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JP2020098817A - 切削水ノズルの状態確認方法及び基準ブロック - Google Patents

切削水ノズルの状態確認方法及び基準ブロック Download PDF

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JP2020098817A
JP2020098817A JP2018235337A JP2018235337A JP2020098817A JP 2020098817 A JP2020098817 A JP 2020098817A JP 2018235337 A JP2018235337 A JP 2018235337A JP 2018235337 A JP2018235337 A JP 2018235337A JP 2020098817 A JP2020098817 A JP 2020098817A
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唯人 長澤
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Abstract

【課題】切削水ノズル状態を容易に確認すること。【解決手段】切削水ノズル80を、切削の際に、切削水ノズル80が被加工物Wに接触せず、且つ、切削水を切削ブレード20に供給できる適正位置に設定する切削水ノズル適正位置設定ステップと、切削水ノズル80が適正位置にある状態でスピンドル21が基準の高さ位置に位置付けられたときに、保持面400aから切削水ノズル80の下端80cまでの距離より僅かに薄い厚みS1を有する基準ブロック部90を備えた基準ブロック9を準備し、切削水ノズル80を適正位置に設定し、基準ブロック9を準備した後、スピンドル21を基準の高さ位置に位置づけるとともに保持テーブル40をスピンドル21の下に移動させ、保持面400aと切削水ノズル80との間に基準ブロック9を挿入できるかを調べることで切削水ノズル80の状態を確認する。【選択図】図8

Description

本発明は、切削水ノズルの状態を確認する確認方法に関する。
切削装置による切削加工は、切削中に切削ブレードを冷却するとともに切削によって切削ブレードと被加工物との間に発生した切削屑を洗い流すために、切削水ノズルから切削ブレードと被加工物との間に切削水が供給されながら実施される。切削ブレードはブレードカバーで覆われた領域の内部に収納され(特許文献1参照)、切削ブレードの表裏面側に各々配設されたL字パイプ状の切削水ノズルは、被加工物の厚みや切削ブレードの大きさ等に応じて、その高さ位置が適切な位置に調整される(特許文献2参照)。切削水ノズルは、例えばブレード交換や加工室内の清掃時に誤ってオペレータ等に接触され、曲がり等が生じるおそれがある。切削水ノズルが適切な位置から下方に向けて曲がった状態で被加工物を切削すると、たとえ、切削水ノズルが適切な高さ位置に位置付けられていたとしても、切削水ノズルが被加工物に接触して被加工物の破損に繋がりかねない。
特開2006−18749号公報 特開2003−59864号公報
そこで、切削加工を実施するにあたり、前もって切削水ノズルが下方に向かって傾いていないか否かを確認することが非常に重要である。しかし、切削ブレードの表裏面の両側に配設されたそれぞれの切削水ノズルの状態を、例えば定規等を用いて確認するのは容易でない。特に切削ブレードの後方側の切削水ノズルの状態を確認する場合や、2つの切削ブレードが対面して配置されたデュアルスピンドルの切削装置等に配設された切削水ノズルを確認する場合は、装置の内部にオペレータが手等を入れて切削水ノズルの曲がり等を確認するための作業スペースが殆ど取れないため、切削水ノズルの状態確認は極めて困難である。確認時に定規等が切削水ノズルに接触するおそれもあり、切削ブレードを破損させてしまう可能性もある。本発明の目的は、切削水ノズルの確認時に切削水ノズルに誤って接触してしまうことを防ぎ、容易に切削水ノズルの状態を確認することにある。
本発明は、被加工物を保持する保持面を含む保持テーブルと、該保持テーブルで保持された被加工物を切削する切削ブレードと、該切削ブレードが先端に固定されるスピンドルと、該スピンドルを回転可能に支持するスピンドルハウジングと、該スピンドルハウジングに固定され該切削ブレードを覆うブレードカバーと、該切削ブレードを挟んで該切削ブレードの表裏面側に配設され該切削ブレードに切削水を供給する該ブレードカバーに固定された一対の切削水ノズルと、を備えた切削装置において該切削水ノズルの高さ位置を確認する切削水ノズルの状態確認方法であって、該切削ブレードで該保持テーブルに保持された被加工物を切削する際に該切削水ノズルが被加工物に接触せず、且つ、該切削水ノズルからの切削水が該切削ブレードに供給される該切削水ノズルの適正位置を設定する切削水ノズル適正位置設定ステップと、該切削水ノズルが該適正位置にある状態で該スピンドルが基準の高さ位置に位置付けられた時に該保持テーブルの該保持面から該切削水ノズルの下端までの距離より僅かに薄い厚みの基準ブロックを準備する基準ブロック準備ステップと、該切削水ノズル適正位置設定ステップと、該基準ブロック準備ステップと、を実施した後、該切削ブレードで被加工物を切削する前に、該スピンドルを該基準の高さ位置に位置付けるとともに該保持テーブルを該スピンドルの下に配置して該保持面と該切削水ノズルとの間に該基準ブロックが挿入できるか否かで該切削水ノズルの状態を確認する切削水ノズル確認ステップと、を備えた切削水ノズルの状態確認方法である。
本発明は、上記の確認方法を用いた確認の際に使用される基準ブロックであって、該切削水ノズルが適正位置にある状態で該スピンドルが基準の高さ位置に位置付けられた時に該保持テーブルの該保持面から該切削水ノズルの下端までの距離より僅かに薄い厚みを有した一対の基準ブロック部と、該一対の切削水ノズルが並ぶ方向に該一対の基準ブロック部を連結するとともに該切削ブレードが挿入されるブレード逃げ溝が形成された連結部と、を備えた基準ブロックである。
本発明では、被加工物を切削加工する前に、保持テーブルの保持面と切削水ノズルとの間に基準ブロックの挿入を試み、基準ブロックを保持面と切削水ノズルとの間に挿入できれば、切削水ノズルは正常な状態であると判断でき、反対に、基準ブロックを保持面と切削水ノズルとの間に挿入できなければ、切削水ノズルは正常な状態ではなく、例えば、切削水ノズルが下方に曲がっていると判断できる。基準ブロックを挿入して切削水ノズルの状態を確認することで、定規等を用いる必要がなくなり、容易に切削水ノズルの状態を確認できる。そして、被加工物の切削加工を実施する前に切削水ノズルの確認をすることで、切削水ノズルが下方に曲がっている状態で被加工物を切削するのを防止でき、これにより、切削水ノズルが被加工物に接触して被加工物を破損させるのを防ぐことができる。
また、切削水ノズルの状態確認の際に保持面と切削水ノズルとの間に挿入される基準ブロックが、二つの基準ブロック部と、二つの基準ブロック部を連結する連結部と、ブレードを挿入させるブレード逃げ溝とを備えていることにより、二本の切削水ノズルの状態を同時に確認することができ、確認に要する時間を削減することができる。また、ブレード逃げ溝が形成されていることにより、切削水ノズルの状態確認時に基準ブロックと切削ブレードとが接触するのを防ぐことができる。
切削装置全体を表す斜視図である。 切削ブレードがスピンドルに装着された状態を表す側面図である。 切削ユニットを表す斜視図である。 切削水ノズルの適正位置を表す正面図である。 切削水ノズルの適正位置を設定する際の余裕幅を表す断面図である。 基準ブロックの例を表す斜視図である。 切削水ノズルの高さと基準ブロックの厚みと被加工物の厚みとの大小関係を表すための側面図である。 スピンドルを基準位置に位置付けた状態を表す断面図である。 基準ブロックを挿入した状態を表す断面図である。
1 切削装置
図1に示す切削装置1は、半導体ウェーハ等の略円板形状の被加工物Wを切削加工する加工装置である。被加工物Wの表面Waには格子状に形成された分割予定ラインLが備えられ、分割予定ラインLごとに区画された領域には各々デバイスDが備えられている。被加工物W1の裏面Wbは、ダイシングテープTに貼着されている。ダイシングテープTの粘着面の外周領域には円形の開口を備える環状フレームFが貼着されており、被加工物W1は、ダイシングテープTを介して環状フレームFに支持されている。
切削装置1のベース10の上には、被加工物Wを収容するカセット5が配設されており、カセット5から引き出された被加工物Wは、互いがX軸方向に接近及び離間可能な一対のガイドレールからなるセンタリングガイド41の上に載置される。センタリングガイド41に案内されて所定の位置に位置合わせされた被加工物Wは、切削装置1に備えられた保持テーブル40の上に載置され、保持テーブル40の下方に配設された吸引手段44により生み出される吸引力によって、保持面400aに吸引保持されることとなる。また、保持テーブル40は、保持テーブル40に接続された回転手段45によって回転可能であり、一つの方向に形成された所定の本数の分割予定ラインLに対して切削が行われた後、保持テーブル40の保持面400aで吸引保持された被加工物Wが回転手段45により90度回転させられ、同じように複数の分割予定ラインLに対して切削が行われる。
保持テーブル40は、カバー42に囲繞されており、カバー42には蛇腹カバー43が連結されている。カバー42や蛇腹カバー43を用いることで、切削時に噴きかけられる切削水や切削溝の形成により生じた切削屑が切削装置1の内部に入り込むのを防ぐことができる。
保持テーブル40と、カバー42と、カバー42に連結された蛇腹カバー43とのそれぞれの下方(ベース10の内部)には、保持テーブル40をX軸方向に移動させる切削送り手段12が備えられている。切削送り手段12には、X軸方向の回転軸123を有するボールネジ121と、ボールネジ121に対して平行に配設された一対のガイドレール122と、ボールネジ121に連結されたモータ120と、内部に備えるナットがボールネジ121に螺合しガイドレール122の上を摺動する図示しない可動板とが備えられている。モータ120により駆動されてボールネジ121が回転軸123のまわりに回転すると、図示しない可動板がガイドレール122にガイドされてX軸方向に移動し、該可動板上に固定された保持テーブル40がX軸方向に移動する構成となっている。なお、蛇腹カバー43は保持テーブル40の移動に伴ってX軸方向に伸縮可能となっている。
保持テーブル40の保持面400aで保持された被加工物Wを切削する第1切削ユニット2A及び第2切削ユニット2Bが、ベース10の上の奥側(−X側)に立設された門型コラム14に並列して配設されている。
第1切削ユニット2A及び第2切削ユニット2Bには、保持テーブル40の保持面400aで保持された被加工物Wに切り込む切削ブレード20と、切削ブレード20が先端に固定されたスピンドル21と、スピンドル21を回転可能に支持するスピンドルハウジング23と、スピンドルハウジング23に固定され切削ブレード20を覆うブレードカバー22とが、それぞれ備えられている。図示しないモータ等により駆動されてスピンドル21がY軸方向の軸心の周りに回転するのに伴い、スピンドル21に装着された切削ブレード20が回転する構成となっている。なお、第1切削ユニット2Aと第2切削ユニット2Bとは同様に構成されており同様の符号が付されている。
図1の+X方向側から見て、門型コラム14の右側(+Y方向側)には、上記の第1切削ユニット2AをY軸方向に移動させる第1割り出し送り手段15が配設されている。第1割り出し送り手段15には、Y軸方向の軸心を有するボールネジ151と、ボールネジ151と平行に配設された一対のガイドレール152と、ボールネジ151の+Y方向側の一端に連結された図示しないモータと、内部のナット構造がボールネジ151に螺合し側部がガイドレール152に摺接する可動板153とが備えられている。図示しないモータにより駆動されてボールネジ151が回転し、これに伴い可動板153がガイドレール152に案内されてY軸方向に移動すると、可動板153上に第1切込み送り手段17を介して配設された第1切削ユニット2AがY軸方向に割り出し送りされる。
門型コラム14の左側(−Y方向側)には、第2切削ユニット2BをY軸方向に移動させる第2割り出し送り手段16が、上記の第1割り出し送り手段15に隣接して配設されている。第2割り出し送り手段16は、上記の第1割り出し送り手段15と同様に構成されており、第2割り出し送り手段16に備えるモータ160に駆動されてボールネジ161が回転することで、ボールネジ161に摺接する可動板163がガイドレール152に案内されてY軸方向に移動するのに伴い、可動板163に支持された支持部材183が同じくY軸方向に移動して、支持部材183の下方に配設された第2切削ユニット2Bが支持部材183とともにY軸方向に割り出し送りされることとなる。
第1切削ユニット2Aの付近には、第1切削ユニット2Aの切削ブレード20を切り込ませるべき被加工物Wの分割予定ラインLを検出するためのアライメント手段3が備えられている。アライメント手段3と第1切削ユニット2Aとは一体となって構成されており、両者は連動してY軸方向及びZ軸方向へと移動する。保持テーブル40の保持面400aで保持された被加工物Wを、切削送り手段12の移動制御により−X方向に移動させ、アライメント手段3の下方へと位置付けて、アライメント手段3に備えられた撮像手段30によって被加工物Wの表面Waに形成された分割予定ラインLを撮像する。撮像された撮像画像に基づいて、パターンマッチング等の画像処理が行われ、被加工物Wの表面Waに形成された分割予定ラインLの座標位置が検出される。
分割予定ラインLが検出されるのに伴って、第1割り出し送り手段15により第1切削ユニット2Aが、また、第2割り出し送り手段16により第2切削ユニット2Bが、それぞれY軸方向に駆動され、切削すべき分割予定ラインLと第1切削ユニット及び第2切削ユニットの切削ブレード20とのY軸方向における位置合わせが行われる。
切削装置1には、Z軸方向に第1切削ユニット2Aを移動させる第1切込み送り手段17が、上記の第1割り出し送り手段15の可動板153に支持される形で配設されている。第1切込み送り手段17には、Z軸方向の回転軸174を有するボールネジ171と、ボールネジ171と平行に配設された一対のガイドレール172と、ボールネジ171に連結されたモータ170と、第1切削ユニット2Aを支持し内部のナット構造がボールネジ171に螺合し側部がガイドレール172に摺接する支持部材173とが備えられている。モータ170により駆動されたボールネジ171がZ軸方向の回転軸174のまわりに回転すると、支持部材173が一対のガイドレール172に案内されてZ軸方向に移動し、これに伴い、第1切削ユニット2AがZ軸方向に切込み送りされる。
また、第1切込み送り手段17の−Y方向側には、第2切削ユニット2BをZ軸方向に移動させる第2切込み送り手段18が、上記の第2割り出し送り手段16の可動板163に支持される形で配設されている。第2切込み送り手段18は、上記の第1切込み送り手段17と同様に構成されており、モータ180により駆動されたボールネジ181がZ軸方向の回転軸184のまわりに回転すると、内部のナット構造がボールネジ181に螺合し側部がガイドレール182に摺接する支持部材183が一対のガイドレール182に案内されてZ軸方向に移動し、これに伴い、支持部材183に支持された第2切削ユニット2BがZ軸方向に切込み送りされることとなる。
第1切削ユニット2A及び第2切削ユニット2Bのスピンドル21が、図示しないモータにより駆動されて回転することで、スピンドル21に接続された切削ブレード20が回転する。その状態で、第1切削ユニット2A及び第2切削ユニット2Bが、第1切込み送り手段17及び第2切込み送り手段18によってそれぞれ駆動されて、−Z方向に切り込み送りされ、切削ブレード20を被加工物W1に切り込ませるための基準の高さ位置にスピンドル21が位置付けられることで、切削ブレード20と被加工物WとのZ軸方向の位置合わせが行われる。
切削ブレード20と被加工物WとのY軸方向の位置合わせがなされた後、さらに、スピンドル21が基準の高さ位置に位置付けられ、切削ブレード20と被加工物WとのZ軸方向の位置合わせがなされた状態で、被加工物Wが保持された保持テーブル40が所定の切削送り速度でさらに−X方向に送り出されることで、保持テーブル40と第1切削ユニット2A及び第2切削ユニット2Bに備えられた高速回転する切削ブレード20とが相対的に所定速度で切削送り方向(X軸方向)に移動する。これにより、被加工物Wの分割予定ラインLに切削ブレード20が切り込み、被加工物Wが分割予定ラインLに沿って切削される。
次に、隣り合う分割予定ラインLの間隔だけ第1切削ユニット2A及び第2切削ユニット2BをY軸方向に割り出し送りし、同様の切削を行うことにより、切削済みの分割予定ラインLの隣の分割予定ラインLを切削する。このようにして、割り出し送りと切削とを繰り返し行うことにより、所定の本数形成された同方向の分割予定ラインLがすべて切削される。その後、回転手段45により保持テーブル40を90度回転させてから同様の切削を行うことにより、すべての分割予定ラインLが縦横に切削され、被加工物W1を個々のチップに分割できる。
なお、切削加工において用いられる切削装置は、上記のような二つの切削手段を用いて被加工物Wの二本の分割予定ラインLに同時に切り込むいわゆるデュアルダイサーだけでなく、一つの切削手段を備える装置であってもよい。
また、切削装置のベース10の上には、洗浄手段11が配設されており、洗浄手段11によって、被加工物Wを洗浄することができる。
図2に示すように、第1切削ユニット2A及び第2切削ユニット2Bに備える切削ブレード20は、例えば、ハブタイプブレードであり、ハブ基台200と、ハブ基台200の外周部に形成された切り刃201とを備える。切削ブレード20がマウントフランジ26のボス部26bに挿入され、ボス部26bのネジと螺合するナット25によって、ナット25とマウントフランジ26のフランジ部26aとによりY軸方向両側から挟まれることで、切削ブレード20は、マウントフランジ26を介してスピンドル21に装着される。なお、切削ブレード20は、ハブタイプブレードに限定されるものではなく、ダイヤモンドやCBN砥粒等をレジンやメタル等の適宜のバインダーで固定し、環状に成型したワッシャータイプのブレードであってもよい。
図3及び4に示すように、ブレードカバー22には、ブレード破損検出器7が接続されている。ブレード破損検出器7は、切削ブレード20の上部を挟み込むように対向配置された発光部70及び図示しない受光部を有している。光ファイバー75に接続された発光部70の先端と、同じく光ファイバー76に接続された受光部の先端とが、切削ブレード20の上部の外周を挟んで対向し光軸がY軸方向に向くように位置付けられており、発光部70から射出された検査光は、切削ブレード20の切り刃28によって部分的に遮光されて受光部に受光される。これによって、ブレード破損検出器7は、受光部における受光量(透過率)の増加に応じて、切削ブレード20の全損や欠け等の破損状態を検出する。ブレード破損検出器7は、調節ネジ74によって切削ブレード20に対する上下位置が調整され、固定ネジ72によって調整された位置で固定される。
ブレードカバー22の−X方向側には、切削水ブロック81が調整ネジ82によりZ軸方向に昇降可能に締結されており、切削水ブロック81には、−Y方向側から見て略L字形状の一対の切削水ノズル80が、切削ブレード20の表裏面側に固定されている。一対の切削水ノズル80は、それぞれ切削水ブロック81から下方に伸びた上部80aと、切削ブレード20の下部を切削ブレード20の表面20a側及び裏面20b側から挟むようにして+X方向側に互いに平行に伸びた下部80bとから構成されており、切削水ノズル80の上部80aと下部80bとは、所定の角度をなして略L字状に連結されている。
一対の切削水ノズル80の先端側の切削ブレード20に相対する位置には、切削水を噴射する図示しない噴射口が複数設けられている。一対の切削水ノズル80には、図3に示すように、それぞれ一対の供給ホース83が連結されており、供給ホース83には供給ホース83の上方に接続された切削水源6から切削水が供給される。切削水源6から供給ホース83に供給された切削水は、切削水ブロック81を通じて一対の切削水ノズル80に供給される。切削水ノズル80に供給された切削水を、複数の噴射口によって噴射させることで、切削ブレード20と被加工物Wとの間に供給することができる。
切削水ブロック81の−Y方向側には、調整ネジ82を挿通させるZ軸方向に長い長孔84が形成されている。調整ネジ82をゆるめて切削水ブロック81をZ軸方向に昇降移動させることで、切削水ブロック81に固定された切削水ノズル80をZ軸方向に昇降移動させて、切削水ノズル80の高さ位置を適正位置に設定することができる。適正位置とは、図4に示すような、保持テーブル40に保持された被加工物Wを切削ブレード20で切削する際に、切削水ノズル80が被加工物Wに接触せず、且つ、切削水ノズル80からの切削水を切削ブレード20に供給できるような切削水ノズル80の高さ位置を指し、本実施形態においては、保持面400aに保持された被加工物Wの表面Waから切削水ノズル80の下端80cまでの距離がGとなる位置である。なお、適正位置は、被加工物W及びダイシングテープへの切削ブレードの切り込み深さによって異なる。
図5に示すように、切削ブレード20の使用開始時(切り刃201に磨耗がない状態)における被加工物W及びダイシングテープTへの所望の切り込み量がZ1である場合において、切り刃201の先端が最大磨耗量Z2だけ磨耗して磨耗部分201aがあり基台200からの切り刃201の刃先出し量が使用限界に達した後にも磨耗前と同様に切り込み量Z1を確保するためには、第1切削ユニット2A又は第2切削ユニット2Bを、切削ブレード20の使用開始時よりもZ2だけ低い位置まで切り込み送りする必要がある。そして、切り刃201が最大磨耗量Z2だけ磨耗して切り込み送り量がZ2だけ大きくなった場合においても、切削水ノズル80が被加工物Wの表面Waに接触しないようにしなければならない。したがって、切り刃201の使用限界との関係における切削水ノズルの適正位置は、切削ブレード20の使用開始時における切削水ノズル80の下端80cと被加工物Wの表面Waとの距離がZ2+a1(a1は余裕幅)となる位置である。ここで、切り刃201の使用限界は、切り刃201の摩耗量が最大磨耗量Z2−α(αは余裕幅)になった場合とする。
また、被加工物W及びダイシングテープTの厚みにはバラツキがある。このため、例えば被加工物Wの厚みとダイシングテープWの厚みとの和の最大値と、最小値との差を求め、その差の値よりも若干大きな余裕幅a1を考慮する必要がある。
したがって、切り刃201の使用限界までの磨耗に加えて、被加工物W及びダイシングテープTの厚みバラツキをも考慮した場合における切削水ノズルの適正位置は、切削ブレード20の使用開始時における切削ブレード20の刃先先端位置から切削水ノズル80の下端80cまでの距離が、Z1+Z2+a1となる位置である。
図3に示すように、ブレードカバー22の+X方向側には、シャワーブロック87が調整ネジ88により締結されている。シャワーブロック87の+X方向側の面には、調整ネジ88を挿通させるためのY軸方向に長い長孔88aが形成されており、調整ネジ88をゆるめることにより、シャワーブロック87をブレードカバー22に対してY軸方向にスライドさせることができる。シャワーブロック87には、切削ブレード20の外周方向から切削ブレード20に向かって切削水を供給するシャワーノズル86が配設されている。シャワーブロック87では、切削水源6から切削水源6に接続された供給ホース89に供給された切削水を、供給ホース89の下方に連結されたシャワーノズル86に伝達させて、シャワーノズル86の噴出口86aから切削ブレード20に向かって噴出させることができる。
切削加工時に、切削ブレード20を被加工物Wに切り込ませながら、切削水ノズル80及びシャワーノズル86から、切削ブレード20や、切削ブレード20と被加工物Wとの接触部分に切削水を供給することで、切削時に発生する熱を取り除いて冷却することができる。また、切削水によって、切削加工時に生じた切削屑を洗い流すことができる。
上述の通り、切削加工に際して、切削水ノズル80は被加工物Wに接触せず、且つ、切削水ノズル80からの切削水を切削ブレード20に供給できるような高さ位置である適正位置に設定される。切削水ノズル80が正常な状態であれば、切削水ノズル80を適正位置に設定した状態で、スピンドル21を切削ブレード20が被加工物Wに切り込むための基準の高さ位置に位置付けたときに、切削水ノズル80と保持面400aに保持された被加工物Wとが接触することなく、被加工物Wを切削することができるが、例えば、オペレータとの接触等により、切削水ノズル80の下部80bが下側に曲がった状態になっている等、切削水ノズル80が正常な状態でないときは、切削の際に切削水ノズル80と被加工物Wとが接触する可能性がある。切削時に切削水ノズル80と被加工物Wとが接触するのを防ぐためには、切削加工を実施する前に、切削水ノズル80の状態を確認する必要がある。
2 切削水ノズルの状態確認方法
上記の切削装置1及び基準ブロック9を用いた切削水ノズル80の状態を確認する確認方法について説明する。切削水ノズル80の状態確認は、切削加工の実施前に行われる。
(切削水ノズル適正位置設定ステップ)
まず、図3に示した切削水ブロック81の調整ネジ82をまわし、切削水ブロック81とともに切削水ノズル80を昇降移動させて、切削水ノズル80を、切削水ノズル80の下端80cと被加工物Wの表面Waとが接触せず、且つ、切削水ノズル80から供給される切削水が切削ブレード20に供給される適正位置に設定する。例えば、図4のように、スピンドル21を昇降移動させて基準の高さ位置に位置付けたときに、被加工物Wの表面Waから切削水ノズル80の下端80cまで、所定の距離Gが確保されるような位置設定が考えられる。切削水ノズル80を適正位置に設定する際には、予め被加工物WとダイシングテープTへの切削ブレードの切り込み量が調べられ、その切り込み量をもとに切削水ノズル80の適正位置が設定される。
(基準ブロック準備ステップ)
上記のように切削水ノズル80を適正位置に設定した後、図6に示す基準ブロック9を準備する。この基準ブロック9は、切削水ノズル80の状態を確認するために使用されるもので、切削加工の実施前に、保持テーブル40の保持面400aと切削水ノズル80の下端80cとの間に挿入して、切削水ノズル80の状態を確かめるブロック治具である。
この基準ブロック9は、四角柱形状の一対の基準ブロック部90と、基準ブロック部90の外側に立設された立設壁91と、一対の基準ブロック部90を切削水ノズル80が並ぶ方向に連結する連結部93とによって構成されている。また、連結部93には、切削ブレード20が挿入されるブレード逃げ溝93aが形成されており、基準ブロック9に備える基準ブロック部90の下面、立設壁91の下面、連結部93の下面は全て面一な下面9bとなっている。
基準ブロック9に備える基準ブロック部90の下面9bから上面90aまでの距離である、基準ブロック部90の厚みS1は、図7に示すような、切削水ノズル80が適正位置にある状態でスピンドル21が基準の高さ位置に位置付けられたときにおける、保持テーブル40の保持面400aから切削水ノズル80の下端80cまでの距離S2よりも僅かに薄い。
(切削水ノズル確認ステップ)
切削水ノズル80を適正位置に設定し、基準ブロック9を準備した後、切削ブレード20を用いて被加工物Wを切削する前に、切削送り手段12を用いた移動制御により、図8に示すように、スピンドル21をZ軸方向に昇降移動させて、被加工物Wに切り込むための基準の高さ位置に位置付けるとともに、保持テーブル40をX軸方向に移動させ、スピンドル21の下方に配置させる。こうして、スピンドル21を基準の高さ位置に位置付けて、さらに、保持テーブル40をスピンドル21の下方に配置させた後、保持面400aと切削水ノズル80との間に基準ブロック9を挿入する。
図9に示すように、厚みS1を有する基準ブロック9を、保持面400aと切削水ノズル80の下端80cとの間に挿入することができれば、切削水ノズル80の状態は正常であると確認される。切削水ノズル80の状態を確認した後、例えば、挿入された基準ブロック9を抜き取り、被加工物Wを保持テーブル40に載置させて切削加工を実施することができる。
一方、基準ブロック9と切削水ノズル80とが接触し、基準ブロック9を挿入できなかった場合、切削水ノズル80の状態が正常ではないと判断される。例えば、切削水ノズル80の下部80bが下側に曲がっている状態等が考えられ、切削水ノズル80が正常な状態でないと確認されたときは、切削加工を実施せずに切削水ノズル80の位置や傾きを修正する。基準ブロック9と切削水ノズル80とが接触する場合の原因としては、オペレータ等が切削水ノズル80に接触する場合、切削ブレード20や被加工物Wが変更された場合の切削水ノズル80の位置調整忘れ、調整ネジ82の緩み等が考えられる。調整不備により切削水ノズル80位置が下がっていたり傾いていたりする場合は位置や傾きを調整し、切削水ノズル80が曲がっている場合は新しいものに交換することで対応する。
基準ブロック9を用いることで、切削加工の実施前に、切削水ノズル80の状態が正常か否かを容易に確認することができるようになる。したがって、切削加工の際に被加工物Wの表面Waと切削水ノズル80の下端80cとが接触するのを防ぐことができる。
また、基準ブロック9が、二つの基準ブロック部90と、基準ブロック部90を連結する連結部93と、ブレードを挿入させるブレード逃げ溝92とを備えていれば、二本の切削水ノズル80の状態を同時に確認することができ、確認に要する時間を削減することができるとともに、切削水ノズル80の状態確認時に基準ブロック9と切削ブレード20とが接触するのを防ぐことができる。
さらに、切削水ノズル80の下に基準ブロック9を挿入するときは、切削水ノズル80の伸長方向と平行に基準ブロック9を挿入する必要があるところ、立設壁91が挿入時のガイドになるため、基準ブロック9を切削水ノズル80に平行に挿入しやすくなる。
1:切削装置 10:ベース
2A:第1切削ユニット 2B:第2切削ユニット
20:切削ブレード 20a:切削ブレードの表面 20b:切削ブレードの裏面
200:ハブ基台 201:切り刃 21:スピンドル 22:ブレードカバー
23:スピンドルハウジング 25:ナット 26:マウントフランジ
26a:フランジ部 26b:ボス部 3:アライメント手段 30:撮像手段
4:保持手段 40:保持テーブル 400a:保持面
401:枠体 41:センタリングガイド 42:カバー 43:蛇腹カバー
44:吸引手段 45:回転手段 5:カセット
6:切削水源 7:ブレード破損検出器 70:発光部
71:マーカー 72:固定ネジ 74:調整ネジ 75:光ファイバー
80:切削水ノズル 80a:切削水ノズル上部 80b:切削水ノズル下部
80c:切削水ノズルの下端 80d:スリット
81:切削水ブロック 82:調整ネジ 83:供給ホース 84:長孔
86:シャワーノズル 86a:噴出口 87:シャワーブロック 88a:長孔
9:基準ブロック 90:基準ブロック部 91:立設壁 93:連結部
93a:ブレード逃げ溝
9b:下面 90a:基準ブロック部上面
11:洗浄手段
12:切削送り手段 120:モータ 121:ボールネジ 122:ガイドレール
123:回転軸
15:第1割り出し送り手段 151:ボールネジ 152:ガイドレール
153:昇降板
16:第2割り出し送り手段 160:モータ 161:ボールネジ
152:ガイドレール 153:昇降板
17:第1切込み送り手段 170:モータ 171:ボールネジ
172:ガイドレール 173:支持部材 174:回転軸
18:第2切込み送り手段 180:モータ 181:ボールネジ
182:ガイドレール 183:支持部材 184:回転軸
W:被加工物 Wa:被加工物の表面 Wb:被加工物の裏面
T:ダイシングテープ F:環状フレーム
S1:基準ブロック部の厚み S2:保持面から切削水ノズル下端までの距離
Wd:被加工物の厚みとダイシングテープの厚みを合計した厚み
G:被加工物の表面から切削水ノズルの下端までの距離
Z1:切削ブレードの切り込み量 Z2:切削ブレードの最大磨耗量
a1:余裕幅

Claims (2)

  1. 被加工物を保持する保持面を含む保持テーブルと、
    該保持テーブルで保持された被加工物を切削する切削ブレードと、
    該切削ブレードが先端に固定されるスピンドルと、
    該スピンドルを回転可能に支持するスピンドルハウジングと、
    該スピンドルハウジングに固定され該切削ブレードを覆うブレードカバーと、
    該切削ブレードを挟んで該切削ブレードの表裏面側に配設され該切削ブレードに切削水を供給する該ブレードカバーに固定された一対の切削水ノズルと、を備えた切削装置において該切削水ノズルの高さ位置を確認する切削水ノズルの状態確認方法であって、
    該切削ブレードで該保持テーブルに保持された被加工物を切削する際に該切削水ノズルが被加工物に接触せず、且つ、該切削水ノズルからの切削水が該切削ブレードに供給される該切削水ノズルの適正位置を設定する切削水ノズル適正位置設定ステップと、
    該切削水ノズルが該適正位置にある状態で該スピンドルが基準の高さ位置に位置付けられた時に該保持テーブルの該保持面から該切削水ノズルの下端までの距離より僅かに薄い厚みの基準ブロックを準備する基準ブロック準備ステップと、
    該切削水ノズル適正位置設定ステップと、該基準ブロック準備ステップと、を実施した後、該切削ブレードで被加工物を切削する前に、該スピンドルを該基準の高さ位置に位置付けるとともに該保持テーブルを該スピンドルの下に配置して該保持面と該切削水ノズルとの間に該基準ブロックが挿入できるか否かで該切削水ノズルの状態を確認する切削水ノズル確認ステップと、を備えた切削水ノズルの状態確認方法。
  2. 請求項1に記載の切削水ノズルの状態確認方法で使用される基準ブロックであって、
    該切削水ノズルが適正位置にある状態で該スピンドルが基準の高さ位置に位置付けられた時に該保持テーブルの該保持面から該切削水ノズルの下端までの距離より僅かに薄い厚みを有した一対の基準ブロック部と、
    該一対の切削水ノズルが並ぶ方向に該一対の基準ブロック部を連結するとともに該切削ブレードが挿入されるブレード逃げ溝が形成された連結部と、を備えた基準ブロック。
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