準拠)を用いて測定した。
油脂の沃素価は、「基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.3.4.1−2013 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」に準じて測定した。
油脂のSFCは、IUPAC 2.150固体脂含量(NMR法)に準じて測定することができる。
パーム中融点部(沃素価:45)65質量部とパームステアリン(沃素価:11)35質量部を混合した。得られた混合油を、ランダムエステル交換することにより、エステル交換油A1(X3含有量:31.2質量%、X2O含量:36.3質量%、XOX/XXO質量比:0.53、St/P質量比:0.08)を得た。
エステル交換は、常法に従い、原料油脂を十分に乾燥させ、ナトリウムメトキシドを原料油脂に対して0.2質量%添加した後、減圧下、120℃で0.5時間攪拌しながら反応を行った。
51質量部の菜種油の極度硬化油(沃素価:1、X含有量:96.6質量%)と49質量部のMCT(M3含有量:100質量%)とを混合した。得られた混合油を、ランダムエステル交換することにより、油脂A1(M2L含有量:43.4質量%、ML2含有量:32.3質量%、M2LとML2の合計含有量:75.7質量%、M含有量:48.4質量%、L含有量:51.4質量%、De/M質量比:0.71、St/L質量比:0.92)を得た。
エステル交換は、ランダムエステル交換油A1の製造と同様の方法で行った。
95質量部のエステル交換油A1と5質量部のパーム中融点部(沃素価45、XOX含有量:51.1質量%、St/P質量比:0.11)を混合した。得られた混合油を42℃でドライ分別し、高融点部を除去することで低融点部を得た。該低融点部に脱臭処理を行ったものを実施例1の油脂組成物とした。
90質量部の実施例1の油脂組成物と10質量部のパーム中融点部(沃素価:34)を混合し、これを実施例2の油脂組成物とした。
76質量部の実施例1の油脂組成物と14.4質量部のパーム中融点部(沃素価:34)と8.5質量部のパームオレイン(沃素価:56)と1.1質量部のパーム油の極度硬化油(X含有量:97.6質量%)を混合し、これを実施例3の油脂組成物とした。
99.2質量部の実施例1の油脂組成物と0.8質量部の油脂A1を混合し、これを実施例4の油脂組成物とした。
89.3質量部の実施例1の油脂組成物と9.9質量部のパーム中融点部(沃素価:34)と0.8質量部の油脂A1を混合し、これを実施例5の油脂組成物とした。
75.4質量部の実施例1の油脂組成物と14.3質量部のパーム中融点部(沃素価:34)と8.4質量部のパームオレイン(沃素価:56)と1.1質量部のパーム油の極度硬化油(X含有量:97.6質量%)と0.8質量部の油脂A1を混合し、これを実施例6の油脂組成物とした。
88.2質量部の実施例1の油脂組成物と9.8質量部のパーム中融点部(沃素価:34)と2質量部の油脂A1を混合し、これを実施例7の油脂組成物とした。
73.7質量部の実施例1の油脂組成物と14質量部のパーム中融点部(沃素価:34)と8.2質量部のパームオレイン(沃素価:56)と1.1質量部のパーム油の極度硬化油(X含有量:97.6質量%)と3質量部の油脂A1を混合し、これを実施例6の油脂組成物とした。
57.5質量部の実施例1の油脂組成物と20質量部のパーム中融点部(沃素価:34)と20質量部のパームオレイン(沃素価:56)と2.5質量部のパーム油の極度硬化油(X含有量:97.6質量%)を混合し、これを比較例1の油脂組成物とした。
57.0質量部の実施例1の油脂組成物と19.8質量部のパーム中融点部(沃素価:34)と19.8質量部のパームオレイン(沃素価:56)と2.5質量部のパーム油の極度硬化油(X含有量:97.6質量%)と0.8質量部の油脂A1を混合し、これを比較例1の油脂組成物とした。
実施例1〜8の油脂組成物及び比較例1〜2の油脂組成物の脂肪酸含有量、トリグリセリド含有量を前述の分析方法に従って測定した。測定結果を表1、2に示した。
表1〜3から分かるように、実施例及び比較例の油脂組成物は、ラウリン酸含有量及びトランス脂肪酸含有量が低かった。
(硬さの経時変化の評価)
実施例1〜3の油脂組成物、実施例7〜8の油脂組成物、比較例1の油脂組成物を使用し、各油脂組成物72.5質量部とココアバター27.5質量部とを混合したものを試験サンプルとした。試験サンプルを20℃で12週間保存し、1週間保存後、2週間保存後、4週間保存後、8週間保存後、12週間保存後の20℃、25℃、30℃、35℃におけるSFC(%)を測定することで、硬さの経時変化を評価した。なお、実施例1の油脂組成物、比較例1の油脂組成物は、保存期間を4週間とした。評価結果を表4に示した。
実施例1〜6の油脂組成物、比較例1〜2の油脂組成物を使用し、各油脂組成物72.5質量部とココアバター27.5質量部とを混合したものを試験サンプルとした。80℃で完全融解させた試験サンプル40μLをスライドグラス上に滴下した。試験サンプルを滴下したスライドグラスにカバーグラスをかけて60℃で30分間静置した。スライドグラスを更に4℃で1時間静置した後、20℃で2週間保存した。20℃で2週間保存後のスライドグラスを目視で確認することでグレイン発生の有無を評価した。評価は、0点〜4点の5段階で評価し、点数が高いほど、グレインの発生が少ないとした。2点〜4点の場合を合格とした。結果を表5〜6に示した。
実施例3、7、8の油脂組成物を使用し、表7の配合でノンテンパリング型のミルクチョコレート(油脂含有量:37.75質量%、チョコレートに含まれる油脂中の各油脂組成物の含有量:70質量%、チョコレートに含まれる油脂中のココアバター含有量:25質量%、水分含有量:1質量%以下)を製造した。ミルクチョコレートは、テンパリングを行わない以外は常法(混合、微粒化、精練、冷却)により製造した。
製造した実施例9のチョコレート(実施例3の油脂組成物を使用して製造した。)、実施例10のチョコレート(実施例7の油脂組成物を使用して製造した。)、実施例11のチョコレート(実施例8の油脂組成物を使用して製造した。)について、グレインの発生と硬さの変化を、以下の評価方法及び評価基準で評価を行った。結果を表8、9に示した。
セルカップにチョコレート20gを充填した。チョコレートが充填されたセルカップを18℃、18℃−28℃サイクル(18℃で12時間保存後、28℃で12時間保存することを繰り返した。)で8週間保存した。1週間保存後、2週間保存後、3週間保存後、4週間保存後、8週間保存後の各チョコレートを目視で確認することでグレイン発生の有無を評価した。評価は、0点〜4点の5段階で評価し、点数が高いほど、グレインの発生が少ないとした。2点〜4点の場合を合格とした。結果を表8に示した。
18℃で1週間保存後、2週間保存後、3週間保存後、4週間保存後の各チョコレートの耐荷重応力(測定条件:くさび形プランジャー(幅10mm)、テーブル移動速度60mm/分、深度3mm)を、レオメーター( (株)サン科学 CR−500DX)で測定することで、硬さの経時変化を評価した。結果を表9に示した。
Claims (7)
- 下記の(a)から(j)の条件を満たす油脂組成物。
(a)X3を1〜20質量%含有する。
(b)X2Uを45〜75質量%含有する。
(c)XUX/XXUの質量比が0.50〜1.50である。
(d)X2O/X2Uの質量比が0.60以上である。
(e)St2O/X2Oの質量比が0.10以下である。
(f)XU2を5〜50質量%含有する。
(g)U3を10質量%以下含有する。
(h)構成脂肪酸として、Stを10質量%以下含有する。
(i)St/Pの質量比が0.34以下である。
(j)構成脂肪酸として、Uを20〜55質量%含有する。
上記の(a)から(j)の条件において、X、U、O、P、St、X3、X2U、XUX、XXU、X2O、St2O、XU2、U3はそれぞれ以下のものを示す。
X:炭素数16〜18の飽和脂肪酸
U:炭素数18の不飽和脂肪酸
O:オレイン酸
P:パルミチン酸
St:ステアリン酸
X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
X2U:Xが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド
X2O:Xが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド
XUX:1位と3位にX、2位にUが結合しているトリグリセリド
XXU:1位及び2位にX、3位にUが結合しているトリグリセリド、又は2位及び3位にX、1位にUが結合しているトリグリセリド
St2O:Stが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド
XU2:Xが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド
U3:Uが3分子結合しているトリグリセリド - 構成脂肪酸として、ラウリン酸を5質量%以下、トランス脂肪酸を5質量%以下含有する請求項1に記載の油脂組成物。
- 下記油脂Aを0.5〜10質量%含有する請求項1又は請求項2に記載の油脂組成物。
油脂A:M2L+ML2を40質量%以上含有する油脂。
上記において、M、L、M2L、ML2はそれぞれ以下のものを示す。
M:炭素数8〜10の飽和脂肪酸
L:炭素数16〜24の飽和脂肪酸
M2L:Mが2分子、Lが1分子結合しているトリグリセリド
ML2:Mが1分子、Lが2分子結合しているトリグリセリド - 前記油脂組成物がノンテンパリング型チョコレートに使用される請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の油脂組成物。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の油脂組成物を含有する油性食品。
- 前記油性食品がチョコレートである請求項5に記載の油性食品。
- 下記のランダムエステル交換油Aと下記の油脂Bとを混合することで混合油を得る工程、該混合油を分別することで低融点部を得る工程を含む油脂組成物の製造方法。
ランダムエステル交換油A:ランダムエステル交換することにより得られ、X3を20〜40質量%、X2Oを25〜50質量%含有し、XOX/XXOの質量比が0.40〜1.00、St/Pの質量比が0.30以下である油脂。
油脂B:XOXを40〜60質量%含有し、St/Pの質量比が0.30以下である油脂。
上記において、X、O、P、St、X3、X2O、XOX、XXOはそれぞれ以下のものを示す。
X:炭素数16〜18の飽和脂肪酸
O:オレイン酸
P:パルミチン酸
St:ステアリン酸
X3:Xが3分子結合しているトリグリセリド
X2O:Xが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド
XOX:1位と3位にX、2位にOが結合しているトリグリセリド
XXO:1位及び2位にX、3位にOが結合しているトリグリセリド、又は2位及び3位にX、1位にOが結合しているトリグリセリド
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020137764A JP2020185013A (ja) | 2020-08-18 | 2020-08-18 | 油脂組成物及び該油脂組成物を使用して得られる油性食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020137764A JP2020185013A (ja) | 2020-08-18 | 2020-08-18 | 油脂組成物及び該油脂組成物を使用して得られる油性食品 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016057396A Division JP7101450B2 (ja) | 2016-03-22 | 2016-03-22 | 油脂組成物及び該油脂組成物を使用して得られる油性食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020185013A true JP2020185013A (ja) | 2020-11-19 |
Family
ID=73220621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020137764A Pending JP2020185013A (ja) | 2020-08-18 | 2020-08-18 | 油脂組成物及び該油脂組成物を使用して得られる油性食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020185013A (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02138937A (ja) * | 1988-08-05 | 1990-05-28 | Fuji Oil Co Ltd | 抗ブルーム剤及びその使用法 |
JPH0475593A (ja) * | 1990-07-17 | 1992-03-10 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | ファットブルーム耐性向上剤、及びこれを含有してなるハードバター、並びにそれらを用いたチョコレート類. |
JPH05311190A (ja) * | 1992-05-09 | 1993-11-22 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 油脂のグレイニング防止剤およびこれを含有してなる油脂組成物 |
JPH09285255A (ja) * | 1996-04-24 | 1997-11-04 | Fuji Oil Co Ltd | ハードバター添加用組成物及びハードバターの製造法 |
US20060105090A1 (en) * | 2004-11-12 | 2006-05-18 | Loders Croklaan Usa Llc | Frying fats and oils |
JP2007319043A (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Fuji Oil Co Ltd | 被覆用油脂組成物 |
-
2020
- 2020-08-18 JP JP2020137764A patent/JP2020185013A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02138937A (ja) * | 1988-08-05 | 1990-05-28 | Fuji Oil Co Ltd | 抗ブルーム剤及びその使用法 |
JPH0475593A (ja) * | 1990-07-17 | 1992-03-10 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | ファットブルーム耐性向上剤、及びこれを含有してなるハードバター、並びにそれらを用いたチョコレート類. |
JPH05311190A (ja) * | 1992-05-09 | 1993-11-22 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 油脂のグレイニング防止剤およびこれを含有してなる油脂組成物 |
JPH09285255A (ja) * | 1996-04-24 | 1997-11-04 | Fuji Oil Co Ltd | ハードバター添加用組成物及びハードバターの製造法 |
US20060105090A1 (en) * | 2004-11-12 | 2006-05-18 | Loders Croklaan Usa Llc | Frying fats and oils |
JP2007319043A (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Fuji Oil Co Ltd | 被覆用油脂組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106170210B (zh) | 脂肪组合物和脂肪混合物 | |
EP2710898B1 (en) | Oil or fat composition which can be used as non-tempered hard butter | |
CN107205418B (zh) | 酯交换油脂及使用该酯交换油脂的巧克力 | |
JP6366495B2 (ja) | 油脂組成物及び該油脂組成物を使用した油性食品 | |
JP6195791B2 (ja) | 油脂組成物および該油脂組成物を使用した油性食品 | |
KR101248650B1 (ko) | 유지 조성물 및 그 제조 방법 | |
JP6726812B2 (ja) | ソフトチョコレート | |
JP7101450B2 (ja) | 油脂組成物及び該油脂組成物を使用して得られる油性食品 | |
JP6896325B2 (ja) | 冷凍用に適したチョコレート | |
EP3311676B1 (en) | Non-tempered type chocolate | |
WO2021255198A1 (en) | Process of preparing a fat composition | |
JP6961304B2 (ja) | 被覆チョコレート用油脂組成物 | |
JP6126481B2 (ja) | 冷菓用チョコレート | |
JP7076895B2 (ja) | チョコレート | |
CN112367844B (zh) | 油性食品和其制造方法 | |
JP2020185013A (ja) | 油脂組成物及び該油脂組成物を使用して得られる油性食品 | |
WO2021193972A1 (ja) | 製菓用油脂組成物 | |
JP6792492B2 (ja) | 冷菓用チョコレート | |
JP6653956B2 (ja) | 冷菓用に適したチョコレート | |
JP2021177757A (ja) | 油性食品用油脂組成物 | |
WO2022050339A1 (ja) | 製菓用油脂組成物 | |
JP2024049301A (ja) | チョコレート用油脂組成物及びチョコレート | |
US20240172771A1 (en) | Non-lauric, non-trans, and non-tempering oil and/or fat for chocolate | |
JP2024053761A (ja) | チョコレート類 | |
CN114072003A (zh) | 巧克力 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200915 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210727 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210817 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211014 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220308 |