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JP2020085072A - 制御装置及び、制御方法 - Google Patents

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JP2020085072A JP2018217203A JP2018217203A JP2020085072A JP 2020085072 A JP2020085072 A JP 2020085072A JP 2018217203 A JP2018217203 A JP 2018217203A JP 2018217203 A JP2018217203 A JP 2018217203A JP 2020085072 A JP2020085072 A JP 2020085072A
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修一 矢作
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Abstract

【課題】クラッチ摩擦係数を適宜に補正する。【解決手段】変速進行過程で生じるトルクフェーズからイナーシャフェーズに亘って、クラッチ21,22から自動変速機30に伝達されるクラッチ伝達トルクを、少なくともクラッチ21,22の推定摩擦係数に基づいて制御するクラッチ制御部112と、イナーシャフェーズにおいて、クラッチ入力回転速度をクラッチ出力回転速度に一致させる目標差回転速度を設定すると共に、クラッチ入力回転速度とクラッチ出力回転速度との実差回転速度が目標差回転速度と一致するように、駆動力源10の出力トルクを制御する差回転制御を実行する差回転制御部120と、イナーシャフェーズにおいて、差回転制御により駆動力源10に送信されるトルク指示値Teと、予め設定した基準トルク指示値Te_STとの差異ΔTeに基づいて推定摩擦係数を補正する摩擦係数補正部113とを備えた。【選択図】図6

Description

本開示は、制御装置及び、制御方法に関し、特に、駆動力源の回転動力がクラッチを介して自動変速機に伝達される動力伝達装置の制御装置及び、制御方法に関する。
車両に搭載される動力伝達装置においては、変速中に駆動力源からクラッチを介して自動変速機に伝達されるクラッチ伝達トルクを適宜に制御することにより、変速ショックの発生や変速時間の間延び等を効果的に抑制している。
例えば、特許文献1には、クラッチの摩擦部材回転数及びクラッチ摩擦係数を一定として、摩擦部材の伝達トルクと目標トルクとの差から摩擦部材への作用力を決定するようにした技術が開示されている。
特開平9−249051号公報
上記特許文献1記載の技術では、クラッチ摩擦係数を一定としているが、実際のクラッチ摩擦係数は摩擦部材の経年劣化等に伴い変化する。このため、クラッチ摩擦係数に変化が生じると、クラッチ伝達トルクの制御精度が低下することで、変速ショックや変速時間の長期化等を引き起こす可能性がある。
本開示の技術は、クラッチ摩擦係数を適宜に補正することで、変速ショックの発生や変速時間の間延びを効果的に抑制することを目的とする。
本開示の装置は、駆動力源の回転動力がクラッチを介して自動変速機に伝達される動力伝達装置の制御装置であって、前記駆動力源から前記クラッチに入力される回転動力の入力回転速度を取得する入力回転速度取得手段と、前記クラッチから前記自動変速機に伝達される回転動力の出力回転速度を取得する出力回転速度取得手段と、前記自動変速機の変速進行過程で生じるトルクフェーズからイナーシャフェーズに亘って、前記クラッチから前記自動変速機に伝達されるクラッチ伝達トルクを、少なくとも前記クラッチの推定摩擦係数に基づいて制御するクラッチ制御手段と、前記イナーシャフェーズにおいて、前記入力回転速度を前記出力回転速度に一致させる目標差回転速度を設定すると共に、前記入力回転速度と前記出力回転速度との実差回転速度が前記目標差回転速度と一致するように、前記駆動力源の出力トルクを制御する差回転制御を実行する差回転制御手段と、前記イナーシャフェーズにおいて、前記差回転制御により前記駆動力源に送信されるトルク指示値と、予め設定した基準トルク指示値との差異に基づいて、前記推定摩擦係数を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記補正手段は、前記基準トルク指示値に対して前記トルク指示値が大きい場合は、前記推定摩擦係数を現在の値よりも大きい摩擦係数に補正し、前記基準トルク指示値に対して前記トルク指示値が小さい場合は、前記推定摩擦係数を現在の値よりも小さい摩擦係数に補正することが好ましい。
また、前記差回転制御手段は、前記イナーシャフェーズ中に、前記目標差回転速度と前記実差回転速度との偏差に基づいて前記駆動力源の出力トルクをフィードバック制御すると共に、前記イナーシャフェーズ中に、前記実差回転速度が前記目標差回転速度に追従するように、前記フィードバック制御のゲインを調整するゲイン調整手段を備えていることが好ましい。
本開示の方法は、駆動力源の回転動力がクラッチを介して自動変速機に伝達される動力伝達装置の制御方法であって、前記自動変速機の変速進行過程で生じるトルクフェーズからイナーシャフェーズに亘って、前記クラッチから前記自動変速機に伝達されるクラッチ伝達トルクを、少なくとも前記クラッチの推定摩擦係数に基づいて制御し、前記イナーシャフェーズにおいて、前記駆動力源から前記クラッチに入力される回転動力の入力回転速度を前記クラッチから前記自動変速機に伝達される回転動力の出力回転速度に一致させる目標差回転速度を設定すると共に、前記入力回転速度と前記出力回転速度との実差回転速度が前記目標差回転速度と一致するように、前記駆動力源の出力トルクを制御する差回転制御を実行し、前記イナーシャフェーズ中に、前記差回転制御により前記駆動力源に送信されるトルク指示値と、予め設定した基準トルク指示値との差異に基づいて、前記推定摩擦係数を補正することを特徴とする。
本開示の技術によれば、クラッチ摩擦係数を適宜に補正することで、変速ショックの発生や変速時間の間延びを効果的に抑制することができる。
本実施形態に係る車両に搭載された動力伝達装置を示す模式的な構成図である。 本実施形態に係る差回転制御部の模式的な機能構成図である。 第1クラッチを係合状態から解放状態にしつつ、第2クラッチを解放状態から係合状態に切り替えるシフトアップ時の各種状態量の変化を説明するタイミングチャート図である。 本実施形態に係る差回転制御の流れを説明するフローチャート図である。 差回転制御によりエンジンに送信されるエンジントルク指示値と基準エンジントルク指示値との差異の一例を説明する模式図である。 本実施形態に係るクラッチ摩擦係数の補正処理の流れを説明するフローチャート図である。
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る制御装置及び、制御方法を説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施形態に係る車両1に搭載された動力伝達装置を示す模式的な構成図である。
車両1には、駆動力源の一例であるエンジン10が搭載されている。エンジン10のクランクシャフト11は、デュアルクラッチ装置20(クラッチ)を介して、変速機構30(自動変速機)の第1及び第2変速機入力軸31,32に接続されている。変速機構30の変速機出力軸33には、何れも図示しない左右駆動輪にデファレンシャルギヤ装置等を介して連結されたプロペラシャフトが接続されている。
デュアルクラッチ装置20は、第1クラッチ21及び第2クラッチ22を有する。
第1クラッチ21は、例えば、湿式多板クラッチであって、クランクシャフト11と一体回転するクラッチハブ23と、第1変速機入力軸31と一体回転する第1クラッチドラム24と、複数枚のフリクションプレート及びセパレートプレートを交互に配置した第1クラッチプレート25と、第1クラッチプレート25を圧接する第1ピストン26と、第1油圧室26Aと、第1リターンスプリング26Bとを備えている。第1クラッチプレート25のフリクションプレートには、不図示の摩擦部材が取り付けられている。
第1クラッチ21は、コントロールユニット100からの指令に応じて油供給回路70から第1油圧室26Aに供給される作動油の圧力(作動油圧)によって第1ピストン26が出力側(図1の右方向)にストローク移動すると、第1クラッチプレート25が圧接されて、トルクを伝達する係合状態(接状態)となる。一方、コントロールユニット100からの指令に応じて第1油圧室26Aの作動油圧が解放されると、第1ピストン26が第1リターンスプリング26Bの付勢力によって入力側(図1の左方向)にストローク移動することで、第1クラッチ21は動力伝達を遮断する解放状態(断状態)となる。
第2クラッチ22は、例えば、湿式多板クラッチであって、クラッチハブ23と、第2変速機入力軸32と一体回転する第2クラッチドラム27と、複数枚のフリクションプレート及びセパレートプレートを交互に配置した第2クラッチプレート28と、第2クラッチプレート28を圧接する第2ピストン29と、第2油圧室29Aと、第2リターンスプリング29Bとを備えている。第2クラッチプレート28のフリクションプレートには、不図示の摩擦部材が取り付けられている。
第2クラッチ22は、コントロールユニット100からの指令に応じて油供給回路70から第2油圧室29Aに供給される作動油圧によって第2ピストン29が出力側(図1の右方向)にストローク移動すると、第2クラッチプレート28が圧接されて、トルクを伝達する係合状態(接状態)となる。一方、コントロールユニット100からの指令に応じて第2油圧室29Aの作動油圧が解放されると、第2ピストン29が第2リターンスプリング29Bの付勢力によって入力側(図1の左方向)にストローク移動することで、第2クラッチ22は動力伝達を遮断する解放状態(断状態)となる。
油供給回路70は、オイルパン71内の作動油に浸漬されたオイルストレーナ72と、オイルストレーナ72に接続された主供給ライン73と、主供給ライン73から分岐する第1及び第2供給ライン74,75とを備えている。また、主供給ライン73には、エンジン10の動力で駆動するオイルポンプOPが設けられている。
第1供給ライン74は、第1油圧室26Aに作動油を供給する。第1供給ライン74には、第1油圧室26Aへの供給油圧を制御する第1電磁バルブ76が設けられている。第2供給ライン75は、第2油圧室29Aに作動油を供給する。第2供給ライン75には、第2油圧室29Aへの供給油圧を制御する第2電磁バルブ77が設けられている。これら第1及び第2電磁バルブ76,77の作動は、コントロールユニット100からの指令に応じて通電されることにより制御される。
変速機構30は、入力側に配置された副変速部40と、出力側に配置された主変速部50とを備えている。また、変速機構30は、副変速部40に設けられた第1変速機入力軸31及び第2変速機入力軸32と、主変速部50に設けられた変速機出力軸33と、これら各軸31〜33に並行に配置された副軸34とを備えている。第1変速機入力軸31は、第2変速機入力軸32を軸方向に貫通する中空軸内に相対回転自在に挿入されている。
副変速部40には、第1スプリッタギヤ対41と、第2スプリッタギヤ対42とが設けられている。第1スプリッタギヤ対41は、第1変速機入力軸31に一体回転可能に設けられた第1入力主ギヤ43と、副軸34に一体回転可能に設けられて、第1入力主ギヤ43と常時歯噛する第1入力副ギヤ44とを備えている。第2スプリッタギヤ対42は、第2変速機入力軸32に一体回転可能に設けられた第2入力主ギヤ45と、副軸34に一体回転可能に設けられて、第2入力主ギヤ45と常時歯噛する第2入力副ギヤ46とを備えている。
主変速部50には、複数の出力ギヤ対51と、複数のシンクロメッシュ機構55とが設けられている。各出力ギヤ対51は、副軸34に一体回転可能に設けられた出力副ギヤ52と、出力軸33に相対回転自在に設けられると共に、出力副ギヤ52と常時歯噛する出力主ギヤ53とを備えている。各シンクロメッシュ機構55は、何れも図示しないスリーブやシンクロナイザリング、ドグギヤ等を備えて構成されている。
シンクロメッシュ機構55の作動は、コントロールユニット100によって制御されており、車両1の走行状態やエンジン10の運転状態等に応じて、変速シフタ85がシンクロメッシュ機構55のスリーブをシフト移動させることにより、変速機出力軸33と出力主ギヤ53とを選択的に係合状態(ギヤイン状態)又は非係合状態(ニュートラル状態)に切り替えるようになっている。なお、出力ギヤ対51やシンクロメッシュ機構55の個数、配列パターン等は図示例に限定されものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本実施形態において、副変速部40は、第1スプリッタギヤ対41のギヤ比が第2スプリッタギヤ対42よりも小さく設定されている。すなわち、第2クラッチ22を締結して第2スプリッタギヤ対42から主変速部50に駆動力を伝達する場合には、低速側(奇数段)とすることができ、第1クラッチ21を締結して第1スプリッタギヤ対41から主変速部50に駆動力を伝達する場合には、高速側(偶数段)とすることができるように構成されている。
エンジン回転数センサ90(入力回転速度取得手段の一例)は、クランクシャフト11からエンジン10の単位時間当たりの回転数(以下、エンジン回転速度ω)を取得する。アクセル開度センサ91は、不図示のアクセルペダルの踏み込み量に応じたエンジン10の燃料噴射量Q(噴射指示値)を取得する。車速センサ92は、変速機出力軸33(又は、プロペラシャフト)から車両1の車速Vを取得する。なお、車速センサ92は、車輪速センサであってもよい。第1入力軸回転数センサ93(出力回転速度取得手段の一例)は、第1クラッチ21に接続された第1変速機入力軸31の単位時間当たりの回転数(以下、第1クラッチ出力回転速度ω)を取得する。第2入力軸回転数センサ94(出力回転速度取得手段の一例)は、第2クラッチ22に接続された第2変速機入力軸32の単位時間当たりの回転数(以下、第2クラッチ出力回転速度ω)を取得する。これら各種センサ類90〜94のセンサ値は、電気的に接続されたコントロールユニット100に出力される。
コントロールユニット100は、エンジン10、デュアルクラッチ装置20、変速機構30等の各種制御を行うもので、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、出力ポート等を備えて構成されている。
また、コントロールユニット100は、自動変速制御部110と、クラッチ制御部112(クラッチ制御手段)と、差回転制御部120(差回転数制御手段)と、摩擦係数補正部113(補正手段)とを一部の機能要素として有する。これらの機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアであるコントロールユニット100に含まれるものとして説明するが、これらの何れか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
自動変速制御部110は、エンジン10の運転状態や車両1の走行状態等に基づいて、変速機構30を適切な変速段にシフトアップ又はシフトダウンさせる自動変速制御を実行する。より詳しくは、コントロールユニット100のメモリには、燃料噴射量Q及び車速Vに基づいて参照される不図示のシフトチェンジマップが格納されている。自動変速制御部100は、アクセル開度センサ91及び車速センサ92から入力される各センサ値に基づいてシフトチェンジマップを参照することにより適切な変速段を特定し、変速シフタ85を作動させることにより、変速機構30を適切な変速段にシフトチェンジさせる。
自動変速制御部110は、シフトアップ要求の成立により、現在のギヤ段を奇数段から偶数段にシフトアップする場合には、主変速部50の現在確立されている動力伝達経路を維持(現ギヤ段に対応するシンクロメッシュ機構55を係合状態に維持)しつつ、クラッチ制御部112に、第2クラッチ22を係合状態から解放状態、第1クラッチ21を解放状態から係合状態に切り替えさせる指示信号を送信する。同様に、自動変速制御部110は、シフトダウン要求の成立により、現在のギヤ段を偶数段から奇数段にシフトダウンする場合には、主変速部50の現在確立されている動力伝達経路を維持しつつ、クラッチ制御部112に、第1クラッチ21を係合状態から解放状態、第2クラッチ22を解放状態から係合状態に切り替えさせる指示信号を送信する。
一方、自動変速制御部110は、シフトアップ要求の成立により、現在のギヤ段を偶数段から奇数段にシフトアップする場合には、次のギヤ段に対応するシンクロメッシュ機構55を係合状態にして、予め主変速部50に次のギヤ段の動力伝達経路を確立させるプレシフトを行いつつ、クラッチ制御部112に、第1クラッチ21を係合状態から解放状態、第2クラッチ22を解放状態から係合状態に切り替えさせる指示信号を送信する。同様に、自動変速制御部110は、シフトダウン要求の成立により、現在のギヤ段を奇数段から偶数段にシフトダウンする場合には、次のギヤ段に対応するシンクロメッシュ機構55を係合状態にして、予め主変速部50に次のギヤ段の動力伝達経路を確立させるプレシフトを行いつつ、クラッチ制御部112に、第2クラッチ22を係合状態から解放状態、第1クラッチ21を解放状態か係合状態に切り替えさせる指示信号を送信する。
クラッチ制御部112は、自動変速制御部110から送信される指令に応じて、第1クラッチ21及び第2クラッチ22の係合/解放を切り替えるクラッチ架け替え制御を行う。本実施形態において、クラッチ制御部112は、解放状態から係合状態に切り替わる第1又は第2クラッチ21,22の伝達トルクが所望のクラッチ伝達トルクTcとなるように、第1又は第2油圧室26A,29Aへの供給油圧Pc(第1又は第2電磁バルブ76,77への通電量)を制御する。
具体的には、クラッチ制御部112は、変速要求が成立するトルクフェーズの開始からイナーシャフェーズが終了するまでの期間に亘って、クラッチ入出力回転数差や作動油温等に基づいて参照される摩擦係数マップM1から読み取られるクラッチ推定摩擦係数μcalを以下の数式(1)に代入し、係合状態に切り替えられる第1又は第2クラッチ21,22から変速機構30に伝達されるトルクが所望のクラッチ伝達トルクTcとなるように、第1又は第2油圧室26A,29Aへの供給油圧Pcを調整する。
Tc=μ・R・N・(A・Pc−F) ・・・(1)
但し、Tc:目標クラッチ出力トルク
Pc:供給油圧
μcal:クラッチ推定摩擦係数
R:クラッチ有効半径
N:クラッチプレート25,28の枚数
A:ピストン26,29の受圧面積
F:リターンスプリング26B,29Bの反力
ここで、「トルクフェーズ」とは、自動変速の進行途中で生じる変速過程の一つであり、現ギヤ段のクラッチ21,22が係合状態から解放状態に徐々に移行すると共に、次のギヤ段のクラッチ21,22が解放状態から係合状態に徐々に移行するフェーズをいう。また、「イナーシャフェーズ」とは、自動変速の進行途中で生じる変速過程の一つであり、解放側のクラッチ21,22が完全に解放されると共に、係合側のクラッチ21,22がスリップ状態から完全に係合され、その間にシフトアップの場合にはエンジン回転速度ωを低下させる一方、シフトダウンの場合にはエンジン回転速度ωを上昇させるフェーズをいう。
差回転制御部120は、トルクフェーズ後のイナーシャフェーズにおいて、エンジン回転速度ωと、解放状態から係合状態に切り替えられる第1又は第2クラッチ21,22のクラッチ出力回転速度ωとの実差回転速度Δω(=ω−ω)が目標差回転速度Δωrefとなるように、エンジン回転速度ωを低下又は上昇させる差回転制御を実行する。
以下、差回転制御の詳細を、第1クラッチ21を係合状態から解放状態にしつつ、第2クラッチ22を解放状態から係合状態に切り替えるシフトアップ時を一例に説明する。なお、第1クラッチ21を係合状態から解放状態にしつつ、第2クラッチ22を解放状態から係合状態に切り替えるシフトダウン時、第2クラッチ22を係合状態から解放状態にしつつ、第1クラッチ21を解放状態から係合状態に切り替えるシフトアップ時、第2クラッチ22を係合状態から解放状態にしつつ、第1クラッチ21を解放状態から係合状態に切り替えるシフトダウン時も同様の処理内容となるため、これらの説明は省略する。
図2は、本実施形態に係る差回転制御部120の模式的な機能構成図である。
図2に示すように、差回転数制御部120は、目標差回転速度設定部130(目標差回転速度設定手段)と、偏差演算部140と、PID(比例積分微分)制御部150(PID制御手段)と、出力部160と、ゲイン調整部170(ゲイン調整手段)とを備えている。なお、ここではフィードバック制御の一態様としてPID制御を、ゲインの調整を示すオートチューニングの一態様としてPIDオートチューニングをそれぞれ用いる。
目標差回転速度設定部130は、イナーシャフェーズにおいて、エンジン回転速度ωを第2クラッチ出力回転速度ωに徐々に一致させる目標差回転速度Δωrefを設定する。偏差演算部140は、設定された目標差回転速度Δωrefから、エンジン回転速度ωと第2クラッチ出力回転速度ωとの実差回転速度Δω(=ω−ω)を減算して得られる偏差e(=Δωref−Δω)を演算する。
PID制御部150は、偏差演算部140から入力される偏差eに対して、比例(P)、積分(I)、微分(D)の各処理を加えてエンジン10への目標トルク指示値Teを設定する。出力部160は、設定されたエンジントルク指示値Teでエンジン10を駆動させる燃料噴射指示値を制御対象のであるンジン10の不図示のインジェクタに出力する。
ゲイン調整部170は、実差回転速度Δωが目標差回転速度Δωrefに追従するように、PID制御に用いられる比例ゲイン、積分ゲイン及び、微分ゲインの少なくとも一つ又は全部を調整するPIDオートチューニングを実行する。各PIDゲインの調整量は、偏差演算部140にて演算される偏差e(=Δωref−Δω)に基づいて設定すればよい。例えば、偏差eが正の値であれば、PIDゲインの現在の設定値を実差回転速度Δω(=ω−ω)が増加する方向に調整し、偏差eが負の値であれば、PIDゲインの現在の設定値を実差回転速度Δω(=ω−ω)が減少する方向に調整すればよい。なお、ゲイン調整の手法は、偏差eに基づいた手法に限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲にて、エンジン出力及び、又は制御入力等、ゲイン調整部170に入力される他の信号に基づいて調整するように構成してもよい。
本実施形態において、ゲイン調整部170は、好ましくは、トルクフェーズからイナーシャフェーズへの移行後、解放状態に切り替わる第1クラッチ21の第1クラッチ出力回転速度ωと、エンジン回転速度ωとの差回転速度Δω(=ω−ω)の絶対値が所定の閾値Δωsとなるスリップ発生と同時にPIDオートチューニングを開始すると共に、イナーシャフェーズ中にエンジン回転速度ωと第2クラッチ出力回転速度ωとの実差回転速度Δω(=ω−ω)が所定の差回転速度閾値Δω_Minまで低下すると(Δω≦Δω_Min)、PIDオートチューニングを終了し、その時の値を次の差回転制御に用いるPIDゲインとして更新する。すなわち、第2クラッチ22がスリップ状態から完全係合(剛体接続)に切り替わるイナーシャフェーズの後半は、PIDオートチューニングを禁止するように構成されている。ここで、差回転速度閾値Δω_Minは、実差回転速度Δωを目標差回転速度Δωrefに効果的に追従させる所望のPIDゲインが得られる実差回転速度Δωの下限値を予め実験的に求めることにより設定すればよい。
図3は、第1クラッチ21を係合状態から解放状態にしつつ、第2クラッチ22を解放状態から係合状態に切り替えるシフトアップ時の各種状態量の変化を説明するタイミングチャート図である。図3において、(A)は、目標差回転速度Δωref及び、実差回転速度Δωの変化を、(B)は、エンジン回転速度ω、第1クラッチ出力回転速度ω及び、第2クラッチ出力回転速度ωの変化を、(C)は、エンジン10のエンジントルク指示値Te、第1クラッチ21のクラッチ伝達トルクTc及び、第2クラッチ22のクラッチ伝達トルクTcの変化をそれぞれ示している。また、(D)は、PID制御を実行する第1フラグFのON/OFFを、(E)は、PIDオートチューニングを実行する第2フラグFのON/OFFをそれぞれ示している。
時刻T0にて、シフトアップ要求が成立すると、現ギヤ段に対応する第1クラッチ21の解放を開始すると共に、次のギヤ段に対応する第2クラッチ22の係合を開始するクラッチ架け替え制御が開始される。
時刻T1にて、トルクフェーズが終了すると、PID制御を実行する第1フラグFがON(F=1)にされる。さらに、イナーシャフェーズ移行直後において、第1クラッチ出力回転速度ωとエンジン回転速度ωとの差回転速度Δω(=ω−ω)の絶対値が所定の閾値Δωsとなるスリップ発生を検知すると(時刻T1’)、PIDオートチューニングを実行する第2フラグFもON(F=1)にされる。すなわち、トルクフェーズの終了後、イナーシャフェーズに移行するとPID制御が開始され、さらに、イナーシャフェーズ移行直後においてスリップ発生を検知するとPIDオートチューニングが開始される。
時刻T2にて、イナーシャフェーズ中にPID制御によって実差回転速度Δω(=ω−ω)が差回転速度閾値Δω_Minまで減少すると、PIDオートチューニングを実行する第2フラグFはOFF(F=0)とされる。すなわち、イナーシャフェーズ中に実差回転速度Δωが差回転速度閾値Δω_Minまで減少すると、以降、PIDオートチューニングは禁止される。この際、PIDゲインは、PIDオートチューニングにより調整された最後の値で更新される。
時刻T3にて、エンジン回転速度ωが第2クラッチ出力回転速度ωと略一致してイナーシャフェーズを終了すると、PID制御を実行する第1フラグFがOFF(F=0)となり、PID制御を終了する。
図4は、本実施形態に係る差回転制御の流れを説明するフローチャート図である。本ルーチンは、変速制御の開始(図3の時刻T0参照)とともに実行される。なお、変速制御の開始からイナーシャフェーズに移行するまでのトルクフェーズ(図3の時刻T0〜T1参照)においては、現ギヤ段に対応する第1クラッチ21を解放状態に移行させると共に、次のギヤ段に対応する第2クラッチ22を係合状態に移行させるクラッチ架け替え制御が実行される。
ステップS100では、トルクフェーズからイナーシャフェーズに移行したか否かを判定する。この判定は、例えば、変速機構30の入出力回転数差等に基づいてスリップを検知することにより行えばよい。ステップS100にて、イナーシャフェーズに移行したと判定した場合(Yes)は、ステップS110に進む。一方、イナーシャフェーズに移行していないと判定した場合(No)は、ステップS100の処理を繰り返す。
ステップS110では、目標差回転速度Δωrefを設定すると共に、エンジン回転速度ωと第2クラッチ出力回転速度ωとの実差回転速度Δω(=ω−ω)が目標差回転速度Δωrefとなるように、これらの偏差e(=Δωref−Δω)に基づいてエンジン10の駆動を制御するPID制御を開始する。
ステップS120では、PIDオートチューニングを実行するか否かを判定する。PIDオートチューニングを実行するか否かは、例えば、PID制御を実行しても実差回転速度Δωが目標差回転速度Δωrefに追従しない場合等に、PIDオートチューニングを実行すると判定すればよい。PIDオートチューニングを実行すると判定した場合(Yes)は、ステップS130に進む。一方、PIDオートチューニングを実行しないと判定した場合(No)は、ステップS160に進み、PID制御のみを継続して実行する。
ステップS130では、PID制御の各ゲインを調整するPIDオートチューニングを実行する。この際、ステップS130にて、PIDゲインの更新を実行してもよく、或は、後述するステップS150にて、PIDゲインの更新を実行してもよい。
ステップS140では、実差回転速度Δωが差回転速度閾値Δω_Minまで低下したか否かを判定する。実差回転速度Δωが差回転速度閾値Δω_Minまで低下したと判定した場合(Yes)は、ステップS150に進む。一方、実差回転速度Δωが差回転速度閾値Δω_Minまで減少していないと判定した場合(No)は、ステップS130,140の処理を繰り返す。
ステップS150では、PIDオートチューニングを終了(中止)すると共に、その時の値を次のPID制御に用いるPIDゲインとして更新する。次いで、ステップS170では、エンジン回転速度ωが第2クラッチ出力回転速度ωに一致したか否かを判定する。エンジン回転速度ωが第2クラッチ出力回転速度ωに一致していない場合(No)は、ステップS180に進み、PID制御を継続して、ステップS170,180の処理を繰り返す。一方、エンジン回転速度ωが第2クラッチ出力回転速度ωに一致した場合(Yes)は、ステップS190に進み、PID制御を終了して、その後、本制御はリターンされる。
図1に戻り、摩擦係数補正部113は、クラッチ制御部112によるクラッチ伝達トルクTcの制御に用いられるクラッチ推定摩擦係数μcalを補正する。
第1クラッチ21及び、又は第2クラッチ22の実際のクラッチ実摩擦係数μactが経年劣化等により変化すると、イナーシャフェーズにおいて差回転制御を実行しても、エンジン10に送信されるエンジントルク指示値Teに差異ΔTeが生じるようになる。摩擦係数補正部113は、この差異ΔTeを検知することにより、クラッチ推定摩擦係数μcalを補正する。
具体的には、コントロールユニット100のメモリには、クラッチ実摩擦係数μactが経年劣化等により変化する前の初期状態で、差回転制御によりエンジン10に送信されるトルク指示値が基準エンジントルク指示値Te_STとして格納されている。摩擦係数補正部113は、変速制御によるイナーシャフェーズにおいて差回転制御が実行される都度、現在のエンジントルク指示値Teと基準エンジントルク指示値Te_STとを比較し、これらの差異ΔTe(==Te_ST−Te)が減少するように、摩擦係数マップM1のクラッチ推定摩擦係数μcalを増減補正する。
以下、図5に基づいて、具体的なクラッチ推定摩擦係数μcalの補正を、第1クラッチ21が係合状態から解放状態、第2クラッチ22が解放状態から係合状態に切り替えられるシフトアップ時を一例に説明する。なお、図5において、(A)は、エンジン回転速度ω、第1クラッチ出力回転速度ω及び、第2クラッチ出力回転速度ωの変化を、(B)は、エンジン10に送信されるエンジントルク指示値Teの変化をそれぞれ示している。また、時刻T0〜T3は、図3の時刻T0〜T3にそれぞれ対応している。
第2クラッチ22の実際のクラッチ実摩擦係数μactよりもクラッチ推定摩擦係数μcalが大きい値で推定されていると、想定よりもクラッチ伝達トルクTcが小さくなり、差回転制御によりエンジン10に送信されるエンジントルク指示値Te_1は、基準エンジントルク指示値Te_STよりも小さくなる。このような場合、摩擦係数補正部113は、エンジントルク指示値Te_1が基準エンジントルク指示値Te_STに一致するように、これらの差異ΔTe_1(=Te_ST−Te_1)に基づいて、クラッチ推定摩擦係数μcalを現在の値よりも小さい摩擦係数に減少補正する。
一方、第2クラッチ22の実際のクラッチ実摩擦係数μactよりもクラッチ推定摩擦係数μcalが小さい値で推定されていると、想定よりもクラッチ伝達トルクTcが大きくなり、差回転制御によりエンジン10に送信されるエンジントルク指示値Te_2は、基準エンジントルク指示値Te_STよりも大きくなる。このような場合、摩擦係数補正部113は、エンジントルク指示値Te_2が基準エンジントルク指示値Te_STに一致するように、これらの差異ΔTe_2(=Te_ST−Te_2)に基づいて、クラッチ推定摩擦係数μcalを現在の値よりも大きい摩擦係数に増加補正する。
すなわち、クラッチ実摩擦係数μactの変化により、基準エンジントルク指示値Te_STとエンジントルク指示値Teとに差異ΔTeが生じた場合には、これらの差異ΔTeに応じてクラッチ推定摩擦係数μcalを適宜に増減補正することで、差回転制御によるエンジントルク指示値Teは基準エンジントルク指示値Te_STに一致するようになる。これにより、経年劣化等によるクラッチ実摩擦係数μactの変化の影響が効果的に排除され、制御精度が確実に向上されるようになり、変速ショックの発生や変速時間の間延びを防止することが可能になる。
図6は、本実施形態に係るクラッチ摩擦係数の補正処理の流れを説明するフローチャート図である。本ルーチンは、トルクフェーズからイナーシャフェーズへの移行により差回転制御が開始されると、当該差回転制御と並行して実行される。
ステップS200では、基準エンジントルク指示値Te_STとエンジントルク指示値Teとに差異ΔTe(=Te_ST−Te)が生じているか否か、すなわち、差異ΔTe(絶対値)が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。差異ΔTeが所定の閾値よりも大きい場合(Yes)、本制御はステップS210に進む。一方、差異ΔTeが所定の閾値以下の場合(No)、本制御はリターンされる。
ステップS210では、差異ΔTe(=Te_ST−Te)が正の値か否かを判定する。差異ΔTeが正の値(0よりも大きい値)の場合(Yes)、すなわち、エンジントルク指示値Teが基準エンジントルク指示値Te_STよりも小さい場合は、クラッチ推定摩擦係数μcalがクラッチ実摩擦係数μactよりも大きく推定されていることになる。この場合、本制御はステップS220に進み、差異ΔTeに基づいてクラッチ推定摩擦係数μcalを現在の値よりも小さい摩擦係数に補正する。
一方、ステップS210の判定にて、差異ΔTe(=Te_ST−Te)が正の値でない場合(No)、すなわち、差異ΔTeが負の値であり、エンジントルク指示値Teが基準エンジントルク指示値Te_STよりも大きい場合は、クラッチ推定摩擦係数μcalがクラッチ実摩擦係数μactよりも小さく推定されていることになる。この場合、本制御はステップS230に進み、差異ΔTeに基づいてクラッチ推定摩擦係数μcalを現在の値よりも大きい摩擦係数に補正する。
ステップS240では、基準エンジントルク指示値Te_STと、クラッチ推定摩擦係数μcalを補正した後のエンジントルク指示値Teとの差異ΔTe(絶対値)が所定の閾値未満になったか否かを判定する。差異ΔTeが所定の閾値以上であれば(No)、本制御はステップS210の処理に戻され、差異ΔTeが所定の閾値未満になるまで、クラッチ推定摩擦係数μcalの補正が繰り返される。一方、差異ΔTeが所定の閾値未満であれば(Yes)、本制御はその後リターンされる。
以上詳述した本実施形態によれば、イナーシャフェーズにおいて、差回転制御によりエンジン10に送信されるエンジントルク指示値Teが基準エンジントルク指示値Te_STに対して変化した場合には、これらの差異ΔTeに応じてクラッチ推定摩擦係数μcalを増減補正することで、差回転制御によるエンジントルク指示値Teを基準エンジントルク指示値Te_STに一致させるように構成されている。これにより、経年劣化等によるクラッチ実摩擦係数μactの変化の影響が排除され、制御精度が確実に向上されるようになり、変速ショックの発生や変速時間の間延びを効果的に防止することが可能になる。
また、イナーシャフェーズ中に実行される差回転制御においては、目標差回転速度Δωrefと実差回転速度Δωとの偏差eに基づいてエンジン10の出力トルクをPID制御すると共に、実差回転速度Δωが目標差回転速度Δωrefに追従するようにPIDゲインを調整するPIDオートチューニングを実施し、イナーシャフェーズ中に実差回転速度Δωが所定の差回転速度閾値Δω_Minまで低下するとPIDオートチューニングを終了することで、PIDオートチューニングによるゲイン調整の最適化が図られるように構成されている。これにより、実差回転速度Δωを目標差回転速度Δωrefに追従させる最適なPIDゲインが得られるようになり、経年劣化等にも効果的に対応しつつ、差回転制御の制御精度を確実に向上することが可能になる。
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、エンジン10と変速機構30との間の動力を断接するクラッチは、デュアルクラッチ装置20を一例に説明したが、シングルクラッチ装置やAT等のクラッチ架替による変速装置であってもよい。また、クラッチ装置は、湿式クラッチに限定されず、乾式クラッチであってもよく、さらには、多板クラッチ又は単板クラッチの何れであってもよい。
また、上記実施形態では、PID制御を一例に説明したが、閉ループ系のフィードバック制御にも適用することが可能である。また、各クラッチ21,22のクラッチ出力回転速度ωは、入力軸回転数センサ93,94により取得するものとして説明したが、車速センサ92のセンサ値に変速機構30のギヤ比を乗じることにより取得してもよい。
また、車両1は、駆動力源としてエンジン10を備えるものとして説明したが、エンジン10とモータとを併用するハイブリッド車両等、エンジン10以外の他の駆動力源を備える車両であってもよい。
1 車両
10 エンジン
11 クランクシャフト
20 デュアルクラッチ装置
21 第1クラッチ
22 第2クラッチ
30 変速機構
31 第1変速機入力軸
32 第2変速機入力軸
90 エンジン回転数センサ(入力回転速度取得手段)
91 アクセル開度センサ
92 車速センサ
93 第1入力軸回転数センサ(出力回転速度取得手段)
94 第2入力軸回転数センサ(出力回転速度取得手段)
100 コントロールユニット
110 自動変速制御部
112 クラッチ制御部(クラッチ制御手段)
113 摩擦係数補正部(補正手段)
120 差回転制御部(差回転制御手段)
130 目標差回転速度設定部
150 PID制御部
170 ゲイン調整部(ゲイン調整手段)

Claims (4)

  1. 駆動力源の回転動力がクラッチを介して自動変速機に伝達される動力伝達装置の制御装置であって、
    前記駆動力源から前記クラッチに入力される回転動力の入力回転速度を取得する入力回転速度取得手段と、
    前記クラッチから前記自動変速機に伝達される回転動力の出力回転速度を取得する出力回転速度取得手段と、
    前記自動変速機の変速進行過程で生じるトルクフェーズからイナーシャフェーズに亘って、前記クラッチから前記自動変速機に伝達されるクラッチ伝達トルクを、少なくとも前記クラッチの推定摩擦係数に基づいて制御するクラッチ制御手段と、
    前記イナーシャフェーズにおいて、前記入力回転速度を前記出力回転速度に一致させる目標差回転速度を設定すると共に、前記入力回転速度と前記出力回転速度との実差回転速度が前記目標差回転速度と一致するように、前記駆動力源の出力トルクを制御する差回転制御を実行する差回転制御手段と、
    前記イナーシャフェーズにおいて、前記差回転制御により前記駆動力源に送信されるトルク指示値と、予め設定した基準トルク指示値との差異に基づいて、前記推定摩擦係数を補正する補正手段と、を備える
    ことを特徴とする動力伝達装置の制御装置。
  2. 前記補正手段は、前記基準トルク指示値に対して前記トルク指示値が大きい場合は、前記推定摩擦係数を現在の値よりも大きい摩擦係数に補正し、前記基準トルク指示値に対して前記トルク指示値が小さい場合は、前記推定摩擦係数を現在の値よりも小さい摩擦係数に補正する
    請求項1に記載の動力伝達装置の制御装置。
  3. 前記差回転制御手段は、前記イナーシャフェーズ中に、前記目標差回転速度と前記実差回転速度との偏差に基づいて前記駆動力源の出力トルクをフィードバック制御すると共に、前記イナーシャフェーズ中に、前記実差回転速度が前記目標差回転速度に追従するように、前記フィードバック制御のゲインを調整するゲイン調整手段を備えている
    請求項1又は2に記載の動力伝達装置の制御装置。
  4. 駆動力源の回転動力がクラッチを介して自動変速機に伝達される動力伝達装置の制御方法であって、
    前記自動変速機の変速進行過程で生じるトルクフェーズからイナーシャフェーズに亘って、前記クラッチから前記自動変速機に伝達されるクラッチ伝達トルクを、少なくとも前記クラッチの推定摩擦係数に基づいて制御し、前記イナーシャフェーズにおいて、前記駆動力源から前記クラッチに入力される回転動力の入力回転速度を前記クラッチから前記自動変速機に伝達される回転動力の出力回転速度に一致させる目標差回転速度を設定すると共に、前記入力回転速度と前記出力回転速度との実差回転速度が前記目標差回転速度と一致するように、前記駆動力源の出力トルクを制御する差回転制御を実行し、前記イナーシャフェーズ中に、前記差回転制御により前記駆動力源に送信されるトルク指示値と、予め設定した基準トルク指示値との差異に基づいて、前記推定摩擦係数を補正する
    ことを特徴とする動力伝達装置の制御方法。
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