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JP2020012817A - 分析方法及び分析システム - Google Patents

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Abstract

【課題】試料の分析精度に優れる分析方法を提供する。【解決手段】キャピラリー流路、及び前記キャピラリー流路に接続する試料貯留部を備え、電気泳動用の第1の液体が前記キャピラリー流路に充填され、かつ試料を含む第2の液体が前記試料貯留部に貯留されたマイクロチップを用い、前記キャピラリー流路の前記試料貯留部と接続する側とは反対側から前記キャピラリー流路内に前記第1の液体を加圧する加圧工程と、前記加圧工程の後に、前記第2の液体が貯留された前記試料貯留部及び前記第1の液体が充填された前記キャピラリー流路内に電圧を印加することにより、前記第2の液体に含まれる前記試料中の成分が前記キャピラリー流路内を移動し、前記キャピラリー流路内にて前記成分を分離する分離工程と、を含む分析方法。【選択図】なし

Description

本発明は、分析方法及び分析システムに関する。
臨床検査の分野において、従来よりキャピラリー電気泳動法による検体分析が行われている。また、近年では装置の小型化・簡略化のために、マイクロチップを用いた電気泳動法による検体分析が行われている。例えば、このマイクロチップは、キャピラリー管、各種液体を保持する保持槽等を備えている。
例えば、ヘモグロビン等の血中タンパク質をマイクロチップを用いて電気泳動法により分析する場合、キャピラリー管に光を照射し、キャピラリー管を透過した光を検出してキャピラリー管内を移動する試料を分析している。また、試料の分析精度を高める点から、キャピラリー管に泳動液を充填し、かつキャピラリー管に接続する導入槽に試料を導入した後、導入槽中において試料を流動させることにより、キャピラリー管と導入槽との接続部にせん断流を生じさせて接続部に試料と泳動液との界面を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−057289号公報
例えば、キャピラリー管に泳動液を充填し、かつキャピラリー管に接続する導入槽に試料を導入したとき、導入槽に導入された試料の一部がキャピラリー管内に移動してしまい、試料と泳動液との界面が上手く形成されない場合がある。このとき、電気泳動により試料の分析を行うと、試料の分析精度が悪化するおそれがある。
本発明は、試料の分析精度に優れる分析方法及び分析システムを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するための具体的な手段は、例えば以下の通りである。
<1> キャピラリー流路、及び前記キャピラリー流路に接続する試料貯留部を備え、電気泳動用の第1の液体が前記キャピラリー流路に充填され、かつ試料を含む第2の液体が前記試料貯留部に貯留されたマイクロチップを用い、前記キャピラリー流路の前記試料貯留部と接続する側とは反対側から前記キャピラリー流路内に前記第1の液体を加圧する加圧工程と、前記加圧工程の後に、前記第2の液体が貯留された前記試料貯留部及び前記第1の液体が充填された前記キャピラリー流路内に電圧を印加することにより、前記第2の液体に含まれる前記試料中の成分が前記キャピラリー流路内を移動し、前記キャピラリー流路内にて前記成分を分離する分離工程と、を含む分析方法。
<2> 前記加圧工程の前に、前記試料貯留部及び前記キャピラリー流路内に電圧を印加し、前記第1の液体が充填された前記キャピラリー流路と前記第2の液体が貯留された前記試料貯留部とが導通していることを確認する確認工程を更に含み、前記確認工程では、前記第2の液体に含まれる前記試料中の成分が前記キャピラリー流路内を移動する、<1>に記載の分析方法。
<3> 前記第1の液体を前記キャピラリー流路に充填する充填工程と、前記充填工程の後かつ前記加圧工程の前に、前記第2の液体を前記試料貯留部に供給する供給工程と、を更に含む<1>又は<2>に記載の分析方法。
<4> 前記加圧工程では、前記第1の液体を前記キャピラリー流路内に加圧することにより、前記キャピラリー流路と前記試料貯留部との接続部に前記第1の液体と前記第2の液体との界面を形成する<1>〜<3>のいずれか1つに記載の分析方法。
<5> 前記加圧工程の後かつ前記分離工程の前に、所定時間待機する待機工程を更に含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載の分析方法。
<6> キャピラリー流路、及び前記キャピラリー流路に接続する試料貯留部を備えるマイクロチップが配置される配置部と、前記配置部に配置された前記マイクロチップにおける前記キャピラリー流路内に電気泳動用の第1の液体を充填する充填手段と、前記配置部に配置された前記マイクロチップにおける前記試料貯留部に試料を含む第2の液体を供給する供給手段と、前記充填手段による前記第1の液体の充填後かつ前記供給手段による前記第2の液体の供給後に行われる、前記キャピラリー流路の前記試料貯留部と接続する側とは反対側から前記キャピラリー流路内への前記第1の液体の加圧、を制御する制御部と、前記キャピラリー流路内に前記第1の液体を加圧した後に、前記第2の液体が貯留された前記試料貯留部及び前記第1の液体が充填された前記キャピラリー流路内に電圧を印加することにより、前記第2の液体に含まれる前記試料中の成分が前記キャピラリー流路内を移動し、前記キャピラリー流路内にて前記成分を分離する分離手段と、を備える分析システム。
本発明の一態様によれば、試料の分析精度に優れる分析方法及び分析システムを提供することができる。
本発明の一態様の分析方法及び分析システムにて用いるマイクロチップの概略構成図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のC'−C'線断面図である。 本発明の一態様の分析システムにて用いるマイクロチップの概略構成図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のIII−III線断面図、(c)は(a)のIV−IV線断面図である。 本発明の一態様の分析システムの概略構成を示す断面図である。 本発明の一形態の分析方法を示すフローチャートである。 本発明の一形態の分析方法の変形例を示すフローチャートである。 マイクロチップを用いて電気泳動を行った結果を示すグラフである。
以下、本発明の一態様の分析方法及び分析システムについて説明する。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
〔分析方法〕
本発明の一態様の分析方法は、キャピラリー流路、及び前記キャピラリー流路に接続する試料貯留部を備え、電気泳動用の第1の液体が前記キャピラリー流路に充填され、かつ試料を含む第2の液体が前記試料貯留部に貯留されたマイクロチップを用い、前記キャピラリー流路の前記試料貯留部と接続する側とは反対側から前記キャピラリー流路内に前記第1の液体を加圧する加圧工程と、前記加圧工程の後に、前記第2の液体が貯留された前記試料貯留部及び前記第1の液体が充填された前記キャピラリー流路内に電圧を印加することにより、前記第2の液体に含まれる前記試料中の成分が前記キャピラリー流路内を移動し、前記キャピラリー流路内にて前記成分を分離する分離工程と、を含む。
マイクロチップを用いた電気泳動法にて試料中の成分を分析する場合、安定的な測定動作を実現する点から、試料貯留部からキャピラリー流路における試料貯留部と接続する側とは反対側までの導通を電圧印加により確認することが考えられる。しかし、電圧印加により導通を確認する際、キャピラリー流路内にて電気泳動が必然的に実施されてしまい、その後、電圧印加が停止する所定時間の間に、泳動液である第1の液体と試料を含む第2の液体との界面が混合し、ぼやけてしまう現象が発生する。そして、導通確認してから所定の時間が経過した後に電気泳動により試料の分析を行うことになるため、分析対象の成分が好適に分離されず、他の成分と分けて精度よく検出することができない、成分比率を精度よく算出できない等の問題が生じ、試料の分析精度が悪化する場合がある。
また、キャピラリー流路に第1の液体を充填し、次いでキャピラリー流路に接続する試料貯留部に試料を含む第2の液体を供給したとき、第2の液体を供給する勢い、第2の液体の方向性等が原因で、試料貯留部に貯留された第2の液体の一部がキャピラリー流路内に移動してしまい、第1の液体と第2の液体との界面が上手く形成されないおそれがある。このとき、電気泳動により試料の分析を行うと、前述のように試料の分析精度が悪化する場合がある。
一方、本態様の分析方法では、第1の液体がキャピラリー流路に充填され、かつ試料を含む第2の液体が試料貯留部に貯留されたマイクロチップを用い、キャピラリー流路内の第1の液体を加圧する加圧工程を行い、加圧工程の後にキャピラリー流路内にて成分を分離する分離工程を行う。これにより、本態様の分析方法では、試料の分析精度に優れる。この理由は、キャピラリー流路内の第1の液体を加圧することにより、キャピラリー流路内に移動した第2の液体を試料貯留部側に逆送し、キャピラリー流路と試料貯留部との接続部に第1の液体と試料を含む第2の液体との界面を形成することができ、界面が形成された状態にて電圧を印加することにより、精度よく試料を分析できるためであると考えられる。また、本態様の分析方法を採用することにより、前述のように導通を電圧印加により確認した場合であっても試料の分析精度に優れており、簡便な導通確認方法と、試料の分析精度とを両立することができる。
なお、本開示の分析方法では、キャピラリー流路内の第1の液体を試料貯留部側に逆送せずにキャピラリー流路内に移動した第2の液体のみを試料貯留部側に逆送することが精度管理上困難な場合がある。この場合、第2の液体と境界部付近の第1の液体も同時に試料貯留部側に逆送することになるが、試料貯留部の容積に対して、キャピラリー流路の容積は非常に小さいため、ごく少量の第1の液体が試料貯留部に移動する。試料貯留部に移動したごく少量の第1の液体は、試料貯留部に存在する大量の第2の液体によって希釈される。更に、キャピラリー流路の容積は非常に小さく、また、加圧によるキャピラリー流路から試料貯留部への流体の流れが残存しているため、試料貯留部に存在する第2の液体がキャピラリー流路に移動することはなく、試料貯留部とキャピラリー流路との接続部において、第1の液体と第2の液体との界面をキャピラリー流路の開口部に形成することができる。
本態様の分析方法で用いるマイクロチップは、キャピラリー電気泳動による試料中の物質(好ましくは生物由来物質)の分析に用いられる。
本態様の分析方法で用いる試料としては、生体由来の検体、環境由来の検体、金属、化学物質、医薬品等が挙げられる。前記生体由来の検体は、特に制限されず、例えば、尿、血液、毛髪、唾液、汗、爪等が挙げられる。前記血液検体は、例えば、赤血球、全血、血清、血漿等が挙げられる。前記生体は、例えば、ヒト、非ヒト動物、植物等が挙げられ、前記非ヒト動物は、例えば、ヒト以外の哺乳類、両生爬虫類、魚介類、昆虫類等が挙げられる。前記環境由来の検体は、特に制限されず、例えば、食品、水、土壌、大気、空気等が挙げられる。前記食品は、例えば、生鮮食品、加工食品等が挙げられる。前記水は、例えば、飲料水、地下水、河川水、海水、生活排水等が挙げられる。試料としては、人体等から採取された血液であることが好ましい。
また、試料中に含まれ、かつ本態様の分析方法の分析対象となる成分(以下、「試料中に含まれる成分」とも称する)としては、生物由来物質が好ましい。また、生物由来物質の中でもヘモグロビンが好ましい。
より具体的には、試料としては血液であり、かつ、試料中に含まれる成分としては生物由来物質が好ましく、試料としては血液であり、かつ、試料中に含まれる成分としてはヘモグロビンがより好ましい。
また、試料を、例えば、後述する希釈液に懸濁、分散又は溶解して希釈したものを第2の液体として用いてもよい。
血液に含まれ、かつ本態様の分析方法の分析対象となる成分としては、ヘモグロビン(Hb)、アルブミン(Alb)、グロブリン(α1、α2、β、γグロブリン)、フィブリノーゲン等が挙げられる。ヘモグロビンとしては、例えば、正常ヘモグロビン(HbA0)、糖化ヘモグロビン、修飾ヘモグロビン、胎児ヘモグロビン(HbF))、変異ヘモグロビン等が挙げられる。糖化ヘモグロビンとしては、例えば、ヘモグロビンA1a(HbA1a)、ヘモグロビンA1b(HbA1b)、ヘモグロビンA1c(HbA1c)、ヘモグロビンA1d1(HbA1d1)、ヘモグロビンA1d2(HbA1d2)、ヘモグロビンA1d3(HbA1d3)、ヘモグロビンA1e(HbA1e)、GHbLys等が挙げられる。ヘモグロビンA1cとしては、例えば、安定型HbA1c(S−HbA1c)、不安定型HbA1c(L−HbA1c)等が挙げられる。修飾ヘモグロビンとしては、例えば、カルバミル化Hb、アセチル化Hb等が挙げられる。変異ヘモグロビンとしては、ヘモグロビンC(HbC)、ヘモグロビンD(HbD)、ヘモグロビンE(HbE)、ヘモグロビンS(HbS)等が挙げられる。
本態様の分析方法にて用いるマイクロチップについて図1を用いて説明する。図1は、本発明の一態様の分析方法にて用いるマイクロチップの概略構成図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のC'−C'線断面図である。図1に示すように、マイクロチップ100は、試料貯留部1、泳動液貯留部3、キャピラリー流路2及び検出部4を備えている。マイクロチップ100は、例えば、略長矩形状の板状部材である一対の基材を接合することにより、製造してもよい。より具体的には、試料貯留部1及び泳動液貯留部3に対応する貫通孔を有する基材と、キャピラリー流路2に対応する微細な溝を有する基材と、を溝の両端がそれぞれ2つの貫通孔の一部と対面するように接合してマイクロチップ100を製造すればよい。
マイクロチップを構成する基材の材質としては、ガラス、溶融シリカ、樹脂等が挙げられ、コスト、加工のしやすさ、及びカチオン性のポリマーの固定化のし易さの点から、樹脂が好ましい。樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、環状ポリオレフィン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シクロオレフィン、ポリプロピレン、及びポリエチレン等が挙げられ、光透過性に優れる点から、ポリメタクリル酸メチルが好ましい。
本態様の分析方法にて用いるマイクロチップとしては、再利用しないディスポーザブルタイプの分析チップであってもよい。
試料貯留部1は、開口部から生物由来物質等の成分を含む第2の液体が供給され、供給された第2の液体を貯留するための槽である。試料貯留部1は、キャピラリー流路2の端部と接続しており、より具体的には、キャピラリー流路2の泳動液貯留部3側とは反対側の端部と接続している。
第2の液体としては、前述の試料を含む液体であればよく、試料そのものであってもよく、試料を希釈液にて希釈したものであってもよい。
希釈液の主剤は特に限定されず、水、生理食塩水が挙げられ、好ましい例として後述する電気泳動用の第1の液体に含まれ得る物質が希釈液に添加されていてもよい。また、希釈液は、例えば、主剤に、陰極性基含有化合物が添加されたものであってもよい。陰極性基含有化合物としては、例えば、陰極性基含有多糖類が挙げられ、より具体的には、硫酸化多糖類、カルボン酸化多糖類、スルホン酸化多糖類、リン酸化多糖類等が挙げられる。カルボン酸化多糖類としては、アルギン酸及びその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)が好ましい。硫酸化多糖類としては、例えば、コンドロイチン硫酸が好ましい。コンドロイチン硫酸は、A、B、C、D、E、H、Kの七種類があり、いずれを用いてもよい。陰極性基含有化合物(コンドロイチン硫酸)の濃度は、例えば、0.01質量%〜5質量%の範囲であることが好ましい。
泳動液貯留部3は、開口部から電気泳動用の第1の液体が供給され、供給された第1の液体を貯留するための槽である。泳動液貯留部3は、キャピラリー流路2の端部と接続しており、より具体的には、キャピラリー流路2の試料貯留部1側とは反対側の端部と接続している。また、泳動液貯留部3に貯留された第1の液体は、加圧により、キャピラリー流路2内に充填される構成となっている。
電気泳動に用いる泳動液である第1の液体は、泳動液貯留部3に開口部から供給され、キャピラリー流路2内に充填されることにより、電気泳動における電気浸透流を生じさせる媒体である。第1の液体は、水、生理食塩水等を含む。第1の液体は、酸を含むことが好ましい。酸としては、例えば、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、こはく酸、フマル酸、フタル酸、マロン酸、リンゴ酸が挙げられる。また、第1の液体は、弱塩基を含むことが好ましい。弱塩基としては、例えば、アルギニン、リジン、ヒスチジン、トリス等が挙げられる。第1の液体のpHは、例えば、pH4.5〜6の範囲であることが好ましい。第1の液体のバッファーとしては、MES、ADA、ACES、BES、MOPS、TES、HEPES等が挙げられる。また、第1の液体にも、希釈液の説明で述べた陰極性基含有化合物が添加されてもよい。陰極性基含有化合物(コンドロイチン硫酸等)の濃度は、例えば、0.01質量%〜5質量%の範囲であることが好ましい。
キャピラリー流路2は、試料貯留部1と泳動液貯留部3とを接続し、試料貯留部1に供給された第2の液体中の成分を分析するための流路であり、より具体的には電気泳動による分析対象の分析を行うキャピラリー管である。
キャピラリー流路2のサイズは特に限定されず、例えば、深さが25μm〜100μm、幅が25μm〜100μm及び長さが5mm〜150mmであることが好ましい。
キャピラリー流路2は、分析性能を高める点から、壁面に電荷、例えば正電荷が付与されていてもよい。正電荷を付与する方法としては、特に限定されず、前述の一対の基材を接合する前に、前述の一対の基材におけるキャピラリー流路2に対応する領域にカチオン性のポリマーを固定化させればよい。
検出部4は、マイクロチップ100について電気泳動による分析を行う際、分析に供される光を入射及び出射するためのものであり、例えば、吸光度測定に用いられる。検出部4は、キャピラリー流路2の少なくとも一部と対面する位置に形成されている。検出部4の位置は、キャピラリー流路2の長さ等に応じて適宜決定すればよい。
以下、前述のマイクロチップ100を用いた本態様の分析方法の各工程について、図4を用いて説明する。なお、本発明の分析方法は、以下の全ての工程を含むものに限定されない。
(充填工程)
本態様の分析方法は、前述のマイクロチップ100を用い、キャピラリー流路2内に第1の液体を充填する充填工程(S1)を含む。充填工程(S1)では、例えば、泳動液貯留部3に第1の液体を供給し、泳動液貯留部3に貯留された第1の液体を加圧してキャピラリー流路2内に第1の液体を供給して充填してもよい。
(供給工程)
本態様の分析方法は、充填工程(S1)の後に、第2の液体を試料貯留部1に供給する供給工程(S2)を含む。なお、本発明の分析方法では、第2の液体を試料貯留部に供給する供給工程の後に、キャピラリー流路内に第1の液体を充填する充填工程を行ってもよい。
(確認工程)
本態様の分析方法は、供給工程(S2)の後に、試料貯留部1及びキャピラリー流路2内に電圧を印加し、第1の液体が充填されたキャピラリー流路2と第2の液体が貯留された試料貯留部1とが導通していることを確認する確認工程(S3)を含む。確認工程(S3)では、第2の液体に含まれる試料中の成分がキャピラリー流路2内に移動する。
例えば、確認工程(S3)では、試料貯留部1に貯留された第2の液体に陽極を接触させ、泳動液貯留部3に貯留された第1の液体に陰極を接触させて電圧を印加してもよい。印加する電圧としては、特に限定されず、例えば、0.5kV〜20kVであってもよく、0.5kV〜10kVであってもよく、0.5kV〜5kVであってもよい。また、前述の数値範囲内の電圧を印加したときに所定の電流(例えば、5μA以上)が流れたことが確認された時点にて、確認工程(S3)を終了してもよい。
また、確認工程(S3)では、試料貯留部1に貯留された第2の液体に陰極を接触させ、泳動液貯留部3に貯留された第1の液体に陽極を接触させて電圧を印加してもよく、これにより、第2の液体に含まれる試料中の成分がキャピラリー流路2内に移動する構成としてもよい。この場合、第1の液体及び第2の液体として、カチオン性ポリマーを含むアルカリ性溶液を用いることが好ましい。カチオン性ポリマーを含むアルカリ性溶液としては、例えば、特許6052927号に記載されているカチオン性ポリマーを含むアルカリ性溶液を用いることができる。
また、確認工程(S3)の後、後述のように、ポンプを用いた吐出及び吸引の少なくとも一方を1回行う、あるいは、ポンプを用いた吐出及び吸引を繰り返すことにより、試料貯留部に貯留された第2の液体を流動させてもよい。
(加圧工程)
本態様の分析方法は、確認工程(S3)の後に、キャピラリー流路2の試料貯留部1と接続する側とは反対側からキャピラリー流路2内の第1の液体を加圧する加圧工程(S4)を含む。例えば、加圧工程(S4)では、キャピラリー流路2の試料貯留部1と接続する側とは反対側からキャピラリー流路2内の第1の液体を加圧すればよく、より具体的には、泳動液貯留部3に貯留された第1の液体を加圧してキャピラリー流路2内に第1の液体を再供給してもよい。泳動液貯留部3に貯留された第1の液体を加圧する条件としては、前述の確認工程における電圧印加条件、キャピラリー流路2のサイズ等によって適宜調整すればよく、例えば、1kPa〜20kPaにて0.1秒〜5秒加圧してもよい。加圧方法としては、空気圧により第1の液体を加圧してキャピラリー流路2内に送り込み、キャピラリー流路2内に移動した第2の液体を試料貯留部1側に逆送する方式であってもよい。
(分離工程)
次に、本態様の分析方法は、加圧工程(S4)の後、第2の液体が貯留された試料貯留部1及び第1の液体が充填されたキャピラリー流路2内に電圧を印加することにより、第2の液体に含まれる試料中の成分がキャピラリー流路2内を移動し、キャピラリー流路2内にて前述の成分を分離する分離工程(S5)を含む。
例えば、分離工程(S5)では、試料貯留部1に貯留された第2の液体に陽極を接触させ、泳動液貯留部3に貯留された第1の液体に陰極を接触させて電圧を印加してもよい。これにより、キャピラリー流路2内に電気浸透流が生じ、試料貯留部1からキャピラリー流路2へ第2の液体が導入され、第2の液体が試料貯留部1から泳動液貯留部3に向かって移動する際、第2の液体中の成分が分離される。印加する電圧としては、例えば、0.5kV〜20kVであることが好ましく、0.5kV〜10kVであることがより好ましく、0.5kV〜5kVであることが更に好ましい。なお、前述のように、試料貯留部1に貯留された第2の液体に陰極を接触させ、泳動液貯留部3に貯留された第1の液体に陽極を接触させて電圧を印加してもよく、この場合、第1の液体及び第2の液体として、カチオン性ポリマーを含むアルカリ性溶液を用いることが好ましい。
(検出工程)
本態様の分析方法は、キャピラリー流路内にて分離された成分を検出する検出工程を含んでいてもよい。例えば、分離された成分の検出を吸光度測定等の光学的手法により行ってもよく、検出部4から光を照射して吸光度を測定することにより行ってもよい。また、測定した吸光度から単位時間あたりの吸光度変化量を求めてもよい。
第2の液体に含まれる試料中の成分がヘモグロビンの場合、例えば、波長415nmの吸光度の測定を行うことが好ましい。また、吸光度の測定を行って得られたエレクトロフェログラムのピーク高さ、ピークの面積等を計算することにより、第2の液体中の成分比率等を求めてもよい。
[変形例]
本態様の分析方法の変形例について説明する。変形例の分析方法は、加圧工程の後かつ分離工程の前に、所定時間待機する待機工程を含む点で、前述の本態様の分析方法と相違する。以下、前述の本態様の分析方法との相違点のみを説明する。
確認工程(S3)の電圧印加条件、キャピラリー流路2のサイズ等に基づいて、加圧工程(S4)では、理論的に求められるキャピラリー流路2内に移動した第2の液体のみを試料貯留部1に逆送することが望ましい。しかし、マイクロチップ100の固体差、環境温度等の条件が原因で、キャピラリー流路2内に移動した第2の液体のみを試料貯留部1に精度よく逆送することは困難である。そのため、加圧工程(S4)では、第2の液体と境界部付近の第1の液体も同時に試料貯留部1側に逆送することが好ましい。試料貯留部1の容積に対して、キャピラリー流路2の容積は非常に小さいため、ごく少量の第1の液体が試料貯留部1に移動する。試料貯留部1に移動したごく少量の第1の液体は、試料貯留部1に存在する大量の第2の液体によって希釈される。更に、キャピラリー流路2の容積は非常に小さく、また、加圧によるキャピラリー流路2から試料貯留部1への流体の流れが残存しているため、試料貯留部1に存在する第2の液体がキャピラリー流路2に移動することはなく、試料貯留部1とキャピラリー流路2との接続部において、第1の液体と第2の液体との界面をキャピラリー流路2の開口部に形成することができる。
加圧工程(S4)では、第2の液体と境界部付近の第1の液体も同時に試料貯留部1側に逆送する場合、境界部付近の第1の液体を試料貯留部1側に逆送する程度は後述する待機工程(S5)における待機時間によっても変動する。例えば、境界部付近の第1の液体を試料貯留部1側に比較的多く逆送する場合、待機時間が長めに確保することが好ましい。
(待機工程)
本態様の分析方法は、加圧工程(S4)の後かつ後述の分離工程(S6)の前に所定時間待機する待機工程(S5)を含む。待機時間は、例えば、0.1秒〜10秒であることが好ましく、0.2秒〜3秒であることがより好ましい。これにより、試料貯留部1側に第1の液体が移動したとしても、試料貯留部1に存在する大量の第2の液体によって希釈され、第1の液体と第2の液体との界面が、試料貯留部1とキャピラリー流路2との接続部において、キャピラリー流路の開口部に形成することができる。なお、試料貯留部1からキャピラリー流路2に第2の液体が再び流れ込んでしまう現象が発生する可能性があるため、待機時間はこの現象が発生するより短い時間とすることが好ましい。
加圧工程(S4)にて試料貯留部1に逆送される第1の液体の容量は、待機工程(S5)における待機時間の経過後に試料貯留部1内の第2の液体に希釈される程度の量であることが好ましい。例えば、供給工程(S2)にて試料貯留部1に供給された第2の液体の量に対する加圧工程(S4)にて試料貯留部1に逆送される液体(第1の液体及び第2の液体)の合計量の体積比率(逆送される液体の合計量/試料貯留部1に供給された第2の液体の量)が、0.0001〜0.1であればよい。あるいは、キャピラリー流路2の容積に対する加圧工程(S4)にて試料貯留部1に逆送される液体の合計量の体積比率(逆送される液体の合計量/キャピラリー流路2の容積)が、0.1〜100であればよい。
(分離工程)
次に、変形例の分析方法は、待機工程(S5)の後、分離工程(S6)を含む。分離工程(S6)は、前述の分離工程(S5)と同様であるため、その説明を省略する。
〔キット〕
なお、本態様にて用いるマイクロチップは、分析用の液体を貯留するカートリッジと組み合わせてキットとしてもよい。上記キットとしては、例えば、本態様にて用いるマイクロチップと、希釈液及び第1の液体をそれぞれ貯留するカートリッジと、を備えていてもよい。
〔分析システム〕
また、本態様の分析システムは、キャピラリー流路、及び前記キャピラリー流路に接続する試料貯留部を備えるマイクロチップが配置される配置部と、前記配置部に配置された前記マイクロチップにおける前記キャピラリー流路内に電気泳動用の第1の液体を充填する充填手段と、前記配置部に配置された前記マイクロチップにおける前記試料貯留部に試料を含む第2の液体を供給する供給手段と、前記充填手段による前記第1の液体の充填後かつ前記供給手段による前記第2の液体の供給後に行われる、前記キャピラリー流路の前記試料貯留部と接続する側とは反対側から前記キャピラリー流路内への前記第1の液体の加圧、を制御する制御部と、前記キャピラリー流路内に前記第1の液体を加圧した後に、前記第2の液体が貯留された前記試料貯留部及び前記第1の液体が充填された前記キャピラリー流路内に電圧を印加することにより、前記第2の液体に含まれる前記試料中の成分が前記キャピラリー流路内を移動し、前記キャピラリー流路内にて前記成分を分離する分離手段と、を備える。本態様の分析システムは、前述の本態様の分析方法を行うために用いられる分析システムの一形態であり、試料の分析精度に優れる。
本態様の分析システムは、前述のマイクロチップが取り付けられる配置部を備える。配置部に取り付けられたマイクロチップは、例えば、試料貯留部、試料貯留部に接続するキャピラリー流路等を備える。マイクロチップは、試料貯留部とは反対側にてキャピラリー流路と接続する泳動液貯留部を備えていてもよい。充填手段により第1の液体がキャピラリー流路内に充填される。泳動液貯留部を備えるマイクロチップを用いた場合、充填手段により泳動液貯留部に電気泳動用の第1の液体が供給され、加圧により第1の液体がキャピラリー流路内に供給されて充填される。また、供給手段により試料貯留部に第2の液体が供給され、第2の液体が試料貯留部に貯留される。充填手段及び供給手段としては、例えば、後述するポンプであってもよい。
本態様の分析システムは、キャピラリー流路内に第1の液体が充填され、かつ試料貯留部に第2の液体が貯留されたマイクロチップにおいて、制御部によりキャピラリー流路内への第1の液体の加圧を制御する。これにより、前述の分析方法と同様、第1の液体と第2の液体との界面を形成することができ、界面が形成された状態にて電圧を印加することにより、精度よく試料を分析できる。なお、キャピラリー流路内への第1の液体の加圧を行う方法としては、空気圧により第1の液体を加圧してキャピラリー流路内に送り込み、キャピラリー流路内に移動した第2の液体を試料貯留部1側に逆送する方式であってもよい。また、充填手段は、第1の液体を加圧してキャピラリー流路内に供給して充填させる構成と、第1の液体を加圧してキャピラリー流路内に再供給する構成とを兼ねていてもよい。あるいは、充填手段とは別の加圧手段により、第1の液体を加圧してキャピラリー流路内に再供給する構成であってもよい。
また、本態様の分析システムは、分離手段により、前記キャピラリー流路内に前記第1の液体を加圧した後に、第2の液体が貯留された試料貯留部及び第1の液体が充填されたキャピラリー流路内に電圧を印加することで、第2の液体に含まれる試料中の成分がキャピラリー流路内を移動し、キャピラリー流路内にて成分を分離する。分離手段としては、キャピラリー流路内に所定の電圧を印加するものであり、例えば、試料貯留部に挿入される陽極、泳動液貯留部に挿入される陰極、並びに陽極及び陰極に電圧を印加する電圧印加手段が挙げられる。
また、本態様の分析システムは、充填手段による第1の液体の充填後かつ供給手段による第2の液体の供給後にてキャピラリー流路内の第1の液体を加圧する前に、第1の液体が充填されたキャピラリー流路と第2の液体が貯留された試料貯留部とが導通していることを確認する確認手段を備えていてもよい。前述の電圧印加手段は、確認手段を兼ねていてもよい。
本態様の分析システムは、分離された前述の成分を検出する検出手段を備えていてもよい。検出手段は、例えば、分離された前述の成分を吸光度測定等の光学的手法により行うものであってもよい。検出手段としては、例えば、発光部及び測定部であってもよい。
発光部は、例えば、吸光度測定するための光を発し、マイクロチップの検出部に光を照射する部位である。発光部は、例えば、所定の波長域の光を出射するLEDチップ、光学フィルタ、レンズ等を備える。また、発光部は、スリットを備えていてもよい。
測定部は、例えば、マイクロチップの検出部に照射された光を受光し、吸光度を測定する部位である。測定部は、例えば、フォトダイオード、フォトIC等を備える。
更に、本態様の分析システムは、希釈液槽、泳動液槽、ポンプ等を備えていてもよい。また、制御部により、充填手段、供給手段、電圧印加手段等の分離手段、発光部及び測定部等の検出手段などが制御される構成であってもよい。また、制御部は、充填手段又は加圧手段を制御して第1の液体を加圧してキャピラリー流路内に再供給した後、前述の所定時間待機してから分離手段を制御して第2の液体に含まれる試料中の成分をキャピラリー流路内に移動させ、キャピラリー流路内にて成分を分離してもよい。
希釈液槽は、例えば、試料を希釈する希釈液を貯留する槽である。例えば、希釈液槽から供給される希釈液と、試料とを混合槽にて混合した後、試料を希釈した液体(第2の液体)を試料貯留部に供給してもよい。この場合、本態様の分析システムにて用いるマイクロチップは、希釈液槽から供給される希釈液と、分析対象を含む試料とを混合するための混合槽を備えていてもよい。
泳動液槽は、例えば、泳動液貯留部に供給される電気泳動用の第1の液体を貯留する槽である。
ポンプは、例えば、圧力付与により希釈液を混合槽に供給したり、あるいは、圧力付与により第1の液体を泳動液貯留部に供給し、かつ第1の液体をキャピラリー流路に充填したりするための部位である。ポンプにより、混合槽中の分析対象を含む試料を希釈した液体(第2の液体)を試料貯留部に供給してもよい。また、ポンプを用いた吐出及び吸引の少なくとも一方を1回行う、あるいは、ポンプを用いた吐出及び吸引を繰り返すことにより、試料貯留部に貯留された第2の液体を流動させてもよい。また、電圧印加手段等の確認手段により、第1の液体が充填されたキャピラリー流路と第2の液体が貯留された試料貯留部とが導通していることを確認した後、第2の液体を流動させてもよい。
混合槽を備え、かつ、試料貯留部に貯留された第2の液体を流動可能な構成を有するマイクロチップを図2に示す。図2に示すマイクロチップ200は、希釈液と、分析対象を含む試料とを混合するための混合槽5及び、2つの開口部を有し、第2の液体を流動可能な試料貯留部11を備える。試料貯留部11に貯留された第2の液体を流動させる場合、例えば、試料貯留部11に貯留された第2の液体を、ポンプを用いた吐出及び吸引の少なくとも一方を1回行ってもよく、あるいはポンプを用いた吐出及び吸引を繰り返すことにより、図2中のy方向に往復させてもよい。
ポンプを用いた吐出及び吸引を繰り返すことにより、試料貯留部11に貯留された第2の液体を流動させる場合、ポンプを強く空動作した後に、ポンプとマイクロチップ200の試料貯留部11とを接続し、試料貯留部11に貯留された第2の液体を流動させることが好ましい。これにより、ポンプ作動時の圧力が安定化しやすくなる。
制御部は、充填手段による第1の液体の充填後かつ供給手段による第2の液体の供給後にて、キャピラリー流路内への第1の液体の加圧を少なくとも制御するものであればよい。また、制御部は、分析システムにおける前述の各構成を制御するものであってもよく、例えば、分析システムにおける前述の各構成が図4に示す各工程をこの順番で行うように各構成を制御するものであってもよい。制御部は、例えば、CPU、メモリ、インターフェース等を具備する。
本態様の分析システムついて、図3を用いて説明する。図3は、本発明の一態様の分析システムの概略構成を示す断面図である。図3に示す分析システム300は、マイクロチップ200が取り付けられる配置部12と、陽極6と、陰極7と、ポンプ8と、制御部10と、フォトダイオード13と、LEDチップ14と、光学フィルタ15と、レンズ16、スリット17と、を備える。
陽極6は試料貯留部11に挿入され、かつ陰極7は泳動液貯留部3に挿入される。また、LEDチップ14はマイクロチップ200の検出部4に光を照射し、かつフォトダイオード13はマイクロチップ200の検出部4に照射された光を受光し、吸光度を測定する。
ポンプ8は、泳動液貯留部3に第1の液体を供給し、次いで加圧により第1の液体をキャピラリー流路2内に供給して充填し、また、電圧印加によりキャピラリー流路内にて成分を分離する前に加圧により第1の液体をキャピラリー流路2内に再供給する。
制御部10は、分析システム300における各構成を制御するものであり、例えば、充填手段8による第1の液体の充填及び再供給の制御、陽極6及び陰極7に印加される電圧の制御、LEDチップ14から出射される光の制御、フォトダイオード13にて受光した光に基づく吸光度測定等を行ってもよい。また、制御部10は、ポンプの吐出及び吸引の制御、希釈液、第2の液体等の供給、流動等の制御などを行うものであってもよい。また、制御部10は、充填手段8とは異なる加圧手段による第1の液体の加圧を制御する構成であってもよい。
以上、本発明の一態様に係る分析方法及び分析システムについて説明したが、本発明はこれらの態様に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施し得る。また、本発明の一態様に係る分析方法及び分析システムの項目にてそれぞれ説明した事項については、適宜組み合わせてもよい。
次に、本発明の一態様を以下の実施例に基づき説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<マイクロチップの準備>
本実施例では、各構成が以下の条件を満たすマイクロチップを準備した。なお、キャピラリー流路の内壁は、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDADMAC:Sigma社製)により被覆されている。
試料貯留部・・・容量20μL
泳動液貯留部・・・容量10μL
キャピラリー流路・・・深さ0.04mm×幅0.04mm×長さ30mm(試料貯留部側から20mmの箇所である検出部にて光学的検出を行う)
<第1の液体及び第2の液体の調製>
第1の液体として、40mMクエン酸、1.25%(w/v)コンドロイチン硫酸C−ナトリウム、0.1%(w/v)LS−110(花王株式会社製)、0.1%(w/v)アジ化ナトリウムを用いて調製し、ジメチルアミノエタノール(pH調整用)を用いてpH5.0としたものを用いた。
試料として、人体から採取された全血95μLを用いた。
希釈液として、40mMクエン酸、1.0%(w/v)コンドロイチン硫酸C−ナトリウム、500mM NDSB−201(Anatarace社製)、0.1%(w/v)LS−110(花王株式会社製)、0.1%(w/v)アジ化ナトリウムを用いて調製し、ジメチルアミノエタノール(pH調整用)を用いてpH6.0としたものを用いた。
試料を希釈液によって41倍に希釈し、第2の液体を調製した。
<キャピラリー電気泳動の実施>
以下の手順に従い、試料中のヘモグロビンの分析を行った。
1)マイクロチップを、アークレイ社製専用装置にセットした。
2)第1の液体をマイクロチップの泳動液貯留部に添加し、加圧によりキャピラリー流路内に第1の液体を供給して充填した。
3)第2の液体を試料貯留部へ添加した。
4)試料貯留部に陽極、泳動液貯留部に陰極を接触させ、約3000Vの電圧を印加し、5μA以上の電流が流れることを確認した。
5)ポンプを用いた吐出により、試料貯留部に貯留された第2の液体を流動させた。
6)6kPa、1秒間の条件にて泳動液貯留部に貯留された第1の液体を加圧し、キャピラリー流路内に第1の液体を再供給した。
7)試料貯留部に陽極、泳動液貯留部に陰極を接触させ、約1500V電圧及び70μA定電流制御にて電気泳動を開始した。
8)検出部にて415nmの吸光度を測定し、エレクトロフェログラムを得た。電気泳動は35秒間行った。
[実施例2]
前述の「<キャピラリー電気泳動の実施>の6)」にて10kPa、1秒間の条件にて泳動液貯留部に貯留された第1の液体を加圧し、キャピラリー流路内に第1の液体を再供給したこと以外は、実施例1と同様にして電気泳動を行った。
[比較例1]
前述の「<キャピラリー電気泳動の実施>の6)」を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして電気泳動を行った。
実施例1、2及び比較例1におけるキャピラリー電気泳動の結果は、図6に示すとおりである。なお、図6では、横軸は検出時間(秒)を表し、縦軸は吸光度変化量(mAbs/秒)を表す。図6の(a)及び(b)に示すように、実施例1及び実施例2のエレクトロフェログラムにおいては、分析成分であるS−HbA1c及びHbA1d1のピークが、互いに時間を隔てて、それぞれ個別かつ明瞭に現れていた。一方で、図6の(c)に示すように、比較例1のエレクトロフェログラムにおいては、分析成分であるS−HbA1c及びHbA1d1のピークが、個別かつ明瞭に現れていなかった。したがって、実施例1及び実施例2の分析方法は、比較例1の分析方法と比較して試料の分析精度に優れていた。
1、11 試料貯留部、2 キャピラリー流路、3 泳動液貯留部、4 検出部、5 混合槽、6 陽極、7 陰極、8 ポンプ(充填手段)、10 制御部、12 配置部、13 フォトダイオード(測定部)、14 LEDチップ(発光部)、15 光学フィルタ、16 レンズ、17 スリット、100、200 マイクロチップ、300 分析システム

Claims (6)

  1. キャピラリー流路、及び前記キャピラリー流路に接続する試料貯留部を備え、電気泳動用の第1の液体が前記キャピラリー流路に充填され、かつ試料を含む第2の液体が前記試料貯留部に貯留されたマイクロチップを用い、
    前記キャピラリー流路の前記試料貯留部と接続する側とは反対側から前記キャピラリー流路内に前記第1の液体を加圧する加圧工程と、
    前記加圧工程の後に、前記第2の液体が貯留された前記試料貯留部及び前記第1の液体が充填された前記キャピラリー流路内に電圧を印加することにより、前記第2の液体に含まれる前記試料中の成分が前記キャピラリー流路内を移動し、前記キャピラリー流路内にて前記成分を分離する分離工程と、
    を含む分析方法。
  2. 前記加圧工程の前に、前記試料貯留部及び前記キャピラリー流路内に電圧を印加し、前記第1の液体が充填された前記キャピラリー流路と前記第2の液体が貯留された前記試料貯留部とが導通していることを確認する確認工程を更に含み、
    前記確認工程では、前記第2の液体に含まれる前記試料中の成分が前記キャピラリー流路内を移動する、請求項1に記載の分析方法。
  3. 前記第1の液体を前記キャピラリー流路に充填する充填工程と、
    前記充填工程の後かつ前記加圧工程の前に、前記第2の液体を前記試料貯留部に供給する供給工程と、
    を更に含む請求項1又は請求項2に記載の分析方法。
  4. 前記加圧工程では、前記第1の液体を前記キャピラリー流路内に加圧することにより、前記キャピラリー流路と前記試料貯留部との接続部に前記第1の液体と前記第2の液体との界面を形成する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の分析方法。
  5. 前記加圧工程の後かつ前記分離工程の前に、所定時間待機する待機工程を更に含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の分析方法。
  6. キャピラリー流路、及び前記キャピラリー流路に接続する試料貯留部を備えるマイクロチップが配置される配置部と、
    前記配置部に配置された前記マイクロチップにおける前記キャピラリー流路内に電気泳動用の第1の液体を充填する充填手段と、
    前記配置部に配置された前記マイクロチップにおける前記試料貯留部に試料を含む第2の液体を供給する供給手段と、
    前記充填手段による前記第1の液体の充填後かつ前記供給手段による前記第2の液体の供給後に行われる、前記キャピラリー流路の前記試料貯留部と接続する側とは反対側から前記キャピラリー流路内への前記第1の液体の加圧、を制御する制御部と、
    前記キャピラリー流路内に前記第1の液体を加圧した後に、前記第2の液体が貯留された前記試料貯留部及び前記第1の液体が充填された前記キャピラリー流路内に電圧を印加することにより、前記第2の液体に含まれる前記試料中の成分が前記キャピラリー流路内を移動し、前記キャピラリー流路内にて前記成分を分離する分離手段と、
    を備える分析システム。
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