1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図4参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明の透明板23t(窓部)が取付けられている。
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び上皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、音を出力するスピーカ(不図示)が設けられている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部(不図示)が形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部に取付けられている。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
また前扉23は、図3に示すように、前方側に上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを備えている。これら上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とは、ベース枠23bに対して着脱可能に取付けられている(図6参照)。
上側装飾部(上部装飾部)200は、遊技機枠2(前扉23)の上部を装飾するものである。上側装飾部200は、図3に示すように、左右方向の中央に上部装飾体(上部ユニット)31を備え、左側に左側発光体ユニット202Lを備え、右側に右側発光体ユニット202Rを備えている。左側発光体ユニット202Lと右側発光体ユニット202Rとを総称する場合、発光体ユニット202と言う。上部装飾体(上部ユニット)31は、パチンコ遊技機PY1のモチーフとなっている作品の主人公キャラに変形可能なものである。発光体ユニット202は、内部に枠ドラム320を備えたユニットであり、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態でベース枠23bに取付けられている(図6参照)。
左側装飾部210は、遊技機枠2(前扉23)の左側を装飾するものである。右側装飾部220は、遊技機枠2の右側を装飾するものである。右側装飾部220は、後述する枠剣可動体221(操作部材)と、枠剣可動体221の下側を収容可能な鞘部材222とを備えている。
操作機構部230(遊技媒体貯留部)は、遊技や演出を進行するための操作機構を備えるものである。操作機構部230は、上述したハンドル72kと上皿34と下皿35と演出ボタン40kとセレクトボタン42kとを備えている。
ところで図3に示すように、遊技場の島設備において鉛直方向に起立した垂直壁面SHのうちパチンコ遊技機PY1の上方には、データカウンタ160が配されている。データカウンタ160は、垂直壁面SHに固定されている固定部材162と、この固定部材162に対して前傾姿勢になるように傾動可能に取付けられているデータ表示器DHとを備えている。
データ表示器DHは、後述する大当たり遊技状態の発生回数や高確率状態の発生回数等を表示する略直方体形状のものである。またデータ表示器DHは、遊技者がホールの従業員を呼ぶための呼び出しボタン等を有している。このデータカウンタ160では、垂直壁面SHに対するデータ表示器DHの前傾角度を15度から25度まで可変できるようになっている。なお上側装飾部200の後部は、データ表示器DHが最大の25度の角度で前傾している場合であっても、データ表示器DHに当接しない形状になっている。
また上側装飾部200、左側装飾部210、右側装飾部220、及び操作機構部230には、様々な発光色で発光可能な枠ランプ53が多数設けられている。
遊技機枠2には、図4に示す遊技盤1が取付けられている。図4に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50が設けられている。なお画像表示装置50は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域6における第1始動口11の下方には、第2始動口12を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー12Dは、電チュー開閉部材12kが開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口12への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口12への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路W1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路W2という。
第1流路W1上には、第1始動口11と、一般入賞口10、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路W1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11や一般入賞口10への入賞を狙うことができる。なお、第1流路W1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路W2上には、ゲート13と、一般入賞口10と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路W2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、一般入賞口10、第2始動口12、及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また図4に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口14の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.枠可動部材の構成
次に図6〜図17に基づいて、枠可動部材の構成について説明する。本形態では、枠可動部材が、遊技機枠2(前扉23)に複数取付けられていて、それぞれ駆動手段(モータ)の駆動力によって移動可能になっている。なお枠可動部材とは、遊技盤1側ではなく、遊技機枠2側に取付けられている可動部材を意味する。
上部装飾体(上部ユニット)31は、図6に示すように、前扉23のベース枠23bの上端に設けられている水平状の上壁部23cに図示しないビスを用いて着脱可能になっている。この上部装飾体(上部ユニット)31は、図7に示すように、3分割できるものであり、上側蓋部材240と、上側蓋部材240の下方に配されるユニット本体250と、ユニット本体250の前側に組付けられる前側カバー260と、を備えている。ユニット本体250は、枠顔可動体400を備えている。
前側カバー260は、図7に示すように、起立していて、枠顔可動体400の前面側を隠すことができるように、左右方向に長く形成されている。また前側カバー260の上端には、左右方向に沿ってタッチセンサ(タッチ電極)261が取付けられている。タッチセンサ261は、人体が接触又は接近したことを検出するものである。そのため本形態では、タッチセンサ261による検出に基づいて、枠顔可動体400を移動させないことが可能である。また図7に示すように、枠顔可動体400の下側には、下側カバー510が取付けられていて、枠顔可動体400の前側には、枠顎可動体600が取付けられている。
ユニット本体250には、枠顔可動体400の他、図8に示すように、連結板301と、枠顔可動体400を回転させるための左側リンクユニット302L及び右側リンクユニット302Rが設けられている。連結板301には、枠顔可動体400の移動を制御する枠上中継基板310が取付けられている。
左側リンクユニット302Lの構成と右側リンクユニット302Rの構成とは、左右対称で同様である。以下では、左側リンクユニット302Lの構成を代表して説明する。左側リンクユニット302Lは、枠顔可動体400を待機位置又は動作位置に移動可能にするものである。本形態では枠顔可動体400が待機位置にあるときには、枠顔可動体400を略水平状態にしていて、枠顔可動体400が示す主人公キャラの顔が見えないようになっている。一方、枠顔可動体400が動作位置にあるときには、枠顔可動体400を前方に向かって斜め上方に延びる傾斜状態にしていて、枠顔可動体400が示す主人公キャラの顔が見えるようになっている。
左側リンクユニット302Lには、図8に示すように、左側枠顔移動モータ311Lが取付けられている。左側枠顔移動モータ311Lは、枠顔可動体400を待機位置と動作位置との間で回転させるための回転駆動力を付与するものである。なお右側リンクユニット302Rには、右側枠顔移動モータが取付けられている。右側枠顔移動モータも、枠顔可動体400を待機位置と動作位置との間で回転させるための回転駆動力を付与するものである。
左側リンクユニット302Lには、左側リンク部材340Lが取付けられている。また右側リンクユニット302Rには、右側リンク部材340Rが取付けられている。これらリンク部材340L,340Rに、枠顔可動体400が取付けられている。そして各リンク部材340L,340Rは、それぞれ左側枠顔移動モータ311L及び右側枠顔移動モータの駆動によって、軸中心O1及び軸中心O2周りに回転可能である。これにより、枠顔可動体400は、待機位置から動作位置へ移動する際に、図9(A)(B)に示すように、前方に向かって主人公キャラの顔が起き上がるように移動(回転)可能である。
なお枠顔可動体400の内部には、多数の顔用LED401が配されている。各顔用LED401の発光制御は、上述した枠上中継基板310によって実行される。具体的に枠上中継基板310は、枠顔可動体400が動作位置にあるときに、顔用LED401が発光するように制御する。これにより、動作位置にある枠顔可動体400を光って目立たせることが可能である。
本形態では、遊技者等が待機位置(図1参照)にある枠顔可動体400の下側(下側カバー510)を上方へ向かって押し上げると、枠顔可動体400を動作位置へ移動させることが可能である。一方、遊技者等が動作位置にある枠顔可動体400を下方へ向かって押し下げると、枠顔可動体400を待機位置へ移動させることが可能である。要するに枠顔可動体400は、人体による操作によっても待機位置と動作位置との間で移動可能になるように構成されている。
図10(A)(B)に示すように、下側カバー510には、左側枠耳可動体500L及び右側枠耳可動体500Rが揺動可能且つ直動可能に組付けられている。左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rは、図10(A)に示す退避位置と、図10(B)に示す露出可能位置との間で左右方向に揺動可能であり、図10(B)に示す露出可能位置と図10(C)に示す露出位置との間で直動可能(直線状に移動可能)である。
図10(C)に示すように、下側カバー510の左側には、左側枠耳移動モータ520Lが取付けられている。また下側カバー510の右側には、右側枠耳移動モータ520Rが取付けられている。左側枠耳移動モータ520Lと右側枠耳移動モータ520Rは、それぞれ左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rを、退避位置と露出可能位置との間で揺動させるための揺動力を付与すると共に、露出可能位置と露出位置との間で直動させるための直動駆動力を付与するものである。
本形態では、枠顔可動体400が待機位置にあるときには(図1参照)、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rは、それぞれ退避位置にある。このとき左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rは、枠顔可動体400の中に隠れていて、枠顔可動体400の中から露出できないようになっている。その後、枠顔可動体400が待機位置から動作位置へ移動し終えると、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rは、先ず退避位置から露出可能位置へ揺動する。これにより、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rが枠顔可動体400の内部から上方へ突出可能な状態になる。そして、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rは、露出可能位置から露出位置へ直動する。こうして左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rが、枠顔可動体400よりも上方に突出して露出するようになっている(図12参照)。
なお枠顔可動体400が動作位置から待機位置へ移動する場合には、以下のように動作する。即ち、先ず枠顔可動体400が動作位置にある状態で、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rが露出位置から露出可能位置へ直動する。そして、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rが露出可能位置から退避位置へ揺動する。こうして、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rを枠顔可動体400の内部に収納した後で、枠顔可動体400が動作位置から待機位置へ移動するようになっている。
図11(A)(B)に示すように、枠顎可動体600は、枠顔可動体400に対して傾動(回転)可能に組付けられている。本形態では枠顎可動体600が図11(A)に示す閉鎖位置と、図11(B)に示す開放位置との間で傾動(回転)可能である。図11(A)に示すように、枠顎可動体600が閉鎖位置にあるときには、枠顔可動体400が示す主人公キャラの口が閉じている印象を与えることが可能である。一方図11(B)に示すように、枠顎可動体600が開放位置にあるときには、枠顔可動体400が示す主人公キャラの口が開いている印象を与えることが可能である。
図11(A)(B)に示すように、動作位置にあるときの枠顔可動体400の下側に、枠顎移動モータ610が取付けられている。枠顎移動モータ610は、枠顎可動体600を閉鎖位置と開放位置との間で回転(傾動)させるための回転駆動力を付与するものである。
図12は、枠顔可動体400が動作位置にあるときの本パチンコ遊技機PY1の斜視図であり、図13は、枠顔可動体400が動作位置にあるときの本パチンコ遊技機PY1の正面図である。枠顎可動体600は、図13に示すように、枠顔可動体400が動作位置にあるときに限り、閉鎖位置と動作位置との間で傾動するようになっている。
図14に示すように右側装飾部220には、枠剣可動体221及び鞘部材222が設けられている。枠剣可動体221は、固定されている鞘部材222に対して、上下方向に直動可能に組付けられている。枠剣可動体221は、下側に剣先部分221aを有している。本形態では枠剣可動体221が図14(A)に示す収納位置(第2位置)と、図14(B)に示す押込位置(第1位置)との間で直動可能である。図14(A)に示すように、枠剣可動体221が収納位置にあるときには、剣先部分221aが鞘部材222の中に収納されている。一方、枠剣可動体221が押込位置にあるときには、剣先部分221aが鞘部材222から上方に移動して露出している。
鞘部材222の内部には、枠剣移動モータ223(図14(A)(B)(C)の破線参照)が取付けられている。枠剣移動モータ223(駆動手段)は、枠剣可動体221を収納位置と押込位置との間で直動させるための直動駆動力を付与するものである。本形態では、大当たりへの当選期待度が高いことを示すときには、枠剣可動体221の押込操作に関する枠剣操作演出を実行する場合がある(図26参照)。その場合に、枠剣移動モータ223の直動駆動力によって枠剣可動体221を収納位置から押込位置へ移動させることになる。これにより遊技者は、枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ押し込むことが可能であり、演出に積極的に関与することが可能である。
図14(A)に示す収納位置は、枠剣可動体221が最も下方に配されている位置である。右側装飾部220には、枠剣可動体221が収納位置にあることを検出可能な収納位置検出センサ226が取付けられている。また図14(B)に示す押込位置は、枠剣可動体221が最も上方に配されている位置である。右側装飾部220には、枠剣可動体221が押込位置にあることを検出可能な押込位置検出センサ227が取付けられている。
押込位置検出センサ(第1位置検出手段)227は、フォトセンサで構成されていて、受光部での光が遮られることよって検出するものである。具体的には、枠剣可動体221の上側に設けられた遮蔽部が、押込位置検出センサ227の受光部での光を遮ることで、押込位置検出センサ227による検出がなされる。本形態では、枠剣可動体221が図14(B)に示す押込位置から、図14(C)に示す押込途中位置へ下降するまでの間、枠剣可動体221の上側に設けられた遮蔽部が、押込位置検出センサ227の受光部での光を遮るようになっている。要するに、枠剣可動体221が押込位置から押込途中位置までの間にあるときには、押込位置検出センサ227による検出がある。その一方で、枠剣可動体221が押込途中位置よりも下方へ移動した途端に、押込位置検出センサ227による検出がなされない。押込位置から押込途中位置までの間の上下方向の距離は、約10mmである。また収納位置検出センサ226も、フォトセンサで構成されていて、受光部での光が遮られることよって検出するものである。なお押込位置検出センサ227及び収納位置検出センサ226をフォトセンサ以外のセンサで構成しても良い。
本形態では、遊技者等が収納位置(図14(A)参照)にある枠剣可動体221を上方へ向かって引抜くと、枠剣可動体221を押込位置(図14(B)参照)へ移動させることが可能である。また上述したように、遊技者等が押込位置にある枠剣可動体221を下方へ向かって押し込むと、枠剣可動体221を収納位置へ移動させることが可能である。要するに枠剣可動体221は、人体による操作によっても収納位置と押込位置との間で移動可能になるように構成されている。
また枠剣可動体221の上側には、円盤状の枠剣円盤部材232(可動部材)が回転可能に取付けられている。また枠剣可動体221の上側の内部には、枠剣円盤部材232を回転させるための回転駆動力を付与する枠剣円盤部材回転モータ231(図14(A)(B)(C)の破線参照)が接続されている。そのため図14(B)に示すように、枠剣円盤部材232は、枠剣円盤部材回転モータ231が回転駆動することで、枠剣可動体221に対して回転可能になっている。
次に発光体ユニット202について、図15に基づいて説明する。ここでは右側発光体ユニット202Rについて説明するが、左側発光体ユニット202Lも同様の構成を備えている。右側発光体ユニット202Rは、図15に示すように、固定部204と、固定部204の前方に取付けられた演出用本体部206とを有している。固定部204は、前扉23のベース枠23bに固定されている。演出用本体部206は、上部が下部よりも前方に位置する前傾姿勢と、鉛直方向に沿う起立姿勢(不図示)とをとることが可能である。演出用本体部206は外装体309を備えていて、図16では演出用本体部206から外装体309が取外された状態が示されている。
図16に示すように、演出用本体部206は、下側に下側部材312を有し、下側部材312に対して右側枠ドラム320Rを回転可能に取付けている。右側枠ドラム320R(可動部材)は、略円筒状であり、内部に多数のドラム用LED331(図16の破線参照)を配している。右側枠ドラム320Rの上側部分320Uは、周方向に沿って4つの面を有し、図16の矢印aで示す方向に回転可能である。一方、右側枠ドラム320Rの下側部分320Dは、周方向に沿って4つの面を有し、図16の矢印bで示す方向に回転可能である。
右側枠ドラム320Rの上側部分320Uと下側部分320Dは、それぞれ回転した後に、4つの面が同一平面を形成するように停止可能である。上側部分320Uが有する4つの面と、下側部分320Dが有する4つの面とは、1対1に対応付けられていて、対応関係にある組合せによって、特定のモチーフを形成することが可能である。本形態では、モチーフとして「V」の文字、「激アツ」の文字、7セグを形成することが可能である。そして右側枠ドラム320Rの内部に配されているドラム用LED331が発光することで、各モチーフを強調して示すことが可能である。
本形態では、高確率状態への移行を獲得した場合には、上側部分320Uと下側部分320Dによって「V」の文字が形成される。またSPリーチの中でも、大当たり当選に対する期待度が特に高いことを示すSPリーチが実行される場合には、上側部分320Uと下側部分320Dによって「激アツ」の文字が形成される。こうして右側枠ドラム320Rは、回転する上側部分320Uと下側部分320Dが停止したときに、遊技者への特典に係わる情報(「V」の文字,「激アツ」の文字)を示すことが可能である。
図17に示すように、右側枠ドラム320Rの下側部材312には、右側枠ドラム回転モータ321Rが取付けられている。右側枠ドラム回転モータ321Rは、右側枠ドラム320Rの上側部分320Uと下側部分320Dとを回転させるための回転駆動力を付与するものである。右側枠ドラム回転モータ321Rが回転駆動すると、上側部分320Uが図示しないギヤ機構を介して図17の矢印aで示す方向に回転すると共に、下側部分320Dが図示しないギヤ機構を介して図17の矢印bで示す方向に回転する。
右側発光体ユニット202Rと同様、左側発光体ユニット202Lの外装体309の内部にも、左側枠ドラムが設けられている。そして右側枠ドラム回転モータ321Rと同様、左側枠ドラムの下側部材に、左側枠ドラム回転モータが取付けられている。
3.遊技機の電気的構成
次に図18から図20に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図18から図20に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及び演出駆動基板107とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ601、盤ランプ54、枠ランプ53等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図18に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
パチンコ遊技機PY1は、図19に示すように、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)120と、画像制御を行う画像制御基板140と、音声制御を行う音声制御基板161とを備える。演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121(演出制御手段)には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161、演出駆動基板107が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。画像制御基板140の画像用RAM143は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板140の画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板140の画像用CPU141は、演出制御用マイコン121からの指令に基づいて画像用ROM142から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御基板120には、入力部検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。入力部検知センサ40aは、演出ボタン40kが押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42kが押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタンが押されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ601から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ601から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ601を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
電源基板190(電源供給手段)は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、払出制御基板170に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
またパチンコ遊技機PY1は、図20に示すように、演出駆動基板107を備えている。上述した演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、図20に示す演出駆動基板107を介して枠ランプ53や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行うと共に、演出駆動基板107と枠上中継基板310とを介して顔用LED401やドラム用LED331の点灯制御を行う。演出制御用マイコン121は、枠ランプ53、盤ランプ54、顔用LED401、ドラム用LED331等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53、盤ランプ54、顔用LED401、ドラム用LED331等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、演出駆動基板107に接続された演出ボタン振動モータ40mの駆動制御を行う。演出制御用マイコン121は、演出ボタン40kの動作態様を決める動作パターンを作成し、動作パターンデータに従って演出ボタン振動モータ40mの駆動を制御する。演出ボタン振動モータ40mは、演出ボタン40kを振動(移動)可能にするものである。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。なお動作パターンデータの中には、枠顔可動体400の動作態様を決める駆動データ、左側枠ドラム及び右側枠ドラム320Rの動作態様を決める駆動データ、枠耳可動体500の動作態様を決める駆動データ、枠顎可動体600のデータを決める駆動データ、枠剣可動体221の動作態様を決める駆動データ、枠剣円盤部材232の動作態様を決める駆動データもある。
演出駆動基板107には、上述した枠上中継基板310が接続されていると共に、枠右中継基板224と枠右上中継基板225が接続されている。枠上中継基板310は、上述したように、上側装飾部200の連結板301(図8参照)に取付けられている中継基板である。枠右中継基板224は、右側装飾部220に設けられている中継基板である。枠右上中継基板225は、右側装飾部220に設けられていて、枠右中継基板224の上方に配されている中継基板である。
枠上中継基板310には、枠顔可動体400を回転させるための枠顔移動モータ311が接続されている。枠顔移動モータ311は、左側枠顔移動モータ311Lと右側枠顔移動モータとの総称である。演出駆動基板107は、演出制御基板120からの駆動信号(シリアル信号やクロック信号等)に基づいて、枠上中継基板310を介して枠顔移動モータ311の駆動制御を行う。また枠上中継基板310には、枠ドラム320を回転させるための枠ドラム回転モータ321が接続されている。枠ドラム320は、右側枠ドラム320Rと左側枠ドラムとの総称である。枠ドラム回転モータ321は、右側枠ドラム回転モータ321Rと左側枠ドラム回転モータ321Lとの総称である。演出駆動基板107は、演出制御基板120からの駆動信号に基づいて、枠上中継基板310を介して枠ドラム回転モータ321の駆動制御を行う。
また枠上中継基板310には、枠耳可動体500を揺動及び直動させるための枠耳移動モータ520が接続されている。枠耳可動体500は、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rとの総称である。枠耳移動モータ520は、左側枠耳移動モータ520Lと右側枠耳移動モータ520Rとの総称である。演出駆動基板107は、演出制御基板120からの駆動信号に基づいて、枠上中継基板310を介して枠耳移動モータ520の駆動制御を行う。また枠上中継基板310には、枠顎可動体600を回転させるための枠顎移動モータ610が接続されている。そのため、演出駆動基板107は、演出制御基板120からの駆動信号に基づいて、枠上中継基板310を介して枠顎移動モータ610の駆動制御を行う。
枠上中継基板310には、タッチセンサ261が接続されている。そのため、タッチセンサ261に接触すると、タッチセンサ261から枠上中継基板310と演出駆動基板107とを介して演出制御基板120に対して検出信号が出力される。また枠上中継基板310には、上述したように点灯制御される顔用LED401及びドラム用LED331が接続されている。
枠右中継基板224には、枠剣可動体221を直動させるための枠剣移動モータ223が接続されている。そのため、演出駆動基板107は、演出制御基板120からの駆動信号に基づいて、枠右中継基板224を介して枠剣移動モータ223の駆動制御を行う。また枠右中継基板224には、収納位置検出センサ226が接続されている。そのため、収納位置検出センサ226による検出がなされると、収納位置検出センサ226から枠右中継基板224と演出駆動基板107とを介して演出制御基板120に対して検出信号が出力される。また枠右中継基板224には、押込位置検出センサ227が接続されている。そのため、押込位置検出センサ227による検出がなされると、押込位置検出センサ227から枠右中継基板224と演出駆動基板107とを介して演出制御基板120に対して検出信号が出力される。
枠右上中継基板225には、枠剣円盤部材232を回転させるための枠剣円盤部材回転モータ231が接続されている。そのため、演出駆動基板107は、演出制御基板120からの駆動信号に基づいて、枠右上中継基板225を介して枠剣円盤部材回転モータ231の駆動制御を行う。
なお、演出駆動基板107、枠上中継基板310、枠右中継基板224、枠右上中継基板225にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに各モータの駆動制御や各ランプの点灯制御を実行させてもよい。さらにこの場合、演出駆動基板107、枠上中継基板310、枠右中継基板224、枠右上中継基板225にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
本形態において演出制御基板120は、画像制御基板140と音声制御基板161と演出駆動基板107とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、盤ランプ54、枠ランプ53、スピーカ601、枠顔可動体400等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。なお本形態のパチンコ遊技機PY1では、音声や楽曲、効果音等を出力するスピーカ601が、上側装飾部200の後方側の下側に設けられている。
本形態では、枠可動部材として上述したように、枠顔可動体400と、枠耳可動体500と、枠顎可動体600と、枠剣可動体221と、枠剣円盤部材232と、枠ドラム320とが設けられている。こうして枠可動部材が多く設けられているため、電源基板190での消費電流(電力)が大きくなっている。
ここで図18〜図20は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図18〜図20に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図18〜図20に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図18〜図20に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
ここで本形態の枠剣移動モータ223の構造について、図21に基づいて説明する。図21に示すように、本形態の枠剣移動モータ223は、バイポーラ型のステッピングモータである。なお本形態では、枠剣移動モータ223の他、枠顔移動モータ311、枠ドラム回転モータ321、枠耳移動モータ520、枠顎移動モータ610、枠剣円盤部材回転モータ231も、バイポーラ型のステッピングモータである。
バイポーラ型のステッピングモータでは、機能を概略的に説明すると、図21に示すように、2組のコイルA及びコイルBが設けられている。そしてコイルAには、φ1端子とφ2端子とが設けられている。またコイルBには、φ3端子とφ4端子とが設けられている。このバイポーラ型のステッピングモータを駆動させる場合、図21の(1)⇒(2)⇒(3)⇒(4)に示すように、コイルAとコイルBに流す電流の向きを交互に切替えるようになっている。
即ち、先ず図21の(1)に示すように、コイルAのφ1端子からφ2端子へ電流を流す。次に図21の(2)に示すように、コイルBのφ3端子からφ4端子へ電流を流す。続いて図21の(3)に示すように、コイルAのφ2端子からφ1端子へ電流を流す。最後に図21の(4)に示すように、コイルBのφ4端子からφ3端子へ電流を流す。以後、上記(1)(2)(3)(4)を繰り返すことにより、回転軸を、発生した磁力で引き付けるように回転させる。こうしてバイポーラ型のステッピングモータでは、各端子に流れる電流の向きが切替わることが特徴になる。
従来から演出用のモータとして一般的に用いられているユニポーラ型のステッピングモータが存在する。そのユニポーラ型のステッピングモータは、2組のコイルA及びコイルBが設けられている。そしてコイルAには、φ1端子とφ2端子とが設けられていて、コイルAの中間にタップTPが設けられている。またコイルBには、φ3端子とφ4端子とが設けられていて、コイルBの中間にタップTPが設けられている。タップTPには、常に+電源(DC)が接続されている。このユニポーラ型のステッピングモータを駆動させる場合、タップTPから各端子へ電流を一方向へ流すようになっている。コイルAのタップTPからφ1端子へ電流を流し、コイルBのタップTPからφ3端子へ電流を流す。続いてコイルAのタップTPからφ2端子へ電流を流し、最後にコイルBのタップTPからφ4端子へ電流を流す。以後、上記で説明したことを繰り返すことにより、回転軸を、発生した磁力で引き付けるように回転させる。こうしてユニポーラ型のステッピングモータでは、各端子に流れる電流の向きが常に一定であることが特徴になる。
以上、従来のユニポーラ型のステッピングモータでは、回転時の各フェーズのコイルA,Bにおいて、半分のコイル(巻線)でしか電流が流れていない状態になる。これに対して、図21に示すバイポーラ型のステッピングモータでは、回転時の各フェーズのコイルA,Bにおいて、電流の向きが切替わるものの、コイル全体に電流が流れている状態になる。即ち常にコイルが機能することになる。従って、本形態のバイポーラ型のステッピングモータを用いる場合には、従来のユニポーラ型のステッピングモータを用いる場合に比べて、同じ巻き数のコイルであれば、コイルの利用効率が高くなる。その結果、モータを効率良く回転させることが可能であり、低速回転時の出力トルクを高くすることが可能である。
本形態では、バイポーラ型のステッピングモータが可動部材を移動させる場合の励磁方式として、2相励磁を用いている。2相励磁は、図22に示すように、パルスを付与する次の相に対して1パルス分だけずらしながら、2相ずつ同時に励磁する方式である。この2相励磁に対して例えば、1相励磁がある。1相励磁は、パルスを付与する度に1相ずつ励磁する方式である。本形態の2相励磁であれば、1相励磁に比べて、回転を安定させることが可能であり、高速回転に有利である。更に、出力トルクを大きくできるというメリットがある。但し、1相励磁に比べて、消費電流(電力)が2倍になるというデメリットがある。
4.枠右中継基板の電気回路
次に図23に基づいて、枠右中継基板224の電気回路について説明する。先ず枠右中継基板224の電気回路について説明する。図23に示すように、枠右中継基板224には、枠剣移動モータドライバIC1が実装されている。枠剣移動モータドライバIC1(駆動回路部)は、枠剣移動モータ223の駆動を制御するステッピングモータドライバである。
枠剣移動モータドライバIC1は、図23に示すように、Vcc端子、VREFA端子、VREFB端子、PHASEA端子、PHASEB端子、INA1端子、INA2端子、INB1端子、INB2端子、STANDBY端子、6ビット分のGND端子、2ビット分のOUTA+端子、2ビット分のOUTA−端子、2ビット分のOUTB+端子、2ビット分のOUTB−端子、2ビット分のRSA端子、2ビット分のRSB端子、18ビット分のNC(未接続)端子、及びその他の端子(OSCM端子、VM端子)を備えている。枠剣移動モータドライバIC1には、例えばテキサスインスツルメンツ製「TB67S101AFTG」などの汎用ドライバを好適に使用できる。
Vcc端子は、5Vの電源が供給される端子である。VREFA端子は、枠剣移動モータ223に対するA相モータ出力設定端子である。またVREFB端子は、枠剣移動モータ223に対するB相モータ出力設定端子である。ここで、VREFA端子に作用する電圧によって、後述するOUTA+端子及びOUTA−端子から出力する電流が切替えられる。即ち、VREFA端子に作用する電圧が大きければ、後述するOUTA+端子及びOUTA−端子から出力する電流を大きくすることが可能である。同様に、VREFB端子に作用する電圧によって、後述するOUTB+端子及びOUTB−端子から出力する電流が切替えられる。即ち、VREFB端子に作用する電圧が大きければ、後述するOUTB+端子及びOUTB−端子から出力する電流を大きくすることが可能である。
PHASEA端子は、枠剣移動モータ223(図21参照)に対するA相極性設定端子である。PHASEB端子は、枠剣移動モータ223に対するB相極性設定端子である。INA1端子及びINA2端子は、枠剣移動モータ223に対するA相出力制御端子である。INB1端子及びINB2端子は、枠剣移動モータ223に対するB相出力制御端子である。STANDBY端子は、省電力モード設定端子である。GND端子は、グランドに接続するための端子である。
OUTA+端子は、枠剣移動モータ223のA相φ1端子(コイルAのφ1端子,図21参照)に対する電流出力端子である。OUTA−端子は、枠剣移動モータ223のA相φ2端子(コイルAのφ2端子)に対する電流出力端子である。OUTB+端子は、枠剣移動モータ223のB相φ3端子(コイルBのφ3端子)に対する電流出力端子である。OUTB−端子は、枠剣移動モータ223のB相φ4端子(コイルBのφ4端子)に対する電流出力端子である。RSA端子は、枠剣移動モータ223のA相(コイルA)に出力した電流を検出するための端子である。RSB端子は、枠剣移動モータ223のB相(コイルB)に出力した電流を検出するための端子である。
ところで、図23に示す枠剣移動モータドライバIC1は、枠剣移動モータ223のコイルAの各端子φ1,φ2、及びコイルBの各端子φ3,φ4に所定の一定電流を供給することが可能な定電流駆動方式のものである。定電流駆動方式では、各コイルA,Bに流れる電流が一定電流になるように常に監視して、規定電流以上の電流が流れようとすると高速で電圧のONとOFFとを繰り返して、一定電流を保つ方式である。この定電流駆動方式に対して、定電圧駆動方式がある。定電圧駆動方式では、各コイルA,Bに作用する電圧を一定電圧に保つ方式である。
ここでモータが回転するときには、各コイルA,Bに、誘導起電力(逆起電力)が発生して、逆起電圧が作用することになる。そのため、定電圧駆動方式の場合、各コイルA,Bに作用する有効な電圧(定電圧駆動方式による一定電圧)が、逆起電圧によって減少してしまう。特にモータが高速回転するほど、各コイルA,Bに大きな逆起電圧が作用するため、電流が流れ難くなる。その結果、定電圧駆動方式では、モータの出力トルクを大きくし難い。これに対して、定電流駆動方式であれば、逆起電圧が発生しても、各コイルA,Bに流れる電流を一定電流にて安定するように制御する。その結果、定電圧駆動方式よりも、モータの高速回転時における出力特性を向上させることが可能である。本形態の枠剣移動モータドライバIC1では、定電流駆動方式によって供給する一定電流が230mAになるように設定されている。
枠剣移動モータドライバIC1のOUTA+端子は、制御ラインL1を介してコネクタCN1の1番端子に接続されている。コネクタCN1の1番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣移動モータ223のコイルAの端子φ1(図21参照)に接続されている。従って、枠剣移動モータドライバIC1のOUTA+端子から出力される電流を、制御ラインL1を通して、枠剣移動モータ223のコイルAの端子φ1へ流すことが可能である。ここで本形態では、制御ラインL1に電流遮断回路224Aが設けられていることに特徴があるが、電流遮断回路224Aについては後述する。
また枠剣移動モータドライバIC1のOUTA−端子は、制御ラインL2を介してコネクタCN1の2番端子に接続されている。コネクタCN1の2番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣移動モータ223のコイルAの端子φ2(図21参照)に接続されている。従って、枠剣移動モータドライバIC1のOUTA−端子から出力される電流を、制御ラインL2を通して、枠剣移動モータ223のコイルAの端子φ2へ流すことが可能である。
また枠剣移動モータドライバIC1のOUTB+端子は、制御ラインL3を介してコネクタCN1の3番端子に接続されている。コネクタCN1の3番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣移動モータ223のコイルBの端子φ3(図21参照)に接続されている。従って、枠剣移動モータドライバIC1のOUTB+端子から出力される電流を、制御ラインL3を通して、枠剣移動モータ223のコイルBの端子φ3へ流すことが可能である。ここで本形態では、制御ラインL3に電流遮断回路224Aが設けられていることに特徴があるが、電流遮断回路224Aについては後述する。
また枠剣移動モータドライバIC1のOUTB−端子は、制御ラインL4を介してコネクタCN1の4番端子に接続されている。コネクタCN1の4番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣移動モータ223のコイルBの端子φ4(図21参照)に接続されている。従って、枠剣移動モータドライバIC1のOUTB−端子から出力される電流を、制御ラインL4を通して、枠剣移動モータ223のコイルBの端子φ4へ流すことが可能である。
図23に示すように、枠剣移動モータドライバIC1のVREFA端子から延びる制御ラインと、VREFBラインから延びる制御ラインとが結合して、1つの制御ラインL5が形成されている。制御ラインL5は、分岐点BTから図23の上側へ延びる制御ラインL5aと、分岐点BTから図23の下側へ延びる制御ラインL5bとに分かれている。制御ラインL5aには抵抗R1が接続されていて、制御ラインL5bには抵抗R2が接続されている。本形態では、制御ラインL5aに検査用外付回路224Bが組み込まれており、検査用外付回路224Bについては後述する。
また図23に示すように、制御ラインL1とグランドとの間にアバランシェダイオードZD1が設けられ、制御ラインL2とグランドとの間にアバランシェダイオードZD2が設けられ、制御ラインL3とグランドとの間にアバランシェダイオードZD3が設けられ、制御ラインL4とグランドとの間にアバランシェダイオードZD4が設けられている。これらアバランシェダイオードZD1,ZD2,ZD3,ZD4は、各制御ラインL1,L2,L3,L4に対して過電圧(例えば数千V)が作用したときに、各制御ラインL1,L2,L3,L4を保護するものである。
なお図23に示すように、枠剣移動モータドライバIC1の2つのOUTA+端子から延びる制御ラインは結合されて、1つの制御ラインL1になっている。また枠剣移動モータドライバIC1の2つのOUTA−端子から延びる制御ラインは結合されて、1つの制御ラインL2になっている。また枠剣移動モータドライバIC1の2つのOUTB+端子から延びる制御ラインは結合されて、1つの制御ラインL3になっている。また枠剣移動モータドライバIC1の2つのOUTB−端子から延びる制御ラインは結合されて、1つの制御ラインL4になっている。これは、枠剣移動モータドライバIC1の1つ(1ビット分)の端子から出力できる電流は限られているため、2つの端子から延びる制御ラインを結合することで、より大きな電流を供給可能にするためである。
なお枠剣移動モータドライバIC1は、チョッピング基準周波数に基づいて、パルス幅変調(PWM(Pulse Width Modulation))を行って、一定電流を供給できるようにしている。チョッピング基準周波数は、半導体素子のONとOFFとを切替える早さを意味するものであり、図23に示す抵抗R6及びコンデンサC8に応じて適宜設定される。また図23に示すコンデンサC9は、電源ラインとグランドとの間に接続されるバイパスコンデンサ(パスコン)であり、枠剣移動モータドライバIC1での制御回路を安定させるものである。
図23において、K−FC制御信号として「L」レベルの信号が入力される場合には、フォトモスリレーPM1,PM2の1番端子(アノード端子)から2番端子(カソード端子)へ電流が流れる。これにより、フォトモスリレーPM1,PM2の入力側のLEDが発光して、出力側のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect)ゲートが充電される。その結果、MOSFETが導通状態になる。即ち、フォトモスリレーPM1,PM2の4番端子(ドレイン端子)と6番端子(ドレイン端子)との間が導通状態になる。この状態であれば、枠剣移動モータドライバIC1は、枠剣移動モータ223の各コイルA,Bに電流を流すことが可能である。
また枠右中継基板224には、入出力IC2(不図示)が実装されている。入出力IC2は、デジタル信号を入出力するためのものである。入出力IC2には、シリアルデータ入出力端子(SDA端子)、シリアルクロック入力端子(SCL端子)、Vcc端子、3ビット分のアドレス設定端子(A0〜A2端子)、5ビット分の入力端子P11〜P15、11ビット分の出力端子P00〜P10、その他の端子(GND端子、INT端子)を備えている。また入出力IC2は、例えばテキサスインスツルメンツ製「SNB6006PWR」などのGPIO(General Purpose Input Output)を好適に使用できる。
入出力IC2と演出制御用マイコン121とは、I2C(Inter Integrated Circuit)通信方式によって通信可能に接続されている。即ち、演出制御用マイコン121のシリアルポートが接続されているデータ信号ラインに、入出力IC2のSDA端子が接続されている。また演出制御用マイコン121の演出用I/Oポート138のシリアルポートが接続されているクロック信号ラインに、入出力IC2のSCL端子が接続されている。
入出力IC2の出力端子P10から「H」レベルの制御信号が出力される場合、その制御信号のレベルは、インバータ素子INV1によって「L」レベルに変換される。従って、この場合には、図23に示すK−FC制御信号として「L」レベルの信号が出力される。よって演出制御用マイコン121は、入出力IC2の出力端子P10から「H」レベルの制御信号が出力されるように制御することで、枠剣移動モータ223の駆動を制御可能な状態にすることができる。
一方、図23において、K−FC制御信号として「H」レベルの信号が入力される場合には、フォトモスリレーPM1,PM2の1番端子(アノード端子)から2番端子(カソード端子)へ電流が流れない。これにより、フォトモスリレーPM1,PM2の入力側のLEDが発光しないため、出力側のMOSFETゲートが充電されない。その結果、MOSFETが非導通状態になる。即ち、フォトモスリレーPM1,PM2の4番端子(ドレイン端子)と6番端子(ドレイン端子)との間が非導通状態になる。この状態であれば、枠剣移動モータドライバIC1は、枠剣移動モータ223の各コイルA,Bに電流を流すことが不可能である。そして、枠剣移動モータ223に逆起電力が生じても、その逆起電力を枠剣移動モータドライバIC1に作用させないことが可能である。
ここで入出力IC2の出力端子P10から「L」レベルの制御信号が出力される場合、その制御信号のレベルは、インバータ素子INV1によって「H」レベルに変換される。この場合には、図23に示すK−FC制御信号として「H」レベルの信号が出力される。これにより、演出制御用マイコン121は、入出力IC2の出力端子P10から「L」レベルの制御信号が出力されるように制御することで、枠剣移動モータドライバIC1に逆起電力に基づく超過電圧が作用しない状態にすることが可能となる。
本形態では、パチンコ遊技機PY1に電源が投入されていない状態、又は電源が投入された直後の初期状態(デフォルト状態)では、図23に示すK−FC制御信号のレベルは「L」レベルになっている。従ってほとんどの期間においては、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4が非導通状態になっている。よって、遊技者が遊技しないで悪戯で枠剣可動体221を高速に直動させても、枠剣移動モータ223で生じる逆起電力が枠剣移動モータドライバIC1に作用することがない。その結果、枠剣移動モータドライバIC1が故障するのを防ぐことが可能である。
また本形態では、大当たりへの当選期待度が高いことを示す場合、枠剣可動体221の押込操作に関する枠剣操作演出を実行する場合がある。この枠剣操作演出では、図26(A)に示す押込操作待機示唆演出と、図26(B)に示す押込操作有効示唆演出などが実行される。押込操作待機示唆演出では、表示画面50aにて枠剣可動体221の押込位置から収納位置への押し込みを禁止することを示すと共に、「剣の押込操作が禁止されています」の文字を示す待機示唆背景画像KNが表示される(図26(A)参照)。そして押込操作有効示唆演出では、表示画面50aにて枠剣可動体221を収納位置へ押し込むことを示すと共に、「剣を押し込め」の文字を示す有効示唆背景画像KOが表示される(図26(B)参照)。枠剣操作演出を開始する際には、枠剣可動体221を図14(A)に示す収納位置から図14(B)に示す押込位置へ自動で上昇させるようにしている。また枠剣操作演出が開始された後、遊技者が枠剣可動体221の押込操作が有効となる押込操作有効期間(本形態では、10秒)の間に枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ押込操作をしなかった場合、枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ自動で下降させるようにしている。このように、枠剣可動体221(枠剣移動モータ223)を駆動させなければならない期間がある。
そこで本形態では、演出制御用マイコン121が、枠剣移動モータ223を駆動させることが可能な第1枠剣可動体駆動期間(駆動期間)と第2枠剣可動体駆動期間(駆動期間)を設定する(図25(A)参照)。ここで第1枠剣可動体駆動期間とは、収納位置(図14(A)参照)から押込位置(図14(B)参照)へ枠剣可動体221を移動させるまでの期間(本形態では、約1秒)のことである(図25(A)参照)。そしてこの第1枠剣可動体駆動期間の開始時に、入出力IC2の出力端子P10から「H」レベルの制御信号が出力されるように制御する。これにより、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4が非導通状態から導通状態に切替わって、枠剣移動モータ223のコイルA,Bに駆動電流を供給することが可能である。また第2枠剣可動体駆動期間とは、押込操作有効期間(本形態では、10秒)の間に枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ押込操作をしなかった場合に、枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ移動させるまで(本形態では、約1秒)の期間のことである(図25(B)参照)。そしてこの第2枠剣可動体駆動期間では、入出力IC2の出力端子P10から「H」レベルの制御信号が出力されるように制御している。これにより、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4は導通状態となっており、枠剣移動モータ223のコイルA,Bに駆動電流を供給することが可能である。また第2枠剣可動体駆動期間の経過時には、入出力IC2の出力端子P10から「H」レベルの制御信号が出力されないように制御する。これにより、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4が導通状態から非導通状態に切替わり、枠剣移動モータ223のコイルA,Bに駆動電流を供給することはできない。
次に、図23に示す枠右中継基板224において、検査用外付回路224Bが設けられていない場合の問題点について説明する。枠剣移動モータドライバIC1は、上述したように、定電流駆動方式のものである。この定電流駆動方式のドライバ(枠剣移動モータドライバIC1)においては、OUTA+端子,OUTA−端子,OUTB+端子,OUTB−端子から出力する一定電流(本形態では230mA)は、VREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさに依存する。そして、VREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさは、制御ラインL5aに接続されている抵抗R1の抵抗値と、制御ラインL5bに接続されている抵抗R2の抵抗値との合成抵抗値に依存する。
ここでモータ(枠剣移動モータ223)の出力トルクの大きさは、供給される電流(制御ラインL1,L2,L3,L4を流れる電流)の大きさに比例する。従って、所望の出力トルクを得ることができるように、定電流駆動方式のドライバによる一定電流の大きさ(本形態では230mA)が決定されている。そして、その一定電流が供給できるように、抵抗R1の抵抗値と抵抗R2の抵抗値とを設定している。以上要するに、定電流駆動方式のドライバでは、枠剣移動モータ223で所望の出力トルクを得ることができるように、抵抗R1及び抵抗R2を適宜選択している。
ところで遊技機の分野においては、パチンコ遊技機PY1全体を組み上げる前に、部品製造業者等が可動部材(例えば枠剣可動体221)を備えるユニット(例えば右側装飾部220)に対して、動作確認の検査を行う。この動作確認の検査では、モータで本来得るべき出力トルクに対して、所定割合(例えば15%)だけ出力トルクを減少させた状態で、可動部材が適切に動作するか否かをチェックする。つまり、所定割合だけモータの出力トルクを減少させた状態でも可動部材が適切に動作すれば、本来の100%の出力トルクを発生させる場合(最終製品の場合)に確実に可動部材を動作できるという考えで、動作確認の検査を実行している。近年の遊技機では、ユニットの構造が複雑化しているため、組付け誤差等の影響により、可動部材が適切に動作しない事態が生じかねない。そこで動作確認の検査により、組付け誤差等によって生じる不良品を見つけることが可能である。
従来の遊技機において、モータとして、ユニポーラ型のステッピングモータ(以下「ユニポーラモータ」ともいう)を用いるのが一般的であり、ユニポーラモータを駆動させるためのドライバとして、定電流駆動方式以外(定電圧駆動方式等)のドライバを用いるのが一般的である。ユニポーラモータの場合、モータ自体が備える抵抗によって出力トルクが変わる。そのため、ユニポーラモータを用いる場合の動作確認の検査では、本来の100%の出力トルクを発生させるユニポーラモータではなく、所定割合(例えば10%)だけ出力トルクが減少するユニポーラモータに換えて検査を行うようになっていた。或いは、本来の100%の出力トルクを発生させるユニポーラモータを用いつつ、そのユニポーラモータに作用させる駆動電圧を外部から強制的に可変させることで、所定割合(例えば10%)だけ出力トルクを減少させて検査を行うようになっていた。
これに対して本形態では、上述したように、低速回転時の出力トルクを高くすることができるバイポーラ型のステッピングモータ(以下「バイポーラモータ」ともいう,図21参照)を用いている。そして、バイポーラモータに適したドライバとして、定電流駆動方式のドライバ(枠剣移動モータドライバIC1)を用いている。しかしながら、定電流駆動方式のドライバを用いる場合、モータ(枠剣移動モータ223)で100%の出力トルクを得ることができるように、予め一定電流の値(230mA)を設定(固定)している。従って、モータに供給する一定電流の値を可変することができない。
仮に抵抗R1の抵抗値と抵抗R2の抵抗値とを変えてしまうと、所望の出力トルクを得るために設定したはずの電流の大きさが変わるため、本来の100%の出力トルクを発生できなくなってしまう。また駆動電圧を外部から強制的に可変させるようにしても、定電流駆動方式である以上、モータに供給する電流の大きさは変わらず、出力トルクを所定割合だけ減少させることができない。なお上記した問題点は、図23に示す枠剣移動モータドライバIC1を用いる場合を例として説明したが、左側枠ドラムモータドライバを用いる場合や、右側枠ドラムモータドライバを用いる場合も同様である。
そこで本形態では、上記した問題点を解決すべく、図23に示すように、制御ラインL5aに検査用外付回路224Bが組み込まれている。検査用外付回路224B(状態切替手段)は主に、NPN型のトランジスタTR1と、トランジスタTR1のコレクタに接続されている制御ラインL6と、NPN型のトランジスタTR2と、トランジスタTR2のコレクタに接続されている制御ラインL7とを備えている。
トランジスタTR1のベースには、K−CHECK1制御信号として「L」レベルの信号又は「H」レベルの信号が入力される。K−CHECK1制御信号は、入出力IC2の出力端子P01から出力される信号である。またトランジスタTR1のエミッタは、グランドに接続されている。そして、制御ラインL6には抵抗R3が接続されている。この制御ラインL6は、制御ラインL7と1つに結合した状態で、制御ラインL5aに接続されている。
こうして本形態では、図23に示すように、定電流駆動方式の枠剣移動モータドライバIC1を用いても、枠右中継基板224に検査用外付回路224Bを組み込むことで、枠剣移動モータ223に対して、予め設定する一定電流よりも少ない電流を供給することが可能である。そのため、枠剣可動体221を備えるユニットに対する動作確認の検査を容易に行うことが可能である。
そして本形態では、検査用外付回路224Bが、トランジスタTR1及び抵抗R3と、トランジスタTR2及び抵抗R4の2組を備えている。そのため、枠剣移動モータ223にて発生させる出力トルクを、15%又は20%という2種類の割合にて選択して減少させることが可能である。よって、どのくらいの割合まで出力トルクを減少させても、枠剣可動体221が適切に動作するのかをより正確に判断することが可能である。
なお本形態のように、定電流駆動方式のドライバを用いる場合には、以下のメリットがある。即ち、例えば図23に示す枠剣移動モータドライバIC1においては、上述したように、OUTA+端子,OUTA−端子,OUTB+端子,OUTB−端子から出力する一定電流は、VREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさに依存し、VREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさは、抵抗R1及び抵抗R2の合成抵抗値に依存する。従って、枠剣移動モータ223としては1種類だけを用意して、抵抗R1及び抵抗R2を変えるだけで、枠剣移動モータ223から異なる出力トルクを発生させることが可能になる。これに対して、従来のように定電流駆動方式以外のドライバを用いる場合には、モータ(バイポーラ型のステッピングモータ)ごと変えることによって、異なる出力トルクを発生させるようにしていた。以上により、定電流駆動方式のドライバを用いることで、開発途中において出力トルクを変更したい場合に対処し易い(設計し易い)というメリットがある。
また図1に示すように、パチンコ遊技機PY1が全体として組み上がっている場合(遊技場に設置されている場合等)では、演出制御用マイコン121は、図23に示す入出力IC2の出力端子P01から、K−CHECK1制御信号として「L」レベルの信号が出力され、且つ出力端子P00から、K−CHECK2制御信号として「L」レベルの信号が出力されるように制御する。そのため、この場合には、図23に示すように、制御ラインL6に接続されている抵抗R3が常に機能しないと共に、制御ラインL7に接続されている抵抗R4も常に機能しない。従って、枠剣移動モータ223には予め設定している一定電流(本形態では230mA)を供給することが可能であり、枠剣移動モータ223で常に所望(100%)の出力トルクを発生させることが可能である。
なお本形態では、枠剣移動モータ223で発生させる所望(100%)の出力トルクを、約108mN・mに設定している。そしてこの出力トルクを発生させるために枠剣移動モータドライバIC1が供給する一定電流を、上述したように230mAに設定している。また、左側枠ドラム回転モータ321L及び右側枠ドラム回転モータ321Rで発生させる所望(100%)の出力トルクを、約1200gf・cmに設定している。そしてこの出力トルクを発生させるために左側枠ドラムモータドライバIC11及び右側枠ドラムモータドライバIC21が供給する一定電流を、200mAに設定している。但し上記した出力トルクの値及び一定電流の値は、あくまで本形態の一例として示すものであって、可動部材の大きさや移動速度等に応じて適宜変更可能である。
なお上記では、枠右中継基板224に設けられている検査用外付回路224Bついて説明した。しかしながら本形態では、枠顔移動モータ311、枠耳移動モータ520、枠顎移動モータ610の駆動を制御する制御基板などにも、上記した検査用外付回路224Bと同様に、検査用外付回路が組み込まれている。従って、枠顔可動体400、枠耳可動体500、枠顎可動体600を備えるユニットの動作確認の検査を行う場合、上記した各モータの出力トルクを15%又は20%減少させることが可能である。よって、動作確認の検査を容易に行うことが可能である。
ところで本形態の定電流駆動方式のドライバ(例えば枠剣移動モータドライバIC1)は、一定電流を供給可能に構成されていると共に、一定電流よりも小さい低下電流を供給可能に構成されている。具体的に、図23に示す枠剣移動モータドライバIC1を例にすると、PHASEA端子に「H」レベルの信号を入力し、PHASEB端子に「H」レベルの信号を入力し、INA1端子に「H」レベルの信号を入力し、INA2端子に「H」レベルの信号を入力し、INB1端子に「H」レベルの信号を入力し、INB2端子に「H」レベルの信号を入力する場合には、予め設定している一定電流(本形態では230mA)を供給可能に構成されている。
これに対して、枠剣移動モータドライバIC1は、PHASEA端子に「H」レベルの信号を入力し、PHASEB端子に「H」レベルの信号を入力し、INA1端子に「H」レベルの信号を入力し、INA2端子に「L」レベルの信号を入力し、INB1端子に「H」レベルの信号を入力し、INB2端子に「L」レベルの信号を入力する場合には、上記した一定電流(本形態では230mA)に対する71%の大きさの電流を供給可能に構成されている。言い換えれば、演出制御用マイコン121が、入出力IC2から、「H」レベルのPHASEA制御信号と、「H」レベルのPHASEB制御信号と、「H」レベルのINA1制御信号と、「L」レベルのINA2制御信号と、「H」レベルのINB1制御信号と、「L」レベルのINB2制御信号とを出力するように制御すると、一定電流よりも29%(所定割合)だけ小さい低下電流を供給することが可能である。
また、枠剣移動モータドライバIC1は、PHASEA端子に「H」レベルの信号を入力し、PHASEB端子に「H」レベルの信号を入力し、INA1端子に「L」レベルの信号を入力し、INA2端子に「H」レベルの信号を入力し、INB1端子に「L」レベルの信号を入力し、INB2端子に「H」レベルの信号を入力する場合には、上記した一定電流(本形態では230mA)に対する38%の大きさの電流を供給可能に構成されている。言い換えれば、演出制御用マイコン121が、入出力IC2から、「H」レベルのPHASEA制御信号と、「H」レベルのPHASEB制御信号と、「L」レベルのINA1制御信号と、「H」レベルのINA2制御信号と、「L」レベルのINB1制御信号と、「H」レベルのINB2制御信号とを出力するように制御すると、一定電流よりも62%(所定割合)だけ小さい低下電流を供給することが可能である。
なお、枠剣移動モータドライバIC1は、PHASEA端子又はPHASEB端子に入力する信号のレベルに拘わらず、INA1端子に「L」レベルの信号を入力し、INA2端子に「L」レベルの信号を入力し、INB1端子に「L」レベルの信号を入力し、INB2端子に「L」レベルの信号を入力する場合には、電流を供給しないように構成されている。
上記では、枠剣移動モータドライバIC1が、一定電流又は一定電流よりも所定割合(29%又は62%)だけ小さい低下電流を供給できる機能について説明したが、左側枠ドラムモータドライバIC11,右側枠ドラムモータドライバIC21,枠剣円盤部材回転モータドライバIC31,枠顔移動モータ311の駆動を制御するドライバ,枠耳移動モータ520の駆動を制御するドライバの駆動を制御するドライバも、同様の機能を備えている。
次に、本形態の可動部材の停止を保持させる場合について説明する。ここでは先ず、枠顔可動体400を例にして説明する。枠顔可動体400は、待機位置にあるときには略水平状態になっていて(図7参照)、比較的安定した状態である。そのため、待機位置にある枠顔可動体400では、停止の保持が厳密に要求されない。従って、枠顔可動体400が待機位置にあるときには、枠顔可動体400の駆動を制御するドライバは、枠顔移動モータ311に電流を供給しないことで、消費電流を抑えるようにしている。なお、枠顔移動モータ311に電流が全く供給されなくても、ステッピングモータである枠顔移動モータ311は、元々ある程度の保持力を備えるため、待機位置にある枠顔可動体400の停止を保持することができる。
これに対して、枠顔可動体400は、動作位置にあるときには前方に向かって斜め上方に延びる傾斜状態になっていて(図12参照)、遊技者から視認できる共に、遊技者の上方にて不安定な状態になる。そのため、動作位置にある枠顔可動体400では、停止の保持が厳密に要求される。特に枠顔可動体400は比較的大きく且つ重量が大きいものであるため、ステッピングモータの機能として元々備える保持力だけでは、動作位置にある枠顔可動体400を確実に保持できないおそれがある。そこで、枠顔可動体400の駆動を制御するドライバは、枠顔移動モータ311に電流を供給して、枠顔移動モータ311に停止励磁を生じさせるようにしている。つまり、枠顔移動モータ311は、供給される電流に基づいて、動作位置にある枠顔可動体400の停止を保持させるための磁界(停止励磁)を発生させる。その結果、枠顔可動体400は、動作位置にて停止保持力を付与されることにより、停止した状態を確実に維持することが可能である。
本形態では、枠顔移動モータ311等の各ステッピングモータが停止励磁を発生させる場合の励磁方式として2相励磁を用いている。2相励磁は、上述したように、パルスを付与する次の相に対して1パルス分だけずらしながら、2相ずつ同時に励磁する方式である(図22参照)。2相励磁による停止励磁であれば、例えば1相励磁による停止励磁に比べて、停止保持力を大きくすることが可能であり、停止した状態をより安定させることが可能である。
ここで、可動部材(枠顔可動体400)の停止を保持する際に、ドライバがモータ(枠顔移動モータ311)に供給する電流の大きさが問題になる。ドライバがモータに供給する電流が大きいと、可動部材の停止を保持する停止保持力を大きくすることが可能であるが、消費電流が大きくなってしまう。一方、ドライバがモータに供給する電流が小さいと、消費電流を抑えることが可能であるものの、可動部材の停止を保持する停止保持力が小さくなってしまう。
そこで本形態では、動作位置にある枠顔可動体400を停止させる場合には、枠顔移動モータ311の駆動を制御するドライバが、枠顔移動モータ311に対して、予め設定される一定電流(本形態では245mA)の71%の大きさの電流を供給するようにしている。これにより、一定電流(枠顔可動体400を駆動させる際の駆動電流)を供給する場合に比べて消費電流を抑えながら、不安定且つ重量が大きい枠顔可動体400に対して十分な停止保持力を付与することが可能である。
以上、枠顔可動体400の停止を保持する場合について説明したが、その他の可動部材の停止を保持させる場合は、図24に示す通りである。図24において、「無電流状態」とは、可動部材の駆動を制御するドライバが、可動部材を駆動させるモータに電流を供給しないことに基づいて可動部材に停止保持力を付与しない状態を意味する。「第1保持状態(71%)」とは、可動部材の駆動を制御するドライバが、可動部材を駆動させるモータに一定電流の71%の大きさの電流を供給することに基づいて可動部材に停止保持力を付与する状態を意味する。また枠ドラム320が停止位置にあるとき、即ち枠ドラム320の上側部分320Uと下側部分320Dとが特定のモチーフを形成するように停止しているときには(図16,図17参照)、第1保持状態に制御される。
本実施形態では、枠剣可動体221の押込操作に関する枠剣操作演出を実行する場合には枠剣操作演出期間が設定されている。ここで「枠剣操作演出期間」とは、上述した「第1枠剣可動体駆動期間(本形態では、約1秒)」と、枠剣可動体221が収納位置(図14(A)参照)から押込位置(図14(B)参照)に移動してから押込操作有効期間が開始されるまで枠剣可動体221の押込操作を行うことが非常に困難となる「押込操作待機期間(本形態では、2秒)」と、上述した「押込操作有効期間(本形態では、10秒)」と、上述した「第2枠剣可動体駆動期間(本形態では、約1秒)」からなる期間のことである(図25(A)参照)。なお本形態では、第1枠剣可動体駆動期間の開始時に、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4は導通状態となり、枠剣移動モータ223のコイルA,Bに駆動電流を供給することが可能である。そして、押込操作待機期間、押込操作有効期間及び第2枠剣可動体駆動期間では、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4は導通状態となっている。そして第2枠剣可動体駆動期間の経過時に、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4が導通状態から非導通状態に切替わる。
図24に示すように、枠剣可動体221が収納位置にあるときには、上述したように無電流状態に制御される。枠剣可動体221は、収納位置にあるときには図14(A)に示すように、最も下方に配されていて、鞘部材222に収納されている。従って、収納位置にある枠剣可動体221は、比較的安定した状態になっていて、停止の保持が厳密に要求されない。そこで図24に示すように、枠剣可動体221が収納位置にあるときには、無電流状態に制御される。
そして、枠剣移動モータドライバIC1が枠剣移動モータ223に一定電流(本形態では、230mA)を供給することに基づいて枠剣移動モータ223を駆動させ、枠剣可動体221を収納位置(図14(A)参照)から押込位置(図14(B)参照)へと移動される。そして枠剣可動体221が押込位置まで移動すると、押込操作待機期間(本形態では、2秒)が経過するまでは、第2保持状態(100%)に制御され、枠剣可動体221が押込位置で停止する。ここで「第2保持状態(100%)」とは、可動部材(枠剣可動体221)の駆動を制御するドライバが、可動部材を駆動させるモータに一定電流を供給することに基づいて可動部材に大きな停止保持力を付与する状態を意味する。また押込位置にあるときには図14(B)に示すように、最も上方に配されている。そのため、仮に遊技者による押込操作が行われる前に、枠剣移動モータ223による停止励磁が解除されると、押込位置にある枠剣可動体221が降下してしまう。そこで押込位置にある枠剣可動体221が降下しないように保持する必要があるところ、本形態のように枠剣可動体221が第2保持状態(100%)に制御されていれば、枠剣可動体221を押込位置から降下しないように保持することが可能となる。
その後第2保持状態(100%)にて押込操作待機期間(本形態では、2秒)が経過すると、低下電流保持状態(38%)に制御され、第2保持状態から低下電流保持状態になっても、枠剣可動体221が押込位置で停止したままである。ここで「低下電流保持状態(38%)」とは、可動部材の駆動を制御するドライバが、可動部材を駆動させるモータに一定電流の38%の電流を供給することに基づいて可動部材に停止保持力を付与する状態を意味する。押込位置にあるときには図14(B)に示すように、最も上方に配されている。このとき仮に遊技者による押込操作が行われる前に、枠剣移動モータ223による停止励磁が解除されると、押込位置にある枠剣可動体221が降下してしまうため、押込位置にある枠剣可動体221が降下しないように保持する必要がある。そこで本形態のように枠剣可動体221が低下電流保持状態(38%)に制御されていれば、枠剣可動体221を押込位置から降下しないように保持することが可能となる。
ここで本形態において、仮に枠剣可動体221が押込位置に移動して、第2保持状態(100%)に制御されることなく、低下電流保持状態(38%)に制御されてしまうと、第2保持状態である場合よりも、枠剣移動モータ223による停止励磁が小さいことになる。この場合、枠剣可動体221に小さな停止保持力が付与され、押込操作有効期間が開始される前に、遊技者によって枠剣可動体221の押込操作が行われてしまう可能性がある。
そこで本形態では、図24に示すように、押込操作待機期間(本形態では、2秒)が経過するまでは、第2保持状態(100%)に制御される。これにより、枠剣可動体221が押込位置(図14(B)参照)にあっても、押込操作待機期間(本形態では、2秒)が経過するまでは、枠剣移動モータ223による大きな停止励磁によって、枠剣可動体221に大きな停止保持力が付与される。この場合、遊技者が大きな停止保持力に抗しながら、押込操作有効期間の開始前に枠剣可動体221を押込位置(図14(B)参照)から収納位置(図14(A)参照)まで押し込む可能性は低くなる。
一方、仮に押込操作有効期間が開始されても、第2保持状態(100%)に制御されたままであると、押込操作有効期間にて遊技者は大きな停止保持力に抗しながら枠剣可動体221を押込位置(図14(B)参照)から収納位置(図14(A)参照)まで押し込むことになる。そのため、押込操作有効期間での枠剣可動体221の押込操作が非常に困難となってしまう。
そこで本形態では、押込操作有効期間が開始されると、図24に示すように、第2保持状態(100%)から低下電流保持状態(38%)に切替えられることになる。これにより、遊技者によって押込位置(図14(B)参照)にある枠剣可動体221に対して押込操作が行われ、押込位置検出センサ227による検出があるまでの間は、枠剣移動モータ223による停止励磁によって、枠剣可動体221に第2保持状態よりも小さな停止保持力が付与される。従って、押込操作有効期間での停止保持力に抗しながら枠剣可動体221を押込んでいくことが可能となる。
そして本形態では、低下電流保持状態に制御されている場合に、押込位置検出センサ227による検出がなくなると、枠剣移動モータ223による停止励磁が解除される。これにより、枠剣可動体221への停止保持力が解除される。即ち、枠剣可動体221が図14(C)に示す押込途中位置を通過すると、無電流状態に制御される。従って本形態では、枠剣可動体221が図14(B)に示す押込位置から図14(C)に示す押込途中位置へ下降するまでは低下電流保持状態に制御される。そして、図14(C)に示す押込途中位置へ下降した後は無電流状態に制御されることになる。これにより、消費電流を抑えると共に、遊技者は停止保持力を感じない状態で枠剣可動体221を図14(A)に示す収納位置へスムーズに押込操作をすることができる。
こうして本形態では、遊技者に押込位置にある枠剣可動体221を少し押し込ませた後で抵抗力(停止保持力)を解除する。これにより、押込位置にある枠剣可動体221の停止の保持と、枠剣可動体221に対する操作性の両立を図ることが可能である。更に、遊技者には枠剣可動体221の移動し始めに少し押し込み難くさせて、その後に枠剣可動体221を収納位置までスムーズに押し込むことができるという新たな操作感を与えることが可能である。加えて、枠剣可動体221が収納位置に移動する前から無電流状態にすることで、消費電流の削減効果を少しでも高めることが可能である。
図24の説明に戻る。枠耳可動体500は、退避位置にあるときには(図10(A)参照)、枠顔可動体400の中に隠れている。このときには、枠顔可動体400は待機位置(図1参照)から動作位置(図12参照)に移動できるようになっている。つまり、仮に枠耳可動体500が揺動によって露出可能位置にあると(図10(B)参照)、枠顔可動体400が待機位置から動作位置へ移動できないようになっている。こうして枠顔可動体400が確実に移動できるように、退避位置にある枠耳可動体500では、停止の保持が厳密に要求される。そこで図24に示すように、枠耳可動体500が退避位置にあるときには、第1保持状態(71%)に制御される。これにより、消費電流を抑えつつ、枠耳可動体500に対して十分な停止保持力を付与することが可能である。
一方、枠耳可動体500は、露出位置にあるときには図12に示すように、枠顔可動体400よりも上方に突出して露出する。しかしながら、枠耳可動体500は比較的小さいものであるため、ステッピングモータである枠耳移動モータ520が元々備える保持力だけで十分保持できる。そこで図24に示すように、枠耳可動体500が露出位置にあるときには、無電流状態に制御される。これにより、保持状態にする場合よりも消費電流の削減効果を高めることが可能である。
枠顎可動体600は、図11(A)に示す閉鎖位置と図11(B)に示す開放位置との間で僅かに傾動するものであり、周りの可動部材の動作に影響を与えない。よって、枠顎可動体600が閉鎖位置又は開放位置の何れにあっても、停止の保持が厳密に要求されない。よって図24に示すように、枠顎可動体600が閉鎖位置又は開放位置にあるときには、無電流状態に制御される。これにより、保持状態にする場合よりも消費電流の削減効果を高めることが可能である。
枠剣円盤部材232は、通常位置にあるとき(図14(A)参照)、即ち回転していないときには、枠剣円盤部材232に施された所定の装飾部分232aが視認できるようになっている。この枠剣円盤部材232は、周りの可動部材の動作に影響を与えるものではなく、基本的には停止の保持が厳密に要求されない。よって図24に示すように、枠剣円盤部材232が通常位置にあるときには、無電流状態に制御される。これにより、第1保持状態にする場合よりも消費電流の削減効果を高めることが可能である。
ここで本形態では、演出ボタン40kへの操作を促す演出として、演出ボタン40kが振動し得るようになっている。この演出ボタン40kは前扉23(操作機構部230)に取付けられていて、枠剣円盤部材232も前扉23(右側装飾部220)に取付けられている。そのため、演出ボタン40kが振動すると、その振動が前扉23を介して枠剣円盤部材232に伝わって、枠剣円盤部材232が僅かに回転するおそれがある。そうなると、枠剣円盤部材232に施されている装飾部分232aの向きが変わってしまい、遊技者に誤った印象を与えかねない。
そこで本形態では、演出ボタン40k(他の可動部材)の振動中に限って、枠剣円盤部材232において無電流状態から第1保持状態(71%)に切替える。これにより、演出ボタン40kの振動に伴って枠剣円盤部材232が回転するのを防ぐことができて、枠剣円盤部材232に施されている装飾部分232aの向きが変わるのを防ぐことが可能である。なお演出ボタン40kの振動が終了すると、枠剣円盤部材232において第1保持状態(71%)から無電流状態に切替える。これにより、保持状態にする場合よりも消費電流の削減効果を高めることが可能である。
5.枠剣操作演出について
本実施形態では、枠剣可動体221の押込操作に関する枠剣操作演出を実行されたときに、遊技者が枠剣可動体221の押込操作をしなかった場合と、遊技者が枠剣可動体221の押込操作をした場合について、図25を用いて説明する。なお枠剣操作演出は、大当たりへの当選期待度が高い演出として、表示画面50aにて表示される所定の変動演出の一例である。
図25(B)を用いて、枠剣可動体221の押込操作に関する枠剣操作演出が実行されたときに、遊技者が枠剣可動体221の押込操作をしなかった場合について説明する。先ず枠剣可動体221の押込操作に関する枠剣操作演出が実行されると、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4は導通状態となる。そして、枠剣移動モータドライバIC1が一定電流(本形態では、230mA)を枠剣移動モータ223に供給することに基づいて枠剣可動体221に駆動力が付与され、枠剣可動体221が収納位置(図14(A)参照)から押込位置(図14(B)参照)へ移動していく。なお本形態の枠剣可動体221が収納位置から押込位置へ移動するのにかかる時間(第1枠剣可動体駆動期間)は、約1秒である。図25(B)の説明に影響がないため、枠剣可動体221を収納位置(図14(A)参照)から押込位置(図14(B)参照)へ自動で上昇させるために枠剣移動モータドライバIC1が枠剣移動モータ223に供給する一定電流についての記載は図25(B)から省略している。
そして図25(B)に示すように、枠剣移動モータドライバIC1が枠剣可動体221を駆動させる枠剣移動モータ223に一定電流(本形態では、230mA)を供給し続けることに基づいて枠剣可動体221に大きな停止保持力を付与する第2保持状態(100%)に制御される(図24参照)。そして、第2保持状態にて押込操作待機期間(本形態では、2秒)が経過すると、枠剣可動体221を駆動させる枠剣移動モータ223に一定電流(本形態では、230mA)の38%の大きさの電流(87.4mA)を供給することに基づいて枠剣可動体221に停止保持力を付与する低下電流保持状態(38%)に制御される(図24参照)。これに伴い、枠剣可動体221の押込操作が有効となる押込操作有効期間(本形態では、10秒)が開始され、収納位置検出センサ226による検出が有効となる。即ち、低下電流保持状態に制御されている場合に収納位置検出センサ226により検出されると、収納位置検出センサ226から枠右中継基板224と演出駆動基板107とを介して演出制御基板120に対して検出信号が出力されると、演出制御用マイコン121によりその検出信号は有効であると扱われることになる。
そして、押込操作有効期間が経過するまでに、遊技者による押込操作が行われず、押込操作有効期間が終了すると収納位置検出センサ226による検出が無効となる。即ち、押込操作有効期間が経過した後に、収納位置検出センサ226により検出され、収納位置検出センサ226から枠右中継基板224と演出駆動基板107とを介して演出制御基板120に対して検出信号が出力されたとしても、演出制御用マイコン121によりその検出信号は無効であると扱われることになる。そして低下電流保持状態が終了となり、枠剣可動体221を駆動させるモータに電流を供給しないことに基づいて枠剣可動体221に停止保持力を付与しない無電流状態に制御され、枠剣操作演出が終了となる。
なお本形態では押込操作有効期間が終了すると、無電流状態に制御される前に、枠剣移動モータドライバIC1が枠剣移動モータ223に一定電流を供給することに基づいて枠剣可動体221を遊技者による押込操作によらず、押込位置(図14(B)参照)から収納位置(図14(A)参照)へ自動で下降させることになる。本形態の枠剣可動体221が押込位置から収納位置へ移動するのにかかる時間(第2枠剣可動体駆動期間)は、約1秒である。本形態では第2枠剣可動体駆動期間の終了に伴い、枠剣操作演出期間が終了することになる。そして、第2枠剣可動体駆動期間の経過時に、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4が導通状態から非導通状態に切替わる。図25(B)の説明に影響がないため、枠剣可動体221を押込位置(図14(B)参照)から収納位置(図14(A)参照)へ自動で下降させるために枠剣移動モータドライバIC1が枠剣移動モータ223に供給する一定電流についての記載は図25(B)から省略している。
図25(C)を用いて、枠剣可動体221の押込操作に関する枠剣操作演出を実行されたときに、遊技者が枠剣可動体221の押込操作をした場合について説明する。先ず枠剣可動体221の押込操作に関する枠剣操作演出が実行されると、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4は導通状態となる。そして枠剣移動モータドライバIC1が一定電流(本形態では、230mA)を枠剣移動モータ223に供給することに基づいて枠剣可動体221に駆動力が付与され、枠剣可動体221が収納位置(図14(A)参照)から押込位置(図14(B)参照)へ移動していく。なお本形態の枠剣可動体221が収納位置から押込位置へ移動するのにかかる時間(第1枠剣可動体駆動期間)は、約1秒である。図25(C)の説明に影響がないため、枠剣可動体221を収納位置(図14(A)参照)から押込位置(図14(B)参照)へ自動で上昇させるために枠剣移動モータドライバIC1が枠剣移動モータ223に供給する一定電流についての記載は図25(C)から省略している。
そして図25(C)に示すように、枠剣移動モータドライバIC1が枠剣可動体221を駆動させる枠剣移動モータ223に一定電流(本形態では、230mA)を供給し続けることに基づいて枠剣可動体221に大きな停止保持力を付与する第2保持状態(100%)に制御される(図24参照)。そして、第2保持状態にて押込操作待機期間(本形態では、2秒)が経過すると、枠剣可動体221を駆動させる枠剣移動モータ223に一定電流(本形態では、230mA)の38%の大きさの電流(87.4mA)を供給することに基づいて枠剣可動体221に停止保持力を付与する低下電流保持状態(38%)に制御される(図24参照)。これに伴い、枠剣可動体221の押込操作が有効となる押込操作有効期間(本形態では、10秒)が開始され、収納位置検出センサ226による検出が有効となる。即ち、低下電流保持状態に制御されている場合に収納位置検出センサ226により検出されると、収納位置検出センサ226から枠右中継基板224と演出駆動基板107とを介して演出制御基板120に対して検出信号が出力されると、演出制御用マイコン121によりその検出信号は有効であると扱われることになる。
この場合に、遊技者による枠剣可動体221の押込操作が行われ、即ち収納位置検出センサ226による検出が有効であると、押込操作有効期間の時間である10秒が経過する前に、当該押込操作有効期間が終了することになる。そして、押込位置検出センサ227による検出がなくなると、枠剣移動モータ223による停止励磁を解除することによって、枠剣可動体221への停止保持力が解除され、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4が導通状態から非導通状態に切替わり、無電流状態に制御される。そして、枠剣操作演出の終了に伴い、枠剣操作演出期間が終了となる。
図25を用いて説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1では、押込操作有効期間の時間である10秒が経過するだけでなく、押込操作有効期間にて枠剣可動体221の押込操作が行われたことによっても、低下電流保持状態から無電流状態へと切替わることが可能となっている。これにより、遊技者による枠剣可動体221の押込操作の有無に応じて適切な制御を行うことが可能となっている。
次にパチンコ遊技機PY1において枠剣可動体221の押込操作に関する枠剣操作演出を実行された場合に、表示画面50aに表示される演出内容について、図26を用いて説明する。本形態では押込操作待機期間が開始されると(図24参照)、図26(A)に示すように、表示画面50aに押込操作待機示唆演出が表示される。押込操作待機示唆演出では、表示画面50aにて枠剣可動体221の押込位置から収納位置への押し込みを禁止することを示すと共に、「剣の押込操作が禁止されています」の文字を示す待機示唆背景画像KNが表示される。これにより、押込位置(図14(B)参照)から収納位置(図14(A)参照)への枠剣可動体221の押込操作が禁止され、押込操作を行ったとしても枠剣可動体221を押込位置(図14(B)参照)から収納位置(図14(A)参照)に移動させることが非常に困難であることを把握させることが可能となる。また図26(A)に示すように、表示画面50aの右上方には、変動中の演出図柄EZが小さく表示されている。
そして押込操作待機期間が経過して押込操作有効期間が開始されると(図24参照)、図26(B)に示すように、表示画面50aに押込操作有効示唆演出が表示される。押込操作有効示唆演出では、表示画面50aにて枠剣可動体221を収納位置へ押し込むことを示すと共に、「剣を押し込め」の文字を示す有効示唆背景画像KOが表示される。これにより、遊技者に枠剣可動体221の押込操作が行えることを把握させることが可能となる。また遊技者を演出に積極的に関与させることが可能となる。また図26(B)に示すように、表示画面50aに第1注意喚起表示が表示される。第1注意喚起表示では、表示画面50aにて、注意を示す記号と、「剣の押込操作注意」を示す文字からなる第1注意喚起表示画像TKAが表示される。この第1注意喚起表示画像TKAは、枠剣可動体221の適切な押込操作を行うように注意する表示画像である。これにより、枠剣可動体221の押込操作を適切に行うように遊技者を誘導させることが可能となる。また図26(B)に示すように、表示画面50aの右上方には、変動中の演出図柄EZが小さく表示されている。
6.注意喚起表示について
本形態のパチンコ遊技機PY1では、遊技者によって枠剣可動体221の過度な押込操作が行われた場合(本形態では、5秒間で連続して5回押込操作がされた場合)には、遊技者による枠剣可動体221の過度な押込操作を行わないように注意する注意喚起表示が表示画面50aに表示される場合がある。図27から図29を用いて注意喚起表示が表示画面50aに表示される様々な場合について説明する。
先ず、枠剣可動体221の押込操作が有効となる押込操作有効期間外及び後述する収納位置検出センサの判定期間外にて、遊技者によって枠剣可動体221の過度な押込操作が行われた場合(本形態では、5秒間で連続して5回押込操作が行われた場合)について説明する。ここで枠剣可動体221の押込操作の操作判定がなされる場合とは、即ち収納位置検出センサ226により1回検出される場合のことである。押込操作有効期間外及び後述する収納位置検出センサの判定期間外にて、収納位置検出センサ226により1回検出されると、収納位置検出センサの判定期間が設定される(図27(A)参照)。ここで収納位置検出センサの判定期間とは、演出制御用マイコン121によって収納位置検出センサ226による検出回数が5回となったか否かを操作判定される期間のことである。なお本形態の収納位置検出センサの判定期間は、5秒である。また本形態では、パチンコ遊技機PY1の遊技状態にかかわらず、押込操作有効期間外及び収納位置検出センサの判定期間外にて遊技者によって枠剣可動体221の過度な押込操作が行われた場合には収納位置検出センサの判定期間が設定される。
そして、図27(A)に示すように、設定された収納位置検出センサの判定期間にて収納位置検出センサ226による検出回数が5回となると、5秒が経過する前に、収納位置検出センサの判定期間は終了となる。そして収納位置検出センサの判定期間の終了に伴って、遊技者に枠剣可動体221の過度な押込操作を行わないように注意する第2注意喚起表示が表示画面50aに表示される。第2注意喚起表示では、表示画面50aにて、注意を示す記号と、「剣の過度な押込操作注意」を示す文字からなる第2注意喚起表示画像TKBが表示される(図27(A)、図28(B)参照)。これにより、遊技者に過度な枠剣可動体221の押込操作を行わないように促すことが可能となる。なお、本形態の第2注意喚起表示の表示時間は7秒である。
次に、表示画面50aに第2注意喚起表示の表示時間に、再度枠剣可動体221の過度な押込操作が行われた場合(本形態では、5秒間で連続して5回押込操作が行われた場合)について、図27(B)を用いて説明する。図27(A)を用いて説明した内容と同じで、図27(B)に示すように収納位置検出センサの判定期間にて収納位置検出センサ226による検出回数が5回となると、表示画面50aに第2注意喚起表示が表示画面50aに表示される。
図27(B)に示すように、表示画面50aに第2注意喚起表示の表示時間が経過する前に、再度収納位置検出センサ226により1回検出されると、収納位置検出センサの判定期間が設定される(図27(B)参照)。図27(B)に示すように、この収納位置検出センサの判定期間にて収納位置検出センサ226による検出回数が5回となると、収納位置検出センサの判定期間は終了となる。そして本形態では、第2注意喚起表示の表示時間(本形態では、7秒)が経過する前に、収納位置検出センサ226による検出回数が再度5回に達した場合には、図27(B)に示すように、第2注意喚起表示の延長時間が設定されることになる。なお本形態では、第2注意喚起表示の延長時間は3秒である。これにより、第2注意喚起表示の表示時間(本形態では、7秒)が経過しても、第2注意喚起表示が3秒間延長して表示されることになる(図27(B)、図28(D)参照)。従って、第2注意喚起表示の表示時間において、遊技者によって過度な押込操作が行われた場合には、表示画面50aにて第2注意喚起表示が10秒間表示されることになる。こうして、第2注意喚起表示の延長時間(本形態では、3秒)が経過するまで、第2注意喚起表示が表示画面50aに表示されるため、遊技者に枠剣可動体221の過度な押込操作を継続して行われないように促すことが可能となる。
次に、表示画面50aに第2注意喚起表示の表示時間が経過した後に、再度枠剣可動体221の過度な押込操作が行われた場合(本形態では、5秒間で連続して5回押込操作が行われた場合)について、図27(C)を用いて説明する。図27(A)を用いて説明した内容と同じで、図27(C)に示すように収納位置検出センサの判定期間にて収納位置検出センサ226による検出回数が5回となると、表示画面50aに第2注意喚起表示が表示画面50aに表示される。
そして、第2注意喚起表示の表示時間が終了して、第2注意喚起表示の経過時間(本形態では、5秒)が経過するまでに再度収納位置検出センサ226により1回検出されると、収納位置検出センサの判定期間が設定される(図27(C)参照)。図27(C)に示すように、この収納位置検出センサの判定期間にて収納位置検出センサ226による検出回数が5回となると、収納位置検出センサの判定期間は終了となる。そして収納位置検出センサの判定期間の終了に伴って、遊技者による枠剣可動体221の過度な押込操作を行わないように再度注意する第3注意喚起表示が表示画面50aに表示される(図27(C)、図29(D)参照)。なお本形態の第3注意喚起表示の表示時間は7秒である。第3注意喚起表示では、表示画面50aにて注意を示す記号と、「再度の剣の過度な押込操作注意」を示す文字からなる第3注意喚起表示画像TKCが表示される(図27(C)、図29(D)参照)。これにより、第2注意喚起表示の表示時間(本形態では、7秒)が経過した後に、遊技者によって枠剣可動体221の過度な押込操作が再度行われた場合には、第2注意喚起表示が表示されたときよりも、遊技者に枠剣可動体221の過度な押込操作を継続して行わないように促すことが可能となる。なお、本形態の第3注意喚起表示の表示時間は7秒である。
図28を用いて、第2注意喚起表示の表示時間に枠剣可動体221の過度な押込操作をしなかった場合と、第2注意喚起表示の表示時間に枠剣可動体221の過度な押込操作をした場合についての演出例について説明する。なお、特図保留が記憶されていないため、変動演出は行われないことを前提として説明する。また枠剣可動体221の押込操作が有効な押込操作有効期間外であることを前提とする。
図28(A)に示すように表示画面50a上では、「567」のバラケ目で演出図柄EZが停止表示されている。そして、遊技者によって収納位置検出センサの判定期間に連続して5回の枠剣可動体221の押込操作が行われると、図28(B)に示すように表示画面50a上では、第2注意喚起表示が表示される。これにより、遊技者による枠剣可動体221の不用意な押込操作を防止することが可能となる。また図28(A)に示すように、表示画面50aの右上方には、「567」のバラケ目で停止表示された演出図柄EZが小さく表示される。
そして、枠剣可動体221の過度な押込操作がなく、第2注意喚起表示の表示時間(本形態では、7秒)が経過すると、表示画面50aに表示された第2注意喚起表示は消え、表示画面50aに図28(C)に示すように「567」のバラケ目で停止表示された演出図柄EZが表示される。
一方、図28(B)に示すように表示画面50a上で第2注意喚起表示の表示中に(第2注意喚起表示の表示時間(本形態では、7秒)の経過前に)、遊技者によって再度枠剣可動体221の過度な押込操作が行われた場合には、第2注意喚起表示の表示時間(本形態では、7秒)が経過しても、図28(D)に示すように表示画面50aに第2注意喚起表示が小さく表示されたままである。また図28(D)に示すように、表示画面50aの右上方には、「567」のバラケ目で停止表示された演出図柄EZが小さく表示される。そして、第2注意喚起表示の延長時間(本形態では、3秒)の経過、即ち第2注意喚起表示が表示されてから10秒経過後には、図28(E)に示すように、表示画面50aに表示された第2注意喚起表示は消え、表示画面50aには図28(E)に示すように「567」のバラケ目で停止表示された演出図柄EZが表示される。
図29を用いて、表示画面50aに第2注意喚起表示の表示時間が経過した後に、再度枠剣可動体221の過度な押込操作が行われた場合(本形態では、5秒間で連続して5回押込操作が行われた場合)に、表示画面50aに表示される演出例について説明する。なお特図保留が記憶されていないため、変動演出が行われないことを前提として説明する。また枠剣可動体221の押込操作が有効な押込操作有効期間は設定されていないことを前提とする。
図29(A)に示すように表示画面50a上では、「567」のバラケ目で演出図柄EZが停止表示されている。このときに、上述した図28(A)及び図28(B)を用いて説明した場合と同様に、収納位置検出センサの判定期間にて連続して5回の枠剣可動体221の押込操作が行われると、図29(B)に示すように表示画面50a上に、第2注意喚起表示が表示される。そして、表示画面50aの右上方には、「567」のバラケ目で停止表示された演出図柄EZが小さく表示される。
そして、第2注意喚起表示の表示時間(本形態では、7秒)が経過すると、表示画面50aに表示された第2注意喚起表示は消え、表示画面50aには図29(C)に示すように「567」のバラケ目で停止表示された演出図柄EZが大きく表示される。そして、第2注意喚起表示の表示時間が終了し、第2注意喚起表示の経過時間(本形態では、5秒)が経過する前に、枠剣可動体221の押込操作が1回行われると、第2注意喚起表示の経過時間は終了する。そして、収納位置検出センサの判定期間が設定される。その収納位置検出センサの判定期間にて、連続して5回の枠剣可動体221の押込操作が行われると、図29(D)に示すように表示画面50a上では、第3注意喚起表示が表示される。これにより、遊技者によって過度な枠剣可動体221の押込操作が継続して行われることを防止することが可能となる。
従来のパチンコ遊技機には遊技者が操作可能な演出ボタン(操作部材)が取付けられている。そして従来のパチンコ遊技機では、例えば、液晶画面にて操作部材の操作が有効であることを示唆する操作示唆演出などを表示して、遊技者に操作部材の操作を促すものがある。そして、操作部材の操作が行われると、大当たりとなる期待度などを遊技者に報知する演出を表示する。上述したように、操作部材が取り付けられたパチンコ遊技機では、操作部材を用いた演出を実行することで、演出に積極的に遊技者を関与させる。これにより、遊技者に対して操作部材を操作することへの面白さを与え、パチンコ遊技機の娯楽性を向上させることが可能となっている。
ところが、パチンコ遊技機に取り付けられた操作部材の強打や、有効期間以外での操作部材の連続操作といった遊技者による不用意な操作が行われていることがある。遊技者による不用意な操作が行われることで、パチンコ遊技機の操作部材が破損や故障してしまうため遊技店に損害が生じたり、操作部材の破損や故障により他の遊技者の遊技に支障が出てしまうことがある。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、枠剣可動体221の押込操作が有効となる押込操作有効期間が開始されると、図26(B)に示すように、表示画面50aに押込操作有効示唆演出が表示される。これにより、遊技者に枠剣可動体221の押込操作を行うように誘導することが可能だが、枠剣可動体221の不用意な押込操作が行われることで、パチンコ遊技機の枠剣可動体221が破損や故障してしまう可能性がある。そこで本形態のパチンコ遊技機PY1の押込操作有効示唆演出では、表示画面50aにて枠剣可動体221の適切な押込操作を行うように注意する第1注意喚起表示画像TKAが表示される(図26(B)参照)。これにより、押込操作有効期間が開始されても、遊技者による不用意な枠剣可動体221の押込操作を防止することが可能となる。そのため、遊技者による枠剣可動体221の破損や故障を防止することが可能となり、遊技店に損害が生じることを回避することが可能となる。さらに、枠剣可動体221の破損や故障により、他の遊技者の遊技に支障が出てしまうことを防止することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、収納位置検出センサの判定期間外及び押込操作有効期間外にて、枠剣可動体221の押込操作が1回行われると、収納位置検出センサの判定期間が設定される(図27参照)。そして、設定された収納位置検出センサの判定期間にて枠剣可動体221の押込操作が連続してあと4回行われると、表示画面50aに第2注意喚起表示が表示されることになる(図27、図28(B)参照)。この第2注意喚起表示は、枠剣可動体221の過度な押込操作(収納位置検出センサの判定期間にて枠剣可動体221が連続して5回押込操作)が行われたことを遊技者に注意する表示となっている。表示画面50aに第2注意喚起表示を表示することで、枠剣可動体221の不用意な押込操作を行わないように遊技者に認識させることが可能となる。これにより、遊技者による枠剣可動体221の過度な押込操作を抑制することが可能となるため、パチンコ遊技機が破損や故障してしまうことを防止することが可能となる。そのため、枠剣可動体221の破損や故障といった遊技店の損害が生じることを回避することが可能となる。さらに、枠剣可動体221の破損や故障が生じなければ、他の遊技者の遊技に支障を与えることにはならない。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第2注意喚起表示の表示中に枠剣可動体221の押込操作が1回行われると、収納位置検出センサの判定期間が設定される(図27(B)参照)。そして、設定された収納位置検出センサの判定期間にて枠剣可動体221の押込操作が連続してあと4回行われると、表示画面50aに第2注意喚起表示が延長して表示されることになる(図27(B)、図28(D)参照)。これにより、枠剣可動体221の不用意な押込操作を再度行ったことを遊技者に注意することが可能となる。そのため、枠剣可動体221の過度な押込操作をこれ以上行わないように認識させることが可能となり、枠剣可動体221の破損や故障を防止することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第2注意喚起表示が終了して第2注意喚起表示の経過時間(本形態では、5秒)が経過する前に、枠剣可動体221の押込操作が1回行われると、収納位置検出センサの判定期間が設定される(図27(B)参照)。そして、設定された収納位置検出センサの判定期間にて枠剣可動体221の押込操作が連続してあと4回行われると、表示画面50aに第2注意喚起表示とは異なる第3注意喚起表示が表示されることになる(図27(C)、図29(D)参照)。これにより、枠剣可動体221の過度な押込操作を再度行わないように遊技者に注意することが可能となる。そのため、枠剣可動体221の過度な押込操作をこれ以上行わないように認識させることが可能となり、枠剣可動体221の破損や故障を防止することが可能となる。
7.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図30に示す通りである。図30に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
本形態の特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たりは、1Rから6Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する確変大当たりAが存在する(図30参照)。本形態の特図1の抽選にて確変大当たりAに当選すると、実質的なラウンド数が6Rである大当たり遊技が実行されることになる。ここで実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では10個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。なお、特図1の抽選によって「確変大当たりA」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示され、特図1の抽選によって「確変大当たりA」の振分率は65%となる(図30参照)。
また、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な通常大当たりは、1Rから6Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する通常大当たりBである(図30参照)。よって本形態の特図1の抽選にて通常大当たりBに当選すると、実質的なラウンド数は6Rである大当たり遊技が実行されることになる。「通常大当たりB」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示され、特図1の抽選によって「通常大当たりB」の振分率は35%となる(図30参照)。
本形態の特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たりは、1Rから10Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する確変大当たりCが存在する(図30参照)。本形態の特図1の抽選にて確変大当たりCに当選すると、実質的なラウンド数が10Rである大当たり遊技が実行されることになる。ここで実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では10個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。なお、特図2の抽選によって「確変大当たりC」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄」が停止表示され、特図2の抽選によって「確変大当たりC」の振分率は65%となる(図30参照)。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な通常大当たりは、1Rから10Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである(図30参照)。よって本形態の特図2の抽選にて通常大当たりに当選すると、実質的なラウンド数は10Rである大当たり遊技が実行されることになる。「通常大当たりD」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_通常図柄」が停止表示され、特図2の抽選によって「通常大当たりD」の振分率は35%となる(図30参照)。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお図30に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。ただし、上述したように、特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技が実行される。一方、特図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には10ラウンドの大当たり遊技が実行されることから、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図31(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図31(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
8.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図32(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図33参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図32(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(図32(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図34参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図34参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
9.パチンコ遊技機PY1の動作
次に、図35に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明し、図36〜図44に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、図35に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a等(図18参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶(セット)する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための当たり種別乱数、変動演出においてリーチ状態とするか否かを決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S103)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるハードウェア乱数であっても良い。また乱数生成回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていても良い。
続いて、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、及び特別動作処理(S106)を実行する。センサ検出処理(S104)では、第1始動口センサ11aがONであれば、第1特図保留の記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図31(A)参照))を取得する。また第2始動口センサ12aがONであれば、第2特図保留の記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の各種乱数を取得する。また、ゲートセンサ13aがONであれば、普図保留の記憶が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図31(B)参照)を取得する。
普通動作処理(S105)では、センサ検出処理(S104)にて取得した普通図柄乱数を判定し、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図34参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
特別動作処理(S106)では、センサ検出処理(S104)にて取得した大当たり乱数等の乱数を判定し、その判定結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の開始時に変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、特別図柄の停止表示の開始時に変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、図33に示す変動パターン判定テーブルを用いて決定される。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。ここで図33に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。図33の備考欄に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。SPリーチの方がノーマルリーチよりも、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を行う。その他の処理(S107)としては、特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器83bをその数を示す表示態様に制御したり、特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器83aをその数を示す表示態様に制御したりする。以上の遊技制御用マイコン101における処理と並行して、演出制御用マイコン121は図36〜図44に示す処理を行う。
[サブ制御メイン処理]次に図36〜図44に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図36に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、演出用RAM124の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には(S4002でNO)、演出用RAM124を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったが演出用RAM124内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、演出用RAM124を初期化しない。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン抽選乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴って演出制御基板120は、音声制御基板161を介してスピーカ601から音声を出力したり、演出駆動基板107を介して盤ランプ54や枠ランプ53を発光させたり、演出ボタン40kを振動させたりなどを行う。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送られたストローブ信号(STB信号)が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されることに基づいて行われる。つまり、ストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されなければ、受信割り込み処理(S4008)は行われない。受信割り込み処理(S4008)では、遊技制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、図37に示す1msタイマ割り込み処理を1msecといった短時間毎に繰り返す。なお演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理を実行すると共に、後述するように10msタイマ割り込み処理(図38参照)を実行するようになっている。図37に示すように、1msタイマ割り込み処理ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理(S4101)では、入力部検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42a(図19参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理を行う(S4102)。ランプデータ出力処理(S4102)では、演出に合うタイミングで枠ランプ53、盤ランプ54、顔用LED401、ドラム用LED331を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4207)で作成したランプデータを演出駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54、枠ランプ53、顔用LED401、ドラム用LED331を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う(S4103)。駆動制御処理(S4103)は、枠顔可動体400、枠耳可動体500、枠顎可動体600、枠ドラム320、枠剣可動体221、枠剣円盤部材232の駆動を制御するための処理である。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4104)を行って、本処理を終える。
本形態の駆動制御処理(S4103)では、枠顔可動体駆動データが演出用RAM124の所定の記憶領域にセットされている場合に、枠顔可動体駆動データに従って枠顔移動モータ311を駆動させるための制御処理(演出用I/Oポート138のシリアルポートからシリアルデータやクロック信号を出力する処理)を行う。枠顔可動体駆動データは、枠顔可動体400を待機位置から動作位置へ移動させて、その後の所定期間が経過すると枠顔可動体400を動作位置から待機位置へ移動させるための動作パターンデータである。本形態では、SPリーチを伴う特定の変動演出パターンが選択された場合に、所定の演出タイミングで枠顔可動体駆動データがセットされるようになっている。
また本形態の駆動制御処理(S4103)では、枠耳可動体駆動データが演出用RAM124の所定の記憶領域にセットされている場合に、枠耳可動体駆動データに従って枠耳移動モータ520を駆動させるための制御処理(演出用I/Oポート138のシリアルポートからシリアルデータやクロック信号を出力する処理)を行う。枠耳可動体駆動データは、枠耳可動体500を退避位置から露出位置へ移動させて、その後の所定期間が経過すると枠耳可動体500を露出位置から退避位置へ移動させるための動作パターンデータである。
また本形態の駆動制御処理(S4103)では、枠顎可動体駆動データが演出用RAM124の所定の記憶領域にセットされている場合に、枠顎可動体駆動データに従って枠顎移動モータ610を駆動させるための制御処理(演出用I/Oポート138のシリアルポートからシリアルデータやクロック信号を出力する処理)を行う。枠顎可動体駆動データは、枠顎可動体600を閉鎖位置から開放位置へ移動させて、その後の所定期間が経過すると枠顎可動体600を開放位置から閉鎖位置へ移動させるための動作パターンデータである。本形態では、枠顔可動体駆動データがセットされる際に、枠顎可動体駆動データもセットされるようになっている。
さらに本形態の駆動制御処理(S4103)では、枠ドラム駆動データが演出用RAM124の所定の記憶領域にセットされている場合に、枠ドラム駆動データに従って枠ドラム回転モータ321を駆動させるための制御処理(演出用I/Oポート138のシリアルポートからシリアルデータやクロック信号を出力する処理)を行う。枠ドラム駆動データは、枠ドラム320の上側部分320Uと下側部分320Dとを回転させて、その後に所定の表示態様(モチーフ)が形成されるように停止させるための動作パターンデータである。本形態では、SPリーチを伴う特定の変動演出パターン(SPリーチの中でも大当たり当選に対する期待度が特に高いことを示すSPリーチを伴う変動演出パターン)が選択された場合に、枠ドラム駆動データがセットされるようになっている。
また本形態の駆動制御処理(S4103)では、枠剣可動体駆動データが演出用RAM124の所定の記憶領域にセットされている場合に、枠剣可動体駆動データに従って枠剣移動モータ223を駆動させるための制御処理(演出用I/Oポート138のシリアルポートからシリアルデータやクロック信号を出力する処理)を行う枠剣可動体駆動データは、枠剣可動体221を収納位置から押込位置へ移動させて、その後に遊技者が押込操作有効期間の間に枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ押込操作をしなかった場合には、枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ移動させるための動作パターンデータである。本形態では、SPリーチを伴う特定の変動演出パターン(枠剣操作演出を実行する変動演出パターン)が選択された場合に、所定の演出タイミングで枠剣可動体駆動データがセットされるようになっている。
また本形態の駆動制御処理(S4103)では、枠剣円盤部材駆動データが演出用RAM124の所定の記憶領域にセットされている場合に、枠剣円盤部材駆動データに従って枠剣円盤部材回転モータ231を駆動させるための制御処理(演出用I/Oポート138のシリアルポートからシリアルデータやクロック信号を出力する処理)を行う枠剣円盤部材駆動データは、枠剣円盤部材232を回転させて、その後に枠剣円盤部材232に施されている装飾部分232aの向きが所定の向きになるように、枠剣円盤部材232を停止させる動作パターンデータである。本形態では、枠剣可動体駆動データがセットされる際に、枠剣円盤部材駆動データもセットされるようになっている。
[10msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、図38に示す10msタイマ割り込み処理(S4010)を10msecといった短時間毎に繰り返す。図38に示すように、10msタイマ割り込み処理ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4202)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて画像表示装置50の表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4203)。
続いて、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4204)。音声制御処理(S4204)では、音声データ(スピーカ601から音声を出力するためのデータ)の作成、音声制御基板161への音声データの出力、及び音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ601から出力される。
続いて、演出制御用マイコン121は、後述するシリアル信号出力処理を行う(S4205)。その後、演出制御用マイコン121は、後述する注意喚起表示処理(S4206)を行う。そして、ランプデータ(枠ランプ53、盤ランプ54、顔用LED401、ドラム用LED331の発光を制御するデータ)を作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4207)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図39に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4301)、受信していれば(S4301でYES)、後述する変動演出開始処理を行い(S4302)、ステップS4303に進む。また変動開始コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、そのままステップS4303に進む。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4303)、受信していれば(S4303でYES)、変動演出終了処理を行い(S4304)、ステップS4305に進む。変動演出終了処理(S4304)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。また変動停止コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、そのままステップS4305に進む。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たり遊技のオープニングの実行開始を示すオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4305)、受信していれば(S4305でYES)、オープニング演出選択処理を行い(S4306)、ステップS4307に進む。オープニング演出選択処理(S4306)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。またオープニングコマンドを受信していなければ(S4305でNO)、そのままステップS4307に進む。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たり遊技のラウンド遊技の実行開始を示すラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4307)、受信していれば(S4307でYES)、ラウンド演出選択処理を行い(S4308)、ステップS4309に進む。ラウンド演出選択処理(S4308)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。またラウンド指定コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、そのままステップS4309に進む。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たり遊技のエンディングの実行開始を示すエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4309)、受信していれば(S4309でYES)、エンディング演出選択処理を行い(S4310)、ステップS4311に進む。エンディング演出選択処理(S4310)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。またエンディングコマンドを受信していなければ(S4309でNO)、そのままステップS4311に進む。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S4311)として上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、枠ドラム320の上側部分320Uと下側部分320Dによって「V」の文字を形成するための枠ドラム駆動データをセットする処理、客待ちコマンドの受信に基づいて客待ち演出を行うための処理や、普通図柄変動開始コマンドの受信に基づいて普図変動演出を行うための処理等)を行って、受信コマンド解析処理(S4201)を終え、図38のステップS4202に進む。
[変動演出開始処理]図40に示すように、変動演出開始処理(S4302)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S4401)。変動開始コマンドには、変動パターン(図33参照)の情報や、大当たりの判定等に基づく特図停止図柄データの情報が含まれている。次に演出制御用マイコン121は、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の選択を行う(S4402)。続いて演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動演出の内容である変動演出パターンを選択する(S4403)。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。この変動演出パターンの中には、枠剣操作演出(図25(A)、図26参照)を実行する変動演出パターンが含まれていることになる。
続いて演出制御用マイコン121は、予告演出の選択を行う(S4404)。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。そして、ステップS4403で選択した変動演出パターンが枠剣操作演出を実行する変動演出パターンか否かを判定する(S4405)。枠剣操作演出を実行する変動演出パターンであれば(S4405でYES)、枠剣操作演出期間設定処理を行う(S4406)。具体的には、枠剣操作演出を実行する変動演出パターンをもとに枠剣操作演出期間の演出時間を導出し、その演出時間を枠剣操作演出期間(図23に示す制御ラインL1〜L4を導通状態にして、枠剣移動モータ223を駆動させることが可能な期間)に設定する。その枠剣操作演出期間(本形態では、約14秒間)は、枠剣可動体221の枠剣操作演出の開始時点から枠剣操作演出の終了時点までに設定されている。
また枠剣操作演出期間設定処理(S4406)では、枠剣操作演出を実行する変動演出パターンをもとに第1枠剣可動体駆動期間(枠剣移動モータドライバIC1が枠剣移動モータ223に一定電流を供給することに基づいて、枠剣移動モータ223を駆動させて枠剣可動体221を収納位置(図14(A)参照)から押込位置(図14(B)参照)に移動させる期間)の駆動時間(本形態では、約1秒)を導出し、その駆動時間を第1枠剣可動体駆動期間に設定する。これにより、収納位置(図14(A)参照)から押込位置(図14(B)参照)に枠剣可動体221を移動させることが可能である。
さらに枠剣操作演出期間設定処理(S4406)では、枠剣操作演出を実行する変動演出パターンをもとに押込操作待機期間(枠剣移動モータドライバIC1が枠剣移動モータ223に一定電流を供給し続けることに基づいて大きな停止保持力を付与する第2保持状態が継続する期間)の待機時間(本形態では、2秒)を導出し、その待機時間を押込操作待機期間に設定する。これにより、遊技者による押込位置(図14(B)参照)にある枠剣可動体221の押込操作を非常に困難にさせることが可能となる。
また枠剣操作演出期間設定処理(S4406)では、枠剣操作演出を実行する変動演出パターンをもとに押込操作有効期間(枠剣移動モータドライバIC1が枠剣移動モータ223に一定電流の38%の電流を供給し続けることに基づいて停止保持力を付与する低下電流保持状態が継続する期間)の有効時間(本形態では、10秒)を導出し、その有効時間を押込操作有効期間に設定する。これにより、遊技者による押込位置(図14(B)参照)から収納位置(図14(A)参照)への枠剣可動体221の押込操作が可能となる。
さらに枠剣操作演出期間設定処理(S4406)では、枠剣操作演出を実行する変動演出パターンをもとに第2枠剣可動体駆動期間(枠剣移動モータドライバIC1が枠剣移動モータ223に一定電流を供給することに基づいて、枠剣移動モータ223を駆動させて枠剣可動体221を押込位置(図14(B)参照)から収納位置(図14(A)参照)に移動させる期間)の駆動時間(本形態では、約1秒)を導出し、その駆動時間を第2枠剣可動体駆動期間に設定する。これにより、押込位置(図14(B)参照)から収納位置(図14(A)参照)に枠剣可動体221を移動させることが可能である。またステップS4405でNOであれば、そのままステップS4407に進む。
ステップS4407では、演出制御用マイコン121、選択した演出図柄、変動演出パターン、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして、変動演出開始処理(S4302)を終了する。ステップS4407でセットされた変動演出開始コマンドが、画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、所定の演出画像を画像用ROM142から読み出して、画像表示装置50の表示画面50aにて変動演出を行う。本形態では、枠剣操作演出を実行する変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドが演出用RAM124の出力バッファにセットされ、画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、所定の演出画像を画像用ROM142から読み出して、画像表示装置50の表示画面50aにて、押込操作待機示唆演出(図26(A)参照)、押込操作有効示唆演出(図26(B)参照)、第1注意喚起表示(図26(B)参照)などが表示される所定の変動演出が行われる。
[シリアル信号出力処理]図41に示すように、シリアル信号出力処理(S4205)では、演出制御用マイコン121は、後述する枠剣可動体用シリアル信号出力処理(S4501)、を実行する。その後、その他の可動体のシリアル信号を出力するためのその他の処理を実行して(S4502)、本処理を終え、図38のステップS4206に進む。その他の処理(S4502)では、演出制御用マイコン121は、枠顔可動体400が動作位置にあることを検出するフォトセンサがOFFからONに切替わった場合、即ち枠顔可動体400が動作位置へ移動し終えた場合には、枠顔可動体400の駆動を制御するドライバが一定電流の71%の電流を枠顔移動モータ311に供給する第1保持状態に制御するために、演出用I/Oポート138からシリアル信号及びクロック信号を出力する。これにより、枠顔移動モータ311に停止励磁を発生させて、動作位置にある枠顔可動体400の停止を保持することが可能である。
さらにその他の処理(S4502)では、演出制御用マイコン121は、枠顔可動体400が待機位置にあることを検出するフォトセンサがOFFからONに切替わった場合、即ち枠顔可動体400が待機位置へ移動し終えた場合には、枠顔可動体400の駆動を制御するドライバが枠顔移動モータ311に電流を供給しない無電流状態にするために、演出用I/Oポート138からシリアル信号及びクロック信号を出力する。これにより、待機位置にある枠顔可動体400において無電流状態になり、消費電流を抑えることが可能である。なお本パチンコ遊技機PY1では、電源が投入された直後の初期状態にて、枠顔可動体400が待機位置にあって、無電流状態になっている。
またその他の処理(S4502)では、演出制御用マイコン121は、枠ドラム回転モータ321を駆動させるためのパルス信号のステップ数が所定数になって、枠ドラム320が停止している場合、即ち枠ドラム320の回転が終了した場合には、左側枠ドラムモータドライバIC11と右側枠ドラムモータドライバIC21が一定電流の71%の電流をそれぞれ左側枠ドラムモータドライバIC11と右側枠ドラムモータドライバIC21に供給する第1保持状態に制御するために、演出用I/Oポート138からシリアル信号及びクロック信号を出力する。
さらにその他の処理(S4502)では、演出制御用マイコン121は、枠耳可動体500が退避位置にあることを検出するフォトセンサがOFFからONに切替わった場合、即ち枠耳可動体500が退避位置へ移動し終えた場合には、枠耳可動体500の駆動を制御するドライバが一定電流の71%の電流を枠耳移動モータ520に供給する第1保持状態に制御するために、演出用I/Oポート138からシリアル信号及びクロック信号を出力する。これにより、枠耳移動モータ520に停止励磁を発生させて、退避位置にある枠耳可動体500の停止を保持することが可能である。なお本パチンコ遊技機PY1では、電源が投入された直後の初期状態にて、枠耳可動体500が収納位置にあって、保持状態になっている。
またその他の処理(S4502)では、演出制御用マイコン121は、演出ボタン振動モータ40mの駆動を開始させるタイミングである場合、即ち演出ボタン40kの振動が開始するタイミングである場合には、枠剣円盤部材232の駆動を制御するドライバが一定電流の71%の電流を枠剣円盤部材回転モータ231に供給する第1保持状態に制御するために、演出用I/Oポート138からシリアル信号及びクロック信号を出力する。これにより、枠剣円盤部材回転モータ231に停止励磁を発生させて、枠剣円盤部材232の停止を保持することが可能である。
さらにその他の処理(S4502)では、演出制御用マイコン121は、演出ボタン振動モータ40mの駆動を終了させるタイミングである場合、即ち演出ボタン40kの振動が終了するタイミングである場合には、枠剣円盤部材232の駆動を制御するドライバが枠剣円盤部材回転モータ231に電流を供給しない無電流状態に制御するために、演出用I/Oポート138からシリアル信号及びクロック信号を出力する。これにより、枠剣円盤部材232において無電流状態になり、消費電流を抑えることが可能である。
こうして本形態では、演出ボタン40kが振動している場合に限って、枠剣円盤部材232において第1保持状態にする。これにより、演出ボタン40kの振動が枠剣円盤部材232に伝わっても、枠剣円盤部材232が回転してしまうのを防ぐことが可能である。従って、演出ボタン40kの振動中に、枠剣円盤部材232に施されている装飾部分232aの向きが変わってしまい、遊技者に枠剣円盤部材232が動いたという誤った印象を与えるのを防ぐことが可能である。本形態では、演出ボタン40kの振動と枠剣円盤部材232の回転が同時に実行されないように設定されている。なお本パチンコ遊技機PY1では、電源が投入された直後の初期状態にて、枠剣円盤部材232において無電流状態になっている。
[枠剣可動体用シリアル信号出力処理]図42に示すように、枠剣可動体用シリアル信号出力処理(S4501)ではまず、演出制御用マイコン121は、枠剣可動体221が押込位置(図14(B)参照)へ移動したか否かを判定する(S4601)。具体的には、押込位置検出センサ227がOFFからONに切替わったか否かを判定する。枠剣可動体221が押込位置へ移動したと判定すれば(S4601でYES)、枠剣移動モータドライバIC1が一定電流を枠剣可動体221に供給する第2保持状態に制御するために、演出用I/Oポート138からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S4602)、本処理を終え、図41のステップS4502に進む。これにより、枠剣移動モータ223に大きな停止励磁を発生させて、押込位置にある枠剣可動体221の停止を保持することになるため、遊技者は大きな停止励磁に抗して押込操作を行うことになるので、遊技者の枠剣可動体221の押込操作を非常に困難にさせることが可能となる。
一方、ステップS4601の判定結果がNOであれば、ステップS4603にて、第2保持状態(枠剣移動モータ223が一定電流を供給されて停止励磁を発生させている状態)において、押込操作待機期間の時間である待機時間(本形態では、2秒)が経過したか否かを判定する(S4603)。第2保持状態において押込操作待機期間が経過した場合には(S4603でYES)、枠剣移動モータドライバIC1が一定電流の38%の電流を枠剣可動体221に供給する低下電流保持状態に制御するために、演出用I/Oポート138からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S4604)、本処理を終え、図41のステップS4502に進む。これにより、第2保持状態よりも、枠剣移動モータ223に小さな停止励磁を発生させて、押込位置にある枠剣可動体221の停止を保持することが可能である。
また、ステップS4603の判定結果がNOであれば、低下電流保持状態(枠剣移動モータ223が一定電流の38%の電流を供給されて停止励磁を発生させている状態)において、押込位置検出センサ227がONからOFFに切替わったか否かを判定する(S4605)。低下電流保持状態において押込位置検出センサ227がOFFに切替わったと判定すれば(S4605でYES)、枠剣可動体221が押込位置(図14(B)参照)から下降して押込途中位置(図14(C)参照)を通過したことになる。低下電流保持状態において押込位置検出センサ227がOFFに切替わったと判定すれば(S4605でYES)、枠剣可動体221の駆動を制御する枠剣移動モータドライバIC1が枠剣移動モータ223に電流を供給しない無電流状態にするために、演出用I/Oポート138からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S4606)、本処理を終え、図41のステップS4502に進む。
これにより、枠剣可動体221が押込途中位置を通過した途端に無電流状態になり、停止保持力が付与されなくなる。こうして、遊技者が押込位置にある枠剣可動体221を収納位置へ押込操作をする場合に、押し込み始めに抵抗力を感じさせてから、その後にスムーズに押込操作ができる。従って、押込位置から収納位置まで抵抗力を常に感じない場合に比べて適度な操作感を与えることが可能であり、押込位置から収納位置まで常に抵抗力を感じる場合に比べて、操作性を良くすることが可能である。また低下電流保持状態から無電流状態に切替えることで、消費電流を抑えることも可能である。
また、ステップS4605の判定結果がNOであれば、その他の処理を行い(S4607)、枠剣可動体用シリアル信号出力処理(S4501)を終え、図41のステップS4502に進む。その他の処理(S4607)としては、枠剣操作演出期間の開始に伴って、第1枠剣可動体駆動期間の時間である駆動時間(本形態では、約1秒)を用いて、枠剣可動体221を収納位置(図14(A)参照)から押込位置(図14(B)参照)までの駆動を制御したり、枠剣操作演出期間の時間である演出時間が終了したことに伴って、第2枠剣可動体駆動期間の時間である駆動時間(本形態では、約1秒)を用いて、枠剣可動体221を押込位置(図14(B)参照)から収納位置(図14(A)参照)までの駆動を制御したりする。
[注意喚起表示処理]図43に示すように、注意喚起表示処理(S4206)ではまず、演出制御用マイコン121は、収納位置検出センサ226により検出されたか否かを判定する(S4701)。収納位置検出センサ226により検出されていない場合には(S4701でNO)、そのまま本処理を終え、図38のステップS4207に進む。また収納位置検出センサ226により検出された場合には(S4701でYES)、収納位置検出センサの判定期間であるか否かを判定する(S4702)。ここで収納位置検出センサの判定期間とは、演出制御用マイコン121により収納位置検出センサ226により続けて5回検出されたか否かを判定される期間のことである。また本形態の演出制御用マイコン121には、収納位置検出センサの判定期間外及び押込操作有効期間外に、収納位置検出センサ226により1回検出されると、当該収納位置検出センサ226による検出からの経過時間を計測する検出判定タイマが搭載されている。なお本形態の収納位置検出センサの判定期間は、5秒である。
収納位置検出センサの判定期間であると判定した場合には(S4702でYES)、収納位置検出センサの判定期間にて収納位置検出センサ226により検出された回数(検出回数)を「1」加算する(S4703)。なお本形態の検出回数は、「0」が初期値である。また本形態の演出制御基板120の演出用RAM124には、収納位置検出センサ226による検出をカウントする検出カウンタが搭載されている。
その後、収納位置検出センサ226による検出回数が「5」であるか否か、即ち検出カウンタによりカウントされた回数が「5」であるか否かを判定する(S4704)。収納位置検出センサ226による検出回数が「5」である場合には(S4704でYES)、収納位置検出センサ226による検出回数を「0」にリセットし、即ち検出カウンタによるカウントを「0」にリセットし(S4705)、収納位置検出センサの判定期間を終了させて(S4706)、図44のステップS4710に進む。本形態のステップS4706では、検出判定タイマの計測を終了させて、「0」にリセットする。また収納位置検出センサ226による検出回数が「5」ではない場合には(S4704でNO)、そのまま本処理を終え、図38のステップS4207に進む。
ステップS4702で収納位置検出センサの判定期間ではないと判定した場合には(S4702でNO)、押込操作有効期間であるか否かを判定する(S4707)。押込操作有効期間ではないと判定した場合には(S4707でNO)、収納位置検出センサの判定期間を設定する(S4708)。その後、収納位置検出センサの判定期間にて収納位置検出センサ226により検出された回数(検出回数)を「1」加算し(S4709)、そのまま本処理を終え、図38のステップS4207に進む。また押込操作有効期間であると判定した場合には(S4707でYES)、そのまま本処理を終え、図38のステップS4207に進む。ステップS4707により収納位置検出センサの判定期間が設定されると、上述した検出判定タイマの計測が開始される。
図44のステップS4710において、演出制御用マイコン121は、第2注意喚起表示の経過時間であるか否かを判定する(S4710)。ここで第2注意喚起表示の経過時間とは、第2注意喚起表示の表示時間が経過したあとに、再度収納位置検出センサ226により1回検出されると、収納位置検出センサの判定期間が設定される時間のことである(図27(C)参照)。本形態の演出制御用マイコン121には、第2注意喚起表示が実行されてから経過した時間を計測する第3注意喚起表示タイマが搭載されている。第2注意喚起表示の経過時間ではないと判定した場合、即ち第3注意喚起表示タイマにより計測された時間ではないと判定した場合には(S4710でNO)、ステップS4712に進む。また、第2注意喚起表示の経過時間であると判定した場合、即ち第3注意喚起表示タイマにより計測された時間であると判定した場合には(S4710でYES)、第3注意喚起表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4711)、本処理を終え、図38のステップS4207に進む。ステップS4711でセットされた第3注意喚起表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、第3注意喚起表示画像TKCを画像用ROM142から読み出して、画像表示装置50の表示画面50aに第3注意喚起表示画像TKCを表示する(図27(C)、図29(D)参照)。これにより、遊技者には、第2注意喚起表示終了後の第2注意喚起表示の経過時間にて、再度枠剣可動体221の不用意な押込操作を行ったことを認識させることが可能となる。
ステップS4712において、演出制御用マイコン121は、第2注意喚起表示の表示時間であるか否かを判定する(S4712)。第2注意喚起表示の表示時間である場合には(S4712でYES)、第2注意喚起表示延長コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4713)、注意喚起表示処理(S4206)を終了する。ステップS4713でセットされた第2注意喚起表示延長コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像表示装置50の表示画面50aに表示している第2注意喚起表示の表示時間を経過しても、続けて第2注意喚起表示画像TKBを表示する(図27(B)、図28(D)参照)。これにより、遊技者には、第2注意喚起表示の表示時間にて、再度枠剣可動体221の不用意な押込操作を行ったことを認識させることが可能となる。
またステップS4712において、第2注意喚起表示の表示時間ではないと判定した場合には(S4712でNO)、ステップS4714に進む。ステップS4714において、演出制御用マイコン121は、第2注意喚起表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S4714)、注意喚起表示処理(S4206)を終了する。ステップS4714でセットされた第2注意喚起表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、第2注意喚起表示画像TKBを画像用ROM142から読み出して、画像表示装置50の表示画面50aに表示する(図27、図28(B)参照)。これにより、遊技者には、枠剣可動体221の過度な押込操作を行ったことを認識させることが可能となる。
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、収納位置検出センサの判定期間外及び押込操作有効期間外にて、枠剣可動体221の押込操作が1回行われると、収納位置検出センサの判定期間が設定される(図27参照)。設定された収納位置検出センサの判定期間にて枠剣可動体221の押込操作が連続してあと4回行われると、表示画面50aに枠剣可動体221の過度な押込操作(収納位置検出センサの判定期間にて枠剣可動体221が連続して5回押込操作)が行われたことを注意する第2注意喚起表示が表示される(図27、図28(B)参照)。この第2注意喚起表示を遊技者が確認することで、枠剣可動体221の過度な押込操作を行わないように注意することになる。そのため、遊技者による枠剣可動体221の過度な押込操作を抑制することが可能となり、パチンコ遊技機の破損や故障を防止することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、枠剣可動体221の押込操作が有効となる押込操作有効期間が開始されると(図24参照)、表示画面50aに押込操作有効示唆演出が表示される(図26(B)参照)。押込操作有効示唆演出では、表示画面50aにて枠剣可動体221の適切な押込操作を行うように注意する第1注意喚起表示が表示される(図26(B)参照)。これにより、遊技者に枠剣可動体221の適切な押込操作を行うように気を付けさせることで、遊技者による過度な枠剣可動体221の押込操作を軽減させることが可能となる。そのため、パチンコ遊技機の破損や故障を防止することが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、表示画面50aにて第2注意喚起表示が表示している間に、枠剣可動体221の押込操作が1回行われると、収納位置検出センサの判定期間が設定される(図27(B)参照)。そして、設定された収納位置検出センサの判定期間にて枠剣可動体221の押込操作が連続してあと4回行われると、表示画面50aにて第2注意喚起表示が延長して表示されることになる(図27(B)、図28(D)参照)。これにより、第2注意喚起表示の表示中に枠剣可動体221の過度な押込操作が再度行われたことを遊技者に注意することが可能となる。そのため、枠剣可動体221の過度な押込操作をこれ以上行わないように遊技者に認識させることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第2注意喚起表示の経過時間が経過する前に、枠剣可動体221の押込操作が1回行われると、収納位置検出センサの判定期間が設定される(図27(B)参照)。そして、設定された収納位置検出センサの判定期間にて枠剣可動体221の押込操作が連続してあと4回行われると、表示画面50aにて遊技者による枠剣可動体221の過度な押込操作をこれ以上行わないように注意する第3注意喚起表示が表示されることになる(図27(B)、図28(D)参照)。これにより、第2注意喚起表示が終了して第2注意喚起表示の経過時間が経過する前に、枠剣可動体221の過度な押込操作を再度行ったことを遊技者に注意することが可能となる。そのため、パチンコ遊技機の破損や故障を防止することが可能となる。
11.変形例
以下、変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変形例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変形例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態の枠剣可動体221は、請求項上の操作部材に相当するが、これに限定されるものではない。例えば、操作部材は遊技者が操作可能であって、演出に関与可能な操作部材であれば良い。例えば、遊技者が操作可能な演出ボタン40kであっても良い。
上記形態の収納位置検出センサ226の1回の検出により設定された収納位置検出センサの判定期間で連続してあと4回検出されること(操作部材に関する所定の実行条件が成立すること)で、表示画面50aに第2注意喚起表示が表示される(図27、図28(B)、図29(B)参照)。これに限定されるものではない。例えば、操作部材に関する所定の実行条件が成立することとは、設定された収納位置検出センサの判定期間にてあと4回検出されることで良く、連続して収納位置検出センサ226により検出されなくても良い。また収納位置検出センサ226の1回の検出により設定された収納位置検出センサの判定期間で連続してあと4回検出されること、即ち連続して5回押込操作が行われることに限定されることではない。例えば、5回以下であっても良いし、又は5回以上であっても良い。その他にも、押込位置検出センサ227により1回検出されることで、押込位置検出センサの判定期間が設定され、その判定期間で押込位置検出センサ227により連続してあと4回検出されることであっても良い。また、収納位置検出センサ226及び押込位置検出センサ227の各々センサで1回検出されることで、判定期間が設定され、設定された判定期間に収納位置検出センサ226及び押込位置検出センサ227の各々センサで連続してあと4回検出されることであっても良い。またパチンコ遊技機PY1に振動センサを搭載し、操作部材に関する所定の実行条件が成立は、振動センサにより所定値以上の振動が検知された場合であっても良い。
上記形態の押込操作有効示唆演出が表示されること(操作部材に関する所定の実行条件が成立すること)で、表示画面50aに第1注意喚起表示が表示される(図26(B)参照)。これに限定されることはない。例えば、操作部材に関する所定の実行条件が成立することとは、例えば、押込操作有効示唆演出以外の枠剣可動体221の操作に関する所定の演出が表示された場合であっても良い。所定の演出は、例えば、枠剣可動体221の引抜操作を促す引抜操作促進演出であっても良い。
上記形態の第1注意喚起表示では、表示画面50aにて枠剣可動体221の適切な押込操作を行うように注意する第1注意喚起表示画像TKAが表示される(図26(B)参照)。例えば、第1注意喚起表示では、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ601から特定の音声を出力したり、枠ランプ53や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させて、遊技者による不用意な押込操作を注意するようにしても良い。
上記形態の第2注意喚起表示では、表示画面50aにて枠剣可動体221の適切な押込操作を行うように注意する第2注意喚起表示画像TKBが表示される(図27、図28(B)、図29(B)参照)。例えば、第2注意喚起表示では、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ601から特定の音声を出力したり、枠ランプ53や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させて、遊技者による不用意な押込操作を注意するようにしても良い。
上記形態の枠剣可動体221(操作部材)の押込操作を検出する収納位置検出センサ226が、請求項上の「検知手段」に相当する。これに限定されることはない。検知手段は、例えば押込位置検出センサ227であっても良い。また、操作部材が演出ボタン40kである場合には、検知手段は入力部検知センサ40aであっても良い。
上記形態では、第2注意喚起表示の表示中に、収納位置検出センサ226の1回の検出により設定された収納位置検出センサの判定期間にて、収納位置検出センサ226により連続してあと4回検出される(注意喚起表示の実行中に再び実行条件が成立する)と、第2注意喚起表示の表示時間が延長されることになる(図27(B)、図28参照)。これに限定されるものではない。注意喚起表示の実行中に再び実行条件が成立するとは、例えばその他の条件に基づいて第2注意喚起表示の表示時間が延長されても良い。その他の条件として、例えば第2注意喚起表示の表示中に、第2注意喚起表示を表示させるための条件よりも過度な枠剣可動体221の押込操作を行われた場合に第2注意喚起表示の表示時間が延長されるようにしても良い。ここで第2注意喚起表示を表示させるための条件よりも過度な枠剣可動体221の押込操作を行われた場合とは、収納位置検出センサの判定期間にて、収納位置検出センサ226により5回(所定回数)以上検出されたことでも良い。
上記形態では、第2注意喚起表示の表示中に、収納位置検出センサ226の1回の検出により設定された収納位置検出センサの判定期間にて、収納位置検出センサ226により連続してあと4回検出されると、第2注意喚起表示の表示時間が延長されることになる(図28参照)。これに限定されるものではない。例えば第2注意喚起表示の表示中に、収納位置検出センサ226の1回の検出により設定された収納位置検出センサの判定期間に、収納位置検出センサ226により連続してあと4回検出されると、第2注意喚起表示の表示時間が終了した後に、第2注意喚起表示とは異なる他の注意喚起表示を表示するための表示時間が設定されるようにしても良い。これにより、遊技者に継続して押込操作を行わないように注意することが可能となる。
上記形態では、第2注意喚起表示の経過時間が経過する前に、収納位置検出センサ226の1回の検出により設定された収納位置検出センサの判定期間にて、収納位置検出センサ226により連続してあと4回検出される(注意喚起表示の実行後に再び実行条件が成立する)と、第3注意喚起表示の表示時間となる(図27(C)、図29参照)。これに限定されるものではない。注意喚起表示の実行後に再び実行条件が成立するとは、例えばその他の条件に基づいて第3注意喚起表示の表示時間となっても良い。その他の条件として、例えば第2注意喚起表示終了後の第2注意喚起表示の経過時間が経過する前に、第2注意喚起表示を表示させるための条件よりも過度な枠剣可動体221の押込操作を行われた場合に第3注意喚起表示の表示時間となっても良い。ここで第3注意喚起表示を表示させるための条件よりも過度な枠剣可動体221の押込操作を行われた場合とは、収納位置検出センサの判定期間にて、収納位置検出センサ226により5回(所定回数)以上検出されたことでも良い。
上記形態の第3注意喚起表示では、表示画面50aにて注意を示す記号と文字からなる第3注意喚起表示画像TKCが表示される(図27(C)、図29(D)参照)。これに限定されるものではない。例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ601から特定の音声を出力したり、枠ランプ53や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させて、遊技者による再度の押込操作を注意するようにしても良い。
上記形態では、表示画面50aにて押込操作待機示唆演出が表示される(図26(A)参照)。この押込操作待機示唆演出では、表示画面50aにて枠剣可動体221の押込位置から収納位置への押し込みを禁止することを示すと共に、「剣の押込操作が禁止されています」の文字を示す待機示唆背景画像KNが表示される(図26(A)参照)。これにより、押込操作待機期間にて枠剣可動体221の押込操作が禁止されていることを示唆することが可能となる。押込操作待機示唆演出は、これに限定されるものではない。例えば、特定のエフェクト画像を表示したり、スピーカ601から特定の音声を出力したり、枠ランプ53や盤ランプ54を特定の発光態様で発光させることで、押込操作待機期間にて表示画面50aに枠剣可動体221の押込操作が禁止されていることを示唆しても良い。
上記形態では、保持状態(第1保持状態、第2保持状態)から無電流状態への切替えを、枠剣可動体221や枠剣円盤部材232に対して行った。しかしながら、その他の可動部材(例えば枠顔可動体400,盤可動体55k,開閉部材等)に対して、保持状態から無電流状態への切替えを行っても良い。
また上記形態では、演出制御用マイコン121が、枠剣操作演出を実行する変動演出パターンが選択されたこと(演出駆動条件の成立)に基づいて、第1枠剣可動体駆動期間や第2枠剣可動体駆動期間を設定し、第1枠剣可動体駆動期間や第2枠剣可動体駆動期間において制御ラインL1〜L4が導通状態になるように制御した。しかしながら、第1枠剣可動体駆動期間や第2枠剣可動体駆動期間は、その他の条件に基づいて設定されるようにしても良い。例えば予め定められた特定期間(例えば営業時間内(午前9時から午後11時までの間)や遊技場に設置されてから1年以内)だけ、第1枠剣可動体駆動期間や第2枠剣可動体駆動期間を設定しても良い。またパチンコ遊技機PY1に電源が投入されている間だけ、第1枠剣可動体駆動期間や第2枠剣可動体駆動期間を設定しても良い。
また上記形態では、枠顔移動モータ311,枠ドラム回転モータ321,枠耳移動モータ520,枠顎移動モータ610,枠剣移動モータ223,枠剣円盤部材回転モータ231の駆動を制御するドライバ(枠剣移動モータドライバIC1,左側枠ドラムモータドライバIC11,右側枠ドラムモータドライバIC21,枠剣円盤部材回転モータドライバIC31等)が、定電流駆動方式のものであった。しかしながら、ドライバは定電流駆動方式のものに限られず、例えば定電圧駆動方式のものであっても良い。
また上記形態では、枠顔移動モータ311,枠ドラム回転モータ321,枠耳移動モータ520,枠顎移動モータ610,枠剣移動モータ223,枠剣円盤部材回転モータ231が、図21に示すバイポーラ型のステッピングモータであった。しかしながらその他の種類のモータであっても良く、例えばユニポーラ型のステッピングモータであっても良い。
第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることを請求項1の「所定の制御条件の成立」に相当する。しかし、これに限定されることはない。所定の制御条件の成立とは、例えば、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において小当たりに当選し、その当選を示す小当たり図柄が停止表示されることで、特定領域を備えた大入賞口を開放する小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技にて大入賞口内に備えた特定領域に遊技球が入球することであっても良い。
また上記形態では、1種類のみの大当たり判定テーブルが設定されていたが、設定値を変更することで、設定値ごとに設けられた大当たり判定テーブルを変更可能としてもよい。なお、大当たり判定テーブルが変更されることで大当たり判定処理にて大当たりと判定される確率が変更される。その場合、遊技制御基板100に設定値の変更を可能とするための設定値シリンダを設けてもよい。設定値シリンダには、専用の設定鍵を挿入させる挿入穴が設けられている。挿入穴に設定鍵を挿入すると、設定値シリンダを基準の待機状態から90度時計回りに回転させることができる。そして、設定値シリンダを待機状態から90度時計回りに回転させると設定状態となる。これにより、RAMクリアスイッチの操作によって設定値の設定変更を可能としてもよい。RAMクリアスイッチは押下操作可能に構成してもよい。さらに、遊技制御基板100の表面に、現在の設定値を表示する設定値表示器を搭載してもよい。また設定値表示器は、赤色7セグメント表示器で構成されていてもよい。
また上記各形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また、特別遊技として、小当たり遊技(大入賞口の総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)以下と短い特別遊技)を行うことがあってもよい。小当たり遊技の実行中の状態を小当たり遊技状態と言う。
また、大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。この場合には、第1大入賞口と、第1大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第1大入賞口センサと、第2大入賞口と、第2大入賞口に入賞した遊技球を検出可能な第2大入賞口センサとが設けられている遊技機になる。
また上記各形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。
また、スロットマシンのタイプは、どのようなタイプであってもよい。ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機(Aタイプのスロットマシン)であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
12.上記した実施形態に示されている発明
上記した実施形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
所定の制御条件の成立(第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されること)に基づいて有利な特別遊技状態(大当たり遊技)に制御する遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
所定の演出を実行可能とする演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
遊技者が操作可能な操作部材(枠剣可動体221)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記操作部材に関する所定の実行条件が成立(収納位置検出センサ226により1回検出されることで設定された収納位置検出センサの判定期間にて連続してあと4回検出されること、押込操作有効示唆演出の表示が開始されること)することで、前記操作部材の操作に関する注意喚起表示(第1注意喚起表示、第2注意喚起表示、図26(B)、図28(B)参照)を実行可能とすることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、操作部材に関する所定の実行条件が成立することで、操作部材の操作に関する注意喚起表示が実行される。よって、遊技者がその注意喚起表示を確認することで、操作部材の操作に用心するように認識させることが可能となる。これにより、不用意な操作部材の操作による遊技機の破損や故障を防止することが可能となる。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記操作部材の操作を検知する検知手段(収納位置検出センサ226、図20参照)を備え、
前記実行条件は、特定期間(収納位置検出センサ226の判定期間)にて前記検知手段により検知された回数が所定回数(5回)に達することであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定期間にて検知手段により検知された回数が所定回数に達することが、操作部材の操作に関する注意喚起表示を実行させるための所定の実行条件となっている。これにより、特定期間にて操作部材の操作を検知された回数が所定回数に達した場合には、注意喚起表示が実行される。そのため、その注意喚起表示を遊技者に認識させることで、操作部材の過度な操作を抑制することが可能となり、遊技機の破損や故障を防止することが可能となる。
手段A3に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記操作部材の操作を促す操作促進演出(押込操作有効示唆演出、図26(B)参照)を実行可能とし、
前記実行条件は、前記操作促進演出の実行であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、操作部材の操作を促す操作促進演出の実行が、操作部材の操作に関する注意喚起表示を実行させるための所定の実行条件となっている。これにより、操作促進演出が実行されることで、注意喚起表示が実行されることになる。そのため、その注意喚起表示を遊技者に認識させることで、不用意な操作部材の操作を軽減させることが可能となり、遊技機の破損や故障を防止することが可能となる。
手段A4に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記注意喚起表示の実行中に再び前記実行条件が成立すると、当該注意喚起表示の実行時間を延長可能とすることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、注意喚起表示の実行中に再び所定の実行条件が成立すると、当該注意喚起表示の実行時間が延長される。これにより、注意喚起表示の実行中に遊技者によって再び実行条件が成立してしまっても、延長して注意喚起表示を実行させることが可能となる。そのため、遊技者に不用意な操作を継続して行わないように認識させることが可能となり、遊技機の破損や故障を防止することが可能となる。
手段A5に係る発明は、
手段A1又は手段A2に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記注意喚起表示の実行後に再び前記実行条件が成立すると、前記操作部材の操作に関する特定の注意喚起表示(第3注意喚起表示、図27、図29(D)参照)を実行することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、注意喚起表示の実行後に再び所定の実行条件が成立すると、特定の注意喚起表示が実行される。これにより、注意喚起表示の実行後に遊技者によって再び実行条件が成立してしまっても、特定の注意喚起表示を実行させることが可能となる。そのため、遊技者に不用意な操作を継続して行わないように認識させることが可能となり、遊技機の破損や故障を防止することが可能となる。
ところで、特開2008−237669号公報に記載の遊技機において、遊技者が操作可能な操作部材が取付けられている。これにより、操作部材が取り付けられた遊技機は、遊技者に対して操作部材を操作することへの楽しみを与え、娯楽性に富んだものとなっている。ところが、遊技機に取り付けられた操作部材を遊技者によって不用意に操作されることで、遊技機が破損や故障してしまうことがある。そこで上記した手段A1〜手段A5に係る発明は、特開2008−237669号公報に記載の遊技機に対して、操作部材に関する所定の実行条件が成立することで、操作部材の操作に関する注意喚起表示を実行可能なものである点で相違している。これにより、操作部材の不用意な操作による遊技機の破損や故障を防止するという課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。