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JP2020167041A - 電極及び電極製造方法 - Google Patents

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JP2020167041A JP2019066741A JP2019066741A JP2020167041A JP 2020167041 A JP2020167041 A JP 2020167041A JP 2019066741 A JP2019066741 A JP 2019066741A JP 2019066741 A JP2019066741 A JP 2019066741A JP 2020167041 A JP2020167041 A JP 2020167041A
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正己 奥山
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Abstract

【課題】白金族元素を利用することなく、廉価に作ることができ、白金族元素を含む電極と略同様の触媒活性を発揮することができる電極を提供する。【解決手段】電極10は、Fe−Niパーマロイを微粉砕したパーマロイ微粉体に所定のバインダーを均一に混合・分散しつつ所定の気孔形成材を均一に混合・分散し、パーマロイ微粉体にバインダー及び気孔形成材を混合したパーマロイ微粉体混合物を所定面積の薄板状に成形した後、所定面積の薄板状に成形したパーマロイ微粉体混合成形物を脱脂・焼結することで、パーマロイ微粉体が溶融結合しつつ多数の微細な連続気孔が満遍なく形成されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極であり、パーマロイ微粉体が溶融結合したパーマロイ溶融物によって連続気泡が画成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、陽極または陰極として使用する電極に関するとともに、陽極又は陰極として使用する電極を製造する電極製造方法に関する。
低沸点金属である亜鉛を含む多孔性金属錯体(PCP/MOF)を焼成した窒素ドープカーボンに白金を担持させた燃料電池電極が開示されている(特許文献1参照)。この燃料電池電極は、低沸点金属である亜鉛を含む多孔性金属錯体(PCP/MOF)を製造原料として用いるため、原料由来の金属をほとんど含まず、大きな比表面積を有するNDCである触媒担持体を得ることができ、少量の白金担持により高活性な白金触媒を得ることができる。さらに、製造原料である多孔性金属錯体(PCP/MOF)由来の金属が含まれていないため、焼成条件を自由に設定できる。すなわち、原料として用いる多孔性金属錯体(PCP/MOF)の有機化合物リンカーの変更や焼成温度の調節により、得られるNDC中の含窒素量や結晶化度をコントロールすることが可能となる。
特開2018−23929号公報
固体高分子形燃料電池の電極触媒として各種の白金担持カーボンが広く利用されている。しかし、白金族元素は、貴金属であり、その生産量に限りがある希少な資源であることから、その使用量を抑えることが求められている。さらに、今後の固体高分子形燃料電池の普及に向けて高価な白金以外の金属を利用した非白金触媒を有する廉価な電極の開発が求められている。
本発明の目的は、白金族元素を利用することなく、廉価に作ることができ、白金族元素を含む電極と略同様の触媒活性(触媒作用)を発揮することができる電極及びその電極の電極製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、燃料電池において十分な電気を発電することができ、燃料電池に接続された負荷に十分な電気エネルギーを供給することができるとともに、水素ガス発生装置において電気分解を効率よく行うことができ、多量の水素ガスを発生させることができる電極及びその電極の電極製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の第1の前提は、陽極又は陰極として使用する電極である。
前記第1の前提における本発明の電極の特徴として、電極は、Fe−Niパーマロイを微粉砕したパーマロイ微粉体に所定のバインダーを均一に混合・分散しつつ所定の気孔形成材を均一に混合・分散し、パーマロイ微粉体にバインダー及び気孔形成材を混合したパーマロイ微粉体混合物を所定面積の薄板状に成形した後、所定面積の薄板状に成形したパーマロイ微粉体混合成形物を脱脂・焼結することで、パーマロイ微粉体が溶融結合しつつ多数の微細な連続気孔が満遍なく形成されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極であり、白金族元素を含む電極と略同様の触媒活性(触媒作用)を有し、連続気泡は、パーマロイ微粉体が溶融結合したパーマロイ溶融物によって画成されていることにある。
本発明の電極の一例として、電極では、パーマロイ微粉体の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−NiパーマロイにおけるFeの含有率とFe−NiパーマロイにおけるNiの含有率とが決定されている。
本発明の電極の他の一例としては、薄板状発泡金属電極に形成された連続気泡が、薄板状発泡金属電極の前面と後面との間で厚み方向へ不規則に曲折しながら延びているとともに、薄板状発泡金属電極の外周縁と内周縁との間で径方向へ不規則に曲折しながら延びている。
本発明の電極の他の一例としては、径方向へ隣接して厚み方向へ曲折して延びるそれら連続気泡が、径方向において部分的に繋がって一方の連続気泡と他方の連続気泡とが互いに連通し、厚み方向へ隣接して径方向へ曲折して延びるそれら連続気泡が、厚み方向において部分的に繋がって一方の連続気泡と他方の連続気泡とが互いに連通し、それら連続気泡の平均径が、厚み方向に向かって一様ではなく、厚み方向に向かって不規則に変化しているとともに、径方向に向かって一様ではなく、径方向に向かって不規則に変化している。
本発明の電極の他の一例としては、薄板状発泡金属電極に形成された連続気孔の平均径が、1μm〜100μmの範囲にあるとともに、±0.1μm〜±5マイクロμmの範囲で変化している。
本発明の電極の他の一例としては、薄板状発泡金属電極の厚み寸法が、0.05mm〜0.5mmの範囲にある。
本発明の電極の他の一例としては、Fe−NiパーマロイにおけるFeの含有率が、45%〜55%の範囲にあり、Fe−NiパーマロイにおけるNiの含有率が、45%〜55%の範囲にある。
本発明の電極の他の一例としては、薄板状発泡金属電極に成形された連続気泡の気孔率が、45%〜55%の範囲にある。
本発明の電極の他の一例としては、薄板状発泡金属電極の密度が、6.0g/cm〜8.0g/cmの範囲にある。
本発明の電極の他の一例としては、パーマロイ微粉体の粒径が、1μm〜100μmの範囲にある。
前記課題を解決するための本発明の第2の前提は、陽極又は陰極として使用する電極を製造する電極製造方法である。
前記第2の前提における本発明の電極製造方法の特徴としては、電極製造方法が、Fe−Niパーマロイを微粉砕したパーマロイ微粉体の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−NiパーマロイにおけるFeの含有率とNiの含有率とを決定する含有率決定工程と、含有率決定工程によって決定した含有率のFe及びNiから形成されたFe−Niパーマロイを微粉砕してパーマロイ微粉体を作るパーマロイ微粉体作成工程と、パーマロイ微粉体作成工程によって作成したパーマロイ微粉体に所定のバインダー及び所定の気孔形成材を加え、パーマロイ微粉体にバインダーと気孔形成材とを均一に混合・分散してパーマロイ微粉体混合物を作るパーマロイ微粉体混合物作成工程と、パーマロイ微粉体混合物作成工程によって作成したパーマロイ微粉体混合物を薄板状に成形してパーマロイ微粉体混合成形物を作るパーマロイ微粉体混合成形物作成工程と、パーマロイ微粉体混合成形物作成工程によって作成したパーマロイ微粉体混合成形物を脱脂するとともにパーマロイ微粉体混合成形物を所定温度で焼結し、パーマロイ微粉体が溶融結合しつつ多数の微細な連続気孔が満遍なく形成されているとともに、パーマロイ微粉体が溶融結合したパーマロイ溶融物によって連続気泡が画成されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極を作る薄板状発泡金属電極作成工程とを有することにある。
本発明の電極製造方法の一例としては、重量比決定工程が、Fe−NiパーマロイにおけるFeの含有率を45%〜55%の範囲で決定し、Fe−NiパーマロイにおけるNiの含有率を45%〜55%の範囲で決定する。
本発明の電極製造方法の他の一例としては、パーマロイ微粉体作成工程が、Fe−Niパーマロイを1μm〜100μmの粒径に微粉砕する。
本発明の電極製造方法の他の一例としては、パーマロイ微粉体混合成形物作成工程が、射出成形又は押出成形によってパーマロイ微粉体混合物を成形して0.05mm〜0.5mmの厚み寸法を有する所定面積かつ薄板状のパーマロイ微粉体混合成形物を作る。
本発明に係る電極によれば、それがFe−Niパーマロイを微粉砕したパーマロイ微粉体に所定のバインダーを均一に混合・分散しつつ所定の気孔形成材を均一に混合・分散し、パーマロイ微粉体にバインダー及び気孔形成材を混合したパーマロイ微粉体混合物を所定面積の薄板状に成形した後、所定面積の薄板状に成形したパーマロイ微粉体混合成形物を脱脂・焼結することで、パーマロイ微粉体が溶融結合しつつ多数の微細な連続気孔が均一に形成されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極であり、電極が白金族元素を含む燃料極や空気極と略同様の触媒活性(触媒作用)を有するから、優れた触媒活性(触媒作用)を発揮することができ、燃料電池や水素ガス発生装置の電極として好適に使用することができる。電極は、高価な白金族元素を使用しない非白金であり、電極のコストを下げることができる。
パーマロイ微粉体の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−Niパーマロイにおける前記Feの含有率とFe−NiパーマロイにおけるNiの含有率とが決定されている電極は、パーマロイ微粉体の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−NiパーマロイにおけるFeの含有率とNiの含有率とが決定されているから、電極が白金族元素を担持した電極と略同一の仕事関数を備え、電極が白金族元素を含む燃料極や空気極と略同様の触媒活性(触媒作用)を有するから、白金族元素を担持した電極と略同様の触媒活性(触媒作用)を発揮することができ、燃料電池や水素ガス発生装置の電極として好適に使用することができる。電極は、それが白金族元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮するから、電極を燃料電池に使用することで、燃料電池において十分な電気を発電することができ、燃料電池に接続された負荷に十分な電気エネルギーを供給することができるとともに、電極を水素ガス発生装置に使用することで、電気分解を効率よく行うことができ、短時間に多量の水素ガスを発生させることができる。
薄板状発泡金属電極に形成された連続気泡が薄板状発泡金属電極の前面と後面との間で厚み方向へ不規則に曲折しながら延びているとともに、薄板状発泡金属電極の外周縁と内周縁との間で径方向へ不規則に曲折しながら延びている電極は、厚み方向や径方向へ不規則に曲折しながら延びる複数の連続気孔が電極に形成されているから、電極の比表面積が大きく、それら連続気孔を気体(酸素及び水素)や液体(水)が通流しつつ気体や液体を電極のそれら連続気孔における接触面に広範囲に接触させることができ、電極の触媒活性(触媒作用)を有効かつ最大限に利用することができる。電極は、それの比表面積が大きいとともに白金族元素を担持した電極と略同様の触媒活性(触媒作用)を発揮するから、燃料電池や水素ガス発生装置の電極として好適に使用することができ、電極を燃料電池に使用することで、燃料電池において十分な電気を発電することができ、燃料電池に接続された負荷に十分な電気エネルギーを供給することができるとともに、電極を水素ガス発生装置に使用することで、電気分解を効率よく行うことができ、短時間に多量の水素ガスを発生させることができる。
径方向へ隣接して厚み方向へ曲折して延びるそれら連続気泡が径方向において部分的に繋がって一方の連続気泡と他方の連続気泡とが互いに連通し、厚み方向へ隣接して径方向へ曲折して延びるそれら連続気泡が厚み方向において部分的に繋がって一方の連続気泡と他方の連続気泡とが互いに連通し、それら連続気泡の平均径が厚み方向に向かって一様ではなく、厚み方向に向かって不規則に変化しているとともに、径方向に向かって一様ではなく、径方向に向かって不規則に変化している電極は、一方の連続気泡と他方の連続気泡とが互いに連通し、それら連続気泡の平均径が厚み方向及び径方向に向かって不規則に変化しているから、電極の比表面積を大きくすることができ、それら連続気孔を気体(酸素及び水素)や液体(水)が通流しつつ気体や液体を電極のそれら連続気孔における接触面に広範囲に接触させることができるとともに、電極の触媒活性(触媒作用)を有効かつ最大限に利用することができる。電極は、それの比表面積が大きいとともに白金族元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮するから、燃料電池や水素ガス発生装置の電極として好適に使用することができ、電極を燃料電池に使用することで、燃料電池において十分な電気を発電することができ、燃料電池に接続された負荷に十分な電気エネルギーを供給することができるとともに、電極を水素ガス発生装置に使用することで、電気分解を効率よく行うことができ、短時間に多量の水素ガスを発生させることができる。
薄板状発泡金属電極に形成された連続気孔の平均径が1μm〜100μmの範囲にあるとともに、±0.1μm〜±5マイクロμmの範囲で変化している電極は、連続気孔の平均径が前記範囲にあり、連続気孔の平均径が前記範囲で変化しているから、電極の単位体積当たりに多数の連続気孔が形成され、電極の比表面積が大きく、それら連続気孔を気体(酸素及び水素)や液体(水)が通流しつつ気体や液体を電極のそれら連続気孔における接触面に広範囲に接触させることができ、電極の触媒活性(触媒作用)を有効かつ最大限に利用することができる。電極は、それの比表面積が大きいとともに白金族元素を担持した電極と略同様の触媒活性(触媒作用)を発揮するから、燃料電池や水素ガス発生装置の電極として好適に使用することができ、電極を燃料電池に使用することで、燃料電池において十分な電気を発電することができ、燃料電池に接続された負荷に十分な電気エネルギーを供給することができるとともに、電極を水素ガス発生装置に使用することで、電気分解を効率よく行うことができ、短時間に多量の水素ガスを発生させることができる。
薄板状発泡金属電極の厚み寸法が0.05mm〜0.5mmの範囲にある電極は、その厚み寸法を前記範囲にすることで、電極の電気抵抗を小さくすることができ、電極に電流をスムースに流すことができる。電極は、それが白金族元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を有するとともに、それに電流がスムースに流れるから、電極を燃料電池に使用することで、燃料電池において十分な電気を発電することができ、燃料電池に接続された負荷に十分な電気エネルギーを供給することができるとともに、電極を水素ガス発生装置に使用することで、水素ガス発生装置において電気分解を効率よく行うことができ、短時間に多量の水素ガスを発生させることができる。
Fe−NiパーマロイにおけるFeの含有率が45%〜55%の範囲にあり、Fe−NiパーマロイにおけるNiの含有率が45%〜55%の範囲にある電極は、パーマロイ微粉体の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−NiパーマロイにおけるFeの含有率とNiの含有率とが前記範囲で決定されているから、電極が白金属元素を担持した電極と略同一の仕事関数を備え、白金属元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮することができ、触媒機能を十分かつ確実に利用することが可能であって優れた触媒活性(触媒作用)を有する非白金の陽極又は陰極として好適に使用することができる。
薄板状発泡金属電極に成形された連続気泡の気孔率が45%〜55%の範囲にある電極は、薄板状発泡金属電極(電極)の気孔率を前記範囲にすることで、薄板状発泡金属電極が多数の微細な連続気孔を有する多孔質(平均径が1μm〜100μmの微細な連続気孔が満遍なく均一に形成されたマイクロポーラス構造)に形成され、電極の比表面積を大きくすることができ、それら連続気孔を気体(酸素及び水素)や液体(水)が通流しつつ気体や液体を電極の接触面に広範囲に接触させることが可能となり、白金族金属を担持した電極と略同様の触媒活性(触媒作用)を確実に発揮することができる。電極は、その触媒機能を十分かつ確実に利用することが可能であって優れた触媒活性(触媒作用)を有する非白金の陽極または陰極として好適に使用することができる。
薄板状発泡金属電極の密度が6.0g/cm〜8.0g/cmの範囲にある電極は、薄板状発泡金属電極の密度を前記範囲にすることで、電極が多数の微細な連続気孔を有する多孔質(平均径が1μm〜100μmの微細な連続気孔が満遍なく均一に形成されたマイクロポーラス構造)に成形され、電極の比表面積を大きくすることができ、それら連続気孔を気体(酸素及び水素)や液体(水)が通流しつつ気体や液体を電極のそれら連続気孔における接触面に広範囲に接触させることが可能となり、白金属元素を担持した電極と略同様の触媒活性(触媒作用)を確実に発揮することができる。電極は、その触媒機能を最大限かつ確実に利用することが可能であって優れた触媒活性(触媒作用)を有する非白金の陽極または陰極として好適に使用することができる。
パーマロイ微粉体の粒径が1μm〜100μmの範囲にある電極は、パーマロイ微粉体の粒径を前記範囲にすることで、電極が多数の微細な連続気孔を有する多孔質(平均径が1μm〜100μmの微細な連続気孔が満遍なく均一に形成されたマイクロポーラス構造)に成形され、電極の比表面積を大きくすることができ、それら連続気孔を気体(酸素及び水素)や液体(水)が通流しつつ気体や液体を電極のそれら連続気孔における接触面に広範囲に接触させることが可能となり、白金属元素を担持した電極と略同様の触媒活性(触媒作用)を確実に発揮することができる。電極は、その触媒機能を最大限かつ確実に利用することが可能であって優れた触媒活性(触媒作用)を有する非白金の陽極または陰極として好適に使用することができる。
本発明に係る電極製造方法によれば、Fe−Niパーマロイを微粉砕したパーマロイ微粉体の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−NiパーマロイにおけるFeの含有率とNiの含有率とを決定する含有率決定工程と、含有率決定工程によって決定した含有率のFe及びNiから形成されたFe−Niパーマロイを微粉砕してパーマロイ微粉体を作るパーマロイ微粉体作成工程と、パーマロイ微粉体作成工程によって作成したパーマロイ微粉体に所定のバインダー及び所定の気孔形成材を加え、パーマロイ微粉体にバインダーと前記気孔形成材とを均一に混合・分散してパーマロイ微粉体混合物を作るパーマロイ微粉体混合物作成工程と、パーマロイ微粉体混合物作成工程によって作成したパーマロイ微粉体混合物を薄板状に成形してパーマロイ微粉体混合成形物を作るパーマロイ微粉体混合成形物作成工程と、パーマロイ微粉体混合成形物作成工程によって作成したパーマロイ微粉体混合成形物を脱脂するとともにパーマロイ微粉体混合成形物を所定温度で焼結し、パーマロイ微粉体が溶融結合しつつ多数の微細な連続気孔が満遍なく形成されているとともに、パーマロイ微粉体が溶融結合したパーマロイ溶融物によって連続気泡が画成かつ囲繞されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極を作る薄板状発泡金属電極作成工程との各工程によって電極を製造するから、電極を廉価に作ることができ、白金族元素を担持した電極と略同一の仕事関数を備えるとともに、白金族元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮することが可能な非白金の電極(陽極又は陰極)を作ることができ、触媒機能を十分かつ確実に利用することが可能な非白金の電極を作ることができる。電極製造方法は、それによって作られた電極が白金を担持した電極と略同様の触媒活性(触媒作用)を発揮するから、燃料電池において十分な電気を発電することが可能であって燃料電池に接続された負荷に十分な電気エネルギーを供給することが可能な電極を作ることができるとともに、水素ガス発生装置において電気分解を効率よく行うことが可能であって短時間に多量の水素ガスを発生させることが可能な電極を作ることができる。
含有率決定工程がFe−NiパーマロイにおけるFeの含有率を45%〜55%の範囲で決定し、Fe−NiパーマロイにおけるNiの含有率を45%〜55%の範囲で決定する電極製造方法は、パーマロイ微粉体の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、含有率決定工程においてFe−NiパーマロイにおけるFeの含有率とNiの含有率とが前記範囲で決定するから、白金族元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮することが可能な非白金の電極(陽極又は陰極)を作ることができ、触媒機能を十分かつ確実に利用することが可能な非白金の電極を作ることができる。
パーマロイ微粉体作成工程がFe−Niパーマロイを1μm〜100μmの粒径に微粉砕する電極製造方法は、Fe−Niパーマロイを微粉砕してパーマロイ微粉体の粒径を前記範囲にすることで、多数の微細な連続気孔を有する多孔質(平均径が1μm〜100μmの微細な連続気孔が満遍なく均一に形成されたマイクロポーラス構造)に成形された電極を作ることができ、比表面積が大きい電極を作ることができるとともに、それら連続気孔を気体(酸素及び水素)や液体(水)が通流しつつ気体や液体をそれら連続気孔における接触面に広範囲に接触させることが可能な電極を作ることができる。
パーマロイ微粉体混合成形物作成工程が射出成形又は押出成形によってパーマロイ微粉体混合物を成形して0.05mm〜0.5mmの厚み寸法を有する所定面積かつ薄板状のパーマロイ微粉体混合成形物を作る電極製造方法は、微粉体混合物を成形した厚み寸法0.05mm〜0.5mmの微粉体混合成形物を脱脂・焼結することで、多数の微細な連続気孔を有するマイクロポーラス構造かつ薄板状の電極を作ることができ、マイクロポーラス構造かつ薄板状の電極を廉価に作ることができるとともに、優れた触媒活性(触媒作用)を有して触媒機能を十分かつ確実に利用することが可能な非白金の電極(陽極又は陰極)を作ることができる。電極製造方法は、厚み寸法が0.05mm〜0.5mmの範囲の電極を作ることができるから、電気抵抗が小さく電流をスムースに流すことが可能な(プロトン導電性が高い)電極(陽極又は陰極)を作ることができる。
一例として示す電極の斜視図。 電極の一例として示す部分拡大図。 電極を使用したセルの一例を示す分解斜視図。 電極を使用したセルの側面図。 電極を使用した固体高分子形燃料電池の発電を説明する図。 電極の起電圧試験の結果を示す図。 電極のI−V特性試験の結果を示す図。 電極を使用した水素ガス発生装置の電気分解を説明する図。 電極の製造方法を説明する図。
一例として示す電極10の斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る電極の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、電極10の一例として示す部分拡大図である。図1では、厚み方向を矢印Xで示し、径方向を矢印Yで示す。
電極10は、陽極又は陰極として使用され、固体高分子形燃料電池17の燃料極18(触媒電極)や空気極19(触媒電極)(図5参照)、水素ガス発生装置30のアノード31(電極触媒)やカソード32(電極触媒)(図8参照)として利用される。電極10は、前面11及び後面12を有するとともに、所定の面積及び所定の厚み寸法L1を有し、その平面形状が四角形に成形されている。電極10は、多数の微細な連続気孔13(連続通気孔)が満遍なく均一に形成された多孔質(マイクロポーラス構造)の薄板状発泡金属電極である。連続気孔13には、気体(酸素及び水素)や液体(水)が通流する。なお、電極10の平面形状に特に制限はなく、四角形の他に、その用途にあわせて円形や楕円形、多角形等の他のあらゆる平面形状に成形することができる。
電極10は、粉状に微粉砕(粉砕加工)されたFe−Niパーマロイ41から形成されている。Fe−Niパーマロイ41のパーマロイ微粉体42(微粉状に加工されたFe−Niパーマロイ41)に所定のバインダー43(紛状の樹脂系バインダー)を混合し、パーマロイ微粉体42とバインダー43とを均一に混合・分散した微粉体混合物45を作り、更に、微粉体混合物45に所定の気孔形成材44(発泡剤)を混合し、気孔形成材44を均一に混合・分散した微粉体混合物45を作る。作成した微粉体混合物45を押出成形又は射出成形によって所定面積の薄板状に成形(押出成形又は射出成形)して薄板状の微粉体混合成形物46を作り、作成した微粉体混合成形物46を脱脂及び所定温度で焼結(焼成)することから電極10が作られている(図9参照)。連続気泡13は、パーマロイ微粉体42が溶融結合したパーマロイ溶融物によって画成かつ囲繞されている。
電極10では、パーマロイ微粉体42の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−Niパーマロイ41における(Fe−Niパーマロイ41の全重量(100%)に対する)Fe(鉄)の含有率(重量比)とNi(ニッケル)の含有率(重量比)とが決定されている。具体的には、Fe−Niパーマロイ41におけるFeの含有率(重量比)が45%〜55%の範囲、好ましくは、49%〜51%の範囲にあり、Fe−Niパーマロイ41におけるNiの含有率(重量比)が45%〜55%の範囲、好ましくは、49%〜51%の範囲にある。
なお、Feの仕事関数は、4.67(eV)であり、Niの仕事関数は、5.22(eV)である。Fe−Niパーマロイ41におけるFeの含有率及びFe−Niパーマロイ41におけるNiの含有率が前記範囲外になると、パーマロイ微粉体42の仕事関数を白金族元素の仕事関数に近似させることができず、微粉体混合物45を成形した微粉体混合成形物46を脱脂・焼結(焼成)して作られた電極10が白金族元素を担持した電極と略同様の触媒活性(触媒作用)を発揮することができない。
パーマロイ微粉体42の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−Niパーマロイ41におけるFeの含有率とNiの含有率とが前記範囲にあるから、電極10が白金族元素(白金)を担持した(含む)電極と略同一の仕事関数を備え、電極10が白金族元素(白金)を担持した(含む)電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮することができる。
電極10には、径が異なる多数の微細な連続気孔13(連続通気孔)が形成されている。電極10は、多数の微細な連続気孔13が形成されているから、その比表面積が大きい。記薄板状発泡金属電極に形成されたそれら連続気孔13は、電極10の前面11に開口する複数の通流口14と、電極10の後面12に開口する複数の通流口14とを有し、電極10の前面11から後面12に向かって電極10をその厚み方向に貫通しているとともに、電極10の中心から外周縁15に向かってその径方向に貫通している。
それら連続気孔13は、電極10の前面11と後面12との間において電極10の厚み方向へ不規則に曲折しながら延びているとともに、電極10の外周縁15から中心に向かって電極10の径方向へ不規則に曲折しながら延びている。径方向へ隣接して厚み方向へ曲折して延びるそれら連続気孔13(連続通気孔)は、径方向において部分的につながり、一方の気孔13と他方の気孔13とが互いに連通している。厚み方向へ隣接して径方向へ曲折して延びるそれら連続気孔13(連続通気孔)は、厚み方向において部分的につながり、一方の気孔13と他方の気孔13とが互いに連通している。
それら連続気孔13の平均径(開口面積)は、厚み方向に向かって一様ではなく、厚み方向に向かって不規則に変化しているとともに、径方向に向かって一様ではなく、径方向に向かって不規則に変化している。それら連続気孔13は、その平均径(開口面積)が大きくなったり、小さくなったりしながら厚み方向と径方向とへ不規則に開口している。また、電極10の前面11に開口する通流口14と後面12に開口する通流口14とは、その平均径(開口面積)が一様ではなく、その平均径がすべて相違している。それら連続気孔13の平均径(開口面積)や前後面11,12の通流口14の平均径(開口面積)は、1μm〜100μmの範囲、好ましくは、45μm〜55μmの範囲にあり、±0.1μm〜±5μm(連続気孔13の平均径の変化幅)の範囲で変化している。
電極10は、厚み方向や径方向へ不規則に曲折しながら延びる複数の連続気孔13(連続通気孔)が形成され、その気孔13の平均径が1〜100μmの範囲(好ましくは、45μm〜55μmの範囲)にあり、連続気孔13の平均径の変化幅が±0.1μm〜±5μmの範囲にあるから、電極10の単位体積当たりに多数の連続気孔13が形成され、電極10の比表面積を大きくすることができ、それら気孔13をガス(気体)や液体が通流しつつガス(気体)や液体を電極10のそれら気孔25における接触面に広範囲に接触させることができ、電極10の触媒活性(触媒作用)を有効かつ最大限に利用することができる。
電極10(マイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極)は、その厚み寸法L1が0.05mm〜0.5mmの範囲にある。電極10の厚み寸法L1が0.05mm未満では、その強度が低下し、衝撃が加えられたときに電極10が容易に破損又は損壊し、その形状を維持することができない場合がある。電極10の厚み寸法L1が0.5mmを超過すると、電極10の電気抵抗が大きくなり、電極10に電流がスムースに流れず(プロトン導電性が低く)、電極10が固体高分子形燃料電池17に使用されたときに燃料電池17において十分な電気を発電することができず、燃料電池17に接続された負荷29に十分な電気エネルギーを供給することができない。また、電極10が水素ガス発生装置30に使用されたときに電気分解を効率よく行うことができず、水素ガス発生装置30において短時間に多量の水素ガスを発生させることができない。
電極10は、その厚み寸法L1が0.05mm〜0.5mmの範囲にあるから、電極10が高い強度を有してその形状を維持することができ、電極10に衝撃が加えられたときの電極10の破損や損壊を防ぐことができる。更に、電極10の電気抵抗を小さくすることができ、電極10に電流がスムースに流れ(プロトン導電性が高く)、電極10が固体高分子形燃料電池17に使用されたときに燃料電池17において十分な電気を発電することができ、燃料電池17に接続された負荷29に十分な電気エネルギーを供給することができる。また、電極10が水素ガス発生装置30に使用されたときに電気分解を効率よく行うことができ、水素ガス発生装置30において短時間に多量の水素ガスを発生させることができる。
電極10(マイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極)は、その気孔率が45%〜55%の範囲にある。電極10の気孔率が45%未満では、電極10に多数の微細な連続気孔13(連続通気孔)が形成されず、電極10の比表面積を大きくすることができない。電極10の気孔率が55%を超過すると、連続気孔13(連続通気孔)の平均径(開口面積)や前後面11,12の通流口14の平均径(開口面積)が必要以上に大きくなり、電極10の強度が低下し、衝撃が加えられたときに電極10が容易に破損又は損壊し、その形状を維持することができない場合があるとともに、電極10の触媒作用が低下し、触媒活性を発揮することができない。
電極10は、その気孔率が前記範囲にあるから、電極10が平均径(開口面積)の異なる多数の微細な連続気孔13(平均径が1〜100μmの範囲、好ましくは、45μm〜55μmの範囲の連続気孔13)や平均径(開口面積)の異なる多数の微細な前後面11,12の通流口14(平均径が1〜100μmの範囲、好ましくは、45μm〜55μmの範囲の通流口14)を有する多孔質(マイクロポーラス構造)に成形され、電極10の比表面積を大きくすることができ、それら気孔13を気体や液体が通流しつつ気体や液体を電極10のそれら気孔13における接触面に広く接触させることができる。更に、電極10の触媒作用が向上し、優れた触媒活性を発揮することができる。
電極10(マイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極)は、その密度が6.0g/cm〜8.0g/cmの範囲、好ましくは、6.5g/cm〜7.5g/cmの範囲にある。電極10の密度が6.0g/cm(6.5g/cm)未満では、電極10の強度が低下し、衝撃が加えられたときに電極10が容易に破損又は損壊し、その形状を維持することができない場合があるとともに、電極10の触媒作用が低下し、触媒活性を発揮することができない。電極10の密度が8.0g/cm(7.5g/cm)を超過すると、電極10に多数の微細な連続気孔13や多数の微細な通流口14が形成されず、電極10の比表面積を大きくすることができないとともに、電極10の触媒作用が低下し、触媒活性を発揮することができない。
電極10は、その密度が前記範囲にあるから、電極10が平均径(開口面積)の異なる多数の微細な連続気孔13(平均径が1〜100μmの範囲、好ましくは、45μm〜55μmの範囲の連続気孔13)や平均径(開口面積)の異なる多数の微細な前後面11,12の通流口14(平均径が1〜100μmの範囲、好ましくは、45μm〜55μmの範囲の通流口14)を有する多孔質(マイクロポーラス構造)に成形され、電極10の比表面積を大きくすることができ、それら気孔13を気体や液体が通流しつつ気体や液体を電極10のそれら気孔13における接触面に広く接触させることができ、電極10の触媒作用を有効かつ最大限に利用することができる。更に、電極10の触媒作用が向上し、電極10に優れた触媒活性を発揮させることができる。
パーマロイ微粉体42(粉状に加工されたFe−Niパーマロイ)の粒径は、1μm〜100μmの範囲、好ましくは、30μm〜60μmの範囲にある。パーマロイ微粉体42の粒径が1μm未満では、パーマロイ微粉体42によって連続気孔13(連続通気孔)が塞がれ、電極10に多数の微細な連続気孔13を形成することができず、電極10の比表面積を大きくすることができないとともに、電極10の触媒作用が低下し、触媒活性を発揮することができない。パーマロイ微粉体42の粒径が100μmを超過すると、連続気孔13の平均径(開口面積)や前後面11,12の通流口15の平均径(開口面積)が必要以上に大きくなり、電極10に多数の微細な連続気孔13を形成することができず、電極10の比表面積を大きくすることができないとともに、電極10の触媒作用が低下し、触媒活性を発揮することができない。
電極10は、パーマロイ微粉体42の粒径が前記範囲にあるから、電極10が平均径(開口面積)の異なる多数の微細な連続気孔13(平均径が1〜100μmの範囲、好ましくは、45μm〜55μmの範囲の連続気孔13)や平均径(開口面積)の異なる多数の微細な前後面11,12の通流口14(平均径が1〜100μmの範囲、好ましくは、45μm〜55μmの範囲の通流口14)を有する多孔質(マイクロポーラス構造)に成形され、電極10の比表面積を大きくすることができ、それら気孔13を気体や液体が通流しつつ気体や液体を電極10のそれら気孔13における接触面に広く接触させることができるとともに、電極10の触媒活性(触媒作用)を有効かつ最大限に利用することができる。更に、電極10の触媒作用が向上し、電極10に優れた触媒活性を発揮させることができる。
図3は、電極10を使用したセル16の一例を示す分解斜視図であり、図4は、電極10を使用したセル16の側面図である。図5は、電極10を使用した固体高分子形燃料電池17の発電を説明する図であり、図6は、電極10の起電圧試験の結果を示す図である。図7は、電極10のI−V特性試験の結果を示す図である。
電極10を使用したセル16の一例としては、図3に示すように、電極10を使用した燃料極18(陽極)と、電極10を使用した空気極19(陰極)と、燃料極18及び空気極19に介在する固体高分子電解質膜20(電極接合体膜)(フッ素系イオン交換膜)と、燃料極18の厚み方向外側に位置するセパレータ21(バイポーラプレート)と、空気極19の厚み方向外側に位置するセパレータ22(バイポーラプレート)とから形成されている。それらセパレータ21,22には、反応ガス(水素や酸素等)の供給流路が刻設されている(彫り込まれている)。
セル16では、図4に示すように、燃料極18や空気極19、固体高分子電解質膜20が厚み方向へ重なり合って一体化し、膜/電極接合体23(Membrane Electrode Assembly, MEA)を構成し、膜/電極接合体23をそれらセパレータ21,22が挟み込んでいる。膜/電極接合体23では、ホットプレスによって固体高分子電解質膜20の一方の面に燃料極18の面が隙間なく密着し、固体高分子電解質膜20の他方の面に空気極19の面が隙間なく密着している。固体高分子形燃料電池17では、複数のセル16(単セル)が一方向へ重なり合って直列につながれてセルスタック(燃料電池スタック)を形成する。固体高分子電解質膜20は、プロトン導電性があり、電子導電性がない。
燃料極18とセパレータ21との間には、ガス拡散層24が形成され、空気極19とセパレータ22との間には、ガス拡散層25が形成されている。燃料極18とセパレータ21との間であってガス拡散層24の上部及び下部には、ガスシール26が設置されている。空気極19とセパレータ22との間であってガス拡散層25の上部及び下部には、ガスシール27が設置されている。
固体高分子形燃料電池17では、図5に示すように、燃料極18(電極10)に水素(燃料)が供給され、空気極19(電極10)に空気(酸素)が供給される。燃料極18(電極10)では、水素がH→2H+2eの反応(触媒作用)によってプロトン(水素イオン、H)と電子とに分解される。その後、プロトンが固体高分子電解質膜20内を通って空気極19(電極10)へ移動し、電子が導線28内を通って空気極19へ移動する。固体高分子電解質膜20には、燃料極18で生成されたプロトンが通流する。空気極19では、固体高分子電解質膜20から移動したプロトンと導線28を移動した電子とが空気中の酸素と反応し、4H+O+4e→2HOの反応によって水が生成される。
燃料極18(電極10)や空気極19(電極10)は、Fe−Niパーマロイを微粉砕したパーマロイ微粉体の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−NiパーマロイにおけるFeの含有率(重量比)とNiの含有率(重量比)とが決定されているから、電極10(燃料極18(陽極)及び空気極19(陰極))が白金族元素(白金)を担持した(含む)電極と略同一の仕事関数を備え、白金族元素(白金)を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を示し、水素がプロトンと電子とに効率よく分解される。
起電圧試験では、水素ガスを注入してから15分の間、燃料極18(電極10)と空気極19(電極10)との間(電極10間)の電圧(V)を測定した。図6の起電圧試験の結果を示す図では、横軸に測定時間(min)を表し、縦軸に電極間の電圧(V)を表す。白金族元素を利用した(担持させた)燃料極や空気極(白金電極)を使用した固体高分子形燃料電池では、起電圧試験の結果を示す図6から分かるように、燃料極と空気極との間(電極間)の電圧が1.079(V)前後であった。それに対し、燃料極18(非白金の電極10)及び空気極19(非白金の電極10)を使用した固体高分子形燃料電池10では、燃料極18と空気極19との間(電極10間)の電圧(起電力)が0.98(V)〜1.02(V)であった。
I−V特性試験では、燃料極18(電極10)と空気極19(電極10)との間(電極10間)に負荷29を接続し、電圧と電流との関係を測定した。図7のI−V特性試験の結果を示す図では、横軸に電流(A)を表し、縦軸に電圧(V)を表す。燃料極18(非白金の電極10)及び空気極19(非白金の電極10)を使用した固体高分子形燃料電池10では、I−V特性試験の結果を示す図7から分かるように、白金族元素を利用した(担持させた)燃料極や空気極(白金電極)を使用した固体高分子形燃料電池の電圧降下率と大差のない結果が得られた。図6の起電圧試験の結果や図6のI−V特性試験の結果に示すように、白金族元素を利用していない非白金の燃料極18(非白金の電極10)及び空気極19(非白金の電極10)が電子を放出させて水素イオンとなる反応を促進させる優れた触媒作用を有するとともに、白金を利用した燃料極や空気極(白金電極)と略同様の酸素還元機能(触媒作用)を有することが確認された。
電極10は、それがFe−Niパーマロイ41から形成され、Fe−Niパーマロイ41を微粉砕したパーマロイ微粉体42に所定のバインダー43を均一に混合・分散しつつ所定の気孔形成材44を均一に混合・分散し、パーマロイ微粉体42にバインダー43及び気孔形成材44を混合したパーマロイ微粉体混合物45を所定面積の薄板状に成形した後、所定面積の薄板状に成形したパーマロイ微粉体混合成形物46を脱脂・焼結することで、多数の微細な連続気孔13が満遍なく均一に形成されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極10であり、それら連続気孔13が溶融結合したパーマロイ微粉体42のパーマロイ溶融物に画成かつ囲繞され、更に、パーマロイ微粉体42の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−Niパーマロイ41におけるFeの含有率(重量比)とNiの含有率(重量比)とが決定されているから、Fe−Niパーマロイ41の触媒活性を利用することで、白金族元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮することができ、その触媒機能を十分かつ確実に利用することが可能であって優れた触媒活性(触媒作用)を有する燃料極18(陽極)や空気極19(陰極)として好適に使用することができる。
電極10は、それが白金属元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮するから、電極10を固体高分子形燃料電池17に使用することで、燃料電池17において十分な電気を発電することができ、燃料電池17に接続された負荷29に十分な電気エネルギーを供給することができる。電極10は、それがFe−Niパーマロイ41を微粉砕したパーマロイ微粉体42から作られているから、高価な白金族元素(白金(Pt))が使用されておらず、電極10の材料費を低減させることができ、電極10(燃料極18(陽極)や空気極19(陰極))を廉価に作ることができる。
図8は、電極10を使用した水素ガス発生装置30の電気分解を説明する図である。電極10を使用した水素ガス発生装置30の一例としては、図8に示すように、電極10を使用したアノード31(陽極)と、電極10を使用したカソード32(陰極)と、アノード31及びカソード32の間に介在する固体高分子電解質膜33(電極接合体膜)(フッ素系イオン交換膜)と、陽極給電部材34及び陰極給電部材35と、陽極用貯水槽36及び陰極用貯水槽37と、陽極主電極38及び陰極主電極39とから形成されている。
水素ガス発生装置30では、アノード31(陽極)やカソード32(陰極)、固体高分子電解質膜33が厚み方向へ重なり合って一体化し、膜/電極接合体40 (Membrane Electrode Assembly, MEA)を構成し、膜/電極接合体40を陽極給電部材34と陰極給電部材35とが挟み込んでいる。固体高分子電解質膜33は、プロトン導電性があり、電子導電性がない。膜/電極接合体40では、ホットプレスによって固体高分子電解質膜33の一方の面にカソード32(陰極)の面が隙間なく密着し、固体高分子電解質膜20の一方の面にアノード31(陽極)の面が隙間なく密着している。
陽極給電部材34は、アノード31(陽極)の外側に位置してアノード31に密着し、アノード31に+の電流を給電する。陽極用貯水槽36は、陽極給電部材34の外側に位置して陽極給電部材34に密着している。陽極主電極38は、陽極用貯水槽36の外側に位置して陽極給電部材34に+の電流を給電する。陰極給電部材35は、カソード32(陰極)の外側に位置してカソード32に密着し、カソード32に−の電流を給電する。陰極用貯水槽37は、陰極給電部材35の外側に位置して陰極給電部材35に密着している。陰極主電極39は、陰極用貯水槽37の外側に位置して陰極給電部材35に−の電流を給電する。
水素ガス発生装置30では、図8に矢印で示すように、陽極用貯水槽36及び陰極用貯水槽37に水(HO)が給水され、陽極主電極38に電源から+の電流が給電されるとともに、陰極主電極39に電源から−の電流が給電される。陽極主電極38に給電された+の電流が陽極給電部材34からアノード31(陽極)に給電され、陰極主電極39に給電された−の電流が陰極給電部材35からカソード32(陰極)に給電される。
アノード31(陽極)(電極10)では、2HO→4H+4e+Oの陽極反応(触媒作用)によって酸素が生成され、カソード32(陰極)(電極10)では、4H+4e→2Hの陰極反応(触媒作用)によって酸素が生成される。プロトン(水素イオン:H)は、固体高分子電解質膜33内を通ってカソード32へ移動する。固体高分子電解質膜33には、アノード31で生成されたプロトンが通流する。
電極10(アノード31及びカソード32)は、Fe−Niパーマロイ41を微粉砕したパーマロイ微粉体42の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−Niパーマロイ41におけるFeの含有率(重量比)とNiの含有率(重量比)とが決定されているから、電極10(アノード31及びカソード32)が白金族元素(白金)を担持した電極と略同一の仕事関数を備え、白金属元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮することができ、その触媒機能を十分かつ確実に利用することが可能であって優れた触媒活性(触媒作用)を有するアノード31(陽極)やカソード32(陰極)として好適に使用することができる。
電極10(アノード31及びカソード32)は、それが白金族元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮するから、電極10(アノード31及びカソード32)を水素ガス発生装置30に使用することで、水素ガス発生装置30において電気分解を効率よく行うことができ、短時間に多量の水素ガスを発生させることができる。電極10(アノード31及びカソード32)は、それがFe−Niパーマロイ41を微粉砕したパーマロイ微粉体42から作られているから、高価な白金族元素(白金(Pt))が使用されておらず、電極10の材料費を低減させることができ、電極10(アノード31及びカソード32)を廉価に作ることができる。
図9は、電極10の製造方法を説明する図である。電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)は、図9に示すように、含有率決定工程S1、パーマロイ微粉体作成工程S2、パーマロイ微粉体混合物作成工程S3、パーマロイ微粉体混合成形物作成工程S4、薄板状発泡金属電極作成工程S5を有する電極製造方法によって製造される。電極製造方法では、Fe−Niパーマロイ42を原料として電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)を製造する。
含有率決定工程S1では、Fe−Niパーマロイ41を微粉砕したパーマロイ微粉体42の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−Niパーマロイ41におけるFeの含有率とNiの含有率とを決定する。Fe−Niパーマロイ41におけるFeの含有率は、45%〜55%の範囲、好ましくは、49%〜51%の範囲で決定され、Fe−Niパーマロイ41におけるNiの含有率は、45%〜55%の範囲、好ましくは、49%〜51%の範囲で決定される。
パーマロイ微粉体作成工程S2では、含有率決定工程によって決定した含有率のFe及びNiから形成されたFe−Niパーマロイ41を微粉砕してパーマロイ微粉体42を作る。微粉砕機によってFe−Niパーマロイ41を1μm〜100μmの粒径、好ましくは、30μm〜60μmの粒径に微粉砕し、粒径が1μm〜100μm、好ましくは、粒径が30μm〜60μmのパーマロイ微粉体42を作る。
電極製造方法は、Fe−Niパーマロイ41を1μm〜100μmの粒径、好ましくは、30μm〜60μmの粒径に微粉砕することで、多数の微細な連続気孔13(連続通気孔)を有する多孔質に成形されて比表面積が大きいマイクロポーラス構造かつ薄板状発泡金属電極10を作ることができ、それら連続気孔13をガス(気体)や液体が通流しつつ気体や液体を電極10のそれら気孔13における接触面に広範囲に接触させることが可能な電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)を作ることができる。
パーマロイ微粉体混合物作成工程S3では、パーマロイ微粉体作成工程S2によって作成したパーマロイ微粉体42に所定のバインダー43及び所定の気孔形成材44を加え、パーマロイ微粉体42にバインダー43と気孔形成材44とを均一に混合・分散してパーマロイ微粉体混合物45を作る。電極製造方法は、高価な白金族金属(白金(Pt))が使用されていないから、電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)を廉価に作ることができる。
パーマロイ微粉体混合物作成工程S3では、Fe−Niパーマロイ41のパーマロイ微粉体42とバインダー43(粉状の樹脂系バインダー)とを混合機又は攪拌機に投入し、混合機又は攪拌機によってFe−Niパーマロイ41のパーマロイ微粉体42とバインダー43とを攪拌・混合し、パーマロイ微粉体42及びバインダー43が均一に混合・分散した微粉体混合物45(発泡金属成形材)を作る。次に、微粉体混合物45に所定量の気孔形成材44(粉体の発泡剤)を混入(添加)する。所定量の気孔形成材44を混合機又は攪拌機に投入し、混合機又は攪拌機によって微粉体混合物45に気孔形成材44を均一に混合・分散させた微粉体混合物45(発泡金属成形材料)を作る。気孔形成材44(粉体の発泡剤)の混入量(添加量)によって電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)に形成される連続気孔13の平均径や気孔率が決まる。
パーマロイ微粉体混合成形物作成工程S4では、パーマロイ微粉体混合物作成工程S3によって作られた微粉体混合物45(発泡金属成形材料)を射出成形機(図示せず)又は押出成形機(図示せず)に投入し、微粉体混合物45を射出成形機によって射出成形し、又は、微粉体混合物45を押出成形機によって押し出し成形し、微粉体混合物45を所定面積の薄板状(厚み寸法L1が0.05mm〜0.5mmの範囲)に成形した微粉体混合成形物46(発泡金属成形物)を作る。
薄板状発泡金属電極作成工程S5では、パーマロイ微粉体混合成形物作成工程S4の射出成形又は押出成形によって作られたパーマロイ微粉体混合成形物46(発泡金属成形物)を脱脂し、脱脂したパーマロイ微粉体混合成形物46を焼成炉(燃焼炉、電気炉等)に投入し、パーマロイ微粉体混合成形物46を焼成炉において所定温度で所定時間焼結(焼成)し、多数の微細な連続気孔13(連続通気孔)が満遍なく均一に形成され、それら連続気泡13が溶融結合したパーマロイ微粉体42のパーマロイ溶融物によって画成かつ囲繞されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極10(厚み寸法L1が0.05mm〜0.5mmの電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32))を作る。
焼結(焼成)温度は、900℃〜1400℃である。焼結(焼成)時間は、2時間〜6時間である。薄板状発泡金属電極作成工程S5では、所定面積の薄板状に成形したパーマロイ微粉体混合成形物52(発泡金属成形物)の焼結時において、パーマロイ微粉体混合成形物46の内部において気孔形成材44(粉体の発泡剤)が発泡した後、気孔形成材44がパーマロイ微粉体混合成形物46の内部から消失し、多数の微細な連続気孔13(連続通気孔)が形成されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極10(厚み寸法L1が0.05mm〜0.5mmの電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32))が製造される。
電極製造方法は、射出成形又は押出成形によってFe−Niパーマロイ41のパーマロイ微粉体42がバインダー43を介して連結され、射出成形又は押出成形によって作られたパーマロイ微粉体混合成形物46(発泡金属成形物)を脱脂した後、所定温度で焼結(焼成)することで、多数の微細な連続気孔13(連続通気孔)を有するマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極10(厚み寸法L1が0.05mm〜0.5mmの電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)を作ることができるとともに、高い強度を有して形状を維持することができ、衝撃が加えられたときの破損や損壊を防ぐことが可能な電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)を作ることができる。電極製造方法は、厚み寸法L1が0.05mm〜0.5mmの範囲の電極10を作ることができるから、電気抵抗が小さく電流をスムースに流すことが可能な(プロトン導電性に優れた)電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)を作ることができる。
電極製造方法は、Fe−Niパーマロイ41を微粉砕したパーマロイ微粉体42の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、Fe−Niパーマロイ41におけるFeの含有率とNiの含有率とを決定する含有率決定工程と、含有率決定工程によって決定した含有率のFe及びNiから形成されたFe−Niパーマロイ41を微粉砕してパーマロイ微粉体42を作るパーマロイ微粉体作成工程と、パーマロイ微粉体作成工程によって作成したパーマロイ微粉体42に所定のバインダー43及び所定の気孔形成材44を加え、パーマロイ微粉体42にバインダー43と気孔形成材44とを均一に混合・分散してパーマロイ微粉体混合物45を作るパーマロイ微粉体混合物作成工程と、パーマロイ微粉体混合物作成工程によって作成したパーマロイ微粉体混合物45を射出成形又は押出成形によって薄板状に成形してパーマロイ微粉体混合成形物46を作るパーマロイ微粉体混合成形物作成工程と、パーマロイ微粉体混合成形物作成工程によって作成したパーマロイ微粉体混合成形物46を脱脂するとともにパーマロイ微粉体混合成形物46を所定温度で焼結し、パーマロイ微粉体42が溶融結合しつつ多数の微細な連続気孔13が満遍なく均一に形成されているとともに、パーマロイ微粉体42が溶融結合したパーマロイ溶融物によって連続気泡13が画成かつ囲繞されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極10を作る薄板状発泡金属電極作成工程との各工程によって電極10を製造するから、それら工程S1〜S5によって厚み寸法L1が0.05mm〜0.5mmの範囲であって多数の微細な連続気孔13(連続通気孔)を形成した電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)(マイクロポーラス構造薄板状発泡金属電極)を製造することができ、電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)を廉価に作ることができる。
電極製造方法は、白金族元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮することができるとともに、優れた触媒活性(触媒作用)を有して触媒機能を十分かつ確実に利用することが可能な白金族金属非含有の電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)を作ることができる。
電極製造方法は、それによって作られた電極10が白金族元素を担持した電極と略同様の優れた触媒活性(触媒作用)を発揮するから、固体高分子形燃料電池17において十分な電気を発電することが可能であって固体高分子形燃料電池17に接続された負荷29に十分な電気エネルギーを供給することが可能な白金族金属少含有の電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)を作ることができる。電極製造方法は、水素ガス発生装置30において電気分解を効率よく行うことが可能であって短時間に多量の水素ガスを発生させることが可能な白金族金属少含有の電極10(燃料極18及び空気極19、アノード31及びカソード32)を作ることができる。
10 電極
11 前面
12 後面
13 連続気孔(連続通気孔)
14 通流口
15 外周縁
16 セル
17 固体高分子形燃料電池
18 燃料極(陽極)
19 空気極(陰極)
20 固体高分子電解質膜
21 セパレータ(バイポーラプレート)
22 セパレータ(バイポーラプレート)
23 膜/電極接合体
24 ガス拡散層
25 ガス拡散層
26 ガスシール
27 ガスシール
28 導線
29 負荷
30 水素ガス発生装置
31 アノード(陽極)
32 カソード(陰極)
33 固体高分子電解質膜
34 陽極給電部材
35 陰極給電部材
36 陽極用貯水槽
37 陰極用貯水槽
38 陽極主電極
39 陰極主電極
40 膜/電極接合体
41 Fe−Niパーマロイ
42 パーマロイ微粉体
43 バインダー
44 気孔形成材(発泡剤)
45 パーマロイ微粉体混合物
46 パーマロイ微粉体混合成形物
L1 厚み寸法
S1 含有率決定工程
S2 パーマロイ微粉体作成工程
S3 パーマロイ微粉体混合物作成工程
S4 パーマロイ微粉体混合成形物作成工程
S5 薄板状発泡金属電極作成工程

Claims (14)

  1. 陽極又は陰極として使用する電極において、
    前記電極は、Fe−Niパーマロイを微粉砕したパーマロイ微粉体に所定のバインダーを均一に混合・分散しつつ所定の気孔形成材を均一に混合・分散し、前記パーマロイ微粉体に前記バインダー及び前記気孔形成材を混合したパーマロイ微粉体混合物を所定面積の薄板状に成形した後、前記所定面積の薄板状に成形した前記パーマロイ微粉体混合成形物を脱脂・焼結することで、前記パーマロイ微粉体が溶融結合しつつ多数の微細な連続気孔が満遍なく形成されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極であり、白金族元素を含む電極と略同様の触媒活性を有し、前記連続気泡は、前記パーマロイ微粉体が溶融結合したパーマロイ溶融物によって画成されていることを特徴とする電極。
  2. 前記電極では、前記パーマロイ微粉体の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、前記Fe−Niパーマロイにおける前記Feの含有率と該Fe−Niパーマロイにおける前記Niの含有率とが決定されている請求項1に記載の電極。
  3. 前記薄板状発泡金属電極に形成された連続気泡が、該薄板状発泡金属電極の前面と後面との間で厚み方向へ不規則に曲折しながら延びているとともに、該薄板状発泡金属電極の外周縁と内周縁との間で径方向へ不規則に曲折しながら延びている請求項1又は請求項2に記載の電極。
  4. 前記径方向へ隣接して前記厚み方向へ曲折して延びるそれら連続気泡が、前記径方向において部分的に繋がって一方の連続気泡と他方の連続気泡とが互いに連通し、前記厚み方向へ隣接して前記径方向へ曲折して延びるそれら連続気泡が、前記厚み方向において部分的に繋がって一方の連続気泡と他方の連続気泡とが互いに連通し、それら連続気泡の平均径が、前記厚み方向に向かって一様ではなく、該厚み方向に向かって不規則に変化しているとともに、前記径方向に向かって一様ではなく、該径方向に向かって不規則に変化している請求項3に記載の電極。
  5. 前記薄板状発泡金属電極に形成された連続気孔の平均径が、1μm〜100μmの範囲にあるとともに、±0.1μm〜±5マイクロμmの範囲で変化している請求項4に記載の電極。
  6. 前記薄板状発泡金属電極の厚み寸法が、0.05mm〜0.5mmの範囲にある請求項1ないし請求項5いずれかに記載の電極。
  7. 前記Fe−Niパーマロイにおける前記Feの含有率が、45%〜55%の範囲にあり、前記Fe−Niパーマロイにおける前記Niの含有率が、45%〜55%の範囲にある請求項1ないし請求項6いずれかに記載の電極。
  8. 前記薄板状発泡金属電極に成形された連続気泡の気孔率が、45%〜55%の範囲にある請求項1ないし請求項7いずれかに記載の電極。
  9. 前記薄板状発泡金属電極の密度が、6.0g/cm〜8.0g/cmの範囲にある請求項1ないし請求項8いずれかに記載の電極。
  10. 前記パーマロイ微粉体の粒径が、1μm〜100μmの範囲にある請求項1ないし請求項9いずれかに記載の電極。
  11. 陽極又は陰極として使用する電極を製造する電極製造方法において、
    前記電極製造方法が、Fe−Niパーマロイを微粉砕したパーマロイ微粉体の仕事関数が白金族元素の仕事関数に近似するように、前記Fe−NiパーマロイにおけるFeの含有率とNiの含有率とを決定する含有率決定工程と、前記含有率決定工程によって決定した含有率のFe及びNiから形成されたFe−Niパーマロイを微粉砕してパーマロイ微粉体を作るパーマロイ微粉体作成工程と、前記パーマロイ微粉体作成工程によって作成したパーマロイ微粉体に所定のバインダー及び所定の気孔形成材を加え、前記パーマロイ微粉体に前記バインダーと前記気孔形成材とを均一に混合・分散してパーマロイ微粉体混合物を作るパーマロイ微粉体混合物作成工程と、前記パーマロイ微粉体混合物作成工程によって作成したパーマロイ微粉体混合物を薄板状に成形してパーマロイ微粉体混合成形物を作るパーマロイ微粉体混合成形物作成工程と、前記パーマロイ微粉体混合成形物作成工程によって作成したパーマロイ微粉体混合成形物を脱脂するとともに該パーマロイ微粉体混合成形物を所定温度で焼結し、前記パーマロイ微粉体が溶融結合しつつ多数の微細な連続気孔が満遍なく形成されているとともに、前記パーマロイ微粉体が溶融結合したパーマロイ溶融物によって前記連続気泡が画成されたマイクロポーラス構造の薄板状発泡金属電極を作る薄板状発泡金属電極作成工程とを有することを特徴とする電極製造方法。
  12. 前記重量比決定工程が、前記Fe−Niパーマロイにおける前記Feの含有率を45%〜55%の範囲で決定し、前記Fe−Niパーマロイにおける前記Niの含有率を45%〜55%の範囲で決定する請求項11に記載の電極製造方法。
  13. 前記パーマロイ微粉体作成工程が、前記Fe−Niパーマロイを1μm〜100μmの粒径に微粉砕する請求項11又は請求項12に記載の電極製造方法。
  14. 前記パーマロイ微粉体混合成形物作成工程が、射出成形又は押出成形によって前記パーマロイ微粉体混合物を成形して0.05mm〜0.5mmの厚み寸法を有する所定面積かつ薄板状の前記パーマロイ微粉体混合成形物を作る請求項11ないし請求項13いずれかに記載の電極製造方法。
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