JP2020033524A - 着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な色特性を維持しつつ低粘度化された着色組成物の提供。【解決手段】下記式(1)で表されるキノフタロン化合物と、アミン系分散剤と、溶剤と、を含有する着色組成物。式(1)中、X1〜X16は各々独立にH、又はハロゲン原子であり、Y1及びY2は各々独立にH、又はハロゲン原子であり、Zは炭素数1〜3のアルキレン基である。【選択図】なし
Description
本発明は、着色組成物及びカラーフィルタに関する。
現在、着色組成物は様々な分野に用いられており、着色組成物の具体的な用途としては、印刷インキ、塗料、樹脂用着色剤、繊維用着色剤、IT情報記録用色材(カラーフィルタ、トナー、インクジェット)などが挙げられる。着色組成物に用いられる色素には、色特性(着色力、鮮明性)、耐性(耐候性、耐光性、耐熱性、耐溶剤性)などが求められる。色素は、主に顔料と染料とに大別されるが、顔料は、分子状態で発色する染料とは異なり、粒子状態(一次粒子の凝集体)での発色となる。そのため、一般的に、顔料は、染料に比べて、耐性においては優位であるものの、着色力や彩度(鮮明性)では劣っている。
このような背景から、高着色力及び高彩度な顔料が求められており、着色力の点において優勢とされている有機顔料にとりわけ注目が集まっている。例えば特許文献1には、所定のキノフタロン化合物を含有する着色組成物が開示されている。
ところで、カラーフィルタ用途を想定した顔料には、汎用用途とは異なる特性が求められる。具体的には、例えば、バックライトの消費電力を低減するための「高輝度」、カラーフィルタの薄膜化及び高色再現のための「高着色力」等が求められる。しかし、特許文献1に開示されている着色組成物では、カラーフィルタ用途を想定した場合に、十分な輝度及び着色力が得られるとは必ずしもいえない。すなわち、特許文献1に開示されている着色組成物には、輝度を高めると共に、薄膜でも高い色再現性が得られるようにするという点で更なる改善の余地がある。
また、微細粒子からなる顔料を含む着色組成物は、顔料の凝集に起因する高い粘度を示す場合があり、カラーフィルタ製造の阻害要因となり得る。
そこで、本発明は、優れた輝度及び着色力を有する顔料を含み、当該顔料に由来する良好な色特性を維持しつつ低粘度化された着色組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、上記着色組成物を用いて形成されるカラーフィルタを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、キノフタロン骨格を二量化した特定のキノフタロン化合物が優れた輝度及び着色力を有する黄色顔料となることを見出し、また、特定の分散剤が、当該黄色顔料を含む着色組成物を、その優れた色特性を維持したまま低粘度化できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の一側面は、下記式(1)で表されるキノフタロン化合物と、分散剤と、溶剤と、を含有し、上記分散剤がアミン系分散剤を含有する、着色組成物に関する。
[式(1)中、X1〜X16は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Y1及びY2は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Zは炭素数1〜3のアルキレン基である。]
[式(1)中、X1〜X16は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Y1及びY2は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Zは炭素数1〜3のアルキレン基である。]
上記分散剤のアミン価は、20〜180mgKOH/gであってよい。
本発明の更に他の一側面は、下記式(1)で表されるキノフタロン化合物及び分散剤を含有する画素部を有し、上記分散剤がアミン系分散剤を含有する、カラーフィルタである。
[式(1)中、X1〜X16は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Y1及びY2は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Zは炭素数1〜3のアルキレン基である。]
[式(1)中、X1〜X16は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Y1及びY2は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Zは炭素数1〜3のアルキレン基である。]
上記画素部は、上記着色組成物で調色された画素部であってよい。
本発明によれば、優れた輝度及び着色力を有する顔料を含み、当該顔料に由来する良好な色特性を維持しつつ低粘度化された着色組成物が提供される。また、本発明によれば、上記着色組成物を用いて形成されるカラーフィルタが提供される。
(着色組成物)
一実施形態に係る着色組成物は、下記式(1)で表されるキノフタロン化合物と、分散剤と、溶剤と、を含有する。また、上記分散剤は、アミン系分散剤を含有する。
一実施形態に係る着色組成物は、下記式(1)で表されるキノフタロン化合物と、分散剤と、溶剤と、を含有する。また、上記分散剤は、アミン系分散剤を含有する。
式(1)中、X1〜X16は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Y1及びY2は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Zは炭素数1〜3のアルキレン基である。
上記キノフタロン化合物は、キノフタロン骨格の二量化により、選択的な吸収・透過を示す。また、上記キノフタロン化合物は、連結基Zをスペーサーとしてキノフタロン骨格を二量化しており、これにより共役が切断され、過剰な赤味化が抑制されている。更に、上記キノフタロン化合物は、イミド構造の導入により分散性が向上されている。これらのことから、上記キノフタロン化合物によれば、優れた輝度と着色力とを有する顔料が得られる。具体的には、例えば、上記キノフタロン化合物から構成される黄色顔料は、現在一般的に使用される黄色顔料(C.I.ピグメント イエロー150)より良好な輝度を有し、かつ、これを超える優れた着色力を有する。そして、アミン系分散剤によれば、上記キノフタロン化合物の溶剤中での凝集が抑制されるため、上記キノフタロン化合物の凝集に起因する増粘、色分かれ、顔料沈降等が抑制される。
式(1)中のハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であってよく、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
式(1)中の炭素数1〜3のアルキレン基の具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基(1,1−エタンジイル基又は1,2−エタンジイル基)、プロピレン基(1,1−プロパンジイル基、2,2−プロパンジイル基、1,2−プロパンジイル基又は1,3−プロパンジイル基)が好ましく、メチレン基、1,1−エタンジイル基、1,1−プロパンジイル基、2,2−プロパンジイル基がより好ましく、メチレン基が更に好ましい。
上記キノフタロン化合物では、X1〜X16のうち、少なくとも1つがハロゲン原子であることが好ましく、2つ以上がハロゲン原子であることがより好ましい。X1〜X16にハロゲン原子が導入されることで、上記キノフタロン化合物の分散性が一層向上し、上述の効果がより顕著に得られる傾向がある。
X1〜X4のうち、少なくとも1つがハロゲン原子であることが好ましく、2つ以上がハロゲン原子であることがより好ましく、全てがハロゲン原子であってもよい。また、X2及びX3のうち少なくとも1つがハロゲン原子であることが好ましく、X2及びX3がいずれもハロゲン原子であることがより好ましい。
X5〜X8のうち、少なくとも1つがハロゲン原子であることが好ましく、2つ以上がハロゲン原子であることがより好ましく、全てがハロゲン原子であってもよい。また、X6及びX7のうち少なくとも1つがハロゲン原子であることが好ましく、X6及びX7がいずれもハロゲン原子であることがより好ましい。
X9〜X12のうち、少なくとも1つがハロゲン原子であることが好ましく、2つ以上がハロゲン原子であることがより好ましく、全てがハロゲン原子であってもよい。また、X10及びX11のうち少なくとも1つがハロゲン原子であることが好ましく、X10及びX11がいずれもハロゲン原子であることがより好ましい。
X13〜X16のうち、少なくとも1つがハロゲン原子であることが好ましく、2つ以上がハロゲン原子であることがより好ましく、全てがハロゲン原子であってもよい。X14及びX15のうち少なくとも1つがハロゲン原子であることが好ましく、X14及びX15がいずれもハロゲン原子であることがより好ましい。
Y1及びY2は同一であっても異なっていても構わないが、上記キノフタロン化合物の合成が容易となる観点からは、互いに同一であることが好ましい。
式(1−i)及び式(1−ii)中、X1〜X16、Y1、Y2及びZは上述の通りである。
上記キノフタロン化合物の具体例を以下に挙げるが、上記キノフタロン化合物はこれらに限定されるものではない。
上記キノフタロン化合物の製造方法は、特に制限されるものではなく従来公知の方法を適宜利用して製造することができる。以下、キノフタロン化合物の製造方法の一態様を記載するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
上記キノフタロン化合物は、例えば以下の工程I、工程II、工程III及び工程IVを含む方法により得ることができる。
<工程I>
まず、J.Heterocyclic,Chem,30,17(1993)に記載の方法などにより、ビスアニリン類を1当量に対し、クロトンアルデヒドを2〜3当量加え、酸化剤存在下、強酸中において反応させ、後記する式(A−1)の化合物を合成する。
まず、J.Heterocyclic,Chem,30,17(1993)に記載の方法などにより、ビスアニリン類を1当量に対し、クロトンアルデヒドを2〜3当量加え、酸化剤存在下、強酸中において反応させ、後記する式(A−1)の化合物を合成する。
式(A−1)中、Y1、Y2及びZは上述の通りである。
ここで、強酸としては、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられる。酸化剤としては、ヨウ化ナトリウム、p−クロラニル、ニトロベンゼンなどが挙げられる。
工程Iに関し、反応温度は、80℃〜100℃、好ましくは90℃〜100℃であってよく、反応時間は、1時間〜6時間、好ましくは3時間〜6時間であってよい。
式(A−2)中、Y1、Y2及びZは上述の通りである。
工程IIに関し、反応温度は、−20℃〜70℃、好ましくは0℃〜50℃であってよく、反応時間は、1時間〜4時間、好ましくは1時間〜3時間であってよい。
<工程III>
さらに、得られた式(A−2)の化合物を1当量に対し、還元鉄を6〜8当量加え、反応させることで、式(A−3)の化合物を得ることができる。
さらに、得られた式(A−2)の化合物を1当量に対し、還元鉄を6〜8当量加え、反応させることで、式(A−3)の化合物を得ることができる。
式(A−3)中、Y1、Y2及びZは上述の通りである。
工程IIIに関し、反応温度は、60℃〜80℃、好ましくは70℃〜80℃であってよく、反応時間は、1時間〜3時間、好ましくは2時間〜3時間であってよい。
<工程IV>
さらに、特開2013−61622号公報に記載の方法などにより、得られた式(A−3)の化合物1当量に対し、無水フタル酸及びハロゲン置換フタル酸無水物からなる群より選択される少なくとも一種を4〜6当量、酸触媒存在下において反応させることで、式(1)の化合物を得ることができる。
さらに、特開2013−61622号公報に記載の方法などにより、得られた式(A−3)の化合物1当量に対し、無水フタル酸及びハロゲン置換フタル酸無水物からなる群より選択される少なくとも一種を4〜6当量、酸触媒存在下において反応させることで、式(1)の化合物を得ることができる。
ここで、酸触媒としては、安息香酸、塩化亜鉛などが挙げられる。
工程IVに関し、反応温度は、180℃〜250℃、好ましくは210℃〜250℃であってよく、反応時間は、1時間〜8時間、好ましくは3時間〜8時間であってよい。
上記キノフタロン化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上の化合物を適宜選択して併用してもよい。
上記キノフタロン化合物は、有機顔料としての性質を示すことができる。上記キノフタロン化合物は、顔料化されて配合されていてよい。換言すると、本実施形態に係る着色組成物は、上記キノフタロン化合物から構成される黄色顔料を含有するものであってよい。
上記キノフタロン化合物の顔料化は、公知慣用の方法で行えばよい。上記キノフタロン化合物から構成された黄色顔料は、例えば、ソルトミリング処理等により微細化されていてもよい。また、当該黄色顔料は、ロジン処理、界面活性剤処理、溶剤処理、樹脂処理等の方法で表面処理されていてもよい。
アミン系分散剤は、アミン部位及びアミン部位を4級アンモニウム化した部位からなる群より選択される少なくとも一種のアミン系部位を有している。なお、アミン部位とは、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを構成する窒素原子を示す。アミン系分散剤は、例えば、上記アミン系部位を有する樹脂(重合体)であってよい。
アミン系分散剤は、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等であってよい。上記キノフタロン化合物から構成される顔料に対する吸着挙動に優れる観点からは、アミン系分散剤は、ブロック共重合体又はグラフト共重合体であることが好ましい。
ブロック共重合体は、例えば、上記アミン系部位を有しないA−ブロックと上記アミン系部位を有するB−ブロックとから構成されていてよい。このようなブロック共重合体としては、A−Bブロック共重合体、A−B−Aブロック共重合体が好ましい。
ブロック共重合体の製造方法は特に限定されず、公知の方法を適宜調整して製造することができる。ブロック共重合体の製造方法としては、分子量分布の小さい共重合体が得られやすい観点から、リビング重合法を用いることが好ましい。リビング重合法としては、例えば、リビングラジカル重合法、リビングアニオン重合法(例えば、グループトランスファー重合法)、リビングカチオン重合法等が挙げられる。リビング重合法では、モノマーを順次重合することによって、ブロック共重合体を効率良く製造することができる。具体的には、例えば、A−ブロックを先に製造し、A−ブロックの末端からB−ブロックを形成するモノマーを重合させることにより、A−Bブロック共重合体を製造することができる。また、B−ブロックを先に製造し、B−ブロックの末端からA−ブロックを形成するモノマーを重合させることでも、A−Bブロック共重合体を製造することができる。
また、ブロック共重合体の製造方法としては、A−ブロックとB−ブロックとを別々に製造し、その後、A−ブロックとB−ブロックとをカップリング反応等により連結する方法等も挙げられる。
グラフト共重合体としては、例えば、特開昭54−37082号公報に記載の方法で形成された共重合体(例えば、特開昭54−37082号公報に記載の分散剤)等が挙げられる。また、グラフト共重合体としては、市販のグラフト共重合体を好適に用いることもできる。
アミン系分散剤は、アミン部位を有するものであってよい。分散剤のアミン価は、例えば1mgKOH/g以上であってよく、好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは25mgKOH/g以上である。また、分散剤のアミン価は、例えば200mgKOH/g以下であってよく、好ましくは180mgKOH/g以下、より好ましくは175mgKOH/g以下である。分散剤のアミン価は、例えば、アミン系分散剤自体のアミン価を変更することで調整でき、また、アミン系分散剤とアミン系以外の分散剤との混合比を変更することでも調整できる。
なお、本明細書中、アミン価は、ASTM D 2073に記載の測定法に準じて、アルコール性塩酸標準溶液による電位差滴定によって測定される値を示す。
アミン系分散剤は、アミン部位を4級アンモニウム化した部位(以下、アンモニウム部位ともいう。)を有するものであってよい。このような分散剤は、表面が負に帯電している顔料との静電的な相互作用によって顔料表面への吸着性に優れる。
アンモニウム部位は、例えば、アミン部位に、ハロアルキル基を有する化合物、無機酸、無機酸エステル、有機酸又は有機酸エステルを反応させて形成される部位であってよい。
ハロアルキル基を有する化合物は、ハロアルキル基を有し、当該ハロアルキル基がアミン部位と反応してアンモニウム部位を形成可能な化合物であればよい。ハロアルキル基としては、−CH2X(Xはハロゲン原子を示す。)で表される基を有する化合物が好ましい。
ハロアルキル基を有する化合物としては、例えば、R1−CH2−Xで表される化合物が挙げられる。ここで、Xはハロゲン原子を示し、R1は水素原子又は一価の基を示す。
R1の一価の基は、例えば、アルキル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、−OR2で表される基(R2は、アルキル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基、又は、炭素数1〜4のアルキレン基を介した(メタ)アクリロイルオキシ基を示す。)等が挙げられる。また、R1の一価の基は、アルキル基中のメチレン基(−CH2−)の一部をエーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)O−)等で置換した基であってもよい。R1の一価の基として例示した上記の基は、置換基を有していてもよい。
R1及びR2におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。R1又はR2におけるアルキル基の炭素数は、例えば1〜20であってよい。R1又はR2におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、フェニル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)等が挙げられる。R1又はR2におけるアルキル基は、置換基を1個又は複数個有していてよく、無置換(すなわち、置換基を有しないアルキル基)であってもよい。
R1又はR2におけるフェニル基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)等が挙げられる。R1又はR2におけるフェニル基は、置換基を1個又は複数個有していてよく、無置換(すなわち、置換基を有しないフェニル基)であってもよい。
R1又はR2におけるベンジル基が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)等が挙げられる。R1又はR2におけるベンジル基は、置換基を1個又は複数個有していてよく、無置換(すなわち、置換基を有しないベンジル基)であってもよい。
ハロアルキル基を有する化合物としては、例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、エチルブロマイド、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、n−ブチルクロライド、ヘキシルクロライド、オクチルクロライド、ドデシルクロライド、テトラデシルクロライド、ヘキサデシルクロライド、フェネチルクロライド、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、ベンジルヨーダイド、アリルクロライド等が挙げられる。
無機酸としては、例えば、リンのオキソ酸、硫酸、硝酸、塩酸、過塩素酸、クロム酸等が挙げられ、これらのうちリン酸及び硫酸が好ましい。
無機酸エステルとしては、例えば、リンのオキソ酸のエステル(リン酸エステル、亜リン酸エステル等)、硫酸エステル、炭酸エステル、硝酸エステル、亜硝酸エステル等が挙げられ、これらのうちリン酸エステル、亜リン酸エステル、硫酸エステル及び炭酸エステルが好ましい。無機酸エステルとしては、例えば、モノブチルリン酸、ジブチルリン酸、メチルリン酸、ジベンジルリン酸、フェニルホルフィン酸、フェニルホスホン酸、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル、メタンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸メチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等が挙げられる。
有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸等が挙げられる。有機酸エステルとしては、例えば、ギ酸エステル、酢酸エステル、シュウ酸エステル等が挙げられる。
アミン系分散剤において、アミン部位とアンモニウム部位との含有量比は特に限定されない。アミン部位及びアンモニウム部位の合計数に対するアミン部位の割合は、5〜95%であってよく、40〜90%であることが好ましい。
アミン系分散剤は、アミン部位を有する樹脂であってよく、当該樹脂のアミン部位の一部をアンモニウム部位に変換したものであってもよい。樹脂の種類は特に限定されず、着色組成物の溶剤に溶解可能な樹脂であればよい。当該樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、エステル系樹脂、エーテル系樹脂、アミド系樹脂等が挙げられる。
アミン部位を有するアクリル系樹脂は、例えば、アミン部位を有するアクリル系モノマーを含むモノマー成分の重合体であってよい。アミン部位を有するアクリル系モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記モノマー成分は、アミン部位を有するアクリル系モノマー以外の他のモノマーを更に含有していてよい。他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等が挙げられる。
上記モノマー成分中のアミン部位を有するアクリル系モノマーの割合は、モノマー成分の全量基準で、例えば1〜50モル%であってよく、好ましくは10〜40モル%である。
アミン部位を有するアクリル系樹脂の重量平均分子量Mwは、例えば1000〜100000であってよく、好ましくは5000〜15000である。このような重量平均分子量であると、顔料の分散性向上効果がより安定して得られる傾向がある。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフによるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
ウレタン樹脂は、ウレタン結合中にアミン部位を有している。ウレタン樹脂の重量平均分子量Mwは、例えば500〜100000であってよく、好ましくは3500〜5500である。このような重量平均分子量であると、顔料の分散性向上効果がより安定して得られる傾向がある。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフによるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
アミン系分散剤としては、市販品を用いることもできる。アミン系分散剤としては、例えば、ANTI−TERRA(登録商標名)U/U100、同204、DISPERBYK(登録商標名)106、同108、同109、同112、同130、同140、同142、同145、同161、同162、同163、同164、同167、同168、同180、同182、同183、同184、同185、同2000、同2001、同2008、同2009、同2013、同2022、同2025、同2026、同2050、同2055、同2150、同2155、同2163、同2164、同9076、同9077、BYK LPN−6919、同21116、同21324、同22102(ビックケミー株式会社製)、EFKA(登録商標名)46、同47、同4010、同4020、同4320、同4300、同4330、同4401、同4570、同5054、同7461、同7462、同7476、同7477(BASF株式会社製)、アジスパー(登録商標名)PB814、同821、同822、同881(味の素ファインテクノ株式会社製)、Solsperse(登録商標名)24000、同37500、同76500(ルーブリゾール株式会社製)等を好適に用いることができる。
アミン系分散剤は、溶剤に溶解した状態で着色組成物に配合されてよい。溶剤の種類は特に限定されず、1種又は2種以上の混合溶剤であってもよい。溶剤は、例えばレジスト材料に使用される溶剤を好適に用いることができる。溶剤の具体例としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等が挙げられる。
分散剤は、アミン系分散剤以外の他の分散剤を更に含有していてもよい。他の分散剤は特に限定されず、顔料分散のために用いられる公知の分散剤を特に制限なく使用できる。他の分散剤の具体例としては、例えば、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)、DISPERBYK(登録商標名)170、同174(ビックケミー株式会社製)、Solsperse(登録商標名)55000(ルーブリゾール株式会社製)等が挙げられる。
分散剤に占めるアミン系分散剤の割合は特に限定されず、例えば、分散剤のアミン価が上述の好適な範囲となる割合であってよい。分散剤の合計量を100質量部としたとき、アミン系分散剤の含有量は、例えば30質量部以上であってよく、好ましくは50質量部以上であり、100質量部(すなわち、分散剤が全てアミン系分散剤)であってもよい。
分散剤の含有量は、上記キノフタロン化合物100質量部に対して、例えば30質量部以上であってよく、40質量部以上が好ましく、50質量部以上が更に好ましい。また、分散剤の含有量は、上記キノフタロン化合物100質量部に対して、例えば100質量部以下であってよく、90質量部以下が好ましく、85質量部以下が更に好ましい。
溶剤としては、有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては、例えばトルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙げられる。有機溶剤は、好ましくは、極性を有し水に可溶な溶剤であり、より好ましくは、プロピオネート系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、窒素化合物系溶剤、又はラクトン系溶剤である。
溶剤の含有量は特に限定されず、所望の粘度等に応じて適宜変更してよい。溶剤の含有量は、例えば、上記キノフタロン化合物100質量部に対して300質量部以上であってよい。また、溶剤の含有量は、例えば、上記キノフタロン化合物100質量部に対して2000質量部以下であってよい。
着色組成物の粘度は特に限定されず、その用途等に応じて適宜調整してよい。着色組成物の20℃における粘度は、加工に適する粘性を保持する観点から、例えば0.5〜100mPa・sであってよく、好ましくは1〜50mPa・sである。
本実施形態に係る着色組成物は、上記以外の成分を更に含有していてもよい。例えば、着色組成物は、上記以外に、有機顔料及び有機染料等の色材、有機顔料誘導体等を更に含有していてもよい。有機顔料誘導体は、例えば、公知の有機顔料の一部が、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基、フタルイミドメチル基等で修飾(置換)された誘導体であってよい。具体的には、例えば、Solsperse(登録商標名)5000、同12000、同22000(ルーブリゾール株式会社製)等が挙げられる。有機顔料誘導体の含有量は、顔料の合計量100質量部に対して、1質量部以上であってよく、20質量部以下であってよい。
併用可能な色材としては、公知の顔料、染料等であってよく、着色組成物の用途に応じて適宜選択してよい。併用可能な顔料としては、例えば、アゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アゾメチン系顔料、アントラキノン系顔料、キノフタロン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリレン系顔料等が挙げられる。また、併用可能な染料としては、例えば、キサンテン系染料、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、トリアリールメタン系染料、メチン系染料、フタロシアニン系染料、ローダミン系染料等が挙げられる。
併用可能な顔料のうち、黄色顔料としては、インキ用途ではC.I.ピグメント イエロー3、同12、同74等が例示でき、塗料用途ではC.I.ピグメント イエロー74、同83、同109、同110等が例示でき、カラーフィルタ用途では、C.I.ピグメント イエロー83、同129、同138、同139、同150、同185、同231等が例示できる。好ましくはC.I.ピグメント イエロー129、同138、同139、同150、同185、同231等が挙げられる。
カラーフィルタ用途において、黄色顔料は、緑色顔料又は青色顔料と組み合わせて、緑色画素部の調色用として用いられる場合が多い。この観点から、本実施形態に係る着色組成物は、緑色顔料又は青色顔料と併用されていてもよい。
緑色顔料及び青色顔料は特に限定されず、公知の緑色顔料及び青色顔料であってよい。緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメント グリーン1、同2、同4、同7、同8、同10、同13、同14、同15、同17、同18、同19、同26、同36、同45、同48、同50、同51、同54、同55、同58、同59、同62、同63等が挙げられる。青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6等が挙げられる。好ましくはC.I.ピグメント グリーン7、同36、同58、同59、同62、同63等が挙げられる。また、青色顔料としては、アルミニウムフタロシアニン誘導体等も例示できる。
ここで、アルミニウムフタロシアニン誘導体としては、例えば、下記式(3−1)で表される化合物等が挙げられる。
式(3−1)中、Rはハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は下記式(3−2)で表される基を示す。
式(3−2)中、Xは直接結合又は酸素原子を示す。Arはフェニル基又はナフチル基を示す。式(3−2)中、アスタリスクは結合部位を示す。
式(3−1)中のRにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。中でも、Rにおけるハロゲン原子は、塩素原子又は臭素原子であることが好ましい。
式(3−1)中、Rは、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、又は式(3−2)で表される基であることが好ましい。
式(3−2)中、Xは酸素原子であることが好ましい。
式(3−1)の中でも好ましいものとしては、例えば、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、ブロモアルミニウムフタロシアニン、下記式(3−1−1)で表される化合物、下記式(3−1−2)で表される化合物、下記式(3−1−3)で表される化合物などが挙げられる。
本実施形態に係る着色組成物はまた、上記以外の成分として、レベリング剤、カップリング剤、ロジン、界面活性剤、樹脂、分散剤、感光性樹脂、硬化性樹脂等を更に含有していてもよい。これらの成分は、例えば、上記キノフタロン化合物から構成される顔料の表面処理により添加されたものであってもよい。顔料の表面処理は、例えば、ロジン処理、界面活性剤処理、溶剤処理、樹脂処理等の公知の方法であってよい。
着色組成物は、感光性樹脂を更に含有してもよい。感光性樹脂を含有する着色組成物は、感光性着色組成物ということもできる。感光性樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等の熱可塑性樹脂や、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス−(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のような多官能モノマー等の光重合性モノマーなどが挙げられる。
感光性着色組成物は、光重合開始剤を更に含有してもよい。光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
着色組成物は、例えば、上記キノフタロン化合物(又は、上記キノフタロン化合物から構成される顔料を含む顔料組成物)と分散剤と溶剤とを混合して調製されたものであってよい。また、着色組成物は、上記キノフタロン化合物と、溶剤と、アミン部位を有する樹脂と、当該アミン部位と反応してアンモニウム部位を形成する化合物と、を混合して調製されたものであってもよい。
本実施形態では、例えば、上記キノフタロン化合物100質量部当たり、30〜100質量部の分散剤と、300〜2000質量部の有機溶剤とを、均一となる様に攪拌分散して分散液(着色組成物)を得ることができる。次いでこの分散液に、分散液100質量部当たり3〜20質量部の感光性樹脂と、感光性樹脂1質量部当たり0.05〜3質量部の光重合開始剤と(必要に応じてさらに有機溶剤と)を添加し、均一となる様に攪拌分散して、感光性着色組成物を得ることができる。
着色組成物(感光性着色組成物)がカラーフィルタの緑色画素部の形成用である場合、上記キノフタロン化合物100質量部当たり、200質量部以下の緑色顔料及び/又は200質量部以下の青色顔料が更に添加されていてよい。また、着色組成物(感光性着色組成物)がカラーフィルタの赤色画素部の形成用である場合、上記キノフタロン化合物100質量部当たり、200質量部以下の赤色顔料が更に添加されていてよい。
(カラーフィルタ)
本実施形態に係るカラーフィルタは、上記キノフタロン化合物及び上記アミン系分散剤を含有する画素部を有する。当該画素部は、緑色画素部であってもよく、赤色画素部であってもよい。
本実施形態に係るカラーフィルタは、上記キノフタロン化合物及び上記アミン系分散剤を含有する画素部を有する。当該画素部は、緑色画素部であってもよく、赤色画素部であってもよい。
上記画素部は、上述の着色組成物で調色された画素部であってよい。当該画素部は、上述の着色組成物のみを用いて調色されたものであってよく、上述の着色組成物と他の着色組成物(例えば、青色顔料、緑色顔料又は赤色顔料を含む着色組成物)とを組み合わせて着色されたものであってもよい。
上記画素部は、上述の着色組成物(感光性着色組成物)から容易に形成することができる。具体的な方法としては、例えば、着色組成物(感光性着色組成物)を、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等でガラス等の透明基板上に塗布し、ついでこの塗布膜に対して、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を溶剤等で洗浄して着色パターンを得る、フォトリソグラフィーと呼ばれる方法が挙げられる。
画素部の形成方法は特に限定されず、例えば、電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法の方法で画素部のパターンを形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
[合成例1]
フラスコ中に4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)5.00g(56.1mmol)、p−クロラニル27.6g(112mmol)、水150ml、濃塩酸150ml、n−ブタノール100mlを添加して95℃で30分間攪拌した。この混合物に、n−ブタノール12mlに溶解したクロトンアルデヒド11.8g(168mmol)を滴下して、さらに1時間攪拌した。温度を80℃に下げ、塩化亜鉛15.3g(112mmol)を少量ずつ加えた後、THF200mlを添加して80℃を保ったまま1時間攪拌した。室温まで放冷した後、減圧ろ過にて黄土色粉末を回収した。得られた黄土色粉末をTHF200mlで洗浄し、再び減圧ろ過にて黄土色粉末を回収した。さらに、得られた黄土色粉末をフラスコに移し、水200mlと28%アンモニア水40mlを加え、室温で2時間攪拌した。減圧ろ過にて粉末を回収し、20.3gの粗生成物を得た。得られた粗生成物をトルエンに溶解し不溶物をろ過により除いた後に再結晶して中間体(4)12.6gを得た。(収率:61%)
1H−NMR(CDCl3)δppm:2.81(s,6H),4.24(s,2H),7.34(d,J=8.0Hz,2H),7.49(s,2H),7.67(s,2H),7.99(d,J=8.8Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3)δppm:25.8,41.1,123.2,126.2,127.8,130.9,133.1,136.3,137.6,143.1,160.0
FT−IR cm−1:3435,3054,3030,2915,1603,1487,1206
FD−MS:366M+
フラスコ中に4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)5.00g(56.1mmol)、p−クロラニル27.6g(112mmol)、水150ml、濃塩酸150ml、n−ブタノール100mlを添加して95℃で30分間攪拌した。この混合物に、n−ブタノール12mlに溶解したクロトンアルデヒド11.8g(168mmol)を滴下して、さらに1時間攪拌した。温度を80℃に下げ、塩化亜鉛15.3g(112mmol)を少量ずつ加えた後、THF200mlを添加して80℃を保ったまま1時間攪拌した。室温まで放冷した後、減圧ろ過にて黄土色粉末を回収した。得られた黄土色粉末をTHF200mlで洗浄し、再び減圧ろ過にて黄土色粉末を回収した。さらに、得られた黄土色粉末をフラスコに移し、水200mlと28%アンモニア水40mlを加え、室温で2時間攪拌した。減圧ろ過にて粉末を回収し、20.3gの粗生成物を得た。得られた粗生成物をトルエンに溶解し不溶物をろ過により除いた後に再結晶して中間体(4)12.6gを得た。(収率:61%)
1H−NMR(CDCl3)δppm:2.81(s,6H),4.24(s,2H),7.34(d,J=8.0Hz,2H),7.49(s,2H),7.67(s,2H),7.99(d,J=8.8Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3)δppm:25.8,41.1,123.2,126.2,127.8,130.9,133.1,136.3,137.6,143.1,160.0
FT−IR cm−1:3435,3054,3030,2915,1603,1487,1206
FD−MS:366M+
続いて、フラスコ中に中間体(4)4.15g(11.3mmol)と濃硫酸7.55mLを加え、45℃で20分間攪拌した。その後、発煙硝酸1.62mLを滴下し、温度を保持し1時間攪拌を続けた。放冷後、氷水250mLを系中にゆっくりと注いだ。さらに、10wt%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHを8〜9に調整した。析出した粉末を減圧ろ過で回収し、蒸留水200mL、エタノール100mLで洗浄することで、中間体(5)4.86g(10.6mmol)を得た(収率:94%)。
1H−NMR(CDCl3)δppm:2.86(s,6H),4.27(s,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),7.62(s,2H),8.08(d,J=8.8Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3)δppm:25.7,32.4,119.9,125.6,127.5,130.1,131.1,137.3,143.1,145.9,162.2
FT−IR cm−1:3465,1604,1530,1487,1362
1H−NMR(CDCl3)δppm:2.86(s,6H),4.27(s,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),7.62(s,2H),8.08(d,J=8.8Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3)δppm:25.7,32.4,119.9,125.6,127.5,130.1,131.1,137.3,143.1,145.9,162.2
FT−IR cm−1:3465,1604,1530,1487,1362
続いて、フラスコ中に中間体(5)5.00g(10.9mmol)とエタノール23.3mLを加え、室温で10分間攪拌した。その後、還元鉄4.88g(87.4mmol)を系中に加え、室温でさらに10分間攪拌した。続いて、濃塩酸6.33mLを滴下し、温度を80℃に昇温し、6時間攪拌を続けた。放冷後、蒸留水150mLに注ぎ、10%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHを9に調整した。析出した粉末を減圧ろ過で回収した。さらに、回収した粉末を酢酸エチル700mL中で十分攪拌させ、減圧ろ過を行った。そこで得られたろ液の溶媒を減圧留去することで、中間体(6)3.64g(9.16mmol)を得た(収率:84%)。
1H−NMR(CDCl3)δppm:2.65(s,6H),3.97(s,2H),5.92(s,4H),7.32(s,2H),7.38(d,J=8.8Hz,2H),8.59(d,J=8.8Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3)δppm:25.4,31.9,116.8,117.7,117.9,121.0,131.8,132.2,142.0,143.1,158.9
FT−IR cm−1:3476,3373,1627,1605,1409,1359,1250
1H−NMR(CDCl3)δppm:2.65(s,6H),3.97(s,2H),5.92(s,4H),7.32(s,2H),7.38(d,J=8.8Hz,2H),8.59(d,J=8.8Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3)δppm:25.4,31.9,116.8,117.7,117.9,121.0,131.8,132.2,142.0,143.1,158.9
FT−IR cm−1:3476,3373,1627,1605,1409,1359,1250
続いて、窒素雰囲気下、フラスコ中に安息香酸14.1g(116mmol)を量りとり、140℃にて溶融させた。そこに、中間体(6)1.44g(3.62mmol)とテトラクロロフタル酸無水物5.53g(19.3mmol)を加え、220℃にて4時間攪拌した。放冷後、反応溶液にアセトン300mLを加え、1時間攪拌した後、減圧ろ過にて黄色粉末である目的物(7)を4.52g(3.08mmol)得た(収率:85%)。
FT−IR cm−1:3449,1727,1622,1536,1410,1363,1308,1192,1112,737
FD−MS:1467M+
FT−IR cm−1:3449,1727,1622,1536,1410,1363,1308,1192,1112,737
FD−MS:1467M+
[顔料化例1]
合成例1で得られたキノフタロン二量体(7)5質量部、粉砕した塩化ナトリウム50質量部、ジエチレングリコール8質量部を双腕型ニーダーに仕込み、80℃で8時間混練した。混練後、混合物を80℃の水6000質量部に取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、黄色顔料であるキノフタロン顔料を得た。日本電子社製透過電子顕微鏡JEM−2010で得られたキノフタロン顔料を撮影した。二次画像上の凝集体を構成する一次粒子40個につき長い方の径(長径)と短い方の径(短径)の平均値から平均アスペクト比を算出し、長径の平均値を平均一次粒子径とした。平均アスペクト比は3.00未満であった。平均一次粒子径は100nm以下であった。
合成例1で得られたキノフタロン二量体(7)5質量部、粉砕した塩化ナトリウム50質量部、ジエチレングリコール8質量部を双腕型ニーダーに仕込み、80℃で8時間混練した。混練後、混合物を80℃の水6000質量部に取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、黄色顔料であるキノフタロン顔料を得た。日本電子社製透過電子顕微鏡JEM−2010で得られたキノフタロン顔料を撮影した。二次画像上の凝集体を構成する一次粒子40個につき長い方の径(長径)と短い方の径(短径)の平均値から平均アスペクト比を算出し、長径の平均値を平均一次粒子径とした。平均アスペクト比は3.00未満であった。平均一次粒子径は100nm以下であった。
[合成例2]
窒素置換下、フラスコにメチルエチルケトン300質量部、2,2’−ビピリジル20.6質量部、塩化第一銅6.5質量部を仕込み、室温で30分間攪拌した。そこに、開始剤として2−ブロモイソ酢酸エチル13.3質量部、モノマーとしてメチルメタクリレート23.7質量部、n−ブチルメタクリレート9.20質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート12.8質量部、ベンジルメタクリレート12.7質量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート18.1質量部、トリエチレングリコールジメタクリレート4.12質量部を加え、窒素雰囲気下、60℃で3時間反応させて、アミン部位を有する樹脂を得た。次いで、この樹脂のアミン部位にベンジルクロライドを反応させ、目的物であるアミン系分散剤(D−1)を得た。得られたアミン系分散剤(D−1)の数平均分子量Mnは4500、重量平均分子量Mwは6200、アミン価は71mgKOH/gであった。
窒素置換下、フラスコにメチルエチルケトン300質量部、2,2’−ビピリジル20.6質量部、塩化第一銅6.5質量部を仕込み、室温で30分間攪拌した。そこに、開始剤として2−ブロモイソ酢酸エチル13.3質量部、モノマーとしてメチルメタクリレート23.7質量部、n−ブチルメタクリレート9.20質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート12.8質量部、ベンジルメタクリレート12.7質量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート18.1質量部、トリエチレングリコールジメタクリレート4.12質量部を加え、窒素雰囲気下、60℃で3時間反応させて、アミン部位を有する樹脂を得た。次いで、この樹脂のアミン部位にベンジルクロライドを反応させ、目的物であるアミン系分散剤(D−1)を得た。得られたアミン系分散剤(D−1)の数平均分子量Mnは4500、重量平均分子量Mwは6200、アミン価は71mgKOH/gであった。
[合成例3]
窒素置換したフラスコに、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部、モノマーとしてメチルメタクリレート26.4質量部、n−ブチルメタクリレート15.4質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート12.5質量部、ベンジルメタクリレート7.17質量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート28.8質量部、トリエチレングリコールジメタクリレート3.89質量部、重合開始剤として2,2’−アゾイソブチロニトリル2部を仕込み、攪拌しながら90℃まで昇温し、5時間かけて目的物であるアミン系分散剤(D−2)を得た。得られたアミン系分散剤(D−2)の数平均分子量Mnは5000、重量平均分子量Mwは13500、アミン価は171mgKOH/gであった。
窒素置換したフラスコに、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部、モノマーとしてメチルメタクリレート26.4質量部、n−ブチルメタクリレート15.4質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート12.5質量部、ベンジルメタクリレート7.17質量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート28.8質量部、トリエチレングリコールジメタクリレート3.89質量部、重合開始剤として2,2’−アゾイソブチロニトリル2部を仕込み、攪拌しながら90℃まで昇温し、5時間かけて目的物であるアミン系分散剤(D−2)を得た。得られたアミン系分散剤(D−2)の数平均分子量Mnは5000、重量平均分子量Mwは13500、アミン価は171mgKOH/gであった。
[合成例4]
窒素置換したフラスコに、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、原料として1,12−ドデカンジオール、ポリカプロラクトンジオール、トルエンジイソシアネート、ポリエチレングリコールを仕込み、攪拌しながら90℃まで昇温し、5時間かけて目的物であるアミン系分散剤(D−3)を得た。得られたアミン系分散剤(D−3)の数平均分子量Mnは810、重量平均分子量Mwは4300、アミン価は39mgKOH/gであった。
窒素置換したフラスコに、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、原料として1,12−ドデカンジオール、ポリカプロラクトンジオール、トルエンジイソシアネート、ポリエチレングリコールを仕込み、攪拌しながら90℃まで昇温し、5時間かけて目的物であるアミン系分散剤(D−3)を得た。得られたアミン系分散剤(D−3)の数平均分子量Mnは810、重量平均分子量Mwは4300、アミン価は39mgKOH/gであった。
[実施例1−1]
顔料化例1で得たキノフタロン顔料0.660質量部をガラス瓶に入れ、特開2013−54200号公報に記載の方法で合成した下記キノフタロンスルホン酸誘導体(9)0.040質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.5質量部、アミン系分散剤(D−1)0.565質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズ22.0質量部を加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間半分散し、顔料分散体を得た。なお、式(9)中のスルホン酸基は、キノリン環上の水素原子のいずれかに置換していることを示す。
顔料化例1で得たキノフタロン顔料0.660質量部をガラス瓶に入れ、特開2013−54200号公報に記載の方法で合成した下記キノフタロンスルホン酸誘導体(9)0.040質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.5質量部、アミン系分散剤(D−1)0.565質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズ22.0質量部を加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間半分散し、顔料分散体を得た。なお、式(9)中のスルホン酸基は、キノリン環上の水素原子のいずれかに置換していることを示す。
[実施例1−2]
顔料化例1で得たキノフタロン顔料0.660質量部をガラス瓶に入れ、上記キノフタロンスルホン酸誘導体(9)0.040質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.5質量部、アミン系分散剤(D−2)0.565質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズ22.0質量部を加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間半分散し、顔料分散体を得た。
顔料化例1で得たキノフタロン顔料0.660質量部をガラス瓶に入れ、上記キノフタロンスルホン酸誘導体(9)0.040質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.5質量部、アミン系分散剤(D−2)0.565質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズ22.0質量部を加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間半分散し、顔料分散体を得た。
[実施例1−3]
顔料化例1で得たキノフタロン顔料0.660質量部をガラス瓶に入れ、上記キノフタロンスルホン酸誘導体(9)0.040質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.5質量部、アミン系分散剤(D−2)0.294質量部、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)0.678質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズ22.0質量部を加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間半分散し、顔料分散体を得た。
顔料化例1で得たキノフタロン顔料0.660質量部をガラス瓶に入れ、上記キノフタロンスルホン酸誘導体(9)0.040質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.5質量部、アミン系分散剤(D−2)0.294質量部、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)0.678質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズ22.0質量部を加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間半分散し、顔料分散体を得た。
なお、アミン系分散剤(D−2)0.294質量部とアクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)0.678質量部のみを混合させ、溶媒を除いた固形分のアミン価を算出したところ、29mgKOH/g(固形分)であった。
[実施例1−4]
顔料化例1で得たキノフタロン顔料0.660質量部をガラス瓶に入れ、上記キノフタロンスルホン酸誘導体(9)0.040質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.5質量部、アミン系分散剤(D−3)0.565質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズ22.0質量部を加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間半分散し、顔料分散体を得た。
顔料化例1で得たキノフタロン顔料0.660質量部をガラス瓶に入れ、上記キノフタロンスルホン酸誘導体(9)0.040質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.5質量部、アミン系分散剤(D−3)0.565質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズ22.0質量部を加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間半分散し、顔料分散体を得た。
[比較例1−1]
顔料化例1で得たキノフタロン顔料0.660質量部をガラス瓶に入れ、上記キノフタロンスルホン酸誘導体(9)0.040質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.5質量部、DISPERBYK(登録商標)174(ビックケミー株式会社製、アミン部位を有しない分散剤)0.565質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズ22.0質量部を加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間半分散し、顔料分散体を得た。
顔料化例1で得たキノフタロン顔料0.660質量部をガラス瓶に入れ、上記キノフタロンスルホン酸誘導体(9)0.040質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.5質量部、DISPERBYK(登録商標)174(ビックケミー株式会社製、アミン部位を有しない分散剤)0.565質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズ22.0質量部を加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間半分散し、顔料分散体を得た。
実施例1−1〜1−4及び比較例1−1で得られた顔料分散体の20℃における粘度を、回転粘度計TVE−25L(東機産業株式会社製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
上記のとおり、アミン系分散剤を用いた実施例では、比較例1−1と比較して低粘度の顔料分散体が得られた。
[製造例1]
C.I.ピグメント グリーン59(DIC株式会社製)2.48質量部をガラス瓶に入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.9量部、BYK LPN−6919(ビックケミー株式会社製)1.24質量部、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)1.86質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズを加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、顔料分散体を得た。さらに、得られた顔料分散体4.00質量部、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)0.980質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.220質量部をガラス瓶に入れ、振とうさせることで緑色調色用組成物を作製した。
C.I.ピグメント グリーン59(DIC株式会社製)2.48質量部をガラス瓶に入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.9量部、BYK LPN−6919(ビックケミー株式会社製)1.24質量部、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)1.86質量部、0.3−0.4mmφセプルビーズを加え、ペイントシェーカー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、顔料分散体を得た。さらに、得られた顔料分散体4.00質量部、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)0.980質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.220質量部をガラス瓶に入れ、振とうさせることで緑色調色用組成物を作製した。
[実施例2−1]
実施例1−1で得られた顔料分散体4.00質量部、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)0.600質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.220質量部をガラス瓶に入れ、振とうさせることで黄色調色用組成物を作製した。
実施例1−1で得られた顔料分散体4.00質量部、アクリル樹脂溶液ユニディック(登録商標)ZL−295(DIC株式会社製)0.600質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.220質量部をガラス瓶に入れ、振とうさせることで黄色調色用組成物を作製した。
次いで、得られた黄色調色用組成物と製造例1で得られた緑色調色用組成物とを、43:57の割合で混合して、緑色調色用組成物を得た。
得られた緑色調色用組成物から形成されるカラーフィルタの特性を、以下の方法で測定した。結果を表2に示す。
[比較例2−1]
顔料分散体として比較例1−1の顔料分散体を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして緑色調色用組成物を調製した。得られた緑色調色用組成物から形成されるカラーフィルタの特性を、以下の方法で測定した。結果を表2に示す。
顔料分散体として比較例1−1の顔料分散体を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして緑色調色用組成物を調製した。得られた緑色調色用組成物から形成されるカラーフィルタの特性を、以下の方法で測定した。結果を表2に示す。
<カラーフィルタ特性試験>
実施例2−1の緑色調色用組成物を、スピンコーターによりガラス基板上に塗布した後、乾燥させ、230℃で1時間加熱して、C光源を用いた場合ときに所定の緑色色度を示す評価用サンプルを得た。なお、評価用サンプルの色度は分光光度計(株式会社日立ハイテクサイエンス製 U3900/3900H形)によって求められる値であり、緑色色度としては特開2011−128181号公報で使用されている(0.240,0.650)を用いた。得られた評価用サンプルにおける輝度Yを、分光光度計(株式会社日立ハイテクサイエンス製 U3900/3900H形)によって測定した。また、得られた評価用サンプルについて、ガラス基板上に形成された着色膜の厚さを、膜厚計(株式会社日立ハイテクサイエンス製 VS1330 走査型白色干渉顕微鏡)によって測定した。なお、膜厚が薄いほど高着色力であるといえる。結果を表2に示す。
実施例2−1の緑色調色用組成物を、スピンコーターによりガラス基板上に塗布した後、乾燥させ、230℃で1時間加熱して、C光源を用いた場合ときに所定の緑色色度を示す評価用サンプルを得た。なお、評価用サンプルの色度は分光光度計(株式会社日立ハイテクサイエンス製 U3900/3900H形)によって求められる値であり、緑色色度としては特開2011−128181号公報で使用されている(0.240,0.650)を用いた。得られた評価用サンプルにおける輝度Yを、分光光度計(株式会社日立ハイテクサイエンス製 U3900/3900H形)によって測定した。また、得られた評価用サンプルについて、ガラス基板上に形成された着色膜の厚さを、膜厚計(株式会社日立ハイテクサイエンス製 VS1330 走査型白色干渉顕微鏡)によって測定した。なお、膜厚が薄いほど高着色力であるといえる。結果を表2に示す。
上記の結果から、特定のキノフタロン化合物及びアミン系分散剤を用いた実施例では、低粘度の顔料分散体を形成でき、且つ、キノフタロン化合物に由来する良好な色特性が得られることが確認された。
Claims (4)
- 前記分散剤のアミン価が、20〜180mgKOH/gである、請求項1に記載の着色組成物。
- 前記画素部が、請求項1又は2に記載の着色組成物で調色された画素部である、請求項3に記載のカラーフィルタ。
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WO2022130773A1 (ja) | 2020-12-17 | 2022-06-23 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ |
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