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JP2019501312A - 非常用低体温防止システム及びそのための携帯性の高い膨張可能な非常用ベスト - Google Patents

非常用低体温防止システム及びそのための携帯性の高い膨張可能な非常用ベスト Download PDF

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Abstract

非常用低体温防止システムは、非常用にポケット、ハンドバッグ、バックパック、自動車室内、スキーストックなどに入れて持ち運ぶのに十分な携帯性を有する断熱性に優れたベストを備え、このベストは、空気を通さず、かつ自体も膨張できる断熱材料で形成することにより、断熱性を提供する。このベストに配置されて相互に接続している多数の膨張小室が、携帯性の高いシステムにおいて、熱伝導、熱放射、及び熱対流を防止することにより断熱性を提供する。レーダー反射性を有する外面が、このベストの視認性をさらに向上させる。

Description

毎年冬になると、路上で立ち往生してガソリンなどの自動車燃料を使い果たすまで自動車のエンジンを動かし、結局、保温性の高い衣服の持ち合わせがない場所でロードサービスを待つ間に低体温症になってしまうドライバーがいる。スキーヤーなどの屋外ウィンタースポーツ参加者も同様に、少しの間だからと軽装のまま屋外に出て、低体温症を引き起こすほどの冷えてしまう予想外の事態に陥る可能性がある。これ以外でも、衣服による保温が不十分だと感じる状況があり得る。低体温症は、自然災害の被害者にとって1つの脅威であるが、冬の夜に路傍でタイヤを交換しているだけの人にとっても同様に脅威である。
低体温症とは、意図せずに深部(芯部)体温が95.0°F(35.0°C)以下に低下することと定義される。低体温症には、軽度、中度、重度がある。CDCによれば、アメリカ合衆国において2006年から2010年の間に、10649人が天候に起因する原因で死亡したとされている。この死亡者のうち3分の2が自然の過度の低温によるものとされている。(Deaths Attributed to Heat, Cold, and Other Weather Events in the United States, 2006-2010; http://www.cdc.gov/nchs/data/nhsr/nhsr076. pdf参照)。
1999年以降、CDCの国立保健統計センター(NCHS)は、国際疾病分類コードで分類された死亡診断書からの情報を使用して全国的な死亡傾向を推定している。1999年、自然の過度の低温への曝露(ICD−10コードX31)はアメリカ合衆国において598人の死亡遠因として挙げられ、低体温症(ICD−10コードT68)は1139人の死亡者負傷の1つとして挙げられた。低体温症関連の死亡者598人のうち、380人(64%)が男性であり、低体温症による死亡者で年齢がわかっている597人のうち、359人(60%)が65歳より高齢であった。1999年の間に低体温症関連の死亡者が最も多かったのは、ペンシルベニア州及びニューヨーク州であった(各36人)。死亡率が最も高かったのはアラスカ州であり(住民10万人当たり1.9人)、これは2番目に死亡率が高かった(0.9人)モンタナ州のおよそ2倍に当たる。
寒冷な天候における低体温症は、発熱量の減少、体温喪失量の増加、又は体温調節機能が損なわれた結果起こるものである。高齢者は、基礎代謝率が低下している上に体を温かく保つ熱を発生させる身体的活動の能力が衰えているため、低体温になるリスクが高い。活動的でないと身体的活動による発熱量が抑えられてしまう一方、活動が過度になると気道からの蒸発脱水量を増大させ、疲労の原因となり得る。震えも多くの乳酸を生成させ、いずれは酸血症や疲労を引き起こしかねない。強風に曝されることより、体温はさらに奪われる。体温が低下するにつれ、視床下部が体温を補うことができなくなり、徐々に進行する全身の代謝低下に従って中枢神経系の活動も低下する。最後に、アルコール依存症、栄養失調、甲状腺機能不全、又は加齢による代謝の悪化により、寒さに対する耐性が低下する可能性がある。子供は、代謝質量に対して表面積が非常に大きく、低体温になるリスクがより高い。
低体温症関連罹患率は寒冷な北部気候に限定されるものではない。低体温症は、寒冷な気候と温暖な気候のどちらにおいても起こり得る。実際、12か所の医療センターに対する調査によれば、予期しない低体温症が最も多く発生したのは温暖な州においてであった。低体温症は熱帯地方の国々でも報告されている。冬が温暖な地域の出身の人は、冬が長く寒さが厳しい地域の出身の人より低温での対処に不慣れなため、寒冷な天候の間接的影響によるリスクがより高い可能性がある。但し、地理的分布は、季節的温度変化だけでなく、(制御された室内温度へのアクセスを制限し得る)社会経済的地位、(個々が屋外活動と同様に寒さから身を守る行動に影響し得る)文化的背景、又は高齢者が人口に占める割合が高いことも表している可能性がある。
このように、前述のような状況のための非常用低体温防止システムが求められていることがわかる。本発明はそのようなシステムを提供する。本発明は、非常用にポケット、ハンドバッグ、バックパックなどの人が携行可能な場所、又は自動車内に入れて持ち運ぶのに十分な携帯性を有する、断熱性に優れた膨張可能なベストを提供する。
このベストは、空気を通さず、かつ自体も膨張できる材料で作られることにより断熱性を提供する。ベストを膨張させる空気も断熱性を提供する。ベストの内向き表面、好ましくはベストを取り巻く膨張した小室すなわちセルの外層の内向き表面にある熱放射反射材料が、体温を維持する役割を果たす。ベストを取り巻く多数の膨張可能な小室それぞれが、対流熱の伝達を減少させる。したがって、このベストは好ましくは、携帯性の高いシステムにおける熱伝導、熱放射、及び熱対流を防止することによって断熱性を提供する。
本発明の他の様々な特徴や付随する利点は、添付図面と共に考慮されてより深く理解されるに従って読者にとって明らかとなり、その真価が十分に認められるであろう。これらの目的及び利点は、本発明の範囲に含まれる。上記及び関連する目的を達成するために、本発明は添付図面にて例示されるような形で具現化され得る。但し、図面は一例に過ぎず、例示され記載される特定の構成において、本願の範囲内で変更が可能であるという事実に留意されたい。
携帯性の高い、膨張可能な非常用ベストを提供する。このベストはセルすなわち小室を含み、それらは互いに交差接続されており、ベストの襟に設けられた単純な一方向マウスピースを介して膨張させることができる。ベストを膨張させることで、着用者の体形に沿わせながら、グースダウンと同様の方法で空気を閉じ込めて動かないようにした層を形成し、これにより湿った空気を袖ぐり及び一体的に形成された通気孔から逃がしつつ着用者の体の芯部を保温する。ベストの内側表面は熱反射性を有しているため、使用者の体熱をその近傍に閉じ込めて維持して、80%〜90%もの放射熱損失を防止する。さらに、ベストの外側表面はレーダー反射材料製である。これによりベストのレーダー視認性が大幅に改善され、行方不明又は行動不能になった着用者を探し出す捜索救助活動の一助として利用できる。この特徴により、遠距離からでも広い水域面における着用者の位置をレーダーに表示させることができるため、小さなボートやカヤックの操縦者にとっても有益である。
この製造プロセスには、材料の第1シートを第2シートの上に配置し、第1シートと第2シートとを熱的に又は超音波で溶着し、2つのシートの縁部に沿って内側を接合して、相互連結した小室を形成する工程が含まれる。これらのシートには、オフセット印刷または他の既知手段により、予め(単数又は複数の)好適な色で印刷されたり、何らかの所望の装飾が施されたりしてもよい。ベストを閉じるために接着片が取り付けられる。組み立てが完了すると、この膨張前のベストが、携帯に便利なように小さな容器又は小袋に収納される。安全性/視認性を高めるために、布地用反射性インクが使用されてもよい。このようなインクは、再帰反射型マイクロレンズを混合した水性(ラテックス)インクベースから成る。このプロセスは生地又はプラスチックへのダイレクトスクリーン印刷に用いられ、視認性に関して最終的に得られる結果は同じである。再帰反射フィルムを使用してもよく、使用する場合には、接着プロセスの前又は後に外側のシートに適用される。
本発明の他の特徴や利点は以下で説明する。
以下、図面を参照して好適な実施形態を説明する。なお、本発明は以下の図面により例示されるが、これに限定されるものではない。
本発明に係るベストの一実施形態を示す図である。
空気で膨らまされた図1に示すベストの実施形態の意図される着用状態を示す図である。
1枚のピースとして平らに広げられた本発明のベストを示す図である。
製造過程で結合されて1枚のベストになる、1組のピースとして平らに広げられた本発明のベストを示す図である。
膨張しない袖部をさらに有する本発明のベストの一実施形態を示す図である。
本発明は非常用低体温防止システムを開示する。一実施形態において、このシステムは膨張可能なベスト100を含む。図1を参照されたい。ベスト100は、ベスト100の内部に導入された空気が内部に保たれるように空気を通さない材料から成り、これによりベスト100の少なくとも一部が膨張する。好ましくは、ベスト100は、一方側をポリエチレンでコーティングし、他方側に金属蒸着を施したアルミ蒸着ナイロンシートなどの引張強度の高いポリエステルフィルムから成る。この材料は電気抵抗性を有し、化学的に安定であり、不燃性であって(94VTM−2)、厚さは0.001インチから0.014インチの範囲にある。この材料は熱可塑性ポリマーであって、熱的及び超音波的に可融性である。つや消しから光沢まで、色は複数あってよい。
ベスト100は開閉可能な前部110、ベスト100のほぼ全長に渡る側部122、124、及びベスト100の首領域136から腰領域138までにほぼ全長に渡る背部130で構成される。さらに、ベスト100は外面と内面を有し、少なくともベスト100の内面の一部に熱放射反射材料が設けられている。膨張時、ベスト100は、前部110、側部122、124、及び背部130の周囲で断熱性を発揮する。
一実施形態において、ベスト100は1つのパーツとして製造される。図3を参照されたい。別の実施形態において、ベスト100は左側部と右側部の2つのパーツとして製造される。図4を参照されたい。2パーツ製造法では、最終組み立て時に左側部と右側部を結合する必要がある。これは各側部の材料の側方部分を溶着させることで実現できる。あるいは、一方の側部に取り付けられ、他方の側部と結合するテープ202でこれらの部分を互いに固定してもよい。2パーツ製造プロセスの利点の1つは、左側部と右側部とを独立して膨張させることができることである。これにより、一側部の保全性に壊滅的ダメージがあった場合でも他方側部の断熱性が失われることがない。
ベスト100の膨張可能部分は、複数の相互に連結された小室180を含む。図1を参照されたい。小室180は、ベスト100の少なくとも前部110の上部及び下部に配置され、互いに交差接続されている。好ましくは、小室180は、ベスト100の前部110、背部130、及び側部122、124の上部及び下部に配置される。ベスト100の内面は小室180の外側にあり、ベスト100の外面は小室180の外側にある。各小室180は、ベスト100の内面及び外面の部分を部分的に互いに溶着させることで形成され、この溶着部が、完全に閉じていない小室180の周囲部分となる。この周囲の非溶着部分が、隣接する小室180に通じている。このため、各小室180は少なくとも1つの他の小室180と連通し、少なくとも1つの小室180は膨張管160と連通している。2セットの相互連結小室180で構成されるベスト100の場合(図4参照)、各セットに1つの膨張管160が必要である。
(少なくとも1つの)膨張管160は単純な一方向マウスピースを含み、これは例えばベスト100のフィルム材料から成り、ベストの襟170に形成されるフラップ弁である。図3を参照されたい。膨張管160には、一体的に形成された一方向弁を有する射出成型マウスピースなど、他の構成も考えられる。膨張管160を介してベスト100に導入された空気は、膨張管と連通する少なくとも1つの小室180に入り、この小室180から他の各小室180へ、ベスト100内のすべての小室180に空気が入るまで、各小室間の連通部分を介して進んでいく。膨張管160の一方向バルブは、使用中にベスト100から空気が漏れることを防止する。ただし、ベスト100をしぼませて再度使用できるよう、この弁を操作してベスト100から空気が抜けるようにしてもよい。
1つ以上の小室180が、ベスト100の内面をベスト100の外面に結合する小室間溶着部182を有してもよい。図1を参照されたい。したがって、この小室180は、球状ではなく略環状となる。小室間溶着部182によりベスト100は構造的剛性が得られ、膨張時に所望の形状を維持することができる。これにより、着用者とベスト100との間の温められた空気がベスト100の隙間から漏れるのを最小限にすることができる。
ベスト100は空気を抜いた状態で、平らに広げた一枚のシートとして提供可能である。図3を参照されたい。これにより、保管用に小さくたたむことができる。一実施形態において、ベスト100を使用するためには、肩部126、128を形成し、前部110を閉じる必要がある。そのため、使用者は、ベスト100の前部110の一側部の上部114をベスト100の背部130の対応側の上部134と結合して一方の肩部126を形成し、ベスト100の前部110の他方側部の上部118をベスト100の背部130の対応側の上部134と結合して他方の肩部128を形成する。上記の好適な実施形態において、各肩部126、128は、ベスト100の前部110の上部114に取り付けられ、ベスト100の背部130の対応する上部134と結合する、テープ202により形成される。あるいは、テープ202は、ベスト100の背部130の上部134に取り付けられ、ベスト100の前部110の対応する上部114と結合してもよい。どちらの構成においても、使用前の接着を防止するために、テープ202はさらにその外面に保護カバーを有してもよい。他の実施形態において、肩部126、128は製造プロセスにおいて予めテープ止め又は溶着されており、使用者がベスト100を着用する前に肩部126、128についてさらなる作業を行う必要はない。
使用者は、それぞれの腕を、ベスト100の側部122、背部130、前部110、及び肩部126によって形成された対応する袖ぐりに通すことで、ベスト100を着用する。次いで、ベスト100の前部110の片方の側部112をベスト100の前部110のもう一方の側部116に接触させることによってベスト100の前部110を閉じる。図2を参照されたい。上記の好適な実施形態において、ベスト100の前部110の第1の側部112は、ベスト100の前部110の第1の側部112に取り付けたテープ202や面ファスナ(Velcro(登録商標))などの接着手段により、ベスト100の前部110の第2の側部116に接合される。接着手段を取り付けるのはどちらの側部(左又は右)でもよい。テープ202を用いる場合、使用前の接着を防止するために、テープ202はさらにその外面に保護カバーを有してもよい。
好適な実施形態において、ベスト100はその外面の少なくとも一部にレーダー反射材料を含む。これは、片面又は両面に金属蒸着を施した、アルミ蒸着によるナイロン又は引張強度の高い他のポリエステルフィルムであってもよい。これらの材料のレーダー反射性には定評がある。膨張時、この金属蒸着を施された可撓性材料は立体的レーダー反射面を形成して、入射レーダー波を大幅に反射しやすいものとなるため、捜索救助活動の一助となる。他の好適な実施形態において、ベスト100は、一体的に形成された通気孔150を含み、この通気孔150は、前部110、側部122、124、及び背部130に位置する。これらの通気孔150は、製造プロセスにおいて、接合されたベスト100材料の小室180同士の交点を穴あけ加工することにより形成される。これにより、発汗による水分をより多く衣服の外側へ移動させられるようになり、着心地の良さとベスト100の保温性をより高められる。さらに他の好適な実施形態において、ベスト100は一体的に形成された膨張管160を含む。この管160は、前襟170に設けられているため、ベスト100の膨張プロセスを大いに改善する。さらに他の好適な実施形態において、ベスト100は一体的に形成された膨張しない襟170を含む。この襟170はベスト100の材料の両層を溶着することにより作製され、着用者の首の後ろ側において防風壁及び付加的な熱反射面を形成する。これにより、全体的な着心地の良さと実用性が向上する。最も好適な実施形態においては、上記の特徴のそれぞれがベスト100に取り入れられている。
一変形例において、ベスト100は膨張しない一対の袖部190を有する。図5を参照されたい。袖部190は、テープ202による手首部分の閉鎖部と通気孔150とを有する、内側がアルミ蒸着された一重の材料で構成される。この構成により、ベスト100の全体的な嵩を最小限に維持しつつ、上肢に対してさらなる保温性が提供される。
以上、いくつかの変形例と共に本発明の好適な実施形態を記載及び例示した。上記の用語、記述、及び図面は説明のためにのみ使用されたものであり、本発明を限定するものではない。当業者には明らかなように、本発明は特に記載がない限り全ての用語が最も広く合理的な意味で示されており、本発明の要旨の範囲内において多くの変形が可能である。明細書内の表題は便宜的に使用されたものであり、法的又は限定的効果は一切ない。
毎年冬になると、路上で立ち往生してガソリンなどの自動車燃料を使い果たすまで自動車のエンジンを動かし、結局、保温性の高い衣服の持ち合わせがない場所でロードサービスを待つ間に低体温症になってしまうドライバーがいる。スキーヤーなどの屋外ウィンタースポーツ参加者も同様に、少しの間だからと軽装のまま屋外に出て、低体温症を引き起こすほどの冷えてしまう予想外の事態に陥る可能性がある。これ以外でも、衣服による保温が不十分だと感じる状況があり得る。低体温症は、自然災害の被害者にとって1つの脅威であるが、冬の夜に路傍でタイヤを交換しているだけの人にとっても同様に脅威である。
低体温症とは、意図せずに深部(芯部)体温が95.0°F(35.0°C)以下に低下することと定義される。低体温症には、軽度、中度、重度がある。CDCによれば、アメリカ合衆国において2006年から2010年の間に、10649人が天候に起因する原因で死亡したとされている。この死亡者のうち3分の2が自然の過度の低温によるものとされている。(Deaths Attributed to Heat, Cold, and Other Weather Events in the United States, 2006-2010; http://www.cdc.gov/nchs/data/nhsr/nhsr076. pdf参照)。
1999年以降、CDCの国立保健統計センター(NCHS)は、国際疾病分類コードで分類された死亡診断書からの情報を使用して全国的な死亡傾向を推定している。1999年、自然の過度の低温への曝露(ICD−10コードX31)はアメリカ合衆国において598人の死亡遠因として挙げられ、低体温症(ICD−10コードT68)は1139人の死亡者負傷の1つとして挙げられた。低体温症関連の死亡者598人のうち、380人(64%)が男性であり、低体温症による死亡者で年齢がわかっている597人のうち、359人(60%)が65歳より高齢であった。1999年の間に低体温症関連の死亡者が最も多かったのは、ペンシルベニア州及びニューヨーク州であった(各36人)。死亡率が最も高かったのはアラスカ州であり(住民10万人当たり1.9人)、これは2番目に死亡率が高かった(0.9人)モンタナ州のおよそ2倍に当たる。
寒冷な天候における低体温症は、発熱量の減少、体温喪失量の増加、又は体温調節機能が損なわれた結果起こるものである。高齢者は、基礎代謝率が低下している上に体を温かく保つ熱を発生させる身体的活動の能力が衰えているため、低体温になるリスクが高い。活動的でないと身体的活動による発熱量が抑えられてしまう一方、活動が過度になると気道からの蒸発脱水量を増大させ、疲労の原因となり得る。震えも多くの乳酸を生成させ、いずれは酸血症や疲労を引き起こしかねない。強風に曝されることより、体温はさらに奪われる。体温が低下するにつれ、視床下部が体温を補うことができなくなり、徐々に進行する全身の代謝低下に従って中枢神経系の活動も低下する。最後に、アルコール依存症、栄養失調、甲状腺機能不全、又は加齢による代謝の悪化により、寒さに対する耐性が低下する可能性がある。子供は、代謝質量に対して表面積が非常に大きく、低体温になるリスクがより高い。
低体温症関連罹患率は寒冷な北部気候に限定されるものではない。低体温症は、寒冷な気候と温暖な気候のどちらにおいても起こり得る。実際、12か所の医療センターに対する調査によれば、予期しない低体温症が最も多く発生したのは温暖な州においてであった。低体温症は熱帯地方の国々でも報告されている。冬が温暖な地域の出身の人は、冬が長く寒さが厳しい地域の出身の人より低温での対処に不慣れなため、寒冷な天候の間接的影響によるリスクがより高い可能性がある。但し、地理的分布は、季節的温度変化だけでなく、(制御された室内温度へのアクセスを制限し得る)社会経済的地位、(個々が屋外活動と同様に寒さから身を守る行動に影響し得る)文化的背景、又は高齢者が人口に占める割合が高いことも表している可能性がある。
このように、前述のような状況のための非常用低体温防止システムが求められていることがわかる。本発明はそのようなシステムを提供する。本発明は、非常用にポケット、ハンドバッグ、バックパックなどの人が携行可能な場所、又は自動車内に入れて持ち運ぶのに十分な携帯性を有する、断熱性に優れた膨張可能なベストを提供する。
このベストは、空気を通さず、かつ自体も膨張できる材料で作られることにより断熱性を提供する。ベストを膨張させる空気も断熱性を提供する。ベストの内向き表面、好ましくはベストを取り巻く膨張した小室すなわちセルの外層の内向き表面にある熱放射反射材料が、体温を維持する役割を果たす。ベストを取り巻く多数の膨張可能な小室それぞれが、対流熱の伝達を減少させる。したがって、このベストは好ましくは、携帯性の高いシステムにおける熱伝導、熱放射、及び熱対流を防止することによって断熱性を提供する。
本発明の他の様々な特徴や付随する利点は、添付図面と共に考慮されてより深く理解されるに従って読者にとって明らかとなり、その真価が十分に認められるであろう。これらの目的及び利点は、本発明の範囲に含まれる。上記及び関連する目的を達成するために、本発明は添付図面にて例示されるような形で具現化され得る。但し、図面は一例に過ぎず、例示され記載される特定の構成において、本願の範囲内で変更が可能であるという事実に留意されたい。
携帯性の高い、膨張可能な非常用ベストを提供する。このベストはセルすなわち小室を含み、それらは互いに交差接続されており、ベストの襟に設けられた単純な一方向マウスピースを介して膨張させることができる。ベストを膨張させることで、着用者の体形に沿わせながら、グースダウンと同様の方法で空気を閉じ込めて動かないようにした層を形成し、これにより湿った空気を袖ぐり及び一体的に形成された通気孔から逃がしつつ着用者の体の芯部を保温する。ベストの内側表面は熱反射性を有しているため、使用者の体熱をその近傍に閉じ込めて維持して、80%〜90%もの放射熱損失を防止する。さらに、ベストの外側表面はレーダー反射材料製である。これによりベストのレーダー視認性が大幅に改善され、行方不明又は行動不能になった着用者を探し出す捜索救助活動の一助として利用できる。この特徴により、遠距離からでも広い水域面における着用者の位置をレーダーに表示させることができるため、小さなボートやカヤックの操縦者にとっても有益である。
この製造プロセスには、材料の第1シートを第2シートの上に配置し、第1シートと第2シートとを熱的に又は超音波で溶着し、2つのシートの縁部に沿って内側を接合して、相互連結した小室を形成する工程が含まれる。これらのシートには、オフセット印刷または他の既知手段により、予め(単数又は複数の)好適な色で印刷されたり、何らかの所望の装飾が施されたりしてもよい。ベストを閉じるために接着片が取り付けられる。組み立てが完了すると、この膨張前のベストが、携帯に便利なように小さな容器又は小袋に収納される。安全性/視認性を高めるために、布地用反射性インクが使用されてもよい。このようなインクは、再帰反射型マイクロレンズを混合した水性(ラテックス)インクベースから成る。このプロセスは生地又はプラスチックへのダイレクトスクリーン印刷に用いられ、視認性に関して最終的に得られる結果は同じである。再帰反射フィルムを使用してもよく、使用する場合には、接着プロセスの前又は後に外側のシートに適用される。
本発明の他の特徴や利点は以下で説明する。
以下、図面を参照して好適な実施形態を説明する。なお、本発明は以下の図面により例示されるが、これに限定されるものではない。
本発明に係るベストの一実施形態を示す図である。
空気で膨らまされた図1に示すベストの実施形態の意図される着用状態を示す図である。
1枚のピースとして平らに広げられた本発明のベストを示す図である。
製造過程で結合されて1枚のベストになる、1組のピースとして平らに広げられた本発明のベストを示す図である。
膨張しない袖部をさらに有する本発明のベストの一実施形態を示す図である。
本発明は非常用低体温防止システムを開示する。一実施形態において、このシステムは膨張可能なベスト100を含む。図1を参照されたい。ベスト100は、ベスト100の内部に導入された空気が内部に保たれるように空気を通さない材料から成り、これによりベスト100の少なくとも一部が膨張する。好ましくは、ベスト100は、一方側をポリエチレンでコーティングし、他方側に金属蒸着を施したアルミ蒸着ナイロンシートなどの引張強度の高いポリエステルフィルムから成る。この材料は電気抵抗性を有し、化学的に安定であり、不燃性であって(94VTM−2)、厚さは0.001インチから0.014インチの範囲にある。この材料は熱可塑性ポリマーであって、熱的及び超音波的に可融性である。つや消しから光沢まで、色は複数あってよい。
ベスト100は開閉可能な前部110、ベスト100のほぼ全長に渡る側部122、124、及びベスト100の首領域136から腰領域138までにほぼ全長に渡る背部130で構成される。さらに、ベスト100は外面と内面を有し、少なくともベスト100の内面の一部に熱放射反射材料が設けられている。膨張時、ベスト100は、前部110、側部122、124、及び背部130の周囲で断熱性を発揮する。
一実施形態において、ベスト100は1つのパーツとして製造される。図3を参照されたい。別の実施形態において、ベスト100は左側部と右側部の2つのパーツとして製造される。図4を参照されたい。2パーツ製造法では、最終組み立て時に左側部と右側部を結合する必要がある。これは各側部の材料の側方部分を溶着させることで実現できる。あるいは、一方の側部に取り付けられ、他方の側部と結合するテープ202でこれらの部分を互いに固定してもよい。2パーツ製造プロセスの利点の1つは、左側部と右側部とを独立して膨張させることができることである。これにより、一側部の保全性に壊滅的ダメージがあった場合でも他方側部の断熱性が失われることがない。
ベスト100の膨張可能部分は、複数の相互に連結された小室180を含む。図1を参照されたい。小室180は、ベスト100の少なくとも前部110の上部及び下部に配置され、互いに交差接続されている。好ましくは、小室180は、ベスト100の前部110、背部130、及び側部122、124の上部及び下部に配置される。ベスト100の内面は小室180の外側にあり、ベスト100の外面は小室180の外側にある。各小室180は、ベスト100の内面及び外面の部分を部分的に互いに溶着させることで形成され、この溶着部が、完全に閉じていない小室180の周囲部分となる。この周囲の非溶着部分が、隣接する小室180に通じている。このため、各小室180は少なくとも1つの他の小室180と連通し、少なくとも1つの小室180は膨張管160と連通している。2セットの相互連結小室180で構成されるベスト100の場合(図4参照)、各セットに1つの膨張管160が必要である。
(少なくとも1つの)膨張管160は単純な一方向マウスピースを含み、これは例えばベスト100のフィルム材料から成り、ベストの襟170に形成されるフラップ弁である。図3を参照されたい。膨張管160には、一体的に形成された一方向弁を有する射出成型マウスピースなど、他の構成も考えられる。膨張管160を介してベスト100に導入された空気は、膨張管と連通する少なくとも1つの小室180に入り、この小室180から他の各小室180へ、ベスト100内のすべての小室180に空気が入るまで、各小室間の連通部分を介して進んでいく。膨張管160の一方向バルブは、使用中にベスト100から空気が漏れることを防止する。ただし、ベスト100をしぼませて再度使用できるよう、この弁を操作してベスト100から空気が抜けるようにしてもよい。
1つ以上の小室180が、ベスト100の内面をベスト100の外面に結合する小室間溶着部182を有してもよい。図1を参照されたい。したがって、この小室180は、球状ではなく略環状となる。小室間溶着部182によりベスト100は構造的剛性が得られ、膨張時に所望の形状を維持することができる。これにより、着用者とベスト100との間の温められた空気がベスト100の隙間から漏れるのを最小限にすることができる。
ベスト100は空気を抜いた状態で、平らに広げた一枚のシートとして提供可能である。図3を参照されたい。これにより、保管用に小さくたたむことができる。一実施形態において、ベスト100を使用するためには、肩部126、128を形成し、前部110を閉じる必要がある。そのため、使用者は、ベスト100の前部110の一側部の上部114をベスト100の背部130の対応側の上部134と結合して一方の肩部126を形成し、ベスト100の前部110の他方側部の上部118をベスト100の背部130の対応側の上部134と結合して他方の肩部128を形成する。上記の好適な実施形態において、各肩部126、128は、ベスト100の前部110の上部114に取り付けられ、ベスト100の背部130の対応する上部134と結合する、テープ202により形成される。あるいは、テープ202は、ベスト100の背部130の上部134に取り付けられ、ベスト100の前部110の対応する上部114と結合してもよい。どちらの構成においても、使用前の接着を防止するために、テープ202はさらにその外面に保護カバーを有してもよい。他の実施形態において、肩部126、128は製造プロセスにおいて予めテープ止め又は溶着されており、使用者がベスト100を着用する前に肩部126、128についてさらなる作業を行う必要はない。
使用者は、それぞれの腕を、ベスト100の側部122、背部130、前部110、及び肩部126によって形成された対応する袖ぐりに通すことで、ベスト100を着用する。次いで、ベスト100の前部110の片方の側部112をベスト100の前部110のもう一方の側部116に接触させることによってベスト100の前部110を閉じる。図2を参照されたい。上記の好適な実施形態において、ベスト100の前部110の第1の側部112は、ベスト100の前部110の第1の側部112に取り付けたテープ202や面ファスナ(Velcro(登録商標))などの接着手段により、ベスト100の前部110の第2の側部116に接合される。接着手段を取り付けるのはどちらの側部(左又は右)でもよい。テープ202を用いる場合、使用前の接着を防止するために、テープ202はさらにその外面に保護カバーを有してもよい。
好適な実施形態において、ベスト100はその外面の少なくとも一部にレーダー反射材料を含む。これは、片面又は両面に金属蒸着を施した、アルミ蒸着によるナイロン又は引張強度の高い他のポリエステルフィルムであってもよい。これらの材料のレーダー反射性には定評がある。膨張時、この金属蒸着を施された可撓性材料は立体的レーダー反射面を形成して、入射レーダー波を大幅に反射しやすいものとなるため、捜索救助活動の一助となる。他の好適な実施形態において、ベスト100は、一体的に形成された通気孔150を含み、この通気孔150は、前部110、側部122、124、及び背部130に位置する。これらの通気孔150は、製造プロセスにおいて、接合されたベスト100材料の小室180同士の交点を穴あけ加工することにより形成される。これにより、発汗による水分をより多く衣服の外側へ移動させられるようになり、着心地の良さとベスト100の保温性をより高められる。さらに他の好適な実施形態において、ベスト100は一体的に形成された膨張管160を含む。この管160は、前襟170に設けられているため、ベスト100の膨張プロセスを大いに改善する。さらに他の好適な実施形態において、ベスト100は一体的に形成された膨張しない襟170を含む。この襟170はベスト100の材料の両層を溶着することにより作製され、着用者の首の後ろ側において防風壁及び付加的な熱反射面を形成する。これにより、全体的な着心地の良さと実用性が向上する。最も好適な実施形態においては、上記の特徴のそれぞれがベスト100に取り入れられている。
一変形例において、ベスト100は膨張しない一対の袖部190を有する。図5を参照されたい。袖部190は、テープ202による手首部分の閉鎖部と通気孔150とを有する、内側がアルミ蒸着された一重の材料で構成される。この構成により、ベスト100の全体的な嵩を最小限に維持しつつ、上肢に対してさらなる保温性が提供される。
以上、いくつかの変形例と共に本発明の好適な実施形態を記載及び例示した。上記の用語、記述、及び図面は説明のためにのみ使用されたものであり、本発明を限定するものではない。当業者には明らかなように、本発明は特に記載がない限り全ての用語が最も広く合理的な意味で示されており、本発明の要旨の範囲内において多くの変形が可能である。明細書内の表題は便宜的に使用されたものであり、法的又は限定的効果は一切ない。
<付記>
[付記1]
非常用低体温防止システムの改良されたベストであって、
前記ベストの少なくとも一部が膨張可能であり、
前記ベストは、膨張可能な前記一部を提供する空気を通さない材料から成り、
前記ベストは、
開閉可能な前記ベストの前部であって、第1パネル及び第2パネルを有し、前記第1パネル及び前記第2パネルは、開いている状態では互いから分離可能で、閉じている状態では互いに結合可能である、前記ベストの前部と、
それぞれ1つのパネルを含む、前記ベストのほぼ全長に渡る複数の側部と、
1つのパネルを含む、前記ベストの首領域から腰領域までの前記ベストのほぼ全長に渡る背部と、
の周囲で断熱性を有し、
前記ベストは、外面と内面とを有し、
前記ベストの前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記ベストの前記外面の少なくとも一部にレーダー反射材料が設けられている、
ベスト。
[付記2]
前記ベストの前記前部、前記側部、及び前記背部に位置する一体的に形成された通気孔をさらに含む、
付記1に記載のベスト。
[付記3]
一体的に形成された膨張管をさらに含む、
付記1に記載のベスト。
[付記4]
一体的に形成された襟をさらに含む、
付記1に記載のベスト。
[付記5]
前記ベストの前記前部、前記側部、及び前記背部に位置する一体的に形成された通気孔、一体的に形成された膨張管、及び一体的に形成された襟をさらに含む、付記1に記載のベスト。
[付記6]
前記ベストの膨張可能な前記一部は、小室を含む、
付記1に記載のベスト。
[付記7]
前記ベストの前記内面は前記小室の外側にある、
付記6に記載のベスト。
[付記8]
前記ベストの前記材料は、0.014インチ以下の厚みを有する、
付記1に記載のベスト。
[付記9]
前記ベストを閉じるため、前記ベストの前記前部に設けられるテープをさらに含み、前記テープは、前記テープの外面に保護カバーを有する、
付記1に記載のベスト。
[付記10]
前記ベストの前記前部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記背部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
付記1に記載のベスト。
[付記11]
前記ベストの前記背部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記前部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
付記1に記載のベスト。
[付記12]
膨張しない一対の袖部をさらに含む、
付記1に記載のベスト。
[付記13]
前記ベストの前記袖部は、それぞれ、
外面と内面とを有し、
前記袖部の前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記袖部の前記外面の少なくとも一部にレーダー反射材料が設けられている、
付記12に記載のベスト。
[付記14]
非常用低体温防止システムの改良されたベストであって、
前記ベストの少なくとも一部が膨張可能であり、
前記ベストは膨張可能な前記一部を提供する空気を通さない材料から成り、
前記ベストは
開閉可能な前記ベストの前部であって、第1パネル及び第2パネルを含み、前記第1パネル及び前記第2パネルは、開いている状態では互いから分離可能で、閉じている状態では互いに結合可能である、前記ベストの前部と、
それぞれ1つのパネルを含む、前記ベストのほぼ全長に渡る複数の側部と、
1つのパネルを含む、前記ベストの首領域から腰領域までの前記ベストのほぼ全長に渡る背部と、
の周囲で断熱性を有し、
前記ベストは、外面と内面とを有し、
前記ベストの前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記ベストの前記前部、前記側部、及び前記背部に位置する通気孔が、一体的に形成されている、
ベスト。
[付記15]
一体的に形成された膨張管をさらに含む、
付記14に記載のベスト。
[付記16]
一体的に形成された襟をさらに含む、
付記14に記載のベスト。
[付記17]
一体的に形成された膨張管及び一体的に形成された襟をさらに含む、
付記14に記載のベスト。
[付記18]
前記ベストの膨張可能な前記一部は、小室を含む、
付記14に記載のベスト。
[付記19]
前記内面は前記小室の外側にある、
付記18に記載のベスト。
[付記20]
前記ベストの前記材料は、0.014インチ以下の厚みを有する、
付記14に記載のベスト。
[付記21]
前記ベストを閉じるため、前記ベストの前記前部に設けられるテープをさらに含み、前記テープは、前記テープの外面に保護カバーを有する、
付記14に記載のベスト。
[付記22]
前記ベストの前記前部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記背部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
付記14に記載のベスト。
[付記23]
前記ベストの前記背部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記前部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
付記14に記載のベスト。
[付記24]
膨張しない一対の袖部をさらに含む、
付記14に記載のベスト。
[付記25]
前記ベストの前記袖部は、それぞれ、
外面と内面とを有し、
前記袖部の前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記袖部の前記外面の少なくとも一部にレーダー反射材料が設けられている、
付記24に記載のベスト。
[付記26]
ベストを含む非常用低体温防止システムにおける改良であって、
前記ベストは、
開閉可能な前記ベストの前部であって、第1パネル及び第2パネルを有し、前記第1パネル及び前記第2パネルは、開いている状態では互いから分離可能で、閉じている状態では互いに結合可能である、前記ベストの前部と、
それぞれ1つのパネルを含む、前記ベストのほぼ全長に渡る複数の側部と、
1つのパネルを含む、前記ベストの首領域から腰領域までの前記ベストのほぼ全長に渡る背部と、
を囲む断熱性のある衣服で構成され、
前記衣服の少なくとも一部が膨張可能で空気を通さない材料から成り、
膨張可能な前記一部は、表面によって範囲を定められる小室を含み、前記小室は、前記ベストの少なくとも前部における上部及び下部にあって、互いに交差接続されており、
前記ベストは
外面と内面とを有し、
前記ベストの前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記ベストの前記外面の少なくとも一部にレーダー反射材料が設けられ、前記ベストの前記前部、前記側部、及び前記背部に位置する通気孔が一体的に形成され、膨張管が一体的に形成され、襟が一体的に形成されており、
前記ベストは非常用に持ち運ぶのに十分な携帯性を有する、
改良。
[付記27]
前記ベストを閉じるため、前記ベストの前記前部に設けられるテープをさらに含み、前記テープは、前記テープの外面に保護カバーを有する、
付記26に記載のベスト。
[付記28]
前記ベストの前記前部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記背部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
付記26に記載のベスト。
[付記29]
前記ベストの前記背部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記前部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
付記26に記載のベスト。
[付記30]
前記ベストの前記内面は、前記小室の外側にある、
付記26に記載のベスト。
[付記31]
前記ベストの前記材料は、0.014インチ以下の厚みを有する、
付記26に記載のベスト。
[付記32]
膨張しない一対の袖部をさらに含む、
付記26に記載のベスト。
[付記33]
前記ベストの前記袖部は、それぞれ、
外面と内面とを有し、
前記袖部の前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記袖部の前記外面の少なくとも一部にレーダー反射材料が設けられている、
付記32に記載のベスト。

Claims (33)

  1. 非常用低体温防止システムの改良されたベストであって、
    前記ベストの少なくとも一部が膨張可能であり、
    前記ベストは、膨張可能な前記一部を提供する空気を通さない材料から成り、
    前記ベストは、
    開閉可能な前記ベストの前部であって、第1パネル及び第2パネルを有し、前記第1パネル及び前記第2パネルは、開いている状態では互いから分離可能で、閉じている状態では互いに結合可能である、前記ベストの前部と、
    それぞれ1つのパネルを含む、前記ベストのほぼ全長に渡る複数の側部と、
    1つのパネルを含む、前記ベストの首領域から腰領域までの前記ベストのほぼ全長に渡る背部と、
    の周囲で断熱性を有し、
    前記ベストは、外面と内面とを有し、
    前記ベストの前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記ベストの前記外面の少なくとも一部にレーダー反射材料が設けられている、
    ベスト。
  2. 前記ベストの前記前部、前記側部、及び前記背部に位置する一体的に形成された通気孔をさらに含む、
    請求項1に記載のベスト。
  3. 一体的に形成された膨張管をさらに含む、
    請求項1に記載のベスト。
  4. 一体的に形成された襟をさらに含む、
    請求項1に記載のベスト。
  5. 前記ベストの前記前部、前記側部、及び前記背部に位置する一体的に形成された通気孔、一体的に形成された膨張管、及び一体的に形成された襟をさらに含む、請求項1に記載のベスト。
  6. 前記ベストの膨張可能な前記一部は、小室を含む、
    請求項1に記載のベスト。
  7. 前記ベストの前記内面は前記小室の外側にある、
    請求項6に記載のベスト。
  8. 前記ベストの前記材料は、0.014インチ以下の厚みを有する、
    請求項1に記載のベスト。
  9. 前記ベストを閉じるため、前記ベストの前記前部に設けられるテープをさらに含み、前記テープは、前記テープの外面に保護カバーを有する、
    請求項1に記載のベスト。
  10. 前記ベストの前記前部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記背部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
    請求項1に記載のベスト。
  11. 前記ベストの前記背部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記前部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
    請求項1に記載のベスト。
  12. 膨張しない一対の袖部をさらに含む、
    請求項1に記載のベスト。
  13. 前記ベストの前記袖部は、それぞれ、
    外面と内面とを有し、
    前記袖部の前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記袖部の前記外面の少なくとも一部にレーダー反射材料が設けられている、
    請求項12に記載のベスト。
  14. 非常用低体温防止システムの改良されたベストであって、
    前記ベストの少なくとも一部が膨張可能であり、
    前記ベストは膨張可能な前記一部を提供する空気を通さない材料から成り、
    前記ベストは
    開閉可能な前記ベストの前部であって、第1パネル及び第2パネルを含み、前記第1パネル及び前記第2パネルは、開いている状態では互いから分離可能で、閉じている状態では互いに結合可能である、前記ベストの前部と、
    それぞれ1つのパネルを含む、前記ベストのほぼ全長に渡る複数の側部と、
    1つのパネルを含む、前記ベストの首領域から腰領域までの前記ベストのほぼ全長に渡る背部と、
    の周囲で断熱性を有し、
    前記ベストは、外面と内面とを有し、
    前記ベストの前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記ベストの前記前部、前記側部、及び前記背部に位置する通気孔が、一体的に形成されている、
    ベスト。
  15. 一体的に形成された膨張管をさらに含む、
    請求項14に記載のベスト。
  16. 一体的に形成された襟をさらに含む、
    請求項14に記載のベスト。
  17. 一体的に形成された膨張管及び一体的に形成された襟をさらに含む、
    請求項14に記載のベスト。
  18. 前記ベストの膨張可能な前記一部は、小室を含む、
    請求項14に記載のベスト。
  19. 前記内面は前記小室の外側にある、
    請求項18に記載のベスト。
  20. 前記ベストの前記材料は、0.014インチ以下の厚みを有する、
    請求項14に記載のベスト。
  21. 前記ベストを閉じるため、前記ベストの前記前部に設けられるテープをさらに含み、前記テープは、前記テープの外面に保護カバーを有する、
    請求項14に記載のベスト。
  22. 前記ベストの前記前部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記背部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
    請求項14に記載のベスト。
  23. 前記ベストの前記背部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記前部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
    請求項14に記載のベスト。
  24. 膨張しない一対の袖部をさらに含む、
    請求項14に記載のベスト。
  25. 前記ベストの前記袖部は、それぞれ、
    外面と内面とを有し、
    前記袖部の前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記袖部の前記外面の少なくとも一部にレーダー反射材料が設けられている、
    請求項24に記載のベスト。
  26. ベストを含む非常用低体温防止システムにおける改良であって、
    前記ベストは、
    開閉可能な前記ベストの前部であって、第1パネル及び第2パネルを有し、前記第1パネル及び前記第2パネルは、開いている状態では互いから分離可能で、閉じている状態では互いに結合可能である、前記ベストの前部と、
    それぞれ1つのパネルを含む、前記ベストのほぼ全長に渡る複数の側部と、
    1つのパネルを含む、前記ベストの首領域から腰領域までの前記ベストのほぼ全長に渡る背部と、
    を囲む断熱性のある衣服で構成され、
    前記衣服の少なくとも一部が膨張可能で空気を通さない材料から成り、
    膨張可能な前記一部は、表面によって範囲を定められる小室を含み、前記小室は、前記ベストの少なくとも前部における上部及び下部にあって、互いに交差接続されており、
    前記ベストは
    外面と内面とを有し、
    前記ベストの前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記ベストの前記外面の少なくとも一部にレーダー反射材料が設けられ、前記ベストの前記前部、前記側部、及び前記背部に位置する通気孔が一体的に形成され、膨張管が一体的に形成され、襟が一体的に形成されており、
    前記ベストは非常用に持ち運ぶのに十分な携帯性を有する、
    改良。
  27. 前記ベストを閉じるため、前記ベストの前記前部に設けられるテープをさらに含み、前記テープは、前記テープの外面に保護カバーを有する、
    請求項26に記載のベスト。
  28. 前記ベストの前記前部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記背部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
    請求項26に記載のベスト。
  29. 前記ベストの前記背部の一方側の上部にテープをさらに含み、前記テープは前記ベストの肩部を形成するために前記ベストの前記前部の一方側の上部と結合可能であり、前記テープは前記テープの外面に保護カバーを有する、
    請求項26に記載のベスト。
  30. 前記ベストの前記内面は、前記小室の外側にある、
    請求項26に記載のベスト。
  31. 前記ベストの前記材料は、0.014インチ以下の厚みを有する、
    請求項26に記載のベスト。
  32. 膨張しない一対の袖部をさらに含む、
    請求項26に記載のベスト。
  33. 前記ベストの前記袖部は、それぞれ、
    外面と内面とを有し、
    前記袖部の前記内面の少なくとも一部に熱放射反射材料が設けられ、前記袖部の前記外面の少なくとも一部にレーダー反射材料が設けられている、
    請求項32に記載のベスト。
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