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JP2019216195A - 巻線部の放熱構造 - Google Patents

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JP2019216195A
JP2019216195A JP2018113070A JP2018113070A JP2019216195A JP 2019216195 A JP2019216195 A JP 2019216195A JP 2018113070 A JP2018113070 A JP 2018113070A JP 2018113070 A JP2018113070 A JP 2018113070A JP 2019216195 A JP2019216195 A JP 2019216195A
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光 平島
Hikari Hirashima
光 平島
真孝 橋本
Masataka Hashimoto
真孝 橋本
智司 遠藤
Satoshi Endo
智司 遠藤
双木俊行
Toshiyuki Namiki
俊行 双木
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】巻線部の寸法公差が大きくても、巻線部の放熱性能に大きなばらつきが生じることを抑制できるようにする。【解決手段】回路基板1と、回路基板1の第一主面1aに対向配置された放熱部材2と、回路基板1の第一主面1a側に実装された巻線部3と、放熱部材2と巻線部3との間に介在する熱伝導部材4と、回路基板1と巻線部3との間隔を調整する間隔調整機構5と、を備える巻線部の放熱構造を提供する。【選択図】図1

Description

この発明は、巻線部の放熱構造に関する。
特許文献1には、回路基板と放熱部材との間に、回路基板に実装されたスイッチング素子やパワーモジュール等の発熱部品を配することで、発熱部品の熱を放熱部材に逃がす放熱構造が開示されている。具体的に、特許文献1の放熱構造では、発熱部品と放熱部材との間に弾性を有する放熱シートが介在している。さらに、特許文献1の放熱構造では、回路基板とこれを支持する基板支持部との間に弾性部材が設けられている。特許文献1の放熱構造では、弾性部材の弾性力によって回路基板及び発熱部品を放熱部材に向けて押し付けることで、放熱シートが弾性的に圧縮されて発熱部品と放熱部材との密着性を高め、発熱部品から放熱部材への伝熱性を良くしている。
特開2012−200055号公報
ところで、この種の放熱構造には、発熱部品が、トロイダルコイル等のように導電性を有する線材を巻くことで構成される巻線部とされたものもある。巻線部の寸法(特に回路基板及び放熱部材の配列方向における寸法)は、線材の巻き方などによって大きくばらついてしまう。巻線部の寸法公差(寸法のばらつき)が大きいと、巻線部と放熱部材との隙間が放熱シート等の熱伝導部材で埋められていても、巻線部と放熱部材との間隔のばらつきが大きくなってしまう。このため、巻線部の放熱性能(巻線部の熱を放熱部材に逃がす性能)に大きなばらつきが生じてしまう、という問題がある。
なお、巻線部の寸法公差は、スイッチング素子やパワーモジュールの寸法公差と比較して非常に大きい。このため、特許文献1のような放熱構造において、弾性部材がその弾性力によって回路基板及び巻線部の位置を変位させる長さには限界がある。すなわち、弾性部材により、巻線部の寸法公差を吸収して巻線部と放熱部材との間隔のばらつきを抑制することは難しい。また、回路基板と放熱部材との間隔を変えられない機器では、特許文献1のような放熱構造を採用することはできない。
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、巻線部の寸法公差が大きくても、巻線部の放熱性能に大きなばらつきが生じることを抑制できる巻線部の放熱構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、回路基板と、前記回路基板の第一主面に対向配置された放熱部材と、前記第一主面側に実装された巻線部と、前記放熱部材と前記巻線部との間に介在する熱伝導部材と、前記回路基板と前記巻線部との間隔を調整する間隔調整機構と、を備える巻線部の放熱構造である。
本発明によれば、間隔調整機構によって放熱部材と巻線部との間隔を調整することができる。このため、回路基板及び放熱部材の配列方向における巻線部の寸法公差が大きくても、放熱部材と巻線部との間隔のばらつきを小さく抑えることができる。これにより、巻線部の放熱性能に大きなばらつきが生じることを抑制できる。
本発明の第一実施形態に係る巻線部の放熱構造を示す概略断面図である。 図1の放熱構造の製造過程を示す概略断面図である。 図1の放熱構造による効果を説明するための概略断面図である。 本発明の第一実施形態に係る巻線部の放熱構造の変形例を示す概略断面図である。 本発明の第二実施形態に係る巻線部の放熱構造を示す概略断面図である。 本発明の第三実施形態に係る巻線部の放熱構造を示す概略断面図である。
〔第一実施形態〕
以下、図1〜3を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る巻線部の放熱構造は、回路基板1と、放熱部材2と、巻線部3と、熱伝導部材4と、間隔調整機構5と、を備える。
放熱部材2は、回路基板1の第一主面1aに対向配置される。すなわち、放熱部材2は、回路基板1の第一主面1aに対して間隔をあけて配されている。本実施形態において、回路基板1と放熱部材2との間隔は、一定に保たれている。放熱部材2は、図示例のように回路基板1から放熱部材2まで延びる支持棒6によって回路基板1の第一主面1a上に支持されてもよいが、これに限ることはない。回路基板1に対向する放熱部材2の対向面2aは、例えば湾曲していたり、凹凸を有していたりしてよいが、本実施形態では平坦に形成されている。
放熱部材2は、例えば外力が作用しても変形しない又は変形しにくい材料によって構成される。放熱部材2は、例えばアルミニウム等のように熱伝導性が高い材料によって構成される。
図示例の放熱部材2は、その対向面2aと反対側に向く面から突出する複数の放熱フィン11を有しているが、これに限ることはない。放熱部材2は、例えば単体のヒートシンクであってもよいし、回路基板1や巻線部3などを収容する筐体であってもよい。
巻線部3は、回路基板1の第一主面1a側に実装される。これにより、巻線部3は、回路基板1と放熱部材2との間に位置する。
巻線部3は、導電性を有する線材を巻き回すことで構成される。巻線部3の具体的な構成は任意であってよい。本実施形態の巻線部3は、トロイダルコイルを構成している。本実施形態において、巻線部3は、その軸線が回路基板1と放熱部材2の配列方向(図1において上下方向)に向くように配されている。放熱部材2に対向する巻線部3の部位21(以下、巻線部3の第一対向部位21と呼ぶ。)の表面には、線材による凹凸が現れている。
巻線部3の端子23は、回路基板1の配線パターン(不図示)に電気接続される。回路基板1に対して巻線部3の端子23を接合する手法は、任意であってよい。本実施形態において、巻線部3の端子23は、回路基板1に挿通された上ではんだ付けによって回路基板1に接合される。回路基板1に対する巻線部3の端子23のはんだ付けは、例えば、回路基板1に印刷されたはんだペーストに熱を加えるリフロー方式で行われてもよいし、回路基板1をはんだ槽に流すフロー方式やDIP方式で行われてもよい。
熱伝導部材4は、放熱部材2と巻線部3との間に介在する。熱伝導部材4は、高い熱伝導性を有する材料によって構成されるとよい。また、熱伝導部材4は、放熱部材2と巻線部3との電気的な絶縁を確保できる材料によって構成されるとよい。
本実施形態における熱伝導部材4は、弾性を有する放熱シート40である。放熱シート40は、例えばその厚さ方向に圧縮されることで、その厚さ寸法が変化する。
間隔調整機構5は、回路基板1と巻線部3との間隔を調整する。間隔調整機構5の具体的な構成は任意であってよい。本実施形態の間隔調整機構5は、調整ねじ31を備える。調整ねじ31は、回路基板1から巻線部3に向けて延びて巻線部3を支持するように回路基板1に対して設けられる。
調整ねじ31に噛み合う雌ねじは、例えば回路基板1に形成されてよい。本実施形態において、調整ねじ31は、回路基板1に設けられた雌ねじ部材32の雌ねじに噛み合う。雌ねじ部材32は、はんだ付け等によって回路基板1に固定されてよい。雌ねじ部材32は、図示例のように回路基板1の第一主面1a側に配されてもよいし、例えば回路基板1の第二主面1b側に配されてもよい。
調整ねじ31は、雌ねじに噛み合う状態で回路基板1に対して回転することにより、回路基板1の厚さ方向に進退する。このため、本実施形態の間隔調整機構5では、調整ねじ31を回路基板1に対して回転させることで、巻線部3を支持する調整ねじ31の延長方向の先端部33の位置が、回路基板1及び放熱部材2の配列方向に変位する。これにより、回路基板1と巻線部3との間隔、及び、巻線部3と放熱部材2との間隔を調整することができる。
本実施形態の調整ねじ31は、例えば回路基板1の第一主面1a側のみに配されてもよいが、本実施形態では、調整ねじ31を容易に操作できるように回路基板1に挿通されている。すなわち、先端部33と反対側に位置する調整ねじ31の端部が、回路基板1の第二主面1bから突出している。
調整ねじ31の数は、例えば一つであってもよい。本実施形態における調整ねじ31の数は、複数である。複数の調整ねじ31は、巻線部3の互いに異なる部位を支持する。複数の調整ねじ31は、例えば巻線部3の周方向に間隔をあけて配列されてよい。図1においては、二つの調整ねじ31が示されているが、調整ねじ31の数は例えば三つ以上であってもよい。
調整ねじ31は、例えば電気的な絶縁性を有する材料によって構成されてよい。本実施形態の調整ねじ31は、金属など導電性を有する材料によって構成されている。
本実施形態に係る巻線部の放熱構造は、電気絶縁性を有する絶縁板7をさらに備える。絶縁板7は、調整ねじ31の先端部33と巻線部3との間に介在する。絶縁板7は、回路基板1の第一主面1aに対向する巻線部3の部位22(以下、巻線部3の第二対向部位22と呼ぶ。)全体を覆う。絶縁板7は、例えばポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)等によって構成されてよい。また、絶縁板7は、例えば、巻線部3の端子23を回路基板1にはんだ付けする際の熱によって変形したり溶けたりしない程度の耐熱性を有する樹脂材料(例えばポリブチレンテレフタレート(PBT))であってよい。
次に、本実施形態に係る巻線部の放熱構造を製造する方法(製造方法)の一例について説明する。
巻線部の放熱構造を製造する際には、はじめに、巻線部3を回路基板1の第一主面1a上に配する(第一配置工程)。本実施形態の配置工程では、回路基板1に設けられた調整ねじ31の先端部33に絶縁板7を配した上で、巻線部3を絶縁板7上に配する。この状態において、巻線部3の端子23は回路基板1に接合されない。
次いで、回路基板1と巻線部3との間隔を調整する(調整工程)。調整工程は、放熱部材2と巻線部3との間隔を調整するために行う。調整工程は、例えば、放熱部材2と巻線部3との間に熱伝導部材4が介在するように、放熱部材2を巻線部3上に配する第二配置工程を実施した後に実施してよい。
本実施形態では、熱伝導部材4である放熱シート40が弾性を有する。このため、放熱部材2と巻線部3との間に放熱シート40を介在させた状態で上記の調整工程を実施すると、放熱シート40が圧縮されて、放熱部材2と巻線部3との間隔を精度よく調整できない。また、放熱シート40が過度に圧縮されてしまうと、放熱部材2と巻線部3との電気的な絶縁(絶縁距離)を確保できない場合がある。
そこで、本実施形態の調整工程は、第二配置工程よりも前に実施する。具体的に、調整工程では、はじめに、図2に例示するように治具9を回路基板1の第一主面1aに配置する。治具9は、巻線部3の第一対向部位21の上方に位置する位置決め部51と、位置決め部51から回路基板1の第一主面1aまで延びて位置決め部51を支持する脚部52と、を備える。回路基板1の第一主面1aと位置決め部51との間隔S2は、放熱部材2と巻線部3との間隔(放熱部材2と巻線部3との電気的な絶縁を確保できる程度の間隔)を考慮して、回路基板1の第一主面1aと放熱部材2との間隔S1(図1参照)よりも若干小さく設定されている。なお、回路基板1と放熱部材2との間隔S1は、支持棒6などによって予め決められている。治具9を回路基板1に配置する際、治具9は、例えばねじ止め等によって回路基板1に対して着脱可能に固定されてよい。
次いで、巻線部3の第一対向部位21が治具9の位置決め部51に接触するように、調整ねじ31を回転させる。これにより、回路基板1と巻線部3との間隔(すなわち放熱部材2と巻線部3との間隔)を精度よく調整することができる。以上により、本実施形態の調整工程が完了する。
調整工程の完了後には、例えば治具9を回路基板1から取り外してもよい。本実施形態では、回路基板1と巻線部3との間隔を維持するために、後述する接合工程の後まで、治具9を回路基板1に取り付けておく。
調整工程後には、巻線部3の端子23を回路基板1に接合する(接合工程)。本実施形態の接合工程では、巻線部3の端子23を回路基板1にはんだ付けする。また、接合工程では、接着等によって調整ねじ31を回路基板1に対して回転不能に固定する。これにより、回路基板1と巻線部3との間隔が不意に変化することを防止できる。
最後に、治具9を回路基板1から取り外し、放熱部材2と巻線部3との間に放熱シート40が介在するように、放熱部材2を巻線部3上に配する(第二配置工程)ことで、本実施形態の放熱構造の製造が完了する。放熱部材2を巻線部3上に配した状態では、放熱シート40が放熱部材2と巻線部3との間に挟まれて圧縮されているとよい。
上記した本実施形態の製造方法のように、治具9を用いて調整工程及び接合工程を順番に実施した後に、治具9を取り外して放熱部材2を巻線部3上に配する第二配置工程を実施することは、放熱部材2が例えば回路基板1及び巻線部3を収容する筐体である等して回路基板1よりも大きい場合にも有効である。すなわち、接合工程において放熱部材2よりも小さい治具9が回路基板1に取り付けられていることで、接合工程(特にフロー方式やDIP方式によるはんだ付け)を、放熱部材2によって阻害されることなく簡単に実施することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る巻線部の放熱構造によれば、間隔調整機構5によって放熱部材2と巻線部3との間隔を調整することができる。このため、回路基板1及び放熱部材2の配列方向における巻線部3の寸法公差が大きくても、放熱部材2と巻線部3との間隔のばらつきを小さく抑えることができる。これにより、巻線部3の放熱性能に大きなばらつきが生じることを抑制できる。
特に、本実施形態では、巻線部3の寸法公差に基づく、巻線部3と放熱シート40との接触面積のばらつきや、巻線部3が放熱シート40に押し付けられる圧力(接触圧力)のばらつきを小さく抑えることができる。これにより、巻線部3の寸法公差による、巻線部3と放熱部材2との間の熱抵抗(接触熱抵抗)の差を小さく抑えることができる。その結果として、巻線部3の放熱性能に大きなばらつきが生じることを抑制できる。
また、本実施形態に係る巻線部の放熱構造では、間隔調整機構5が回路基板1に設けられた調整ねじ31によって構成されている。このため、調整ねじ31を回転させるだけで、放熱部材2と巻線部3との間隔を簡単に調整できる。
また、調整ねじ31の回転トルクを管理するだけで、巻線部3を放熱部材2に向けて押し付ける押付力を適切に調整することができる。このため、上記の押付力に基づいて巻線部3に過度な応力がかかることを簡単に防ぐことができる。すなわち、巻線部3の保護を図ることができる。
また、本実施形態に係る巻線部の放熱構造では、複数の調整ねじ31が巻線部3の互いに異なる部位を支持する。このため、図3に例示するように、回路基板1の第一主面1aを基準とした複数の調整ねじ31の先端部33の高さ位置を互いに異ならせることで、第一主面1a上における巻線部3の姿勢(傾き)を変えることができる。これにより、巻線部3の巻き方等によって放熱部材2に対向する巻線部3の第一対向部位21の凹凸に偏りがあっても、巻線部3の第一対向部位21全体を放熱部材2に近づけることができる。したがって、巻線部3の第一対向部位21の凹凸に偏りがあっても、巻線部3の熱を効率よく放熱部材2に伝えることができる。すなわち、巻線部3の放熱効率を向上できる。
また、本実施形態に係る巻線部の放熱構造では、調整ねじ31の先端部33と巻線部3との間に、回路基板1の第一主面1aに対向する巻線部3の第二対向部位22全体を覆う絶縁板7が設けられている。このため、調整ねじ31が導電性を有していても、絶縁板7によって巻線部3と調整ねじ31との電気的な絶縁を図ることができる。特に、絶縁板7が巻線部3の第二対向部位22全体を覆うことで、巻線部3と調整ねじ31との絶縁距離を十分に確保することができる。これにより、調整ねじ31と回路基板1の配線パターンとの距離が短くても、巻線部3と回路基板1の配線パターンとの間で電気的な短絡が発生することを防止できる。
また、本実施形態に係る巻線部の放熱構造では、放熱部材2と巻線部3との間に介在する熱伝導部材4が、弾性を有する放熱シート40である。このため、放熱シート40に対向する巻線部3の第一対向部位21が凹凸を有していても、第一対向部位21が放熱シート40に押し付けられて放熱シート40が弾性変形することで、放熱シート40と巻線部3の第一対向部位21との接触面積を確保できる。これにより、巻線部3の熱を効率よく放熱シート40に伝えることができる。すなわち、巻線部3の放熱効率を向上できる。
第一実施形態の放熱構造は、例えば図4に示すように、巻線部3の側部(外周面)全体を覆う筒状壁部8をさらに備えてよい。筒状壁部8は、回路基板1と放熱部材2の配列方向に延びる筒状に形成されている。筒状壁部8の内周面は、巻線部3の側部に対して間隔をあけて位置する。筒状壁部8は、図4に例示するように絶縁板7と一体に形成されてもよいし、例えば絶縁板7とは別個に形成された上で絶縁板7に固定されてもよい。放熱部材2側に位置する筒状壁部8の端部は、例えば放熱部材2の対向面2aに接触してもよいし、図4に例示するように対向面2aに対して間隔をあけて位置してもよい。筒状壁部8の軸方向の寸法は、間隔調整機構5によって巻線部3と放熱部材2との間隔を調整しても、筒状壁部8が放熱部材2の対向面2aに押し付けられることがないように設定されるとよい。
図4に例示した構成において、筒状壁部8は、巻線部3の側部から空気中に逃げた熱が回路基板1に到達することを抑制又は防止する。すなわち、回路基板1を巻線部3の熱から保護することができる。また、巻線部3の側部から空気中に逃げた熱は、回路基板1よりも放熱部材2に伝わりやすくなる。すなわち、巻線部3の熱を効率よく放熱部材2に逃がすことができる。
筒状壁部8は、例えば、巻線部3の熱が筒状壁部8の内側から外側(外周面側)に伝わり難い断熱性を有してよい。また、絶縁板7は、筒状壁部8と同様に断熱性を有してよい。また、筒状壁部8は、例えば絶縁板7と同様に電気絶縁性を有してよい。
〔第二実施形態〕
次に、図5を参照して本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の巻線部の放熱構造は、第一実施形態と同様の回路基板1、放熱部材2、巻線部3、熱伝導部材4及び間隔調整機構5を備える。
ただし、本実施形態の放熱構造は、第一実施形態の絶縁板7(図1参照)に代えて、電気絶縁性を有する絶縁キャップ7Cを備える。絶縁キャップ7Cは、調整ねじ31の先端部33を覆う。すなわち、絶縁キャップ7Cは、巻線部3と調整ねじ31の先端部33との間に介在する。図示例において、巻線部3の第二対向部位22に接触する絶縁キャップ7Cの面は、球面状に形成されているが、任意の形状に形成されてよい。
第二実施形態に係る巻線部の放熱構造では、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第二実施形態に係る巻線部の放熱構造では、調整ねじ31の先端部33が絶縁キャップ7Cによって覆われる。このため、調整ねじ31が導電性を有していても、絶縁キャップ7Cによって巻線部3と調整ねじ31との電気的な絶縁を図ることができる。これにより、調整ねじ31と回路基板1の配線パターンとの距離が短くても、巻線部3と回路基板1の配線パターンとの間で電気的な短絡が発生することを防止できる。
また、絶縁キャップ7Cを採用する場合には、回路基板1の第一主面1aに対向する巻線部3の第二対向部位22を開放することができる。このため、巻線部3の第二対向部位22全体が絶縁板7によって覆われる場合と比較して、巻線部3の熱を第二対向部位22から空気中に逃がすこともできる。したがって、巻線部3の放熱効率の向上を図ることができる。
〔第三実施形態〕
次に、図6を参照して本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の巻線部の放熱構造は、第一実施形態と同様に、回路基板1、放熱部材2、巻線部3、熱伝導部材4D及び間隔調整機構5を備える。また、本実施形態の巻線部の放熱構造は、第一実施形態と同様の絶縁板7も備える。
ただし、本実施形態における熱伝導部材4Dは、巻線部3のうち放熱部材2に対向する第一対向部位21を封止する封止樹脂40Dである。封止樹脂40Dは、例えばエポキシ樹脂等のように外力が作用しても変形しない又は変形しにくい樹脂であるとよい。
放熱部材2に対向する巻線部3の第一対向部位21の表面を覆う封止樹脂40Dの厚さ寸法T1は、回路基板1及び放熱部材2の配列方向における巻線部3の寸法に関わらず同じ(一定)とするとよい。これにより、封止樹脂40Dを放熱部材2に接触させた状態における放熱部材2と巻線部3との間隔を、上記した巻線部3の寸法に関わらず、一定に保つことができる。
封止樹脂40Dは、図示例のように巻線部3の側部(図6において巻線部3の左右方向の端部)も覆ってよいが、例えば覆わなくてもよい。
第三実施形態に係る巻線部の放熱構造では、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第三実施形態に係る巻線部の放熱構造では、放熱部材2と巻線部3との間に介在する熱伝導部材4Dが、巻線部3の第一対向部位21を封止する封止樹脂40Dである。封止樹脂40Dは、第一実施形態の放熱シート40(図1参照)と比較して外力に対して変形しない又は変形しにくいため、治具9(図2参照)を用いることなく、放熱部材2に対する巻線部3の位置を間隔調整機構5によって簡単かつ精度よく調整することができる。すなわち、放熱部材2を巻線部3上に配した状態で、巻線部3と放熱部材2との間隔を調整できる。したがって、巻線部の放熱構造を含む機器の製造効率の向上を図ることができる。
第三実施形態のように熱伝導部材4Dを封止樹脂40Dとすることは、第二実施形態の放熱構造にも適用可能である。
絶縁板7を備える第三実施形態の放熱構造は、例えば図4に示した筒状壁部8を備えてもよい。
なお、第三実施形態の放熱構造であっても、放熱部材2が例えば回路基板1及び巻線部3を収容する筐体である等して回路基板1よりも大きい場合には、第一実施形態の場合と同様に、放熱部材2よりも小さい治具9を用いて調整工程及び接合工程を順番に実施した後に、治具9を取り外して放熱部材2を巻線部3上に配する第二配置工程を実施してよい。この場合には、接合工程(特にフロー方式やDIP方式によるはんだ付け)を、放熱部材2によって阻害されることなく簡単に実施することができる。
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
本発明において、間隔調整機構を構成する調整ねじは、例えば、電気的な絶縁性を有する材料によって構成されてよい。また、調整ねじは、例えば、回路基板の配線パターンに対して電気的な絶縁を確保できる程度に間隔をあけて位置してもよい。このような場合には、巻線部と調整ねじとの間に、絶縁板や絶縁キャップが介在しなくても、巻線部と回路基板の配線パターンとの間で電気的な短絡が発生することを防止できる。
本発明において、巻線部は、トロイダルコイルに限らず、例えばトランスやチョークコイルなど任意の巻線部品を構成してよい。
1 回路基板
1a 第一主面
2 放熱部材
3 巻線部
4,4D 熱伝導部材
5 間隔調整機構
7 絶縁板
7C 絶縁キャップ
31 調整ねじ
33 先端部
40 放熱シート
40D 封止樹脂

Claims (7)

  1. 回路基板と、
    前記回路基板の第一主面に対向配置された放熱部材と、
    前記第一主面側に実装された巻線部と、
    前記放熱部材と前記巻線部との間に介在する熱伝導部材と、
    前記回路基板と前記巻線部との間隔を調整する間隔調整機構と、を備える巻線部の放熱構造。
  2. 前記間隔調整機構が、前記回路基板から前記巻線部に向けて延びて前記巻線部を支持するように前記回路基板に設けられた調整ねじを備え、
    前記調整ねじを前記回路基板に対して回転させることで、前記巻線部を支持する前記調整ねじの延長方向の先端部の位置が変位する請求項1に記載の巻線部の放熱構造。
  3. 複数の前記調整ねじが、前記巻線部の互いに異なる部位を支持する請求項2に記載の巻線部の放熱構造。
  4. 電気絶縁性を有し、前記調整ねじの先端部と前記巻線部との間に介在して前記第一主面に対向する前記巻線部の部位全体を覆う絶縁板を備える請求項2又は請求項3に記載の巻線部の放熱構造。
  5. 電気絶縁性を有し、前記調整ねじの先端部を覆う絶縁キャップを備える請求項2又は請求項3に記載の巻線部の放熱構造。
  6. 前記熱伝導部材が、弾性を有する放熱シートである請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の巻線部の放熱構造。
  7. 前記熱伝導部材が、前記巻線部のうち前記放熱部材に対向する部位を封止する封止樹脂である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の巻線部の放熱構造。
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