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JP2019159080A - 固体撮像装置 - Google Patents

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JP2019159080A
JP2019159080A JP2018045147A JP2018045147A JP2019159080A JP 2019159080 A JP2019159080 A JP 2019159080A JP 2018045147 A JP2018045147 A JP 2018045147A JP 2018045147 A JP2018045147 A JP 2018045147A JP 2019159080 A JP2019159080 A JP 2019159080A
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秋山 久志
Hisashi Akiyama
久志 秋山
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Sony Semiconductor Solutions Corp
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Abstract

【課題】色成分毎に偏光情報を容易に取得できるようにする。【解決手段】光学素子としてワイヤーグリッド偏光子を撮像素子の入射面に設ける。ワイヤーグリッドの配列方向は所望の偏光情報が得られる方向で、配列周期は入射光から所望の波長の光を透過する周期とする。配列方向と配列周期は画素単位で設定する。例えば、2×2画素の画素ブロックでは、各画素の配列方向は、互いに異なる4つの偏光方向とする。また、画素ブロックでは、各画素における配列周期が等しい周期とする。例えば赤色成分の偏光情報を取得する赤色単位UPrの画素ブロックは赤色成分に応じた配列周期Λrθa、緑色成分の偏光情報を取得する緑色単位UPgの画素ブロックは緑色成分に応じた配列周期Λgθa、青色成分の偏光情報を取得する青色単位UPbの画素ブロックは青色成分に応じた配列周期Λbθaとする。また、入射光の入射角に応じて配列周期等を調整する。【選択図】 図8

Description

この技術は、固体撮像装置に関し、色成分毎に偏光情報を得られるようにする。
従来、例えば特許文献1では、受光素子(光電変換層)に光共鳴構造体を形成し、局在プラズモン共鳴または導波モード共鳴の性質を利用して色分解を行うことが記載されている。また、非特許文献1では、可視領域の波長を励起可能な程度の周期構造を有するAlナノワイヤーアレイを用いて、可視域プラスモニックフィルタを構成することが記載されている。
特許第5300344号公報
本間浩章「MEMS技術を用いた表面プラズモンの異常透過制御技術の研究」豊橋技術科学大学 学位授与番号 甲第741号 2016-03-23、インターネット(URL:http://id.nii.ac.jp/1117/00001948/)
ところで、多波長分光特性を有するためには、特許文献1や非特許文献1のように、表面プラズモン特性を利用することが一般的である。しかし、特許文献1や非特許文献1の技術では、被写体の偏光特性を示す偏光情報を取得することができない。
そこで、この技術では、色成分毎に偏光情報を容易に取得できる固体撮像装置を提供することを目的とする。
この技術の第1の側面は、
金属ワイヤーの配列方向が所望の偏光情報が得られる方向であり、前記金属ワイヤーの配列周期が入射光から所望の波長の光を透過する周期である光学素子を、撮像素子の入射面に設けた
固体撮像装置にある。
この技術においては、光学素子としてワイヤーグリッド偏光子を撮像素子の入射面に設ける。ワイヤーグリッドの配列方向は所望の偏光情報が得られる方向であり、配列周期は入射光から所望の波長の光を透過する周期とされている。また、ワイヤーグリッドの配列方向と配列周期は画素単位で設定されている。例えば、複数画素からなる画素ブロックにおいて、各画素におけるワイヤーグリッドの配列方向が互いに異なる方向とされている。また、複数画素からなる画素ブロックでは、各画素におけるワイヤーグリッドの配列周期が等しい周期とされている。
また、画素毎または画素ブロック毎にレンズを設けて、入射光をレンズとワイヤーグリッドを介して入射面に入射させる。また、入射光の入射角に応じて、画素または画素ブロックに対するレンズの位置を入射光の方向へ移動する。さらに、入射光の入射角に応じて配列周期を調整して、所望の波長の光を透過させる。
また、非球面レンズを介して入射光が入射される場合、非球面レンズを介した入射光の入射角に応じて配列周期を調整する。
この技術によれば、金属ワイヤーの配列方向が所望の偏光情報が得られる方向であり、前記金属ワイヤーの配列周期が入射光から所望の波長の光を透過する周期である光学素子が、撮像素子の入射面に設けられる。このため、色成分毎に偏光情報を容易に取得できるようになる。なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
表面プラズモンを説明するための図である。 表面プラズモン励起の光学配置を示した図である。 CMOSイメージセンサの概略構成を示す図である。 CMOSイメージセンサの構成例を模式的に示す断面図である。 画素アレイ部の画素配置を例示した図である。 画素ブロックBPaの構成を例示した図である。 中央部分の画素ブロックBPaと周辺部分の画素ブロックBPbを例示した図である。 画素アレイ部がベイヤー配列である場合の中央部分の画素ブロックBPaを例示した図である。 CMOSイメージセンサを複数用いて色成分毎の偏光情報を取得する場合の構成を例示した図である。 固体撮像装置の他の構成を示す図である。 入射角に応じてオンチップレンズと画素の位置関係を調整した場合を示している。
以下、本技術を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.プラズモン励起に必要な周期構造について
2.固体撮像装置の構成について
3.固体撮像装置の他の構成について、
4.具体例
<1.プラズモン励起に必要な周期構造について>
表面プラズモンは、金属の表面100nm近傍の領域に存在するプラズマ電子による縦波であり、これらがある条件下で励起すなわちエネルギーの授受が行われる。
図1は、表面プラズモンを説明するための図である。金属中のプラズモン(プラズマ波)は、表面近傍で光と相互作用する表面モードが存在しており、表面プラズモンと呼ばれている。図1の(a)は、表面プラズモンの概念図である。表面近傍では,電子の粗密波に起因した面法線方向の電場成分が存在しており、面法線方向の電場成分を有するp偏光の入射光を用いることで表面プラズモンを励起することが可能であることが知られている。また、表面プラズモンが自由空間中を伝搬する光とは異なる分散関係を示すことが知られている。分散関係は、界面における表面プラズモンの波数kx、金属媒質の誘電率ε1と周辺媒質の誘電率ε2を用いて、式(1)として表すことができる。ここで、「ω」は角振動数、「c」は真空中の光速である。
Figure 2019159080
図1の(b)は表面プラズモンの分散関係を示している。ここで、入射光(k=ω/c)を示すライトラインLLの左側の領域にあれば,光による励起が可能である。しかし、平坦な金属表面での表面プラズモンの分散曲線は常にライトラインLLの右側にありライトラインLLとの交点を持たない。すなわち,自由空間を伝搬する光では表面プラズモンを励起できない。そこで、表面プラズモンを励起するために例えば回折格子を用いる。
図2は、表面プラズモン励起の光学配置を示している。回折光の波数kxは、式(2)の関係となる。なお、「k0」は伝搬光の持つ波数、「m」は回折次数であり整数である。「K」は格子ベクトルである。
kx=k0・Sinθ+mK ・・・(2)
また、光が回折格子に入射すると分散曲線は格子ベクトルK=2π/Λの整数倍だけシフトして、回折光と表面プラズモンの分散曲線の交わる点が生じる。なお、「Λ」は回折格子の周期である。したがって、光の入射角θや回折格子の周期Λを調整して、回折光と表面プラズモンの分散曲線を一致させて、エネルギー授受すなわち励起光(透過光)を生成できるようにする。
さらに、光の入射角θが「0」である場合に比べて、入射角θが大きくなると、波数のシフトが大きくなり、エネルギー授受によって生じる励起光(透過光)の波長(励起波長,透過波長)は短波長にシフトする。したがって、同一波長を励起(透過)するために、入射角に応じて回折格子の周期Λを広げるようにする。
次に、回折格子の周期構造について説明する。励起される入射光は周期構造(周期方向)に対して平行なp偏光である。回折格子に用いる金属は、プラズマ周波数が高いほど波長選択(表面プラズモン)範囲が広くなる。また、プラズマ振動は縦波であり、プラズマ周波数以下の周波数の光は金属表面で全反射される。ここで、プラズマ周波数ωpは、式(3)に基づき波長λに換算することができる。
λ = 2πc/ωp ・・・(3)
また、式(4)に基づき可視光波長λvを角周波数ωに変換できる。
ω = 2πc/λv ・・・(4)
さらに、回折格子に用いる金属の誘電率の周波数依存性は、無損失ドルーデモデルである式(5)に基づき算出できる。
ε(ω) = 1−(ω /ω) ・・・(5)
また、埋め込み材の誘電率ε1とすると、励起に必要な周期構造の周期Λは式(6)に基づき算出できる。なお、誘電率ε2は、式(5)に基づいて算出された誘電率ε(ω)である。「m」は整数,「k」は波数ベクトル、「θ」は入射角である。
Figure 2019159080
<2.固体撮像装置の構成について>
図3は、本技術が適用される固体撮像装置、例えばX−Yアドレス方式のCMOSイメージセンサの概略構成を示している。ここで、CMOSイメージセンサとは、CMOSプロセスを応用して、または、部分的に使用して作成されたイメージセンサである。
CMOSイメージセンサ10は、図示せぬ半導体基板(チップ)上に形成された画素アレイ部11と、画素アレイ部11と同じ半導体基板上に集積された周辺回路部とを有する構成となっている。周辺回路部は、例えば、垂直駆動部12、カラム処理部13、水平駆動部14及びシステム制御部15から構成されている。
また、CMOSイメージセンサ10は、信号処理部18及びデータ格納部19を備えている。信号処理部18及びデータ格納部19については、CMOSイメージセンサ10と同じ基板上に搭載しても構わないし、本MOSイメージセンサ10と別の基板上に配置するようにしても構わない。また、信号処理部18及びデータ格納部19の各処理については、CMOSイメージセンサ10とは別の基板に設けられる外部信号処理部やソフトウェアによる処理でも構わない。
画素アレイ部11は、複数の単位画素が行方向及び列方向に配置された構成となっている。ここで、行方向とは画素行の画素の配列方向(例えば水平方向)であり、列方向とは画素列の画素の配列方向(例えば垂直方向)とする。
画素アレイ部11には、金属ワイヤーの配列方向を所望の偏光情報が得られる方向として、金属ワイヤーの配列周期(回折格子の周期に相当)を入射光から所望の波長の光を透過する周期とした光学素子、例えばワイヤーグリッド偏光子が後述する入射面に設けられて、偏光画素を有するように構成されている。なお、偏光画素の詳細については後述する。
画素アレイ部11単位画素は、受光した光量に応じた電荷を生成しかつ蓄積する光電変換部(例えば、フォトダイオード)、及び、複数の画素トランジスタを有する。複数の画素トランジスタは、例えば、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、および増幅トランジスタの3つのトランジスタで構成することができる。あるいは、複数の画素トランジスタは、さらに選択トランジスタを追加して4つのトランジスタで構成することもできる。なお、各画素の等価回路は一般的なものと同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
画素アレイ部11において、画素行毎に行信号線としての画素駆動線16が行方向に沿って配線され、画素列毎に列信号線としての垂直信号線17が列方向に沿って配線されている。画素駆動線16は、画素から信号を読み出す際の駆動を行うための駆動信号を伝送する。図3では、画素駆動線16について1本の配線として示しているが、1本に限られるものではない。画素駆動線16の一端は、垂直駆動部12の各行に対応した出力端に接続されている。
垂直駆動部12は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部11の各画素を全画素同時あるいは行単位等で駆動する。すなわち、垂直駆動部12は、垂直駆動部12を制御するシステム制御部15と共に、画素アレイ部11の各画素の動作を制御する駆動部を構成している。この垂直駆動部12はその具体的な構成については図示を省略するが、一般的に、読出し走査系と掃出し走査系の2つの走査系を有する構成となっている。
読出し走査系は、単位画素から信号を読み出すために、画素アレイ部11の単位画素を行単位で順に選択走査する。単位画素から読み出される信号はアナログ信号である。掃出し走査系は、読出し走査系によって読出し走査が行われる読出し行に対して、その読出し走査よりも露光時間分だけ先行して掃出し走査を行う。
この掃出し走査系による掃出し走査により、読出し行の単位画素の光電変換部から不要な電荷が掃き出されることによって当該光電変換部がリセットされる。そして、この掃出し走査系による不要電荷の掃き出す(リセットする)ことにより、いわゆる電子シャッタ動作が行われる。
読出し走査系による読出し動作によって読み出される信号は、その直前の読出し動作または電子シャッタ動作以降に受光した光量に対応するものである。そして、直前の読出し動作による読出しタイミングまたは電子シャッタ動作による掃出しタイミングから、今回の読出し動作による読出しタイミングまでの期間が、単位画素における電荷の露光期間となる。
垂直駆動部12によって選択走査された画素行の各単位画素から出力される信号は、画素列毎に垂直信号線17の各々を通してカラム処理部13に入力される。カラム処理部13は、画素アレイ部11の画素列毎に、選択行の各画素から垂直信号線17を通して出力される信号に対して所定の信号処理を行うとともに、信号処理後の画素信号を一時的に保持する。例えば、カラム処理部13は、信号処理として、ノイズ除去処理やA/D(アナログ−デジタル)変換等を行う。
水平駆動部14は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、カラム処理部13の画素列に対応する単位回路を順番に選択する。この水平駆動部14による選択走査により、カラム処理部13において単位回路毎に信号処理された画素信号が順番に出力される。
システム制御部15は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータなどによって構成され、当該タイミングジェネレータで生成された各種のタイミングを基に、垂直駆動部12、カラム処理部13、及び、水平駆動部14などの駆動制御を行う。
信号処理部18は、カラム処理部13から出力される画素信号に対して種々の信号処理を行う。画素アレイ部11では、後述するように色成分毎の偏光情報を取得できる。したがって、信号処理部18は、色成分毎の偏光情報に基づき、後述するように偏光特性情報を取得する。また、信号処理部18は、例えば特許文献(国際公開第2016/136085号)の技術を用いることで、偏光特性情報に基づき反射成分の分離や抽出等を行う。さらに、信号処理部18は、例えば特許文献(国際公開第2016/174915号)の技術を用いることで、被写体の認識や向き・姿勢の判別等を行ってもよい。
データ格納部19は、信号処理部18での信号処理に当たって、その処理に必要なデータを一時的に格納する。
図4は、CMOSイメージセンサの構成例を模式的に示す断面図である。なお、図4では、偏光画素の部分の断面を示している。
なお、以下、光の入射側(図4の上側)をCMOSイメージセンサ10の上方とし、光の入射側と反対側(図4の下側)をCMOSイメージセンサ10の下方とする。
CMOSイメージセンサ10は、半導体基板102の配線層101が積層されている表面とは逆の裏面側から光が入射する、いわゆる裏面照射型の構造を有している。なお、以下、半導体基板102の裏面を入射面あるいは撮像面と称する。
配線層101には、配線121が複数の層にわたって積層されている。また、配線層101の半導体基板102との境界付近に、各画素に対してゲート電極122が形成されている。
半導体基板102には、偏光画素の領域内に光電変換素子123が形成されている。なお、光電変換素子123は、例えばフォトダイオードにより構成される。
各光電変換素子123間には、半導体基板102の入射面側からトレンチが形成されている。半導体基板102の入射面及びトレンチの壁面には絶縁膜124が形成されている。また、半導体基板102のトレンチ内には、遮光膜125の垂直部125aが埋め込まれている。
半導体基板102の入射面上には、絶縁膜124を介して、遮光膜125の水平部125b、偏光子126が形成されている。
遮光膜125の水平部125bは、半導体基板102の入射面を覆うとともに、光電変換素子123の上方に開口部が形成されている。すなわち、遮光膜125の水平部125bは、隣接する画素の間を埋めるように形成されている。この遮光膜125の垂直部125a及び水平部125bにより、隣接する画素からの斜め方向の光の入射が抑制される。
偏光子126は、遮光膜125の水平部125bの光電変換素子123の上方の開口部に形成され、光電変換素子123の上面(入射面)を覆っている。偏光子126は、例えばワイヤーグリッド偏光子である。偏光子126は、ワイヤーグリッドの延びる方向と直行する方向の電界成分を持つ偏光波を通過させ、ワイヤーグリッドの延びる方向と平行な電界成分を持つ偏光波の通過を抑制する。偏光子126の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、金、銀、白金、タングステン、あるいは、これらの金属を含む合金等が用いられる。偏光子126では、ワイヤーグリッドを所望の偏光情報が得られる方向として設けた構成とされており、ワイヤーグリッドの配列周期は、後述するように透過する色および入射光の入射角に応じて設定されている。なお、図4および後述する図10,図11では、赤色画素PXrと赤色画素よりも波長の短い例えば緑色画素PXbを示している。
次に、画素アレイ部11について説明する。画素アレイ部11は偏光画素あるいは偏光画像と無偏光画素を用いて構成されている。偏光画素では、ワイヤーグリッドの配列方向を所望の偏光情報が得られる方向とする。また、偏光画素では、ワイヤーグリッドの配列周期を入射光から所望の波長の光を透過(励起)する周期とする。このワイヤーグリッドを、上述したように光電変換素子123の上方、すなわちCMOSイメージセンサの入射面に設ける。
ワイヤーグリッドの配列方向と配列周期は画素単位で設定されている。また、偏光画素は、例えば複数画素からなる画素ブロックにおいて、各画素のワイヤーグリッドの配列方向が互いに異なる方向とされている。したがって、画素ブロック毎に、偏光方向が異なる複数の偏光情報を取得できる。
また、ワイヤーグリッドの配列方向は、異なる配列方向の偏光画素の画素値を用いて偏光特性情報を取得できるように設定する。例えば、拡散反射の場合、最大輝度Idmaxが観測されたときの偏光角υpolを方位角φdとすると、偏光角を回転させたときに観測される輝度Idpolの変化、すなわち偏光角の違いによって生じる所定の輝度変化を示す偏光モデル式は、式(7)のように表すことができる。
Figure 2019159080
式(7)では、偏光角υpolが偏光画像の生成時に明らかであり、最大輝度Idmaxと最小輝度Idminおよび方位角φdが変数となる。したがって、法線情報生成部35は、変数が3つであることから、偏光方向が3方向以上の偏光画像の輝度を用いて式(7)に示す関数へのフィッティングを行い、輝度と偏光角の関係を示す偏光特性情報を取得できる。
また、複数画素からなる画素ブロックでは、各画素におけるワイヤーグリッドの配列周期を等しい周期とする。したがって、画素ブロック毎に、ワイヤーグリッドの配列周期に対応する色成分についての偏光特性情報を取得できるようになる。
図5は、画素アレイ部の画素配置を例示しており、中央部分の画素ブロックBPaは、入射光の入射角θaが「θa=0度」、周辺部分の画素ブロックBPbでは、入射光の入射角θbが「θb>0度」となる。
図6は、画素ブロックBPaの構成を例示している。2×2画素の画素ブロックは、ワイヤーグリッドの配列方向が異なる4つの方向の何れかであって、互いに異なる配列方向とされている。また、2×2画素の画素ブロック内ではワイヤーグリッドの配列周期が配列周期Λθaとされている。なお、図6ではワイヤーグリッドが水平方向および135°の傾きを生じている場合を示しているが、ワイヤーグリッドが垂直方向および45°の傾きを生じている場合も配列周期は同様である。
図7は、中央部分の画素ブロックBPaと周辺部分の画素ブロックBPbを例示している。図7の(a)は、中央部分の画素ブロックBPaの構成を示しており、図6と同様に、2×2画素の画素ブロック内ではワイヤーグリッドが配列周期Λθaとされている。
図7の(b)は周辺部分の画素ブロックBPbの構成を示している。上述の「プラズモン励起に必要な周期構造について」で説明したように、入射角が大きくなると透過(励起)波長は短波長にシフトする。したがって、中央部分の画素ブロックBPaと同一波長を透過(励起)するために、ワイヤーグリッドを入射角に応じた配列周期Λθb(>Λθa)とする。このように、入射角に応じた配列周期とすれば、画素アレイ部の中央部だけでなく周辺部でも、同一波長の偏光情報を取得できるようになる。
また、画素アレイ部をベイヤー配列とする場合、2×2画素ブロックを色配列単位(4×4画素)として、4つの画素ブロックを赤色単位と青色単位と2つの緑色単位とする。図8は、画素アレイ部がベイヤー配列である場合の中央部分の画素ブロックBPaを例示している。
赤色単位UPrである2×2画素ブロック内ではワイヤーグリッドの配列周期が赤色の波長を透過(励起)するように配列周期Λrθaとされている。緑色単位UPgである2×2画素ブロック内ではワイヤーグリッドの配列周期が緑色の波長を透過(励起)するように配列周期Λgθaとされている。さらに、青色単位UPbである2×2画素ブロック内ではワイヤーグリッドの配列周期が青色の波長を透過(励起)するように配列周期Λbθaとされている。
このように、ワイヤーグリッドの配列周期を調整すれば、カラーフィルタを用いることなく、色成分毎に偏光特性情報を取得できるようになる。また、図示せずも、入射角に応じて各色の配列周期を調整すれば、画素アレイ部の中央部だけでなく周辺部でも、色成分毎に偏光特性情報を取得できるようになる。
また、本技術では、数百〜千数百nmの厚さのカラーフィルタを用いることなく100〜数百nmの厚さのワイヤーグリッドによって色成分毎に偏光情報を取得できる。このため、カラーフィルタをセンサ内に設けるCMOSイメージセンサに比べて、低背化構造を実現できる。また、低背化構造によって、瞳補正の補正量を少なくして所望の信号の狭帯域を実現することができ、各種製造上のマージンや特性上のマージンの確保が可能となる。
なお、図6乃至図8では、偏光方向が4方向である場合を示したが、偏光情報を粗にしても支障がない状況の場合(例えば凹凸のみを判別するような場合)、偏光方向を0度と90度の2方向、あるいは45度と135度の2方向を基本単位としてもよい。また、偏光方向に、例えば22.5度、67.5度、112.5度、157.5度等を追加して、基本単位を4方向よりも多くしてもよい。この場合、偏光情報を高精度に取得することが可能となる。
また、図6および図7に示す構成の画素アレイを有するCMOSイメージセンサを複数用いて、色成分毎の偏光情報を取得してもよい。例えば、赤色成分の偏光情報を取得するCMOSイメージセンサ10Rでは、画素アレイの中央部におけるワイヤーグリッドの配列周期は赤色の波長を透過(励起)するように配列周期Λrθaとする。また、周辺部におけるワイヤーグリッドの配列周期は、入射角に応じた配列周期として、例えば入射角θbのときは配列周期Λrθbとする。
同様に、緑色成分の偏光情報を取得するCMOSイメージセンサ10Gでは、画素アレイの中央部におけるワイヤーグリッドの配列周期は緑色の波長を透過(励起)するように配列周期Λgθaとする。また、周辺部におけるワイヤーグリッドの配列周期は、入射角に応じた配列周期として、例えば入射角θbのときは配列周期Λgθbとする。
さらに、青色成分の偏光情報を取得するCMOSイメージセンサ10Bでは、画素アレイの中央部におけるワイヤーグリッドの配列周期は青色の波長を透過(励起)するように配列周期Λbθaとする。また、周辺部におけるワイヤーグリッドの配列周期は、入射角に応じた配列周期として、例えば入射角θbのときは配列周期Λbθbとする。
図9は、CMOSイメージセンサを複数用いて色成分毎の偏光情報を取得する場合の構成を例示している。入射光は光分割部20で例えば3つに分割される。分割された光は、赤色成分の偏光情報を取得するCMOSイメージセンサ10Rと、緑色成分の偏光情報を取得するCMOSイメージセンサ10Gと、青色成分の偏光情報を取得するCMOSイメージセンサ10Bに入力される。CMOSイメージセンサ10Rでは、上述のように赤色成分の偏光情報を生成する。また、CMOSイメージセンサ10Gでは、上述のように緑色成分の偏光情報を生成する。さらに、CMOSイメージセンサ10Bでは、上述のように青色成分の偏光情報を生成する。したがって、色分解プリズム等を用いなくとも、所望の色成分毎の偏光情報を生成できるようになる。また、色成分毎にCMOSイメージセンサを設けることで、解像度を維持しつつ、詳細な偏光情報を得ることも可能である。
また、光分割部20に代えて従来のように色分解プリズムを用いた場合、色分解光の波長に対応させてワイヤーグリッドの配列周期を調整すれば、所望の波長の光を精度よく透過(励起)することも可能である。さらに、CMOSイメージセンサを4以上設けるようにすれば、解像度を維持しつつ、詳細な偏光情報をさらに詳細な色成分毎に取得することが可能となる。
<3.固体撮像装置の他の構成について>
CMOSイメージセンサが図4に示す構成である場合、周辺部の画素では入射角が大きくなるため、光電変換素子123に光が入射しにくい。そこで、図10に示す固体撮像装置の他の構成では、ワイヤーグリッドの上方(入射面面とは逆側)に、集光素子127例えばオンチップレンズを形成する。このように、集光素子127を設ければ、入射光を効率よく光電変換素子123に入射させることができる。
オンチップレンズは、例えば画素毎に設けてもよく、偏光方向が異なる複数の偏光画素で猛省された画素ブロック毎に設けてもよい。なお、図10では画素毎に設けた場合を例示している。
さらに、入射光の入射角が大きくなる場合は、入射角に応じて、画素または画素ブロックに対するオンチップレンズの位置を入射光の方向へ移動してもよい。図11は、入射角に応じて画素や画素ブロックに対するオンチップレンズの位置を移動した場合を示している。このように、入射角に応じて画素や画素ブロックに対するオンチップレンズの位置を調整して、入射角が大きくなる伴い、オンチップレンズの光軸位置LPcを例えば画素の中心位置GPcから入射光の方向により多く移動させる。この場合、オンチップレンズの中心位置が画素の中心位置とされている場合に比べて、偏光子126を介して光電変換素子123に効率よく入射光を入射させることができる。
また、CMOSイメージセンサ10には、非球面レンズ(あるいは複数枚のレンズを用いて構成されたレンズ群)を介して入射光が入射される場合がある。ここで、非球面レンズに入射される入射光と像高の関係は非線形特性を有している。したがって、CMOSイメージセンサ10に入射される入射光が、非球面レンズを介して入射される場合は、非球面レンズを介した入射光の入射角に応じて配列周期を調整する。
なお、本技術は、ワイヤーグリッド偏光子の配列方向や配列周期を所望の色成分の偏光情報が得られるように設定して、イメージセンサの入射面に設ければよく、CMOSイメージセンサの構成は、図4や図10,図11に示す構成に限られない。また、CMOSイメージセンサに限らず他の方式のイメージセンサ(例えばCCDイメージセンサ)等であってもよい。
<4.具体例>
次に、偏光子126の材料として、例えばアルミニウムを用いた場合のワイヤーグリッドの配列周期について説明する。なお、埋め込み材は二酸化シリコンであり、誘電率は2.25とする。
例えば赤色成分(λ=650nm)の偏光情報を取得する場合、赤色成分の波長を式(4)に基づき角周波数とすると「2898THz」となる。また、アルミニウムのプラズマ周波数は「24000THz」である。アルミニウムの誘電率の周波数依存性についてドルーデモデルを用いると、式(5)に基づき赤色成分の波長(λ=650nm)におけるアルミニウムの誘電率は「−67.56」となる。従って、式(6)に基づき、入射角θa(=0度)の配列周期Λrθaは「426.057nm」となる。また、入射角θb(=20度)である場合、式(2)等に基づき、配列周期Λrθbは「549.173nm」となる。
緑色成分(λ=550nm)の偏光情報を取得する場合、緑色成分の波長を式(4)に基づき角周波数とすると「3425THz」となる。また、アルミニウムのプラズマ周波数は「24000THz」である。アルミニウムの誘電率の周波数依存性についてドルーデモデルを用いると、式(5)に基づき緑色成分の波長(λ=550nm)におけるアルミニウムの誘電率は「−48.09」となる。従って、式(6)に基づき、入射角θa(=0度)の配列周期Λgθaは「357.986nm」となる。また、入射角θb(=20度)である場合、式(2)等に基づき、配列周期Λgθbは「460.501nm」となる。
青色成分(λ=450nm)の偏光情報を取得する場合、青色成分の波長を式(4)に基づき角周波数とすると「4187THz」となる。また、アルミニウムのプラズマ周波数は「24000THz」である。アルミニウムの誘電率の周波数依存性についてドルーデモデルを用いると、式(5)に基づき青色成分の波長(λ=450nm)におけるアルミニウムの誘電率は「−31.86」となる。従って、式(6)に基づき、入射角θa(=0度)の配列周期Λbθaは「289.213nm」となる。また、入射角θb(=20度)である場合、式(2)等に基づき、配列周期Λbθbは「370.698nm」となる。
このように、アルミニウムを用いたワイヤーグリッドを偏光部材として用いて、ワイヤーグリッドの配列周期を図10に示す周期として、配列方向を所定の偏光方向数以上とすれば、赤色成分と緑色成分と青色成分毎に偏光情報を得られる
なお、本明細書に記載した効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、記載されていない付加的な効果があってもよい。また、本技術は、上述した技術の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この技術の実施の形態は、例示という形態で本技術を開示しており、本技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
また、本技術の固体撮像装置は以下のような構成も取ることができる。
(1) 金属ワイヤーの配列方向が所望の偏光情報が得られる方向であり、前記金属ワイヤーの配列周期が入射光から所望の波長の光を透過する周期である光学素子を、撮像素子の入射面に設けた固体撮像装置。
(2) 前記光学素子は、ワイヤーグリッド偏光子である(1)に記載の固体撮像装置。
(3) 前記ワイヤーグリッドの前記配列方向と前記配列周期を画素単位で設定した(2)に記載の固体撮像装置。
(4) 複数画素からなる画素ブロックにおいて、各画素における前記ワイヤーグリッドの配列方向を互いに異なる方向とした(3)に記載の固体撮像装置。
(5) 前記複数画素からなる画素ブロックでは、各画素における前記ワイヤーグリッドの配列周期を等しい周期とする(4)に記載の固体撮像装置。
(6) 画素毎または前記画素ブロック毎にレンズを設けて、前記入射光を前記レンズと前記ワイヤーグリッドを介して前記入射面に入射させる(2)乃至(5)の何れかに記載の固体撮像装置。
(7) 前記入射光の入射角に応じて、前記画素または前記画素ブロックに対する前記レンズの位置を前記入射光の方向へ移動する(6)に記載の固体撮像装置。
(8) 前記入射光の入射角に応じて前記配列周期を調整して、前記所望の波長の光を透過させる(1)乃至(7)の何れかに記載の固体撮像装置。
(9) 非球面レンズを介して入射光が入射される場合、前記非球面レンズを介した入射光の入射角に応じて前記配列周期を調整する(1)乃至(8)の何れかに記載の固体撮像装置。
また、本技術によれば、下記のような構成の電子機器を提供できる
(1) 金属ワイヤーの配列方向が所望の偏光情報が得られる方向であり、前記金属ワイヤーの配列周期が入射光から所望の波長の光を透過する周期である光学素子を、撮像素子の入射面に設けた固体撮像装置と、
前記固体撮像装置で得られた所望の波長の偏光情報を用いて信号処理を行う信号処理部と
を備える電子機器。
この技術の固体撮像装置と電子機器では、金属ワイヤーの配列方向が所望の偏光情報が得られる方向であり、前記金属ワイヤーの配列周期が入射光から所望の波長の光を透過する周期である光学素子が、撮像素子の入射面に設けられる。したがって、色成分毎に偏光情報を容易に取得できるようになる。また、色成分毎に偏光情報を用いて、種々の信号処理例えば反射成分の除去や被写体の向きや姿勢の検出等を行うことができるので、監視システムや移動体制御システム等に適している。
10,10R,10G,10B・・・CMOSイメージセンサ
11・・・画素アレイ部
12・・・垂直駆動部
13・・・カラム処理部
14・・・水平駆動部
15・・・システム制御部
16・・・画素駆動線
17・・・垂直信号線
18・・・信号処理部
19・・・データ格納部
20・・・光分割部
35・・・法線情報生成部
101・・・配線層
102・・・半導体基板
121・・・配線
122・・・ゲート電極
123・・・光電変換素子
124・・・絶縁膜
125・・・遮光膜
126・・・偏光子
127・・・集光素子

Claims (9)

  1. 金属ワイヤーの配列方向が所望の偏光情報が得られる方向であり、前記金属ワイヤーの配列周期が入射光から所望の波長の光を透過する周期である光学素子を、撮像素子の入射面に設けた
    固体撮像装置。
  2. 前記光学素子は、ワイヤーグリッド偏光子である
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記ワイヤーグリッドの前記配列方向と前記配列周期を画素単位で設定した
    請求項2に記載の固体撮像装置。
  4. 複数画素からなる画素ブロックにおいて、各画素における前記ワイヤーグリッドの配列方向を互いに異なる方向とした
    請求項3に記載の固体撮像装置。
  5. 前記複数画素からなる画素ブロックでは、各画素における前記ワイヤーグリッドの配列周期を等しい周期とする
    請求項4に記載の固体撮像装置。
  6. 画素毎または前記画素ブロック毎にレンズを設けて、前記入射光を前記レンズと前記ワイヤーグリッドを介して前記入射面に入射させる
    請求項2に記載の固体撮像装置。
  7. 前記入射光の入射角に応じて、前記画素または前記画素ブロックに対する前記レンズの位置を前記入射光の方向へ移動する
    請求項6に記載の固体撮像装置。
  8. 前記入射光の入射角に応じて前記配列周期を調整して、前記所望の波長の光を透過させる
    請求項1に記載の固体撮像装置。
  9. 非球面レンズを介して入射光が入射される場合、前記非球面レンズを介した入射光の入射角に応じて前記配列周期を調整する
    請求項8に記載の固体撮像装置。
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