本出願は、2018年7月12日に出願された台湾特許出願第107124059号の利益を主張し、その一部の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図1から図32を参照すると、本発明によるウェビング高さ調節装置は、以下に示され、説明される複数の実施形態を有する。
図1から図3を参照すると、本発明のウェビング調節装置の第1実施形態1Aは、上リング部材10、ロックアセンブリ20A、及び位置決め部材30Aを有する。
図1から図4を参照すると、上リング部材10は、車両のシートの横の上方、又はシートの上方及び後方に固定されている。上リング部材10は側面、保持要素11、上リング12、及び保持孔111を有する。保持要素11は下端を有する。上リング12は、保持要素11の下端に接続されている。ウェビング2はシートの横に配置されるか、シートの上方及び後方で固定され、上リング12を通過する。保持孔111は保持要素11を貫通して形成されている。
図1から図4を参照すると、ロックアセンブリ20Aは、上リング部材10の側面の外側かつ前方に移動可能に配置されており、上リング12の両側の傍らにあるウェビング2の2つの部分に接続されている。ロックアセンブリ20Aは、フレーム21及び摺動部22を有する。フレーム21は、上リング部材10の側面の外側に配置されている。摺動部22はフレーム21内に移動可能に配置されている。ウェビング2は、フレーム21と摺動部22との間の相対運動によって、ロックまたはロック解除される。
図1から図3を参照すると、フレーム21は本体211及び接続部212を有する。本体211は、上リング部材10の側面の外側に配置されていて、下端、貫通孔2111、2つの横側面、及び2つの縦方向側部2112を有する。貫通孔2111は本体211を貫通して形成されている。縦方向側部2112は、本体211の2つの横側面に配置されている。接続部212は本体211の下端上に形成されていて、接続部212上に形成された接続孔2121を有する。接続部212はウェビング2の一部分と接続している。接続孔2121は非貫通孔(blind hole)またはスリットなどの形状の開孔(open hole)であってもよい。フレーム21は位置決め部24を有する。位置決め部24は本体211の上端上に形成されており、位置決め部24を貫通して形成された結合孔241を有する。
図1から図4を参照すると、摺動部22はフレーム21の本体211内に移動可能に配置されている。摺動部22は、ウェビング2の移動方向に沿ってフレーム21に対して移動可能である。摺動部22は2つの側面、第1プレート部221、第2プレート部222、及び貫通部223を有する。第1プレート部221は摺動部22の2つの側面の一方に配置されている。第2プレート部222は、摺動部22の2つの側面のもう一方に配置されていて、第1プレート部221に対向している。貫通部223は、第1プレート部221と第2プレート部222との間に形成されており、貫通溝224、2つの側壁225、及び2つのスライド溝226を有する。貫通溝224は貫通部223を貫通して形成されている。2つの側壁225は貫通溝224の両側にそれぞれに配置されている。2つの側壁225のそれぞれが、第1プレート部221及び第2プレート部222に接続されており、外面を有する。2つのスライド溝226は、2つの側壁225の外面上にそれぞれに形成されている。2つのスライド溝226のそれぞれが第1プレート部221と第2プレート部222との間に位置している。摺動部22の貫通部223は、本体211の貫通孔2111に挿入されている。摺動部22の第1プレート部221及び第2プレート部222は、フレーム21の2つの側面にそれぞれ位置している。本体211の2つの縦方向側部2112は、摺動部22内の貫通部223の2つのスライド溝226にそれぞれ挿入される。摺動部22の貫通部223は、本体211の貫通孔2111によって制限される。摺動部22は、フレーム21の本体211内に規定された制限範囲内で移動する。
図1から図4を参照すると、ウェビング2はフレーム21の接続部212の接続孔2121に直接挿通される。図5を参照すると、接続部212は接続ストラップ25と接続することができる。接続ストラップ25は接続要素26と接続している。ウェビング2は接続要素26に挿通される。フレーム21の接続部212は、直列に接続された接続ストラップ25と接続要素26とによって、ウェビング2に間接的に接続される。接続ストラップ25は、弾力性のあるストラップ、または弾力性のないストラップである。
図1から図3を参照すると、摺動部22において、摺動部22の第1プレート部221と第2プレート部222とは互いに上下にずれている。第1プレート部221は上面、下部、及び下端を有する。第2プレート部222は上面、上部、及び上端を有する。第2プレート部222の前方にある第1プレート部221の上面は、第2プレート部222の上面よりも高い。2つの側壁225のそれぞれは、第1プレート部221の下部の後面と第2プレート部222の上部の前面とに接続されている。貫通溝224は、第2プレート部222の上端から第1プレート部221の下端に向かって傾斜しており、2つの側壁225の間に位置している。第2プレート部222は、第2プレート部222の上面上に形成されている上フランジ227を有する。第1プレート部221は楔形突起228を有する。楔形突起228は第1プレート部221の下部の側面上に突出して形成されている。
図1から図3を参照すると、位置決め部材30Aは、上リング部材10の保持要素11の側面上に配置され、車両のシートの横及び上方で固定されており、選択的にロックアセンブリ20Aと係合する。位置決め部材30Aは、位置決め要素31及び結合部32を有する。位置決め要素31は、上リング部材10上に配置されており、位置決め要素31を貫通して形成された中心孔311を有する。位置決め要素31及び保持要素11を位置決めするために、ねじ要素6が、位置決め要素31及び上リング部材10の保持要素11に挿通されている。
結合部32は、位置決め要素31の下部の側面上に配置されており、ロックアセンブリ20Aを保持するために、フレーム21の位置決め部24の結合孔241に選択的に挿通される。ロックアセンブリ20Aは上リング部材10上に固定された位置決め部材30Aと係合することができる。ロックアセンブリ20Aは、位置決め部材30Aに対して揺動することができる。さらに、結合部32は突出ロッド321及び端ブロック322を有する。突出ロッド321は位置決め要素31の側面上に配置され、前端及び後端を有する。突出ロッド321の後端は、突出ロッド321の前端の反対側に位置し、位置決め要素31の側面に接続している。端ブロック322は、突出ロッド321の前端上に配置されている。端ブロック322の外径は、突出ロッド321の外径よりも大きい。端ブロック322は、位置決め部24の結合孔241に挿通することができる。
使用において、図4を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aは車両のシートベルトシステムに適用される。上リング部材10の保持要素11及び位置決め部材30Aは、ねじ要素6によって、車両のシートの横及び上方に、揺動可能に、かつ固定的に配置されている。ウェビング2は、シートの横に位置するリトラクタ3から引き出され、フレーム21の接続部212を通過する。図5を参照すると、接続部212は接続ストラップ25と接続することができる。接続ストラップ25は接続要素26と接続している。ウェビング2は接続要素26に挿通されている。次に、図4及び図5を参照すると、ウェビング2は、上リング部材10の上リング12、及びフレーム21内に位置する摺動部22の貫通溝224を通過する。ウェビング2は前部2A及び後部2Bを有する。ウェビング2の前部2Aは、上リング12とリトラクタ3との間に画定されている。ウェビング2の後部2Bは、ウェビング2の前部2Aと接続していて、上リング12、フレーム21、摺動部22、タング4、及びリトラクタ3を順次通過する。
図4及び図6を参照すると、乗員はシートに着座し、ウェビング2が乗員の胴体に当接するように締められている。後部2Bに接続されたタング4は、シートの横に位置するバックル5に挿入される。フレーム21と摺動部22との間の相対運動によって、ウェビング2の後部2Bはロックまたはロック解除される。ウェビング高さ調節装置1Aは、上リング部材10の近傍において、前部2Aと後部2Bとの間に位置決め摺動点を形成している。
図6及び図7を参照すると、第1実施形態において、乗員は、ウェビング2の位置決め点の高さ位置に位置するように、ウェビング高さ調節装置1Aを調節することができる。乗員は、ロックアセンブリ20Aのフレーム21または摺動部22を片手で把持することができる。ウェビング2の後部2Bのロックを解除するために、フレーム21と摺動部22との間の相対運動が生成される。連続的に調節しながら、フレーム21が上方に押されるか、又は摺動部20が下方に引っ張られる。ウェビング高さ調節装置1Aが適切な位置まで移動すると、ウェビング高さ調節装置1Aを放すことができる。ウェビング2の張力下で、フレーム21と摺動部22とは相対的に移動して後部2Bを固定し、ウェビング高さ調節装置1Aはウェビング2を自動的にロックするのに十分な摩擦を発生させる。タング4と上リング部材10との間の後部2Bは、ウェビング高さ調節装置1Aに対して動くことができない。
ウェビング高さ調節装置1Aの高さが上方又は下方に調節された後、乗員はロックアセンブリ20Aを放す。ウェビング2の張力下で、フレーム21と摺動部22とは相対的に移動して後部2Bを固定し、ウェビング高さ調節装置1Aは、ウェビング2を自動的にロックするのに十分な摩擦を発生させる。タング4と上リング部材10との間の後部2Bはウェビング高さ調節装置1Aに対して動くことができない。
ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aを使用していないとき、又はウェビング2の位置決め点の高さ位置を調節していないときは、図1及び図8を参照すると、フレーム21の位置決め部24は、上リング部材10の側面に位置する位置決め部材30Aの結合部32に掛合している。ロックアセンブリ20Aは位置決め部材30Aに対して揺動する。ロックアセンブリ20Aのフレーム21及び摺動部22は、ウェビング2に対してロック解除されている。ウェビング2は自由に引っ張ることができる。ウェビング2の擦れを防ぐために、ロックアセンブリ20Aは位置決め部材30Aに対して揺動する。
図9から図11を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第2実施形態1Bにおいて、ウェビング高さ調節装置1Bは、上リング部材10、ロックアセンブリ20B、及び位置決め部材30Bを有する。ウェビング高さ調節装置の第2実施形態1Bの構造は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aの構造とほぼ同じである。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1A及び第2実施形態1Bにおけるロックアセンブリ20A、20Bは、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1A及び第2実施形態1Bにおける上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30A、30Bに選択的に掛合する。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1A及び第2実施形態1Bの同一部分については本明細書では説明しない。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第2実施形態1Bとの間の相違点は、位置決め部材30A、30Bの形状にある。
図9から図11を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第2実施形態1Bにおいて、位置決め部材30Bは位置決め要素31及び結合部32を有する。位置決め要素31は、基部310、基部310を貫通して形成された中心孔311、及び2つの当接ロッド314を有する。2つの当接ロッド314は、基部310の後面上に突出して形成されている。位置決め要素31及び保持要素11をシートの横及び上方で位置決めするために、ねじ要素6が、位置決め要素31及び上リング部材10の保持要素11に挿通されている。位置決め要素31の基部310は保持要素11の側面上に固定されている。2つの当接ロッド314は保持要素11に当接している。
結合部32は位置決め要素31の側面の下部上に配置され、位置決め部24の結合孔241に選択的に挿通されている。ロックアセンブリ20Bは、位置決め部材30Bと結合して、上リング部材10の側面に掛合する。さらに、結合部32は横方向に延びる細長状突起である。位置決め部24の結合孔241は結合部32に対応する長孔である。結合部32は、位置決め部24の結合孔241に挿入可能である。
図9から図11を参照して、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第2実施形態1Bとの間の相違点を以下で説明する。ウェビング高さ調節装置の第2実施形態1Bにおいて、2つの当接ロッド314は、位置決め要素31の基部310の後面上に配置されており、上リング部材10の保持要素11の2つの横側面にそれぞれ当接している。結合部32は細長状突起であって、結合孔241に挿入されている。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aにおいて、端ブロック322の外径は、突出ロッド321の外径よりも大きい。端ブロック322は、突出ロッド321の前端上に配置されている。端ブロック322は円形の位置決め部24の結合孔241に挿通される。
ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第2実施形態1Bの操作はほとんど同一である。ウェビング高さ調節装置の第2実施形態1Bの操作は本明細書では説明しない。
図12及び図13を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cにおいて、ウェビング高さ調節装置1Cは、上リング部材10、ロックアセンブリ20C、及び位置決め部材30Cを有する。ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cの構造は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aの構造とほぼ同じである。ロックアセンブリ20A、20Cは、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1A及び第3実施形態1Cにおける上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30A、30Cに選択的に掛合する。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第3実施形態1Cの同一部分については、本明細書では説明しない。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第3実施形態1Cとの間の相違点は、組み立て方法にある。
図12及び図13を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cにおいて、位置決め部材30Cは位置決め要素31及び結合部32を有する。結合部32は、位置決め要素31の下部の側面上に配置されていて、フレーム21の位置決め部24の結合孔24に選択的に挿通される。ロックアセンブリ20Cは、上リング部材10に固定された位置決め部材30Cに掛合することができる。ロックアセンブリ20Cは、位置決め部材30Cに対して揺動することができる。位置決め要素31は、上リング部材10の保持要素11の側面の外に取り外し可能に配置されており、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aにおける中心孔311を有する位置決め要素31とは異なる。車両のシートの横及び上方に位置決めするために、ねじ要素6が、位置決め要素31及び上リング部材10の保持要素11に挿通されている。
ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1A及び第3実施形態1Cの操作はほぼ同一である。ウェビング高さ調節装置の第3実施形態1Cの操作は本明細書では説明しない。
図14から図15を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第4実施形態1Dにおいて、ウェビング高さ調節装置1Dは、上リング部材10、ロックアセンブリ20D、及び位置決め部材30Dを有する。ウェビング高さ調節装置の第4実施形態1Dの構造は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aの構造とほぼ同じである。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1A及びウェビング高さ調節装置の第4実施形態1Dのロックアセンブリ20A、20Dは、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1A及び第4実施形態1Dにおける上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30A、30Dに選択的に掛合する。ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aと第4実施形態1Dの同一部分については、本明細書では説明しない。
図14および15を参照すると、ウェビング高さ調節装置第1実施形態1Aと第4実施形態1Dとの間の相違点は、位置決め部材30Dの形状にある。位置決め部材30Dは位置決め要素31及び結合部32を有する。結合部32は、位置決め要素31の側面の下部上に配置され、細長状の位置決め部24の結合孔241に選択的に挿通される。ロックアセンブリ20Dは、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30Dに掛合することができる。位置決め要素31は、上リング部材10の保持要素11の側面の外に取り外し可能に配置されており、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aの中心孔311を有する位置決め要素30とは異なる。車両のシートの横及び上方に位置決めするために、ねじ要素6が、位置決め要素31及び上リング部材10の保持要素11に挿通されている。
ウェビング高さ調節装置の第2実施形態1Bと第4実施形態1Dの操作はほとんど同一である。ウェビング高さ調節装置の第4実施形態1Dの操作は本明細書では説明しない。
図16から図19を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eにおいて、ウェビング高さ調節装置1Eは、上リング部材10、ロックアセンブリ20E、及び位置決め部材30Eを有する。ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eの構造は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aの構造とほぼ同じである。ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eの上リング部材10の構造は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aの上リング部材10の構造と同一である。上リング部材10は車両のシートの横に配置されている。シートの横に配置されたウェビング2は上リング12に挿通される。ロックアセンブリ20E及び位置決め部材30Eは、さらに変更される。
図16から図19を参照すると、上リング12の両側に位置するウェビング2の部分をロックまたはロック解除するために、ロックアセンブリ20Eは、上リング部材の側面の外に移動可能に配置されている。ロックアセンブリ20Eは、フレーム21、摺動部22、及びカバー23を有する。ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eのフレーム21及び摺動部22は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aのフレーム21及び摺動部22と実質的に同一である。摺動部22はフレーム21内に移動可能に配置されている。ウェビング2はフレーム21の接続部212に直接挿通されている。または、接続部212は接続ストラップ25と接続していてもよい。接続ストラップ25は接続要素26と接続している。ウェビング2は接続要素26に挿通される。フレーム21の接続部212は、直列に接続された接続ストラップ25と接続要素26とによって、ウェビング2に間接的に接続される。
図16から図19を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eのフレーム21は、ウェビング高さ調節装置の第1実施形態1Aに示されたフレーム21の位置決め部24の構造を除外したものである。ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eには、位置決め部24を有するカバー23が加えられている。
図16から図19を参照すると、フレーム21に対して移動するように摺動部22を駆動するために、カバー23は、摺動部22に接続されたフレーム21の外に移動可能に配置されている。カバー23は、カバーベース231及び2つのカバー側板232を有する。カバーベース231は2つの側面と、背面とを有する。2つのカバー側板232は、カバーベース231の2つの側面上にそれぞれに形成されており、互いに対向している。2つのカバー側板232の間に空間が形成され、空間はカバーベース231の背面の後ろに位置している。カバー23は上止め部233を有する。上止め部233はカバーベース231の背面の上部上に形成される。位置決め部24は上止め部233の背面上に配置されている。位置決め部24は下端と、位置決め部24の下端上に形成された凹部242とを有する。
2つのカバー側板232のそれぞれは、上面、底面、内面、案内溝234、及び底壁235を有する。案内溝234は、カバー側板232の内面上に形成され、カバー側板232の上面まで延びて、底部を有する。底壁235は、カバー側板232の底面上に形成され、案内溝234の底部に位置する。カバー23のカバーベース231の背面は、摺動部22の第1プレート部221に面する。2つの縦方向側部2112は、カバー23内の2つのカバー側板232の案内溝234にそれぞれ挿入される。フレーム21はカバー23内で上方及び下方に摺動可能であり、縦方向側部2112の下方に位置する底壁235によって位置決めされる。カバーベース231の背面の上部上に形成された上止め部233は、摺動部22の第1プレート部221の上方に位置している。
図16から図19を参照すると、位置決め部材30Eは、上リング部材10の保持要素11の側面上に配置されている。位置決め部材30E及び上リング部材10は車両のシートの横及び上方に固定されている。位置決め部材30Eは、ロックアセンブリ20Eに選択的に接続されて、ロックアセンブリ20Eを位置決めする。位置決め部材30Eは位置決め要素31と、円筒形の結合部32を有する。位置決め要素31は、位置決め要素31を貫通して形成された中心孔311を有する。位置決め要素31及び上リング部材10の保持要素11は、ねじ要素6によって、車両のシートの横及び上方に固定されている。結合部32は、位置決め要素31の側面の下部上に配置されており、ロックアセンブリ20Eのカバー23の位置決め部24の凹部242に、選択的に挿入されて保持されている。
図20を参照すると、上リング部材10の保持要素11及び位置決め部材30Eは、ねじ要素6によって車両のシートの横及び上方に固定されている。ウェビング2は、シートの横に位置するリトラクタ3から引き出され、フレーム21の接続部212を通過する。次に、ウェビング2は上リング部材10の上リング12を通過し、フレーム21内に位置する摺動部22の貫通溝224を通過する。ウェビング2は前部2A及び後部2Bを有する。ウェビング2の前部2Aは、上リング12とリトラクタ3との間に画定されている。ウェビング2の後部2Bは、ウェビング2の前部2Aに接続していて、上リング12、カバー23、フレーム21、摺動部22、タング4、及びリトラクタ3を順次通過する。
乗員はシートに着座し、ウェビング2が乗員の胴体に当接するように締められている。後部2Bに接続されたタング4は、シートの横に位置するバックル5に挿入される。図20を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eにおいて、フレーム21と摺動部22との間の相対運動によって、ウェビング2の後部2Bはロックまたはロック解除される。ウェビング高さ調節装置1Eは、上リング部材10の近傍において、前部2Aと後部2Bとの間に位置決め摺動点を形成している。
図20を参照すると、乗員は、ウェビング2の位置決め点の高さ位置に位置するように、ウェビング高さ調節装置1Eを調節することができる。乗員は、カバー23を片手で把持することができる。ウェビング2の後部2Bをロック解除するために、カバー23によってフレーム21と摺動部22との間の相対運動が生成される。カバー23は上方に押されるか、又は下方に引っ張られる。連続的に調節しながら、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eを適切な位置に調節することができる。
図21を参照すると、ウェビング高さ調節装置1Eは放されており、ウェビング2の張力下で、フレーム21と摺動部22とは相対的に移動して後部2Bを固定する。ウェビング高さ調節装置1Eは、ウェビング2を自動的にロックするのに十分な摩擦を発生させる。タング4と上リング部材10との間の後部2Bは、ウェビング高さ調節装置1Eに対して動くことができない。ウェビング2上のウェビング高さ調節装置1Eの高さが上方又は下方に調節された後、乗員はカバー23を放す。ウェビング2の張力下で、フレーム21と摺動部22とは相対的に移動して後部2Bを固定する。タング4と上リング部材10との間の後部2Bは、ウェビング高さ調節装置1Eに対して動くことができない。
図22および図16を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eを使用していないとき、又はウェビング2の位置決め点の高さ位置を調節していないときは、カバー23は上リング部材10の側面上の位置決め部材30Eに掛合している。カバー23内のフレーム21及び摺動部22は、ウェビング2に対してロック解除されている。ウェビング2は自由に引っ張ることができる。
図23から図26を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1Fにおいて、ウェビング高さ調節装置1Fは、上リング部材10、ロックアセンブリ20F、及び位置決め部材30Fを有する。ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1Fの構造は、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eの構造とほぼ類似している。ロックアセンブリ20E、20Fは、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1E及び第6実施形態1Fにおける上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30E、30Fにそれぞれ選択的に掛合する。ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1E及び第6実施形態1Fの同一部分については本明細書では説明しない。第5実施形態と第6実施形態、つまりウェビング高さ調節装置1Eと1Fとの間の相違点は、位置決め部材30Fの組み立て方法にある。
図23および図26を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1Fの位置決め部材30Fは、位置決め要素31及び結合部32を有する。結合部32は位置決め要素31の側面の下部上に配置されており、位置決め部24に選択的に掛合する。ロックアセンブリ20Fは、上リング部材10上に固定された位置決め部材30Fに掛合することができる。位置決め要素31は、上リング部材10の保持要素11の外に取り外し可能に配置されており、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eの中心孔311を有する位置決め要素31とは異なる。車両のシートの横及び上方に位置決めするために、ねじ要素6が、位置決め要素31及び上リング部材10の保持要素11に挿通されている。
ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eと第6実施形態1Fの操作はほとんど同一である。ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1Fの操作は本明細書では説明しない。
図27から30を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第7実施形態1Gにおいて、ウェビング高さ調節装置1Gは、上リング部材10、ロックアセンブリ20G、及び位置決め部材30Gを有する。ウェビング高さ調節装置の第7実施形態1Gの構造は、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eの構造とほとんど同じである。ロックアセンブリ20E、20Gは、ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1E及び第7実施形態1Gにおける上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30E、30Gに選択的に掛合する。ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1E及び第7実施形態1Gの同一部分については本明細書では説明しない。第5実施形態と第7実施形態、すなわちウェビング高さ調節装置1E、1Gの間の相違点は、位置決め部材30Gの組み立て方法にある。
図27及び図30を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第7実施形態1Gの位置決め部材30Gは、位置決め要素31及び結合部32を有する。結合部32は位置決め要素31の側面の下部上に配置されており、位置決め部24に選択的に掛合する。さらに、結合部32は横方向に延びる細長状突起である。カバー23は細長状溝236を有する。細長状溝236はカバー23の位置決め部24の下端に形成されている。細長状溝236の形状は結合部32の形状に対応する。結合部32はカバー23の位置決め部24に挿入することができる。ロックアセンブリ20Gは、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30Gに掛合することができる。
図27及び図30を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第7実施形態1Gにおいて、位置決め部材30Gは位置決め要素31及び結合部32を有する。位置決め要素31は基部310、基部310を貫通して形成された中心孔311、及び2つの当接ロッド314を有する。2つの当接ロッド314は基部310の後面上に突出して配置されている。シートの横の上方に位置決め要素31及び保持要素11を位置決めするために、ねじ要素6が、位置決め要素31及び上リング部材10の保持要素11に挿通されている。位置決め要素31の基部310は保持要素11の側面上に固定されている。2つの当接ロッド314は保持要素11に当接している。ロックアセンブリ20Gは位置決め部材30Gに対して揺動することができない。
ウェビング高さ調節装置の第5実施形態1Eと第7実施形態1Gの操作はほとんど同一である。ウェビング高さ調節装置の第7実施形態1Gの操作は本明細書では説明しない。
図31および図32を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hにおいて、ウェビング高さ調節装置1Hは、上リング部材10、ロックアセンブリ20H、および位置決め部材30Hを有する。ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hの構造は、ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1Fの構造とほとんど同じである。ロックアセンブリ20F、20Hは、ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1F及び第8実施形態1Hにおける上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30F、30Hに選択的に掛合する。ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1F及び第8実施形態1Hの同一部分については本明細書では説明しない。
図31および図32を参照すると、ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hの位置決め部材30Hは、位置決め要素31及び結合部32を有する。結合部32は、位置決め要素31の側面の下部上に配置され、カバー23の位置決め部24に選択的に掛合する。ロックアセンブリ20Hは、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30Hに掛合することができる。
ウェビング高さ調節装置第6実施形態1Fと第8実施形態1Hとの間の相違点を以下で説明する。ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hにおいて、結合部32は横方向に延びる細長状突起である。カバー23は細長状溝236を有する。細長状溝236は、カバー23の位置決め部24の下端に形成される。細長状溝236の形状は、結合部32の形状に対応する。結合部32は、カバー23の位置決め部24の細長状溝236に挿入することができる。さらに、フレーム21の接続部212は接続ストラップ25と接続することができる。接続ストラップ25は接続要素26と接続する。ウェビング2は接続要素26に挿通される。フレーム21の接続部212は、直列に接続された接続ストラップ25と接続要素26とによって、ウェビング2に間接的に接続される。
ウェビング高さ調節装置の第6実施形態1Fと第8実施形態1Hの操作はほとんど同一である。ウェビング高さ調節装置の第8実施形態1Hの操作は本明細書では説明しない。
したがって、ウェビング高さ調節装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1Hは、車両のシートベルトシステムに適用することができる。ウェビング高さ調節装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1Hによって、ウェビング2上の上位置決め点の高さ位置を連続的に調節することができる。ウェビング高さ調節装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1Hは操作が簡単であり、ウェビング2を自動的にロックする。ウェビング高さ調節装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1Hが使用されていない場合、引き込まれたウェビング2によって、ロックアセンブリ20A、20B、20C、20D、20E、20F、20G、20Hは自動的に上方に移動し、上リング部材10の側面上に配置された位置決め部材30A、30B、30C、30D、30E、30F、30G、30Hに掛合する。スペースを節約するため、ウェビング高さ調節装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1Hをシートの横及び上方に引き込むこともできる。ウェビング2はロック解除状態において自由に引っ張ることができる。