JP2020177854A - 車両用灯具及び路面状態検知システム - Google Patents
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Abstract
【課題】測定光として可視光を用いた場合でも、運転者に測定光が視認されることを防止した車両用灯具を提供する。【解決手段】車両Bの前方に向けて照射される照明光L1とは別に、路面Rに向かって路面状態検知用配光パターンを形成する測定光L2を照射する車両用灯具1であって、少なくとも前記測定光L2となる可視光を出射する光源ユニットを備え、光源ユニットは、測定光L2を少なくとも運転者に視認されない周期で出射する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両用灯具及び路面状態検知システムに関する。
近年、高輝度且つ高出力な光が得られるレーザーダイオード(LD)などのレーザー光源を用いて、このレーザー光源が発するレーザー光を蛍光体プレート(波長変換部材)に照射することによって、照明光を得ることが行われている。
このような光源ユニットでは、青色レーザー光を出射するレーザー光源と、この青色レーザー光(励起光)に励起されて波長変換された黄色光(蛍光光)を発する蛍光体プレートとを組み合わせて、これら青色光と黄色光との混色により白色光(照明光)を得ることが可能である。
また、このような光源ユニットを備えた車両用灯具では、照明光として、上端にカットオフラインを含むロービーム用配光パターンを形成するすれ違い用ビーム(ロービーム)と、ロービーム用配光パターンの上方にハイビーム用配光パターンを形成する走行用ビーム(ハイビーム)とを車両の前方に向けて照射する。
一方、車両用灯具では、運転時の安全性の向上を図るため、車両の前方に向けて照射される照明光とは別に、路面に向かって路面状態検知用配光パターンを形成する測定光を照射し、この路面から反射されて戻ってくる測定光を撮像装置により受光(撮像)しながら、路面の状態を検知する路面状態検知システムが提案されている(例えば、下記特許文献1,2を参照。)。
上述した光源ユニットでは、ロービーム用配光パターンやハイビーム用配光パターン、路面状態検知用配光パターンなどの各配光パターンに対応した複数の照射領域を蛍光体プレートの面内に設けて、各照射領域にレーザー光を走査しながら照射することによって、互いに異なる複数の配光パターンを形成することが可能である。
ところで、従来の路面状態検知システムでは、赤外線などの人間の目では視認されない測定光を用いて、路面に向かって格子状の路面状態検知用配光パターンを形成しながら、例えば路面上の障害物や路面の凹凸などを検知することが行われている。
この場合、照明光となる可視光を出射する光源とは別に、測定光を出射する光源を灯体内に配置する必要がある。このため、光源数の増加などにより車両用灯具の製造コストが嵩むことになる。
一方、上述した光源ユニットを用いて、蛍光体プレートに対するレーザー光の走査により照明光と測定光とを車両の前方に向けて照射する場合、測定光が照明光と同じ白色光(可視光)となる。
この場合、運転者は、路面に形成された路面状態検知用配光パターンを常に視認することになり、運転中に煩わしさを感じてしまう虞れがある。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、測定光として可視光を用いた場合でも、運転者に測定光が視認されることを防止した車両用灯具、並びに、そのような車両用灯具を用いて、路面状態を適切に検知することを可能とした路面状態検知システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 車両の前方に向けて照射される照明光とは別に、路面に向かって路面状態検知用配光パターンを形成する測定光を照射する車両用灯具であって、
少なくとも前記測定光となる可視光を出射する光源ユニットを備え、
前記光源ユニットは、前記測定光を少なくとも運転者に視認されない周期で出射することを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記光源ユニットは、前記照明光及び前記測定光となる可視光を出射し、前記照明光と前記測定光とのうち、前記照明光を所定の周期で出射すると共に、前記照明光を出射する周期の中で、前記照明光を出射するタイミングを、前記測定光を出射するタイミングに置換して、前記測定光を出射することを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記照明光として、ロービーム用配光パターンを形成するロービームと、ハイビーム用配光パターンを形成するハイビームとを含み、
前記光源ユニットは、前記照明光を出射するタイミングのうち、前記ロービームを出射するタイミングに置換して、前記測定光を出射することを特徴とする前記〔2〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記光源ユニットは、路面に向かって路面描画用配光パターンを形成する描画光及び前記測定光となる可視光を照射し、
前記描画光と前記測定光とのうち、前記描画光を所定の周期で出射すると共に、前記描画光を出射する周期の中で、前記描画光を出射するタイミングを、前記測定光を出射するタイミングに置換して、前記測定光を出射することを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記光源ユニットは、レーザー光を出射するレーザー光源と、
前記レーザー光が照射される照射領域を含み、前記照射領域に照射されたレーザー光を可視光に変換する可視光変換部材と、
前記照射領域に向けて照射されるレーザー光を所定の周期で繰り返し走査するレーザー光走査機構とを備え、
前記可視光変換部材は、前記照射領域のうち、少なくとも前記路面状態検知用配光パターンを形成する測定光用照射領域を含み、
前記レーザー光走査機構は、前記測定光を出射するタイミングで、前記測定光用照射領域に対してレーザー光を走査することを特徴とする前記〔2〕〜〔4〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔6〕 前記レーザー光源は、励起レーザー光を出射し、
前記可視光変換部材は、前記励起レーザー光の照射により励起されて波長変換された光を発する蛍光体プレートであることを特徴とする前記〔5〕に記載の車両用灯具。
〔7〕 前記レーザー光源は、可視レーザー光を出射し、
前記可視光変換部材は、前記可視レーザー光の照射により拡散された光を発する拡散プレートであることを特徴とする前記〔5〕に記載の車両用灯具。
〔8〕 前記レーザー光走査機構は、所定の周波数fでレーザー光を走査すると共に、1/fの倍数の周期で前記測定光用照射領域に対してレーザー光を走査することを特徴とする前記〔5〕〜〔7〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔9〕 前記周波数fが少なくとも60Hz以上であることを特徴とする前記〔8〕に記載の車両用灯具。
〔10〕 前記測定光を出射する周期が少なくとも1/60秒以下であることを特徴とする前記〔1〕〜〔9〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔11〕 前記光源ユニットは、前記車両の走行速度に応じて、前記測定光を出射するタイミングを変更することを特徴とする前記〔1〕〜〔10〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔12〕 前記〔1〕〜〔11〕の何れか一項に記載の車両用灯具と、
前記路面から反射されて戻ってくる測定光を受光する撮像装置とを備え、
前記撮像装置が受光した測定光に基づいて、前記路面の状態を検知することを特徴とする路面状態検知システム。
〔13〕 前記車両用灯具が前記測定光を出射するタイミングと、前記撮像装置が前記測定光を受光するタイミングとを互いに同期させることを特徴とする前記〔12〕に記載の路面状態検知システム。
〔1〕 車両の前方に向けて照射される照明光とは別に、路面に向かって路面状態検知用配光パターンを形成する測定光を照射する車両用灯具であって、
少なくとも前記測定光となる可視光を出射する光源ユニットを備え、
前記光源ユニットは、前記測定光を少なくとも運転者に視認されない周期で出射することを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記光源ユニットは、前記照明光及び前記測定光となる可視光を出射し、前記照明光と前記測定光とのうち、前記照明光を所定の周期で出射すると共に、前記照明光を出射する周期の中で、前記照明光を出射するタイミングを、前記測定光を出射するタイミングに置換して、前記測定光を出射することを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記照明光として、ロービーム用配光パターンを形成するロービームと、ハイビーム用配光パターンを形成するハイビームとを含み、
前記光源ユニットは、前記照明光を出射するタイミングのうち、前記ロービームを出射するタイミングに置換して、前記測定光を出射することを特徴とする前記〔2〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記光源ユニットは、路面に向かって路面描画用配光パターンを形成する描画光及び前記測定光となる可視光を照射し、
前記描画光と前記測定光とのうち、前記描画光を所定の周期で出射すると共に、前記描画光を出射する周期の中で、前記描画光を出射するタイミングを、前記測定光を出射するタイミングに置換して、前記測定光を出射することを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記光源ユニットは、レーザー光を出射するレーザー光源と、
前記レーザー光が照射される照射領域を含み、前記照射領域に照射されたレーザー光を可視光に変換する可視光変換部材と、
前記照射領域に向けて照射されるレーザー光を所定の周期で繰り返し走査するレーザー光走査機構とを備え、
前記可視光変換部材は、前記照射領域のうち、少なくとも前記路面状態検知用配光パターンを形成する測定光用照射領域を含み、
前記レーザー光走査機構は、前記測定光を出射するタイミングで、前記測定光用照射領域に対してレーザー光を走査することを特徴とする前記〔2〕〜〔4〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔6〕 前記レーザー光源は、励起レーザー光を出射し、
前記可視光変換部材は、前記励起レーザー光の照射により励起されて波長変換された光を発する蛍光体プレートであることを特徴とする前記〔5〕に記載の車両用灯具。
〔7〕 前記レーザー光源は、可視レーザー光を出射し、
前記可視光変換部材は、前記可視レーザー光の照射により拡散された光を発する拡散プレートであることを特徴とする前記〔5〕に記載の車両用灯具。
〔8〕 前記レーザー光走査機構は、所定の周波数fでレーザー光を走査すると共に、1/fの倍数の周期で前記測定光用照射領域に対してレーザー光を走査することを特徴とする前記〔5〕〜〔7〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔9〕 前記周波数fが少なくとも60Hz以上であることを特徴とする前記〔8〕に記載の車両用灯具。
〔10〕 前記測定光を出射する周期が少なくとも1/60秒以下であることを特徴とする前記〔1〕〜〔9〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔11〕 前記光源ユニットは、前記車両の走行速度に応じて、前記測定光を出射するタイミングを変更することを特徴とする前記〔1〕〜〔10〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔12〕 前記〔1〕〜〔11〕の何れか一項に記載の車両用灯具と、
前記路面から反射されて戻ってくる測定光を受光する撮像装置とを備え、
前記撮像装置が受光した測定光に基づいて、前記路面の状態を検知することを特徴とする路面状態検知システム。
〔13〕 前記車両用灯具が前記測定光を出射するタイミングと、前記撮像装置が前記測定光を受光するタイミングとを互いに同期させることを特徴とする前記〔12〕に記載の路面状態検知システム。
以上のように、本発明によれば、測定光として可視光を用いた場合でも、運転者に測定光が視認されることを防止した車両用灯具、並びに、そのような車両用灯具を用いて、路面状態を適切に検知することを可能とした路面状態検知システムを提供することが可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態として、例えば図1に示す路面状態検知システム100について説明する。なお、図1は、路面状態検知システム100の構成を示すブロック図である。
本発明の第1の実施形態として、例えば図1に示す路面状態検知システム100について説明する。なお、図1は、路面状態検知システム100の構成を示すブロック図である。
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両Bの前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両Bの左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両Bの上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両Bを正面(車両前方)から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。
本実施形態の路面状態検知システム100は、図1に示すように、車両Bの前端側の両コーナー部に配置された車両用灯具1と、車両Bに搭載された撮像装置2と、車両用灯具1及び撮像装置2と電気的に接続された路面状態検知用制御装置(以下、「制御装置」という。)3とを概略備えている。
車両用灯具1は、車両Bの前方に向けて照射される照明光L1とは別に、路面Rに向かって路面状態検知用配光パターンを形成する測定光L2を照射するものであり、例えば図2に示す灯体1aの内部に、後述する図3に示すような透過型の光源ユニット4A、又は、図4に示すような反射型の光源ユニット4Bと、ハイビーム用光源ユニット4Cとを備えている。なお、図2は、車両用灯具1の構成を示す正面図である。図3は、透過型の光源ユニット4Aの構成を示す模式図である。図4は、反射型の光源ユニット4Bの構成を示す模式図である。
撮像装置2は、例えばCCDやCMOSイメージセンサなどの撮像素子を備えたカメラからなる。本実施形態では、車両Bのフロントガラスの内側上部に撮像装置2が設置されている。
なお、撮像装置2の設置箇所については、車両Bの測定光L2が受光可能な位置であればよく、例えば、車両用灯具1を構成する灯体1aの内部に撮像素子を配置し、車両用灯具1と一体に構成することも可能である。また、撮像装置2については、この路面状態検知システム100に合わせて、車両Bに搭載された専用のカメラに限らず、車両Bに搭載された既存のカメラを利用することも可能である。
制御装置3は、撮像装置2が受光した測定光L2に基づいて、路面Rの状態を識別し制御するものであり、例えばECUなどのコンピュータからなる。制御装置3は、ECU内のROMに格納されている制御プログラムをECU内のRAMに展開して実行し、その処理結果に応じて、路面状態の識別制御を行う。すなわち、この制御装置3は、後述する路面状態検知方法を実行する制御プログラムに従って、路面状態の識別制御を行っている。
また、制御装置3は、後述する車両用灯具1が出射する照明光L1及び測定光L2の点灯制御を行うと共に、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期させる制御を行っている。
透過型の光源ユニット4Aは、図3に示すように、励起光となるレーザー光BLを出射するレーザー光源11と、レーザー光BLの照射により励起されて波長変換された蛍光光YLを発する透過型の蛍光体プレート12Aと、蛍光体プレート12Aに向けて照射されるレーザー光BLを走査するレーザー光走査機構13と、レーザー光走査機構13により走査されたレーザー光BLを蛍光体プレート12Aに向けて反射するリフレクター14と、照明光L1及び測定光L2を車両Bの前方に向けて投影する投影レンズ15とを概略備えている。
レーザー光源11は、レーザー光BLとして、例えば青色レーザー光(発光波長が約450nm)を発するレーザーダイオード(LD)からなる。なお、レーザー光源11については、レーザー光BLとして、紫外レーザー光を発するLDを用いてもよい。
蛍光体プレート12Aは、レーザー光BLの照射により励起されて、蛍光光YLとして黄色光を発する黄色蛍光体粒子を含む板状の波長変換部材からなる。本実施形態では、波長変換部材として、例えば、セリウムCe等の付活剤が導入されたYAGとアルミナAl2O3との複合体(焼結体)からなる蛍光体粒子を含有したものを用いている。なお、蛍光体プレート12Aは、蛍光体粒子の他にも、この光源ユニット4Aから出射される照明光L1及び測定光L2の配光特性を制御するため、拡散剤を含有した構成であってもよい。
レーザー光走査機構13は、レーザー光源11と蛍光体プレート12Aとの間の光路中に配置されたMEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)ミラーからなる。MEMSミラーは、MEMS技術を用いた可動式のミラーであり、蛍光体プレート12Aの面内で2次元的に走査されるレーザー光BLの走査方向及び走査速度を制御している。
リフレクター14は、蛍光体プレート12Aとレーザー光走査機構13との間の光路中に配置されたミラーからなる。リフレクター14は、MEMSミラーで反射されたレーザー光BLを蛍光体プレート12Aの背面に向けて反射する。
透過型の光源ユニット4Aでは、蛍光体プレート12Aの背面に向かって照射されたレーザー光(青色光)BLの一部が拡散しながら蛍光体プレート12Aを透過すると共に、レーザー光BLの照射により蛍光体プレート12A内の蛍光体粒子が励起されることで、蛍光光(黄色光)YLを発しながら、これら青色光と黄色光との混色により得られる白色光WL(照明光L1及び測定光L2)を前方の投影レンズ15に向けて出射することが可能となっている。
一方、反射型の光源ユニット4Bは、図4に示すように、励起光となるレーザー光BLを出射するレーザー光源11と、レーザー光BLの照射により励起されて波長変換された蛍光光YLを発する反射型の蛍光体プレート12Bと、蛍光体プレート12Bに向けて照射されるレーザー光BLを走査するレーザー光走査機構13と、レーザー光走査機構13により走査されたレーザー光BLを蛍光体プレート12Bに向けて反射するリフレクター14と、照明光L1及び測定光L2を車両Bの前方に向けて投影する投影レンズ15とを概略備えている。
すなわち、この光源ユニット4Bは、上記透過型の蛍光体プレート12Aの代わりに、反射型の蛍光体プレート12Bを備えている。また、光源ユニット4Bは、この蛍光体プレート12Bの配置に合わせて、レーザー光源11、レーザー光走査機構13及びリフレクター14の配置を変更している。それ以外は、上記透過型の光源ユニット4Aと基本的に同じ構成を有している。
蛍光体プレート12Bは、上記蛍光体プレート12Aを構成する波長変換部材の背面側に反射板16を配置した構成を有している。反射板16は、蛍光体プレート12Bの正面側から入射したレーザー光BL及び蛍光体プレート12B内で励起された蛍光光YLを蛍光体プレート12Bの正面側に向けて反射する。
反射型の光源ユニット4Bでは、蛍光体プレート12Bの正面に向かって照射されたレーザー光(青色光)BLの一部が拡散しながら蛍光体プレート12Bで反射されると共に、レーザー光BLの照射により蛍光体プレート12A内の黄色蛍光体粒子が励起されることで、蛍光光(黄色光)YLを発しながら、これら青色光と黄色光との混色により得られる白色光WL(照明光L1及び測定光L2)を前方の投影レンズ15に向けて出射することが可能となっている。
本実施形態の車両用灯具1では、上述した光源ユニット4A,4Bを備えることによって、図5(A)に示すような上端にカットオフラインCLを含むロービーム用配光パターンP1を形成するロービームとなる照明光L1と、図5(B)に示すような格子状の路面状態検知用配光パターンP2を形成する測定光L2とを、それぞれ投影レンズ15により車両Bの前方の路面Rに向けて投影することが可能である。
なお、図5(A)は、光源ユニット4A,4Bから出射された照明光L1によって仮想鉛直スクリーンの面上に形成されたロービーム用配光パターンP1を示す模式図である。図5(B)は、光源ユニット4A,4Bから出射された測定光L2によって仮想鉛直スクリーンの面上に形成された路面状態検知用配光パターンP2を示す模式図である。
また、本実施形態の車両用灯具1では、ハイビーム用光源ユニット4Cによって、ロービーム用配光パターンP1の上方にハイビーム用配光パターンを形成するハイビームとなる照明光L3を車両Bの前方の路面Rに向けて投影することも可能である。
光源ユニット1A,1Bでは、このようなロービーム用配光パターンP1や、路面状態検知用配光パターンP2などの各配光パターンに対応した複数の照射領域を蛍光体プレート12A,12Bの面内に設けて、各照射領域にレーザー光BLを走査しながら照射する。これにより、互いに異なる複数の配光パターンP1,P2を形成することが可能である。
具体的に、図6、図7及び図8に示すように、蛍光体プレート12A,12Bの面内に、ロービーム用配光パターンP1を形成する照射領域(以下、「照明光用照射領域」という。)E1と、路面状態検知用配光パターンP2を形成する照射領域(以下、「測定光用照射領域」という。)E2とを設けた場合を例示する。
なお、図6、図7及び図8は、蛍光体プレート12A,12Bの面内に設けられた照明光用照射領域E1及び測定光用照射領域E2の一例を示す平面図である。また、図6、図7及び図8では、蛍光体プレート12A,12Bの面内で走査されるレーザー光BLの走査範囲SEを一点鎖線で示している。
さらに、図6では、蛍光体プレート12A,12Bの面内で走査されるレーザー光BLの走査軌跡SLを破線で示している。なお、図7及び図8では、蛍光体プレート12A,12Bの面内で走査されるレーザー光BLの走査軌跡が、図6に示す走査軌跡SLと同じであることから、その図示を省略するものとする。
レーザー光走査機構13は、レーザー光BLの1回の走査で走査される走査範囲SEにおいて、走査軌跡SLの一端側から他端側に向かってレーザー光BLを走査した後、走査軌跡SLの他端側から一端側に向かってレーザー光BLを走査することを周期的に繰り返す。
図6に示す蛍光体プレート12A,12Bの面内には、走査範囲SEにおいて、照明光用照射領域E1と測定光用照射領域E2との一部が重複して設けられている。一方、図7に示す蛍光体プレート12A,12Bの面内には、レーザー光BLの走査範囲において、照明光用照射領域E1と測定光用照射領域E2とが重複することなく設けられている。一方、図8に示す蛍光体プレート12A,12Bの面内には、レーザー光BLの走査範囲において、照明光用照射領域E1と測定光用照射領域E2とが完全に重複して設けられている。
光源ユニット1A,1Bでは、レーザー光走査機構13により照明光用照射領域E1と測定光用照射領域E2とにレーザー光BLを走査しながら照射することで、ロービーム用配光パターンP1を形成する照明光L1と、路面状態検知用配光パターンP2を形成する測定光L2とを、それぞれ投影レンズ15により車両Bの前方の路面Rに向けて投影することが可能である。
さらに、本実施形態の車両用灯具1は、上述した照明光L1及び測定光L2とは別に、路面Rに向かって路面描画用配光パターンを形成する光(以下、「描画光」という。)を投影レンズ15により車両Bの前方の路面Rに向けて投影する構成であってもよい。路面描画用配光パターンとしては、例えば文字や記号、図形などを挙げることができる。
この場合、上述した蛍光体プレート12A,12Bの面内に、路面描画用配光パターンを形成する照射領域(以下、「描画光用照射領域」という。)を設ける。具体的に、このn描画光用照射領域は、レーザー光BLの走査範囲において、測定光用照射領域E2とは重複しない照明光用照射領域E1に設けることが可能である。
ところで、本実施形態の車両用灯具1では、光源ユニット4A,4Bから出射される測定光L2を、少なくとも運転者に視認されない周期で出射する。これにより、測定光L2として、照明光L1と同じ白色光(可視光)WLを用いた場合でも、運転者に測定光L2が視認されることを防止することが可能である。
具体的に、光源ユニット4A,4Bは、照明光L1を所定の周期でパルス状に出射すると共に、照明光L1を出射する周期の中で、照明光L1を出射するタイミングを、測定光L2を出射するタイミングに置換して、測定光L2をパルス状に出射する。
このため、レーザー光走査機構13は、上述した蛍光体プレート12A,12Bの走査範囲SEに対してレーザー光BLを所定の周期で繰り返し走査する。また、レーザー光源11は、走査範囲SE内で照明光用照射領域E1を走査するタイミングと、測定光用照射領域E2を走査するタイミングとに合わせて、レーザー光源11の点灯/消灯(ON/OFF)を切り替える。さらに、レーザー光源11は、出射されるレーザー光BLの強度を制御することが可能である。
レーザー光走査機構13は、所定の周波数fで走査範囲SEをレーザー光BLで走査すると共に、1/fの倍数の周期で照明光用照射領域E1及び測定光用照射領域E2に対してレーザー光BLを走査する。周波数fについては、少なくとも60Hz以上であれば、運転者(人間の目)に視認されない周期(1/f=1/60[s])で測定光L2を出射することが可能である。
すなわち、運転者(人間の目)に視認されない測定光L2の周期としては、1/60秒以下であることが好ましい。また、測定光L2の1秒間における出射時間の合計についても、1/60秒以下であることが好ましい。
また、本実施形態の路面状態検知システム100では、制御装置3の制御によって、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光(撮像)するタイミングとを互いに同期(一致)させている。
これにより、路面Rから反射されて戻ってくる測定光L2を撮像装置2により適切に受光することが可能である。すなわち、路面Rに形成された路面状態検知用配光パターンP2を撮像装置2により撮像することが可能である。
ここで、光源ユニット4A,4Bから出射される照明光L1及び測定光L2の周期と、撮像装置2が測定光L2を受光(撮像)するタイミングとについて、図9、図10及び図11に示す場合を例示しながら説明する。
なお、図9、図10及び図11は、1秒[s]間における光源ユニット4A,4Bから出射される照明光L1及び測定光L2の周期と、撮像装置2が測定光L2を受光(撮像)するタイミングとの一例を説明するための模式図である。
また、本例では、ハイビーム用光源ユニット4Cから出射される照明光L3(ハイビーム用配光パターン)については、省略している。さらに、路面描画用配光パターンを形成する描画光については、測定光L2が出射されていない間、すなわち照明光L1が出射される間は同時に出射することが可能である。
本実施形態の車両用灯具1では、例えば、図9に示すように、レーザー光走査機構13が120Hzの周波数fで走査範囲SEに対してレーザー光BLを繰り返し走査する。これにより、走査範囲SEに対してレーザー光BLが1秒間に120回走査される。
また、走査範囲SEを繰り返し走査する中で、走査範囲SE内で照明光用照射領域E1を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)し、測定光用照射領域E2を走査するタイミングでレーザー光源11を消灯(OFF)する。これにより、1/f(=1/120[s])の周期で照明光L1が繰り返し出射される。
この場合、120Hzの周波数fでパルス状に出射される照明光L1によって、運転者(人間の目)にフリッカーを感じさせることなく、車両Bの前方の路面Rにロービーム用配光パターンP1を形成することができる。
また、走査範囲SEを繰り返し走査する中で、照明光L1を出射するタイミングを、測定光L2を出射するタイミングに置換して、測定光L2を1回出射する。すなわち、この測定光L2を1回出射するタイミングにおいて、走査範囲SE内で照明光用照射領域E1を走査するタイミングでレーザー光源11を消灯(OFF)し、測定光用照射領域E2を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)する。これにより、1/f(=1/120[s])の周期で測定光L2が出射される。
この場合、1秒間に走査される120回のうち、照明光L1が119回、測定光L2が1回出射される。また、測定光L2は、運転者(人間の目)に視認されない周期(1/60秒以下)で出射される。したがって、この測定光L2によって、車両Bの前方の路面Rに運転者(人間の目)に視認されない路面状態検知用配光パターンP2を形成することが可能である。
なお、路面描画用配光パターンを形成する描画光を出射する場合は、測定光L2が出射されている間は、描画光を出射しないようにする。したがって、光源ユニット4A,4Bからは測定光L2のみが出射される。
また、本実施形態の路面状態検知システム100では、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させながら、1/f(=1/120[s])の周期(シャッター速度)で撮像装置2がシャッターを開放(受光)する。これにより、照明光L1による影響を受けることなく、路面Rに形成された路面状態検知用配光パターンP2を撮像装置2により撮像することが可能である。
また、本実施形態の車両用灯具1では、車両Bの走行速度に応じて、光源ユニット4A,4Bが出射する測定光L2のタイミングを変更する構成としてもよい。具体的には、車両Bの走行速度が上がるのに合わせて、光源ユニット4A,4Bが出射する測定光L2のタイミングを早める(測定光L2の出射回数を増やす)ことが可能である。一方、車両Bの走行速度が下がるのに合わせて、光源ユニット4A,4Bが出射する測定光L2のタイミングを遅らせる(測定光L2の出射回数を減らす)ことが可能である。
本実施形態の車両用灯具1では、例えば、図10に示すように、レーザー光走査機構13が120Hzの周波数fで測定光用照射領域に対してレーザー光BLを繰り返し走査する。これにより、走査範囲SEに対してレーザー光BLが1秒間に120回走査される。
また、走査範囲SEを繰り返し走査する中で、走査範囲SE内で照明光用照射領域E1を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)し、測定光用照射領域E2を走査するタイミングでレーザー光源11を消灯(OFF)する。これにより、1/f(=1/120[s])の周期で照明光L1が繰り返し出射される。
この場合、120Hzの周波数fでパルス状に出射される照明光L1によって、運転者(人間の目)にフリッカーを感じさせることなく、車両Bの前方の路面Rにロービーム用配光パターンP1を形成することができる。
また、走査範囲SEを繰り返し走査する中で、照明光L1を出射するタイミングを、測定光L2を出射するタイミングに置換して、測定光L2を一定の間隔で2回出射する。すなわち、この測定光L2を出射するそれぞれのタイミングにおいて、走査範囲SE内で照明光用照射領域E1を走査するタイミングでレーザー光源11を消灯(OFF)し、測定光用照射領域E2を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)する。これにより、1/f(=1/120[s])の周期で測定光L2が出射される。
なお、路面描画用配光パターンを形成する描画光を出射する場合は、測定光L2が出射されている間は、描画光を出射しないようにする。したがって、光源ユニット4A,4Bからは測定光L2のみが出射される。
この場合、1秒間に走査される120回のうち、照明光L1が118回、測定光L2が2回出射される。また、測定光L2は、運転者(人間の目)に視認されない周期(1/60秒以下)で出射される。したがって、この測定光L2によって、車両Bの前方の路面Rに運転者(人間の目)に視認されない路面状態検知用配光パターンP2を形成することが可能である。また、測定光L2を出射するタイミングを増やすことが可能である。
また、本実施形態の路面状態検知システム100では、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させている。これにより、照明光L1による影響を受けることなく、路面Rに形成された路面状態検知用配光パターンP2を撮像装置2により撮像することが可能である。
なお、測定光L2を出射するタイミングを増やす場合は、路面Rに形成された路面状態検知用配光パターンP2が運転者(人間の目)に視認されない範囲で、測定光L2の出射回数を増やすことが可能である。
また、本実施形態の車両用灯具1では、例えば、図11に示すように、レーザー光走査機構13が120Hzの周波数fで測定光用照射領域に対してレーザー光BLを繰り返し走査する。これにより、走査範囲SEに対してレーザー光BLが1秒間に120回走査される。
また、走査範囲SEを繰り返し走査する中で、走査範囲SE内で照明光用照射領域E1を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)し、測定光用照射領域E2を走査するタイミングでレーザー光源11を消灯(OFF)する。これにより、1/f(=1/120[s])の周期で照明光L1が繰り返し出射される。
この場合、120Hzの周波数fでパルス状に出射される照明光L1によって、運転者(人間の目)にフリッカーを感じさせることなく、車両Bの前方の路面Rにロービーム用配光パターンP1を形成することができる。
また、走査範囲SEを繰り返し走査する中で、照明光L1を出射するタイミングを、測定光L2を出射するタイミングに置換して、測定光L2を1回出射する。また、測定光L2を出射するタイミングで、測定光用照射領域に対してレーザー光BLを走査する周波数fの2倍の240Hzとする。これにより、1/fの1/2倍の周期(=1/240[s])で測定光L2を出射することになる。
なお、路面描画用配光パターンを形成する描画光を出射する場合は、測定光L2が出射されている間は、描画光を出射しないようにする。したがって、光源ユニット4A,4Bからは測定光L2のみが出射される。
この場合、1秒間に走査される120回のうち、照明光L1が119回、測定光L2が1回出射される。また、測定光L2は、運転者(人間の目)に視認されない周期(1/60秒以下)で出射される。したがって、この測定光L2によって、車両Bの前方の路面Rに運転者(人間の目)に視認されない路面状態検知用配光パターンP2を形成することができる。
また、本実施形態の路面状態検知システム100では、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させながら、1/fの1/2倍の周期(=1/240[s])(シャッター速度)で撮像装置2がシャッターを開放(受光)する。これにより、照明光L1による影響を受けることなく、路面Rに形成された路面状態検知用配光パターンP2を撮像装置2により撮像することが可能である。
以上のようにして、本実施形態の車両用灯具1では、測定光L2として、照明光L1と同じ白色光(可視光)WLを用いた場合でも、運転者に測定光L2が視認されることを防止することが可能である。
次に、上記路面状態検知システム100を用いた路面状態検知方法について、図8を参照しながら説明する。なお、図12は、路面状態検知システム100を用いた路面状態検知方法を説明するための模式図である。また、図12(A)は、路面Rに障害物Sがない場合の画像データを示す模式図である。図12(B)は、路面Rに障害物Sがある場合の画像データを示す模式図である。図12(C)は、図12(A)に示す画像データと(B)に示す画像データとを比較した画像データを示す模式図である。
上記路面状態検知システム100を用いた路面状態検知方法では、上述した制御装置3において、撮像装置2が撮像した画像データを比較することによって、路面Rの状態を識別する。
具体的には、図12(A)に示すように、制御装置3において、路面Rに障害物Sがない状態における路面状態検知用配光パターンP2の画像データを予め記憶しておく。そして、図12(B)に示すように、路面Rに障害物Sがある場合、格子状の路面状態検知用配光パターンP2のうち、障害物Sに測定光L2が照射された部分の格子状の形状が変化する。
このとき、制御装置3は、図12(C)に示すように、図12(A)に示す画像データと、図12(B)に示す画像データとを比較し、その変化が生じた部分(図中の囲み部分X)を抽出する。
ここで、路面状態検知用配光パターンP2のうち、互いに隣り合う格子の間隔が予め設定されている。例えば、本実施形態では、幅方向における格子の間隔を10cmとし、前後方向における格子の間隔を30cmとしている。また、路面状態検知用配光パターンP2は、車両の3m先よりも先に描かれているものとする。
したがって、制御装置3は、図12(C)に示す画像データから、左から20cm、車両前方の3m+30cmの位置に、障害物Sが存在していると判別することができる。これにより、路面Rの状態を識別して検知することが可能である。なお、制御装置3では、上述した路面R上の障害物S以外にも、例えば路面Rの凹凸などを識別して検知することが可能である。
なお、路面状態検知用配光パターンP2は、上述した格子状の配光パターンに限らず、障害物Sの存在により変形していることを認識できる配光パターンであればよく、例えば幅方向に10cm、前後方向に30cmの間隔で並ぶドット状の配光パターンであってもよい。
また、制御装置3は、このような判別結果に基づいて、必要に応じて運転者に対して路面状態の通知を行う。例えば、障害物Sが存在していると判別した場合には、その旨の警告音や警告表示などを運転者に対して通知することが可能である。
以上のようにして、本実施形態の路面状態検知システム100では、上記車両用灯具1を用いて、路面Rの状態を適切に検知することが可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、上記光源ユニット4A,4Bにおいて、ロービーム配光パターンP1を形成する照明光L1の代わりに、ハイビーム用配光パターンを形成する照明光L3を出射する構成とする。
第2の実施形態では、上記光源ユニット4A,4Bにおいて、ロービーム配光パターンP1を形成する照明光L1の代わりに、ハイビーム用配光パターンを形成する照明光L3を出射する構成とする。
この構成の場合、上記光源ユニット4A,4Bは、上記図3及び図4に示す構成と基本的に同じである。一方、蛍光体プレート12A,12Bにおいて、ロービーム用配光パターンP1を形成する照明光用照射領域E1が、ハイビーム用配光パターンを形成する照明光用照射領域にそのまま置き換わる。この場合、上記図7に示す蛍光体プレート12A,12Bのように、レーザー光BLの走査範囲において、照明光用照射領域E1と測定光用照射領域E2とが重複することなく設けられた構成とすることが好ましい。
また、上記図2に示すハイビーム用光源ユニット4Cの代わりに、ロービーム用配光パターンを形成するロービームとなる照明光L1を出射するロービーム用光源ユニットを上記光源ユニット4A,4Bとは別に配置する。
ロービーム用光源ユニットは、上記光源ユニット4A,4Bから測定光L2が出射されるタイミングにおいて、消灯(OFF)とし、それ以外のタイミングにおいて、点灯(ON)とするように、上記光源ユニット4A,4Bと同期させる。
光源ユニット4A,4Bから出射される照明光L3及び測定光L2の周期は、上記図9、図10及び図11に示す場合において、ロービーム用配光パターンP1を形成する照明光L1の代わりに、ハイビーム用配光パターンを形成する照明光L3を出射する以外は、同様である。また、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させることも、同様である。
なお、路面描画用配光パターンを形成する描画光を出射する場合は、測定光L2が出射されている間は、描画光を出射しないようにする。一方、ハイビーム用配光パターンを形成する照明光L3については、測定光L2と同時に出射されてもよい。照明光L3は、測定光L3よりも遠方に照射されるため、撮像装置2が路面状態検知用配光パターンP2を撮像するタイミングで照明光L3が出射されていたとしても、この照明光L3による影響を受けにくいためである。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、上記光源ユニット4A,4Bにおいて、ロービーム配光パターンを形成する照明光L1と、ハイビーム配光パターンを形成する照明光L3とを出射する構成とする。
第3の実施形態では、上記光源ユニット4A,4Bにおいて、ロービーム配光パターンを形成する照明光L1と、ハイビーム配光パターンを形成する照明光L3とを出射する構成とする。
この構成の場合、上記光源ユニット4A,4Bは、上記図3及び図4に示す構成と基本的に同じである。一方、蛍光体プレート12A,12Bには、ロービーム用配光パターンP1とハイビーム用配光パターンとを形成する照明光用照射領域を設ける。一方、上記図2に示すハイビーム用光源ユニット4Cは不要となる。
ロービーム用配光パターンP1を形成する照明光L1のみを光源ユニット4A,4Bから出射するとき(以下、「ロービーム配光時」という。)は、光源ユニット4A,4Bから出射される照明光L1及び測定光L2の周期は、上記図9、図10及び図11に示す場合と同様である。また、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させることも、同様である。
一方、ハイビーム用配光パターンを形成する照明光L3を光源ユニット4A,4Bから出射するとき(以下、「ハイビーム配光時」という。)について、光源ユニット4A,4Bから出射される照明光L1,L3及び測定光L2の周期と、撮像装置2が測定光L2を受光(撮像)するタイミングとについて、図13に示す場合を例示しながら説明する。
なお、図13は、1秒[s]間における光源ユニット4A,4Bから出射される照明光L1,L3及び測定光L2の周期と、撮像装置2が測定光L2を受光(撮像)するタイミングとの一例を説明するための模式図である。
ハイビーム配光時は、図13に示すように、光源ユニット4A,4Bから出射される照明光L1,L3によって、ロービーム用配光パターンP1とハイビーム用配光パターンP3とが重なった配光パターンが形成される。
ハイビーム配光時には、上記光源ユニット4A,4Bから測定光L2を出射するタイミングにおいて、走査範囲SE内でロービーム用配光パターンに対応した照明光用照射領域を走査するタイミングでレーザー光源11を消灯(OFF)し、ハイビーム用配光パターンに対応した照明光用照射領域を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)し、測定光用照射領域E2を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)する。
これにより、光源ユニット4A,4Bから出射される照明光L3及び測定光L2によって、路面状態検知用配光パターンP2が形成される間は、ハイビーム用光源パターンP3のみが形成される。また、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させている。
なお、路面描画用配光パターンを形成する描画光を出射する場合は、測定光L2が出射されている間は、描画光を出射しないようにする。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、上記図3及び図4に示す光源ユニット4A,4Bの代わりに、図14に示す透過型の光源ユニット4C、又は、図15に示す反射型の光源ユニット4Dを備えた構成である。なお、図14は、透過型の光源ユニット4Cの構成を示す模式図である。図15は、反射型の光源ユニット4Dの構成を示す模式図である。
第4の実施形態は、上記図3及び図4に示す光源ユニット4A,4Bの代わりに、図14に示す透過型の光源ユニット4C、又は、図15に示す反射型の光源ユニット4Dを備えた構成である。なお、図14は、透過型の光源ユニット4Cの構成を示す模式図である。図15は、反射型の光源ユニット4Dの構成を示す模式図である。
透過型の光源ユニット4Cは、図14に示すように、上記光源ユニット4Aの構成のうち、2組のレーザー光源11及びレーザー光走査機構13を備えた構成である。同様に、反射型の光源ユニット4Dは、図15に示すように、上記光源ユニット4Bの構成のうち、2組のレーザー光源11及びレーザー走査機構13を備えた構成である。
光源ユニット4C,4Dでは、一方のレーザー光源11から出射されたレーザー光BLを一方のレーザー光走査機構13により蛍光体プレート12A,12Bの面内で走査することによって、ロービーム用配光パターンP1を形成する照明光L1及びハイビーム用配光パターンP3を形成する照明光L3を出射する。
光源ユニット4C,4Dでは、他方のレーザー光源11から出射されたレーザー光BLを他方のレーザー光走査機構13により蛍光体プレート12A,12Bの面内で走査することによって、路面状態検知用配光パターンを形成する測定光L2を出射する。
これに対応して、図16に示す蛍光体プレート12A,12Bの面内には、一方のレーザー光BLにより走査される一方の走査範囲SE1において、ロービーム用配光パターンP1及びハイビーム用配光パターンP3を形成する照明光用照射領域E1と、他方のレーザー光BLにより走査される他方の走査範囲SE2において、路面状態検知用配光パターンP2を形成する測定光用照射領域E2が設けられている。なお、図16は、蛍光体プレート12A,12Bの面内に設けられた照明光用照射領域E1及び測定光用照射領域E2の一例を示す平面図である。
さらに、測定光用照射領域E2は、路面描画用配光パターンを形成する描画光用照射領域を兼ねている。すなわち、光源ユニット4C,4Dでは、他方のレーザー光源11から出射されたレーザー光BLを他方のレーザー光走査機構13により蛍光体プレート12A,12Bの面内で走査することによって、路面状態検知用配光パターンを形成する測定光L2と、路面描画用配光パターンを形成する描画光とを出射すること可能となっている。
ロービーム配光時において、光源ユニット4C,4Dから出射される照明光L1及び測定光L2の周期は、上記図9、図10及び図11に示す場合と同様である。また、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させることも、同様である。
一方、ハイビーム配光時は、上記図13に示す場合と同様に、光源ユニット4C,4Dから出射される照明光L1,L3によって、ロービーム用配光パターンP1とハイビーム用配光パターンP3とが重なった配光パターンが形成される。
ハイビーム配光時には、上記光源ユニット4C,4Dから測定光L2を出射するタイミングにおいて、走査範囲SE内でロービーム用配光パターンに対応した照明光用照射領域を走査するタイミングでレーザー光源11を消灯(OFF)し、ハイビーム用配光パターンに対応した照明光用照射領域を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)し、測定光用照射領域E2を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)する。
これにより、光源ユニット4C,4Dから出射される照明光L3及び測定光L2によって、路面状態検知用配光パターンP2が形成される間は、ハイビーム用光源パターンP3のみが形成される。また、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させている。
また、描画光を所定の周期で出射すると共に、描画光を出射する周期の中で、描画光を出射するタイミングを、測定光L2を出射するタイミングに置換して、測定光L2を出射する。すなわち、路面描画用配光パターンを形成する描画光を出射する場合は、測定光L2が出射されている間は、描画光を出射しないようにする。
なお、上記光源ユニット4C,4Dでは、一方のレーザー光源11から出射されたレーザー光BLを一方のレーザー光走査機構13により蛍光体プレート12A,12Bの面内で走査することによって、ロービーム用配光パターンP1を形成する照明光L1のみを出射する構成としてもよい。この場合、上記図2に示すハイビーム用光源ユニット4Cを用いて、ハイビーム用配光パターンP3を形成する照明光L3を出射する構成としてもよい。
なお、上記光源ユニット4C,4Dでは、一方のレーザー光源11から出射されたレーザー光BLを一方のレーザー光走査機構13により蛍光体プレート12A,12Bの面内で走査することによって、ロービーム用配光パターンP1を形成する照明光L1のみを出射する構成としてもよい。この場合、上記図2に示すハイビーム用光源ユニット4Cを上記光源ユニット4A,4Bとは別に配置して、ハイビーム用配光パターンP3を形成する照明光L3を出射する構成としてもよい。
また、上記光源ユニット4C,4Dでは、一方のレーザー光源11から出射されたレーザー光BLを一方のレーザー光走査機構13により蛍光体プレート12A,12Bの面内で走査することによって、ハイビーム用配光パターンP3を形成する照明光L3のみを出射する構成としてもよい。この場合、ロービーム用光源ユニットを上記光源ユニット4C,4Dとは別に配置して、ロービーム用配光パターンP1を形成する照明光L1を出射する構成としてもよい。
なお、上記光源ユニット4C,4Dでは、上述した2組のレーザー光源11及びレーザー走査機構13を備えた構成となっているが、3組以上のレーザー光源11及びレーザー走査機構13を備えた構成とすることも可能である。例えば、1組のレーザー光源11及びレーザー走査機構13によりロービーム用配光パターンP1を形成する照明光L1を出射し、1組のレーザー光源11及びレーザー走査機構13によりハイビーム用配光パターンP3を形成する照明光L3を出射し、1組のレーザー光源11及びレーザー走査機構13により路面状態検知用配光パターンP2を形成する測定光L2及び路面描画用配光パターンを形成する描画光を出射する構成としてもよい。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、上記光源ユニット4A,4Bからの照明光L1,L3の照射はなく、描画光を所定の周期で出射すると共に、描画光を出射する周期の中で、描画光を出射するタイミングを、測定光L2を出射するタイミングに置換して、測定光L2を出射する構成である。
第5の実施形態は、上記光源ユニット4A,4Bからの照明光L1,L3の照射はなく、描画光を所定の周期で出射すると共に、描画光を出射する周期の中で、描画光を出射するタイミングを、測定光L2を出射するタイミングに置換して、測定光L2を出射する構成である。
光源ユニット4A,4Bから出射される描画光及び測定光L2の周期は、上記図9、図10及び図11に示す場合において、ロービーム用配光パターンP1を形成する照明光L1の代わりに、描画光を出射する以外は、同様である。また、光源ユニット4A,4Bが測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させることも、同様である。
具体的に、光源ユニット4A,4Bから出射される描画光及び測定光L2の周期と、撮像装置2が測定光L2を受光(撮像)するタイミングとについて、図17に示す場合を例示しながら説明する。
なお、図17は、1秒[s]間における光源ユニット4A,4Bから出射される描画光及び測定光L2の周期と、撮像装置2が測定光L2を受光(撮像)するタイミングとの一例を説明するための模式図である。
描画光を光源ユニット4A,4Bから出射するとき(以下、「描画配光時」という。)は、図17に示すように、光源ユニット4A,4Bから出射される描画光によって、路面描画用配光パターンP4が形成される。なお、本実施形態では、路面描画用配光パターンP4として、上向きの矢印を例示している。
描画配光時には、レーザー光走査機構13が120Hzの周波数fで走査範囲SEに対してレーザー光BLを繰り返し走査する。これにより、走査範囲SEに対してレーザー光BLが1秒間に120回走査される。
また、走査範囲SEを繰り返し走査する中で、この走査範囲SE内で路面描画用配光パターンに対応した測定光用照射領域E2を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)する。これにより、1/f(=1/120[s])の周期で描画光が繰り返し出射される。
この場合、120Hzの周波数fでパルス状に出射される描画光によって、運転者(人間の目)にフリッカーを感じさせることなく、車両Bの前方の路面Rに路面描画用配光パターンP4を形成することができる。
また、走査範囲SEを繰り返し走査する中で、描画光を出射するタイミングを、測定光L2を出射するタイミングに置換して、測定光L2を1回出射する。すなわち、この測定光L2を1回出射するタイミングにおいて、走査範囲SE内で路面状態検知用配光パターンに対応した測定光用照射領域E2を走査するタイミングでレーザー光源11を点灯(ON)する。これにより、1/f(=1/120[s])の周期で測定光L2が出射される。
この場合、1秒間に走査される120回のうち、描画光L1が119回、測定光L2が1回出射される。また、測定光L2は、運転者(人間の目)に視認されない周期(1/60秒以下)で出射される。したがって、この測定光L2によって、車両Bの前方の路面Rに運転者(人間の目)に視認されない路面状態検知用配光パターンP2を形成することが可能である。
また、光源ユニット4A,4Bが測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させながら、1/f(=1/120[s])の周期(シャッター速度)で撮像装置2がシャッターを開放(受光)する。これにより、描画光による影響を受けることなく、路面Rに形成された路面状態検知用配光パターンP2を撮像装置2により撮像することが可能である。
(第6の実施形態)
第6の実施形態は、上述した走査範囲SE内で照明光用照射領域E1を走査するタイミングと、測定光用照射領域E2を走査するタイミングとに合わせて、レーザー光源11の点灯/消灯(ON/OFF)を切り替える代わりに、照明光用照射領域E1を走査するタイミングと、測定光用照射領域E2を走査するタイミングとに合わせて、レーザー光BLの1回の走査で走査される走査範囲SEを切り替える構成である。
第6の実施形態は、上述した走査範囲SE内で照明光用照射領域E1を走査するタイミングと、測定光用照射領域E2を走査するタイミングとに合わせて、レーザー光源11の点灯/消灯(ON/OFF)を切り替える代わりに、照明光用照射領域E1を走査するタイミングと、測定光用照射領域E2を走査するタイミングとに合わせて、レーザー光BLの1回の走査で走査される走査範囲SEを切り替える構成である。
具体的には、蛍光体プレート12A,12Bの面内に設けられた照明光用照射領域E1をレーザー光BLで走査するときの走査範囲SEを図18に示す。また、蛍光体プレート12A,12Bの面内に設けられた測定光用照射領域E2をレーザー光BLで走査するときの走査範囲SEを図19に示す。
光源ユニット4A,4Bから出射される照明光L1及び測定光L2の周期は、上記図9、図10及び図11に示す場合と同様である。また、車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させることも、同様である。
一方、照明光L1を出射するタイミングでは、図18に示すように、レーザー光走査機構13が測定光用照射領域E1に対応した走査範囲SEでレーザー光BLを走査する。これに対して、測定光L2を出射するタイミングでは、図19に示すように、レーザー光走査機構13が照明光用照射領域E2に対応した走査範囲SEでレーザー光BLを走査する。
したがって、レーザー光走査機構13は、照明光用照射領域E1を走査するタイミングと、測定光用照射領域E2を走査するタイミングとに合わせて、レーザー光BLの1回の走査で走査される走査範囲SEを切り替えている。
この場合、上述した同一の走査範囲SE内で、照明光用照射領域E1を走査するタイミングと、測定光用照射領域E2を走査するタイミングとに合わせて、レーザー光源11の点灯/消灯(ON/OFF)を切り替える場合に比べて、照明光用照射領域E1及び測定光用照明領域E2に対してレーザー光BLを効率良く走査しながら、高強度の照明光L1及び測定光L2を出射することが可能である。
すなわち、照明光用照射領域E1及び測定光用照明領域E2の位置やサイズが異なる場合、両方の照射領域E1,E2を含む同一の走査範囲SEを走査する場合、広い範囲でレーザー光BLを走査する必要がある。この場合、照射領域E1,E2において走査されるレーザー光BLの強度が相対的に弱くなる傾向にある。これに対して、本実施形態では、照明光用照射領域E1及び測定光用照明領域E2に合わせた走査範囲SEでレーザー光BLを走査するため、これらの照射領域E1,E2において走査されるレーザー光BLの強度を相対的に高めることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
具体的に、上記車両用灯具1では、上述した光源ユニット4A,4B,4C,4Dを用いた構成に限らず、少なくとも測定光L2とを出射する光源ユニットを用いて、測定光L2を少なくとも運転者に視認されない周期で出射する構成であればよい。
具体的に、上記車両用灯具1では、上述した光源ユニット4A,4B,4C,4Dを用いた構成に限らず、少なくとも測定光L2とを出射する光源ユニットを用いて、測定光L2を少なくとも運転者に視認されない周期で出射する構成であればよい。
例えば、上述した光源ユニット4A,4B,4C,4Dでは、レーザー光源11が励起光となるレーザー光(励起レーザー光)BLを出射し、このレーザー光BLにより励起されて波長変換された蛍光光YLを発する蛍光体プレート12A,12Bを用いた構成となっているが、レーザー光源11が可視光となるレーザー光(可視レーザー光)を直接出射する構成であってもよい。
この構成の場合、蛍光体プレート12A,12Bの代わりに、レーザー光源11が出射するレーザー光を拡散させる拡散プレートを用いて、この拡散プレートの面内に設けられた照射領域に対してレーザー光を走査しながら照射する。これにより、上述したロービーム用配光パターンP1を形成する照明光L1や、路面状態検知用配光パターンP2を形成する測定光L2、ハイビーム用配光パターンP3を形成する照明光L3や、路面描画用配光パターンP4を形成する描画光を出射することが可能である。
また、上述した蛍光体プレート12A,12Bや拡散プレートの他にも、照射領域に照射されたレーザー光を可視光に変換する可視光変換部材を用いることが可能である。
また、上記車両用灯具1では、上述した光源ユニット4A,4B,4C,4Dを用いた構成に限らず、例えば、照明光L1,L3や測定光L2、描画光となる可視光を直接出射する光源ユニットを用いた構成とすることも可能である。
また、上記路面状態検知システム100では、上述した車両用灯具1が測定光L2を出射するタイミングと、撮像装置2が測定光L2を受光するタイミングとを互いに同期(一致)させることによって、路面状態検知用配光パターンP2を撮像装置2により撮像する構成となっているが、撮像装置2が連続的に撮像を行い、その撮像した画像の中から、路面状態検知用配光パターンP2を撮像した画像を抽出する構成とすることも可能である。
また、上記路面状態検知システム100では、上述した照明光L1の照射によって、車両前方の画像を撮像装置2により別途撮像してもよい。さらに、照明光L1の照射によって撮像された車両前方の画像から、障害物Sが何であるか(例えば歩行者)を特定し、測定光L2の照射によって、路面状態検知用配光パターンP2を撮像装置2により撮像した画像から、障害物Sまでの距離(前方何mに歩行者がいるか)を特定するようにしてもよい。
なお、上記路面状態検知システム100は、上述した路面Rの状態を運転者に通知する場合に限らず、自動運転技術に応用することも可能である。すなわち、車両Bでは、上記路面状態検知システム100が検知した路面状態に基づいて、この路面状態に応じたエンジン制御やブレーキ制御、操舵制御などの自動制御を行うことも可能である。
1…車両用灯具 2…撮像装置 3…路面状態検知用制御装置(制御装置) 4A,4C…透過型の光源ユニット 4B,4D…反射型の光源ユニット 11…レーザー光源 12A,12B…蛍光体プレート(波長変換部材) 13…レーザー光走査機構 14…リフレクター 15…投影レンズ 100…路面状態検知システム L1…照明光 L2…測定光 BL…レーザー光 YL…蛍光光 WL…白色光(可視光) P1…ロービーム用配光パターン P2…路面状態検知用配光パターン P3…ハイビーム用配光パターン P4…路面描画用配光パターン E1,E3…照明光用照射領域 E2…測定光用照射領域
Claims (13)
- 車両の前方に向けて照射される照明光とは別に、路面に向かって路面状態検知用配光パターンを形成する測定光を照射する車両用灯具であって、
少なくとも前記測定光となる可視光を出射する光源ユニットを備え、
前記光源ユニットは、前記測定光を少なくとも運転者に視認されない周期で出射することを特徴とする車両用灯具。 - 前記光源ユニットは、前記照明光及び前記測定光となる可視光を出射し、
前記照明光と前記測定光とのうち、前記照明光を所定の周期で出射すると共に、前記照明光を出射する周期の中で、前記照明光を出射するタイミングを、前記測定光を出射するタイミングに置換して、前記測定光を出射することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。 - 前記照明光として、ロービーム用配光パターンを形成するロービームと、ハイビーム用配光パターンを形成するハイビームとを含み、
前記光源ユニットは、前記照明光を出射するタイミングのうち、前記ロービームを出射するタイミングに置換して、前記測定光を出射することを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。 - 前記光源ユニットは、路面に向かって路面描画用配光パターンを形成する描画光及び前記測定光となる可視光を照射し、
前記描画光と前記測定光とのうち、前記描画光を所定の周期で出射すると共に、前記描画光を出射する周期の中で、前記描画光を出射するタイミングを、前記測定光を出射するタイミングに置換して、前記測定光を出射することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。 - 前記光源ユニットは、レーザー光を出射するレーザー光源と、
前記レーザー光が照射される照射領域を含み、前記照射領域に照射されたレーザー光を可視光に変換する可視光変換部材と、
前記照射領域に向けて照射されるレーザー光を所定の周期で繰り返し走査するレーザー光走査機構とを備え、
前記可視光変換部材は、前記照射領域のうち、少なくとも前記路面状態検知用配光パターンを形成する測定光用照射領域を含み、
前記レーザー光走査機構は、前記測定光を出射するタイミングで、前記測定光用照射領域に対してレーザー光を走査することを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の車両用灯具。 - 前記レーザー光源は、励起レーザー光を出射し、
前記可視光変換部材は、前記励起レーザー光の照射により励起されて波長変換された光を発する蛍光体プレートであることを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。 - 前記レーザー光源は、可視レーザー光を出射し、
前記可視光変換部材は、前記可視レーザー光の照射により拡散された光を発する拡散プレートであることを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。 - 前記レーザー光走査機構は、所定の周波数fでレーザー光を走査すると共に、1/fの倍数の周期で前記測定光用照射領域に対してレーザー光を走査することを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の車両用灯具。
- 前記周波数fが少なくとも60Hz以上であることを特徴とする請求項8に記載の車両用灯具。
- 前記測定光を出射する周期が少なくとも1/60秒以下であることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の車両用灯具。
- 前記光源ユニットは、前記車両の走行速度に応じて、前記測定光を出射するタイミングを変更することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の車両用灯具。
- 請求項1〜11の何れか一項に記載の車両用灯具と、
前記路面から反射されて戻ってくる測定光を受光する撮像装置とを備え、
前記撮像装置が受光した測定光に基づいて、前記路面の状態を検知することを特徴とする路面状態検知システム。 - 前記車両用灯具が前記測定光を出射するタイミングと、前記撮像装置が前記測定光を受光するタイミングとを互いに同期させることを特徴とする請求項12に記載の路面状態検知システム。
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JP2019080771A JP2020177854A (ja) | 2019-04-22 | 2019-04-22 | 車両用灯具及び路面状態検知システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2023115849A (ja) * | 2022-02-08 | 2023-08-21 | 本田技研工業株式会社 | 車両用撮像装置 |
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- 2019-04-22 JP JP2019080771A patent/JP2020177854A/ja active Pending
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