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JP2016009024A - 焦点検出装置およびその制御方法、並びに撮像装置 - Google Patents

焦点検出装置およびその制御方法、並びに撮像装置 Download PDF

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JP2016009024A JP2014128464A JP2014128464A JP2016009024A JP 2016009024 A JP2016009024 A JP 2016009024A JP 2014128464 A JP2014128464 A JP 2014128464A JP 2014128464 A JP2014128464 A JP 2014128464A JP 2016009024 A JP2016009024 A JP 2016009024A
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福田 浩一
Koichi Fukuda
浩一 福田
斎藤 潤一
Junichi Saito
潤一 斎藤
英秋 高宮
Hideaki Takamiya
英秋 高宮
嘉人 玉木
Yoshito Tamaki
嘉人 玉木
勇希 吉村
Yuki Yoshimura
勇希 吉村
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Abstract

【課題】焦点検出用の信号に飽和信号が含まれる場合でも焦点検出精度の低下を抑制可能な焦点検出装置およびその制御方法を提供する。
【解決手段】画素ラインごとに、結像光学系の第1瞳部分領域を通過する光束に基づく第1の信号と、第1瞳部分領域と異なる第2瞳部分領域を通過する光束に基づく第2の信号とのいずれかに含まれる、飽和信号の割合を判定する。そして、飽和信号の割合が閾値を超えない画素ラインについて得られる評価値を用いて、デフォーカス量を算出する。
【選択図】図6

Description

本発明は焦点検出装置およびその制御方法、並びに撮像装置に関する。
従来、位相差検出方式の自動焦点検出は、記録用の撮影に用いる撮像素子とは別個のAFセンサを用いるものが主流であった。しかし、近年は撮像素子から得られる信号を用いるものも実現されており、撮像面位相差検出方式などと呼ばれている(以下では、撮像面位相差検出方式の自動焦点検出を、像面位相差AFと呼ぶ)。
像面位相差AFを実現する構成として、特許文献1には、各画素に1つのマイクロレンズと複数の光電変換部が形成されている2次元撮像素子を用いた撮像装置が開示されている。各光電変換部は、同じ画素に設けられたマイクロレンズを介して、撮影レンズの射出瞳の異なる領域と対応するように構成されている。そのため、異なる光電変換部で得られる焦点検出信号間の像ずれ量(位相差)に基づいて像面位相差AFを行うことができる。また、画素ごとに複数の光電変換部で得られる焦点検出信号を加算すると、画素が1つの光電変換部を有する従前の撮像素子と同様の撮像信号を生成することができる。
特許文献1では各画素が焦点検出用画素としても通常の画素(撮影用画素)としても機能することができるが、専用の焦点検出用画素を撮影用画素の代わりに配置する構成も知られている(特許文献2)。撮影レンズの射出瞳の異なる領域と対応するように構成された2種類の焦点検出用画素から、位相差AFに用いる1対の焦点検出用信号が生成される。
像面位相差AFは位相差検出方式であるため、デフォーカス方向とデフォーカス量を同時に検出することが可能であり、高速に焦点調節を行うことができる。
一方、コントラスト検出方式の自動焦点検出(コントラストAF)も知られている。従来、コントラストAFはフォーカスレンズの位置を変えながら撮影した画像からコントラスト評価値を算出し、コントラスト評価値が最高となるフォーカスレンズの位置を探索するものであった。これに対し、特許文献3では、リフォーカス技術を用いることにより、フォーカスレンズを駆動せずに、異なるフォーカスレンズ位置に対応した評価値を求めるコントラストAFが提案されている。
米国特許4410804号明細書 特開2000−156823号公報 特開2013−25246号公報
コントラストAFは評価値が最大となるフォーカスレンズ位置(または同等の他の信号)を探索する必要があるため、位相差AFよりも時間がかかる。しかしながら、撮影レンズの最良合焦位置(ベストピント位置)近傍での焦点検出精度は、コントラストAFの方が位相差AFより良好である場合が多い。そのため、まず位相差AFの結果を用いてフォーカスレンズを移動させてからコントラストAFを実施することで、時間を短縮しながら精度の良い焦点検出結果を得る方法も提案されている。
しかしながら、コントラストAFは位相差AFより飽和信号の影響を受けやすく、焦点検出精度が低下しやすい。そのため、評価値の算出に用いる信号に飽和信号が含まれる場合、コントラストAFの焦点検出精度が位相差AFの焦点検出結果より低くなる場合もあるが、従来技術においては、飽和信号について考慮していない。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、焦点検出用の信号に飽和信号が含まれる場合でも焦点検出精度の低下を抑制可能な焦点検出装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
上述の目的は、予め定められた複数の画素ラインのそれぞれについて、結像光学系の第1瞳部分領域を通過する光束に基づく第1の信号と、第1瞳部分領域と異なる第2瞳部分領域を通過する光束に基づく第2の信号とのいずれかに含まれる、飽和信号の割合が第1の閾値を超えない画素ラインについて得られる、第1の信号と第2の信号との相関量に基づく第1のデフォーカス量を算出する第1算出手段と、予め定められた複数の画素ラインのうち、第1の信号もしくは第2の信号に含まれる飽和信号の割合が第2の閾値を超えない画素ラインについて得られる、第1の信号と第2の信号から算出したコントラスト評価値に基づく第2のデフォーカス量を算出する第2算出手段と、を有し、第2の閾値が、第1の閾値よりも小さいことを特徴とする焦点検出装置によって達成される。
このような構成により、本発明によれば、位相差検出方式とコントラスト検出方式の両方を用いて焦点検出を行う焦点検出装置およびその制御方法において、飽和信号が存在する場合でも焦点検出精度の低下を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルスチルカメラの機能構成例を示す図 図1の撮像素子107における撮像画素と焦点検出画素の配置例を模式的に示す図 図2に示した撮像画素の構成を模式的に示した平面図および断面図 図3に示した画素構造と瞳分割との対応関係を示した概略説明図 (a)は実施形態の撮像素子と瞳分割との対応関係を示した図、(b)は実施形態におけるデフォーカス量と第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の関係を示す図 本発明の実施形態における第1焦点検出処理を示すフローチャート 本発明の実施形態におけるリフォーカス処理の概略説明図 本発明の実施形態における第2焦点検出処理を示すフローチャート 本発明の実施形態における第1検出デフォーカス量と第2検出デフォーカス量の特性例を示す図 本発明の実施形態における焦点調節動作の例を示すフローチャート
以下、本発明の例示的な実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態では、本発明に係る焦点検出装置をデジタルスチルカメラに適用した構成を説明するが、本発明に係る焦点検出装置はカメラ機能を有する任意の機器や装置に適用可能である。このような機器や装置の非限定的な例としては、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、メディアプレーヤ、ゲーム機、ナビゲーション装置、家電製品などを挙げることができる。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係るデジタルスチルカメラ100(以下、単にカメラ100という)の機能構成例を示す図である。
第1レンズ群101は撮影光学系(結像光学系)の先端に配置され、光軸に沿って前後に移動可能に保持される。シャッタ102は、静止画撮像時の露光時間を制御するためのシャッタとしてだけでなく、開口径を調節することで撮像時の光量調節を行なう絞りとしても機能する。シャッタ102の背面(撮像素子側)に配置された第2レンズ群103は、シャッタ102と一体となって光軸に沿って前後に可能であり、第1レンズ群101とともにズーム機能を実現する。
第3レンズ群105はフォーカスレンズであり、光軸に沿って前後に移動可能である。光学ローパスフィルタ106は、撮像素子107の前方に配置され、撮像画像に発生する偽色やモアレを軽減する。撮像素子107は2次元CMOSイメージセンサとその周辺回路で構成される。本実施形態において、撮像素子107は、横方向にm(>1)個、縦方向にn(>1)個の複数の受光素子(画素)が2次元配列され、受光素子にベイヤー配列の原色カラーモザイクフィルタが形成された、2次元単板カラーイメージセンサである。カラーフィルタは受光素子に入射する透過光の波長を画素単位で制限する。
ズームアクチュエータ111は、ズーム駆動回路129の制御に従い、不図示のカム筒を回動して第1レンズ群101と第3レンズ群105の少なくとも一方を光軸に沿って駆動して、ズーム(変倍)機能を実現する。シャッタアクチュエータ112は、シャッタ駆動回路128の制御に従い、シャッタ102開口径を制御して撮像光量を調節すると共に、静止画撮像時の露光時間を制御する。
フォーカスアクチュエータ114は、フォーカス駆動回路126の制御に従い、第3レンズ群105を光軸に沿って駆動する。
フラッシュ115は、好ましくはキセノン管を用いた閃光照明装置であるが、連続発光するLEDを備えた照明装置であってもよい。AF補助光出力部116は、所定の開口パターンを有するマスクの像を投稿レンズを介して被写界に投影し、低輝度の被写体や低コントラストの被写体に対する焦点検出能力を向上させる。
CPU121は、カメラ100全体の動作を制御し、図示しない演算部、ROM、RAM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェイス回路等を有する。CPU121は、ROMに記憶されたプログラムを実行して、カメラ100が有する各種回路を制御し、AF、AE、画像処理、記録等、カメラ100の機能を実現する。
フラッシュ制御回路122は、撮像動作に同期してフラッシュ115を点灯制御する。補助光駆動制御回路123は、焦点検出動作時にAF補助光出力部116を点灯制御する。撮像素子駆動回路124は、撮像素子107の動作を制御するとともに、撮像素子107から読み出した画像信号をA/D変換してCPU121に出力する。画像処理回路125は、画像信号に対してγ変換、色補間、JPEG符号化などの画像処理を適用する。
フォーカス駆動回路126は、焦点検出結果に基づいてフォーカスアクチュエータ114を駆動することにより第3レンズ群105を光軸に沿って移動させ、焦点調節を行なう。シャッタ駆動回路128は、シャッタアクチュエータ112を駆動してシャッタ102の開口径及び開閉タイミングを制御する。ズーム駆動回路129は、例えば操作スイッチ132に含まれるズーム操作スイッチの押下によって撮像者から入力されるズーム操作に応じてズームアクチュエータ111を駆動する。
表示器131はLCD等であり、カメラ100の撮像モードに関する情報、撮像前のプレビュー画像と撮像後の確認用画像、焦点検出時の合焦状態の情報等を表示する。操作スイッチ132は、電源スイッチ、レリーズ(撮像トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、撮像モード選択スイッチ等を含む。記録媒体133は例えば着脱可能な半導体メモリカードであり、撮像画像を記録する。
[撮像素子]
図2は、撮像素子107における撮像画素と焦点検出画素の配置例を模式的に示す図であり、撮像画素が横4画素×縦4画素配列された領域を代表的に示している。本実施形態においては、各撮像画素の光電変換領域が横方向に2分割されており、各光電変換領域が焦点検出用画素として機能する。従って、図2においては、焦点検出画素が横8画素×縦4画素配列された領域とも言うことができる。
本実施形態において、図2の左上の2×2の画素群200は、撮像素子107に設けられた原色ベイヤー配列のカラーフィルタの繰り返し単位に対応している。従って、R(赤)の分光感度を有する画素200Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素200Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素200Bが右下に配置されている。また、図2の右上の画素に代表的に示すように、各撮像画素は、横2×縦1に等分割された光電変換部を有しており、左半分の光電変換部が第1焦点検出画素201、右半分の光電変換部が第2焦点検出画素202として利用可能である。撮像画素として利用する場合には、2つの光電変換部で得られた信号を加算した信号を撮像信号として用いる。
図2に示した4×4の撮像画素(8×4焦点検出画素)の配列を撮像素子107の撮像面に多数配置することにより、撮像画像を取得しつつ、画面の様々な位置を焦点検出領域として用いた撮像面位相差検出方式の焦点検出を行うことができる。本実施形態では、撮像画素のピッチ(周期)Pが縦横とも4μmで、画素数Nは、横5575×縦3725=約2075万画素であるものとする。また、焦点検出画素の縦方向のピッチPは撮像画素と同じであるが、横方向のピッチPAFは2μmであり、従って焦点検出画素数NAFが横11150×縦3725=約4150万画素であるものとする。
図2に示した1つの撮像画素(ここでは200Gとする)を、撮像素子の受光面側(+z側)から見た平面図を図3(a)に示し、図3(a)のa−a断面を−y側から見た断面図を図3(b)に示す。
図3に示すように、本実施形態の画素200Gでは、各画素の受光側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が形成され、x方向にN分割(2分割)、y方向にN分割(1分割)された光電変換部301と光電変換部302が形成される。光電変換部301と光電変換部302が、それぞれ、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202に対応する。
光電変換部301と光電変換部302は、p型層とn型層の間にイントリンシック層を挟んだpin構造フォトダイオードとしても良いし、必要に応じて、イントリンシック層を省略し、pn接合フォトダイオードとしてもよい。
各画素には、マイクロレンズ305と、光電変換部301および光電変換部302との間に、カラーフィルタ306が形成される。また、必要に応じて、第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202とでカラーフィルタの分光透過率を変えても良いし、カラーフィルタを省略してもよい。
図3に示した画素200Gに入射した光は、マイクロレンズ305により集光され、カラーフィルタ306で分光されたのち、光電変換部301と光電変換部302で受光される。
光電変換部301と光電変換部302では、受光量に応じて電子とホールが対生成し、空乏層で分離された後、負電荷の電子はn型層に蓄積され、ホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層300を通じて撮像素子107の外部へ排出される。
光電変換部301と光電変換部302のn型層に蓄積された電子は、転送ゲートを介して、静電容量部(FD)に転送され、電圧信号に変換される。
図3に示した本実施形態の画素構造と瞳分割との対応関係を示した概略説明図を図4に示す。図4では、射出瞳面の座標軸と対応を取るために、断面図のx軸とy軸を図3に対して反転させている。
図4で、第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501は、重心が−x方向に偏心している光電変換部301の受光面と、マイクロレンズ305によって、概ね共役関係になっており、第1焦点検出画素201で受光可能な瞳領域を表している。第1焦点検出画素201の第1瞳部分領域501は、瞳面上で+X側に重心が偏心している。
図4で、第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502は、重心が+x方向に偏心している光電変換部302の受光面と、マイクロレンズ305によって、概ね共役関係になっており、第2焦点検出画素202で受光可能な瞳領域を表している。第2焦点検出画素202の第2瞳部分領域502は、瞳面上で−X側に重心が偏心している。
また、図4で、瞳領域500は、光電変換部301と光電変換部302(第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202)を合わせた、画素200G全体で受光可能な瞳領域である。
本実施形態の撮像素子と瞳分割との対応関係を示した概略図を図5に示す。第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502の異なる瞳部分領域を通過した光束は、撮像素子の各(撮像)画素に、撮像面800からそれぞれ異なる角度で入射し、2×1分割された光電変換部301および302で受光される。なお、本実施形態は、瞳領域が水平方向に2つに瞳分割されているが、必要に応じて、垂直方向に瞳分割を行ってもよい。
撮像素子107には、結像光学系の第1瞳部分領域501を通過する光束を受光する第1焦点検出画素201と、第1瞳部分領域と異なる結像光学系の第2瞳部分領域502を通過する光束を受光する第2焦点検出画素202を有する撮像画素が配列されている。従って、撮像画素は、結像光学系の第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502を合わせた瞳領域500を通過する光束を受光する。
なお、撮像素子が有する全ての画素が複数の光電変換部を有するのではなく、撮像画素、第1焦点検出画素、第2焦点検出画素を個別の画素構成としてもよい。あるいは、光電変換部を1つ有する撮像画素と、光電変換部を2つ有する(撮像画素としても使用可能な)焦点検出画素とが配置されても良い。
本実施形態で、生成手段としてのCPU121は、複数の第1焦点検出画素201で得られる信号から第1焦点信号を生成し、複数の第2焦点検出画素202から得られる信号から第2焦点信号を生成して焦点検出を行う。また、撮像素子の撮像画素ごとに第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202で得られる信号を加算することで、有効画素数Nの解像度の撮像信号(撮像画像)を生成する。
[デフォーカス量と像ずれ量の関係]
以下、本実施形態の撮像素子により取得される第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と像ずれ量の関係について説明する。
図5(a)に、デフォーカス量と第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の概略関係図を示す。撮像面800に撮像素子(不図示)が配置され、図4と同様に、結像光学系の射出瞳が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割される。
デフォーカス量dの大きさ|d|は、被写体の結像位置から撮像面800までの距離である。また、デフォーカス量dが負(d<0)の場合は、被写体の結像位置が撮像面800より被写体側にある前ピン状態、正(d>0)の場合は、被写体の結像位置が撮像面800より被写体の反対側にある後ピン状態を意味する。そして、被写体の結像位置が撮像面800にある合焦状態で、デフォーカス量dの大きさは0となる。図5(a)で、被写体801は合焦状態(d=0)にあり、被写体802は前ピン状態(d<0)の例を示している。前ピン状態(d<0)と後ピン状態(d>0)を合わせて、デフォーカス状態(|d|>0)と呼ぶ。
前ピン状態(d<0)では、被写体802からの光束のうち、第1瞳部分領域501(第2瞳部分領域502)を通過した光束は、撮像面800より被写体側の位置で一度集光する。そして、その後、光束の重心位置G1(G2)を中心として幅Γ1(Γ2)に広がり、撮像面800でボケた像となる。ボケた像は、それを受光する複数の画素のそれぞれで第1焦点検出画素201(第2焦点検出画素202)により電気信号に変換される。そして、第1焦点検出画素201群(第2焦点検出画素202群)の信号から第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)が、生成手段としてのCPU121により生成される。よって、第1焦点検出信号(第2焦点検出信号)は、撮像面800上の重心位置G1(G2)に、被写体802が幅Γ1(Γ2)にボケた被写体像として記録される。
被写体像のボケ幅Γ1(Γ2)は、デフォーカス量dの大きさ|d|の増加に概ね比例して増加する。同様に、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ量p(=光束の重心位置の差G1−G2)の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|の増加に概ね比例して増加していく。後ピン状態(d>0)の場合、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の被写体像の像ずれ方向が前ピン状態と反対となることをのぞき、デフォーカス量の大きさ|d|と被写体像のボケ幅、像ずれ量pとの関係は同様である。
したがって、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号、もしくは、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を加算した撮像信号のデフォーカス量の大きさの増加に伴い、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量の大きさが増加する。
[焦点検出]
本実施形態では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のデフォーカス量と像ずれ量の関係性を用い、撮像面位相差検出方式の第1焦点検出と、リフォーカス原理に基づいたコントラスト検出方式(以後、リフォーカス方式と呼ぶ)の第2焦点検出との両方を行う。そして、各方式において、飽和信号の有無や割合を考慮してデフォーカス量を算出する。
[第1焦点検出(撮像面位相差検出方式)]
以下、本実施形態における撮像面位相差AFについて説明する。
本実施形態の撮像面位相差AFは、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を相対的にシフトさせて信号の一致度を表す相関量を計算し、相関(信号の一致度)が高くなるシフト量から像ずれ量を検出する。撮像信号のデフォーカス量が増加すると第1焦点検出信号と第2焦点検出信号間の像ずれ量が増加する関係性から、像ずれ量をデフォーカス量に変換する。
図6は、本実施形態におけるカメラ100が実施する第1焦点検出の動作を示すフローチャートである。
S110で、CPU121は、撮像素子107の有効画素領域に対して焦点検出領域を設定する。焦点検出領域の大きさや場所については特に制限はなく、固定であっても動的に定められてもよい。ここでは焦点検出領域は矩形であるものとする。そしてCPU121は、焦点検出領域の瞳分割方向(本実施形態では、撮像素子107の水平方向)の範囲Wと、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を瞳分割方向に相対的にシフトさせて相関量を算出する際の第1シフト量s1のシフト範囲Γ1を設定する。次に、CPU121は焦点検出領域の瞳分割方向と直交する方向の範囲Lを設定し、焦点検出領域に含まれる複数の焦点検出ライン(画素ライン)を選択する。画素ラインは瞳分割方向に並んだ複数の画素から構成される。なお、複数の画素ラインをまとめて1つの画素ラインとして取り扱ってもよい。
S111でCPU121は、加算相関量COR(s1)の全成分を0に初期化する。
S112でCPU121は、第1加算数lを1に初期化する。
S120はループ処理の開始を示す。ループ処理においてCPU121は、焦点検出領域の瞳分割方向と直交する方向の範囲Lに含まれるl番目(l∈L)の焦点検出ラインを選択する。以下、S121からS126の処理は、範囲Lに含まれる全てのl番目(l∈L)焦点検出ラインに対して順次、もしくは並列に実行される。
S121でCPU121は、l番目の焦点検出ラインがキズラインか判定し、キズラインと判定された場合、l番目の焦点検出ラインでは相関量を算出せずにlを1インクリメントして再度S121を実行する。一方、l番目の焦点検出ラインがキズラインではないと判定された場合、CPU121は処理をS122に進める。
S121で判定されるキズラインとは、焦点検出信号を生成するのに適していない画素ラインであり、例えば撮像素子107の製造時において発見された欠陥画素を含んでいる画素ラインであってよい。また、撮像素子107の回路構成や駆動方式により、撮像信号としては使用できるが、焦点検出信号としては使用できない信号を出力する画素が含まれる画素ラインであってもよい。処理対象の焦点検出ラインがキズラインかどうかの判定は、製造時に登録された情報に基づいてもよいし、S122で焦点検出信号を生成した後に、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を検査することで行っても良い。
S122でCPU121は、焦点検出ラインに含まれる複数の画素(もしくは焦点検出領域)のうち、第1の瞳領域の出射光を受光する第1の画素(または光電変換領域)群から第1焦点検出信号を生成する。また、CPU121は、第2の瞳領域の出射光を受光する第2の画素(または光電変換領域)群から第2焦点検出信号を生成する。ここで、処理対象(l番目)の焦点検出ラインの垂直方向(瞳分割方向と直交する方向)にl番目(l∈L)で、水平方向(瞳分割方向)にk番目(k∈W)の第1焦点検出信号をA(l,k)、第2焦点検出信号をB(l,k)と記載する。
なお、CPU121は必要に応じて、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、それぞれ、信号データ量を抑制するために、水平方向の3画素加算処理や、RGB信号を輝度Y信号にするためのベイヤー(RGB)加算処理などの信号加算処理を行っても良い。
S123でCPU121は、l番目の焦点検出ラインが、飽和ラインか否かの判定(第1飽和ライン判定)を行う。例えば、l番目の第1焦点検出信号{A(l,k):k∈W}もしくは、第2焦点検出信号{B(l,k):k∈W}に含まれる飽和信号の割合が第1の閾値以下の場合、飽和ラインではないと判定し、第1の閾値より大きい場合、飽和ラインと判定する。なお、ここで飽和信号とは、予め定められた飽和レベル以上のレベルを有する信号であり、必ずしも撮像素子が出力する最大レベルでなくてもよい。本実施形態において、第1の閾値は75%とするが、これは単なる例示であり、他の値としてもよい。撮像素子の特性などに応じて変化しうるため、個々の実装に応じて定めることができる。
処理対象の(l番目の)焦点検出ラインが飽和ラインではないと判定された場合、CPU121は処理をS124へ進め、飽和ラインと判定された場合、l番目の焦点検出ラインは相関量を算出せずに、lを1インクリメントして処理をS121に進める。
S124でCPU121は、l番目の焦点検出ラインについて、第1焦点検出信号{A(l,k):k∈W}と第2焦点検出信号{B(l,k):k∈W}から、l番目の相関量COR(l,s1)を、式(1)により算出する。相関量COR(l,s1)は、相関が高いほど小さくなる値である。
Figure 2016009024
CPU121は、第1シフト量s1の瞳分割方向へのシフト処理により、k番目の第1焦点検出信号A(l,k)とk−s1番目の第2焦点検出信号B(l,k−s1)を対応させて減算し、シフト減算信号を生成する。さらに、CPU121は、生成されたシフト減算信号の絶対値を計算し、焦点検出領域の瞳分割方向の範囲W内で番号kの和を取り、l番目の焦点検出ラインの相関量COR(l,s1)を算出する。
S125でCPU121は、l番目の焦点検出ラインの相関量COR(l,s1)を、第1シフト量s1ごとに、加算相関量COR(s1)に加算し、処理をS126に進める。
S126でCPU121は、第1加算数lに1を加算し、次のl+1番目の焦点検出ラインのS121に進む。l+1番目の焦点検出ラインが、焦点検出領域に含まれなければ(l+1>Lならば)、CPU121はループ処理もしくは並列処理を終了して処理をS130に進める。
S130でCPU121は、位相差検出方式に基づく第1検出デフォーカス量Def1を算出する。まずCPU121は、シフト量ごとに加算された加算相関量からサブピクセル演算により、加算相関量が最小値となる実数値の第1シフト量を像ずれ量pとして算出する。次にCPU121は、算出された像ずれ量pに、焦点検出領域の像高と、撮像レンズ(結像光学系)のF値、射出瞳距離に応じた第1変換係数K1をかけて、第1検出デフォーカス量Def1を算出する。変換係数は例えばテーブル形式や算出式の形で予め記憶しておくことができる。
本実施形態では、第1焦点検出手段としてのCPU121により、第1焦点検出信号もしくは第2焦点検出信号に含まれる飽和信号の割合が第1の閾値以下である焦点検出ラインについて第1焦点検出信号と第2焦点検出信号の相関量を算出する。そしてCPU121は、算出された相関量を加算して加算相関量を生成し、加算相関量から第1検出デフォーカス量を算出する。
[第2焦点検出(リフォーカス方式)]
以下、本実施形態におけるリフォーカス方式のコントラストAFについて説明する。
コントラストAFでは、フォーカスレンズの異なる位置に対応する画像を得るために、フォーカスレンズを移動させて撮影するのが一般的である。それに対し、本実施形態では、焦点検出ラインごとにコントラスト評価値を算出する際、フォーカスレンズの異なる位置に対応する画像を、ある特定の合焦距離で撮影した画像からリフォーカス方式で生成する。具体的には、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のシフト加算信号(リフォーカス信号)を生成し、シフト加算信号のコントラスト評価値を算出し、コントラスト評価値から撮像信号のMTFピーク位置を推定し、第2検出デフォーカス量を検出する。
第1焦点検出信号と第2焦点検出信号による1次元方向(列方向または水平方向)のリフォーカス処理の概略について、図7を用いて説明する。図7の撮像面800は、図5に示した撮像面800に対応している。図7では、iを整数として、撮像面800に配置された撮像素子の列方向i番目の画素の第1焦点検出信号をAi、第2焦点検出信号をBiで模式的に表している。第1焦点検出信号Aiは、(図5の第1瞳部分領域501に対応した)主光線角度θaでi番目の画素に入射した光束の受光信号である。第2焦点検出信号Biは、(図5の第2瞳部分領域502に対応した)主光線角度θbでi番目の画素に入射した光束の受光信号である。
第1焦点検出信号Aiと第2焦点検出信号Biは、光強度分布情報だけでなく、入射角度情報も有している。よって、第1焦点検出信号Aiを角度θaに沿って仮想結像面810まで平行移動させ、第2焦点検出信号Biを角度θbに沿って仮想結像面810まで平行移動させ、加算することで、仮想結像面810でのリフォーカス信号を生成できる。第1焦点検出信号Aiを角度θaに沿って仮想結像面810まで平行移動させることは、列方向に+0.5画素シフトに対応し、第2焦点検出信号Biを角度θbに沿って仮想結像面810まで平行移動させることは、列方向に−0.5画素シフトに対応する。したがって、第1焦点検出信号Aiと第2焦点検出信号Biを相対的に+1画素シフトさせ、AiとBi+1を対応させて加算することで、仮想結像面810でのリフォーカス信号を生成できる。同様に、第1焦点検出信号Aiと第2焦点検出信号Biを整数シフトさせて加算することで、整数シフト量に応じた各仮想結像面でのシフト加算信号(リフォーカス信号)を生成できる。このように、シフト量を変えながらリフォーカス信号を生成することで、撮像面800に対応した焦点検出信号から、撮像面800とは異なるフォーカスレンズ位置に対応した仮想結像面のリフォーカス信号を生成することができる。
CPU121は、生成されたシフト加算信号(リフォーカス信号)のコントラスト評価値を算出し、算出されたコントラスト評価値から撮像信号のMTFピーク位置を推定することで、リフォーカス方式の第2焦点検出を行う。
図8は、本実施形態におけるカメラ100が実施する第2焦点検出の動作を示すフローチャートである。
S210でCPU121は、撮像素子107の有効画素領域に対して焦点検出領域を設定する。CPU121は、焦点検出領域の瞳分割方向の範囲Wと、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号を瞳分割方向に相対的にシフトさせてコントラスト評価値を算出する際の第2シフト量s2のシフト範囲Γ2を設定する。次にCPU121は、焦点検出領域の瞳分割方向と直交する方向の範囲Lを設定し、焦点検出領域に含まれる複数の焦点検出ラインを選択する。なお、焦点検出領域は基本的に第1焦点検出を行う焦点検出領域と同一であるため、S110とS210を第1および第2焦点検出の前に共通して実施する1つのステップとして構成してもよい。この場合、シフト範囲Γ1,Γ2も同一とするか、独立して定めるかは任意である。
S211でCPU121は、加算コントラスト評価値RFCON(s2)の全成分を0に初期化する。
S212でCPU121は、第2加算数lを1に初期化する。
S220はループ処理の開始を示す。ループ処理においてCPU121は、焦点検出領域の瞳分割方向と直交する方向の範囲Lに含まれるl番目(l∈L)の焦点検出ラインを選択する。以下、S221からS226の処理は、範囲Lに含まれる全てのl番目(l∈L)焦点検出ラインに対して順次もしくは並列に実行される。
S221でCPU121は、l番目の焦点検出ラインがキズラインか判定を行い、キズラインと判定された場合は、l番目の焦点検出ラインはコントラスト評価値を算出せずにlを1インクリメントして再度S221を実行する。一方、l番目の焦点検出ラインがキズラインではないと判定された場合、CPU121は処理をS222に進める。S221におけるキズラインの判定は、S121と同様に行うことができる。
S222でCPU121は、焦点検出ラインに含まれる複数の画素(もしくは焦点検出領域)のうち、第1の瞳領域の出射光を受光する第1の画素(または光電変換領域)群から第1焦点検出信号を生成する。また、CPU121は、第2の瞳領域の出射光を受光する第2の画素(または光電変換領域)群から第2焦点検出信号を生成する。ここで、処理対象(l番目)の焦点検出ラインの垂直方向(瞳分割方向と直交する方向)にl番目(l∈L)で、水平方向(瞳分割方向)にk番目(k∈W)の第1焦点検出信号をA(l,k)、第2焦点検出信号をB(l,k)と記載する。
S123でCPU121は、l番目の焦点検出ラインが、飽和ラインか否かの判定(第1飽和ライン判定)を行う。例えば、l番目の第1焦点検出信号{A(l,k):k∈W}もしくは、第2焦点検出信号{B(l,k):k∈W}に含まれる飽和信号の割合が第1の閾値以下の場合、飽和ラインではないと判定し、第1の閾値より大きい場合、飽和ラインと判定する。なお、ここで飽和信号とは、予め定められた飽和レベル以上のレベルを有する信号であり、必ずしも撮像素子が出力する最大レベルでなくてもよい。本実施形態において、第2の閾値は0%とするが、これは単なる例示であり、他の値としてもよい。第2の閾値についても第1の閾値と同様、具体的な実装に応じて定めることができるが、位相差検出方式の自動焦点検出を実行する場合には、位相差検出方式の自動焦点検出結果の精度よりも高い精度が得られるように第2の閾値を設定する。従って、第2の閾値は、第1の閾値より小さい値に設定される。
処理対象の(l番目の)焦点検出ラインが飽和ラインではないと判定された場合、CPU121は処理をS224へ進め、飽和ラインと判定された場合、l番目の焦点検出ラインは相関量を算出せずに、lを1インクリメントして処理をS221に進める。
S224でCPU121は、l番目の焦点検出ライン毎に、第1焦点検出信号{A(l,k):k∈W}と第2焦点検出信号{B(l,k):k∈W}から、l番目コントラスト評価値RFCON(l,s2)を、式(2)により算出する。
Figure 2016009024
CPU121は、第2シフト量s2の瞳分割方向へのシフト処理により、k番目の第1焦点検出信号A(l,k)と(k−s2)番目の第2焦点検出信号B(l,k−s2)を対応させて加算し、シフト加算信号を生成する。CPU121はさらにシフト加算信号の絶対値を計算し、焦点検出領域Wの範囲での最大値を取り、コントラスト評価値RFCON(l,s2)を算出する。
S225でCPU121は、l番目の焦点検出ラインのコントラスト評価値RFCON(l,s2)を、第2シフト量s2ごとに、加算コントラスト評価値RFCON(s2)に加算し、処理をS226に進める。
S226でCPU121は、第2加算数lに1を加算し、次のl+1番目の焦点検出ラインのS221に進む。l+1番目の焦点検出ラインが、焦点検出領域に含まれなければ、CPU121はループ処理もしくは並列処理を終了して処理をS230に進める。
S230でCPU121は、コントラスト検出方式に基づく第2検出デフォーカス量Def2を算出する。まず、CPU121は、加算コントラスト評価値からサブピクセル演算により、加算コントラスト評価値が最大値となる実数値の第2シフト量をピークシフト量p2として算出する。次に、CPU121は、算出されたピークシフト量p2に、焦点検出領域の像高と、撮像レンズ(結像光学系)のF値、射出瞳距離に応じた第2変換係数K2をかけて、第2検出デフォーカス量Def2を算出する。変換係数は例えばテーブル形式や算出式の形で予め記憶しておくことができる。また、必要に応じて、第1変換係数K1と第2変換係数K2を同一の値としても良い。
本実施形態では、第2焦点検出手段としてのCPU121により、第1焦点検出信号もしくは第2焦点検出信号に含まれる飽和信号の割合が第2の閾値以下である焦点検出ラインについて、コントラスト評価値を算出する。そしてCPU121は、算出されたコントラスト評価値を加算して加算コントラスト評価値を生成し、加算コントラスト評価値から第2検出デフォーカス量を算出する。
本実施形態の撮像素子107では、焦点検出画素が受光する光束と、撮像画素が受光する光束とが異なる。本実施形態において、焦点検出画素は第1焦点検出画素201および第2焦点検出画素202であり、撮像画素は第1焦点検出画素201と第2焦点検出画素202の合計に相当する。受光する光束が異なることで、結像光学系の各収差(球面収差、非点収差、コマ収差など)が与える影響は、焦点検出信号と撮像信号とで異なる。結像光学系の絞り値が小さい(開口径が大きい)と差異がより大きくなる。そのため、結像光学系の絞り値が小さいとき、位相差検出方式の第1焦点検出により算出される検出合焦位置(第1検出デフォーカス量が0となる位置)と撮像信号の最良合焦位置(撮像信号のMTFピーク位置)との間に差が生じる場合がある。よって、特に、結像光学系の絞り値が閾値以下の場合に、位相差検出方式の第1焦点検出の焦点検出精度が低下する場合がある。なお、閾値となる絞り値は、レンズの口径や解放F値などに応じて変化するため、レンズの種類ごとに予め設定しておくことができる。
図9は、このような焦点検出精度の低下の例を示す図である。横軸は設定デフォーカス量、縦軸は検出デフォーカス量であり、位相差検出方式の第1焦点検出による第1検出デフォーカス量の例を破線で、リフォーカス方式の第2焦点検出による第2検出デフォーカス量を実線で示している。最良合焦位置(設定デフォーカス量0)において、最良合焦位置と第1焦点検出により算出される検出合焦位置との間には後ピン側に約50μmの差異Δdefが生じていることがわかる。一方で第2焦点検出による第2検出デフォーカス量は、第1焦点検出による第1検出デフォーカス量よりも設定デフォーカス量に近く、より高精度に焦点検出できることがわかる。
本実施形態の撮像素子107は、図4、図5に示したように、第1焦点検出画素が受光する光束と第2焦点検出画素が受光する光束を加算したものが、撮像画素が受光する光束となる。位相差検出方式の第1焦点検出とは異なり、リフォーカス方式の第2焦点検出では、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号のシフト加算信号(リフォーカス信号)により焦点検出を行う。よって、第2焦点検出で用いられるシフト加算信号に対応する光束と、撮像信号に対応する光束とは概ね一致し、結像光学系の各収差(球面収差、非点収差、コマ収差など)のシフト加算信号への影響と撮像信号への影響も、概ね同じである。つまり、リフォーカス方式の第2焦点検出により算出される検出合焦位置(第2検出デフォーカス量が0となる位置)と、撮像信号の最良合焦位置(撮像信号のMTFピーク位置)とが、概ね一致する。このように、位相差検出方式の第1焦点検出よりコントラスト検出方式(リフォーカス方式)の第2焦点検出の方が高精度に焦点検出できる。
しかし、上述したように、コントラスト検出方式の焦点検出は、焦点検出信号(第1焦点検出信号、第2焦点検出信号)に飽和信号が含まれる場合に位相差検出方式よりも焦点検出精度が低下しやすい。
飽和信号が連続している部分は、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号が最大値で一定となり像ずれ量の情報が欠落するが、飽和信号と非飽和信号との境界部分は、像ずれ量の情報が残る。第1焦点検出信号と第2焦点検出信号に、エッジ抽出するバンドパスフィルター処理を行うことで、飽和信号が連続している部分の影響を除外して、飽和信号と非飽和信号との境界部分の像ずれ量の情報を抽出して焦点検出できる。よって、位相差検出方式の第1焦点検出では、焦点検出ラインに含まれる飽和信号の割合が多くても、飽和信号と非飽和信号との境界部分が含まれていれば信頼できる焦点検出結果を得ることができる。そのため、第1の閾値を大きな値とし、飽和ラインとして判定され除外される焦点検出ライン数を抑制することができる。なお、第1の閾値は100%未満であることが必要である。
これに対して、飽和信号が連続している部分は、第1焦点検出信号と第2焦点検出信号が最大値で一定となり、コントラスト評価値の算出に必要な輝度変化の情報が欠落してしまう。また、飽和信号と非飽和信号との境界部分では、コントラスト評価値の算出に必要な輝度変化が不正確な情報となるためやはり焦点検出精度が低下する。よって、リフォーカス方式の第2焦点検出では、焦点検出ラインに含まれる飽和信号の影響を抑制するために、第2の閾値を第1の閾値より小さくする必要がある。
このような観点から、本実施形態においては、リフォーカス方式の第2焦点検出の飽和ライン判定に用いる第2の閾値を、位相差検出方式の第1焦点検出の飽和ライン判定に用いる第1の閾値未満とする。
本実施形態の焦点調節動作の概略を図10に示すフローチャートを用いて説明する。
図10のS100でCPU121は、位相差検出方式による第1焦点検出により第1検出デフォーカス量(Def1)を算出する。また、CPU121は並列的に、S200で、リフォーカス方式による第2焦点検出により第2検出デフォーカス量(Def2)を算出する。
S300で、第2検出デフォーカス量(Def2)が検出された場合は、第2検出デフォーカス量(Def2)を第3検出デフォーカス量(Def3)とする。検出されなかった場合は、第1検出デフォーカス量(Def1)を第3検出デフォーカス量(Def3)とする。第3デフォーカス量(Def3)の大きさ|Def3|が所定値3より大きい場合は、S301で、第3デフォーカス量(Def3)に応じてレンズ駆動を行い、S100とS200に戻る。第3デフォーカス量(Def3)の大きさ|Def3|が所定値3以下の場合は、焦点調節動作を終了する。
なお、図10のフローチャートは第1検出デフォーカス量(Def1)と第2検出デフォーカス量(Def2)を用いた焦点調節動作の一例であり、他の方法によって焦点調節を行ってもよい。例えば、第2検出デフォーカス量(Def2)が得られていないことが分かった時点で第1検出デフォーカス量(Def1)を算出するようにしてもよい。また、第1検出デフォーカス量(Def1)でフォーカスレンズを駆動してから、その近傍において第2検出デフォーカス量(Def2)を算出してもよい。
本実施形態によれば、焦点検出信号の相関量に基づくデフォーカス量とコントラスト評価値に基づくデフォーカス量とを算出する焦点検出装置において、焦点検出信号に含まれる飽和信号の割合を求める。そして、飽和信号の割合が閾値以上の場合には、相関量やコントラスト評価値を求めないようにするとともに、閾値の大きさをコントラスト評価方式用と位相差検出方式用とで異ならせる。より具体的には、位相差検出方式用の閾値を、コントラスト検出方式用の閾値より大きくする(位相差検出方式用の閾値より、コントラスト検出方式用の閾値を小さくする)。これにより、焦点検出信号に飽和信号が含まれる場合であっても、位相差検出方式ならびにコントラスト検出方式で高精度な焦点検出が可能となる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、位相差検出方式とコントラスト検出方式の両方を実施可能な焦点検出装置に本発明を適用した構成を説明した。しかし、飽和画素を考慮することで焦点検出精度の低下を抑制するという効果は、一方の方式での焦点検出を行う焦点検出装置においても実現できる。従って、位相差検出方式とコントラスト検出方式の両方を実施することは必須でない。また、コントラスト検出方式の焦点検出をリフォーカス方式で行わない場合でも本発明は適用可能である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
100…カメラ、101…第1レンズ群、102…シャッタ、103…第2レンズ群、105…第3レンズ群、106…光学ローパスフィルタ、107…撮像素子、111…ズームアクチュエータ、112…シャッタアクチュエータ、114…フォーカスアクチュエータ、115…フラッシュ、116…補助光出力部

Claims (14)

  1. 予め定められた複数の画素ラインのそれぞれについて、結像光学系の第1瞳部分領域を通過する光束に基づく第1の信号と、前記第1瞳部分領域と異なる第2瞳部分領域を通過する光束に基づく第2の信号とのいずれかに含まれる、飽和信号の割合が第1の閾値を超えない画素ラインについて得られる、前記第1の信号と前記第2の信号との相関量に基づく第1のデフォーカス量を算出する第1算出手段と、
    前記予め定められた複数の画素ラインのうち、前記第1の信号もしくは前記第2の信号に含まれる飽和信号の割合が第2の閾値を超えない画素ラインについて得られる、前記第1の信号と前記第2の信号から算出したコントラスト評価値に基づく第2のデフォーカス量を算出する第2算出手段と、を有し、
    前記第2の閾値が、前記第1の閾値よりも小さいことを特徴とする焦点検出装置。
  2. 予め定められた複数の画素ラインのそれぞれについて、結像光学系の第1瞳部分領域を通過する光束に基づく第1の信号と、前記第1瞳部分領域と異なる第2瞳部分領域を通過する光束に基づく第2の信号とのいずれかに含まれる、予め定められたレベル以上の信号の割合が第1の閾値を超えない画素ラインについて得られる、前記第1の信号と前記第2の信号との相関量に基づく第1のデフォーカス量を算出する第1算出手段と、
    前記予め定められた複数の画素ラインのうち、前記第1の信号もしくは前記第2の信号に含まれる、予め定められたレベル以上のレベルを有する信号の割合が第2の閾値を超えない画素ラインについて得られる、前記第1の信号と前記第2の信号から算出したコントラスト評価値に基づく第2のデフォーカス量を算出する第2算出手段と、を有し、
    前記第2の閾値が、前記第1の閾値よりも小さいことを特徴とする焦点検出装置。
  3. 前記第1の算出手段は、飽和信号と非飽和信号との境界部分から前記相関量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の焦点検出装置。
  4. 前記コントラスト評価値が、前記第1の信号と前記第2の信号との加算信号に基づいて算出されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の焦点検出装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の焦点検出装置と、
    前記第1のデフォーカス量または前記第2のデフォーカス量に基づいて前記結像光学系の焦点調節を行う焦点調節手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
  6. 撮像素子と、
    前記撮像素子の画素ラインごとに前記第1の信号および前記第2の信号を生成する生成手段と、をさらに有することを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
  7. 結像光学系の第1瞳部分領域を通過する光束に基づく第1の信号と、前記第1瞳部分領域と異なる第2瞳部分領域を通過する光束に基づく第2の信号とを、複数の画素を有する画素ラインごとに生成する生成手段と、
    前記画素ラインのうち、前記第1の信号もしくは前記第2の信号に含まれる飽和信号の割合が閾値を超えない画素ラインについて得られる評価値に基づくデフォーカス量を算出する算出手段と、を有することを特徴とする焦点検出装置。
  8. 前記算出手段は、前記第1の信号もしくは前記第2の信号に飽和信号が含まれる画素ラインについては、前記デフォーカス量を算出しないことを特徴とする請求項7に記載の焦点検出装置。
  9. 前記評価値が、前記第1の信号と前記第2の信号との加算信号に基づいて算出されるコントラスト評価値であることを特徴とする請求項7または8に記載の焦点検出装置。
  10. 請求項7から9のいずれか1項に記載の焦点検出装置と、
    前記デフォーカス量に基づいて前記結像光学系の焦点調節を行う焦点調節手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
  11. 撮像素子と、
    前記撮像素子の画素ラインごとに前記第1の信号および前記第2の信号を生成する生成手段と、をさらに有することを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
  12. 焦点検出装置の制御方法であって、
    第1算出手段が、予め定められた複数の画素ラインのそれぞれについて、結像光学系の第1瞳部分領域を通過する光束に基づく第1の信号と、前記第1瞳部分領域と異なる第2瞳部分領域を通過する光束に基づく第2の信号とのいずれかに含まれる、飽和信号の割合が第1の閾値を超えない画素ラインについて得られる、前記第1の信号と前記第2の信号との相関量に基づく第1のデフォーカス量を算出する第1算出工程と、
    第2算出手段が、前記予め定められた複数の画素ラインのうち、前記第1の信号もしくは前記第2の信号に含まれる飽和信号の割合が第2の閾値を超えない画素ラインについて得られる、前記第1の信号と前記第2の信号から算出したコントラスト評価値に基づく第2のデフォーカス量を算出する第2算出工程と、を有し、
    前記第2の閾値が、前記第1の閾値よりも小さいことを特徴とする焦点検出装置の制御方法。
  13. 焦点検出装置の制御方法であって、
    第1算出手段が、予め定められた複数の画素ラインのそれぞれについて、結像光学系の第1瞳部分領域を通過する光束に基づく第1の信号と、前記第1瞳部分領域と異なる第2瞳部分領域を通過する光束に基づく第2の信号とのいずれかに含まれる、予め定められたレベル以上の信号の割合が第1の閾値を超えない画素ラインについて得られる、前記第1の信号と前記第2の信号との相関量に基づく第1のデフォーカス量を算出する第1算出工程と、
    第2算出手段が、前記予め定められた複数の画素ラインのうち、前記第1の信号もしくは前記第2の信号に含まれる、予め定められたレベル以上のレベルを有する信号の割合が第2の閾値を超えない画素ラインについて得られる、前記第1の信号と前記第2の信号から算出したコントラスト評価値に基づく第2のデフォーカス量を算出する第2算出工程と、を有し、
    前記第2の閾値が、前記第1の閾値よりも小さいことを特徴とする焦点検出装置の制御方法。
  14. 焦点検出装置の制御方法であって、
    生成手段が、結像光学系の第1瞳部分領域を通過する光束に基づく第1の信号と、前記第1瞳部分領域と異なる第2瞳部分領域を通過する光束に基づく第2の信号とを、複数の画素を有する画素ラインごとに生成する生成工程と、
    第1算出手段が、前記画素ラインのうち、前記第1の信号もしくは前記第2の信号に含まれる飽和信号の割合が閾値を超えない画素ラインについて得られる、前記第1の信号と前記第2の信号から算出したコントラスト評価値に基づくデフォーカス量を算出する算出工程と、を有することを特徴とする焦点検出装置の制御方法。
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