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JP2020099962A - 単結晶基板の研磨方法 - Google Patents

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JP2020099962A JP2018239410A JP2018239410A JP2020099962A JP 2020099962 A JP2020099962 A JP 2020099962A JP 2018239410 A JP2018239410 A JP 2018239410A JP 2018239410 A JP2018239410 A JP 2018239410A JP 2020099962 A JP2020099962 A JP 2020099962A
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Abstract

【課題】膨大な設備投資を必要とせずに塵等の異物に起因した単結晶基板の変形を防止して研磨後の基板表面に窪み等が形成されない単結晶基板の研磨方法を提供する。【解決手段】単結晶基板3とプレート4間に液体を介在させた状態でプレートに吸着保持された単結晶基板を、定盤に固定された研磨布上に載置し、研磨布に単結晶基板を一定の圧力で当接させ、かつ、研磨布と単結晶基板間に研磨液を供給しながら定盤を回転させて単結晶基板の片面を鏡面研磨する単結晶基板の研磨方法であって、単結晶基板の非研磨面に、軟質材料から成る厚さ0.5μm以上2.5μm以下の軟質層10を形成し、然る後、軟質層が形成された単結晶基板をプレートに吸着保持させて、単結晶基板とプレート間に介在する異物8による単結晶基板の変形を防止するようにしたことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の単結晶基板を研磨する方法に係り、特に、膨大な設備投資を必要とせずに異物に起因した単結晶基板の変形を防止して、研磨後の基板表面に窪み等が形成されない研磨方法の改良に関するものである。
タンタル酸リチウム単結晶やニオブ酸リチウム単結晶等は、主に、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の通信機器の送受信用デバイスに用いられる表面弾性波(SAW)フィルタ(以下、SAWフィルタと略称する)の基板材料として使用されている。また、タンタル酸リチウム(LiTaO3;以下、LTと略称する)単結晶やニオブ酸リチウム(LiNbO3;以下、LNと略称する)単結晶は、それぞれの融点が約1650℃、約1250℃、キュリー点が約600℃、約1140℃の強誘電体であり、圧電性を有する。そして、SAWフィルタは、LT、LN単結晶等の圧電材料で構成された単結晶基板上に、Al、Cu合金等の金属薄膜から成る一対の櫛形電極が形成された構造を有しており、この櫛形電極がデバイスの特性を左右する重要な役割を担っている。
また、LT、LN単結晶は、主にチョクラルスキー法で製造されており、通常、高融点の貴金属ルツボを用いて電気炉中で育成され、所定の冷却速度で冷却された後、電気炉から取り出される。育成された単結晶は、熱応力による残留歪みを取り除くため、融点に近い均熱下での熱処理、更に単一分極とするためのポーリング処理(すなわち、単結晶を室温からキュリー温度以上の所定温度まで昇温させ、単結晶に電圧を印加し、電圧を印加したままキュリー温度以下の所定温度まで降温させた後、電圧印加を停止して室温まで冷却する一連の処理)が施される。ポーリング処理が施された後、育成された単結晶は、外形を整えるため結晶の外表面が研削され、円柱状になった単結晶インゴットからウエハ状の単結晶基板へ加工される。また、円柱状になった単結晶インゴットを加工する手順としては、特許文献1に記載されているように、通常、スライス工程、円形加工(ベベル)工程、ラッピング工程、エッチング工程、および、ポリッシュ工程等の機械加工の順に行われ、ウエハ状の単結晶基板が製造されている。尚、特許文献1に記載された加工対象は化合物半導体基板であるが、LT、LN単結晶基板も同様であり、スライス工程、円形加工(ベベル)工程、ラッピング工程、エッチング工程、および、ポリッシュ工程等の機械加工を経て、LT、LN単結晶基板となる。
そして、SAWフィルタにおいては、圧電材料で構成された単結晶基板上にスパッタリングにより金属薄膜を形成し、然る後、フォトリソグラフ技術により一対の櫛形パターンを残して不要な部分をエッチング除去することで上記櫛形電極が形成されるため、SAWフィルタの製造時における歩留まりを向上させるには、単結晶基板を構成する結晶自体に残留歪が無く、清浄で結晶欠陥が無いと共に、更に、鏡面研磨が施された高平坦度を有する単結晶基板であることが要求され、特に、単結晶基板の傾斜成分や外周部のダレ、窪みや突起等の局所的凹凸が少ないことが求められる。
以下、単結晶基板の鏡面研磨に用いられる研磨装置の一例を図1に示す。
この研磨装置は、図1に示すように、円盤状の金属で構成された定盤1と、この定盤1上に貼り付けられた研磨布2と、セラミック等で構成されかつ単結晶基板3を保持するプレート4と、該プレート4に保持された単結晶基板3と上記研磨布2との間に研磨液6を供給する研磨液供給口5と、上記プレート4に保持された単結晶基板3に対し研磨布2に向け一定の荷重を加える加圧シリンダー7とでその主要部が構成され、単結晶基板3の研磨面を研磨布2側に向けて研磨布2上に載置し、研磨布2に向け一定の荷重を加えながら定盤1を一定の速度で回転させて単結晶基板3の鏡面研磨がなされるものである。
また、セラミック等で構成されたプレート4に単結晶基板3を保持させる方法として、従来、プレート4と単結晶基板3との間に水等の液体を介在させた状態で吸着保持する方法(特許文献2、特許文献3参照)や、負圧力を利用してプレート4に単結晶基板3を真空吸引保持する方法(特許文献4参照)等が知られている。
そして、これ等の保持方法によれば、単結晶基板3の非研磨面がプレート4の形状に倣うため、プレート4の平坦度を管理することにより、上述した単結晶基板の傾斜成分や外周部のダレを低減させるには非常に有効であった。しかし、単結晶基板の上述した窪みや突起等の局所的凹凸を低減させるには、プレート4と単結晶基板3間に不可避的に介在する異物(塵等)による以下の問題が存在した。すなわち、研磨後における単結晶基板の厚さが250μm以上の場合、プレート4と単結晶基板3との間に液体を介在させた状態で単結晶基板3を吸着保持する方法や負圧力を利用してプレート4に単結晶基板3を真空吸引保持する方法では、プレート4と単結晶基板3間に異物が介在しても、単結晶基板の剛性により単結晶基板が変形(研磨布2側に盛り上がる等)され難いため、盛り上がった部位の過剰研磨による窪みや突起等の局所的凹凸は殆ど見られなかった。しかし、近年、コスト削減の要請から、研磨後における単結晶基板の厚さが250μm未満(例えば200μm以下)になるよう求められ、これに伴い単結晶基板3の剛性が低下してしまうため、図2(A)に示すようにプレート4と単結晶基板3間に異物8が介在した場合、単結晶基板3の変形(研磨布側に盛り上がる)が起こり易く、盛り上がった部位の過剰研磨により、図2(B)に示すような窪み9の発生が見られるようになってきている。
特開2009−182135号公報 特開2005−034926号公報 特開2005−131744号公報 特開平02−098926号公報
ところで、プレート4と単結晶基板3間に介在する異物8に関しては、プレート4や単結晶基板3に付着していたもの、雰囲気に浮遊していたもの、作業者から発塵したもの、研磨液6に分散していたもの、研磨液6が凝集したもの等多岐に亘る。これ等異物の内、研磨液6に係る異物については、研磨液6を濾過する等して比較的簡便に除去できるが、塵等の異物に対しては、研磨処理前における単結晶基板3の洗浄強化や保管雰囲気の管理強化、単結晶基板3をプレート4に保持させるときの雰囲気の管理強化、研磨工程の自動化等、膨大な設備投資が必要となる別の問題が存在した。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、膨大な設備投資を必要とせずに塵等の異物に起因した単結晶基板の変形を防止して、研磨後の基板表面に窪み等が形成されない単結晶基板の研磨方法を提供することにある。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
単結晶基板とプレート間に液体を介在させた状態で上記プレートに吸着保持された単結晶基板を、定盤に固定された研磨布上に載置し、該研磨布に単結晶基板を一定の圧力で当接させると共に、研磨布と単結晶基板間に研磨液を供給しながら上記定盤を回転させて単結晶基板の片面を鏡面研磨する単結晶基板の研磨方法において、
上記単結晶基板の非研磨面に、軟質材料から成る厚さ0.5μm以上2.5μm以下の軟質層を形成し、然る後、軟質層が形成された単結晶基板を上記プレートに吸着保持させて、単結晶基板とプレート間に介在する異物による単結晶基板の変形を防止するようにしたことを特徴とし、
第2の発明は、
負圧力を利用してプレートに真空吸引保持された単結晶基板を、定盤に固定された研磨布上に載置し、該研磨布に単結晶基板を一定の圧力で当接させると共に、研磨布と単結晶基板間に研磨液を供給しながら上記定盤を回転させて単結晶基板の片面を鏡面研磨する単結晶基板の研磨方法において、
上記単結晶基板の非研磨面に、軟質材料から成る厚さ1.0μm以上3.0μm以下の軟質層を形成し、然る後、軟質層が形成された単結晶基板を上記プレートに真空吸着保持させて、単結晶基板とプレート間に介在する異物による単結晶基板の変形を防止するようにしたことを特徴とする。
次に、本発明に係る第3の発明は、
第1の発明または第2の発明に記載の単結晶基板の研磨方法において、
上記軟質材料が、ワックスまたはコート剤で構成されることを特徴とし、
第4の発明は、
第1の発明〜第3の発明のいずれかに記載の単結晶基板の研磨方法において、
上記軟質層の硬さが、JIS K6253準拠のタイプAデュロメータで20以下であることを特徴とし、
また、第5の発明は、
第1の発明〜第4の発明のいずれかに記載の単結晶基板の研磨方法において、
鏡面研磨後における単結晶基板の厚みが、250μm未満であることを特徴とするものである。
第1の発明に係る単結晶基板の研磨方法は、
単結晶基板の非研磨面に、軟質材料から成る厚さ0.5μm以上2.5μm以下の軟質層を形成した後、単結晶基板をプレートに吸着保持させており、
また、第2の発明に係る単結晶基板の研磨方法も、
単結晶基板の非研磨面に、軟質材料から成る厚さ1.0μm以上3.0μm以下の軟質層を形成した後、単結晶基板をプレートに吸着保持させている。
そして、これ等の研磨方法によれば、図3(A)に示すように単結晶基板3とプレート4間に異物8が介在しても、単結晶基板3の非研磨面に設けられた軟質層10内に上記異物8が減り込んで単結晶基板3とプレート4間距離を一定に保つため、異物8に起因した単結晶基板3の変形(研磨布側に盛り上がる)を防止することが可能となる。
このため、単結晶基板3の過剰研磨が防止されることから、図3(B)に示すように研磨後における基板表面に窪み等のない単結晶基板3を提供することが可能となり、SAWフィルタの製造時における歩留まり向上が図れる効果を有する。
単結晶基板の鏡面研磨に用いられる研磨装置の構成説明図。 図2(A)はプレートに吸着保持された単結晶基板が、異物の存在に起因して変形する(盛り上がる)状態を示す説明図、図2(B)は過剰研磨により単結晶基板の研磨面に発生した窪みを示す説明図。 図3(A)はプレートに吸着保持された単結晶基板が、軟質層の作用により異物が存在しても変形しない(盛り上がらない)状態を示す説明図、図3(B)は過剰研磨が防止されて単結晶基板の研磨面に窪み等が形成されない状態を示す説明図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る単結晶基板の研磨方法は、プレートに保持される前の単結晶基板の非研磨面に軟質層が形成されることを除き、上記プレートや単結晶基板、研磨装置や研磨条件等について何ら変更することを要しない。
1.単結晶基板とプレート間に水等の液体を介在させた状態で吸着保持させる方法
(1)第1の発明に係る単結晶基板の研磨方法は、単結晶基板とプレート間に水等の液体を介在させた状態でプレートに吸着保持された単結晶基板を、定盤に固定された研磨布上に載置し、該研磨布側に向け単結晶基板を一定の圧力で当接させると共に、研磨布と単結晶基板間に研磨液を供給しながら上記定盤を回転させて単結晶基板の片面を鏡面研磨する研磨方法を前提としている。
(2)そして、セラミック等で構成されたプレートに単結晶基板を吸着保持させる場合、水等の液体を介在させた状態で単結晶基板をプレートに直接保持させる方法が例示され、特許文献3に記載されているように、上記液体への気泡の混入を避けるため水中において単結晶基板をプレートに吸着保持させてもよい。
2.負圧力を利用してプレートに単結晶基板を真空吸引保持させる方法
(1)第2の発明に係る単結晶基板の研磨方法は、負圧力を利用してプレートに真空吸引保持された単結晶基板を、定盤に固定された研磨布上に載置し、該研磨布側に向け単結晶基板を一定の圧力で当接させると共に、研磨布と単結晶基板間に研磨液を供給しながら上記定盤を回転させて単結晶基板の片面を鏡面研磨する研磨方法を前提としている。
(2)また、負圧力を利用して単結晶基板をプレートに真空吸引保持させる方法としては、特許文献4に記載された方法が例示される。
3.単結晶基板の非研磨面に形成される軟質層
(1)ラップ、エッチング後における単結晶基板の非研磨面に設けられる軟質層の厚さについては、水等の液体を介在させた状態でプレートに単結晶基板を吸着保持させる場合には0.5μm以上2.5μm以下、負圧力を利用してプレートに単結晶基板を真空吸引保持させる場合には1.0μm以上3.0μm以下であることを要する。尚、液体を介在させた状態でプレートに単結晶基板を吸着保持する方法において、軟質層10の厚さが小さく設定される理由は、図3(A)に示すように単結晶基板3を吸着保持する液体層11の厚さが軟質層10に加算されるためである。
(2)そして、液体を介在させた状態でプレートに吸着保持された単結晶基板に形成される軟質層の厚さが0.5μm未満の場合、および、負圧力を利用してプレートに真空吸引保持された単結晶基板に形成される軟質層の厚さが1.0μm未満の場合、プレートと単結晶基板間に介在する異物に起因した単結晶基板の変形(研磨布側に盛り上がる)が起こるため、盛り上がった部位の過剰研磨による窪みの発生を十分に防止できなくなる。
他方、液体を介在させた状態でプレートに吸着保持された単結晶基板に形成される軟質層の厚さが2.5μmを超えた場合、および、負圧力を利用してプレートに真空吸引保持された単結晶基板に形成される軟質層の厚さが3.0μmを超えた場合、プレートと単結晶基板間に介在する異物に起因した単結晶基板の変形(研磨布側に盛り上がる)は抑制されて窪みの発生は十分に防止できるが、単結晶基板の傾斜成分や外周部のダレが増加して平坦度が悪化してしまう。
このため、液体を介在させた状態でプレートに単結晶基板が吸着保持される場合における軟質層の厚さは0.5μm以上2.5μm以下、負圧力を利用してプレートに単結晶基板が真空吸引保持される場合における軟質層の厚さは1.0μm以上3.0μm以下であることを要する。
(3)次に、ラップ、エッチング後における単結晶基板の非研磨面に軟質材料を塗布し、乾燥させて形成される軟質層の硬さは、乾燥後で、JISK6253準拠のタイプAデュロメータで20以下、好ましくは、5以上20以下である。また、単結晶基板の非研磨面に軟質材料を塗布する方法については、厚みのバラツキが少なく平坦度の悪化を防止できるスピンコート法が好ましい。
尚、軟質材料の塗布後におけるベーキング処理については、軟質層の硬さがJISK6253準拠のタイプAデュロメータで20以下であればよいため、塗布後における軟質材料の硬さがJISK6253準拠のタイプAデュロメータで20以下の場合、上記ベーキング処理を行わなくてもよい。
(4)そして、乾燥後における軟質材料(軟質層)の硬さがJISK6253準拠のタイプAデュロメータで20を超えた場合、プレートと単結晶基板間に介在する異物の軟質層内への減り込み量が不足して、上記異物に起因した単結晶基板の変形(研磨布側に盛り上がる)が起こることがあり、過剰研磨による窪みの発生を防止できなくなる場合がある。
(5)また、上記軟質層を構成する軟質材料としてはワックスまたはコート剤が例示され、ワックスとして、例えば、日化精工社製の液状ワックス(スカイリキッド、スペースリキッド、アクアリキッド等)が挙げられ、コート剤として、例えば、日化精工社製のコート剤(プレインコート、プロテクトリキッド、ナノシャルター等)が挙げられる。
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明する。
尚、実施例および比較例は、一部(実施例2、4、比較例2、4)を除いて図1に示した研磨装置を用いてなされているが、研磨液に係る異物が除かれるように「濾過フィルタ」(フィルタ粒径については、使用する研磨液に応じて、粗い場合は150μm、細かい場合は1段目25μm、2段目0.5μm等としている)を使用している。
[実施例1]
ラップ処理とエッチング処理を施した厚み225μmで6インチのタンタル酸リチウム(LT)単結晶基板20枚に対し、液状ワックス(日化精工社製 商品名「スカイリキッド」)をスピンコート法で塗布し、かつ、自然乾燥させて厚さ0.5μmの軟質層を形成した。
そして、特許文献3に記載された方法(単結晶基板とプレート間に空気が入り込まない方法)に従い、軟質層が形成されたLT単結晶基板とセラミック製プレートを水中に浸漬し、LT単結晶基板とプレート間に水(気泡を含まない)を介在させた状態でLT単結晶基板をプレートに吸着保持させた。
次いで、図1に示す研磨装置の研磨布2上に、LT単結晶基板3の研磨面を下側にして載置し、研磨布2に向け300g/cm2の荷重を加えながら定盤1を40rpmの回転速度で回転させ、かつ、LT単結晶基板3と研磨布2との間にコロイダルシリカ系の研磨液(山口精研社製 CL−110S、液温:25℃)6を供給しながら、厚さ200μmまでLT単結晶基板3の研磨面を鏡面状態に加工した。
そして、鏡面加工を行った20枚のLT単結晶基板3について、その平坦度を、光学式平坦度測定機(ニデック社製 FT−900)を用いて測定した。
その結果、LTV(Local Thickness Variation:5mm角)で0.5μm以上となる窪みが発生したLT単結晶基板は0%であった。
すなわち、LT単結晶基板20枚の平均値でTTV(Total Thickness Variation:SEMI名称:GBIR)2.05μm、LTV(5mm角)の最大値は0.45μmであった。
尚、平坦度の合格基準は、TTV(GBIR)を3.0μm以下、LTV(5mm角)を0.5μm未満としている。
[実施例2]
ラップ処理とエッチング処理を施した厚み225μmで6インチのLT単結晶基板20枚に対し、液状ワックス(日化精工社製 商品名「スカイリキッド」)をスピンコート法で塗布し、かつ、自然乾燥させて厚さ1.0μmの軟質層を形成した。
次いで、単結晶基板を保持する方法のみが実施例1と異なる研磨装置(図示せず)を適用し、特許文献4に記載された方法(負圧力を利用してプレートに単結晶基板を真空吸引保持させる方法)に従ってLT単結晶基板3をプレート4に真空吸引保持させた後、LT単結晶基板3の研磨面を下側にして研磨布2上に載置し、かつ、研磨布2に向け300g/cm2の荷重を加えながら定盤1を40rpmの回転速度で回転させ、LT単結晶基板3と研磨布2との間にコロイダルシリカ系の研磨液(山口精研社製 CL−110S、液温:25℃)6を供給しながら、厚さ200μmまでLT単結晶基板3の研磨面を鏡面状態に加工した。
そして、実施例1と同様、鏡面加工を行った20枚のLT単結晶基板3について、その平坦度を測定した。
その結果、LTV(5mm角)で0.5μm以上となる窪みが発生したLT単結晶基板は0%であった。
すなわち、LT単結晶基板20枚の平均値でTTV(GBIR)1.20μm、LTV(5mm角)の最大値は0.35μmであり、平坦度の合格基準を満たしていた。
[実施例3]
ラップ処理とエッチング処理を施した厚み225μmで6インチのLT単結晶基板20枚に対し、液状ワックス(日化精工社製 商品名「スカイリキッド」)をスピンコート法で塗布し、かつ、自然乾燥させて厚さ2.5μmの軟質層を形成した。
そして、実施例1と同様、LT単結晶基板とプレート間に水(気泡を含まない)を介在させた状態でLT単結晶基板をプレートに吸着保持させた。
次いで、実施例1と同様、LT単結晶基板3の研磨面を下側にして研磨布2上に載置し、研磨布2に向け300g/cm2の荷重を加えながら定盤1を40rpmの回転速度で回転させ、かつ、LT単結晶基板3と研磨布2との間にコロイダルシリカ系の研磨液(山口精研社製 CL−110S、液温:25℃)6を供給しながら、厚さ200μmまでLT単結晶基板3の研磨面を鏡面状態に加工した。
そして、実施例1と同様、鏡面加工を行った20枚のLT単結晶基板3について、その平坦度を測定した。
その結果、LTV(5mm角)で0.5μm以上となる窪みが発生したLT単結晶基板は0%であった。
すなわち、LT単結晶基板20枚の平均値でTTV(GBIR)2.35μm、LTV(5mm角)の最大値は0.45μmであり、平坦度の合格基準を満たしていた。
[実施例4]
ラップ処理とエッチング処理を施した厚み225μmで6インチのLT単結晶基板20枚に対し、液状ワックス(日化精工社製 商品名「スカイリキッド」)をスピンコート法で塗布し、かつ、自然乾燥させて厚さ3.0μmの軟質層を形成した。
次いで、実施例2と同様、特許文献4に記載された方法(負圧力を利用してプレートに単結晶基板を真空吸引保持させる方法)に従ってLT単結晶基板3をプレート4に真空吸引保持させた後、LT単結晶基板3の研磨面を下側にして研磨布2上に載置し、かつ、研磨布2に向け300g/cm2の荷重を加えながら定盤1を40rpmの回転速度で回転させ、LT単結晶基板3と研磨布2との間にコロイダルシリカ系の研磨液(山口精研社製 CL−110S、液温:25℃)6を供給しながら、厚さ200μmまでLT単結晶基板3の研磨面を鏡面状態に加工した。
そして、鏡面加工を行った20枚のLT単結晶基板3についてその平坦度を測定した。
その結果、LTV(5mm角)で0.5μm以上となる窪みが発生したLT単結晶基板は0%であった。
すなわち、LT単結晶基板20枚の平均値でTTV(GBIR)1.50μm、LTV(5mm角)の最大値は0.45μmであり、平坦度の合格基準を満たしていた。
[比較例1]
ラップ処理とエッチング処理を施した厚み225μmで6インチのLT単結晶基板20枚に対し、液状ワックス(日化精工社製 商品名「スカイリキッド」)をスピンコート法で塗布し、かつ、自然乾燥させて厚さ3.0μmの軟質層を形成した。
そして、実施例1と同様、LT単結晶基板とプレート間に水(気泡を含まない)を介在させた状態でLT単結晶基板をプレートに吸着保持させた。
次いで、実施例1と同様、LT単結晶基板3の研磨面を下側にして研磨布2上に載置し、研磨布2に向け300g/cm2の荷重を加えながら定盤1を40rpmの回転速度で回転させ、かつ、LT単結晶基板3と研磨布2との間にコロイダルシリカ系の研磨液(山口精研社製 CL−110S、液温:25℃)6を供給しながら、厚さ200μmまでLT単結晶基板3の研磨面を鏡面状態に加工した。
そして、実施例1と同様、鏡面加工を行った20枚のLT単結晶基板3について、その平坦度を測定した。
その結果、LTV(5mm角)で0.5μm以上となる窪みが発生したLT単結晶基板は0%であった。
但し、LT単結晶基板20枚の平均値でTTV(GBIR)3.55μm、LTV(5mm角)の最大値は1.20μmで、平坦度の合格基準を満たしていなかった。
[比較例2]
ラップ処理とエッチング処理を施した厚み225μmで6インチのLT単結晶基板20枚に対し、液状ワックス(日化精工社製 商品名「スカイリキッド」)をスピンコート法で塗布し、かつ、自然乾燥させて厚さ3.5μmの軟質層を形成した。
次いで、実施例2と同様、特許文献4に記載された方法(負圧力を利用してプレートに単結晶基板を真空吸引保持させる方法)に従ってLT単結晶基板3をプレート4に真空吸引保持させた後、LT単結晶基板3の研磨面を下側にして研磨布2上に載置し、かつ、研磨布2に向け300g/cm2の荷重を加えながら定盤1を40rpmの回転速度で回転させ、LT単結晶基板3と研磨布2との間にコロイダルシリカ系の研磨液(山口精研社製 CL−110S、液温:25℃)6を供給しながら、厚さ200μmまでLT単結晶基板3の研磨面を鏡面状態に加工した。
そして、比較例1と同様、鏡面加工を行った20枚のLT単結晶基板3について、その平坦度を測定した。
その結果、LTV(5mm角)で0.5μm以上となる窪みが発生したLT単結晶基板は0%であった。
但し、LT単結晶基板20枚の平均値でTTV(GBIR)3.25μm、LTV(5mm角)の最大値は1.15μmで、平坦度の合格基準を満たしていなかった。
[比較例3]
上記軟質層を形成しない点を除き、比較例1と同様にして、ラップ処理とエッチング処理を施した厚み225μmで6インチのLT単結晶基板20枚について、水(気泡を含まない)を介在させた状態で該LT単結晶基板をプレートに吸着保持させた。
次いで、比較例1と同様、LT単結晶基板3の研磨面を下側にして研磨布2上に載置し、研磨布2に向け300g/cm2の荷重を加えながら定盤1を40rpmの回転速度で回転させ、かつ、LT単結晶基板3と研磨布2との間にコロイダルシリカ系の研磨液(山口精研社製 CL−110S、液温:25℃)6を供給しながら、厚さ200μmまでLT単結晶基板3の研磨面を鏡面状態に加工した。
そして、比較例1と同様、鏡面加工を行った20枚のLT単結晶基板3について、その平坦度を測定した。
その結果、LTV(5mm角)で0.5μm以上となる窪みが発生したLT単結晶基板は10%であった。
そして、LT単結晶基板20枚の平均値でTTV(GBIR)2.00μm、LTV(5mm角)の最大値は1.00μmで、LTV(5mm角)に関して平坦度の合格基準を満たしていなかった。
[比較例4]
上記軟質層を形成しない点を除き、比較例2と同様、特許文献4に記載された方法に従ってLT単結晶基板3をプレート4に真空吸引保持させた後、LT単結晶基板3の研磨面を下側にして研磨布2上に載置し、かつ、研磨布2に向け300g/cm2の荷重を加えながら定盤1を40rpmの回転速度で回転させ、LT単結晶基板3と研磨布2との間にコロイダルシリカ系の研磨液(山口精研社製 CL−110S、液温:25℃)6を供給しながら、厚さ200μmまでLT単結晶基板3の研磨面を鏡面状態に加工した。
そして、比較例2と同様、鏡面加工を行った20枚のLT単結晶基板3について、その平坦度を測定した。
その結果、LTV(5mm角)で0.5μm以上となる窪みが発生したLT単結晶基板は15%であった。
そして、LT単結晶基板20枚の平均値でTTV(GBIR)1.85μm、LTV(5mm角)の最大値は1.05μmで、LTV(5mm角)に関して平坦度の合格基準を満たしていなかった。
本発明に係る単結晶基板の研磨方法によれば、単結晶基板とプレート間に塵等の異物が介在しても単結晶基板の変形(研磨布側に盛り上がる)が防止され、研磨後における基板表面に窪み等のない単結晶基板を提供することができるため、SAWフィルタ用のタンタル酸リチウム単結晶基板やニオブ酸リチウム単結晶基板の研磨方法に利用される産業上の利用可能性を有している。
1 定盤
2 研磨布
3 単結晶基板
4 プレート
5 研磨液供給口
6 研磨液
7 加圧シリンダー
8 異物
9 窪み
10 軟質層
11 液体層

Claims (5)

  1. 単結晶基板とプレート間に液体を介在させた状態で上記プレートに吸着保持された単結晶基板を、定盤に固定された研磨布上に載置し、該研磨布に単結晶基板を一定の圧力で当接させると共に、研磨布と単結晶基板間に研磨液を供給しながら上記定盤を回転させて単結晶基板の片面を鏡面研磨する単結晶基板の研磨方法において、
    上記単結晶基板の非研磨面に、軟質材料から成る厚さ0.5μm以上2.5μm以下の軟質層を形成し、然る後、軟質層が形成された単結晶基板を上記プレートに吸着保持させて、単結晶基板とプレート間に介在する異物による単結晶基板の変形を防止するようにしたことを特徴とする単結晶基板の研磨方法。
  2. 負圧力を利用してプレートに真空吸引保持された単結晶基板を、定盤に固定された研磨布上に載置し、該研磨布に単結晶基板を一定の圧力で当接させると共に、研磨布と単結晶基板間に研磨液を供給しながら上記定盤を回転させて単結晶基板の片面を鏡面研磨する単結晶基板の研磨方法において、
    上記単結晶基板の非研磨面に、軟質材料から成る厚さ1.0μm以上3.0μm以下の軟質層を形成し、然る後、軟質層が形成された単結晶基板を上記プレートに真空吸着保持させて、単結晶基板とプレート間に介在する異物による単結晶基板の変形を防止するようにしたことを特徴とする単結晶基板の研磨方法。
  3. 上記軟質材料が、ワックスまたはコート剤で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の単結晶基板の研磨方法。
  4. 上記軟質層の硬さが、JIS K6253準拠のタイプAデュロメータで20以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の単結晶基板の研磨方法。
  5. 鏡面研磨後における単結晶基板の厚みが、250μm未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の単結晶基板の研磨方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002141311A (ja) * 2000-10-31 2002-05-17 Shin Etsu Handotai Co Ltd ウェーハの研磨方法及びウェーハの洗浄方法
JP2016047578A (ja) * 2014-08-28 2016-04-07 住友金属鉱山株式会社 サファイア基板とその研磨方法

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