JP2019196599A - 合成パネル構造 - Google Patents
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Abstract
Description
このような合成パネル構造では、コンクリート部材の付着力ならびに横リブのフランジがコンクリートを把持する力により、コンクリート床版と横リブとが結合されている。
これにより、貫通孔内に進入したコンクリート部材の係合力に加えて、より一層効果的にコンクリート床版と第2横リブとを容易かつ強固に結合することができる。
この場合には、横リブがI型鋼なので、横リブの橋軸直角方向の端部における断面積を確保して、横リブの橋軸直角方向の端部がコンクリート床版に対して与える面圧を小さくすることで、コンクリート床版が横リブから受ける橋軸直角方向の力により降伏するのを抑えることができる。
この場合には、第1横リブの貫通孔が、第2横リブにおける橋軸直角方向の端縁と、橋軸方向に重なる位置を回避するように形成されている。このため、第1横リブの貫通孔を、第2横リブの端面を橋軸方向に連ねた線上に位置するように配置した場合と比較して、第1横リブの貫通孔付近のコンクリート床版に発生するせん断応力度を小さくすることができる。
以下、図1および図2を参照し、本発明の一実施形態に係る合成パネル構造10について説明する。
本実施形態に係る合成パネル構造10は、橋梁1の路面を構成する。橋梁1は、橋軸O1に沿う方向に延びる複数の主桁2を備えている。主桁2には、主に圧延材をI断面に組み立てたI桁鋼が採用されている。
以下の説明において、橋軸O1に沿う方向を橋軸O1方向といい、上面視で橋軸方向Xと直交する方向を橋軸直角方向Yという。
第1底鋼板11および第2底鋼板13それぞれの上面は、互いに面一となっている。図示の例では、6つの主桁2に対して、3つの主桁パネル12が配置され、これら3つの主桁パネル12の間に、2つの中間パネル14が配置されている。
コンクリート床版16は、現場打ちにより施工してもよいし、プレキャストしたコンクリート部材を敷設してもよい。コンクリート床版16の上面にはアスファルト舗装17が施工されている。アスファルト舗装17の上面は、車両が走行する路面となっている。
第1横リブ15Aは、橋軸直角方向Yに第1底鋼板11の全域に延びている。第1横リブ15Aには、圧延材のI型鋼が採用されている。
第2横リブ15Bは、コンクリート床版16と一体に結合され、橋軸直角方向Yに延びている。第2横リブ15Bには、圧延材のI型鋼が採用されている。
貫通孔18は、第1横リブ15Aおよび第2横リブ15Bそれぞれに配置されている。貫通孔18の数量は、任意に変更することができる。
図2に示す状態において、例えば路面を車両が走行すると、主桁パネル12および中間パネル14には、車両の重量により曲げモーメントおよびせん断力が発生する。
このように発生したせん断力に対向して、図2で矢印A1に示すように、第1横リブ15Aおよび第2横リブ15Bそれぞれに形成された貫通孔18と、貫通孔18内のコンクリート部材と、の間に橋軸直角方向Yの係合力が生じる。
また、図2で矢印A2に示すように、図2横リブ15の橋軸直角方向Yの端部と、コンクリート床版16と、の間に係合力が生じる。このようにして、コンクリート床版16が、前述した橋軸直角方向Yのせん断力に対抗する。
これにより、貫通孔内に進入したコンクリート部材の係合力に加えて、より一層効果的にコンクリート床版16と第2横リブ15Bとを容易かつ強固に結合することができる。
以下、図3を用いて本発明の効果を確認するための検証試験について説明する。
この検証試験では、実施例として図3(a)に示すような本実施形態に係る合成パネル構造10を採用した。また、比較例として、図3(b)に示すような第1横リブ15Aの貫通孔18を、第2横リブ15Bの端面を橋軸方向Xに連ねた線上に位置するように配置した構成10Bを採用した。
そして、実施例および比較例それぞれについて、内部に発生するせん断応力度を数値解析により評価した。
これに対して、比較例に係る合成パネル構造では、第1横リブ15Aの貫通孔18付近のコンクリート床版16のうち、図3に示すS部に対応する箇所に、約1.0N/mm2のせん断応力度が発生することが確認された。
これらの結果により、第1横リブ15Aの貫通孔18が、第2横リブ15Bにおける橋軸直角方向Yの端縁と、橋軸方向Xに重なる位置を回避するように形成することで、コンクリート床版16に発生するせん断応力度を小さくすることができることが確認された。
2 主桁
10 合成パネル構造
11 第1底鋼板
12 主桁パネル
13 第2底鋼板
14 中間パネル
15A 第1横リブ
15B 第2横リブ
16 コンクリート床版
18 貫通孔
Claims (3)
- 橋梁の橋軸方向に延びる複数の主桁の上面に載置された第1底鋼板を有し、橋軸直角方向に間隔をあけて複数配置された主桁パネルと、
橋軸直角方向に隣り合う前記主桁パネルの前記第1底鋼板同士の間に配置された第2底鋼板を有する中間パネルと、
前記主桁パネル上および前記中間パネル上に設けられたコンクリート床版と、を備え、
前記主桁パネルは、前記第1底鋼板の上面に、橋軸方向に間隔をあけて複数配置されて前記コンクリート床版と一体に結合され、橋軸直角方向に前記第1底鋼板の全域に延びる第1横リブを更に有し、
前記中間パネルは、前記第2底鋼板の上面に、橋軸方向に間隔をあけて、かつ、前記第1横リブに対して橋軸方向にずらされるように複数配置されて前記コンクリート床版と一体に結合され、橋軸直角方向に延びる第2横リブを更に有し、
前記第2横リブは、前記第2底鋼板の橋軸直角方向の端部から、前記第1底鋼板の上面に向けて突出し、
前記第1横リブおよび前記第2横リブにはそれぞれ、橋軸方向に貫かれた貫通孔が橋軸直角方向に間隔をあけて複数形成されていることを特徴とする合成パネル構造。 - 前記第1横リブおよび前記第2横リブは、I型鋼であることを特徴とする請求項1に記載の合成パネル構造。
- 前記第1横リブの貫通孔は、前記第2横リブにおける橋軸直角方向の端縁と、橋軸方向に重なる位置を回避するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成パネル構造。
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