以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として、後方超小旋回式の小型の油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図12に従って詳細に説明する。
図1において、油圧ショベル1は、前,後方向に自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、上部旋回体3の前,後方向の前側に俯仰の動作が可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行うフロント装置4とにより構成されている。
ここで、本実施の形態の油圧ショベル1は、上部旋回体3が旋回するときの中心位置から後述するカウンタウエイト37の外周面37Aまでの距離寸法を旋回半径とした場合、上部旋回体3の後部(カウンタウエイト37の外周面37A)は、旋回半径によって描かれる仮想円の内側で旋回することができる。この上部旋回体3の後部が描く仮想円の直径寸法は、上部旋回体3が旋回動作したときに、下部走行体2の車幅寸法に対して上部旋回体3が大きくはみ出さない範囲内、例えば下部走行体2の車幅寸法の120%の範囲内に設定されている。これにより、油圧ショベル1は、後方超小旋回式の小型油圧ショベルとして構成されている。
図2に示すように、上部旋回体3は、後述する旋回フレーム5、エンジン26、油圧ポンプ27、エアクリーナ28、熱交換器29、燃料タンク31、作動油タンク32、燃料供給ホース33、燃料戻りホース34、吸気ホース35、作動油供給ホース36を含んで構成されている。
旋回フレーム5は、本実施の形態の特徴部分を構成するもので、上部旋回体3の支持構造体として形成されている。旋回フレーム5は、後述のメインフレーム6とサブフレーム21とによって構成されている。
メインフレーム6は、下部走行体2に取付けられるものである。メインフレーム6は、旋回フレーム5のベースとなる基本構造を形成している。図3、図4に示すように、メインフレーム6には、後述のサブフレーム21を取付けることができる。
図5に示すように、メインフレーム6は、前,後方向に延びる厚肉な鋼板等からなる底板7と、底板7上に前,後方向に延びて立設され、左,右方向の間隔が前方に向けて徐々に狭まるように配置された左前縦板8,右前縦板9と、底板7上に左,右方向に延びて立設され左前縦板8,右前縦板9の後端に固着された横板10と、横板10の後側に位置して底板7上に立設されU字状に屈曲した後板11と、底板7の左側方に配置され前,後方向に延びた左サイドフレーム12と、底板7の右側方に配置された右サイドフレーム13と、底板7と左サイドフレーム12との間に配置され両者間を連結する左張出しビーム(図示せず)と、底板7と右サイドフレーム13との間に前,後方向に間隔をもって配置され両者間を連結する複数の右張出しビーム14とを含んで構成されている。
また、メインフレーム6の後側には、後述のエンジン取付ブラケット15,16が設けられている。さらに、メインフレーム6には、サブフレーム21を取付けるための後ブラケット17、右ブラケット18、前ブラケット19およびボルト挿通孔20が設けられている。
左前縦板8と右前縦板9との前部位置には、フロント装置4が揺動可能に取付けられる。また、右前縦板9の右面9Aには、前側に位置して前ブラケット19が溶接手段等を用いて固着されている。横板10は、右前縦板9の後端部と左サイドフレーム12との間に配置され、後面側には、後板11、前側のエンジン取付ブラケット15,16および前側の後ブラケット17が固着されている。
後板11は、横板10を挟んで左前縦板8の後側に配置される左後縦板11Aと、横板10を挟んで右前縦板9の後側に配置される右後縦板11Bと、左,右の後縦板11A,11B間を連結して左,右方向に延び、横板10と前,後方向で対面する後横板11Cとにより構成されている。
左サイドフレーム12は、前側が右側に屈曲して左前縦板8に向けて延びることで、L字状に形成されている。左サイドフレーム12の上側には、L字状のフロア支持部12Aが設けられている。一方、右サイドフレーム13は、前,後方向の中央が右側に突出するように円弧状に形成されている。
左,右方向の左側に位置する一対のエンジン取付ブラケット15は、油圧ポンプ27側となるエンジン26の左側部位を支持するものである。各エンジン取付ブラケット15は、長方形状の板体をL字状に折り曲げることにより形成されている。また、各エンジン取付ブラケット15には、上面15Aに位置してボルト挿通孔15Bが設けられている。
左,右方向の右側に位置する一対のエンジン取付ブラケット16は、熱交換器29側となるエンジン26の右側部位を支持するものである。各エンジン取付ブラケット16は、各エンジン取付ブラケット15と同様に、長方形状の板体をL字状に折り曲げることにより形成されている。また、各エンジン取付ブラケット16には、上面16Aに位置してボルト挿通孔16Bが設けられている。
ここで、各エンジン取付ブラケット15,16には、サブフレーム21のエンジン取付台22を挟んだ状態でエンジンマウント26Dが取付けられる。即ち、各エンジン取付ブラケット15,16は、各後ブラケット17と一緒にエンジン取付台22を支持している。
次に、メインフレーム6にサブフレーム21を取付けるために設けられた後ブラケット17、右ブラケット18、前ブラケット19およびボルト挿通孔20について述べる。
後ブラケット17は、右側のエンジン取付ブラケット16の左側近傍に、エンジン取付ブラケット16と同様の形状で配置されている。即ち、後ブラケット17は、長方形状の板体をL字状に折り曲げることにより形成され、横板10の後側と後板11の後横板11Cの前側とにそれぞれ配置されている。また、各後ブラケット17は、サブフレーム21のエンジン取付台22が載せられる上面17Aを有し、この上面17Aには、ねじ孔17Bが設けられている。このねじ孔17Bは、例えば後ブラケット17の下面側にナットを溶接した裏ナットとして形成されている。
右ブラケット18は、サブフレーム21の熱交換器取付台24を支持するもので、後板11の右後縦板11Bに設けられている。右ブラケット18は、前,後方向に延びた長方形状の板体からなり、下向きに屈曲した左側部位が後板11の右後縦板11Bに固着されている。これにより、右ブラケット18は、サブフレーム21の熱交換器取付台24に重なって熱交換器取付台24の全体を支持することができる。右ブラケット18には、熱交換器29をサブフレーム21に取付けるためのボルト30が挿通する複数のボルト挿通孔18Aが設けられている。
ここで、右ブラケット18は、熱交換器取付台24と一緒に、メインフレーム6の底板7から上側に離間した位置に配置されている。これにより、右ブラケット18の下側には、燃料供給ホース33等を配策するためのスペースを確保することができる。
前ブラケット19は、サブフレーム21のタンク取付台25の前部を支持するもので、右前縦板9の右面9Aに設けられている。前ブラケット19は、前,後方向に延びた直方体状のブロックとして形成され、例えば溶接手段を用いて右面9Aに固着されている。また、前ブラケット19は、右前縦板9の上側位置に配置され、その上面19Aには、例えば2個のねじ穴19Bが設けられている。前ブラケット19の上面19Aには、タンク取付台25の前側に位置する前取付板部25Bの水平部位25B1が上側から当接し、この状態で後述のボルト23によってタンク取付台25の前側が固定される。
ボルト挿通孔20は、サブフレーム21のタンク取付台25が載置される2本の右張出しビーム14にそれぞれ設けられている。図4に示すように、各ボルト挿通孔20には、タンク取付台25を固定するためのボルト23が下側から挿通される。
サブフレーム21は、メインフレーム6と共に旋回フレーム5を構成するものである。このサブフレーム21は、メインフレーム6と別個に設けられている。これにより、サブフレーム21には、メインフレーム6が移動される製造ラインとは異なる広い作業エリアでエンジン26、油圧ポンプ27、エアクリーナ28、熱交換器29、燃料タンク31、作動油タンク32、燃料供給ホース33、燃料戻りホース34、吸気ホース35、作動油供給ホース36を含む搭載機器を組付けることができる。そして、サブフレーム21は、これらの搭載機器が設けられた状態でメインフレーム6に取付けられる。
サブフレーム21は、エンジン取付台22と熱交換器取付台24とタンク取付台25とにより構成されている。
エンジン取付台22は、エンジン26が取付けられるものである。エンジン取付台22は、横板10と後板11とに囲まれた長方形状のスペースに配置されるものである。図6に示すように、エンジン取付台22は、前記スペース内で前,後方向に離間して配置され、左,右方向に延びる前長板部22A,後長板部22Bと、各長板部22A,22Bの左端部に立設された前立板22C,後立板22Dと、各立板22C,22Dの上端部から左側に延びた前短板部22E,後短板部22Fとにより構成されている。
前長板部22Aは、前側に位置するエンジン取付ブラケット16の上面16Aと前側に位置する後ブラケット17の上面17Aとに載置される。後長板部22Bは、後側に位置するエンジン取付ブラケット16の上面16Aと後側に位置する後ブラケット17の上面17Aとに載置される。一方、前短板部22Eは、前側に位置するエンジン取付ブラケット15の上面15Aに載置される。後短板部22Fは、後側に位置するエンジン取付ブラケット15の上面15Aに載置される。
エンジン取付台22の前長板部22Aには、前側に位置するエンジン取付ブラケット16のボルト挿通孔16Bに対応する位置にボルト挿通孔22Gが設けられ、前側に位置する後ブラケット17のねじ孔17Bに対応する位置にボルト挿通孔22Hが設けられている。同様に、エンジン取付台22の後長板部22Bには、後側に位置するエンジン取付ブラケット16のボルト挿通孔16Bに対応する位置にボルト挿通孔22Jが設けられ、後側に位置する後ブラケット17のねじ孔17Bに対応する位置にボルト挿通孔22Kが設けられている。
エンジン取付台22の前短板部22Eには、前側に位置するエンジン取付ブラケット15のボルト挿通孔15Bに対応する位置にボルト挿通孔22Lが設けられている。一方、後短板部22Fには、後側に位置するエンジン取付ブラケット15のボルト挿通孔15Bに対応する位置にボルト挿通孔22Mが設けられている。
エンジン取付台22をメインフレーム6側に取付ける場合には、前長板部22Aを前側に位置するエンジン取付ブラケット16の上面16Aと前側に位置する後ブラケット17の上面17Aとに載せ、後長板部22Bを後側に位置するエンジン取付ブラケット16の上面16Aと後側に位置する後ブラケット17の上面17Aとに載せる。また、前短板部22Eを前側に位置するエンジン取付ブラケット15の上面15Aに載せ、後短板部22Fを後側に位置するエンジン取付ブラケット15の上面15Aに載せる。
この状態で、ボルト23を前長板部22Aのボルト挿通孔22Hに挿通し、前側に位置する後ブラケット17のねじ孔17Bに螺着する。同様に、ボルト23を後長板部22Bのボルト挿通孔22Kに挿通し、後側に位置する後ブラケット17のねじ孔17Bに螺着する。これにより、エンジン取付台22は、メインフレーム6に対して取付けられる。
熱交換器取付台24は、エンジン取付台22に対して前,後方向と直交する左,右方向の一側、具体的には、右側に片寄せて配置されている。熱交換器取付台24は、熱交換器29が取付けられるものである。熱交換器取付台24は、エンジン取付台22の各長板部22A,22Bの右端部から上側に延びて設けられた右立板24Aと、右立板24Aの上端縁から右側に延びた載置板24Bと、載置板24Bの右端部から下側に向けて形成されたステップ状の段差板24Cとにより構成されている。
載置板24Bは、右ブラケット18の上側に重なる長方形状の板体として形成されている。載置板24Bには、右ブラケット18の各ボルト挿通孔18Aに対応する位置にそれぞれボルト挿通孔24Dが設けられている。ここで、熱交換器取付台24の載置板24Bは、エンジン取付台22の各長板部22A,22Bおよび後述のタンク取付台25の平板部25Aよりも高い位置に配置されている。これにより、載置板24Bの下側、即ち、右ブラケット18の下側には、燃料供給ホース33等を通すための配策スペースを確保することができる。
タンク取付台25は、熱交換器取付台24よりも前,後方向の前側位置に配置されている。タンク取付台25は、後述の燃料タンク31と作動油タンク32とが取付けられるものである。タンク取付台25は、メインフレーム6の右前縦板9と右サイドフレーム13との間を覆うように形成されている。タンク取付台25は、熱交換器取付台24の段差板24Cの下部から前側に延びた平板部25Aと、平板部25Aの前部から上側に延びた前取付板部25Bとにより構成されている。
平板部25Aは、各右張出しビーム14の上側に載置されるもので、各右張出しビーム14のボルト挿通孔20に対応する位置にねじ孔25Cが設けられている。この2個のねじ孔25Cは、各右張出しビーム14のボルト挿通孔20に下側から挿通されたボルト23が螺着されるものである。各ねじ孔25Cは、平板部25Aの上面に溶接された裏ナットとして形成されている。
また、前取付板部25Bは、逆L字状に折り曲げられた板体によって形成されている。前取付板部25Bは、上側に位置して右前縦板9に向けて屈曲した水平部位25B1を有し、この水平部位25B1の先端側には、前ブラケット19の各ねじ穴19Bに対応する位置に2個のボルト挿通孔25Dが形成されている。
タンク取付台25をメインフレーム6側に取付ける場合には、タンク取付台25は、平板部25Aが2本の右張出しビーム14上に配置される。また、前取付板部25Bの水平部位25B1が前ブラケット19の上面19A上に配置される。この状態で、各ボルト23を各右張出しビーム14のボルト挿通孔20に下側から挿通させ、先端を平板部25Aのねじ孔25Cに螺着する。また、水平部位25B1の各ボルト挿通孔25Dに挿通したボルト23を前ブラケット19のねじ穴19Bに螺着する。これにより、タンク取付台25は、各右張出しビーム14と前ブラケット19に取付けることができる。
エンジン26は、サブフレーム21のエンジン取付台22に設けられている。エンジン26は、左,右方向に延びる横置き状態で配置され、冷却ファン26A(図8参照)が右側に位置している。エンジン26の右側には、当該エンジン26を前,後方向で挟む位置に右取付板26B(後側のみ図示)が設けられている。また、エンジン26の左側には、油圧ポンプ27を前,後方向で挟む位置に左取付板26Cが設けられている。さらに、エンジン26には、後述の燃料供給ホース33と燃料戻りホース34とが接続されている。
エンジン26の各取付板26B,26Cには、エンジンマウント26Dが設けられている。各エンジンマウント26Dは、各取付板26B,26Cを上,下方向から挟む弾性部材26D1と、各弾性部材26D1をサブフレーム21のエンジン取付台22の各長板部22A,22Bに設けられたボルト挿通孔22G,22Jと、各短板部22E,22Fに設けられたボルト挿通孔22L,22Mとに固定するボルト26D2とを含んで構成されている。
エンジン26は、サブフレーム21のエンジン取付台22に搭載する場合には、各取付板26B,26Cにそれぞれエンジンマウント26Dを取付け、下側に突出したボルト26D2の先端を、サブフレーム21を構成するエンジン取付台22の各長板部22A,22Bに設けられたボルト挿通孔22G,22Jと、各短板部22E,22Fに設けられたボルト挿通孔22L,22Mとに挿通し、ナット(図示せず)に螺着する。これにより、エンジン26をエンジン取付台22上に固定することができる。
油圧ポンプ27は、エンジン26の左側に設けられている。油圧ポンプ27は、エンジン26によって駆動されることにより、後述の作動油タンク32から供給される作動油を圧油として吐出するものである。油圧ポンプ27は、後述の作動油供給ホース36を介して作動油タンク32に接続されている。
エアクリーナ28は、エンジン26に接続して設けられている。エアクリーナ28は、エンジン26に供給する空気を清浄化するもので、エンジン26の吸気側に後述の吸気ホース35を介して接続されている。エアクリーナ28は、例えば、サブフレーム21をメインフレーム6に取付ける前の状態では、エンジン26に対して仮止めされている。一方、サブフレーム21がメインフレーム6に取付けられた状態では、エアクリーナ28は、後述のカウンタウエイト37に取付けられている。
熱交換器29は、エンジン26の冷却ファン26Aに対面するように、サブフレーム21の熱交換器取付台24上に設けられている。熱交換器29は、冷却ファン26Aを取囲む位置に前,後方向に延びて立設された支持枠体29Aと、支持枠体29Aの下端縁から右側に延びた底板部29Bと、支持枠体29Aの前端縁から右側に延びた前板部29Cと、支持枠体29Aに対面して取付けられ、エンジン冷却水を冷却するラジエータ29Dと、ラジエータ29Dの前側に並んで支持枠体29Aに取付けられ、作動油を冷却するオイルクーラ29Eと、エンジン26に供給される燃料を冷却する燃料クーラ(図示せず)とを含んで構成されている。底板部29Bには、右ブラケット18の各ボルト挿通孔18Aに対応する位置に複数のボルト挿通孔29F(図10中に2個のみ図示)が設けられている。
熱交換器29をサブフレーム21の熱交換器取付台24に取付ける場合には、底板部29Bを熱交換器取付台24の載置板24B上に載せる。この状態で、底板部29Bの各ボルト挿通孔29Fと載置板24Bのボルト挿通孔24Dにボルト30(図2、図7中に2本のみ図示)を挿通し、ネット(図示せず)に螺着する。これにより、熱交換器29を熱交換器取付台24上に固定することができる。
燃料タンク31は、サブフレーム21のタンク取付台25上に設けられている。燃料タンク31は、エンジン26に供給する燃料を貯えるものである。図11に示すように、燃料タンク31は、例えば、平面視でL字状をなす異形な容器として形成されている。燃料タンク31の上部には、燃料の給油口31Aが蓋付きで設けられている。また、燃料タンク31には、燃料供給ホース33と燃料戻りホース34が接続されている。そして、平面視でL字状に形成された燃料タンク31は、後述の作動油タンク32の設置スペースを確保しつつ、僅かなスペースを使用して燃料の充填量を拡大することができる。燃料タンク31は、ベルト(図示せず)を用いてタンク取付台25上に固定されている。
作動油タンク32は、燃料タンク31と一緒にサブフレーム21のタンク取付台25上に設けられている。作動油タンク32は、熱交換器29の前板部29Cと燃料タンク31との間に配置されている。図12に示すように、作動油タンク32は、上,下方向に長尺な直方体状の容器として形成されている。また、作動油タンク32には、作動油供給ホース36と作動油戻りホース(図示せず)とが接続されている。そして、作動油タンク32は、サブフレーム21に対し、ボルト(図示せず)を用いてボルト挿通孔25Eに挿通し、ナット(図示せず)に螺着する。これにより、作動油タンク32を、サブフレーム21に固定することができる。
図7に示すように、燃料供給ホース33と燃料戻りホース34は、エンジン26、熱交換器29、燃料タンク31を繋ぐ燃料系管路を構成している。燃料供給ホース33は、燃料タンク31内の燃料をエンジン26に供給するもので、タンク側ホース33Aとエンジン側ホース33Bとにより形成されている。燃料戻りホース34は、エンジン26で使用されなかった燃料を燃料タンク31に戻すものである。
ここで、燃料供給ホース33は、燃料タンク31の下部からサブフレーム21の熱交換器取付台24(右ブラケット18)の下側に確保された燃料系管路の配策スペースを通って熱交換器29側に延び、例えば燃料クーラに接続されている。また、燃料供給ホース33は、燃料クーラからサブフレーム21のエンジン取付台22の上側を通ってエンジン26に接続されている。一方、燃料戻りホース34は、エンジン26からエンジン取付台22の上側を通って燃料タンク31に接続されている。
吸気ホース35は、エンジン26とエアクリーナ28との間を繋ぐ吸気系管路を構成している。作動油供給ホース36は、油圧ポンプ27と作動油タンク32との間を繋ぐ油圧系管路を構成している(図12参照)。
図1に示すように、カウンタウエイト37は、旋回フレーム5(メインフレーム6)の後側に取付けられている。カウンタウエイト37は、フロント装置4との重量バランスをとるための重量物として形成されている。カウンタウエイト37は、上部旋回体3を旋回動作したときに、上部旋回体3の旋回半径が小さくなるように形成されている。具体的には、カウンタウエイト37は、左,右方向の両側を前側に向けて湾曲させることにより円弧状の外周面37Aを有し、この形状をもって旋回フレーム5の旋回中心に近い前側寄りに配置されている。
運転席38は、エンジン26上側に位置して設けられ、運転席38の前側には、足を置くためのフロア部材39がメインフレーム6の左サイドフレーム12のフロア支持部12Aに取付けられている。また、運転席38の左,右両側には、作業用の操作レバー40が設けられ、運転席38の前方となるフロア部材39の前部位置には、走行用の操作レバー・ペダル41(いずれも左側のみ図示)が設けられている。また、キャノピ42は、運転席38の上方を覆っている。
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
オペレータは、運転席38に座って、エンジン26を始動した後、走行用の操作レバー・ペダル41を操作することにより、下部走行体2を走行させることができる。一方、オペレータは、作業用の操作レバー40を操作することにより、上部旋回体3の旋回動作、フロント装置4による土砂の掘削作業等を行うことができる。
次に、旋回フレーム5にエンジン26、油圧ポンプ27、エアクリーナ28、熱交換器29、燃料タンク31、作動油タンク32、燃料供給ホース33、燃料戻りホース34、吸気ホース35、作動油供給ホース36を含む搭載機器を組付ける場合の作業の一例について述べる。
まず、サブフレーム21に対して各種搭載機器を取付ける。具体的には、サブフレーム21のエンジン取付台22に油圧ポンプ27とエアクリーナ28が設けられたエンジン26を取付け、熱交換器取付台24に熱交換器29を取付け、タンク取付台25に燃料タンク31と作動油タンク32とを取付ける。さらに、エンジン26と熱交換器29と燃料タンク31とを燃料供給ホース33によって繋ぎ、エンジン26と燃料タンク31とを燃料戻りホース34によって繋ぐ。また、エンジン26とエアクリーナ28との間を吸気ホース35によって繋ぐ。このサブフレーム21に対する各種搭載機器の取付け作業は、メインフレーム6が移動される製造ラインとは異なる広い作業エリアで行うことができる。
そして、図7に示すように、油圧ポンプ27、エアクリーナ28、熱交換器29、燃料タンク31、作動油タンク32、燃料供給ホース33、燃料戻りホース34、吸気ホース35、作動油供給ホース36をサブフレーム21に取付けたら、このサブフレーム21を各種搭載機器と一緒にメインフレーム6に取付ける。この場合には、サブフレーム21を構成するエンジン取付台22の前長板部22Aを前側に位置するエンジン取付ブラケット16の上面16Aと前側に位置する後ブラケット17の上面17Aとに載せ、後長板部22Bを後側に位置するエンジン取付ブラケット16の上面16Aと後側に位置する後ブラケット17の上面17Aとに載せる。また、エンジン取付ブラケット16の前短板部22Eを前側に位置するエンジン取付ブラケット15の上面15Aに載せ、後短板部22Fを後側に位置するエンジン取付ブラケット15の上面15Aに載せる。
この上で、ボルト23を前長板部22Aのボルト挿通孔22Hに挿通し、前側に位置する後ブラケット17のねじ孔17Bに螺着する。同様に、ボルト23を後長板部22Bのボルト挿通孔22Kに挿通し、後側に位置する後ブラケット17のねじ孔17Bに螺着する。
また、タンク取付台25の平板部25Aを2本の右張出しビーム14上に配置し、前取付板部25Bの水平部位25B1をメインフレーム6の前ブラケット19の上面19A上に配置する。この状態で、各ボルト23を各右張出しビーム14のボルト挿通孔20に下側から挿通させ、先端を平板部25Aのねじ孔25Cに螺着する。また、水平部位25B1の各ボルト挿通孔25Dに挿通したボルト23を前ブラケット19のねじ穴19Bに螺着する。これにより、サブフレーム21をメインフレーム6に取付けることができる。
かくして、本実施の形態では、旋回フレーム5は、下部走行体2に取付けられるメインフレーム6と、メインフレーム6と別個に設けられたサブフレーム21とにより形成している。サブフレーム21には、エンジン26、油圧ポンプ27、エアクリーナ28、熱交換器29、燃料タンク31、作動油タンク32、燃料供給ホース33、燃料戻りホース34、吸気ホース35、作動油供給ホース36を含む搭載機器を組付ける。この上で、サブフレーム21は、エンジン26、油圧ポンプ27、エアクリーナ28、熱交換器29、燃料タンク31、作動油タンク32、燃料供給ホース33、燃料戻りホース34、吸気ホース35、作動油供給ホース36が設けられた状態でメインフレーム6に取付けられる。
従って、サブフレーム21に各種搭載機器を取付ける作業は、メインフレーム6が移動される製造ラインとは異なる広い作業エリアで行うことができる。これにより、製造ラインでは、メインフレーム6にサブフレーム21を取付けることにより、上部旋回体3を組立てることができる。この結果、エンジン26、エアクリーナ28、熱交換器29、燃料タンク31およびこれらを繋ぐホース33,34等を旋回フレーム5に対して容易に設けることができ、上部旋回体3の組立作業性を向上することができる。
しかも、エンジン26、エアクリーナ28、熱交換器29、燃料タンク31およびこれらを繋ぐホース33,34等が設けられたサブフレーム21をメインフレーム6に搭載する構成では、メインフレーム6にホース33,34等を通すための開口を設ける必要がなくなる。これにより、穴加工等を省略して旋回フレーム5の構成を簡略化できる上に、強度を高めることができる。
サブフレーム21は、エンジン26が取付けられるエンジン取付台22と、エンジン取付台22に対して前,後方向と直交する左,右方向の一側となる右側に片寄せて配置され、熱交換器29が取付けられる熱交換器取付台24と、熱交換器取付台24よりも前,後方向の前側位置に配置され、燃料タンク31が取付けられるタンク取付台25とにより構成されている。これにより、エンジン26、熱交換器29および燃料タンク31は、サブフレーム21上の定められた位置に取付けることができる。
さらに、熱交換器取付台24は、エンジン取付台22およびタンク取付台25よりも高い位置に配置され、熱交換器取付台24の下側は、燃料系管路をなす燃料供給ホース33の配策スペースとなっている。これにより、熱交換器取付台24の下側に重なった右ブラケット18の下側には、燃料供給ホース33等を配策するためのスペースを確保することができ、配策作業を容易に行うことができる。
なお、実施の形態では、サブフレーム21に、エンジン26、油圧ポンプ27、エアクリーナ28、熱交換器29、燃料タンク31、作動油タンク32、燃料供給ホース33、燃料戻りホース34、吸気ホース35、作動油供給ホース36を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、サブフレームを小型化し、このサブフレームに燃料系となるエンジン、熱交換器、燃料タンク、燃料供給ホース、燃料戻りホースだけを設ける構成としてもよい。また、サブフレームに、燃料系となるエンジン、熱交換器、燃料タンク、燃料供給ホース、燃料戻りホースと、吸気系となるエアクリーナ、吸気ホースとを設ける構成としてもよい。
また、実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の油圧ショベル、油圧クレーン、ホイルローダ等の他の建設機械にも広く適用することができる。