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JP2019100271A - 汚水用ポンプ - Google Patents

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JP2019100271A JP2017233334A JP2017233334A JP2019100271A JP 2019100271 A JP2019100271 A JP 2019100271A JP 2017233334 A JP2017233334 A JP 2017233334A JP 2017233334 A JP2017233334 A JP 2017233334A JP 2019100271 A JP2019100271 A JP 2019100271A
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Abstract

【課題】ポンプ性能の低下を生じさせることなく、異物によるポンプの拘束及び/または詰まり等を防止することができる汚水用ポンプを提供する。【解決手段】羽根車と、羽根車を収容するポンプケーシングと、を備える汚水用ポンプであって、羽根車の羽根の後縁部に対向するポンプケーシングの内周面に、羽根車の中心軸線周りに延びる、周方向の少なくとも1か所に切り欠き部を有する少なくとも1つの環状凸部が設けられており、羽根車の羽根の後縁部が、環状凸部と相補的な断面形状を有する凹部を備えており、凹部は、羽根車が回転する間、環状凸部が凹部内を通過する位置に形成されている、汚水用ポンプ。【選択図】図1

Description

本発明は、汚水用ポンプに関する。
一般に汚水用ポンプでは、取り扱い液である汚水中に含まれる異物による羽根車の拘束または詰まりが問題となる。
従来の汚水用ポンプとして一般的な水中ポンプの構造の一例を図5に示す。一般に、汚水用の水中ポンプでは、羽根車の前面に側板を有しない、いわゆるオープン形羽根車が使用される。図5の水中ポンプは、主軸1を駆動するモータ部2と、主軸1の回転によって揚水を行うポンプ部3とを備えている。そして、ポンプ部3の圧力水がモータ部2側へ漏洩しないように、ポンプ部3とモータ部2の間で主軸1がメカニカルシール4−1、4−2で封止されている。
モータ部2では、主軸1と一体に回転するロータ5と、ステータ巻線を備えたステータ7とが、モータ室8内に収納されている。このモータ室8は、上方に開口した略円筒状のモータフレーム10とモータフレーム10の上端に連結したモータカバー11で水密的に封止されているとともに、上部には、水中ケーブル12が接続されている。
そして、主軸1は、モータカバー11に取付けた上部軸受13とモータフレーム10の下端に連結した負荷側ブラケット14の内周面に取付けた下部軸受15を介して回転自在に支承されている。更に、モータカバー11の上面には、湧水現場等へのポンプの吊下げや移動を行なう把手16が設けられている。
一方、ポンプ部3は、複数の羽根40を有し主軸1の先端にこれと一体に回転するように連結されたオープン形の羽根車41を備えている。
ポンプ部3は、羽根車41を収容するポンプ室を形成し、吐出口42aと吸込口42bを有するポンプケーシング30を備えている。ポンプケーシング30は、吸込みカバー(換言すれば、吸込み側ケーシング)31と、吐出し側ケーシング32と、を備えている。吸込みカバー31は、上方に向けて拡径しており、各羽根40の後縁部(換言すれば、半径方向先端部またはチップ部)40bが吸込みカバー31の内周面に接近して配置される。羽根車41は、吸込みカバー31の吸込口42bから湧水・汚水等を吸い込んで、吐出し側ケーシング32の側面の吐出口42aから吐き出すようになっている。吐出口42aには、吐出曲管24が連結されている。
このような構成の汚水用ポンプでは、オープン形羽根車41の羽根40の前縁部40aでの異物の引っ掻かりや、羽根40の後縁部40bと吸込みカバー31との間の隙間への異物の噛み込みによって、ポンプの拘束や詰まりが生じ易い。
特許文献1は、ポンプの吸込み側もしくは羽根車に切断機構としてのグラインダーインペラ及びグラインダーリングが取り付けられたグラインダーポンプを記載している。特許文献2は、羽根車の羽根の後縁部に対向するポンプケーシングの内周面に、羽根車の入口側から出口側に向かう溝を形成することを記載している。溝の側壁面は、羽根車の回転方向に対向する向きに傾斜しており、溝の開口縁部のエッジにより異物が切断されるように構成されている。特許文献3は、羽根車の羽根のチップと対向するポンプケーシングの内周面に、軸方向に延びる溝と突起とを隣り合って形成することを記載している。溝は突起
よりも羽根車の回転方向の上流側に配置される。羽根のチップの角部が突起の角部を横切ることにより異物が切断され、溝を通過する。
特許文献1では、ポンプケーシングとは別部品としてのグラインダーインペラ及びグラインダーリングを設ける必要があるので、ポンプの製造コストが著しく大きくなる。また、特許文献2のように溝を設ける場合、溝の存在によって羽根とポンプケーシングとの間の隙間が拡大される。また、特許文献3のような溝と突起を設ける場合、突起と羽根の隙間が必要になるので、ポンプケーシングの周方向全体にわたって羽根とポンプケーシングとの間の隙間が拡大される。しかし、羽根とポンプケーシングとの間の隙間が大きくなると、圧力漏れによるポンプ性能の低下が生じる。
特開昭58−38396号公報 実開平7−10495号公報 特開2009−174455号公報
本発明の一実施形態によれば、ポンプ性能の低下を生じさせることなく、異物によるポンプの拘束及び/または詰まり等を防止することができる汚水用ポンプを提供することができる。また、本発明の一実施形態によれば、製造コストを著しく増加させることなく、簡易な構成によって異物によるポンプの拘束及び/または詰まり等を防止することができる汚水用ポンプを提供することができる。
本発明の一実施形態によれば、羽根車と、羽根車を収容するポンプケーシングと、を備える汚水用ポンプであって、羽根車の羽根の後縁部に対向するポンプケーシングの内周面に、羽根車の中心軸線周りに延びる、周方向の少なくとも1か所に切り欠き部を有する少なくとも1つの環状凸部が設けられており、羽根車の羽根の後縁部が、環状凸部と相補的な断面形状を有する凹部を備えており、凹部は、羽根車が回転する間、環状凸部が凹部内を通過する位置に形成されている、汚水用ポンプが提供される。
本発明の第1実施形態による汚水用ポンプの一例を示す図である。 図1の部分拡大図である。 羽根車の羽根と吸込みカバーとの間の隙間を説明する図である。 図1の汚水用ポンプの吸込みカバーの内周面の部分を示す図である。 図1の汚水用ポンプの吸込みカバーの内周面の全体を示す図である。 環状凸部の切り欠き部を説明する図である。 羽根車の回転中における羽根と吸込みカバーとの間の隙間を説明する図である。 本発明の第2実施形態による汚水用ポンプの吸込みカバーの内周面を示す部分図である。 本発明の第2実施形態による汚水用ポンプの吸込みカバーの内周面を示す全体図である。 オープン形羽根車を有する汚水用ポンプの従来例を示す図である。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明はあく
までも一例を示すものであって、本願発明の技術的範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。また、図面では、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。尚、以下の説明において、「上」、「下」等の方向を示す用語は、図1に示す汚水用水中ポンプの設置状態における方向を意味する。また、本発明の各実施形態は、汚水用ポンプのポンプ部に特徴がある。従って、以下の説明では、ポンプ部の構成要素についてのみ説明し、モータ部については説明を省略する。本発明の各実施形態による汚水用ポンプのモータ部の構成は、図5に参照して説明したもののほか、従来既知のいかなる構成であってもよい。
[第1実施形態]
図1に本発明の第1実施形態による汚水用水中ポンプの一例を示す。
図1の汚水用水中ポンプは、オープン形の羽根車91を有し、羽根車91は、ポンプ部9のポンプケーシング100に収容される。羽根車91は、複数の羽根90を有し、主軸1の先端にこれと一体に回転するように連結されている。尚、本実施形態において、羽根車91の羽根90の枚数は特に限られない。
ポンプ部9は、ポンプ室を形成し、吐出口92aと吸込口92bを有する。図1の例では、ポンプケーシング100は、吸込みカバー(換言すれば、吸込み側ケーシング)101と、吐出し側ケーシング102と、を備えている。吸込みカバー101の吸込口92bから湧水・汚水等の取り扱い液(以下、汚水等)が吸い込まれ、羽根90の前縁部90aを通過して各羽根90の間の流路に流入する。羽根車91から吐出し側ケーシング102内に吐き出された汚水等は、吐出し側ケーシング102の側面の吐出口92aから吐出曲管24を通って吐き出される。
図1に示すように、本実施形態の汚水用水中ポンプの吸込みカバー101は、上方に向けて拡径しており、各羽根90の後縁部90bが吸込みカバー101の内周面(図1では符号省略)に接近して配置される。図1に示すように、吸込みカバー101における、羽根車91の羽根90の後縁部90bに対向する内周面には、羽根車91の中心軸線Aの周りに延びる実質的に環状の凸部(換言すれば、突起)104が設けられている。後述するように、環状凸部104は、周方向の少なくとも1か所に切り欠き部を有する。羽根90の後縁部90bには、環状凸部104に対向する位置に配置される凹部(換言すれば、切り欠き部)94が設けられている。環状凸部104と凹部94とは、実質的に相補的な断面形状を有するように形成されている。これにより、羽根車91が回転する間、環状凸部104は、凹部94内を通過することができる。尚、ここで断面形状とは、図1に示すような羽根車91の中心軸線Aに沿う断面形状を意味する。断面形状の具体例は、特に限られない。断面形状は、例えば図1に示すような三角形状の他、矩形形状、または、半円形状等であってもよい。
図2は、図1の部分拡大図である。吸込みカバー101の環状凸部104と羽根90の凹部94との間の隙間を、環状凸部104が設けられていない吸込みカバー101の内周面101aと凹部94が設けられていない羽根90の後縁部90bとの間の隙間と等しいか、または、これより小さく設定することができる。これにより、羽根90と吸込みカバー101との間の隙間による圧力漏れの発生を最小限にすることができる。図2の例では、吸込みカバー101の環状凸部104と羽根90の凹部94との間の隙間D1は、環状凸部104が設けられていない吸込みカバー101の内周面101aと凹部94が設けられていない羽根90の後縁部90bとの間の隙間D2と等しい(図2Aを参照)。
図3Aは、汚水用ポンプの吸込みカバー101の内周面101aの部分を示す図であり、図3Bは、吸込みカバー101の内周面101aの全体を示す図である。図示されるように、吸込みカバー101の環状凸部104は、吸込みカバー101の周方向の少なくと
も一箇所に切り欠き部106を有している。換言すれば、環状凸部104は、環状凸部104を横断する方向に形成される少なくとも1つの切り欠き部106を有している。切り欠き部106の寸法(例えば、深さ)は、特に限られない。従って、切り欠き部106の底面は、図3Aに示すように、環状凸部104の周囲の吸込みカバー101の内周面101aと実質的に面一であってもよいし、内周面101aに対して高さを有していてもよい。また、図3Cに示すように、環状凸部104の周方向の側面104aと、切り欠き部106を形成する環状凸部104の端面(換言すれば、切断面)104bとの間の開口縁部105は、鋭利な角部を形成することができる。角部は、羽根車91の回転に伴って汚水等中の異物を切断することができるカッター部として作用する。
尚、図3Bに示すように、切り欠き部106は、吸込みカバー101の内周面101aの全周にわたって延びる環状凸部104の不連続部分を形成する。本実施形態では、この不連続部分も含めた周方向の凸部104の形状を環状(換言すれば、リング状)と称する。換言すれば、本実施形態の環状凸部104は、周方向に沿って切り欠き部106を介して隣接する端部を有する、1つまたは複数の円弧状の突起部から構成される。
この構成により、吸込口92bから吸い込まれた汚水等中の異物を、切り欠き部106の開口縁部105により切断することができる。これにより、羽根車91の羽根90の前縁部90aへの異物の引っ掛かりまたは羽根90の後縁部90bと吸込みカバー101との間の異物の噛み込みを防止することができ、従って異物によるポンプの拘束または詰まりを防止することができる。尚、環状凸部104は、吸込みカバー101の内周面の、少なくとも吸込口側(換言すれば、羽根90の後縁部90bと対向する領域内で、羽根車91の中心軸線Aに沿う方向において中央より下方の位置)に配置されていることが好ましい。例えば図1の下側の環状凸部104のように、できるだけ吸込口92bに近い位置(換言すれば、羽根車91の羽根90の前縁部90aに近い位置)に配置することが好ましい。
また、吸込みカバー101及び羽根90の後縁部90bには、それぞれ、図1に示すように、同心円状に(換言すれば、羽根車91の中心軸線Aの周りに同軸上に)配置される複数(図1の例では2つ)の環状凸部104及びこれらに対応する凹部94を設けることができる。
また、1つの環状凸部104に対し、複数の切り欠き部106を設けることができ、複数の切り欠き部106は周方向に等間隔に設けることが好ましい。この場合、切り欠き部106の数は、羽根車91の羽根90の数の倍数以外の数であることが好ましい。例えば、2枚の羽根90(通常、等間隔で配置される)を有する羽根車91に対して、周方向に等間隔で4つの切り欠き部106が配置された場合、羽根90は、2つの切り欠き部106と同時に交差する。図3Dに示すように、羽根90が切り欠き部106と交差する際、環状凸部104の高さが無い(または低くなる)分だけ、羽根90の凹部94と吸込みカバー101との間の隙間が大きくなる(図3Dの隙間D3を参照。破線は環状凸部104があった場合を示す)。これは圧力漏れの原因となるので、切り欠き部106と羽根90とが同時に複数箇所で交差しないように、周方向に配列される切り欠き部106の数は、羽根車91の羽根90の数の倍数以外の数であることが好ましい。
環状凸部104は、吸込みカバー本体に取り付けられる、吸込みカバー本体とは別個の部材であってもよい。これにより、環状凸部104を、吸込みカバー本体を形成する材料と異なる材料で容易に形成することができる。切り欠き部106の開口縁部105が摩耗し易いため、環状凸部104は、高い硬度を有する材料で製作することが好ましい。高い硬度を有する材料は高価であるので、環状凸部104のみを高硬度材料で形成することにより、吸込みカバー全体の製造コストを抑えることができる。
このように、本発明の第1実施形態によれば、ポンプケーシング100(図示の例では吸込みカバー101)における、羽根車91の羽根90の後縁部90bに対向する内周面101aに環状凸部104が設けられ、環状凸部104の周方向の少なくとも1か所に切り欠き部106が形成される。切り欠き部106の開口縁部105は角部を形成するので、羽根車91の回転に伴い、ポンプケーシング100のポンプ室に吸い込まれた異物を開口縁部105で切断することができる。従って、異物によるポンプの拘束または詰まりを防止することができる。
さらに、本発明の第1実施形態では、羽根90の後縁部90bに、環状凸部104と相補的な断面形状を有する凹部94が配置され、羽根車91が回転する間、環状凸部104は、凹部94内を通過する。従って、従来技術と異なり、羽根90とポンプケーシング100の内周面101aとの間の隙間が拡大されることによるポンプ性能の低下を効果的に抑制することができる。周方向に等間隔で複数の切り欠き部106が形成される場合には、切り欠き部106の数を羽根90の枚数の倍数以外の数にすることによって、切り欠き部106と羽根90とが同時に複数箇所で交差することを防止することができる。これにより、隙間の拡大によるポンプ性能の低下を効果的に抑制することができる。また、羽根90の後縁部90bの凹部94は、切り欠き部106の角部とのせん断作用によって、より効果的に異物の切断を行うことを可能にする。
また、環状凸部104を設けたポンプケーシング100及びこれに対応する凹部94が形成された羽根車91の羽根90は、それぞれ、鋳物による一体成形が可能である。従って、例えば従来のグラインダーポンプのような外付けの部材を必要とすることがなく、これにより、ポンプの製造コストの増加を抑えることができる。また、環状凸部104を別部材として製造する際には、環状凸部104のみを、ポンプケーシング本体よりも高い硬度を有する材料で製造することができる。これにより、耐摩耗性に優れた環状凸部104を有するポンプケーシング100を低コストで製造することができる。
[第2実施形態]
次に、図4A及び図4Bを参照して、本発明の第2実施形態による汚水用ポンプを説明する。本発明の第2実施形態による汚水用ポンプは、吸込みカバーの内周面に、羽根車の羽根の後縁部と交差する向きに延びる溝が形成されている点を除いて、第1実施形態の汚水用ポンプと実質的に同様の構成を備えている。従って、以下の説明では、特に吸込みカバーの構成について説明し、他の構成要素については詳しい説明を省略する。
図4Aは、本発明の第2実施形態による汚水用ポンプの吸込みカバー201の内周面201aを示す部分図であり、図4Bは、吸込みカバー201の内周面201aを示す全体図である。図4Aに示すように、吸込みカバー201の内周面は、環状凸部104と同様に構成される環状凸部204に加えて、羽根90の後縁部90bと交差する向きに延びるように形成された溝208を有している。仮に溝208が羽根90の後縁部90bに対して平行もしくは同方向に同等の曲率に形成されると、羽根90の後縁部90bと吸込みカバー201との間の隙間が、溝208の全長にわたって大きくなるので圧力漏れが生じ易い。本実施形態では、溝208は羽根90の後縁部90bと交差する向きに延びているので、羽根90の後縁部90bと吸込みカバー201との間の隙間は、溝208と後縁部90bとの交差部で大きくなるのみである。従って、圧力漏れを最小限に抑えることができる。また、図4A及び図4Bに示すように、溝208は、少なくとも環状凸部204の切り欠き部206内を通るように形成される。これにより、切り欠き部206で切断された異物を、溝208に沿って効果的に排出することができる。図示の例のように、同心円状に複数の環状凸部204が形成されている場合、溝208は、吸込み側から吐き出し側に向けて、複数の環状凸部204の切り欠き部206内を通るように形成することができる
。溝208は、吸込み側から吐き出し側に向けて、羽根車91の回転方向の下流側に傾斜して延びるように形成されることが好ましい。尚、図4A及び図4Bにおいて、羽根車91の回転方向は矢印Rで示されており、これは、吸込みカバー201を吐き出し側から見た場合に時計回りの方向である。これにより、水を、その流れの強さを大きく損なうことなく溝208に流入させることができる。従って、異物を、強い流れで溝208に沿って押し出すことができる。
このように、本発明の第2実施形態では、吸込みカバー201の内周面201aは、羽根90の後縁部90bと交差する向きに延びるように形成された溝208を有し、溝208は、少なくとも環状凸部204の切り欠き部206内を通るように配置されている。従って、本発明の第2実施形態は、第1実施形態で得られる効果に加えて、例えば次のような効果を奏することができる。
・溝208は、少なくとも環状凸部204の切り欠き部206内を通るので、切り欠き部206で切断された異物を、溝208を通して効果的に排出することができる。
・溝208は、羽根90の後縁部90bと交差する向きに延びるので、羽根90の後縁部90bと吸込みカバー201との間の隙間は、交差部で大きくなるのみである。従って、隙間の拡大による圧力漏れを最小限に抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
本発明は、以下の態様を含む。
1.羽根車と、羽根車を収容するポンプケーシングと、を備える汚水用ポンプであって、羽根車の羽根の後縁部に対向するポンプケーシングの内周面に、羽根車の中心軸線周りに延びる、周方向の少なくとも1か所に切り欠き部を有する少なくとも1つの環状凸部が設けられており、羽根車の羽根の後縁部が、環状凸部と相補的な断面形状を有する凹部を備えており、凹部は、羽根車が回転する間、環状凸部が凹部内を通過する位置に形成されている、汚水用ポンプ。
2.環状凸部と凹部との間の隙間は、環状凸部が設けられていないポンプケーシングの内周面と凹部が設けられていない羽根の後縁部との間の隙間と等しいか、または、これより小さい、上記1.に記載の汚水用ポンプ。
3.環状凸部と凹部は、ポンプケーシングの内周面の、少なくとも吸込口側に配置されている、上記1.または2.に記載の汚水用ポンプ。
4.環状凸部は、周方向の複数箇所に等間隔で配置される切り欠き部を有しており、切り欠き部の数は、羽根車の羽根の数の倍数以外の数である、上記1.〜3.のいずれかに記載の汚水用ポンプ。
5.ポンプケーシングは、ポンプケーシング本体と、ポンプケーシング本体とは別体の少なくとも1つの環状凸部と、を備えており、少なくとも1つの環状凸部は、ポンプケーシング本体を形成する材料よりも高い硬度を有する材料で形成されている、上記1.〜4.のいずれかに記載の汚水用ポンプ。
6.少なくとも1つの環状凸部は、羽根車の中心軸線周りに同軸上に配置される複数の環状凸部である、上記1.〜5.のいずれかに記載の汚水用ポンプ。
7.ポンプケーシングの内周面は、羽根車の羽根の後縁部に交差する向きに延びる溝を有しており、溝は、少なくとも環状凸部の切り欠き部内を通るように配置される、上記1.〜5.のいずれかに記載の汚水用ポンプ。
8.ポンプケーシングの内周面は、羽根車の羽根の後縁部に交差する向きに延びる溝を有
しており、溝は、少なくとも複数の環状凸部の切り欠き部内を通るように配置される、上記6.に記載の汚水用ポンプ。
本発明は、汚水用ポンプに広く適用することができる。
A 中心軸線
R 回転方向
D1、D2、D3 隙間
1 主軸
2 モータ部
3、9 ポンプ部
4−1、4−2 メカニカルシール
5 ロータ
7 ステータ
8 モータ室
10 モータフレーム
11 モータカバー
12 水中ケーブル
13 上部軸受
14 負荷側ブラケット
15 下部軸受
16 把手
24 吐出曲管
30 ポンプケーシング
31 吸込みカバー(吸込み側ケーシング)
32 吐出し側ケーシング
40 羽根
40a 前縁部
40b 後縁部
41 オープン形羽根車
42a 吐出口
42b 吸込口
90 羽根
90a 前縁部
90b 後縁部
91 オープン形羽根車
92a 吐出口
92b 吸込口
94 凹部
100 ポンプケーシング
101 吸込みカバー(吸込み側ケーシング)
101a 内周面
102 吐出し側ケーシング
104 環状凸部
104a 側面
104b 端面
105 開口縁部
106 切り欠き部
201 吸込みカバー(吸込み側ケーシング)
201a 内周面
204 環状凸部
206 切り欠き部
208 溝

Claims (8)

  1. 羽根車と、前記羽根車を収容するポンプケーシングと、を備える汚水用ポンプであって、
    前記羽根車の羽根の後縁部に対向する前記ポンプケーシングの内周面に、前記羽根車の中心軸線周りに延びる、周方向の少なくとも1か所に切り欠き部を有する少なくとも1つの環状凸部が設けられており、
    前記羽根車の羽根の後縁部が、前記環状凸部と相補的な断面形状を有する凹部を備えており、
    前記凹部は、前記羽根車が回転する間、前記環状凸部が前記凹部内を通過する位置に形成されている、汚水用ポンプ。
  2. 前記環状凸部と前記凹部との間の隙間は、前記環状凸部が設けられていない前記ポンプケーシングの内周面と前記凹部が設けられていない前記羽根の後縁部との間の隙間と等しいか、または、これより小さい、請求項1に記載の汚水用ポンプ。
  3. 前記環状凸部は、前記ポンプケーシングの内周面の、少なくとも吸込口側に配置されている、請求項1または2に記載の汚水用ポンプ。
  4. 前記環状凸部は、周方向の複数箇所に等間隔で配置される切り欠き部を有しており、
    前記切り欠き部の数は、前記羽根車の羽根の数の倍数以外の数である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の汚水用ポンプ。
  5. 前記ポンプケーシングは、ポンプケーシング本体と、前記ポンプケーシング本体とは別体の少なくとも1つの前記環状凸部と、を備えており、前記少なくとも1つの環状凸部は、前記ポンプケーシング本体を形成する材料よりも高い硬度を有する材料で形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の汚水用ポンプ。
  6. 前記少なくとも1つの環状凸部は、羽根車の中心軸線周りに同軸上に配置される複数の環状凸部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の汚水用ポンプ。
  7. 前記ポンプケーシングの内周面は、前記羽根車の羽根の後縁部に交差する向きに延びる溝を有しており、前記溝は、少なくとも前記環状凸部の切り欠き部内を通るように配置される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の汚水用ポンプ。
  8. 前記ポンプケーシングの内周面は、前記羽根車の羽根の後縁部に交差する向きに延びる溝を有しており、前記溝は、少なくとも前記複数の環状凸部の前記切り欠き部内を通るように配置される、請求項6に記載の汚水用ポンプ。
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