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JP2019195796A - 水処理装置 - Google Patents

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JP2019195796A JP2018092549A JP2018092549A JP2019195796A JP 2019195796 A JP2019195796 A JP 2019195796A JP 2018092549 A JP2018092549 A JP 2018092549A JP 2018092549 A JP2018092549 A JP 2018092549A JP 2019195796 A JP2019195796 A JP 2019195796A
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Abstract

【課題】ランニングコストが低く、かつ、回転軸への負荷が小さい、回転円板法に用いられる水処理装置の提供。【解決手段】処理槽21と、処理槽21内の被処理水41の中に少なくとも一部が浸漬された状態で回転できる回転体11とを備える水処理装置であって;回転体11は回転軸4と、回転軸4に設けられた複数の円板3とを備え;円板3が、円板形状の担体1と、担体1の外周に位置する浮部材2とを含み;担体1の材料が微生物を保持できる多孔質材料であり;浮部材2の材料が多孔質材料であり;浮部材2の吸水性が担体の吸水性よりも低く;処理槽21内における被処理水の通過方向41Aが、回転軸4と直交する方向である;水処理装置。【選択図】図1

Description

本発明は、水処理装置に関する。
水処理装置を用いた水処理方法として、回転円板法が知られている。回転円板法は、処理槽内に微生物担体となる円板を備える回転体を配置した水処理装置を用いて、被処理水を処理する方法である。回転円板法では曝気やバブリングが不要であり、曝気やバブリングが必要な流動床法などと比較して、省エネルギー化の観点から注目されている。
回転円板法に用いられる水処理装置や回転体として、さまざまな装置が知られている(特許文献1〜6参照)。
特許文献1には、円筒体の軸線を水平方向に向けて配置した処理槽と、処理槽の軸方向一端部に設けられた原水流入部及び一端側通気部と、処理槽の軸方向他端部に設けられた処理水流出部及び他端側通気部と、処理槽の軸線方向に設けられた回転軸と、回転軸に設けられた螺旋状回転体とを備え、螺旋状回転体の外周と処理槽の内周面とを近接配置するとともに、処理槽内の水位を回転軸より下方として水面と回転軸との間に通気路を形成した廃水処理装置が記載されている。
特許文献2には、所定の表面を有するホイール板と表面上のネット構造体とを備える、周囲ガスを液体中に導入するための回転式ホイールアセンブリが記載されている。
特許文献3には、複数の円板を間隔をおいて回転軸に取り付けて回転体を形成し、回転体を処理槽の上部に配置し、各円板の下部を処理槽内の水中に浸漬させながら回転させて、水中の汚濁成分を円板に付着した活性汚泥に吸着させて処理する廃水処理装置が記載されている。具体的には、複数の回転体を、隣り合う回転体の円板が間隔をおいて交互に重なり合うように並列に配置した廃水処理装置が記載されている。
特許文献4には、汚水等の処理対象水が流入・排出されるとともに微生物が混在する処理槽の槽本体と、槽本体内で斜め向きを含む横向き中心線回りに回転自在に設けられる攪拌回転体と、回転体を回転駆動させる駆動手段とを有する水処理装置が記載されている。具体的には、攪拌回転体は、外方に連通する内周部分と攪拌機能をもつ外周部分とでなって処理対象水の上に一部を現出させた状態で没するものとされ、外周部分は、周方向に複数個の攪拌ボックスを配備し、これら攪拌ボックスは、処理対象水の上のエアーを取り込んで同処理対象水の中に持ち込んだあと回転に伴って順次処理対象水の中に放出することで内周部分に好気処理ゾーンを形成する一方他の内周部分では無酸素処理ゾーン・嫌気処理ゾーンが形成されるようになっている水処理装置が記載されている。
特許文献5には、複数の円板を主軸に取り付けてなる回転体を接触槽内の液中に浸漬しながら回転し、円板に微生物を付着し増殖させて廃水中の有機物を処理する回転円板処理装置が記載されている。具体的には、回転体に浮部材を設ける回転円板処理装置が記載されている。
特許文献6には、酸化槽に流入された被処理水中に回転円板の一部を浸漬し、この回転円板を回転させて回転円板の表面に生物膜を生成させ、この生物膜により被処理水を浄化する汚水処理装置が記載されている。具体的には、酸化槽中の酸化還元電位を測定する酸化還元電位計と、回転円板に生成した生物膜の単位面積当りのアデノミン−3−リン酸の値を測定する手段と、酸化槽に流入される流入水量を測定する流量計と、酸化還元電位計の酸化還元電位測定値,生物膜単位面積当りのアデノミン−3−リン酸値および流量測定値より演算式を用いて、流入水の2クロム酸化カリウムによる酸素消費量である流入水CODcr,流入水の生物化学的酸素要求量である流入BOD,生物化学的酸素要求量であるBOD面積負荷および回転円板の周辺速度を算出し、この算出された周辺速度に対応して回転円板の回転速度を制御する演算制御手段によって構成した汚水処理装置が記載されている。
特開2007−185573号公報 特表2012−1515550号公報 特開2007−209850号公報 特開2006−035199号公報 特開平8−290188号公報 特許第3067241号
回転円板法に用いられる円板や円板形状の担体は、その空隙率と強度のバランスが重要である。一般的に、空隙率が高くて円板の強度が低い円板形状の担体を用いると、生物処理をする微生物が多く保持されるが、円板が変形等の故障を起こすまでの期間が短くなり、ランニングコストの上昇を引き起こしてしまう。
逆に、空隙率が低くて円板の強度が高い円板形状の担体を用いると、微生物を保持できる量が減少し、水処理性が悪化する上に、担体重量が増加することで回転軸への負荷が大きくなる。回転軸への負荷が大きくなると、回転軸の破損や曲がりなどの故障や、回転軸の回転に必要なエネルギーの増加などの問題が生じると考えられる。なお、回転軸を太くすることは、装置の製造コストの上昇を引き起こしてしまう。
本発明が解決しようとする課題は、ランニングコストが低く、かつ、回転軸への負荷が小さい、回転円板法に用いられる水処理装置を提供することである。
本発明では、被処理水の通過方向(水流)に沿った方向に円板を回転させることによって低強度で空隙率の高い多孔質材料である軽量の担体を用いられるようにして製造コストおよびランニングコストを低くでき、かつ、担体の外周に浮部材を用いることによって円板の浮力を増加させて回転軸への負荷を低減できることを見出し、上記課題を解決した。
特許文献1〜6には、被処理水の流入方向に沿って円板を回転させることと、担体の外周に浮部材を用いることの相乗効果によって、円板形状の担体の空隙率と強度のバランスを両立できることは開示も示唆もされていなかった。
例えば、特許文献1および5には、被処理水の流入方向に沿って円板を回転させることが記載されていなかった。
特許文献1では、被処理水の流入方向が回転軸に平行であり、この場合は担体に微生物が付着しても形状を保つためには担体の強度を上げる必要があり、担体の重量が増加する問題があった。なお、そもそも特許文献1の担体部材は円板形状ではなく、螺旋形状という複雑な形状であり、担体の製造コストが高過ぎる問題もあった。
特許文献5には、接触層の内部の被処理水を移動させる手段が記載されておらず、被処理水の通過方向(水流)と円板の回転方向との関係も記載されていなかった。
一方、特許文献2〜4および6には、担体の外周に浮部材を用いることが記載されていなかった。
特許文献2では、円板に複数層からなるネット構造体を設けることが記載されているものの、その構造は担体の外周に浮部材を設けることを意図するものではなく、円板の回転負荷の低減に寄与するものではなかった。
特許文献3では、複数の円板どうしの配置を工夫して円板内周を嫌気的にしないことを意図しており、1枚の円板について円板内周と円板外周を別の構造にすることは記載されていなかった。
特許文献4には、円板の外周部分に撹拌ボックスを設けることが記載されているものの、撹拌機能を持たせることは円板の回転負荷の低減に寄与するものではなく、担体の外周に浮部材を配置することは意図されていなかった。
特許文献6では、被処理水の負荷に応じて円板の回転速度を制御することを意図しており、円板内周と円板外周を別の構造にすることは記載されていなかった。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明の構成と、本発明の好ましい構成を以下に記載する。
[1] 処理槽と、処理槽内の被処理水の中に少なくとも一部が浸漬された状態で回転できる回転体とを備える水処理装置であって;
回転体は回転軸と、回転軸に設けられた複数の円板とを備え;
円板が、円板形状の担体と、担体の外周に位置する浮部材とを含み;
担体の材料が微生物を保持できる多孔質材料であり;
浮部材の材料が多孔質材料であり;
浮部材の吸水性が担体の吸水性よりも低く;
処理槽内における被処理水の通過方向が、回転軸と直交する方向である;
水処理装置。
[2] 担体の材料が吸水性樹脂である[1]に記載の水処理装置。
[3] 吸水性樹脂がポリウレタンである[2]に記載の水処理装置。
[4] 浮部材の材料が疎水性樹脂である[1]〜[3]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[5] 疎水性樹脂がポリスチレンである[4]に記載の水処理装置。
[6] 回転軸に設けられたプロペラを、複数の円板どうしの間に有する[1]〜[5]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[7] プロペラの吸水性が担体の吸水性よりも低い[6]に記載の水処理装置。
[8] プロペラの材料が疎水性樹脂である[6]または[7]に記載の水処理装置。
[9] 疎水性樹脂がポリプロピレンである[8]に記載の水処理装置。
[10] 処理槽内の被処理水の水面が、回転軸よりも低い位置である[1]〜[9]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[11] 処理槽は、被処理水流入部および処理水流出部を備え、
被処理水流入部および処理水流出部を結ぶ線分が、回転軸と直交する[1]〜[10]のいずれか一つに記載の水処理装置。
[12] 回転体を複数備え、
被処理水が複数の回転体を順に通過する[1]〜[11]のいずれか一つに記載の水処理装置。
本発明によれば、ランニングコストが低く、かつ、回転軸への負荷が小さい、回転円板法に用いられる水処理装置を提供できる。
図1は、本発明の水処理装置の一例の概略図である。 図2は、本発明の水処理装置の他の一例の概略図である。 図3は、水処理装置に用いられる回転体の一例の概略図である。 図4は、水処理装置に用いられる回転体の一例の概略図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[水処理装置]
本発明の水処理装置は、処理槽と、処理槽内の被処理水の中に少なくとも一部が浸漬された状態で回転できる回転体とを備える水処理装置であって;
回転体は回転軸と、回転軸に設けられた複数の円板とを備え;
円板が、円板形状の担体と、担体の外周に位置する浮部材とを含み;
担体の材料が微生物を保持できる多孔質材料であり;
浮部材の材料が多孔質材料であり;
浮部材の吸水性が担体の吸水性よりも低く;
処理槽内における被処理水の通過方向が、回転軸と直交する方向である。
本発明によれば、ランニングコストが低く、かつ、回転軸への負荷が小さい、回転円板法に用いられる水処理装置を提供できる。
以下、本発明の水処理装置の好ましい態様について説明する。
<水処理装置の全体的な構成>
本発明の水処理装置の全体的な構成の好ましい態様を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の水処理装置の一例を示した概略図である。
図1に示した水処理装置は、処理槽21と、処理槽21内の被処理水41の中に少なくとも一部が浸漬された状態で回転できる回転体11とを備える。回転体11は、回転軸4と、回転軸4に設けられた複数の円板3とを備える。円板3が、円板形状の担体1と、担体1の外周に位置する浮部材2とを含む。
図1に示した水処理装置では、処理槽21は、被処理水流入部22および処理水流出部23を備える。図1に示した水処理装置を用いて水処理を行う場合、被処理水41が、被処理水流入部22から水処理装置に流入した後、回転体11の回転軸4と直交する方向に(回転体11の円板3の主面と平行な方向に沿って)流れ、処理水流出部23から処理水44として流出する。本発明では、図1に示したとおり、処理槽21内における被処理水の通過方向41Aが、回転軸4と直交する方向である。具体的な構成としては、被処理水流入部22および処理水流出部23を結ぶ線分が、回転軸4と直交することが好ましい。なお、本明細書中における2つの線分や直線のなす角度が「直交」および「平行」であることは、2つの線分や直線のなす角度が90°および0°の場合に限定されず、水処理装置の分野において許容される誤差を含んでもよい。例えば、±20°、好ましくは、±10°、より好ましくは±5°が許容される。
以下、本発明の水処理装置を構成する各部分の好ましい態様を説明する。
<処理槽>
本発明の水処理装置は、処理槽を備える。
本発明では、処理槽内における被処理水の通過方向が、回転軸と直交する方向である。
(被処理水)
水処理装置に用いられる被処理水としては特に制限はないが、下水、畜産排水、工業排水等の様々な種類の汚水を用いることができる。必要に応じて汚水に適当な前処理をしたものを被処理水として用いてもよい。本発明の水処理装置は、特に被処理水の有機物(BOD、COD、TOC)低減、アンモニアの硝化などの好気的生物処理に用いられることが好ましい。
処理槽21内の被処理水41の水面43の位置は特に制限はないが、回転軸4よりも低い位置であることが、回転効率を高め、微生物付着部分の好気的な領域を増やすという観点から好ましい。なお、水位設定は、処理水流出部23またはその下流側にスイッチや堰を設けるなどの周知の方式で容易に行うことができる。
(被処理水流入部および処理水流出部)
処理槽21は、被処理水流入部22および処理水流出部23を備えることが好ましい。
被処理水流入部22および処理水流出部23を結ぶ線分が、回転軸4と直交することが好ましい。ただし、被処理水流入部22および処理水流出部23を結ぶ線分を水平に対して上下方向に斜めとしてもよい。
被処理水流入部22および/または処理水流出部23は、任意のポンプ(不図示)に連結されることが好ましい。すなわち、水処理装置は、被処理水を処理槽に流入させるためのポンプや、処理槽から処理水を流出させるためのポンプを備えることが好ましい。
(給気部および排気部)
処理槽21は、給気部24および排気部25を備えることが好ましい。さらに給気部24は給気装置31に連結されることが好ましい。図1に示した水処理装置を用いて水処理を行う場合、給気装置31から給気部24から気体42を処理槽21の被処理水41が充填されていない領域に強制的に導入し、排気部25から排気されることが、担体に保持される微生物を好気的条件にしやすい観点から好ましい。気体42は、担体に保持される微生物が好気的処理をできるように酸素を含む気体であることが好ましい。気体42として、例えば空気を用いることができる。
<回転体>
本発明では、回転体は、処理槽内の被処理水の中に少なくとも一部が浸漬された状態で回転できる。また、本発明では、回転体は回転軸と、回転軸に設けられた複数の円板とを備える。
回転体11の回転方向は特に制限はないが、被処理水の通過方向41Aと順方向、すなわち被処理水の通過方向41Aに逆行しない方向であることが、空隙率が高くて円板の強度が低い円板形状の担体を用いる場合に円板の故障を抑制する観点から好ましい。なお、回転体の回転速度は特に制限はないが、例えば毎分数回転程度の速度とすることができる。
水処理装置は、回転体を複数備え、被処理水が複数の回転体を順に通過することが好ましい。図2に、水処理装置の他の一例の概略図として、回転体11を2個備え、被処理水41が、2個の回転体11を順に通過する態様を示した。回転体11の個数は特に制限はなく、例えば処理槽21の内部に2〜10個の回転体11を配置することができる。隣り合う回転体の円板は、上流側と下流側の円板が完全に重なり合うように配置してもよく、上流側と下流側の円板が部分的に交互に重なり合うように配置してもよい。
複数の回転体11のそれぞれの回転方向は特に制限はないが、いずれも被処理水の通過方向41Aと順方向、すなわち被処理水の通過方向41Aに逆行しない方向であることが好ましい。
(回転軸)
回転体11は、回転軸4を備える。水処理装置は、回転軸4を回転させるための駆動装置や駆動機構を備えることが好ましい。回転軸4は、水平に対し上下方向に斜めにしてもよい。
(円板)
回転体11は、回転軸4に設けられた複数の円板3を備える。また、円板3が、円板形状の担体1と、担体1の外周に位置する浮部材2とを含む。
複数の円板3の個数は特に制限は無いが、例えば2〜50個であることが好ましい。複数の円板3は、離間配置されることが好ましい。複数の円板3どうしの間に後述のプロペラ5が配置されていてもよい。
各円板3を任意の部材を用いて複数の領域に分けてフレーム化して、各領域に担体1を保持してもよい。
−担体−
本発明では、円板3が、円板形状の担体1を含む。
本発明では、担体の材料が微生物を保持できる多孔質材料である。担体1が水面上に露出したときに処理槽21内の酸素を取り込むとともに、水面下となったときに被処理水41中の有機物を取り込み、担体1に保持された微生物が酸素を用いて被処理水41中の有機物を代謝することにより、被処理水41の好気的処理が行われる。
担体の材料としては特に制限はなく、樹脂、無機化合物(例えばセラミックス)などを挙げることができ、樹脂であることが好ましく、吸水性樹脂であることがより好ましい。吸水性樹脂とは、水を保持できる樹脂のことを言い、自重よりも重い量の水を保持できることが好ましく、自重よりも2倍以上の水を保持できることがより好ましい。
被処理水の通過方向(水流)に沿った方向に円板3を回転させる場合、低強度で空隙率の高い吸水性樹脂を用いることができる。担体の材料として用いられる吸水性樹脂としては、ポリウレタン、ポリエチレンを挙げることができ、ポリウレタンであることが軽量であり、かつ、微生物が生息しやすい多孔質とすることから好ましい。
−浮部材−
本発明では、円板3が、担体1の外周に位置する浮部材2を含む。
浮部材2は、担体1の外周の一周全てを覆うように配置されていても、外周の一部のみを断続的に覆うように配置されていてもよい。浮部材2は担体1の外周の一周全てを覆うように配置されていることが、回転軸への負荷をより小さくする観点から好ましい。
円板形状の担体1の中心軸および浮部材2の中心軸は互いに一致することが好ましく、いずれも回転軸4の中心軸であることがより好ましい。
本発明では、浮部材の材料が多孔質材料であり、浮部材の吸水性が担体の吸水性よりも低い。このような浮部材を用いることにより、微生物を保持する担体から形成される回転体よりも、さらに回転体に浮力を付与することができ、回転軸の回転負荷をさらに減らすことができる。浮部材の吸水性と、担体の吸水性の比較は、公知の方法で行うことができる。例えば、同じ体積とした浮部材の材料と担体の材料に対して、それぞれ水を吸収させた場合に、保持する水の量を比較することができる。
なお、担体1と浮部材2の体積の割合は特に制限はなく、担体1と浮部材2の材料や形状に応じて、十分に回転体11に浮力を付与することができるように制御することができる。例えば、担体1と浮部材2の体積の割合を、1:0.01〜1:10とすることができる。
浮部材の材料としては特に制限はなく、樹脂、無機化合物(例えばセラミックス)などを挙げることができ、樹脂であることが好ましく、疎水性樹脂であることがより好ましい。
浮部材の材料として用いられる疎水性樹脂としては、ポリスチレン、ポリプロピレンを挙げることができ、ポリスチレンであることが軽量であり、かつ、加工性が高いことから好ましい。浮部材の材料は発泡スチロールであることがより好ましい。
(プロペラ)
水処理装置は、回転軸4に設けられたプロペラ5を、複数の円板3どうしの間に有することが好ましい。複数の円板3どうしの間におけるプロペラ5の枚数は、特に制限はないが、例えば2〜10枚とすることができる。プロペラ5は、回転軸4に固定されていることが好ましく、すなわちプロペラ5の回転速度は円板3の回転速度と同じであることが好ましい。
図3および図4の水処理装置に用いられる回転体の一例の概略図に、回転軸4に設けられたプロペラ5を、複数の円板3どうしの間に有する態様を記載した。
図3では、正面から重なって見える複数の円板どうしの間に、プロペラ5が3枚を1組として配置された例を記載した。プロペラ5の回転軸は、回転体11の回転軸4と同軸とすることが好ましい。プロペラ5の長さは、特に制限はないが、円板の半径(担体1および浮部材2を合わせた半径)と同じ長さとすることが好ましい。
図4では、回転体11を被処理水の通過方向から見た場合に、4枚の円板3どうしが形成する3箇所の間に、それぞれプロペラ5が4枚以上配置された例を記載した。図4ではプロペラ5の回転軸を回転体11の回転軸4と同軸とし、プロペラ5の長さを円板3の半径(担体1および浮部材2を合わせた半径)と同じ長さとした。
複数の円板どうしの間、すなわち担体どうしの間にプロペラを設けることにより、処理槽内の被処理水を撹拌できる。処理槽内の被処理水を撹拌することにより、担体の生物膜を除去して、担体の近傍が嫌気的になることを防げる。
なお、円板の外周部分に比べて回転軸に近い内側部分における気体の流通量が少なくなると、円板の内側部分が嫌気的となることがある。複数の円板どうしの間にプロペラを有することにより、気体の流通量も制御して円板の内側部分が嫌気的になることを抑制してもよい。ただし、担体の生物膜を除去して担体の近傍が嫌気的になることを防ぐ効果の方が、気体の流通量も制御して円板の内側部分が嫌気的になることを抑制する効果の方が大きい。
プロペラの吸水性が担体の吸水性よりも低いことが、さらに回転体に浮力を付与することができ、回転軸の回転負荷をさらに減らすことができる観点から好ましい。
プロペラの材料としては特に制限はなく、樹脂、無機化合物(例えばセラミックス、金属)などを挙げることができ、樹脂であることが好ましく、疎水性樹脂であることがより好ましい。
プロペラの材料として用いられる疎水性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリスチレンを挙げることができ、ポリプロピレンであることが担体の生物膜を除去できる強度を有し、かつ、ある程度は軽量である観点から好ましい。
<処理水>
処理槽で浄化された処理水は、水処理装置の処理水流出部から流出し、そのまま放流処理されてもよく、その他の装置で次の処理を行ってもよい。
<その他の装置>
水処理装置は、その他の機能を有する部分を備えていてもよい。
処理槽の上流または下流に沈殿槽を設けてもよい。ただし、本発明の水処理装置は沈殿槽がなくても連続稼働できるため、沈殿槽を設けないことがコストを低減する観点から好ましい。
担体から剥離した微生物が汚泥として処理槽に堆積しないように、水処理装置は、汚泥排出経路や、汚泥の返送経路を備えていてもよい。
処理槽の内部、上流または下流に散水手段を設けてもよい。ただし、本発明の水処理装置は散水手段がなくても連続稼働できるため、散水手段を設けないことがポンプを用いる場合の圧力損失を少なくしてランニングコストを低減する観点から好ましい。
1 担体
2 浮部材
3 円板
4 回転軸
5 プロペラ
11 回転体
21 処理槽
22 被処理水流入部
23 処理水流出部
24 給気部
25 排気部
31 給気装置
41 被処理水
41A 被処理水の通過方向
42 気体
43 水面
44 処理水

Claims (12)

  1. 処理槽と、前記処理槽内の被処理水の中に少なくとも一部が浸漬された状態で回転できる回転体とを備える水処理装置であって;
    前記回転体は回転軸と、前記回転軸に設けられた複数の円板とを備え;
    前記円板が、円板形状の担体と、前記担体の外周に位置する浮部材とを含み;
    前記担体の材料が微生物を保持できる多孔質材料であり;
    前記浮部材の材料が多孔質材料であり;
    前記浮部材の吸水性が前記担体の吸水性よりも低く;
    前記処理槽内における前記被処理水の通過方向が、前記回転軸と直交する方向である;
    水処理装置。
  2. 前記担体の材料が吸水性樹脂である、請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記吸水性樹脂がポリウレタンである、請求項2に記載の水処理装置。
  4. 前記浮部材の材料が疎水性樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理装置。
  5. 前記疎水性樹脂がポリスチレンである、請求項4に記載の水処理装置。
  6. 前記回転軸に設けられたプロペラを、複数の前記円板どうしの間に有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水処理装置。
  7. 前記プロペラの吸水性が前記担体の吸水性よりも低い、請求項6に記載の水処理装置。
  8. 前記プロペラの材料が疎水性樹脂である、請求項6または7に記載の水処理装置。
  9. 前記疎水性樹脂がポリプロピレンである、請求項8に記載の水処理装置。
  10. 前記処理槽内の前記被処理水の水面が、前記回転軸よりも低い位置である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の水処理装置。
  11. 前記処理槽は、被処理水流入部および処理水流出部を備え、
    前記被処理水流入部および前記処理水流出部を結ぶ線分が、前記回転軸と直交する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の水処理装置。
  12. 前記回転体を複数備え、
    前記被処理水が複数の前記回転体を順に通過する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水処理装置。
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WO2021085253A1 (ja) 2019-10-29 2021-05-06 三菱マテリアル株式会社 表面被覆切削工具

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