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JP2019138512A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械室の省スペース化を図りつつ、騒音を抑制した冷蔵庫を提供する。【解決手段】冷蔵温度帯室と、冷凍温度帯室と、前記冷蔵温度帯室と前記冷凍温度帯室との間を仕切る断熱仕切壁と、冷媒を吐出する圧縮機と、冷媒の熱を外気に放熱する放熱器と、を有し、前記冷蔵温度帯室内から吸熱する第一の蒸発器と、前記第一の蒸発器から流れ出た冷媒のうち液冷媒が前記圧縮機に流入するのを防止する第一の気液分離器と、前記冷凍温度帯室内から吸熱する第二の蒸発器と、前記第二の蒸発器から流れ出た冷媒のうち液冷媒が前記圧縮機に流入するのを防止する第二の気液分離器と、前記第一の気液分離器からの冷媒と前記第二の気液分離器からの冷媒とを接続する冷媒合流部と、を備えた冷蔵庫において、前記第二の気液分離器から前記冷媒合流部側へは冷媒が流れ、前記冷媒合流部から前記第二の気液分離器側へは冷媒が流れないようにする逆止弁が、断熱材の中に埋設されている。【選択図】図5

Description

本発明は、冷蔵庫に関する。
従来、冷蔵庫の冷凍サイクルの構成として、冷蔵温度帯の貯蔵室を冷却するための冷蔵用蒸発器と冷凍温度帯を含む貯蔵室を冷却する冷凍用蒸発器を並列に接続し、時系列的に交互に貯蔵室を冷却する冷蔵庫がある。そのような冷蔵庫では、一般的に冷凍用蒸発器(例えば−25℃)のほうが、冷蔵用蒸発器(例えば−10℃)よりも低圧であるため、圧力の関係から冷凍用蒸発器に冷媒が逆流しやすくなる。そこで、冷凍用蒸発器側の冷凍サイクルには逆止弁を設けることで、冷媒の逆流を防止している。例えば、特許文献1では、逆止弁の設置位置を断熱箱体外側の機械室に設けている。
特許第3696064号公報
しかしながら、上記のように機械室に設けると、逆止弁は垂直に設置しないと効果が小さくなるという特性上、機械室のスペースが大きくなるという問題があった。また、逆止弁の一部が小径化されていることから、逆止弁から音が鳴るという問題があった。
本発明の目的は、機械室の省スペース化を図りつつ、騒音を抑制した冷蔵庫を提供することにある。
上記課題を鑑みてなされた本発明は、冷蔵温度帯室と、冷凍温度帯室と、前記冷蔵温度帯室と前記冷凍温度帯室との間を仕切る断熱仕切壁と、冷媒を吐出する圧縮機と、冷媒の熱を外気に放熱する放熱器と、を有し、冷媒を減圧する第一のキャピラリチューブと、前記冷蔵温度帯室内から吸熱する第一の蒸発器と、前記第一の蒸発器から流れ出た冷媒を前記圧縮機に戻す第一のサクションパイプと、前記第一の蒸発器から流れ出た冷媒のうち液冷媒が前記圧縮機に流入するのを防止する第一の気液分離器と、冷媒を減圧する第二のキャピラリチューブと、前記冷凍温度帯室内から吸熱する第二の蒸発器と、前記第二の蒸発器から流れ出た冷媒を前記圧縮機に戻す第二のサクションパイプと、前記第二の蒸発器から流れ出た冷媒のうち液冷媒が前記圧縮機に流入するのを防止する第二の気液分離器と、前記第一の気液分離器からの冷媒と前記第二の気液分離器からの冷媒とを接続する冷媒合流部と、を備えた冷蔵庫において、前記第二の気液分離器から前記冷媒合流部側へは冷媒が流れ、前記冷媒合流部から前記第二の気液分離器側へは冷媒が流れないようにする逆止弁が、断熱材の中に埋設されている。
本発明によれば、機械室の省スペース化を図りつつ騒音を抑制した冷蔵庫を提供できる。
実施例に係わる冷蔵庫の正面図 図1のA−A断面図 図2のB−B断面図 実施例の冷蔵庫における冷凍サイクル構成を示す概略図 図2のC−C断面図 実施例の冷蔵庫におけるサクションパイプの温度の例
以下、本発明の実施に係る冷蔵庫について説明する。図1は実施例に係わる冷蔵庫の正面図、図2は図1のA−A断面図、図3は図2のB−B断面図である。冷蔵庫1の箱体10は、上方から冷蔵室2、左右に併設された製氷室3と上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6の順番で貯蔵室を有している。冷蔵庫1はそれぞれの貯蔵室の開口を開閉するドアを備えている。これらのドアは、冷蔵室2の開口を開閉する、左右に分割された回転式の冷蔵室ドア2a、2bと、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6の開口をそれぞれ開閉する引き出し式の製氷室ドア3a、上段冷凍室ドア4a、下段冷凍室ドア5a、野菜室ドア6aである。以下では、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5は、まとめて冷凍室7と呼ぶ。
冷凍室7は、基本的に庫内を冷凍温度帯(0℃未満)の例えば平均的にー18℃程度にした貯蔵室であり、冷蔵室2及び野菜室は庫内を冷蔵温度帯(0℃以上)とし、例えば冷蔵室2は平均的に4℃程度、野菜室は平均的に7℃程度にした貯蔵室である。
ドア2aには庫内の温度設定の操作を行う操作部26を設けている。冷蔵庫1とドア2a、2bを固定するためにドアヒンジ(図示せず)が冷蔵室2上部及び下部に設けてあり、上部のドアヒンジはドアヒンジカバー16で覆われている。
図2に示すように、外箱10aと内箱10bとの間に発泡断熱材(例えば発泡ウレタン)を充填して形成される箱体10により、冷蔵庫1の庫外と庫内は隔てられている。箱体10には発泡断熱材に加えて複数の真空断熱材25を、鋼板製の外箱10aと合成樹脂製の内箱10bとの間に実装している。冷蔵室2と、上段冷凍室4及び製氷室3は断熱仕切壁28によって隔てられ、同様に下段冷凍室5と野菜室6は断熱仕切壁29によって隔てられている。また、製氷室3、上段冷凍室4、及び下段冷凍室5の各貯蔵室の前面側には、ドア3a、4a、5aの隙間から冷凍室7内の空気が庫外へ漏れ、庫外の空気が各貯蔵室に侵入しないよう、断熱仕切壁30を設けている。
冷蔵室2のドア2a、2bの庫内側には複数のドアポケット33a、33b、33cと、複数の棚34a、34b、34c、34dを設け、複数の貯蔵スペースに区画されている。冷凍室7及び野菜室6には、それぞれドア3a、4a、5a、6aと一体に引き出される製氷室容器(図示せず)、上段冷凍室容器4b、下段冷凍室容器5b、野菜室容器6bを備えている
断熱仕切壁28の上方には、冷蔵室2の温度帯よりも低めに設定されたチルドルーム35を設けている。本チルドルームは、例えば後述するR蒸発器14aとRファン9aの制御、及び断熱仕切壁28内に設けたヒータ(図示せず)により、冷蔵温度帯の例えば約0〜3℃にするモードと冷凍温度帯の例えば約−3〜0℃にするモードに切換えることができる。
冷蔵用蒸発器であるR蒸発器14aは冷蔵室2の略背部に備えた冷蔵用蒸発器室であるR蒸発器室8a内に設けてある。R蒸発器14aと熱交換して低温になった空気は、R蒸発器14aの上方に設けた冷蔵用ファンであるRファン9aにより、冷蔵室風路11、冷蔵室吐出口11aを介して冷蔵室2に送風され、冷蔵室2内を冷却する。冷蔵室2に送風された空気は冷蔵室戻り口15a及び15b(図3参照)からR蒸発器室8aに戻り、再びR蒸発器14aにより冷却される。
冷凍用蒸発器であるF蒸発器14bは冷凍室7の略背部に備えた冷凍用蒸発器室であるF蒸発器室8b内に設けてある。F蒸発器14bと熱交換して低温になった空気は、F蒸発器14bの上方に設けた冷凍用ファンであるFファン9bにより、冷凍室風路12、冷凍室吐出口12aを介して冷凍室7に送風し、冷凍室7内を冷却する。冷凍室7に送風された空気は冷凍室戻り口17からF蒸発器室8bに戻り、再びF蒸発器14bにより冷却される。
本実施例の冷蔵庫1では、野菜室6もF蒸発器14bで低温にした空気で冷却する。F蒸発器14bで低温になったF蒸発器室8bの空気は、Fファン9bにより野菜室風路(図示せず)、野菜室ダンパ(図示せず)を介して野菜室6に送風し、野菜室6内を冷却する。野菜室6が低温の場合は、野菜室ダンパを閉じることで野菜室6の冷却を抑える。なお、野菜室6に送風された空気は断熱仕切壁29の下部前方に設けた野菜室側の冷気戻り部18aから野菜室冷気戻りダクト18を介してF蒸発器室8bの下部に戻る。
冷蔵室2、冷凍室7、野菜室6の庫内背面側には、それぞれ冷蔵室温度センサ41、冷凍室温度センサ42、野菜室温度センサ43を設け、R蒸発器14aの上部にはR蒸発器温度センサ40a、F蒸発器14bの上部にはF蒸発器温度センサ40bを設け、これらのセンサにより、冷蔵室2、冷凍室7、野菜室6、R蒸発器14a、及びF蒸発器14bの温度を検知している。また、冷蔵庫1の天井部のドアヒンジカバー16の内部には、外気(庫外空気)の温度、湿度を検知する外気温度センサ37を設けている。その他のセンサとして、ドア2a、2b、3a、4a、5a、6aの開閉状態をそれぞれ検知するドアセンサ(図示せず)や、後述する仕切部温度検知手段である仕切部温度センサ100等も設けている。
図2及び図3に示すように、F蒸発器室8bの下部には、F蒸発器14bを加熱する除霜ヒータ21を設けている。除霜ヒータ21は、例えば50W〜200Wの電気ヒータで、本実施例では150Wのラジアントヒータとしている。F蒸発器14bの除霜時に発生した除霜水(融解水)はF蒸発器室8bの下部に設けたトイ23bに落下し、排水口22b、F排水管27bを介して圧縮機24の上部に設けた蒸発皿32に排出される。
また、R蒸発器14aの除霜方法については図8を用いて後述するが、R蒸発器14aの除霜時に発生した除霜水は、R蒸発器室8aの下部に設けたトイ23aに落下し、排水口22a、R排水管27aを介して圧縮機24の上部に設けた蒸発皿32に排出される。
図3に示すように、トイ23aにはトイ23aでの除霜水が凍結した際に除霜水を融解させるトイヒータ101を設けている。R排水管27aには排水管上部ヒータ102及び排水管下部ヒータ103を設けている。また、トイ23aの最終集水部には残水の有無を検知するためのトイ温度センサ45が断熱材内部に埋設されている。トイセンサ45は、発泡ウレタン断熱材に埋設することにより、水の滴下による耐久性低下を避けるように構成されている。また、トイセンサ45は、トイ23aの最終集水部に配置することで、少量の残水に対して反応するように構成されている。残水に対する制御については後述する。トイヒータ101、配水管上部ヒータ102、或いは配水下部ヒータ103の通電を制御している。なお各ヒータ101、102,103は、例えば消費電力20W以下と、除霜ヒータ21よりも消費電力が低い電気ヒータであり、本実施例ではトイヒータ101が6W,排水管上部ヒータ102が3W、排水管下部ヒータ103が1Wのヒータとしている。
図4はR排水管27aの構成を示す図である。図中の201、202は、図3に示す201、202と同じ高さ位置を示し、範囲201は冷凍室7及びF蒸発器室8bの高さ範囲を表し、範囲202は断熱仕切壁28から断熱仕切壁29の下端までの高さ範囲を表す。
R排水管27aは、上部は冷凍室7及び冷凍用蒸発器室8から離れるよう排水口22aから外箱10a側に向かうよう外向きに傾斜しながら下方に向けて設けられており、この区間に排水管上部ヒータ102を設けている。その下部は外箱10aの略近傍に設けられており、この区間の断熱仕切壁29の下端までに排水管下部ヒータ103を設けている。その下部(断熱仕切壁29よりも下部)のR排水管27aは蒸発皿32に除霜水が排出されるよう内向きに傾斜している。なお、本実施例では、排水管上部ヒータ102と排水管下部ヒータ103は何れも熱伝導率の高いアルミシールによりR排水管27aに固定しており、これにより、ヒータ線が直接触れていない箇所もアルミシールによる熱伝導で加熱できる構成にしている。
上記のように排水管上部ヒータ102と排水管下部ヒータ103を配設したことで、排水管上部ヒータ102と排水管下部ヒータ103の上端は、範囲201の上端よりも高い位置まで設けられ、また下端は範囲201の下端よりも低い位置まで設けられている。範囲201内のR排水管27aは、冷凍温度帯の冷凍室7及びF蒸発器室8bにより冷却されるため、R排水管27a内がマイナス温度となり、R排水管27a内で除霜水が凍結する可能性がある。一方、範囲201に排水管上部ヒータ102と排水管下部ヒータ103を設けることで、排水管内で水が凍結した場合も融解させることができ、すなわちR排水管27aから蒸発皿32(図3参照)に排水できる。
さらに、排水管上部ヒータ102の上端は、範囲202の上端と同等または又はそれよりも高い位置となるよう設けられ、排水管下部ヒータ103の下端は範囲202の下端と同等またはそれよりも低い位置となるよう設けられている。断熱仕切壁28及び断熱仕切壁29は、冷凍温度帯の冷凍室7及びF蒸発器室8bと接しており、少なくとも一部はマイナス温度になる。従って、断熱仕切壁28及び断熱仕切壁29の高さ範囲のR排水管27a内もマイナス温度となる可能性があるが、範囲202と同等以上の範囲まで排水管上部ヒータ102と排水管下部ヒータ103を設けることで、より確実にR排水管27aから蒸発皿32(図3参照)に排水できる。なお、R排水管27aのうち断熱仕切壁28内部の箇所は、直接断熱仕切壁28により冷却されて低温になり易いため、特にこの箇所に排水管上部ヒータ102を設けることが有効である。
ここで、図2、図3に示すように、トイ23aにはRファン9aを駆動させると冷蔵室2から冷蔵室蒸発器14aへの戻り空気が流れる構成にしている。後述するR蒸発器14aの除霜運転時はRファン9aを駆動させるため、このプラス温度の戻り空気でトイ23aを加熱できる。これにより、トイ23aでの除霜水の凍結を抑制し、また凍結した場合も融解に必要なトイヒータ101の加熱量を抑制することができ省エネルギー性能を高めることができる。
また、排水管27a下部(排水管下部ヒータ103を設けた箇所)は、冷凍室7及びF蒸発器室8bよりも外箱10aに近接させている。これにより、特に外気高温時、外箱10aを介して外気により加熱できるため、排水管27a下部での凍結を抑制し、また凍結した場合も排水管下部ヒータ103の加熱量を抑制することができ省エネルギー性能を高めることができる。一方、外気が低温の場合は排水管下部ヒータ103を加熱して除霜水が確実に排出できるようにしている。加えて、R排水管27aは約0℃の除霜水が流れるため、R排水管27aに近接した外箱10aが除霜水により冷却され、露点温度よりも低温になる可能性があるが、排水管下部ヒータ103を設けたことで、外気が高湿の場合は後述するR第一除霜運転とR第二除霜運転時に排水管下部ヒータ103に通電して外箱10aの温度低下を抑え、外箱10aへの結露を抑制できる。
冷蔵庫1の上部(図2参照)には、制御装置の一部であるCPU、ROMやRAM等のメモリ、インターフェース回路等を搭載した制御基板31を配置している。制御基板31は、冷蔵室温度センサ41、冷凍室温度センサ42、野菜室温度センサ43、蒸発器温度センサ40a、40b等と接続され、前述のCPUは、これらの出力値や操作部26の設定、前述のROMに予め記録されたプログラム等を基に、圧縮機24やRファン9a、冷蔵用ファン9b、前述の各ヒータ21、101、102、103、及び後述する冷媒制御弁52の制御等を行っている。
図4は、実施例に関わる冷蔵庫の冷凍サイクル(冷媒流路)である。本実施例の冷蔵庫1では、圧縮機24、冷媒の放熱を行う放熱手段である庫外放熱器50aと壁面放熱配管50b、断熱仕切壁28、29、30の前面部への結露を抑制する結露防止配管50c、冷媒を減圧させる減圧手段である冷蔵用キャピラリチューブ53aと冷凍用キャピラリチューブ53b、冷媒と庫内の空気を熱交換させて、庫内の熱を吸熱するR蒸発器14aとF蒸発器14b、冷蔵用キャピラリチューブ53aと熱交換を行う冷蔵用サクションパイプ55a、冷凍用キャピラリチューブ53bとの熱交換を行う冷凍用サクションパイプ55bを備え、これらにより庫内を冷却している。また、冷凍サイクル中の水分を除去するドライヤ51と、液冷媒が圧縮機24に流入するのを防止する気液分離器54a、54bを備え、さらに冷媒流路を制御する三方弁52、逆止弁56、冷媒流を接続する冷媒合流部57も備えており、これらを冷媒配管により接続することで冷凍サイクルを構成している。なお本実施例の冷蔵庫1は、冷媒に可燃性冷媒のイソブタンを用いている。また、本実施例の圧縮機24はインバータを備えて回転速度を変えることができる。冷蔵用キャピラリチューブ53aと冷蔵用サクションパイプ55aとは、ロウ付け又は半田付けされて互いに熱交換できるような熱交換部59aを形成しており、冷凍用キャピラリチューブ53bと冷凍用サクションパイプ55bとも、同様に熱交換できるような熱交換部59bを形成している。
三方弁52は、52a、52bで示す2つの流出口を備え、流出口52a側に冷媒を流す冷蔵モードと、流出口52b側に冷媒を流す冷凍モードを備え、これらを切換えることができる部材である。また、本実施例の三方弁52は、流出口52aと流出口52bの何れも冷媒が流れないようにする全閉、また何れも冷媒が流れるようにする全開のモードも備え、これらにも切換え可能である。
本実施例の冷蔵庫1では、冷媒は以下のように流れる。圧縮機24から吐出した冷媒は、庫外放熱器50a、庫外放熱器50b、結露防止配管50c、ドライヤ51の順に流れ、三方弁52に至る。三方弁52の流出口52aは冷媒配管を介して冷蔵用キャピラリチューブ53aと接続され、流出口52bは冷媒配管を介して冷凍用キャピラリチューブ53bと接続されている。
流出口52a側に冷媒が流れるようにすると、流出口52aから流出した冷媒は、冷蔵用キャピラリチューブ53a、R蒸発器14a、気液分離器54a、冷蔵用サクションパイプ55a、冷媒合流部57の順に流れた後、圧縮機24に戻る。冷蔵用キャピラリチューブ53aで低圧低温になった冷媒がR蒸発器14aを流れることでR蒸発器14aが低温となり、R蒸発器室8aの空気を冷却することができ、すなわち冷蔵室2を冷却できる。
また三方弁52を流出口52b側に冷媒が流れるようにした場合は、流出口52bから流出した冷媒は、冷凍用キャピラリチューブ53b、F蒸発器14b、気液分離器54b、冷蔵用サクションパイプ55a、逆止弁56、冷媒合流部57の順に流れた後、圧縮機24に戻る。逆止弁56は、気液分離器54bから冷媒合流部55側には冷媒が流れ、冷媒合流部55から気液分離器54b側へは流れないように配設している。冷凍用キャピラリチューブ53bで低圧低温になった冷媒がF蒸発器14bを流れることでF蒸発器14bが低温となり、R蒸発器室8aの空気を冷却することができ、すなわち冷凍室7を冷却できる。
図5は、図1のC−C断面図であり、実施例に関わる冷蔵庫のサクションパイプ55a、55b、逆止弁56と断熱仕切壁28、29の位置関係を示している。冷蔵用サクションパイプ55aは、R蒸発器14aの背面で略水平方向に有効熱交換長さを長くするように配設され、断熱仕切壁28を通る。ここで、本実施例では断熱仕切壁28の背面への配設を最小限としているが、断熱厚さや断熱仕切壁28の構造的干渉がなければ、サクションパイプとの温度差の少ない冷蔵室2や断熱仕切壁28の背面で略水平方向に有効熱交換長さを長く(経路延長)するのが良い。その後、冷凍室7の背面を略垂直方向に断熱仕切壁29、野菜室6の背面まで配設する。冷凍室7の背面への配設は、冷蔵用サクションパイプ55aと冷凍室7との温度差が大きく、サクションパイプの熱交換性能の低下や冷凍室7の加熱に繋がるため、最小限に抑える(経路延長しない)のが有効である。本実施例では、サクションパイプとの温度差の少ない野菜室6の背面にて有効熱交換長さを長く(経路延長)しているが、断熱仕切壁29の背面にて長く(経路延長)してもよい。特に、サクションパイプの下流であるほど温度が上昇し、加熱能力が増加するため、昇温したい箇所に配設すると有効な効果を得られる。冷凍用サクションパイプ55bは、熱交換長さを可能な限り長く(経路延長)することを優先している。但し、高温となるサクションパイプ下流部は断熱仕切壁29の背面に配設している。その後、逆止弁56を通り、冷媒合流部57に至る。
ここで、逆止弁56を発泡ウレタン断熱材の内部に納めることで、機械室39の冷媒配管の取り回しが簡易になり、機械室内の高さ方向の省スペース化が可能となり、かつ作業性が向上する。また、逆止弁56で発生する弁の開閉音等も抑制される。逆止弁56の音を抑制するためには、逆止弁56と壁面が接触しないようにクッション材を設ける等の施策も有効である。逆止弁56は、製造時の熱影響により故障することがあるが、熱負荷にさえ注意を払えば故障することはない。また、顧客使用時に故障が発生することは極めて稀であるため、メンテナンス性を優先することは製造上の大きなメリットになるとは考えにくい。さらに、本実施例の逆止弁56は円筒形状であるため、発泡ウレタン断熱材の内部に納めることで発泡圧を受けても変形しにくくなっている。
図6は、サクションパイプ55a、55bの相対的な長さ(蒸発器出口からの長さ/蒸発器出口から圧縮機までの全長)とサクションパイプ55a、55bの温度の関係を示している。尚、図6の冷蔵庫運転条件は無負荷状態であり、外気温度は30℃である。サクションパイプ55a、55bの温度は、キャピラリチューブ53a、53bとの熱交換により蒸発器出口から下流に流れるほど上昇し、冷媒合流部57に到達すると、キャピラリチューブ53a、53bの入口温度、すなわち外気温度に近い温度帯となる。そのため、断熱材内部に埋設されたサクションパイプ55a、55bは、冷却された冷蔵庫1に放熱してしまうため、冷凍室7の背面部、特にF蒸発器14bの背面を避けるのが有効である。一方で、そのような配置をしようとするとサクションパイプ55a、55bの熱交換長さ(サクションパイプ55a、55bとキャピラリチューブ53a、53bとが熱交換する熱交換部59a、59bの長さ)を十分にとれず、冷却力を損ない省エネ性の悪化につながることがある。そこで、断熱仕切壁28、29の背面側でサクションパイプ55a、55bの長さを稼ぐことで、有効に冷蔵庫及びサクションパイプの性能を向上できる。尚、冷蔵庫の性能とは冷却能力及び省エネ性能であり、サクションパイプの性能とは完全に断熱されている状態での熱交換能力と実際の熱交換能力の比を指している。
図5に示すように冷蔵用サクションパイプ55aは、R蒸発器14aの温度(例えば−10℃)がF蒸発器14b(例えば−25℃)と比較して高温であるため、入口から出口までの全ての箇所において低温部を避けることが有効である。一方で、蒸発器14a、14bから圧縮機24までの熱交換部59a、59bの全長の中間位置より圧縮機24に近い側では、サクションパイプ55a、55bの温度が15℃程度と高温になっているため、可能な限り冷凍室背面及びF蒸発器14b背面を避けて構成するのが効果的である。特に蒸発器14aから圧縮機24までの熱交換部59aの全長の中間より圧縮機24に近い側は、冷凍温度帯室の背面を通る長さより、断熱仕切壁の背面及び冷蔵温度帯室の背面を通る長さの方が長いので、より高い効果が得られる。更に、この高温部を、F蒸発器14bの除霜水を排水するトイ23bやF排水管27bの背面に埋設することにより、常時加熱し、排水管凍結の抑制に利用してもよい。
また、本実施例では、野菜室6の冷却をF蒸発器14bにより行うため、野菜室6の内箱10bの壁面が一時的に冷却される。その場合、野菜室6の室温(例えば6℃)との温度差により露付きが発生することがある。本実施例に示すように、野菜室冷却風路58、サクションパイプ55a、55b、冷媒合流部57の構成とすることで、サクションパイプによる壁面加熱が行われ、露付きを抑制できる。逆止弁56の下流温度は、冷凍室冷却運転、冷蔵室冷却運転を問わず温度が上昇するため、逆止弁56の下流側が野菜室6背面の壁面部になるように配置するのが有効である。但し、F排水管27b、または野菜室冷却風路58が冷却する野菜室6の壁面をサクションパイプ55a、55bが加熱することにより、サクションパイプの性能が低下し、機械室のサクションパイプの温度が外気温度に対して低下しすぎるとパイプ露付きの発生確率が増加するため、サクションパイプの熱交換長さ等により調整する必要がある。
さらに、本実施例では、F蒸発器14bの背面には逆止弁56を埋設しておらず、F蒸発器14bの出口から逆止弁56までの配管(熱交換部59b)長さも、逆止弁56から圧縮機24までの配管(熱交換部59b)長さよりも長いので、庫内への熱影響を最小限に抑制できる。
以上が、本実施の形態例を示す実施例である。なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
2a、2b 冷蔵室ドア
3 製氷室
4 上段冷凍室
5 下段冷凍室冷凍室
3a,4a、5a 冷凍室ドア
6 野菜室
6a 野菜室ドア
7 冷凍室(3、4、5の総称)
8a R蒸発器室(冷蔵用蒸発器室)
8b F蒸発器室(冷凍用蒸発器室)
9a Rファン(冷蔵用ファン)
9b Fファン(冷凍用ファン)
10 断熱箱体
10a 外箱
10b 内箱
11 冷蔵室風路
11a 冷蔵室吐出口
12 冷凍室風路
12a 冷凍室吐出口
14a R蒸発器(冷蔵用蒸発器)
14b F蒸発器(冷凍用蒸発器)
15a、b 冷蔵室戻り口
16 ヒンジカバー
17 冷凍室戻り口
18 野菜室戻り風路
18a 野菜室戻り口
21 ラジアントヒータ
22a、22b 排水口
23a、23b トイ
24 圧縮機
27a R排水管
27b F排水管
28、29、30 断熱仕切壁
31 制御基板
32 蒸発皿
35 チルドルーム
39 機械室
40a R蒸発器温度センサ
40b F蒸発器温度センサ
41 冷蔵室温度センサ
42 冷凍室温度センサ
43 野菜室温度センサ
45 トイ温度センサ
50a、50b 放熱器
51 結露抑制パイプ
52 三方弁(冷媒制御手段)
53a 冷蔵用キャピラリチューブ(減圧手段)
53b 冷凍用キャピラリチューブ(減圧手段)
54a 冷蔵用気液分離器
54b 冷凍用気液分離器
55a 冷蔵用サクションパイプ
55b 冷凍用サクションパイプ
56 逆止弁
57 冷媒合流部
58 野菜室冷却風路
59a、59b 熱交換部
101 トイ部ヒータ
102 排水管上部ヒータ
103 排水管下部ヒータ

Claims (5)

  1. 冷蔵温度帯室と、冷凍温度帯室と、前記冷蔵温度帯室と前記冷凍温度帯室との間を仕切る断熱仕切壁と、冷媒を吐出する圧縮機と、冷媒の熱を外気に放熱する放熱器と、を有し、
    冷媒を減圧する第一のキャピラリチューブと、前記冷蔵温度帯室内から吸熱する第一の蒸発器と、前記第一の蒸発器から流れ出た冷媒を前記圧縮機に戻す第一のサクションパイプと、前記第一の蒸発器から流れ出た冷媒のうち液冷媒が前記圧縮機に流入するのを防止する第一の気液分離器と、
    冷媒を減圧する第二のキャピラリチューブと、前記冷凍温度帯室内から吸熱する第二の蒸発器と、前記第二の蒸発器から流れ出た冷媒を前記圧縮機に戻す第二のサクションパイプと、前記第二の蒸発器から流れ出た冷媒のうち液冷媒が前記圧縮機に流入するのを防止する第二の気液分離器と、
    前記第一の気液分離器からの冷媒と前記第二の気液分離器からの冷媒とを接続する冷媒合流部と、
    を備えた冷蔵庫において、
    前記第二の気液分離器から前記冷媒合流部側へは冷媒が流れ、前記冷媒合流部から前記第二の気液分離器側へは冷媒が流れないようにする逆止弁が、断熱材の中に埋設されていることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 請求項1に記載の冷蔵庫であって、
    前記第二の蒸発器から前記逆止弁までの配管長さが、前記逆止弁から前記圧縮機までの配管長さよりも長いことを特徴とする冷蔵庫。
  3. 請求項1に記載の冷蔵庫であって、
    前記第二の蒸発器の背面には前記逆止弁を埋設しないことを特徴とする冷蔵庫。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の冷蔵庫であって、
    前記逆止弁が円筒形状であることを特徴とする冷蔵庫。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の冷蔵庫であって、
    前記第二の蒸発器は、冷凍室だけでなく前記冷凍室の下方にある野菜室にも冷気を供給するものであり、前記逆止弁から前記圧縮機までの配管が、前記野菜室の背面に位置していることを特徴とする冷蔵庫。
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