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JP2020057017A - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焦点合わせを良好に行い得る撮像装置及びその制御方法を提供する。【解決手段】撮影光学系によって生成される被写体像を光電変換する撮像素子と、撮影光学系の瞳領域の一部である第1の瞳部分領域を通過した光束による第1の信号と、瞳領域のうちの第1の瞳部分領域とは異なる第2の瞳部分領域を通過した光束による第2の信号と、第1の瞳部分領域を含むとともに第1の瞳部分領域よりも広い領域を通過した光束、又は、第2の瞳部分領域を含むとともに第2の瞳部分領域よりも広い領域を通過した光束による第3の信号とを、撮像素子を用いて取得する信号取得手段と、第1の信号と第2の信号とのうちの少なくともいずれかと、第3の信号とに基づいて、撮影光学系のデフォーカス状態を検出するデフォーカス状態検出手段とを有している。【選択図】図9

Description

本発明は、撮像装置及びその制御方法に関する。
デジタルカメラ、カメラ付の携帯電話、ゲーム機、パーソナルコンピュータ等、撮像機能を有する電子機器においては、オートフォーカス(自動焦点検出)機能が実現されているのが一般的である。
特許文献1には、1つの画素に対して、1つのマイクロレンズと複数に分割された光電変換部とが形成された撮像素子が開示されている。分割された光電変換部は、1つのマイクロレンズを介して、撮影レンズの射出瞳の異なる領域を通過した光を受光するように構成されており、瞳分割が行われるようになっている。分割された光電変換部を有する画素、即ち、焦点検出画素から出力される複数の焦点検出信号の相関量を算出し、当該相関量から像ずれ量を算出することによって、位相差方式の焦点検出を行うことができる。また、特許文献1では、分割された光電変換部から出力された焦点検出信号を画素毎に加算することによって撮像信号を生成することも開示されている。また、特許文献1には、位相差方式の焦点検出に加えて、DFD(Depth−From−Defocus)形式の焦点検出を行う技術が開示されている。また、特許文献2にも、DFD形式の焦点検出を行う技術が開示されている。
特開2014−63142号公報 特開2014−48459号公報
しかしながら、従来の撮像装置では、焦点合わせを必ずしも良好に行い得ない場合があった。
本発明の目的は、焦点合わせを良好に行い得る撮像装置及びその制御方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、撮影光学系によって生成される被写体像を光電変換する撮像素子と、前記撮影光学系の瞳領域の一部である第1の瞳部分領域を通過した光束による第1の信号と、前記瞳領域のうちの前記第1の瞳部分領域とは異なる第2の瞳部分領域を通過した光束による第2の信号と、前記第1の瞳部分領域を含むとともに前記第1の瞳部分領域よりも広い領域を通過した光束、又は、前記第2の瞳部分領域を含むとともに前記第2の瞳部分領域よりも広い領域を通過した光束による第3の信号とを、前記撮像素子を用いて取得する信号取得手段と、前記第1の信号と前記第2の信号とのうちの少なくともいずれかと、前記第3の信号とに基づいて、前記撮影光学系のデフォーカス状態を検出するデフォーカス状態検出手段とを有することを特徴とする撮像装置が提供される。
本発明によれば、焦点合わせを良好に行い得る撮像装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明の一実施形態による撮像装置の構成の概略を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による撮像装置の撮像素子の一部を示す平面図である。 本発明の一実施形態による撮像装置の撮像素子の画素部を示す平面図及び断面図である。 射出瞳と画素部との関係を示す概略図である。 射出瞳と撮像素子との関係を示す概略図である。 デフォーカス量と像ずれ量との関係を示す図である。 焦点検出領域の例を示す図である。 本発明の一実施形態による撮像装置における焦点調節動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による撮像装置におけるデフォーカス量の算出処理を示すフローチャートである。 シェーディング説明するための概略図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[一実施形態]
本発明の一実施形態による撮像装置及びその制御方法について図面を用いて説明する。
まず、本実施形態による撮像装置10に用いられるレンズユニット100について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態による撮像装置10の構成の概略を示すブロック図である。なお、ここでは、撮像装置10が、レンズ交換式のデジタル一眼レフカメラである場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。
本実施形態による撮像装置(カメラ)10の本体(カメラ本体、ボディ)120には、レンズユニット100が装着されるようになっている。レンズユニット100は、図1の中央部において点線で示されたマウントMを介して、撮像装置本体120に装着される。
レンズユニット100は、撮影レンズ105とレンズ駆動/制御系119とを含んでいる。撮影レンズ105は、被写体の光学像、即ち、被写体像を形成するためのものである。撮影レンズ105は、第1のレンズ群101、絞り兼用シャッタ102、第2のレンズ群103、及び、フォーカスレンズ群(以下、「フォーカスレンズ」という)104を含んでいる。第1のレンズ群101、絞り兼用シャッタ102、第2のレンズ群103及びフォーカスレンズ104は、被写体の光学像を撮像素子122の撮像面(画素アレイ領域)に結像するための光学系(結像光学系、撮影光学系、撮像光学系)133の一部を構成する。
第1のレンズ群101は、レンズユニット100の先端部に配されており、光軸方向OAに進退動作が可能に保持されている。絞り兼用シャッタ102は、撮影時の光量を調節する機能を有しており、静止画像の撮影時には露出時間を制御するメカニカルシャッタとしても機能する。絞り兼用シャッタ102と第2のレンズ群103とは、光軸方向OAに一体的に進退動作が可能である。
第2のレンズ群103の進退動作と第1のレンズ群101の進退動作との連動によって、ズーム機能が実現される。また、フォーカスレンズ104を光軸方向OAに進退動作させることが可能であり、フォーカスレンズ104の位置に応じて撮影レンズ105が合焦する被写体距離(合焦距離)が変化する。光軸方向OAにおけるフォーカスレンズ104の位置を制御することによって、撮影レンズ105の合焦距離を調節する動作である焦点調節が行われる。
レンズ駆動/制御系119は、レンズユニット100に関する駆動/制御を行うためのものである。レンズ駆動/制御系119は、ズームアクチュエータ111、絞りシャッタアクチュエータ112、フォーカスアクチュエータ113、ズーム駆動回路114、絞りシャッタ駆動回路115、フォーカス駆動回路116、及び、レンズMPU117を含んでいる。更に、レンズ駆動/制御系119は、レンズメモリ118を含んでいる。
ズーム駆動回路114は、ズームアクチュエータ111を用いて第1のレンズ群101や第2のレンズ群103を光軸方向OAに駆動し、レンズユニット100の光学系の画角を制御する。絞りシャッタ駆動回路115は、絞りシャッタアクチュエータ112を用いて絞り102を駆動し、絞り102の開口径や開閉動作を制御する。フォーカス駆動回路116はフォーカスアクチュエータ113を用いてフォーカスレンズ104を光軸方向OAに駆動し、レンズユニット100の光学系の合焦距離を制御する。また、フォーカス駆動回路116は、フォーカスアクチュエータ113を用いてフォーカスレンズ104の現在の位置を検出する。
レンズMPU(MicroProcessor Unit)117は、レンズユニット100に関する様々な演算処理を行い、レンズユニット100全体の制御を司る。レンズMPU117は、ズーム駆動回路114、絞りシャッタ駆動回路115、フォーカス駆動回路116、及び、レンズメモリ118の制御を行う。また、レンズMPU117は、マウントMを介してカメラMPU125と接続され、コマンド、データ等を通信する。例えば、レンズMPU117は、フォーカスレンズ104等の位置を検出し、カメラMPU125からの要求に基づいて、レンズ情報をカメラMPU125に通知する。レンズ情報は、フォーカスレンズ104の光軸方向OAにおける位置や、光学系133の射出瞳400(図4参照)の光軸方向OAにおける位置及び直径の情報を含む。レンズ情報は、射出瞳400を通過する光束を制限するレンズ枠(図示せず)の光軸方向OAにおける位置及び直径等の情報をも含む。
また、レンズMPU117は、カメラMPU125からの要求に応じて、ズーム駆動回路114、絞りシャッタ駆動回路115、及び、フォーカス駆動回路116を制御する。レンズメモリ118には、自動焦点検出(オートフォーカス)に必要な光学情報等が予め記憶されている。カメラMPU125は、例えば、カメラMPU125に内蔵された不揮発性メモリ(図示せず)やレンズメモリ118等に記憶されているプログラムを実行することによって、レンズユニット100の動作を制御する。
次に、本実施形態による撮像装置10の本体、即ち、撮像装置本体(カメラ本体)120について説明する。
撮像装置本体120は、光学的LPF(ローパスフィルタ)121と撮像素子122とを含む光学系と、撮像装置駆動/制御系(カメラ制御/駆動系)131とを含んでいる。光学的ローパスフィルタ121と撮像素子122を含む光学系は、撮像光学系133の一部を構成している。レンズユニット100の第1のレンズ群101、絞り102、第2のレンズ群103及びフォーカスレンズ104と、撮像装置本体120の光学的ローパスフィルタ121及びマイクロレンズ305(図3参照)とが相俟って、撮影光学系133を構成している。
光学的ローパスフィルタ121は、撮影画像の偽色やモアレを軽減する。
撮像素子122は、例えばCMOSイメージセンサである。撮像素子122は、瞳分割機能を有しており、画像データを用いた位相差方式の焦点検出(撮像面位相差AF、位相差AF)を行うための信号を出力することが可能である。
画像処理回路124は、撮像素子122から出力される画像データから、位相差AF用のデータと、表示、記録、及び、コントラストAF(TVAF)用の画像データとを生成する。
撮像装置駆動/制御系131は、撮像素子駆動回路(センサ駆動回路)123、画像処理回路124、カメラMPU125、表示器126、及び、操作スイッチ群127、メモリ128、及び、撮像面位相差焦点検出部(位相差AF部)129を含んでいる。更に、撮像装置駆動/制御系131は、TVAF焦点検出部(TVAF部)130を含んでいる。
撮像素子駆動回路123は、撮像素子122の動作を制御するものである。撮像素子駆動回路123は、撮像素子122によって取得される画像信号をA/D変換し、A/D変換された画像信号をカメラMPU125と画像処理回路124とに送信する。画像処理回路124は、撮像素子122によって取得された画像データに対して一般的な画像処理を行う。かかる一般的な画像処理としては、例えば、γ変換、ホワイトバランス調整処理、色補間処理、圧縮符号化処理等が挙げられる。また、画像処理回路124は、位相差AF用の信号をも生成する。
カメラMPU(撮像素子MPU)125は、撮像装置本体120に関する様々な演算処理を行い、撮像装置本体120全体の制御を司る。カメラMPU125は、撮像素子駆動回路123、画像処理回路124、表示器126、操作スイッチ群127、メモリ128、撮像面位相差焦点検出部129、及び、TVAF焦点検出部130を制御する。カメラMPU125は、マウントMの信号線を介してレンズMPU117と接続され、レンズMPU117との間でコマンド、データ等を通信する。
カメラMPU125は、レンズMPU117に対し、様々な要求を発行する。カメラMPU125がレンズMPU117に対して行う要求としては、例えば、レンズ情報の取得を要求するレンズ情報取得要求、所定の駆動量での絞り102の駆動を要求する絞り駆動要求等が挙げられる。また、所定の駆動量でのフォーカスレンズ104の駆動を要求するフォーカスレンズ駆動要求、ズーム駆動要求、レンズユニット100に固有の光学情報を取得するための光学情報取得要求等も、カメラMPU125がレンズMPU117に対して行う。カメラMPU125には、撮像装置10の動作を制御するプログラム等が格納されたROM125a、変数等を記憶するRAM125b、及び、様々なパラメータ等を記憶するEEPROM125cが内蔵されている。
カメラMPU125は、後述する第1の焦点検出信号、第2の焦点検出信号及び第3の焦点検出信号を、撮像素子122等を用いて取得する信号取得手段として機能し得る。また、カメラMPU125は、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とのうちの少なくともいずれかと、第3の焦点検出信号とに基づいて、撮影光学系133のデフォーカス状態を検出するデフォーカス状態検出手段としても機能し得る。
また、カメラMPU125は、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とにそれぞれ対応する光束のF値に基づいて、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とのうちの少なくともいずれかを選択する信号選択手段としても機能し得る。また、カメラMPU125は、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との大小関係に基づいて、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とのうちの少なくともいずれかを選択する信号選択手段としても機能し得る。
また、カメラMPU125は、撮像光学系133のデフォーカス状態の検出の結果に基づいて、撮像面位相差焦点検出部129によって検出されたデフォーカス量の信頼性を判定する信頼性判定手段としても機能し得る。また、カメラMPU125は、後述する評価値EV_DFDに対しての閾値を設定する閾値設定手段としても機能し得る。
表示器126は、LCD等によって構成されている。表示器126は、撮像装置10の撮影モードに関する情報、撮影前のプレビュー画像、撮影後の確認用画像、焦点検出時の合焦状態の表示画像等を表示する。操作スイッチ群127は、電源スイッチ、レリーズ(撮影トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、撮影モード選択スイッチ等により構成されている。メモリ128は、例えば、フラッシュメモリ等の着脱可能なメモリであり、撮影済みの画像等を記録する。
撮像面位相差焦点検出部129は、画像処理回路124によって画像処理を行うことによって得られる焦点検出用データを用いて位相差検出方式の焦点検出処理を行う。より具体的には、画像処理回路124が、撮影光学系133の一対の瞳領域(瞳部分領域)を通過する光束で形成される一対の像データを焦点検出用データとして生成する。そして、撮像面位相差焦点検出部129が、この一対の像データのずれ量に基づいて焦点ずれ量を検出する。このように、撮像面位相差焦点検出部129は、専用のAFセンサを用いることなく、撮像素子122の出力に基づいて位相差AF(撮像面位相差AF)を行う。なお、撮像面位相差焦点検出部129の動作の詳細については、後述することとする。
撮像面位相差焦点検出部129は、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との相関に基づいて、撮影光学系133のデフォーカス量を検出するデフォーカス量検出手段として機能し得る。
TVAF焦点検出部130は、画像処理回路124によって行われる画像処理によって生成されるTVAF用評価値(画像データのコントラスト情報)に基づいて、コントラスト方式の焦点検出処理(TVAF)を行う。コントラスト方式の焦点検出処理では、フォーカスレンズ104を光軸方向OAに移動させ、TVAF評価値がピークとなるときのフォーカスレンズ104の位置を合焦位置として検出する。
このように、本実施形態による撮像装置10は、位相差AFとTVAFの両方を実行することが可能であり、状況に応じて位相差AF又はTVAFを選択的に実行したり、位相差AFとTVAFとを組み合わせて実行したりすることができる。
次に、本実施形態による撮像装置10において用いられている撮像素子122について説明する。図2は、本実施形態による撮像装置10において用いられている撮像素子122の一部を示す平面図である。
本実施形態において用いられている撮像素子122は、上述したように、例えばCMOSイメージセンサである。撮像素子122の撮像面、即ち、撮像素子122の画素アレイ領域(図示せず)には、撮像画素(画素)200(図2参照)が2次元的、即ち、マトリクス状に配列されている。画素アレイ領域の周囲には、読み出し回路を含む周辺回路(図示せず)が配されている。図2においては、赤色(R)に感応する撮像画素が符号200Rを用いて示されており、緑色(G)に感応する撮像画素が符号200Gを用いて示されており、青色(B)に感応する撮像画素が符号200Bを用いて示されている。感応する色を特に区別しないで説明する場合には、符号200を用いて説明することとする。
各々の撮像画素200は、2つの分割画素(分割領域)201、202をそれぞれ含んでいる。即ち、各々の撮像画素200は、2列×1行に配列された第1の分割画素201と第2の分割画素202をそれぞれ含んでいる。第1の分割画素201の重心は、撮像画素200において−X方向に偏心している。第2の分割画素202の重心は、撮像画素200において+X方向に偏心している。
図2には、4列×4行の撮像画素200の配列が抜き出して示されている。1つの撮像画素200は、2つの分割画素201、202を含むため、図2には、8列×4行の分割画素201、202の配列が抜き出して示されている。
2列×2行の撮像画素200によって、1つの画素群203が構成されている。図2においては、各々の画素群203を太い実線を用いて示している。1つの画素群203は、赤色に感応する1つの撮像画素200Rと、緑色に感応する2つの撮像画素200Gと、青色に感応する1つの撮像画素200Bとにより構成されている。赤色に感応する撮像画素200Rは、画素群203のうちの左上の位置に配されている。緑色に感応する撮像画素200Gは、画素群203のうちの右上と左下の位置に配されている。青色に感応する撮像画素200Bは、画素群203のうちの右下の位置に配されている。このような画素配列は、ベイヤー配列と称されている。
このような画素群203が撮像素子122の撮像面(受光面)に2次元的に多数配置されているため、撮像素子122は明瞭且つ高精度な撮影画像を取得することができる。
撮像画素200のピッチ(周期)Pは、例えば4μmに設定されている。列方向(X方向)における撮像画素200の配列数Nは、例えば5575に設定されており、行方向(Y軸方向)における撮像画素200の配列数は、例えば3725個に設定されている。即ち、撮像素子122の画素数(有効画素数)Nは、例えば約2075万画素に設定されている。なお、撮像素子122の水平方向(列方向、横方向)(図2における左右方向)をX軸方向とし、撮像素子122の垂直方向(行方向、縦方向)(図2における上下方向)をY軸方向とする。また、撮像素子122の撮像面の法線方向(図2における法線方向)をZ軸方向とする。
上述したように、各々の撮像画素200は、2列×1行で配列された第1の分割画素201と第2の分割画素202とによってそれぞれ構成されている。このため、列方向(X軸方向)における分割画素201、202のピッチ(周期)PAFは、例えば2μmとなっている。列方向(X軸方向)における分割画素201、202の数は、例えば、11150となっている。行方向(Y軸方向)における分割画素201、202の数は、例えば3725となっている。撮像素子122の分割画素数NAFは、例えば約4150万画素となっている。
図3は、撮像素子の画素部を示す平面図及び断面図である。図3(a)は、撮像素子122の画素部を示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)のI−I′線断面図である。図3(b)には、光軸303が一点鎖線を用いて示されており、撮像素子122の受光面(撮像面)304が破線を用いて示されている。図3では、撮像素子に設けられている複数の画素(撮像画素、画素部)200のうちの1つを抜き出して示している。
図3に示すように、各々の撮像画素200は、複数の領域(分割画素)201、202にそれぞれ分割されている。具体的には、撮像画素200は、X方向に2分割されており、Y方向には分割されていない。このように、本実施形態では、各々の撮像画素200が、2つの領域201、202にそれぞれ分割されている。
一方の分割画素201における基板300内には、第1の分割画素201の光電変換部(第1の光電変換部)301が形成されている。他方の分割画素202における基板300内には、第2の分割画素202の光電変換部(第2の光電変換部)302が形成されている。第1の光電変換部301の重心は、−X方向に偏心している。第2の光電変換部302の重心は、+X方向に偏心している。
光電変換部301及び302は、例えば、p型層とn型層の間にイントリンシック層を挟んだpin構造のフォトダイオードにより構成されている。なお、光電変換部301、302は、pin構造のフォトダイオードに限定されるものではなく、イントリンシック層が省略された、pn接合のフォトダイオードであってもよい。
光電変換部301、302が形成された基板300上には、絶縁層311や配線層307等が適宜形成されている。絶縁層311や配線層307等が形成された基板300上には、カラーフィルタ306が形成されている。
なお、撮像画素200R、200G、200B毎にカラーフィルタ306の分光透過率を異ならせてもよいし、カラーフィルタ306を適宜省略するようにしてもよい。
カラーフィルタ306が配された基板300上には、各々の撮像画素200に入射される光を集光するためのマイクロレンズ305がそれぞれ配されている。
各々の画素部200に入射される光は、マイクロレンズ305によって集光され、カラーフィルタ306で分光された後、第1の光電変換部301と第2の光電変換部302とに達する。
第1の光電変換部301及び第2の光電変換部302では、受光量に応じて電子とホール(正孔)とが対生成される。対生成された電子とホールは、空乏層で分離される。負電荷である電子はn型層309、310に蓄積され、正電荷であるホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層を通じて撮像素子122の外部へ排出される。
第1の光電変換部301及び第2の光電変換部302のn型層309、310にそれぞれ蓄積された電子は、転送ゲート(図示せず)を介して、静電容量部(FD)(図示せず)に転送され、電圧信号に変換され、電圧信号が出力される。
図4は、瞳領域と画素部との関係を示す概略図である。図4の下側の図は、画素部の断面図であり、図4の上側の図は、画素部側から見た射出瞳面の平面図である。
図4に示すように、瞳領域500は、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とを含んでいる。第1の瞳部分領域501の重心は、瞳領域500において+X方向に偏心している。一方、上述したように、第1の分割画素201の重心は、撮像画素200においてが−X方向に偏心している。そして、瞳領域500と画素部200との間にはマイクロレンズ305が存在している。このため、第1の瞳部分領域501と第1の分割画素201とは共役関係となっており、第1の瞳部分領域501を通過する光束は、第1の分割画素201において受光される。
第2の瞳部分領域502の重心は、瞳領域500において−X方向に偏心している。一方、上述したように、第2の分割画素202の重心は、撮像画素200において+X方向に偏心している。そして、瞳領域500と画素部200との間にはマイクロレンズ305が存在している。このため、第2の瞳部分領域502と第2の分割画素202とは共役関係になっており、第2の瞳部分領域502を通過する光束は、第2の分割画素202において受光される。
上述したように、瞳領域500は、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とを含んでいる。また、上述したように、撮像画素200は、第1の分割画素201と第2の分割画素202とを含んでいる。このため、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とを含む瞳領域500を通過する光束は、第1の分割画素201と第2の分割画素202とを含む撮像画素200において受光される。
図5は、射出瞳と撮像素子との関係を示す概略図である。
ある点802aから発せられた複数の光束は、互いに異なる瞳部分領域501,502をそれぞれ通過し、ある画素200aの第1の分割画素201aと第2の分割画素202aとによってそれぞれ受光される。
また、他の点802bから発せられた複数の光束は、互いに異なる瞳部分領域501,502をそれぞれ通過し、他の画素200bの第1の分割画素201bと第2の分割画素202bとによってそれぞれ受光される。
なお、ここでは、瞳領域500を水平方向(X方向)に2つに分割する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。必要に応じて、垂直方向(Y方向)に瞳領域500を分割してもよい。
また、ここでは、第1の分割画素201と第2の分割画素202とにより撮像画素200を構成する場合を例に説明したが、撮像画素200と別個に第1の焦点検出画素と第2の焦点検出画素とを適宜配置するようにしてもよい。
撮像素子122にマトリクス状に配列された撮像画素200の各々の第1の分割画素201により検出される信号(受光信号)の集合体によって、第1の焦点検出信号(第1の焦点検出用画像データ、A像信号)が構成される。また、撮像素子122にマトリクス状に配列された撮像画素200の各々の第2の分割画素202により検出される信号(受光信号)の集合体によって、第2の焦点検出信号(第2の焦点検出用画像データ、B像信号)が構成される。こうして得られた第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とを用いて焦点検出が行われる。また、各々の第1の分割画素201により検出される信号と各々の第2の分割画素202により検出される信号とを加算した信号の集合体によって、有効画素数Nの撮像信号(撮像画像、A+B像信号)が構成される。
次に、デフォーカス量と像ずれ量との関係について図6を用いて説明する。図6は、デフォーカス量と像ずれ量との関係を示す図である。なお、撮像面800には、上述した撮像素子122が配置されているが、図6においては図示を省略している。図4及び図5を用いて上述したように、撮影光学系133の射出瞳400は、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とに2分割されている。
図6における符号dは、被写体の結像位置(結像点)と撮像面800との間の距離、即ち、デフォーカス量を示している。デフォーカス量dの大きさは|d|で表される。被写体の結像位置が撮像面800の手前に位置している状態、即ち、前ピン状態の場合には、デフォーカス量の符号は負となる(d<0)。被写体の結像位置が撮像面800より奥に位置している状態、即ち、後ピン状態の場合には、デフォーカス量の符号は正となる(d>0)。被写体の結像位置が撮像面800に位置している状態、即ち、合焦状態である場合には、デフォーカス量dは0である。
図6のように被写体801が位置している場合には、合焦状態(d=0)となる。また、図6のように被写体802が位置している場合には、前ピン状態(d<0)となる。前ピン状態(d<0)も後ピン状態(d>0)も、デフォーカス状態(|d|>0)に該当する。
前ピン状態(d<0)においては、被写体802からの光束のうちの、第1の瞳部分領域501を通過した光束は、撮像面800の手前で集光した後、光束の重心位置G1を中心として幅Γ1で広がり、撮像面800においてボケた像となる。撮像面800に達したボケた像は、撮像素子122に配列された撮像画素200の第1の分割画素201によって受光され、第1の焦点検出信号が生成される。こうして、幅Γ1でボケた被写体802の像が、撮像面800上の重心位置G1において、第1の焦点検出信号(A像信号)として検出される。
また、前ピン状態(d<0)においては、被写体802からの光束のうちの、第2の瞳部分領域502を通過した光束は、撮像面800の手前で集光した後、光束の重心位置G2を中心として幅Γ2で広がり、撮像面800においてボケた像となる。撮像面800に達したボケた像は、撮像素子122に配された撮像画素200の第2の分割画素202によって受光され、第2の焦点検出信号が生成される。こうして、幅Γ2でボケた被写体802の像が、撮像面800上の重心位置G2において、第2の焦点検出信号(B像信号)として検出される。
被写体像のボケ幅Γ1及びΓ2は、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴って、概ね比例して増加していく。また、第1の焦点検出信号が示す被写体像と第2の焦点検出信号が示す被写体像との間の像ずれ量p(光束の重心位置の差(G1−G2))の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|が増加するのに伴って、概ね比例して増加していく。
後ピン状態(d>0)の場合には、第1の焦点検出信号が示す被写体像と第2の焦点検出信号が示す被写体像との間の像ずれ方向が、前ピン状態の場合に対して反対の方向となること以外は、前ピン状態の場合と同様である。
デフォーカス量と像ずれ量との間には、上記のような関係がある。即ち、デフォーカス量dの大きさが増加するのに伴い、第1焦点検出信号が示す被写体像と第2の焦点検出信号が示す被写体像との間の像ずれ量pの大きさが増加する。このような関係が成立するため、像ずれ量p、即ち、位相差に基づいてデフォーカス量dを算出することが可能である。位相差(像ずれ量)に基づいてデフォーカス量の検出が行われる焦点検出は、位相差方式の焦点検出と称される。
なお、本実施形態による撮像装置10は、位相差方式の焦点検出のみならず、DFD方式の焦点検出をも行い得る。なお、DFD方式の焦点検出については、後述することとする。
次に、焦点検出領域について図7を用いて説明する。図7は、焦点検出領域の例を示す図である。図7は、撮像素子122の有効画素領域1000内における焦点検出領域と、焦点検出時に表示器126に表示される焦点検出領域を示す指標とを重ねて示したものである。本実施形態では、行方向に3つ、列方向に3つの、計9個の焦点検出領域が設定されている。行方向においてn番目に位置し、列方向においてm番目に位置している焦点検出領域は、A(n,m)で表されている。行方向においてn番目に位置し、列方向においてm番目に位置している焦点検出領域の指標は、I(n,m)で表されている。焦点検出領域A(n,m)内に位置している第1の焦点検出画素201と第2の焦点検出画素202とによってそれぞれ取得される第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とを用いて、後述するような焦点検出等が行われる。
なお、本実施形態では、行方向に3つ、列方向に3つの焦点検出領域A(n,m)を設定する場合を例に示したが、これに限定されるものではない。焦点検出領域A(n,m)の数、位置、及び、サイズを、適宜設定することができる。例えば、撮影者が指定した領域を中心として、所定の範囲を焦点検出領域A(n,m)として設定してもよい。
次に、本実施形態による撮像装置10における焦点調節動作について、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態による撮像装置における焦点調節動作を示すフローチャートである。なお、図8に示す焦点調節動作は、例えば、ライブビュー表示時(表示用動画撮影時)や動画記録時(記録用動画撮影時)において実施される。なお、ここでは、撮像素子122の出力を用いて位相差検出方式の自動焦点検出を行う場合を例に説明するが、これに限定されるものではなく、上述したように、コントラスト検出方式の自動焦点検出を行うようにしてもよい。
まず、カメラMPU125は、操作スイッチ群127等の操作によって焦点検出開始の指示が入力されたか否かを判定する(ステップS801)。焦点検出開始の指示が入力された場合には(ステップS801においてYES)、ステップS802に移行する。一方、焦点検出開始の指示が入力されていない場合には(ステップS801においてNO)、待機、即ち、ステップS801を繰り返す。なお、ここでは、ステップS802に移行するためのトリガが、焦点検出開始の指示の入力である場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ライブビュー表示の開始や動画記録の開始を、ステップS802に移行するためのトリガとしてもよい。
次に、カメラMPU125は、レンズユニット100のレンズ枠情報やフォーカスレンズ104の位置情報等の各種レンズ情報を、マウントMを介してレンズMPU117から取得する(ステップS802)。
次に、カメラMPU125は、AF用の像信号である第1の焦点検出信号(A像)と第2の焦点検出信号(B像)との生成を行うように、画像処理回路124に対して指示する(ステップS803)。画像処理回路124は、逐次読み出されているフレームの画像データのうちの焦点検出領域A(n,m)に対応する部分の画素データから、第1の焦点検出信号(A像)と第2の焦点検出信号(B像)とを生成する。画像処理回路124によって生成された第1の焦点検出信号(A像)と第2の焦点検出信号(B像)とは、撮像面位相差焦点検出部129に送られる。焦点検出用の画素と撮影用の画素とで光電変換部の大きさが異なっていることに起因して生ずる信号レベルの差を補正する処理等が、例えば撮像面位相差焦点検出部129によって行われる。
次に、撮像面位相差焦点検出部129は、第1の焦点検出信号(A像)と第2の焦点検出信号(B像)、即ち、対になっている像信号に対して、公知の相関演算等を適用することによって、像のずれ量を算出する。そして、撮像面位相差焦点検出部129は、算出した像のずれ量をデフォーカス量に変換する(ステップS804)。また、撮像面位相差焦点検出部129は、検出したデフォーカス量の信頼性等の判定をも行う。デフォーカス量の信頼性の判定の処理の詳細については、後述することとする。撮像面位相差焦点検出部129は、算出したデフォーカス量をカメラMPU125に出力する。
次に、カメラMPU125は、撮像面位相差焦点検出部129によって算出されたデフォーカス量に基づいて、レンズユニット100のフォーカスレンズ104に対する駆動量、即ち、レンズ駆動量を算出する(ステップS805)。
次に、カメラMPU125は、マウントMを介して、レンズ駆動量及び駆動方向の情報をレンズユニット100のフォーカス駆動回路116に送信する(ステップS806)。フォーカス駆動回路116は、受信したレンズ駆動量と駆動方向の情報とに基づいて、フォーカスレンズ104を駆動する。こうして、レンズユニット100における焦点調節が行われる。なお、図8に示す焦点調節動作は、動画像を構成する各フレームの動画データが取得される毎に実施されるようにしてもよい。
次に、図8を用いて上述したデフォーカス量の算出の処理(ステップS804)について、図9を用いて更に説明する。なお、図9に示すデフォーカス量の算出の処理は、主としてカメラMPU125によって行われてもよいし、カメラMPU125と別個に設けられる処理部によって行われてもよい。
まず、撮像面位相差焦点検出部129が、同じ行(m行目とする)に位置する画素から出力されたA像とB像との相関演算を行う(ステップS901)。A像とB像との相関演算において用いられる相関量COR1(k)は、例えば以下の式(1)によって算出することができる。但し、−kmax≦k≦kmaxである。
Figure 2020057017
式(1)において用いられている変数kは、相関演算時のシフト量を示しており、−kmax以上、kmax以下の整数である。撮像面位相差焦点検出部129は、各シフト量kについての相関量COR1(k)を求めた後、A像とB像との相関量が最大となるときのシフト量k、すなわち、相関量COR1(k)が最小となるときのシフト量kの値を求める。なお、相関量COR1(k)を算出する際に設定するシフト量kは整数とするが、相関量COR1(k)が最小となるときのシフト量kを求める際には、補間処理等を適宜行うことによって、デフォーカス量を高い精度で算出することが好ましい。補間処理等を行えば、デフォーカス量をサブピクセルのオーダーで求めることができる。
本実施形態では、相関量COR1(k)の差分値の符号が変化するときのシフト量dkを、相関量COR1(k)が最小となるときのシフト量kとして算出する。
即ち、まず、撮像面位相差焦点検出部129は、相関量の差分値DCOR1を以下の式(2)によって算出する。
DCOR1(k)=COR1(k)−COR1(k−1) ・・・(2)
そして、撮像面位相差焦点検出部129は、相関量の差分値DCOR1を用いて、差分値の符号が変化するときのシフト量dk1を求める。差分値の符号が変化する直前のkの値をk1とし、差分値の符号が変化したときのkの値をk2(k2=k1+1)とし、撮像面位相差焦点検出部129は、シフト量dk1を、以下の式(3)によって算出する。
dk1=k1+|DCOR1(k1)|/|DCOR1(k1)−DCOR1(k2)| ・・・(3)
このようにして、撮像面位相差焦点検出部129は、第1の焦点検出信号(A像)と第2の焦点検出信号(B像)との相関量が最大となるときのシフト量dk1をサブピクセルのオーダーで算出し、ステップS901の処理を完了する。
なお、2つの1次元の像信号の位相差を算出する方法は、上記の方法に限定されるものではなく、公知の任意の方法を適宜用いることができる。
次に、DFD処理を行う際に用いられる信号の選択が行われる(ステップS902)。DFD処理では、異なるF値の光束を受光することにより得られる信号を用い、これらの信号の一致度を検出することによって、デフォーカス状態を検出する。デフォーカス状態におけるボケ方は、F値によって大きく異なる。このため、デフォーカス状態においては、F値の異なる光束から得られるこれらの信号の一致度は比較的低くなる。一方、合焦状態においては、F値の異なる光束から得られるこれらの信号の一致度は比較的高くなる。本実施形態で行われるDFD処理においては、このような現象を利用することによって、デフォーカス状態を検出する。DFD処理を行う際には、このように、F値の異なる光束からそれぞれ得られる複数の信号が必要である。F値が異なる光束からそれぞれ得られる複数の信号としては、例えば、以下の3つが挙げられる。第1は、A+B像信号である第3の焦点検出信号(第3の信号)である。第2は、A像信号である第1の焦点検出信号(第1の信号)である。第3は、B像である第2の焦点検出信号(第2の信号)である。
なお、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号と第3の焦点検出信号との大きさを揃えるため、即ち、正規化のため、本実施形態では、第3の焦点検出信号として、A像信号とB像信号との平均値が用いられる。
ただし、撮像信号としては、A像信号とB像信号との平均値ではなく、A像信号とB像信号との加算値が用いられる。
第3の焦点検出信号(A+B像信号)は、F値が比較的小さい光束によって得られる信号であるのに対し、第1の焦点検出信号(A像信号)と第2の焦点検出信号(B像)は、F値が比較的大きい光束によって得られる信号である。従って、DFD処理においては、F値が比較的小さい光束によって得られる信号として、第3の焦点検出信号(A+B像信号)が用いられる。一方、F値が比較的大きい光束によって得られる信号として、第1の焦点検出信号(A像信号)と第2の焦点検出信号(B像)とのうちの少なくともいずれかが用いられる。ステップS902においては、F値が比較的大きい光束によって得られる信号として、どの信号を用いるかの選択が行われる。ステップS902においては、第1の焦点検出信号(A像信号)と第2の焦点検出信号(B像)の両方が選択される場合もあるし、第1の焦点検出信号が選択される場合もあるし、第2の焦点検出信号が選択される場合もある。なお、本実施形態において行われるDFD処理の詳細については、後述することとする。
DFD処理を行う際に用いられる信号の選択は、撮影光学系133の情報と焦点検出情報とに基づいて行われる。撮影光学系133の情報とは、収差情報、射出瞳400を通過する光束を制限するレンズ枠の光軸方向OAにおける位置及び直径等のビネッティング情報、射出瞳400の光軸方向OAにおける位置及び直径等の開口情報等である。焦点検出情報とは、撮像素子122の画素アレイ領域の各箇所の受光感度の角度特性や、撮像素子122上における焦点検出領域A(n,m)の位置情報等である。上述したように、DFD処理は、F値の異なる光束によって得られる信号を用いて行われるが、F値の差は、上述した撮影光学系133の情報と焦点検出情報とに基づいて算出し得る。
図10は、シェーディングを説明するための概略図である。射出瞳距離Dlは、撮影光学系133の射出瞳400と撮像素子122との間の光軸方向OAにおける距離を示している。また、設定瞳距離Dsは、周辺像高における受光感度の角度特性のうちで最も感度の高い方向と光軸303とが交わる位置と撮像素子122との間の光軸方向OAにおける距離を示している。
図10(a)は、撮影光学系133の射出瞳距離Dlと撮像素子122の設定瞳距離Dsとが等しい場合を示している。この場合には、中央像高においても周辺像高においても、撮影光学系133の射出瞳400を通過する光束が、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とにより、概ね均等に分割される。
図10(b)は、撮影光学系133の射出瞳距離Dlが撮像素子122の設定瞳距離Dsより短い場合を示している。この場合には、周辺像高においては、撮影光学系133の射出瞳400と撮像素子122の入射瞳との間で瞳ずれが生じる。このため、撮影光学系133の射出瞳400を通過する光束が、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とによって不均一に分割されてしまう。即ち、図10(b)に示すように、結像光学系133の射出瞳距離Dlが撮像素子122の設定瞳距離Dsより短い場合には、周辺像高における瞳分割が不均一になる。
図10(c)は、撮影光学系133の射出瞳距離Dlが撮像素子122の設定瞳距離Dsより長い場合を示している。この場合にも、周辺像高においては、撮影光学系133の射出瞳400と撮像素子122の入射瞳との間で瞳ずれが生じる。このため、撮影光学系133の射出瞳400を通過する光束が、第1の瞳部分領域501と第2の瞳部分領域502とによって不均一に分割されてしまう。即ち、図10(c)に示すように、結像光学系133の射出瞳距離Dlが撮像素子122の設定瞳距離Dsより長い場合にも、周辺像高における瞳分割が不均一になる。
周辺像高において瞳分割が不均一になるのに伴い、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号の強度も不均一になる。即ち、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とのうちの一方の強度が大きくなり、他方の強度が小さくなる。このような現象は、シェーディングと称される。
周辺像高において瞳分割が不均一になるのに伴って第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との強度が不均一になるが、様々な情報を用いることによって、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との強度差を算出することが可能である。本実施形態では、射出瞳距離Dlと、射出瞳400の直径の情報と、焦点検出情報とを用いることによって、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との強度差を算出する。射出瞳400を通過する光束を遮る撮影光学系133の枠に関する情報を更に用いれば、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との強度差をより正確に算出することも可能である。こうして行われる第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との強度差の算出は、焦点検出領域の像高と第1の焦点検出信号のF値と第2の焦点検出信号のF値とによって、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との強度差を算出していることに相当する。
ステップS902においては、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との強度差が所定の閾値以下である場合には、DFD処理に用いる信号として、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号と第3の焦点検出信号のすべてを選択する。一方、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との強度差が所定の閾値より大きい場合には、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とのうちの強度が小さい方の信号と、第3の焦点検出信号とを選択する。このような場合に、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とのうちの強度が小さい方の信号をDFD処理の際に用いる信号として選択するのは、F値が十分に異なっている光束による信号がDFD処理の際に用いられるようにするためである。
但し、DFD処理を行う際に用いられる信号の選択方法はこれに限定されるものではない。第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との強度差が大きく、一方の信号の大きさが非常に小さい場合には、小さい方の信号を採用すると、高精度なDFD処理を行い得ない。このため、かかる場合には、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とのうちの強度が大きい方の信号と、第3の焦点検出信号とを、DFD処理の際に用いる信号として選択してもよい。
なお、ここでは、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との強度差を算出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ピーク値や積算値を比較することによって、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号との大小関係を判定するようにしてもよい。
また、上述したように、DFD処理の際に用いられる信号の選択を信号の強度の比較によって行ってもよいが、他の方法を用いて、DFD処理の際に用いられる信号の選択を行ってもよい。例えば、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とに含まれる収差の状況によって、DFD処理の際に用いられる信号を選択してもよい。
上述したように、DFD処理によるデフォーカス状態の検出においては、F値の異なる信号の一致度が高い場合に、合焦状態に近いと判定する。しかしながら、F値の異なる信号のうちの一方が、収差の大きい信号である場合には、合焦状態においても、これらの信号の一致度が高くならない。このため、収差の大きい信号を用いた場合には、DFD処理の検出精度が悪化する。このため、撮影光学系133の収差情報を取得し、第1の焦点検出信号と第2の焦点検出信号とのうちの収差の小さい方の信号を選択するという方法も考えられる。収差の小さい信号を用いるようにすれば、精度の高いDFD処理を行うことが可能となる。
ステップS903においては、第1の焦点検出信号(A像信号)と第2の焦点検出信号(B像信号)と第3の焦点検出信号(A+B像信号)のすべてがDFD処理の際に用いられるか否かの判定が行われる。第1乃至第3の焦点検出信号のすべてがDFD処理の際に用いられる場合には(ステップS903においてYES)、ステップS905に移行する。ステップS905では、第1乃至第3の焦点検出信号のすべてを用いてDFD処理を行う。
DFD処理においては、公知の方法を用いて、F値の異なる光束によって得られた信号の相関関係の定量化を行えばよい。例えば、所定の空間周波数帯域を抽出した各信号のパワーの比を算出することによって、これらの信号の相関関係を定量化することができる。即ち、所定の評価帯域における各信号のパワーの比を算出することによって、これらの信号の相関関係を定量化することができる。
具体的には、フィルタ処理等を行うことにより抽出された第3の焦点検出信号に対して、以下の式によって、第3の焦点検出信号I3(k)(1≦k≦n)のパワーP3を算出する。
Figure 2020057017
第1の焦点検出信号のパワーP1についても、同様に算出することができる。また、第2の焦点検出信号のパワーP2についても、同様に算出することができる。
そして、デフォーカス状態を判定するための評価値EV_DFDを、例えば、以下のような式(5)によって算出する。
EV_DFD=P3/(P1とP2との平均値)=(P3/(P1+P2))×2 ・・・(5)
評価値EV_DFDは、F値の異なる光束で得られた信号のパワーの比を示しており、合焦状態の近傍においては、所定の正の値に近づき、デフォーカス状態においては、値が小さくなる。例えば、合焦状態の近傍においては、評価値EV_DFDは1に近い値となる。合焦状態の近傍において、評価値EV_DFDが1に近い値となるのは、合焦状態の近傍においては、点像のボケの広がりが小さいため、F値の異なる各焦点検出信号の差が小さくなり、P1=P2=P3の関係となるためである。
一方、デフォーカス状態においては、F値の小さい光束による信号である第3の焦点検出信号は、F値の大きい光束による信号である第1の焦点検出信号や第2の焦点検出信号に対して、ボケによる高周波成分の減衰が大きい。このため、デフォーカスが大きくなるに従って、P1=P2>P3の関係が顕著となり、評価値EV_DFDが減少する。
本実施形態では、閾値を設定し、評価値EV_DFDが当該閾値を超えるか否かによって合焦状態か否かの判定、換言すれば、デフォーカス状態か否かの判定を行う。例えば、合焦状態において、評価値EV_DFDが1に近づくような式を用いて判定する場合には、閾値を例えば0.6とし、評価値EV_DFDが当該閾値を超えた場合には合焦状態であると判定する。一方、評価値EV_DFDが当該閾値を超えない場合には、デフォーカス状態であると判定する。
合焦状態の際の評価値EV_DFDに対して、デフォーカスによって評価値EV_DFDがどの程度減少するかは、撮影光学系133のF値、焦点検出信号のS/N比、焦点検出信号を抽出する周波数帯域(評価帯域)等によって異なる。例えば、F値が小さい場合には、デフォーカスによって生ずる焦点検出信号の減衰が大きいため、小さいデフォーカス量であっても、評価値EV_DFDは十分に変化する。また、焦点検出信号に含まれているノイズが大きい場合には、焦点検出信号の強度の変化がノイズの影響によって検出しにくいため、デフォーカスによる評価値EV_DFDの変化を検出しにくい。また、焦点検出信号を抽出する周波数帯域が高いほど、抽出される焦点検出信号のパワーのデフォーカスによる減衰は大きくなる。このため、焦点検出信号を抽出する周波数帯域を高く設定した場合には、小さいデフォーカス量であっても、評価値EV_DFDは十分に変化する。これらの特性に鑑みて、評価値EV_DFDに対する閾値を適宜設定するようにすればよい。具体的には、撮影光学系133のF値によって、評価値EV_DFDに対する閾値を切り替えるようにしてもよい。また、焦点検出信号のゲイン等のS/N比に関する情報に基づいて、評価値EV_DFDに対する閾値を切り替えるようにしてもよい。また、焦点検出信号を抽出する周波数帯域、即ち、焦点検出信号の評価帯域等によって、評価値EV_DFDに対する閾値を切り替えるようにしてもよい。
また、焦点検出信号を抽出する周波数帯域を、用途に応じて変更するようにしてもよい。焦点検出信号を抽出する周波数帯域を高く設定した場合には、合焦近傍においては、デフォーカス量に対する評価値EV_DFDの変化を大きくすることができる。しかしながら、かかる場合には、大きくデフォーカスしている状態においては、十分に大きい評価値EV_DFDの変化が得られない。一方、焦点検出信号を抽出する周波数帯域を低く設定した場合には、より広いデフォーカス範囲において、ある程度の評価値EV_DFDの変化を得ることができる。従って、合焦近傍においてデフォーカス状態を高精度に判定したい場合には、焦点検出信号を抽出する周波数帯域を高く設定すればよい。一方、広いデフォーカス範囲において、ある程度の評価値EV_DFDの変化を得たい場合には、焦点検出信号を抽出する周波数帯域を低く設定するようにすればよい。
第1乃至第3の焦点検出信号のすべてをDFD処理の際に用いるわけではない場合には(ステップS903においてNO)、ステップS904に移行する。ステップS904では、第1焦点検出信号(A像信号)と第3の焦点検出信号(A+B像信号)とがDFD処理の際に用いられるか否かの判定が行われる。第1及び第3の焦点検出信号を用いてDFD処理が行われる場合には(ステップS904においてYES)、ステップS906に移行する。
ステップS906では、第1の焦点検出信号(A像)と第3の焦点検出信号(A+B像)とを用いてDFD処理が行われる。具体的には、上記のようにして算出される第1の焦点検出信号のパワーP1と第3の焦点検出信号のパワーP3とを用い、デフォーカス状態を判定するための評価値EV_DFDを、例えば以下のような式(6)によって算出する。
EV_DFD=(P3/(2×P1))×2 ・・・(6)
F値が互いに大きく異なる光束によって第1の焦点検出信号と第3の焦点検出信号とが得られており、第1の焦点検出信号と第3の焦点検出信号との強度差も適切に設定されるため、信頼性の高い評価値EV_DFDが得られる。
式(6)によって得られる評価値EV_DFDは、式(5)によって得られる評価値EV_DFDの上述した特性と同様の特性を有している。評価値EV_DFDに対して閾値を設け、評価値EV_DFDが閾値を超えるか否かによって合焦状態の判定を行う点は、ステップS905で行われる処理と同様である。
第2の焦点信号(B像信号)と第3の焦点検出信号(A+B像信号)とを用いてDFD処理を行う場合には(ステップS904においてNO)、ステップS907に移行する。ステップ907では、第2の焦点検出信号と第3の焦点検出信号とを用いてDFD処理が行われる。具体的には、上記のようにして算出される第2の焦点検出信号のパワーP2と第3の焦点検出信号のパワーP3とを用い、デフォーカス状態を判定するための評価値EV_DFDを、例えば以下のような式(7)によって算出する。
EV_DFD=(P3/(2×P2))×2 ・・・(7)
F値が互いに大きく異なる光束によって第2の焦点検出信号と第3の焦点検出信号とが得られており、第2の焦点検出信号と第3の焦点検出信号との強度差も適切に設定されるため、信頼性の高い評価値EV_DFDが得られる。
式(7)によって得られる評価値EV_DFDは、式(6)によって得られる評価値EV_DFDの上述した特性と同様の特性を有している。評価値EV_DFDに対して閾値を設け、評価値EV_DFDが閾値を超えるか否かによって合焦状態の判定を行う点は、ステップS905やステップS906で行われる処理と同様である。
ステップS905〜S907のいずれかによるDFD処理が終了した後には、ステップS908に移行する。ステップ908では、ステップS901において行われたA像とB像との相関演算の結果、即ち、焦点検出結果の信頼性が高いか否かが判定される。信頼性の判定の手法としては種々のものが考えられるが、本実施形態においては、DFD処理によって行われる合焦近傍か否かの判定が少なくとも用いられる。位相差方式等による焦点検出においては、被写体が白黒の繰り返し模様等になっている場合には、相関量COR1(k)が極小値となるようなシフト量が複数検出される場合がある。このような場合には、DFD処理の結果と位相差方式等による焦点検出結果との間に矛盾が生じることとなる。DFD処理の結果と位相差方式等による焦点検出結果との間に矛盾が生じている場合には、位相差方式による焦点検出結果の信頼性は低いと判定する。即ち、DFD処理の結果が合焦近傍でないと判定しているにもかかわらず、位相差方式等による焦点検出の結果が合焦近傍であることを示している場合には、位相差方式による焦点検出結果の信頼性は低いと判定する。DFD処理の結果と位相差方式等による焦点検出結果との間に矛盾が生じていない場合には、位相差方式等による焦点検出結果の信頼性は高いと判定する。
更に、ステップS908では、DFD処理の結果のみならず、焦点検出に用いられた2つの像の一致度やコントラスト等をも鑑みることによって、焦点検出結果の信頼性が高いか否かを判定する。
焦点検出結果の信頼性が高いと判定された場合には(ステップ908においてYES)、ステップS909に移行し、デフォーカス量の算出を行う。即ち、撮像面位相差焦点検出部129が、第1の焦点検出信号(A像)と第2の焦点検出信号(B像)、即ち、対になっている像信号に対して、公知の相関演算等を適用することによって、像のずれ量を算出する。そして、撮像面位相差焦点検出部129が、算出した像のずれ量をデフォーカス量に変換する。こうして、デフォーカス量の算出が行われる。
一方、焦点検出結果の信頼性が高くないと判定された場合には(ステップS908においてNO)、S910に移行し、デフォーカス量の算出が不能であると判定する。このようにして、デフォーカス量の算出処理が行われる。
このように、本実施形態によれば、第1の焦点検出信号(A像)と第2の焦点検出信号(B像)とのうちの少なくともいずれかと、第3の焦点検出信号(A+B像)とに基づいて、デフォーカス状態を検出することができる。こうして検出されたデフォーカス状態の検出結果と位相差方式等による焦点検出結果との間に矛盾があるか否かによって、位相差方式等による焦点検出結果の信頼性を判定することができる。従って、本実施形態によれば、良好に焦点合わせを行い得る撮像装置を提供することができる。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、DFD処理によって得られたデフォーカス状態の検出結果を用いて、位相差方式の焦点検出結果の信頼性の有無を判定したが、これに限定されるものではない。例えば、DFD処理によって得られたデフォーカス状態の検出結果を用いて、コントラスト方式等による焦点検出結果の信頼性を判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、DFD方式によって得られたデフォーカス状態の検出結果を用いて、DFD方式とは異なる方式によって得られた焦点検出結果の信頼性の有無を判定したが、DFD方式の焦点検出の利用態様はこれに限定されるものではない。上述したように、DFD方式では、F値の異なる光束によって得られる信号の一致度を検出することによって、合焦近傍であるか否かを判定することが可能である。従って、DFD処理の結果を用い、撮影範囲のうちの合焦状態の近傍の領域を撮影者に通知するようにすることも可能である。例えば、撮影範囲のうちの合焦状態の近傍の領域を、撮像装置10の背面に配された表示器126においてハイライト表示するようにしてもよい。これにより、撮影者は、例えば、マニュアルフォーカス設定時等において、合焦状態を確認しながら撮影を行うことができる。なお、合焦状態を表示するということは、デフォーカス状態を表示することでもある。このように、DFD処理の結果を、デフォーカス状態の表示に用いるようにしてもよい。
また、焦点検出領域を設定する際に、DFD処理の結果を用いるようにすることも可能である。一般に、撮像装置10からの距離が異なる被写体が焦点検出領域内に複数存在している場合には、遠近競合が生じ、焦点検出誤差が発生し得る。このため、焦点検出を行う際には、撮像装置10からの距離がほぼ等しい被写体が焦点検出領域内に位置していることが望ましい。上述したように、DFD方式の焦点検出では、デフォーカス状態の判定を行うことが可能であるため、焦点検出領域の設定を行うことが可能である。例えば、評価値EV_DFDが所定の範囲内となっている領域を焦点検出領域として設定し、設定した焦点検出領域に対して位相差方式の焦点検出を行うようにしてもよい。即ち、デフォーカス状態検出手段によるデフォーカス状態の検出の結果に基づいて、デフォーカス量の検出の対象となる領域を設定するようにしてもよい。これにより、遠近競合によって焦点検出誤差が発生するのを防止することができる。カメラMPU125は、デフォーカス状態検出手段によるデフォーカス状態の検出の結果に基づいて、デフォーカス量の検出の対象となる領域を設定する検出対象領域設定手段としても機能し得る。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (12)

  1. 撮影光学系によって生成される被写体像を光電変換する撮像素子と、
    前記撮影光学系の瞳領域の一部である第1の瞳部分領域を通過した光束による第1の信号と、前記瞳領域のうちの前記第1の瞳部分領域とは異なる第2の瞳部分領域を通過した光束による第2の信号と、前記第1の瞳部分領域を含むとともに前記第2の瞳部分領域を含む領域を通過した光束による第3の信号とを、前記撮像素子を用いて取得する信号取得手段と、
    前記信号取得手段により取得された前記第1の信号と前記第3の信号に基づくDFD(Depth−From−Defocus)処理により、前記撮影光学系のデフォーカス状態を検出するデフォーカス状態検出手段と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記撮像素子は撮像画素を有し、前記撮像画素は第1の分割画素と第2の分割画素とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像素子には、撮像画素と別個に第1の焦点検出画素と第2の焦点検出画素とが配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記DFD処理は、異なるF値の光束を受光することにより得られる信号である前記第1の信号と前記第3の信号とを用い、これらの信号の一致度を検出することによって、デフォーカス状態を検出する処理であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記第1の信号と前記第2の信号との相関に基づいて、前記撮影光学系のデフォーカス量を検出するデフォーカス量検出手段と、
    前記デフォーカス状態検出手段による前記デフォーカス状態の検出の結果に基づいて、前記デフォーカス量の検出の対象となる領域を設定する検出対象領域設定手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記第1の信号と前記第2の信号との相関に基づいて、前記撮影光学系のデフォーカス量を検出するデフォーカス量検出手段と、
    前記デフォーカス状態検出手段による前記デフォーカス状態の検出の結果と前記デフォーカス量検出手段により検出されたデフォーカス量とに基づいて、前記撮影光学系の駆動量を算出する算出手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記第1の信号と前記第2の信号との相関に基づいて、前記撮影光学系のデフォーカス量を検出するデフォーカス量検出手段と、
    前記デフォーカス状態検出手段による前記デフォーカス状態の検出の結果に基づいて、前記デフォーカス量検出手段によって検出された前記デフォーカス量の信頼性を判定する信頼性判定手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 前記信頼性判定手段は、前記DFD処理の結果と、前記デフォーカス量検出手段による検出結果との間に矛盾が生じている場合には、前記デフォーカス量検出手段による検出結果の信頼性は低いと判定し、前記DFD処理の結果と、前記デフォーカス量検出手段による検出結果との間に矛盾が生じていない場合には、前記デフォーカス量検出手段による検出結果の信頼性は高いと判定することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記被写体像を表示する表示手段を更に有し、
    前記表示手段は、前記デフォーカス状態検出手段による検出の結果に基づいて、前記デフォーカス状態を表示する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. 前記撮影光学系のF値、前記第1の信号の強度と前記第2の信号の強度と前記第3の信号の強度とのうちの少なくともいずれかのS/N比、又は、前記第1の信号の強度と前記第2の信号の強度と前記第3の信号の強度とのうちの少なくともいずれかの評価帯域に基づいて、前記撮影光学系が前記デフォーカス状態か否かを前記デフォーカス状態検出手段が検出するための閾値が設定されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  11. 撮影光学系によって生成される被写体像を光電変換する撮像素子を有する撮像装置の制御方法であって、
    前記撮影光学系の瞳領域の一部である第1の瞳部分領域を通過した光束による第1の信号と、前記瞳領域のうちの前記第1の瞳部分領域とは異なる第2の瞳部分領域を通過した光束による第2の信号と、前記第1の瞳部分領域を含むとともに前記第2の瞳部分領域を含む領域を通過した光束による第3の信号とを、前記撮像素子を用いて取得する信号取得ステップと、
    前記信号取得ステップにより取得された前記第1の信号と前記第3の信号に基づくDFD(Depth−From−Defocus)処理により、前記撮影光学系のデフォーカス状態を検出するデフォーカス状態検出ステップと、
    を有することを特徴とする制御方法。
  12. コンピュータに、
    撮影光学系によって生成される被写体像を光電変換する撮像素子を用いて、前記撮影光学系の瞳領域の一部である第1の瞳部分領域を通過した光束による第1の信号と、前記瞳領域のうちの前記第1の瞳部分領域とは異なる第2の瞳部分領域を通過した光束による第2の信号と、前記第1の瞳部分領域を含むとともに前記第2の瞳部分領域を含む領域を通過した光束による第3の信号とを、前記撮像素子を用いて取得する信号取得ステップと、
    前記信号取得ステップにより取得された前記第1の信号と前記第3の信号に基づくDFD(Depth−From−Defocus)処理により、前記撮影光学系のデフォーカス状態を検出するデフォーカス状態検出ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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