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JP2019201162A - 光装置 - Google Patents

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石井 啓之
Hiroyuki Ishii
啓之 石井
義孝 大礒
Yoshitaka Ooiso
義孝 大礒
小林 亘
Wataru Kobayashi
亘 小林
藤澤剛
Takeshi Fujisawa
剛 藤澤
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Hokkaido University NUC
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Hokkaido University NUC
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

【課題】光源として用いる半導体から構成された光装置を、より広帯域化する。【解決手段】量子井戸構造の活性部101を備え、活性部101は、InGaAlAsから構成された井戸層111と、炭素をドーピングしてp型としたInGaAlAsから構成されて井戸層111を挾む障壁層112とから構成されている。また、n型のInPからなる第1クラッド層102の上に、n型のInGaAlAsからなる第1光閉じ込め層103を形成し、第1光閉じ込め層103の上に活性部101を形成している。また、活性部101の上には、p型のInGaAlAsからなる第2光閉じ込め層104を形成し、この上に、p型のInPからなる第2クラッド層105を形成している。【選択図】 図1

Description

本発明は、量子井戸構造の活性部を備える光装置に関する。
近年、インターネットによる動画閲覧などの需要増加に伴い、光通信で扱われる情報量が急増している。コンピューターおよびネットワークをもとにして発展してきたイーサネット(登録商標)の規格の信号速度も、1Gbps,10Gbps,100Gbpsと次々に大容量化されてきた。
主にデータセンタ内やデータセンタ間で用いられる速度100Gbps、伝送距離10kmのイーサネット規格「100GbE−LR4」では、波長多重技術を用いた強度変調/直接検波方式の光通信システムとなっている。この規格では、信号速度25Gbpsの光信号を4波長多重化して、信号速度を100Gbpsとしている。送信用の光源としては、25Gbpsの速度で変調が可能な、直接変調型の分布帰還型(DFB)レーザや電界吸収型(EA)変調器を集積したDFBレーザが用いられる。
さらなる高速化を目指した信号速度400Gbpsや1Tbpsのシステムの検討も始まっているが、ここで課題となるのが、送信光源の動作速度である。信号速度400Gbpsや1Tbpsのシステムを実現するためには、変調光源の動作速度を50Gbps以上に高速化し、さらに多値強度変調を施す必要があり、変調光源の広帯域化が課題となっている。
W. Kobayashi et al., "50-Gb/s Direct Modulation of a 1.3-μm InGaAlAs-Based DFB Laser With a Ridge Waveguide Structure", IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, vol. 19, no. 4, 1500908, 2013.
半導体光源の広帯域化には、いくつかの解決方法がある。例えば、半導体レーザの活性層として用いる量子井戸構造を、バンドエンジニアリングにより最適化する方法が1つである。また、レーザの共振器長や回折格子による反射率などのレーザ共振器の構造パラメータを最適化する方法もある。非特許文献1は、量子井戸構造やレーザ共振器構造を最適化して作製した直接変調レーザの例であり、50Gbpsの変調速度を実現している。但し、このレーザでも、多値強度変調を施すには、周波数帯域が不足しており、さらなる広帯域化が求められている。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、光源として用いる半導体から構成された光装置を、より広帯域化することを目的とする。
本発明に係る光装置は、量子井戸構造の活性部を備え、活性部は、InGaAlAsから構成された井戸層と、炭素をドーピングしてp型としたInGaAlAsから構成されて井戸層を挟んで配置された障壁層とを備える。
上記光装置において、活性部は、回折格子から構成された共振部を備えて分布帰還型レーザを構成する。
上記光装置において、分布帰還型レーザに直列に集積された第2活性部からなる光増幅器を備え、第2活性部は、活性部と同じ量子井戸構造とされている。
上記光装置において、分布帰還型レーザに直列に集積された電界吸収型の光変調器を備えるようにしてもよい。
上記光装置において、障壁層にドーピングされた炭素の濃度は、6〜8×1024cm-3の範囲とされていればよい。
以上説明したように、本発明によれば、量子井戸構造の活性部を構成する障壁層を、炭素をドーピングしてp型としたInGaAlAsから構成したので、光源として用いる半導体から構成された光装置を、より広帯域化することができるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における光装置の構成を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態における光装置のバンド構造を示すバンド図である。 図3Aは、本発明の実施の形態における光装置の適用例となる半導体レーザの構成を示す断面図である。 図3Bは、本発明の実施の形態における光装置の適用例となる半導体レーザの構成を示す断面図である。 図4は、実施の形態における光装置を半導体レーザとした場合の、障壁層における炭素のドーピング濃度を変化させたときの、閾値キャリア密度Nthの変化を示す特性図である。 図5は、実施の形態における光装置を半導体レーザとした場合の、障壁層における炭素のドーピング濃度を変化させたときの、閾値微分利得∂gth/∂nの変化を示す特性図である。 図6は、本発明の実施の形態における他の光装置の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態おける光装置について図1を参照して説明する。この光装置は、量子井戸構造の活性部101を備える。活性部101は、InGaAlAsから構成された井戸層111と、炭素をドーピングしてp型としたInGaAlAsから構成されて井戸層111を挾む障壁層112とから構成されている。この例では、2つの井戸層111を備える構成としている。
なお、実施の形態では、n型のInPからなる第1クラッド層102の上に、n型のInGaAlAsからなる第1光閉じ込め層103を形成し、第1光閉じ込め層103の上に活性部101を形成している。また、活性部101の上には、p型のInGaAlAsからなる第2光閉じ込め層104を形成し、この上に、p型のInPからなる第2クラッド層105を形成している。
実施の形態において、活性部101は、第1光閉じ込め層103および第2光閉じ込め層104に挾まれて配置されている。また、第1光閉じ込め層103、活性部101、第2光閉じ込め層104は、第1クラッド層102および第2クラッド層105に挾まれて配置されている。
次に、実施の形態における光装置の積層方向のエネルギー・バンドについて、図2を参照して説明する。
p型のInGaAlAsからなる障壁層112にドープした炭素はアクセプターとして働き、正孔を価電子帯に放出するが、これらの正孔203はエネルギーの低い井戸層111に溜まることになる。また、p−i−nのダイオード構造に電圧を印加しなくとも、ドーピングの効果により、井戸層111に正孔203が分布していることになる。なお、井戸層111には、ダイオード構造に電圧を印加することで注入された電子201および正孔202もとどまる。この結果、ダイオード構図に電圧をかけて、電子や正孔を井戸層111に注入したときの光学利得特性に変化が生じる。
上述したように、実施の形態における量子井戸構造には、もともと正孔が分布していることにより、キャリアの反転分布が起きやすくなり、光学利得や利得係数を大きくすることができる。これらは、変調ドーピングとして古くより知られているが、この技術をInGaAlAs系の量子井戸構造に適用したのが、本発明の特徴である。
従来、InP基板を用いた長波長帯(1.3〜1.6μm)のレーザを構成する量子井戸構造には、InGaAsPが多く用いられてきた。InGaAsPの場合、一般には、p型のドーパントとしては亜鉛(Zn)が用いられている。しかしながら、Znは拡散係数が大きいため、結晶成長でレーザ構造を作製している最中に拡散しやすく、変調ドーピングをしても、拡散によりZnが移動してしまい、所望のドーピング分布を得られないという問題があった。
これに対し、本発明では、InGaAlAsから構成した障壁層112に炭素(C)をドーピングすることによって、量子井戸構造の活性部101において変調ドーピングを実現している。CはZnに比べて、拡散係数が2桁小さいため、図2に示すようなバンドの状態が得られるドーピング分布が実現できる。なお、InGaAsPに対しては、Cはn型のドーパントとなるので、この構成は、上述した実施の形態における活性部101とする量子井戸構造には適用できない。
実施の形態における光装置は、例えば、半導体レーザとすることができる。この半導体レーザの直接変調の帯域を決める重要なパラメータは、緩和振動周波数frであり、以下の式で表される。
Figure 2019201162
なお、上記式において、τphは光子寿命、∂gth/∂nは閾値微分利得、Iは注入電流、Ithは閾値電流を示す。
障壁層に炭素をドープすることによる変調ドーピング構造を用いることにより、閾値電流Ithを低減し、閾値微分利得∂gth/∂nを増加させることができるので、緩和振動周波数frの増大が期待される。この結果、変調帯も増加する。
次に、上述した実施の形態における光装置を半導体レーザとする場合について、図3A、図3Bを参照して説明する。図3Aは、光導波方向に平行な断面を示し、図3Bは、光導波方向に垂直な断面を示している。
この半導体レーザは、n型のInPからなる第1クラッド層300の上に、InGaAlAsから構成された井戸層と、炭素をドーピングしてp型としたInGaAlAsから構成された障壁層とによる量子井戸構造の活性部302を形成している。活性部302は、例えば、井戸層の層数が8とされ散る。また、井戸層は、約1.5%の圧縮歪が加わるような組成とされている。
また、活性部302の上には、InGaAsPからなるガイド層303を形成し、この上に、p型のInPからなる第2クラッド層301を形成している。ガイド層303には、単一モードで発振する分布帰還型レーザの共振部とするための回折格子304が形成されている。レーザ共振器長は150μmである。
また、第1クラッド層300の裏面側には、Auからなるn側電極306が形成され、第2クラッド層301の上には、p型のInGaAsPからなるコンタクト層305を介してAuからなるp側電極307が形成されている。また、活性部302,回折格子304が形成されているガイド層303の側部は、半絶縁性のInPからなる埋め込み層310により埋め込まれ、電流を効率よく注入するための電流狭窄構造とされている。また、活性部302の導波方向の一端には、高反射膜308が形成され、他端には反射防止膜309が形成されている。
上述した各構造パラメータは、変調周波数帯域が増大するように最適化した値である。p側電極307とn側電極306の間に電圧を印加し、活性部302に電流を流すことによってレーザ発振を得る。
上述した半導体レーザの障壁層における炭素のドーピング濃度を変化させたときの、閾値キャリア密度Nthの変化を図4に示し、閾値微分利得∂gth/∂nの変化を図5に示す。なお、閾値利得が300-1,400-1,500cm-1の場合を示している。また、発振波長は、1300nmである。ドーピング濃度の増加に伴い閾値キャリア密度Nthは減少する。閾値微分利得∂gth/∂nはドーピング濃度p0=5×1024-3程度まで単調増加し、この後、飽和する傾向を見せる。また、閾値利得が300〜500cm-1程度の範囲であれば、それほど特性は大きく変化しない。ドーピング濃度を多くし過ぎると、結晶性の低下を引き起こす可能性があるので、ドーピング濃度は6〜8×1024-3程度が望ましいといえる。このときの閾値微分利得は1.5倍程度まで増加する。
なお、上述した半導体レーザでは、活性部302の上に回折格子を形成したDFB構造としているが、これに限るものではない。例えば、活性部以外の光導波路に回折格子を形成したいわゆる分布反射型(Distributed Bragg Reflector:DBR)のレーザでもよい。また、光導波路の構造としては、埋め込み型の構造となっているが、リッジ型の構造にも適用可能である。
次に、上述した実施の形態における光装置を、半導体レーザに、光増幅器および光変調器を組み合わせた構成について、図6を参照して説明する。図6は、光が導波する方向に平行な断面を示している。
この例では、半導体レーザ351,電界吸収型の光変調器352,光増幅器353をこれらの順に直列に集積している。半導体レーザ351における構成は、図3A,図3Bを用いて説明した半導体レーザと同様である。また、全ての領域において、第1クラッド層300,第2クラッド層301は共通としている。
光変調器352は、第1クラッド層300の上に、InGaAsPによる多重量子井戸構造の活性コア部314を備え、第2クラッド層301上にp型のInGaAsPからなるコンタクト層305を介してp側電極311が形成されている。
また、光増幅器353は、第2クラッド層301の上に、炭素をドーピングしてp型としたInGaAlAsから構成した障壁層による量子井戸構造の活性部302を備え、第2クラッド層301上にp型のInGaAsPからなるコンタクト層305を介してp側電極312が形成されている。光増幅器353では、半導体レーザ351と同じ活性部302を備えているが、共振構造は備えていない。
また、半導体レーザ351と光変調器352との間、および光変調器352と光増幅器353との間は、InGaAsPから構成されたパッシブコア313による光導波路で光学的に接続されている。
この光装置では、変調周波数帯域は、変調ドープ構造としていない活性コア部314からなる光変調器352によって決定されるので、変調ドーピングによる変調周波数帯域への影響はない。しかしながら、変調ドープ構造とした活性部302により半導体レーザ351の閾値電流が下がることと、光増幅器353の利得が増大することにより、低消費電力で動作させることが可能となる。
以上に説明したように、本発明によれば、量子井戸構造の活性部を構成する障壁層を、炭素をドーピングしてp型としたInGaAlAsから構成したので、光源として用いる半導体から構成された光装置を、より広帯域化することができるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…活性部、102…第1クラッド層、103…第1光閉じ込め層、104…第2光閉じ込め層、105…第2クラッド層、111…井戸層、112…障壁層。

Claims (5)

  1. 量子井戸構造の活性部を備える光装置であって、
    前記活性部は、
    InGaAlAsから構成された井戸層と、
    炭素をドーピングしてp型としたInGaAlAsから構成されて前記井戸層を挾む障壁層と
    を備えることを特徴とする光装置。
  2. 請求項1記載の光装置において、
    前記活性部は、回折格子から構成された共振部を備えて分布帰還型レーザを構成することを特徴とする光装置。
  3. 請求項2記載の光装置において、
    前記分布帰還型レーザに直列に集積された第2活性部からなる光増幅器を備え、
    前記第2活性部は、前記活性部と同じ量子井戸構造とされていることを特徴とする光装置。
  4. 請求項2または3記載の光装置において、
    前記分布帰還型レーザに直列に集積された電界吸収型の光変調器を備えることを特徴とする光装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に光装置において、
    前記障壁層にドーピングされた炭素の濃度は、6〜8×1024cm-3の範囲とされていることを特徴とする光装置。
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