JP2020056558A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換性能を安定して発揮可能な熱交換器を提供する。【解決手段】熱交換器1は、内部に熱媒体が流れる流路16、26が形成されているセラミック製のコア部10と、コア部10と外部配管とを接続するための流体インターフェース99とを備えている。コア部10は、熱媒体の流れる流路16、26を形成している壁部と、壁部よりも厚さの大きな補強壁部17、27、28とを備えている。流体インターフェース99は、補強壁部17、27、28に取り付けられている。このため、流体インターフェース99とコア部10との接続面を、壁部よりも強度が高く変形しにくい補強壁部17、27、28によって提供できる。したがって、コア部10から流体インターフェース99が外れてしまうなどの不具合を抑制できる。よって、熱交換性能を安定して発揮可能な熱交換器を得ることができる。【選択図】図1
Description
この明細書における開示は、熱交換器に関する。
特許文献1は、セラミック製の交差流式熱交換器を開示している。一般的にセラミック材料は、耐熱性、耐食性、耐摩耗性および絶縁性などの性能において金属材料に比べて優れている。このため、セラミック製の熱交換器は、金属製の熱交換器を使用しにくい高腐食環境下をはじめとして、様々な用途で有効に利用可能である。従来技術として挙げられた先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
熱交換器に対する熱交換流体の流し方は、高い熱交換性能を安定して発揮するために非常に重要な要素である。しかしながら、特許文献1には、熱交換器と外部配管とを接続するインターフェースの部分に関する開示がされておらず、セラミック製の熱交換器に対して適切に外部配管を接続する方法が明らかでない。また、一般的にセラミック材料は、金属材料に比べて割れやすく、熱交換器の製造時や使用時に熱交換器の適切な形状を安定して維持することが困難である。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、熱交換器にはさらなる改良が求められている。
開示される1つの目的は、熱交換性能を安定して発揮可能な熱交換器を提供することにある。
ここに開示された熱交換器は、内部に熱媒体が流れる流路(16、26、316)が形成されているセラミック製のコア部(10)と、コア部と外部配管とを接続するための流体インターフェース(99、299)とを備え、コア部は、熱媒体の流れる流路を形成している壁部(15、25、315)と、壁部よりも厚さの大きな補強壁部(17、27、28、317)とを備え、流体インターフェースは、補強壁部に取り付けられている。
開示された熱交換器によると、流体インターフェースは、コア部の壁部よりも厚さの大きな補強壁部に取り付けられている。このため、コア部のうち流体インターフェースが取り付けられている部分における強度を高くすることができる。したがって、セラミック製のコア部に外力が加えられた場合であっても、コア部と流体インターフェースとが適切に接続された状態を維持しやすい。よって、コア部と流体インターフェースとの間から熱媒体が漏れるといった不具合を抑制しやすい。言い換えると、熱交換性能を安定して発揮可能な熱交換器を提供できる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
熱交換器1は、複数の流体間での熱交換を行って加熱や冷却を行う熱交換装置である。熱交換器1は、例えばエンジンを搭載した自動車などの車両に搭載される車両用熱交換器である。熱交換器1は、例えば排ガスの一部をEGRガスとして吸気側に還流して再循環する排気還流システムを搭載した車両において、EGRガスを含むエンジン吸気を冷却水によって冷却するためのインタークーラとして利用可能である。熱交換器1をインタークーラとして用いた場合において、一例として吸気は、第1流体を提供し、冷却水は、第2流体を提供する。また、吸気と冷却水とは、どちらも冷熱や温熱を熱交換対象に伝える熱媒体としての機能を提供する。以下では、過給器によって圧縮され高温となった吸気を冷却するためのインタークーラとして熱交換器1を用いた場合を例に説明を行う。ただし、熱交換器1の用途は、インタークーラに限られず、熱交換を行う装置に広く適用可能である。また、熱交換器1を用いて熱交換を行う流体は、気体と液体との組み合わせに限られず、気体同士の熱交換や液体同士の熱交換に熱交換器1を用いてもよい。あるいは、複数の流体を用いるのではなく、熱媒体として冷却水のみを用いて発熱対象を直接冷却する冷却器などに熱交換器1を用いてもよい。
熱交換器1は、複数の流体間での熱交換を行って加熱や冷却を行う熱交換装置である。熱交換器1は、例えばエンジンを搭載した自動車などの車両に搭載される車両用熱交換器である。熱交換器1は、例えば排ガスの一部をEGRガスとして吸気側に還流して再循環する排気還流システムを搭載した車両において、EGRガスを含むエンジン吸気を冷却水によって冷却するためのインタークーラとして利用可能である。熱交換器1をインタークーラとして用いた場合において、一例として吸気は、第1流体を提供し、冷却水は、第2流体を提供する。また、吸気と冷却水とは、どちらも冷熱や温熱を熱交換対象に伝える熱媒体としての機能を提供する。以下では、過給器によって圧縮され高温となった吸気を冷却するためのインタークーラとして熱交換器1を用いた場合を例に説明を行う。ただし、熱交換器1の用途は、インタークーラに限られず、熱交換を行う装置に広く適用可能である。また、熱交換器1を用いて熱交換を行う流体は、気体と液体との組み合わせに限られず、気体同士の熱交換や液体同士の熱交換に熱交換器1を用いてもよい。あるいは、複数の流体を用いるのではなく、熱媒体として冷却水のみを用いて発熱対象を直接冷却する冷却器などに熱交換器1を用いてもよい。
熱交換器1は、セラミック製である。熱交換器1はなるべく高い熱交換効率が求められる。このため、熱交換器1を構成するセラミック材料としては、なるべく熱伝導率の高い高熱伝導性のセラミック材料を用いることが好ましい。セラミック材料としては、例えば、炭化ケイ素や窒化アルミニウムなどを用いることができる。セラミック材料としては、セラミック材料の中でも熱伝導率が高いことで知られる炭化ケイ素を用いることが特に好ましい。炭化ケイ素などのセラミック材料は、一般的にアルミニウムなどの金属材料に比べて耐熱性、耐食性、耐摩耗性および絶縁性が高く、熱膨張が小さいなどの性質を有している。このため、高温環境にさらされやすく、排ガスや雨水などの影響によって腐食が問題となりやすい車両に搭載される熱交換器1をセラミック製とすることは非常に有用である。ただし、熱交換器1の全体がセラミック製でなくてもよい。すなわち、耐食性が求められる部分にはセラミック材料を用い、それ以外の部分には金属材料を用いるなどして、熱交換器1全体を異なる材料を組み合わせることで構成してもよい。あるいは、熱交換器1において熱媒体と直接触れて熱伝達を行う熱伝達部を部分的にセラミック材料としてもよい。
図1において、インタークーラとして利用される場合における熱交換器1は、EGRガスを含む吸気が通過する第1コア部11と、冷却水が通過する第2コア部21とを有するコア部10を備えている。第1コア部11には、気体である吸気が流れ、第2コア部21には、液体である冷却水が流れる。すなわち、コア部10においては、気体と液体とが熱交換を行う。より具体的には、過給器によって圧縮された温度の高い吸気と、ラジエータで放熱された温度の低い冷却水とが熱交換を行い、吸気の温度が低下するとともに冷却水の温度が上昇する。ただし、第1コア部11に冷却水が流れ、第2コア部21に吸気が流れるように熱交換器1を用いてもよい。
コア部10は、第1コア部11と第2コア部21とが交互に積層されて複数層状に形成されている。コア部10において、第1コア部11と第2コア部21との積層方向の最外側には、補強板部31が設けられている。より詳細には、コア部10は、3つの第1コア部11の間に2つの第2コア部21が配置され、積層方向の最外側に補強板部31が配置された7層構造である。ただし、コア部10の構成は、上述の7層構造に限られない。また、第1コア部11と第2コア部21とが1段ずつ交互に積層されていなくてもよい。例えば、第1コア部11を連続して2段重ねた部分を備えるようにコア部10を構成してもよい。
第1コア部11は、吸気などの流体が通過可能な第1流路16を備えている。第2コア部21は、冷却水などの流体が通過可能な第2流路26を備えている。補強板部31は、流体が通過可能な流路を備えていない。コア部10において、第1流路16の体積は、第2流路26の体積よりも大きい。すなわち、同じ流速で第1流路16と第2流路26とのそれぞれの流路に流体が流れている場合、第2コア部21を通過する流体よりも、第1コア部11を通過する流体の方が多い。第1流路16は、流路を提供する。第2流路26は、流路を提供する。
第1コア部11と第2コア部21とが積層されている積層方向は、Z方向である。第1コア部11において、吸気の流れる第1流路16に平行な方向は、X方向である。第2コア部21において、冷却水の流れる第2流路26に平行な方向は、Y方向である。
熱交換器1は、コア部10と流体の流れる外部配管とを接続するための流体インターフェース99を備えている。流体インターフェース99は、タンク部150によって構成されている。タンク部150は、第1入口タンク部51と第1出口タンク部61と第2出入口タンク部71と第2中間タンク部81とを備えている。タンク部150は、半円柱状の部材であって、コア部10と対向する面に流体が流通可能な凹部を備えている。タンク部150の形状は、上述した形に限られない。熱交換器1の用途、性能、設置位置などによって適宜その形状や大きさを変更可能である。
第1入口タンク部51と第1出口タンク部61とは、第1コア部11と連通するように接続されて、第1コア部11に吸気を流通させる部材である。第1入口タンク部51は、第1入口管55を備えている。第1入口管55は、円筒状の管部材である。第1入口管55は、第1コア部11に吸気を流入するための入口として機能する。第1出口タンク部61は、第1出口管66を備えている。第1出口管66は、円筒状の管部材である。第1出口管66は、第1コア部11から吸気を流出するための出口として機能する。
第2出入口タンク部71と第2中間タンク部81とは、第2コア部21に連通するように接続されて、第2コア部21に冷却水を流通させる部材である。第2出入口タンク部71は、第2入口管75と第2出口管76とを備えている。第2入口管75と第2出口管76とは、円筒状の管部材である。第2入口管75は、第2コア部21に冷却水を流入するための入口として機能する。第2出口管76は、第2コア部21から冷却水を流出するための出口として機能する。第2出入口タンク部71は、コア部10と対向して設けられている凹部を入口側凹部と出口側凹部との2つの領域に区画している区画板74を備えている。入口側凹部は、第2入口管75と連通している。出口側凹部は、第2出口管76と連通している。
図2において、タンク部150は、直方体状のコア部10の4つの側面に対応して設けられている。第1入口タンク部51は、コア部10を介して第1出口タンク部61と正対する位置に設けられている。第1入口管55は、第1出口管66とY方向にずれた位置に設けられている。言い換えると、第1入口管55は、第1入口タンク部51の中央の位置よりも第2中間タンク部81に近い位置に設けられている。一方、第1出口管66は、第1出口タンク部61の中央の位置よりも第2出入口タンク部71に近い位置に設けられている。すなわち、第1入口管55の中心軸と第1出口管66の中心軸とは、Y方向にずれた位置関係である。
第2出入口タンク部71は、コア部10を介して第2中間タンク部81と正対する位置に設けられている。第2入口管75は、入口側凹部の略中央の位置に設けられている。第2出口管76は、出口側凹部の略中央の位置に設けられている。
熱交換器1の内部における流体の流れについて以下に説明する。吸気は、第1入口管55から第1入口タンク部51の内部に流入する。第1入口タンク部51の内部に流入した吸気は、第1入口タンク部51の凹部を広がって第1コア部11に形成されている第1流路16を流れる。吸気は、第1流路16を流れる過程で第2流路26を流れる冷却水と熱交換を行う。冷却水と熱交換を行った吸気は、第1コア部11から第1出口タンク部61に流出する。第1出口タンク部61に流出した吸気は、第1出口管66から熱交換器1の外部へと流出する。ここで、第1入口管55と第1出口管66とは、Y方向にずれた位置関係にある。このため、第1入口管55から第1出口管66までの吸気の流通経路の長さの違いを低減して、吸気を第1流路16の全体に分散して流しやすい。
冷却水は、第2入口管75から第2出入口タンク部71の内部に流入する。第2出入口タンク部71の内部に流入した冷却水は、第2出入口タンク部71の凹部のうち、入口側凹部を広がって第2コア部21に形成されている第2流路26の一部を流れる。冷却水は、第2流路26を流れる過程で第1流路16を流れる吸気と熱交換を行う。吸気と熱交換を行った冷却水は、第2コア部21から第2中間タンク部81に流れ込む。第2中間タンク部81に流れ込んだ冷却水は、第2流路26のうち、冷却水が流れてきた部分とは異なる部分を流れる。これにより、冷却水と吸気とが再び熱交換されて、冷却水の温度と吸気の温度との温度差がより小さくなる。吸気との2回目の熱交換を行った冷却水は、第2出入口タンク部71の出口側凹部に流れ込んで、第2出口管76から熱交換器1の外部へと流出する。
冷却水は、熱交換器1の内部をUターンするように流れる。このため、冷却水の流通する経路を長く確保でき、冷却水と吸気とを長い経路にわたって熱交換させることができる。さらに、吸気は、熱交換器1の内部をUターンすることなく流れる。言い換えると、熱交換器1で熱交換を行う第1流体と第2流体とは、熱交換を行う経路の長さが異なる。より詳細には、気体である吸気の熱交換を行う経路に比べて液体である冷却水の熱交換を行う経路の方が長い。
図3において、第1コア部11には、平板状の部材の内部に一方の端面から他方の端面までX方向に沿って連続して直線状に延びる第1壁部15が複数形成されている。Y方向に沿って隣り合う第1壁部15同士の間には流体が通過可能な第1流路部16aが形成されている。第1コア部11に複数形成されている第1流路部16aは、全体として第1流路16を構成している。言い換えると、第1コア部11には、平板状の部材の内部にX方向に沿って直線状に延びる貫通孔が複数形成されており、この貫通孔が第1流路部16aをなしている。第1流路部16aのYZ平面における断面形状は、矩形状である。ただし、第1流路部16aの断面形状は矩形状に限られず、三角形や円形などの形状でもよい。第1壁部15は、壁部を提供する。
第1コア部11のY方向の両端部近傍には、第1流路部16aが形成されておらず第1補強壁部17が形成されている。第1補強壁部17の厚さTw17は、第1壁部15の厚さTw15よりも大きい。すなわち、第1補強壁部17は、第1壁部15よりも強度の高い部分である。第1コア部11の厚さTc11は、第1壁部15の厚さTw15よりも大きく、第1補強壁部17の厚さTw17よりも小さい。第1補強壁部17は、補強壁部を提供する。
第1補強壁部17は、第1コア部11に対してZ方向に加えられる外力によって第1コア部11が変形することを抑制している。すなわち、厚さの小さな第1壁部15の強度では外力に耐えられず第1流路16が潰れてしまう場合であっても、厚さの大きな第1補強壁部17で大きな外力を受けることで第1流路16が潰れてしまうような変形を防止しやすい。ここで、第1コア部11における流体の流量を多く確保するためには、第1壁部15を薄くする必要がある。しかしながら、第1壁部15を薄くするほど第1壁部15における強度が低下する。このため、流量をなるべく多く確保しつつ、第1コア部11全体の強度を高めるためには、第1補強壁部17による強度の確保が非常に重要である。
第1コア部11は、粘土状のセラミック材料に圧力を加えながら金型から押し出して成形する押し出し成形などによって成形可能である。押し出し成形の場合には、成形品である第1コア部11の断面形状が同一形状となるため、加圧成形に比べて形状の自由度は低いが、成形品を連続して成形可能である。したがって、第1コア部11の製造性を高めやすい。ただし、第1コア部11の成形方法は押し出し成形に限られない。
図4において、第2コア部21には、平板状の部材の内部に一方の端面から他方の端面までY方向に沿って連続して直線状に延びる第2壁部25が複数形成されている。X方向に沿って隣り合う第2壁部25同士の間には、流体が通過可能な第2流路部26aが形成されている。第2コア部21に複数形成されている第2流路部26aは、全体として第2流路26を構成している。言い換えると、第2コア部21には、平板状の部材の内部にY方向に沿って直線状に延びる貫通孔が複数形成されており、この貫通孔が第2流路部26aをなしている。第2流路部26aのXZ平面における断面形状は、矩形状である。ただし、第2流路部26aの断面形状は矩形状に限られず、三角形や円形などの形状でもよい。第2壁部25は、壁部を提供する。
第2コア部21のX方向の両端部近傍には、第2流路部26aが形成されておらず第2補強壁部27が形成されている。第2コア部21のX方向の中央には、第2流路部26aが形成されておらず区画補強壁部28が形成されている。第2補強壁部27の厚さTw27は、第2壁部25の厚さTw25よりも大きい。すなわち、第2補強壁部27は、第2壁部25よりも強度の高い部分である。区画補強壁部28の厚さTw28は、第2補強壁部27の厚さTw27よりも大きい。すなわち、区画補強壁部28は、第2補強壁部27よりも強度の高い部分である。第2コア部21の厚さTc21は、第2壁部25の厚さTw25よりも大きく、第2補強壁部27の厚さTw27および区画補強壁部28の厚さTw28よりも小さい。第2補強壁部27は、補強壁部を提供する。区画補強壁部28は、補強壁部を提供する。
第2補強壁部27と区画補強壁部28とは、第2コア部21に対してZ方向に加えられる外力によって第2コア部21が変形することを抑制している。すなわち、厚さの小さな第2壁部25の強度では外力に耐えられず第2流路26が潰れてしまう場合であっても、厚さの大きな第2補強壁部27と区画補強壁部28とで大きな外力を受けることで第2流路26が潰れてしまうような変形を防止しやすい。ここで、第2コア部21における流体の流量を多く確保するためには、第2壁部25を薄くする必要がある。しかしながら、第2壁部25を薄くするほど第2壁部25における強度が低下する。このため、流量をなるべく多く確保しつつ、第2コア部21全体の強度を高めるためには、第2補強壁部27と区画補強壁部28とによる強度の確保が非常に重要である。
第2コア部21は、粘土状のセラミック材料に圧力を加えながら金型から押し出して成形する押し出し成形などによって成形可能である。押し出し成形の場合には、成形品である第2コア部21の断面形状が同一形状となるため、加圧成形に比べて形状の自由度は低いが、成形品を連続して成形可能である。したがって、第2コア部21の製造性を高めやすい。ただし、第2コア部21の成形方法は押し出し成形に限られない。
図5は、コア部10に対してタンク部150が正規の位置に取り付けられている状態における各部材の位置関係を示している。第1入口タンク部51は、第1入口タンク部51とコア部10とが対向する面において、コア部10と第1入口タンク部51とを接触固定している接続面を備えている。接続面は、第1入口タンク部51の外縁に沿っている矩形環状である。
第1入口タンク部51の接続面は、第1コア部11と第2コア部21と補強板部31との3つの部材と接触している。第1入口タンク部51の接続面は、コア部10における第1補強壁部17および補強板部31に対向している。言い換えると、第1入口タンク部51の接続面は、少なくとも第1壁部15および第1流路部16aを避けた位置に設けられている。したがって、第1入口タンク部51の接続面の全体がコア部10と隙間なく接触している状態である。
また、第1入口タンク部51と同様に第1出口タンク部61の接続面もコア部10における第1補強壁部17および補強板部31に対向している。すなわち、第1入口タンク部51の接続面と第1出口タンク部61の接続面とは、少なくとも第1補強壁部17および補強板部31を介して正対している。このため、第1入口タンク部51をコア部10に近づく方向に押し付けるように外力を加えた場合、第1出口タンク部61をコア部10に近づける方向に押し付けるように外力を加えることで、外力同士を打ち消して弱めることができる。
図6は、コア部10に対してタンク部150が正規の位置に取り付けられている状態における各部材の位置関係を示している。第2出入口タンク部71は、第2出入口タンク部71とコア部10とが対向する面において、コア部10と第2出入口タンク部71とを接触固定している接続面を備えている。接続面は、第2出入口タンク部71の外縁に沿っている矩形環状の部分と、区画板74におけるコア部10との対向面の部分とを備えている。
第2出入口タンク部71の接続面は、第1コア部11と第2コア部21と補強板部31との3つの部材と接触している。第2出入口タンク部71の接続面は、コア部10における第2補強壁部27、区画補強壁部28および補強板部31に対向している。言い換えると、第2出入口タンク部71の接続面は、少なくとも第2壁部25および第2流路部26aを避けた位置に設けられている。したがって、第2出入口タンク部71の接続面の全体がコア部10と隙間なく接触している状態である。
また、第2中間タンク部81の接続面は、コア部10における第2補強壁部27および補強板部31に対向している。すなわち、第2出入口タンク部71の接続面と第2中間タンク部81の接続面とは、少なくとも第2補強壁部27および補強板部31を介して正対している。ただし、第2中間タンク部81の接続面には、第2出入口タンク部71における区画補強壁部28との接続面に相当する面がない。
熱交換器1の製造方法の一例について以下に説明を行う。まず、第1コア部11と第2コア部21と補強板部31をZ方向に交互に重ねて配置することでコア部10を構成する。次に、タンク部150の接続面をコア部10の適切な位置に配置してコア部10とタンク部150とを接触させる。ここで、第1コア部11と第2コア部21とのつなぎ目の部分において凹凸が大きい部分が存在する場合には、研磨などの方法によって表面を滑らかにしてからコア部10とタンク部150とを接触させることが好ましい。コア部10に対してタンク部150が配置された段階においては、コア部10とタンク部150とは、粉末のセラミック材がバインダや水によって保持された粘土状の材料によって構成されている。このため、第1コア部11と第2コア部21と補強板部31との間やコア部10とタンク部150との間などに意図しない隙間が生じている場合などには、その隙間を埋めるように粘土状のセラミック材料を配することが好ましい。
粘土状のセラミック材料で構成されている熱交換器1の形を整えた後、熱交換器1を焼成する。粘土状の熱交換器1は、焼成されることで水分などが除去される。これによりコア部10とタンク部150とが一体に結合されるとともに、焼成前に比べて強度の高い状態となる。ただし、焼成によって熱交換器1を構成する各部品が収縮するため、焼成前に比べて熱交換器1の体積が小さくなる。
焼成後、熱交換器1に気孔が生じている場合には、気孔にシリコンを含浸させて気孔をシリコンで埋めるようにしてもよい。熱交換器1の気孔をシリコンで埋めることで、熱交換器1の内部を流れる流体が気孔を通じて熱交換器1の外部に漏れだすことを抑制できる。
コア部10とタンク部150とを全て同時に一体化するように製造しなくてもよい。例えば、コア部10のみを焼成した後に、タンク部150を取り付けるように再度焼成して熱交換器1を製造するようにしてもよい。タンク部150を樹脂材料や金属材料などで構成する場合には、焼成したコア部10に対してタンク部150を接着剤で接着固定するなどして熱交換器1を製造してもよい。
上述した実施形態によると、第1入口タンク部51は、第1補強壁部17と接触してコア部10に取り付けられている。第1出口タンク部61は、第1補強壁部17と接触してコア部10に取り付けられている。第2出入口タンク部71は、第2補強壁部27および区画補強壁部28に接触してコア部10に取り付けられている。第2中間タンク部81は、第2補強壁部27に接触してコア部10に取り付けられている。言い換えると、流体インターフェース99をなすタンク部150は、補強壁部17、27、28に取り付けられている。このため、コア部10を積層方向であるZ方向に変形させようとする力が加えられた場合であっても、タンク部150とコア部10とが接触している接続部分においては変形が引き起こされにくい。したがって、コア部10に対してタンク部150が適切に接続されている状態を維持しやすい。よって、熱交換器1においてコア部10とタンク部150との間から流体が漏れるなどといった不具合が引き起こされることを防止しやすい。言い換えると、安定して熱交換性能を発揮可能な熱交換器1を提供できる。熱交換器1を車両に搭載した場合には、車両の走行時の振動などが外力として熱交換器1に加えられる。このため、コア部10に対してタンク部150が適切に接続されている状態を維持しやすいことは、熱交換器1を車両に搭載する場合に非常に有用である。
第1補強壁部17は、第1壁部15の並び方向における最外側に設けられている。このため、第1コア部11が第1壁部15の並び方向の外側から外力を加えられた場合であっても、外力を第1壁部15に比べて強度の高い第1補強壁部17で受けることができる。したがって、第1コア部11が外力によって破壊されにくい。よって、外力による第1コア部11の部分的な破壊によって熱交換器1の内部と外部とが連通してしまうことを防いで、熱交換器1の外部に流体が漏出することを防ぎやすい。また、第2補強壁部27は、第2壁部25の並び方向における最外側に設けられている。このため、第1補強壁部17と同様、第2コア部21の破壊を防いで熱交換器1の外部への流体の漏出を抑制することができる。
コア部10は、第1コア部11と第2コア部21とが積層されて形成されている。このため、第1コア部11を流れる吸気と第2コア部21を流れる冷却水との熱交換可能な面積を大きく確保しやすい。すなわち、吸気の流れる流路の周囲に冷却水を流して吸気と冷却水とを熱交換するような熱交換装置に比べて、熱交換効率を高めやすい。熱交換器1を車両に搭載する場合には、車両内の限られたスペースに熱交換器1を配置する必要がある。このため、熱交換器1における熱交換効率が高く小型化可能であることは、熱交換器1を車両に搭載する場合に非常に有用である。
コア部10は、第1コア部11と第2コア部21との積層方向の最外側に補強板部31を備えている。ここで、補強板部31は、第1コア部11や第2コア部21よりも強度が高く変形しにくい。このため、積層方向に外力が加えられた場合であっても、補強板部31で外力の衝撃を吸収することができる。したがって、コア部10における強度の低い第1壁部15や第2壁部25を保護しやすい。ここで、補強板部31の内側を厚さ方向にくり抜くなどして部分的に空洞部分を有する構成としてもよい。補強板部31に必要に応じて空洞部分を形成することで、空洞部分を形成しない場合に比べて補強板部31を軽量化することができる。また、補強板部31を完全にくり抜くのではなく、一部分厚さを薄くすることで軽量化してもよい。
タンク部150は、補強壁部17、27、28に接触して取り付けられている。このため、タンク部150と補強壁部17、27、28との間に別の部材を介在させる場合に比べて、部品点数を削減できる。このため、熱交換器1を小型化しやすい。
第1入口管55は、コア部10を介して第1出口管66と正対する位置よりもY方向にずれた位置に配されている。このため、第1入口管55から流入した吸気が第1出口管66に流れる際の経路をY方向に分散させやすい。言い換えると、第1入口管55や第1出口管66から近い位置の第1流路部16aに偏って吸気が流れてしまい、第1入口管55や第1出口管66から離れた位置の第1流路部16aに吸気がほとんど流れないといった事態を抑制できる。したがって、コア部10全体で略均一に熱交換を行いやすい。よって、熱交換器1の熱交換効率を高めやすい。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、コア部10とタンク部150とを接続するための接続枠部290を備えている。
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、コア部10とタンク部150とを接続するための接続枠部290を備えている。
図7において、直方体のコア部10の4つの側面に対応して接続枠部290が設けられている。接続枠部290は、流体インターフェース299の一部をなしている。言い換えると、流体インターフェース299は、タンク部150と接続枠部290によって構成されている。
接続枠部290は、第1入口接続枠部252と第1出口接続枠部262と第2出入口接続枠部272と第2中間接続枠部282とを備えている。第1入口接続枠部252と第1出口接続枠部262と第2中間接続枠部282とは、矩形の角筒状の部材である。第2出入口接続枠部272は、矩形の角筒状の部材であって、中央にZ方向に沿って延びる区画枠部273を備えている。区画枠部273は、第2出入口接続枠部272で囲われる領域を2つの領域に区画している。第1入口接続枠部252と第1出口接続枠部262とは、第2出入口接続枠部272と第2中間接続枠部282とよりも厚さが厚い部材である。言い換えると、接続枠部290は、設置位置によってコア部10との対向面から反対側の端面までの大きさが異なる。
区画枠部273は、区画補強壁部28と接触している。接続枠部290においてX方向またはY方向に沿って延びる部分は、補強板部31と接触している。接続枠部290においてZ方向に沿って延びる部分は、第1補強壁部17または第2補強壁部27と接触している。コア部10と接続枠部290とは、互いに隙間なく接した状態であって、コア部10と接続枠部290との間からの熱媒体の流出が引き起こされないように構成されている。
図8において、タンク部150は、接続枠部290と接触している。タンク部150と接続枠部290とは、互いに隙間なく接した状態であって、タンク部150と接続枠部290との間からの熱媒体の漏出が引き起こされないように構成されている。
タンク部150のZ方向の大きさは、コア部10のZ方向の大きさよりも大きい。言い換えると、熱交換器1において、タンク部150は、コア部10よりもZ方向に突出しており、コア部10とタンク部150とにより段差が形成されている。
図9において第1入口タンク部51は、第1入口接続枠部252をくわえ込んだ状態でコア部10に接続されている。言い換えると、第1入口タンク部51の内周面は、第1入口接続枠部252の外周面と接触している。
くわえ込みによる流体インターフェース299の固定方法について、接続枠部290をセラミック材料である炭化ケイ素製とし、タンク部150を金属材料であるアルミニウム製とした場合を例に以下に説明する。タンク部150の内周面および/または接続枠部290の外周面にセラミック材料と金属材料とをろう付けするためのろう材を配置する。その後、タンク部150を接続枠部290に対してくわえ込ませることで仮固定を行う。この仮固定の時点では、接続枠部290の外周面とタンク部150の内周面との間に溶け出す前のろう材が配置されている状態である。
仮固定された状態の熱交換器1をろう材が溶け出す温度まで加熱する。これにより溶け出したろう材がタンク部150と接続枠部290との間に広がる。その後、徐々に温度を下げていき、ろう材が冷えて固まることでタンク部150と接続枠部290とがろう付けによって接着固定される。
ここで、セラミック材料と金属材料とでは、温度変化による伸縮の大きさが大きく異なる場合がある。温度の変化に対応して長さが変化する割合を示す線膨張率で比較すると、金属材料であるアルミニウムの線膨張率は23×10−6/℃程度であり、セラミック材料である炭化ケイ素の線膨張率は4〜5×10−6/℃程度である。すなわち、金属材料であるアルミニウムに比べて、セラミック材料である炭化ケイ素の方が、温度変化に対して長さが変化しにくい。このため、タンク部150をアルミニウム製とし、接続枠部290を炭化ケイ素製とした場合には、タンク部150の方が接続枠部290よりも温度変化によって長さが変化しやすい。すなわち、接続枠部290よりもタンク部150の方が温度変化による伸縮が大きく表れやすい。
ろう付けにおいて、ろう材が溶ける温度まで温度を上昇させた場合には、タンク部150が接続枠部290よりも大きく伸びることとなる。この状態では、タンク部150と接続枠部290とが離れて隙間ができやすい。したがって、タンク部150の内周面と接続枠部290の外周面との間に生じた隙間をろう材が広がりやすい。
ろう材が固まり始める温度まで温度を低下させた場合には、タンク部150が接続枠部290よりも大きく縮むこととなる。この状態では、タンク部150と接続枠部290とが近づきやすく、タンク部150の内周面と接続枠部290の外周面との間の空間が狭くなる。このため、タンク部150の内周面と接続枠部290の外周面との間において、ろう材が不足してしまうことを防ぎやすい。すなわち、ろう付け部分にボイドが発生することを抑制しやすい。ろう材が完全に固まる温度まで温度を低下させた場合には、タンク部150の内周面が接続枠部290の外周面にさらに近づく方向に縮む。これにより収縮の大きなアルミニウム製のタンク部150が収縮の小さな炭化ケイ素製の接続枠部290を外側から内側に押すようにしてくわえ込む縛り嵌めの状態となる。したがって、接続枠部290とタンク部150とが強固に嵌合された状態となる。
上述した実施形態によると、タンク部150は、接続枠部290を介して補強壁部17、27、28に取り付けられている。このため、コア部10とタンク部150との対向面の大きさや形状が異なる場合であっても、接続枠部290の形状を変更することでコア部10における強度が高く変形しにくい部分とタンク部150とを適切に接続することができる。したがって、様々な用途の熱交換器1に対して同一形状のコア部10や流体インターフェース299を適用しやすい。
タンク部150は、接続枠部290よりも線膨張率の大きな材料を用いて構成され、タンク部150の内周面は、接続枠部290の外周面と接触している。このため、タンク部150と接続枠部290とをろう付けなどの大きな温度変化を伴う方法で接続した場合に、タンク部150と接続枠部290とを縛り嵌めの状態にできる。したがって、タンク部150と接続枠部290とを強固に接続しやすい。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、第1コア部311の第1壁部315がオフセット配置されている。
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、第1コア部311の第1壁部315がオフセット配置されている。
図10は、第1コア部311における第1壁部315の配置を示す構成図である。第1壁部315の配置を示すため、第1コア部311の上面をなす板部材を省略して図示している。
第1コア部311は、矩形の板状部と第1壁部315と第1補強壁部317とを備えている。第1壁部315は、板状部の上面から突出して設けられている。言い換えると、第1壁部315は、板状部と連続して一体に形成されている。第1壁部315は、吸気の流れをガイドするフィン部材である。第1壁部315は、Y方向とZ方向とに平行な面であるYZ平面と平行な面を有する平板状である。第1壁部315は、板状部の上面において複数設けられている。複数の第1壁部315は、Y方向に等間隔に並んで壁列を形成している。壁列は、X方向に複数並んで設けられている。X方向に隣り合う壁列同士は、Y方向にオフセット配置されている。すなわち、第1壁部315は、板状部上に互い違いに千鳥状にオフセット配置されている。言い換えると、第1壁部315は、X方向に沿って不連続な直線状に配置されている。奇数列の壁列と偶数列の壁列とはY方向にオフセットされているが、奇数列のフィン列同士や偶数列のフィン列同士は、Y方向にオフセットされていない。第1壁部315は、壁部を提供する。
第1補強壁部317は、Y方向に並んでいる第1壁部315よりもY方向の外側に設けられている。第1補強壁部317は、第1コア部311における側面をなしている。第1補強壁部317のY方向の厚さは、第1壁部315のY方向の厚さよりも大きい。すなわち、第1補強壁部317の強度は、第1壁部315の強度よりも高い。第1補強壁部317は、補強壁部を提供する。
第1壁部315同士の間には、第1流路部316aが形成されている。複数の第1流路部316aは、全体として第1流路316を形成している。第1流路316は、流路を提供する。
熱交換が行われる熱媒体として機能する流体は、伝熱面からの距離が近いほど積極的に熱交換が行われる。このため、流体と伝熱面との温度差が小さくなりやすい。一方、伝熱面からの距離が遠い流体は、伝熱面との熱交換が行われにくい。このため、流体と伝熱面との温度差が大きい状態が維持されやすい。また、熱交換において流体と伝熱面との温度差が大きいほど、伝熱量を大きくしやすく、熱交換効率を高めやすい。
流体が層流のような乱れの小さい状態で流れる場合には、流体と伝熱面との距離が変化しにくい。すなわち、伝熱面から近い位置を流れる流体は、伝熱面との熱交換によって伝熱面との温度差が小さくなった後も、伝熱面から近い位置を流れる状態が維持されやすい。一方、伝熱面から遠い位置を流れる流体は、伝熱面との熱交換が行われにくく伝熱面との温度差が大きいまま伝熱面から遠い位置を流れる状態が維持されやすい。したがって、伝熱面からの距離が離れるほど伝熱面との温度差がつきやすく、流体の温度分布が不均一になりやすい。よって、流体全体としての温度が伝熱面の温度に近づきにくく、高い熱交換効率を実現しにくい。
流体が乱流のような乱れの大きい状態で流れる場合には、流体と伝熱面との距離が変化しやすい。すなわち、伝熱面から近い位置を流れる流体は、伝熱面との熱交換によって伝熱面との温度差の小さくなった後に、伝熱面から離れて伝熱面から遠い位置を流れやすい。一方、伝熱面から遠い位置を流れる流体は、伝熱面から近い位置に移動しやすい。したがって、伝熱面から遠い位置を流れた流体が伝熱面に近づいて伝熱面と熱交換を行いやすく、伝熱面からの距離によらず流体の温度分布が均一になりやすい。よって、流体全体としての温度が伝熱面の温度に近づきやすく、高い熱交換効率を実現しやすい。
X方向に流れる吸気は、第1壁部315におけるX方向の端部と衝突して流れに乱れが生じる。言い換えると、第1コア部311と熱交換を完了した吸気が第1コア部311の表面に沿って真っすぐに流れるのではなく、第1コア部311の表面から離れるように移動しやすい。このため、上述のように吸気全体の温度を第1コア部311の表面からの距離によらず一様にして、第1コア部311と吸気との熱交換効率を高めることができる。第1壁部315は、流体の流れに乱れを生じさせる乱流生成部として機能する。
上述した実施形態によると、複数の第1壁部315は、第1流路316における吸気の流れ方向について千鳥状にオフセット配置されている。このため、第1流路316を流れる吸気を第1壁部315の上流側端部と衝突させて吸気の流れに乱れを生じさせることができる。したがって、第1流路316の内部において吸気を不規則な流れである乱流の状態で流すことができる。よって、規則的な流れである層流の状態で吸気を流す場合に比べて、熱交換効率を高めやすい。
他の実施形態
熱交換器1は、エンジンの吸気を冷却するインタークーラとして用いることができる。ここで、エンジンの過給吸気を温度の異なる2種類の冷却水を用いて冷却する2温式水冷インタークーラにおいては、冷却水における防錆材の機能が損なわれやすい高温水を用いることとなる。このため、防錆材に頼ることなく高い防腐性能を発揮可能なセラミック製の熱交換器1を2温式水冷インタークーラに適用することは、非常に有用である。この場合、吸気と接触する熱伝達部だけでなく、高温水と接触する熱伝達部をセラミック材料とすることが好ましい。すなわち、熱交換器1全体をセラミック材料で構成することが特に好ましい。
熱交換器1は、エンジンの吸気を冷却するインタークーラとして用いることができる。ここで、エンジンの過給吸気を温度の異なる2種類の冷却水を用いて冷却する2温式水冷インタークーラにおいては、冷却水における防錆材の機能が損なわれやすい高温水を用いることとなる。このため、防錆材に頼ることなく高い防腐性能を発揮可能なセラミック製の熱交換器1を2温式水冷インタークーラに適用することは、非常に有用である。この場合、吸気と接触する熱伝達部だけでなく、高温水と接触する熱伝達部をセラミック材料とすることが好ましい。すなわち、熱交換器1全体をセラミック材料で構成することが特に好ましい。
また、ディーゼル車においては、排ガス浄化装置である尿素噴霧装置の搭載により、排ガス内にアンモニアが発生する。このため、排気還流システムを搭載したディーゼル車においては、EGRガスに含まれるアンモニアに対する耐食性を有するインタークーラが求められる。したがって、排ガス及びアンモニアに対する耐性が金属材料よりも高いセラミック材料を用いてインタークーラを構成することは、非常に有用である。
上述した熱交換器1の用途は、インタークーラに限られない。例えば、排気還流システムを搭載した車両において、EGRガスと冷却水との熱交換を行うEGRクーラに利用可能である。この場合、セラミック材料は、EGRガスによる腐食への耐性がアルミなどの金属材料に比べて高いため、腐食による不具合の発生を防止しやすい。言い換えると、セラミックに比べて排ガスによって腐食しやすいアルミなどの材料を用いてEGRクーラを構成する場合に必要であった防腐処理を行う必要がない。したがって、簡単な構成で腐食耐性の高いEGRクーラを提供できる。この場合、EGRガスと接触する熱伝達部をセラミック材料で構成することが特に好ましい。
熱交換器1を車両用空調装置における蒸発器や凝縮器として用いてもよい。特に、熱交換器1を蒸発器として用いる場合には、蒸発器が低温になることで蒸発器の外表面に凝縮水が発生することがある。この凝縮水は、蒸発器の金属部分や樹脂部分を腐食する原因となりうるため、耐食性の高いセラミック材料を用いることにより簡単な構成で耐食性の高い蒸発器を提供できる。また、熱交換器1を凝縮器として用いる場合には、凝縮器が雨風にさらされることで凝縮器の外表面に雨水や塩水などが付着することがある。雨水などは、凝縮器の金属部分や樹脂部分を腐食する原因となりうる。このため、耐食性の高いセラミック材を用いることにより簡単な構成で腐食耐性の高い凝縮器を提供できる。また、熱交換器1を蒸発器や凝縮器として使用する場合において、熱媒体の流れる流路にはタンク部150を備え、空気の流れる流路にはタンク部150を備えない構成としてもよい。これは、熱媒体は熱交換器1の外部に漏れ出すことを抑制する必要性があるのに対し、空気は熱交換器1の外部に漏れ出すことを抑制する必要がないためである。
熱交換器1を発熱部品であるインバータを冷却するインバータ冷却器として用いてもよい。特に、セラミック製のパワーカードを用いたインバータにおいては、冷却対象であるパワーカードとセラミック製の熱交換器1とを直接結合させることにより、安価で高熱交換効率なインバータ冷却器を提供できる。この場合、発熱部品であるパワーカードと接触する熱伝達部をセラミック材料で構成することが特に好ましい。
熱交換器1を電気自動車やハイブリッド車などに搭載される高電圧の電池を冷却する電池冷却器として用いてもよい。電池冷却器を含む電池の周辺構成においては、感電防止の機能が要求されている。このため、絶縁性の高いセラミック製の熱交換器1は、絶縁性の低い金属製の熱交換装置に比べて感電などによる不具合の発生を簡単な構成で防止しやすい。
熱交換器1を燃料電池自動車に搭載される燃料電池を冷却する燃料電池冷却器として用いてもよい。金属製の燃料電池冷却器の場合には、燃料電池を冷却する冷却水にろう付け用のフラックスや腐食生成物によりイオンが溶け込んでしまうことがある。このため、冷却水の絶縁性を確保するためにイオン交換器などを用いて冷却水中のイオンを処理する必要があった。しかし、セラミック製の燃料電池冷却器の場合には、フラックスや腐食生成物によりイオンが冷却水に溶け込むことを防止できる。このため、イオン交換器を省略したり、イオン交換器のサイズを小さくしたりすることで燃料電池冷却器全体のサイズを小型化しやすい。この場合、冷却水と接触する熱伝達部をセラミック材料で構成することが好ましい。
熱交換器1全体をセラミック材料で構成しなくてもよい。すなわち、熱交換器1をセラミック材料とセラミック以外の材料である金属材料や樹脂材料などとを組み合わせて構成してもよい。例えば、排ガスが通過する第1コア部11をセラミック製、冷却水が通過する第2コア部21を金属製とするなどして、異なる材料でコア部10を構成してもよい。これによると、高い耐食性が要求される部分にはセラミック材料を用い、それほど高い耐食性が要求されない部分にはセラミック材料よりも製造性がよく熱伝導率の高い材料を用いるなどして、材料の使い分けを行うことができる。したがって、熱交換器1の用途に応じて最適な材料で熱交換器1を構成することで、熱交換器1の熱交換効率が高い状態を安定して維持しやすい。また、コア部10を構成している第1コア部11をセラミック材料とセラミック以外の材料を組み合わせて作るなどしてもよい。例えば、第1コア部11としてセラミック製の角筒部材に金属製のインナーフィンを挿入するなどして第1コア部11を構成してもよい。
コア部10において、補強板部31を第1コア部11と連続する同一の部材としてもよい。すなわち、第1コア部11において、補強板部31に相当するように第1流路16が設けられていない部分を設けてもよい。これによると、補強板部31を別途設ける必要がないため、熱交換器1の製造時に補強板部31が第1コア部11に対する適切な位置からずれてしまうことを抑制できる。したがって、コア部10において第1コア部11と補強板部31とのつなぎ目に大きな段差が生じることを防止しやすい。よって、熱交換器1の製造性を高めやすい。
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
1 熱交換器、 10 コア部、 11 第1コア部、 15 第1壁部(壁部)、 16 第1流路(流路)、 17 第1補強壁部(補強壁部)、 21 第2コア部、 25 第2壁部(壁部)、 26 第2流路(流路)、 27 第2補強壁部(補強壁部)、 28 区画補強壁部(補強壁部)、 31 補強板部、 99 流体インターフェース、 150 タンク部、 290 接続枠部、 299 流体インターフェース、 311 第1コア部、 315 第1壁部(壁部)、 316 第1流路(流路)、 317 第1補強壁部(補強壁部)
Claims (7)
- 内部に熱媒体が流れる流路(16、26、316)が形成されているセラミック製のコア部(10)と、
前記コア部と外部配管とを接続するための流体インターフェース(99、299)とを備え、
前記コア部は、
前記熱媒体の流れる前記流路を形成している壁部(15、25、315)と、
前記壁部よりも厚さの大きな補強壁部(17、27、28、317)とを備え、
前記流体インターフェースは、前記補強壁部に取り付けられている熱交換器。 - 前記コア部には、複数の前記壁部が並んで設けられ、
前記補強壁部(17、27、317)は、前記壁部の並び方向における最外側に設けられている請求項1に記載の熱交換器。 - 前記コア部は、第1流体が流通する第1流路(16、316)を提供している第1コア部(11、311)と、第2流体が流通する第2流路(26)を提供している第2コア部(21)とが積層されている請求項1または請求項2に記載の熱交換器。
- 前記第1コア部と前記第2コア部との積層方向において、前記コア部の最外側には前記流路の形成されていない補強板部(31)を備えている請求項3に記載の熱交換器。
- 前記流体インターフェース(99)は、内部に前記熱媒体が流れるタンク部(150)を備え、
前記タンク部は、前記補強壁部に接触して取り付けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱交換器。 - 前記流体インターフェース(299)は、
内部に前記熱媒体が流れるタンク部(150)と、
前記コア部と前記タンク部とを接続するための接続枠部(290)とを備え、
前記タンク部は、前記接続枠部を介して前記補強壁部に取り付けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱交換器。 - 前記タンク部は、前記接続枠部よりも線膨張率の大きな材料を用いて構成され、
前記タンク部の内周面は、前記接続枠部の外周面と接触している請求項6に記載の熱交換器。
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