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JP2019157999A - 作業車両 - Google Patents

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JP2019157999A JP2018045345A JP2018045345A JP2019157999A JP 2019157999 A JP2019157999 A JP 2019157999A JP 2018045345 A JP2018045345 A JP 2018045345A JP 2018045345 A JP2018045345 A JP 2018045345A JP 2019157999 A JP2019157999 A JP 2019157999A
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Abstract

【課題】伝動切換装置が遮断状態に維持された作業車両の走行停止状態において、伝動切換装置での連れ回り現象に起因して作業車両が不測に走行する虞を回避する。【解決手段】作業車両は、原動機5と、原動機5からの回転動力で駆動される走行装置9,10と、原動機5から走行装置9,10への伝動状態を切り換える伝動切換装置21とを備え、伝動切換装置21が、走行装置9,10に伝動する伝動状態からその伝動を遮断する遮断状態に切り換えられた場合に、伝動切換装置21よりも伝動方向下手側の伝動系17Aを制動する伝動遮断時用のドラッグブレーキ91を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、原動機と、前記原動機からの回転動力で駆動される走行装置と、前記原動機から前記走行装置への伝動状態を切り換える伝動切換装置とを備えた作業車両に関する。
作業車両の一例であるトラクタにおいては、原動機(エンジン)から走行装置(左右の前輪及び左右の後輪)への伝動状態を切り換える伝動切換装置として、油圧ユニットの一例であるメインクラッチ、前後進切換装置、主変速装置、及び、副変速装置、などを備えたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2016−217414号公報
上記のようなトラクタにおいて、メインクラッチには、操作用のオイルとともに冷却用のオイルが供給されている。又、前後進切換装置、主変速装置、及び、副変速装置、などには潤滑用のオイルが供給されている。そのため、メインクラッチが、原動機から走行装置への伝動を遮断する遮断状態に切り換えられた場合、又は、前後進切換装置、主変速装置、及び、副変速装置、などが原動機から走行装置への伝動を遮断する中立状態(遮断状態)に切り換えられた場合には、駆動側のクラッチディスクなどの駆動側回転体と従動側のクラッチディスクなどの従動側回転体との間に潤滑用や冷却用のオイルが介在している。このようにオイルが介在していると、従動側回転体が、オイルを介して伝わる駆動側回転体からの回転動力で回転する連れ回り現象が生じる虞があり、この連れ回り現象は、気温の低下などに起因してオイルの粘度が高くなるほど生じ易くなる。そして、このような連れ回り現象が、例えば、メインクラッチが遮断状態に維持された走行停止状態において生じると、このときの連れ回りトルクが、メインクラッチよりも伝動方向下手側の伝動系での変速比で増幅されて、トラクタが不測に走行する不都合を招く虞がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、伝動切換装置が遮断状態に維持された作業車両の走行停止状態において、伝動切換装置での連れ回り現象に起因して作業車両が不測に走行する虞を回避する点にある。
本発明の第1特徴構成は、作業車両において、
原動機と、前記原動機からの回転動力で駆動される走行装置と、前記原動機から前記走行装置への伝動状態を切り換える伝動切換装置とを備え、
前記伝動切換装置が、前記走行装置に伝動する伝動状態からその伝動を遮断する遮断状態に切り換えられた場合に、前記伝動切換装置により伝動が遮断された伝動方向下手側の伝動系を制動する伝動遮断時用のドラッグブレーキを備えている点にある。
本構成によれば、気温の低下などでオイルの粘度が高くなることに起因して、伝動切換装置において連れ回り現象が生じ易くなったとしても、伝動切換装置が遮断状態に切り換えられた場合には、前述した伝動系がドラッグブレーキによって制動されていることから、伝動切換装置での連れ回り現象の発生を防止することができる。
これにより、伝動切換装置が遮断状態に維持された作業車両の走行停止状態において、伝動切換装置での連れ回り現象に起因して作業車両が不測に走行する虞を回避することができる。
本発明の第2特徴構成は、
前記伝動切換装置及び前記ドラッグブレーキは、それらの作動状態が油圧制御で切り換わる油圧式であり、
前記ドラッグブレーキは、前記伝動切換装置が前記遮断状態から前記伝動状態に切り換わるときの油圧で、前記伝動系を制動する制動状態からその制動を解除する制動解除状態に切り換わるように、前記伝動切換装置と油路を介して連係されている点にある。
本構成によれば、伝動切換装置が遮断状態から伝動状態に切り換えられて、原動機からの回転動力で走行装置が駆動される走行状態においては、伝動切換装置の遮断状態から伝動状態への切り換えに連動してドラッグブレーキが制動状態から制動解除状態に切り換わっていることから、ドラッグブレーキの制動による回転動力の損失、及び、伝動切換装置とドラッグブレーキとが対立することによる伝動切換装置やドラッグブレーキの摩耗を回避することができる。
その結果、回転動力の損失による伝動効率の低下、及び、伝動切換装置やドラッグブレーキの耐久性の低下を抑制することができる。
本発明の第3特徴構成は、
前記伝動切換装置は、その内部に備えられた第1付勢手段の作用で前記伝動状態から前記遮断状態に切り換わり、
前記ドラッグブレーキは、その内部に備えられた第2付勢手段の作用で前記制動解除状態から前記制動状態に切り換わる点にある。
本構成によれば、万が一、伝動切換装置に対する油圧回路でのオイル漏れなどによって伝動切換装置にオイルが供給されなくなった場合には、伝動切換装置が第1付勢手段の作用で遮断状態に切り換わるとともに、ドラッグブレーキが第2付勢手段の作用で制動状態に切り換わる。
その結果、伝動切換装置に対するオイルの供給不良が生じた場合においても、伝動切換装置での連れ回り現象に起因した作業車両の走行を阻止することができる。
本発明の第4特徴構成は、
前記ドラッグブレーキは、ミッションケースの後端部に内蔵され、
前記ミッションケースの後端には、前記ミッションケースに対する後方からの前記ドラッグブレーキの着脱を許容する開口が形成されるとともに、前記開口を塞ぐリアカバーが着脱可能に備えられている点にある。
本構成によれば、ドラッグブレーキに対するフリクションプレートの交換などのメンテナンスを行う場合には、ミッションケースの後端からリアカバーを取り外すことにより、ミッションケース内のドラッグブレーキをミッションケース後端の開口から取り出すことができる。
その結果、ドラッグブレーキに対するメンテナンスを容易に行うことができる。
本発明の第5特徴構成は、
前記伝動系には、前記伝動切換装置を経由した回転動力を前進用と後進用とに切り換える前後進切換装置が含まれており、
前記ドラッグブレーキは、前記前後進切換装置の逆転伝動機構に備えられた中継軸を制動する点にある。
逆転伝動機構は、伝動切換装置からの回転動力を逆転伝動するために、中継軸が前後進切換装置の入力軸及び出力軸と平行に配置され、かつ、入力軸及び出力軸と中継軸とが、ギアを介して連動するように構成されている。つまり、逆転伝動機構は、中継軸の両端部に他の伝動軸が連結されない構成となっており、これにより、ミッションケースの内部においては、中継軸の両端部付近に空間が残るようになっている。
そこで、本発明では、この空間を利用して中継軸を制動するドラッグブレーキを備えるようにしている。
その結果、伝動切換装置の遮断状態において前述した伝動系を制動するドラッグブレーキを、走行伝動系のレイアウトを変更することなく、ミッションケースの内部に容易に装備することができる。
ロータリ耕耘仕様に構成されたトラクタの左側面図 トラクタの伝動構成を示す伝動系統図 メインクラッチと前後進切換装置とドラッグブレーキの構成を示すトランスミッションにおける要部の横断底面図 メインクラッチの遮断状態とドラッグブレーキの制動状態とを示すトランスミッションにおける要部の縦断左側面図 メインクラッチの遮断状態とドラッグブレーキの制動解除状態とを示すトランスミッションにおける要部の縦断左側面図 メインクラッチの伝動状態とドラッグブレーキの制動解除状態とを示すトランスミッションにおける要部の縦断左側面図 メインクラッチとドラッグブレーキとの油圧による連係を示す油圧回路図 耕深設定レバーから耕深制御機構にわたる第2操作用連係機構の構成を示す要部の斜視図
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明を作業車の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、本発明は、トラクタ以外の、例えば乗用草刈機、乗用田植機、コンバイン、運搬車、ホイールローダ、歩行型トラクタ、歩行型草刈機、歩行型田植機、などの作業車両に適用することができる。
図1に示すように、本実施形態に例示されたトラクタ1は、その後部に、作業装置の一例であるロータリ耕耘装置2が3点リンク機構3を介して昇降可能かつローリング可能に連結されている。これにより、このトラクタ1はロータリ耕耘仕様に構成されている。
尚、トラクタ1は、その後部に、ロータリ耕耘装置2に代えて、プラウ、播種装置、施肥装置、薬剤散布装置、草刈装置、などの作業装置が連結されていてもよい。又、トラクタ1の前部にフロントローダなどの作業装置が連結されていてもよい。
図1〜3に示すように、トラクタ1は、その前部に配置された前部フレーム4、前部フレーム4に防振支持されたエンジン(原動機の一例)5、前部フレーム4の後端部に連結されたトランスミッション6、前部フレーム4に支持されたフロントアクスル7、トランスミッション6の後部に連接されたリアアクスル8、フロントアクスル7に操舵可能で駆動可能に支持された左右の前輪(走行装置の一例)9、リアアクスル8に駆動可能に支持された左右の後輪(走行装置の一例)10、及び、前部フレーム4とリアアクスル8とに防振支持されたキャビン11、などを備えている。
このトラクタ1においては、図2に示すように、エンジン5からの回転動力が第1伝動軸12などを介してトランスミッション6に伝えられる。トランスミッション6からは、前輪駆動用の回転動力と後輪駆動用の回転動力と作業用の回転動力とが取り出される。前輪駆動用の回転動力は、第2伝動軸13及びフロントアクスル7などを介して左右の前輪9に伝えられる。後輪駆動用の回転動力は、リアアクスル8を介して左右の後輪10に伝えられる。作業用の回転動力は、図1に示すように、第3伝動軸14などを介してロータリ耕耘装置2に伝えられる。
図示は省略するが、キャビン11の内部には、運転者用の座席、前輪操舵用のステアリングホイール、クラッチペダル、左右のブレーキペダル、主変速レバー、副変速レバー、前後進切り換え用のリバーサレバー、駆動切換スイッチ、PTOスイッチ、及び、PTOレバー、などが備えられている。
図1〜3に示すように、トランスミッション6は、後部フレームとオイルタンクとを兼ねるミッションケース15、エンジン5からの回転動力が入力される入力軸16、入力軸16からの回転動力を第2伝動軸13とリアアクスル8とに伝える走行伝動系17、及び、入力軸16からの回転動力を第3伝動軸14に伝える作業伝動系18、などを備えている。
走行伝動系17には、入力軸16と一体回転する第1中継軸19、入力軸16と第1中継軸19とに相対回転可能に嵌合された筒状の第2中継軸20、第1中継軸19から第2中継軸20への伝動を断続するメインクラッチ(伝動切換装置の一例)21、第2中継軸20に伝えられた回転動力を前進用と後進用とに切り換える前後進切換装置22、前後進切換装置22による切り換え後の回転動力を4段に変速する主変速装置23、主変速装置23による変速後の回転動力を4段に変速する副変速装置24、副変速装置24による変速後の回転動力を前輪駆動用に増速するギアセット25、及び、左右の前輪9の駆動状態を切り換える駆動切換装置26、などが含まれている。
作業伝動系18には、入力軸16からの回転動力を減速する第1ギアセット27、第1ギアセット27を経由した回転動力を断続するPTOクラッチ28、PTOクラッチ28を経由した回転動力を正転3段と逆転1段とに切り換えるPTO変速装置29、PTO変速装置29による切り換え後の回転動力を減速する第2ギアセット30、第2ギアセット30を経由した回転動力を第3伝動軸14に伝えるPTO軸31、及び、第1ギアセット27を経由した回転動力を二連式の油圧ポンプ32に伝える伝動ギア33と中継軸34、などが含まれている。
図3〜7に示すように、メインクラッチ21には、湿式で多板型の油圧クラッチが採用されている。メインクラッチ21は、第1中継軸19と一体回転する第1ケース35、第2中継軸20と一体回転する第2ケース36、軸心方向への移動が許容された状態で第1ケース35と一体回転する複数の第1クラッチディスク37、軸心方向への移動が許容された状態で第2ケース36と一体回転する複数の第2クラッチディスク38、各クラッチディスク37,38を面接触させる伝動位置とその面接触を解除する遮断位置とにわたって軸心方向に移動するプレッシャプレート39、及び、プレッシャプレート39を遮断位置に復帰付勢するリターンスプリング(第1付勢手段の一例)40、などを有している。プレッシャプレート39は、第1ケース35とプレッシャプレート39との間に形成された油室41にオイルが供給されることにより、リターンスプリング40の作用に抗して伝動位置に移動する。油室41には、給排油路42を介してメインクラッチ操作用の第1バルブユニット43が接続されている。
図4〜6に示すように、給排油路42は、ミッションケース15に形成された第1内部油路15A、及び、第1中継軸19に形成された周溝19Aと内部油路19B、などから形成されている。図7に示すように、第1バルブユニット43は、メインクラッチ21に対する油圧制御でメインクラッチ21の作動状態を切り換える。第1バルブユニット43には、クラッチペダルの操作とパイロット圧に基づいてメインクラッチ21に対するオイルの流れを制御するクラッチバルブ44、高圧用のリリーフバルブ45、及び、低圧用のリリーフバルブ46、などが含まれている。クラッチペダルは、踏み込み解除位置にバネ付勢されている。
第1バルブユニット43は、クラッチペダルの踏み込み操作が行われていない間は、クラッチバルブ44が、油圧ポンプ32からのオイルをメインクラッチ21の油室41に供給する供給状態に維持される。これにより、メインクラッチ21の油室41が昇圧状態に維持され、プレッシャプレート39がリターンスプリング40の作用に抗して伝動位置に維持される。その結果、メインクラッチ21は伝動状態に維持される(図5〜6参照)。
第1バルブユニット43は、クラッチペダルの踏み込み操作が行われると、その踏み込み操作に連動して、クラッチバルブ44が、供給状態から、油圧ポンプ32からメインクラッチ21の油室41へのオイルの供給を阻止するとともにメインクラッチ21からのオイルの排出を許容する排出状態に切り換えられる。これにより、メインクラッチ21の油室41が減圧され、プレッシャプレート39がリターンスプリング40の作用によって伝動位置から遮断位置に移動する。その結果、メインクラッチ21は伝動状態から遮断状態に切り換えられる(図3〜4参照)。
第1バルブユニット43は、クラッチペダルの踏み込み操作が継続されている間はクラッチバルブ44が排出状態に維持される。これにより、メインクラッチ21の油室41が減圧状態に維持され、プレッシャプレート39がリターンスプリング40の作用によって遮断位置に維持される。その結果、メインクラッチ21は遮断状態に維持される(図3〜4参照)。
第1バルブユニット43は、クラッチペダルの踏み込み操作が解除されると、クラッチペダルが踏み込み解除位置に復帰するのに連動して、クラッチバルブ44が排出状態から供給状態に切り換えられる。これにより、メインクラッチ21の油室41が昇圧し、プレッシャプレート39がリターンスプリング40の作用に抗して遮断位置から伝動位置に移動する。その結果、メインクラッチ21は遮断状態から伝動状態に切り換えられる(図5〜6参照)。そして、クラッチペダルの踏み込み操作が行われていない間は、前述したように伝動状態に維持される。
図2〜3に示すように、前後進切換装置22は、リバーサレバーの操作に基づいて、主変速装置23への伝動を遮断する中立状態(遮断状態)と、主変速装置23に前進動力を伝える前進伝動状態と、主変速装置23に後進動力を伝える後進伝動状態とに切り換わる。リバーサレバーは、手動操作によって中立位置と前進位置と後進位置とに切り換えられる。
前後進切換装置22は、第2中継軸20の回転動力を後進用に逆転させる逆転伝動機構47、第2中継軸20の軸上に配置されたシンクロメッシュ式の切換機構48、及び、切換機構48による切り換え後の回転動力を出力する出力ギア49、などを有している。逆転伝動機構47は、第2中継軸20に相対回転可能に支持された第1ギア50、第1ギア50と噛み合い連動する第2ギア51、第2ギア51と中継軸52を介して一体回転する第3ギア53、及び、出力ギア49と第3ギア53とに噛み合い連動する逆転ギア54、などを有している。切換機構48は、第2中継軸20と一体回転するクラッチハブ55、軸心方向への移動が許容された状態でクラッチハブ55と一体回転するクラッチスリーブ56、出力ギア49と一体回転するクラッチシャフト57、クラッチシャフト57のコーン部に作用する第1シンクロナイザリング58、第1ギア50のコーン部に作用する第2シンクロナイザリング59、及び、各シンクロナイザリング58,59を軸心方向に移動させるシンクロナイザキー60、などを有している。そして、クラッチスリーブ56がリバーサレバーにシフトフォーク(図示せず)などを介して操作連係されている。
図3に示すように、切換機構48は、リバーサレバーが中立位置から前進位置に操作されると、この操作に連動して、クラッチスリーブ56とシンクロナイザキー60とが中立位置からクラッチシャフト57に向けて移動する。この移動により、先ず、シンクロナイザキー60が第1シンクロナイザリング58に接触して第1シンクロナイザリング58をクラッチシャフト57のコーン部に押し当てる。このとき、第1シンクロナイザリング58とコーン部との間で摩擦力が発生し、この摩擦力により、クラッチシャフト57の回転速度が上昇してクラッチスリーブ56の回転速度に近づく。その後、クラッチスリーブ56のみが更にクラッチシャフト57に向けて移動し、クラッチスリーブ56のスプライン部が、第1シンクロナイザリング58のスプライン部を通ってクラッチシャフト57のスプライン部と噛み合う。これにより、第2中継軸20の回転動力が、クラッチハブ55とクラッチスリーブ56とクラッチシャフト57とを介して出力ギア49に伝わる。その結果、切換機構48は、出力ギア49を第2中継軸20と同じ方向に回転させる正転伝動状態になり、前後進切換装置22は、中立状態から前進伝動状態に切り換わる。
切換機構48は、リバーサレバーが前進位置から中立位置に操作されると、この操作に連動して、先ず、クラッチスリーブ56が中立位置に向けて移動する。この移動により、クラッチスリーブ56のスプライン部が、クラッチシャフト57のスプライン部との噛み合いを解除し、第1シンクロナイザリング58のスプライン部から抜け出す。その後、クラッチスリーブ56とともにシンクロナイザキー60が中立位置に向けて移動し、この移動により、シンクロナイザキー60が第1シンクロナイザリング58から離れるとともに、第1シンクロナイザリング58がクラッチシャフト57のコーン部から離れる。これにより、第1シンクロナイザリング58とコーン部との間での摩擦力が消滅して、第2中継軸20から出力ギア49への伝動が遮断される。その結果、切換機構48は、第2中継軸20から出力ギア49への伝動を遮断する遮断状態になり、前後進切換装置22は、前進伝動状態から中立状態に切り換わる。
切換機構48は、リバーサレバーが中立位置から後進位置に操作されると、この操作に連動して、クラッチスリーブ56とシンクロナイザキー60とが中立位置から第1ギア50に向けて移動する。この移動により、先ず、シンクロナイザキー60が第2シンクロナイザリング59に接触して第2シンクロナイザリング59を第1ギア50のコーン部に押し当てる。このとき、第2シンクロナイザリング59とコーン部との間で摩擦力が発生し、この摩擦力により、第1ギア50の回転速度が上昇してクラッチスリーブ56の回転速度に近づく。その後、クラッチスリーブ56のみが更に第1ギア50に向けて移動し、クラッチスリーブ56のスプライン部が、第2シンクロナイザリング59のスプライン部を通って第1ギア50のスプライン部と噛み合う。これにより、第2中継軸20の回転動力が、クラッチハブ55とクラッチスリーブ56と逆転伝動機構47とを介して出力ギア49に伝わる。その結果、切換機構48は、出力ギア49を第2中継軸20と逆方向に回転させる逆転伝動状態になり、前後進切換装置22は、中立位置から後進伝動状態に切り換わる。
切換機構48は、リバーサレバーが後進位置から中立位置に操作されると、この操作に連動して、先ず、クラッチスリーブ56が中立位置に向けて移動する。この移動により、クラッチスリーブ56のスプライン部が、第1ギア50のスプライン部との噛み合いを解除し、第2シンクロナイザリング59のスプライン部から抜け出す。その後、クラッチスリーブ56とともにシンクロナイザキー60が中立位置に向けて移動し、この移動により、シンクロナイザキー60が第2シンクロナイザリング59から離れるとともに、第2シンクロナイザリング59が第1ギア50のコーン部から離れる。これにより、第2シンクロナイザリング59とコーン部との間での摩擦力が消滅して、第2中継軸20から第1ギア50への伝動が遮断される。その結果、切換機構48は、第2中継軸20から第1ギア50への伝動を遮断する遮断状態になり、前後進切換装置22は、後進伝動状態から中立状態に切り換わる。
つまり、前後進切換装置22は、リバーサレバーが中立位置に操作されると、切換機構48が、第2中継軸20から出力ギア49への伝動を遮断する遮断状態になることで中立状態に切り換わる。
前後進切換装置22は、リバーサレバーが前進位置に操作されると、切換機構48が、第2中継軸20の回転動力をそのまま出力ギア49に伝える正転伝動状態になることで前進伝動状態に切り換わる。
前後進切換装置22は、リバーサレバーが後進位置に操作されると、切換機構48が、第2中継軸20の回転動力を、逆転伝動機構47を経由させて出力ギア49に伝える逆転伝動状態になることで後進伝動状態に切り換わる。
図2に示すように、主変速装置23は、主変速レバーの操作に基づいて、1速用の回転動力を副変速装置24に伝える1速伝動状態と、2速用の回転動力を副変速装置24に伝える2速伝動状態と、3速用の回転動力を副変速装置24に伝える3速伝動状態と、4速用の回転動力を副変速装置24に伝える4速伝動状態とに切り換わる。主変速レバーは、手動操作によって1速位置と2速位置と3速位置と4速位置とに切り換えられる。
主変速装置23は、前後進切換装置22の出力ギア49と一体回転する第1変速軸61、第1変速軸61と平行に配置された第2変速軸62、第1変速軸61の回転動力を1速用に減速する第1ギアセット63、第1変速軸61の回転動力を2速用に減速する第2ギアセット64、第1変速軸61の回転動力を3速用に減速する第3ギアセット65、第1変速軸61の回転動力を4速用に減速する第4ギアセット66、及び、第2変速軸62の軸上に配置されたシンクロメッシュ式の第1切換機構67と第2切換機構68、などを有している。第1変速軸61は、入力軸16に相対回転可能に嵌合された筒軸である。第1切換機構67及び第2切換機構68は、前述した切換機構48と同様に構成されている。そのため、第1切換機構67及び第2切換機構68の構成に関する説明は省略する。
第1切換機構67及び第2切換機構68は、それらの主変速レバーの操作に基づく動作が前述したリバーサレバーの操作に基づく切換機構48の動作と同様であることから、それらの詳細な動作に関する説明は省略し、以下に、それらの大まかな動作について説明する。
第1切換機構67及び第2切換機構68は、主変速レバーが1速位置に操作されると、第1切換機構67が、第1ギアセット63からの1速用の回転動力を第2変速軸62に伝える1速状態になり、第2切換機構68が伝動を遮断する遮断状態になる。これにより、主変速装置23は1速伝動状態に切り換わる。
第1切換機構67及び第2切換機構68は、主変速レバーが2速位置に操作されると、第1切換機構67が伝動を遮断する遮断状態になり、第2切換機構68が、第2ギアセット64からの2速用の回転動力を第2変速軸62に伝える2速状態になる。これにより、主変速装置23は2速伝動状態に切り換わる。
第1切換機構67及び第2切換機構68は、主変速レバーが3速位置に操作されると、第1切換機構67が遮断状態になり、第2切換機構68が、第3ギアセット65からの3速用の回転動力を第2変速軸62に伝える3速状態になる。これにより、主変速装置23は3速伝動状態に切り換わる。
第1切換機構67及び第2切換機構68は、主変速レバーが4速位置に操作されると、第1切換機構67が、第4ギアセット66からの4速用の回転動力を第2変速軸62に伝える4速状態になり、第2切換機構68が遮断状態になる。これにより、主変速装置23は4速伝動状態に切り換わる。
図2に示すように、副変速装置24は、副変速レバーの操作に基づいて、主変速装置23からの回転動力を遮断する中立状態(遮断状態)と、主変速装置23からの回転動力を超低速に変速するクリープ状態と、主変速装置23からの回転動力を低速に変速する1速伝動状態と、主変速装置23からの回転動力を中速に変速する2速伝動状態と、主変速装置23からの回転動力を高速に変速する3速伝動状態とに切り換わる。副変速レバーは、手動操作によって中立位置とクリープ位置と1速位置と2速位置と3速位置とに切り換えられる。
副変速装置24は、主変速装置23の第2変速軸62と平行に配置された第1変速軸69と第2変速軸70、主変速装置23の第2変速軸62の回転動力を3速用に増速する第1ギアセット71、主変速装置23の第2変速軸62の回転動力を2速用に減速する第2ギアセット72、第2ギアセット72による減速後の回転動力を更に減速して第2変速軸70に伝える第3ギアセット73、第2変速軸70の回転動力を1速用に減速する第4ギアセット74、第2変速軸70の回転動力をクリープ用に減速する第5ギアセット75、及び、第1変速軸69の軸上に配置されたシンクロメッシュ式の第1切換機構76と第2切換機構77、などを有している。第1切換機構76及び第2切換機構77は、前述した切換機構48と同様に構成されている。そのため、第1切換機構76及び第2切換機構77の構成に関する説明は省略する。
第1切換機構76及び第2切換機構77は、それらの副変速レバーの操作に基づく動作が前述したリバーサレバーの操作に基づく切換機構48の動作と同様であることから、それらの詳細な動作に関する説明は省略し、以下に、それらの大まかな動作について説明する。
第1切換機構76及び第2切換機構77は、副変速レバーが中立位置に操作されると、第1切換機構76と第2切換機構77との双方が伝動を遮断する遮断状態になる。これにより、副変速装置24は中立状態に切り換わる。
第1切換機構76及び第2切換機構77は、副変速レバーがクリープ位置に操作されると、第1切換機構76が、第5ギアセット75からのクリープ用の回転動力を第1変速軸69に伝える超低速伝動状態になり、第2切換機構77が遮断状態になる。これにより、副変速装置24はクリープ状態に切り換わる。
第1切換機構76及び第2切換機構77は、副変速レバーが1速位置に操作されると、第1切換機構76が、第4ギアセット74からの1速用の回転動力を第1変速軸69に伝える1速状態になり、第2切換機構77が遮断状態になる。これにより、副変速装置24は1速伝動状態に切り換わる。
第1切換機構76及び第2切換機構77は、副変速レバーが2速位置に操作されると、第1切換機構76が遮断状態になり、第2切換機構77が、第2ギアセット72からの2速用の回転動力を第1変速軸69に伝える2速状態になる。これにより、副変速装置24は2速伝動状態に切り換わる。
第1切換機構76及び第2切換機構77は、副変速レバーが3速位置に操作されると、第1切換機構76が遮断状態になり、第2切換機構77が、第1ギアセット71からの3速用の回転動力を第1変速軸69に伝える3速状態になる。これにより、副変速装置24は3速伝動状態に切り換わる。
図2に示すように、駆動切換装置26は、駆動切換スイッチの操作に基づいて実行する制御モードが切り換えられる駆動制御部(図示せず)の制御作動により、左右の前輪9への伝動を遮断する2輪駆動状態と、左右の前輪9を左右の後輪10と同じ周速で駆動する4輪駆動状態と、左右の前輪9を左右の後輪10の約2倍の周速で駆動する前輪倍速状態とに切り換わる。駆動制御部は、トラクタ1に搭載された電子制御ユニット(図示せず)に含まれている。
駆動切換装置26は、前輪駆動用のギアセット25を経由した回転動力を等速駆動用に減速する第1ギアセット78、前輪駆動用のギアセット25を経由した回転動力を増速駆動用に増速する第2ギアセット79、第1ギアセット78から第2伝動軸13への伝動を断続する等速クラッチ80、及び、第2ギアセット79から第2伝動軸13への伝動を断続する前輪増速クラッチ81、などを有している。等速クラッチ80と前輪増速クラッチ81には、湿式で多板型の油圧クラッチが採用されている。等速クラッチ80及び前輪増速クラッチ81は、それらの作動状態が駆動切り換え用の第2バルブユニット(図示せず)の作動によって切り換えられる。第2バルブユニットには電磁バルブ(図示せず)などが含まれている。
駆動制御部は、駆動切換スイッチの操作で制御モードが2輪駆動モードに切り換えられると、第2バルブユニットの作動を制御して、等速クラッチ80と前輪増速クラッチ81とを遮断状態に維持する。これにより、駆動切換装置26は2輪駆動状態に維持される。
駆動制御部は、駆動切換スイッチの操作で制御モードが4輪駆動モードに切り換えられると、第2バルブユニットの作動を制御して、等速クラッチ80を伝動状態に維持し、前輪増速クラッチ81を遮断状態に維持する。これにより、駆動切換装置26は4輪駆動状態に維持される。
駆動制御部は、駆動切換スイッチの操作で制御モードが前輪倍速モードに切り換えられると、例えば、前輪9の操舵角を検出する舵角センサ(図示せず)などの出力に基づいて、所定の小旋回操作が行われているか否かを判別する。そして、所定の小旋回操作が行われていない間は、駆動制御部は、第2バルブユニットの作動を制御して、等速クラッチ80を伝動状態に維持し、前輪増速クラッチ81を遮断状態に維持する。これにより、駆動切換装置26は4輪駆動状態に維持される。所定の小旋回操作が行われると、駆動制御部は、第2バルブユニットの作動を制御して、等速クラッチ80を伝動状態から遮断状態に切り換え、前輪増速クラッチ81を遮断状態から伝動状態に切り換える。これにより、駆動切換装置26は、4輪駆動状態から前輪倍速状態に切り換わる。その後、所定の小旋回操作が解除されると、駆動制御部は、第2バルブユニットの作動を制御して、等速クラッチ80を遮断状態から伝動状態に切り換え、前輪増速クラッチ81を伝動状態から遮断状態に切り換える。これにより、駆動切換装置26は、前輪倍速状態から4輪駆動状態に切り換わる。
図示は省略するが、PTOクラッチ28には、湿式で多板型の油圧クラッチが採用されている。PTOクラッチ28は、その作動状態がPTOクラッチ操作用の第3バルブユニット(図示せず)の作動によって切り換えられる。第3バルブユニットには電磁バルブなどが含まれている。第3バルブユニットは、その作動がPTO制御部により制御される。PTO制御部は、前述した電子制御ユニットに含まれている。
PTO制御部は、PTOスイッチのオン操作が行われると、第3バルブユニットの作動を制御して、PTOクラッチ28を、PTO変速装置29への伝動を遮断する遮断状態から、PTO変速装置29に伝動する伝動状態に切り換える。又、PTO制御部は、PTOスイッチのオフ操作が行われると、第3バルブユニットの作動を制御してPTOクラッチ28を伝動状態から遮断状態に切り換える。
図2に示すように、PTO変速装置29は、PTOレバーの操作に基づいて、PTOクラッチ28を経由した回転動力を遮断する中立状態と、PTOクラッチ28を経由した回転動力を1速用に減速する1速伝動状態と、PTOクラッチ28を経由した回転動力を2速用に減速する2速伝動状態と、PTOクラッチ28を経由した回転動力を3速用に減速する3速伝動状態と、PTOクラッチ28を経由した回転動力を逆転用に変換する逆転伝動状態とに切り換わる。PTOレバーは、手動操作によって中立位置と1速位置と2速位置と3速位置と逆転位置とに切り換えられる。
PTO変速装置29は、PTOクラッチ28を経由した回転動力が伝えられる第1変速軸82、第1変速軸82と平行に配置された第2変速軸83、第1変速軸82の回転動力を1速用に減速する第1ギアセット84、第1変速軸82の回転動力を2速用に減速する第2ギアセット85、第1変速軸82の回転動力を3速用に減速する第3ギアセット86、第1変速軸82の回転動力を逆転用に変換する逆転ギアセット87、及び、第2変速軸83の軸上に配置されたシンクロメッシュ式の第1切換機構88と第2切換機構89と第3切換機構90、などを有している。第1切換機構88〜第3切換機構90は、前述した切換機構48と同様に構成されている。そのため、第1切換機構88〜第3切換機構90の構成に関する説明は省略する。
第1切換機構88〜第3切換機構90は、それらのPTOレバーの操作に基づく動作が前述したリバーサレバーの操作に基づく切換機構48の動作と同様であることから、それらの詳細な動作に関する説明は省略し、以下に、それらの大まかな動作について説明する。
第1切換機構88〜第3切換機構90は、PTOレバーが中立位置に操作されると、第1切換機構88〜第3切換機構90の全てが伝動を遮断する遮断状態になる。これにより、PTO変速装置29は中立状態に切り換わる。
第1切換機構88〜第3切換機構90は、PTOレバーが1速位置に操作されると、第1切換機構88が、第1ギアセット84を経由した1速用の回転動力を第2変速軸83に伝える1速状態になり、第2切換機構89と第3切換機構90とが遮断状態になる。これにより、PTO変速装置29は1速伝動状態に切り換わる。
第1切換機構88〜第3切換機構90は、PTOレバーが2速位置に操作されると、第1切換機構88が、第2ギアセット85を経由した2速用の回転動力を第2変速軸83に伝える2速状態になり、第2切換機構89と第3切換機構90とが遮断状態になる。これにより、PTO変速装置29は2速伝動状態に切り換わる。
第1切換機構88〜第3切換機構90は、PTOレバーが3速位置に操作されると、第2切換機構89が、第3ギアセット86を経由した3速用の回転動力を第2変速軸83に伝える3速状態になり、第1切換機構88と第3切換機構90とが遮断状態になる。これにより、PTO変速装置29は3速伝動状態に切り換わる。
第1切換機構88〜第3切換機構90は、PTOレバーが逆転位置に操作されると、第3切換機構90が、逆転ギアセット87を経由した逆転用の回転動力を第2変速軸83に伝える逆転状態になり、第1切換機構88と第2切換機構89とが遮断状態になる。これにより、PTO変速装置29は逆転伝動状態に切り換わる。
各油圧ポンプ32は、作業伝動系18からの回転動力で駆動されることにより、ミッションケース15に潤滑用又は冷却用として貯留されたオイルを前述した給排油路42などを含む油圧配管内に圧送する。
図2〜7に示すように、トランスミッション6は、メインクラッチ21が伝動状態から遮断状態に切り換えられた場合に、走行伝動系17においてメインクラッチ21により伝動が遮断された伝動方向下手側の伝動系17Aを制動する伝動遮断時用のドラッグブレーキ91を備えている。
これにより、例えば、クラッチペダルの踏み込み操作により、メインクラッチ21が遮断状態に維持されて、エンジン5から左右の前輪9及び左右の後輪10への伝動が遮断された走行停止状態において、気温の低下などでオイルの粘度が高くなることに起因して、駆動側の第1クラッチディスク37の回転に伴って従動側の第2クラッチディスク38がオイルを介して連れ回りする現象が生じ易くなったとしても、メインクラッチ21の遮断状態では、ドラッグブレーキ91が前述した伝動方向下手側の伝動系17Aを制動していることにより、第2クラッチディスク38の連れ回りを防止することができる。
その結果、メインクラッチ21が遮断状態に維持されたトラクタ1の走行停止状態において、メインクラッチ21の第2クラッチディスク38が連れ回りすることに起因して、第2クラッチディスク38の連れ回りトルクが前述した伝動方向下手側の伝動系17Aでの変速比で増幅されてトラクタ1が不測に走行する虞を回避することができる。
図3〜6に示すように、ドラッグブレーキ91は、ミッションケース15の後端部に内蔵された内部ケース92に組み付けられている。内部ケース92は、ドラッグブレーキ91が後方から組み付けられる第1収容部92Aと、第1中継軸19及びメインクラッチ21が後方から収容される第2収容部92Bとを有している。内部ケース92の前壁部92Cは、ベアリング93を介して第2中継軸20を支持し、かつ、ベアリング94を介して前後進切換装置22の中継軸52を支持する軸支部に形成されている。第2中継軸20は、その後部が第2収容部92Bの内部に入り込んでいる。そして、第2中継軸20の後部が、第1中継軸19及びメインクラッチ21を支持する支持部を兼ねている。中継軸52は、その後端部が第1収容部92Aの内部に入り込んでいる。そして、中継軸52の後端部と第1収容部92Aとにわたって、ドラッグブレーキ91が備えられている。
ドラッグブレーキ91には湿式の多板ブレーキが採用されている。ドラッグブレーキ91は、中継軸52の後端部にスプライン嵌合された複数の第1フリクションプレート95、軸心方向への移動が許容された状態で第1収容部92Aに支持された複数の第2フリクションプレート96、各フリクションプレート95,96を面接触させる制動位置とその面接触を解除する制動解除位置とにわたって移動するピストン97、ピストン97を制動位置に復帰付勢するリターンスプリング(第2付勢手段の一例)98、ピストン97やリターンスプリング98を受け止めるストッパプレート99、及び、ストッパプレート99を第1収容部92Aに受け止めさせるスナップリング100、などを有している。これにより、ドラッグブレーキ91は、前述した伝動方向下手側の伝動系17Aに含まれている前後進切換装置22の中継軸52を制動するように構成されている。ピストン97は、第1収容部92Aとピストン97とオイルシール101との間に形成された油室102にオイルが供給されることにより、リターンスプリング98の作用に抗して制動解除位置に移動する。図3〜7に示すように、油室102には、ミッションケース15に形成された第2内部油路15Bを介して給排油路42が接続されている。ドラッグブレーキ91のリターンスプリング98には、メインクラッチ21のリターンスプリング40に使用する圧縮バネよりも復元力の弱い圧縮バネが使用されている。
上記の構成により、メインクラッチ21及びドラッグブレーキ91は、クラッチペダルの踏み込み操作が行われている間は、メインクラッチ21の油室41とドラッグブレーキ91の油室102との双方が減圧されていることから、メインクラッチ21が、リターンスプリング40の作用で遮断状態に維持され、ドラッグブレーキ91がリターンスプリング98の作用で制動状態に維持されている(図3〜4参照)。
その後、クラッチペダルの踏み込み操作が解除されると、メインクラッチ21の油室41とドラッグブレーキ91の油室102との双方が昇圧されるが、メインクラッチ21のリターンスプリング40とドラッグブレーキ91のリターンスプリング98との復元力の差から、先ず、ドラッグブレーキ91がリターンスプリング98の作用に抗して制動状態から制動解除状態に切り換わり(図5参照)、次に、メインクラッチ21がリターンスプリング40の作用に抗して遮断状態から伝動状態に切り換わる(図6参照)。
そして、クラッチペダルの踏み込み操作が行われると、メインクラッチ21の油室41とドラッグブレーキ91の油室102との双方が減圧されるが、前述したリターンスプリング40,98の復元力の差から、先ず、メインクラッチ21が、リターンスプリング40の作用で伝動状態から遮断状態に切り換わり(図5参照)、次に、ドラッグブレーキ91がリターンスプリング98の作用で制動解除状態から制動状態に切り換わる(図3〜4参照)。
つまり、ドラッグブレーキ91は、メインクラッチ21が遮断状態から伝動状態に切り換わるときの油圧で制動状態から制動解除状態に切り換わるように、メインクラッチ21と第2内部油路15B及び給排油路42を介して連係されている。
そして、メインクラッチ21が遮断状態から伝動状態に切り換えられて、エンジン5からの回転動力で少なくとも左右の後輪10が駆動される走行状態においては、そのメインクラッチ21の切り換えよりも先にドラッグブレーキ91が制動状態から制動解除状態に切り換えられていることから、ドラッグブレーキ91の制動による回転動力の損失、及び、メインクラッチ21とドラッグブレーキ91とが対立することによるクラッチディスク37,38やフリクションプレート95,96の摩耗を回避することができる。その結果、回転動力の損失による伝動効率の低下、並びに、メインクラッチ21及びドラッグブレーキ91の耐久性の低下を抑制することができる。
又、ドラッグブレーキ91が制動する逆転伝動機構47の中継軸52は、メインクラッチ21からの回転動力を逆転伝動するために、前後進切換装置22の入力軸又は出力軸を兼ねる第2中継軸20及び第1変速軸61と平行に配置され、かつ、第2中継軸20及び第1変速軸61と各ギア49〜51,53〜54を介して連動するように構成されている。つまり、中継軸52は、その両端部に他の伝動軸が連結されない構成となっており、これにより、ミッションケース15の内部においては、中継軸52の両端部付近に空間が残るようになっている。そこで、このトランスミッション6においては、その空間を利用して、中継軸52を制動するドラッグブレーキ91を備えるようにしている。
その結果、メインクラッチ21の遮断状態において前述した伝動方向下手側の伝動系17Aを制動するドラッグブレーキ91を、走行伝動系17のレイアウトを変更することなく、ミッションケース15の内部に容易に装備することができる。
しかも、ドラッグブレーキ91が制動する中継軸52は、前述した伝動方向下手側の伝動系17Aにおいて伝動方向上手側に配置された連れ回りトルクの小さい軸であることから、ドラッグブレーキ91として、各フリクションプレート95,96などの径が短い小型の多板ブレーキを採用することができる。
これにより、ドラッグブレーキ91を更に容易にミッションケース15の内部に装備することができる。
その上、ドラッグブレーキ91が制動する中継軸52は、前後進切換装置22において切換機構48よりも伝動方向下手側に配置されていることから、メインクラッチ21を遮断状態に切り換えて行う前後進切換装置22の前後進切り換え操作時には、ドラッグブレーキ91が、切換機構48よりも伝動方向下手側に位置することで接地抵抗がかかる下手側伝動系を制動することになる。これにより、切換機構48よりも伝動方向上手側の第2中継軸20は略無負荷状態になることから、切換機構48による第2中継軸20と下手側伝動系に含まれる第1変速軸61との同期が行われ易くなる。これに対し、ドラッグブレーキ91が第2中継軸20を制動するように構成された場合は、前後進切換装置22の前後進切り換え操作時には、切換機構48よりも伝動方向上手側の第2中継軸20が制動され、かつ、切換機構48よりも伝動方向下手側の伝動系には接地抵抗がかかることにより、切換機構48による伝動方向上手側の第2中継軸20と伝動方向下手側の第1変速軸61との同期が行われ難くなる。
つまり、メインクラッチ21の遮断状態ではドラッグブレーキ91が中継軸52を制動することにより、メインクラッチ21を遮断状態に切り換えて行う前後進切換装置22の前後進切り換え操作をスムーズに行うことができる。
そして、万が一、メインクラッチ21に対する油圧回路でのオイル漏れなどによってメインクラッチ21にオイルが供給されなくなった場合には、メインクラッチ21がリターンスプリング40の作用で遮断状態に切り換わるとともに、ドラッグブレーキ91がリターンスプリング98の作用で制動状態に切り換わる。
その結果、メインクラッチ21に対するオイルの供給不良が生じた場合においても、メインクラッチ21での連れ回り現象に起因したトラクタ1の走行を阻止することができる。
図2〜6に示すように、ミッションケース15の後端には、ミッションケース15に対する後方からのドラッグブレーキ91の着脱を許容する開口15Cが形成されるとともに、この開口15Cを塞ぐリアカバー103が着脱可能に備えられている。
これにより、ドラッグブレーキ91に対する各フリクションプレート95,96の交換などのメンテナンスを行う場合には、トラクタ1の後部からロータリ耕耘装置2などの作業装置を取り外した後、ミッションケース15の後端からリアカバー103を取り外すことにより、ミッションケース15に内蔵されたドラッグブレーキ91をミッションケース15の後端の開口15Cから取り出すことができる。その結果、ドラッグブレーキ91に対するメンテナンスを容易に行うことができる。
又、ミッションケース15にドラッグブレーキ91を後付けすることが可能になり、これにより、ドラッグブレーキ91を備えていない仕様からドラッグブレーキ91を備える仕様への仕様変更が容易になる。
図3〜6に示すように、リアカバー103は、複数のボルト104を介してミッションケース15に着脱可能に取り付けられている。リアカバー103の内面側には、ベアリング105を介して第1中継軸19を支持する軸支部103Aと、内部ケース92が複数のボルト106を介して着脱可能に連結される複数の雌ネジ部103Bとが形成されている。内部ケース92は、前述したように、その前壁部92Cにて第2中継軸20と前後進切換装置22の中継軸52とを支持している。第2中継軸20は、その後部側が内部ケース92の内部に入り込み、その前部側が内部ケース92から前方に突出している。そして、第2中継軸20の後部側には、第1中継軸19とメインクラッチ21とが組み付けられている。又、第2中継軸20の前部側には、前後進切換装置22の切換機構48と第1ギア50とが組み付けられている。中継軸52は、その後端部が内部ケース92の内部に入り込み、その前部側が内部ケース92から前方に突出している。そして、中継軸52の後端部には、その後端部と内部ケース92とにわたるようにドラッグブレーキ91が組み付けられている。又、中継軸52の前部側には、前後進切換装置22の第2ギア51と第3ギア53とが組み付けられている。
上記の構成により、メインクラッチ21やドラッグブレーキ91などが組み付けられた内部ケース92を、内部ケース側の第1中継軸19をリアカバー103の軸支部103Aに支持させた状態でリアカバー103にボルト連結することができる。そして、このボルト連結により、メインクラッチ21と前後進切換装置22とドラッグブレーキ91とを、前後進切換装置22の出力ギア49と逆転ギア54とを除いた状態で、メインクラッチユニット107としてユニット化することができる。
これにより、メインクラッチ21に対する各クラッチディスク37,38の交換、又は、ドラッグブレーキ91に対する各フリクションプレート95,96の交換、などのメンテナンスを行う場合は、トラクタ1の後部からロータリ耕耘装置2などの作業装置を取り外した後、ミッションケース15に対するリアカバー103のボルト連結を解除することにより、リアカバー103を含むメインクラッチユニット107の全体をミッションケース15から取り外すことができる。
その結果、メインクラッチユニット107に含まれているメインクラッチ21やドラッグブレーキ91などを、ミッションケース15の内部から車外に取り出すことができ、メインクラッチ21に対する各クラッチディスク37,38の交換、又は、ドラッグブレーキ91に対する各フリクションプレート95,96の交換、などのメンテナンスを、車外の大きく開放された作業領域にて容易に行うことができる。
又、ミッションケース15にドラッグブレーキ91を後付けする場合も同様に、車外の大きく開放された作業領域にて容易に行うことができる。
図1、図8に示すように、ミッションケース15の上部には、左右のリフトアーム108などを介して、3点リンク機構3とともにロータリ耕耘装置2を昇降駆動する油圧式のリフトシリンダ109が備えられている。ロータリ耕耘装置2は、ロータリ耕耘装置2の耕耘深さに応じて上下方向に揺動変位する後部カバー2Aを有している。リフトシリンダ109は、その動作が昇降制御用の第4バルブユニット(図示せず)によって制御される。第4バルブユニットには、機械式昇降制御ユニット110によって作動が制御されるリフトバルブなどが含まれている。機械式昇降制御ユニット110は、ロータリ耕耘装置2の高さ位置を設定するポジション設定レバー(図示せず)の操作に基づいてロータリ耕耘装置2の高さ位置を制御するポジション制御機構(図示せず)と、ロータリ耕耘装置2の耕耘深さを設定する耕深設定レバー111の操作に基づいてロータリ耕耘装置2の耕耘深さを制御する耕深制御機構112とを有している。ポジション制御機構は、ポジション設定レバーの手動操作が行われた場合に、第1操作用連係機構(図示せず)を介して伝わるポジション設定レバーの操作位置と、第1フィードバック用連係機構(図示せず)を介して伝わるリフトアーム108の上下揺動角度とに基づいて、ポジション設定レバーの操作位置とロータリ耕耘装置2の高さ位置とが対応するようにリフトバルブの作動を制御する。耕深制御機構は、ポジション設定レバーの手動操作によってロータリ耕耘装置2の高さ位置が下限位置に設定された場合に、ポジション制御機構によるリフトバルブの作動制御に優先して、第2操作用連係機構113を介して伝わる耕深設定レバー111の操作位置と、第2フィードバック用連係機構(図示せず)を介して伝わる後部カバー2Aの上下揺動角度とに基づいて、耕深設定レバー111の操作位置とロータリ耕耘装置2の耕耘深さとが対応するようにリフトバルブの作動を制御する。
これにより、電子制御ユニットや制御プログラムなどを必要としない機械式昇降制御ユニット110を採用しながら、ポジション設定レバーの手動操作で設定された高さ位置にロータリ耕耘装置2を位置させるポジション制御と、耕深設定レバー111の手動操作で設定された耕耘深さが維持されるようにロータリ耕耘装置2を昇降させる耕深維持制御とを良好に行える。
耕深設定レバー111及びポジション設定レバーは、前述した主変速レバーや副変速レバーなどとともにキャビン11の内部に備えられている。機械式昇降制御ユニット110は、キャビン11の真下に位置するミッションケース15の上部に備えられている。
ところで、機械式昇降制御ユニット110が採用される中型や小型のトラクタ1においては、耕深設定レバー111をコントロールケーブルのみを介して機械式昇降制御ユニット110の耕深制御機構に連係する場合、他のレバーなどとの位置関係に加えて、コントロールケーブルの最小曲げ半径などを考慮した耕深設定レバー用の配置空間を確保する必要がある。そのため、耕深設定レバー111を、座席に着座した作業者が操作し易い最適な位置に配置することが難しくなっている。
そこで、図8に示すように、このトラクタ1においては、耕深制御機構112に一端部が連係されたコントロールケーブル114と、コントロールケーブル114の他端部を耕深設定レバー111の連係アーム部111Aに連係するリンクユニット115とを有する第2操作用連係機構113を介して、耕深設定レバー111を耕深制御機構に連係するようにしている。リンクユニット115は、コントロールケーブル114におけるアウタワイヤ114Aの端部を受け止めるアウタ受け部材116、第1アーム部117Aと第2アーム部117Bとを有する天秤状の揺動アーム117、揺動アーム117の第1アーム部117Aを耕深設定レバー111の連係アーム部111Aに連係する連係部材118、及び、アウタ受け部材116と揺動アーム117とを支持する支持ブラケット119、を備えている。そして、揺動アーム117の第2アーム部117Bに、コントロールケーブル114におけるインナワイヤ114Bの端部が連結されている。
これにより、耕深設定レバー111の近傍において、コントロールケーブル114の最小曲げ半径を考慮した広い空間を確保する必要がなくなり、耕深設定レバー111の配置の自由度が高くなる。その結果、耕深設定レバー111を、座席に着座した作業者が操作し易い最適な位置に配置し易くなる。
耕深設定レバー111は、耕深設定レバー111を任意の操作位置に摩擦保持する摩擦式保持機構120などとともに支持ブラケット121に組み付けられている。これにより、耕深設定レバー111は、摩擦式保持機構120などとともに、耕深設定用のレバーユニット122としてユニット化されている。レバーユニット122は、その支持ブラケット121がリンクユニット115の支持ブラケット119とともにキャビン11の右側壁を兼ねる右側のリアフェンダ123に取り付けられている。
つまり、このトラクタ1においては、キャビン11の内部に備える耕深設定レバー111や揺動アーム117などの耕深設定用の操作系を、ユニット単位でキャビン11の内部に容易に組み付けることができる。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)作業車両の構成に関する代表的な別実施形態は以下の通りである。
例えば、作業車両は、自動運転システムを備えて自動走行可能に構成されていてもよい。
例えば、作業車両は、原動機として、エンジン5の代わりに電動モータを備える電動仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両は、原動機として、エンジン5と電動モータとを備えるハイブリッド仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両は、走行装置として、左右の前輪9又は左右の後輪10を備える2輪駆動型に構成されていてもよい。
例えば、作業車両は、走行装置として、左右の後輪10に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両は、走行装置として、左右の前輪9及び左右の後輪10に代えて左右のクローラを備えるフルクローラ仕様に構成されていてもよい。
(2)伝動切換装置は、原動機から走行装置への伝動を遮断する遮断状態に切り換え可能で、遮断状態においてオイルによる連れ回り現象が生じる虞がある構成であれば、メインクラッチ21に限定されるものではない。
例えば、伝動切換装置は、上記実施形態で例示した前後進切換装置22又は副変速装置24であってもよい。
例えば、上記実施形態で例示した主変速装置23が中立状態(遮断状態)に切り換え可能に構成されていれば、伝動切換装置は主変速装置23であってもよい。
特に、前述した前後進切換装置22と主変速装置23と副変速装置24とのいずれかがメインクラッチ21として代用される場合には、その代用されるものを伝動切換装置とすることが考えられる。
例えば、伝動切換装置は、メインクラッチ21と、前述した前後進切換装置22と主変速装置23と副変速装置24のうちのメインクラッチ21の次に伝動方向上手側に配置されたものとの複数であってもよい。
(3)上記(2)で例示した前後進切換装置22、主変速装置23、及び、副変速装置24は、シンクロメッシュ式以外のコンスタントメッシュ式、又は、上記実施形態で例示した駆動切換装置26と同様の油圧クラッチ式に構成されていてもよい。
(4)ドラッグブレーキ91の配置及び構成は種々の変更が可能である。
例えば、ドラッグブレーキ91は、前後進切換装置22の逆転ギア54がその支軸と一体回転するように構成されている場合には、逆転ギア54の支軸を制動するように構成されていてもよい。
例えば、ドラッグブレーキ91は、第2中継軸20を制動するように構成されていてもよい。
例えば、ドラッグブレーキ91は、主変速装置23が伝動切換装置である場合は、主変速装置23の第2変速軸62又は副変速装置24の第2変速軸70を制動するように構成されていてもよい。
例えば、ドラッグブレーキ91は、主変速装置23が伝動切換装置である場合は、副変速装置24の第1変速軸69を制動するように構成されていてもよい。
例えば、ドラッグブレーキ91は、機械式連係機構を介して伝動切換装置と連動するように構成されていてもよい。
例えば、ドラッグブレーキ91は、ミッションケース15に対して単独で着脱されるように構成されていてもよい。
例えば、ドラッグブレーキ91は、ミッションケース15がその後端以外の上端などに開口が形成されている場合は、上端の開口などからの着脱が可能となるように構成されていてもよい。
5 エンジン(原動機)
9 前輪(走行装置)
10 後輪(走行装置)
15 ミッションケース
15B 第2内部油路(油路)
15C 開口
17A 伝動方向下手側の伝動系
21 メインクラッチ(伝動切換装置)
22 前後進切換装置
40 リターンスプリング(第1付勢手段)
42 給排油路(油路)
47 逆転伝動機構
52 中継軸
91 ドラッグブレーキ
98 リターンスプリング(第2付勢手段)
103 リアカバー

Claims (5)

  1. 原動機と、前記原動機からの回転動力で駆動される走行装置と、前記原動機から前記走行装置への伝動状態を切り換える伝動切換装置とを備え、
    前記伝動切換装置が、前記走行装置に伝動する伝動状態からその伝動を遮断する遮断状態に切り換えられた場合に、前記伝動切換装置により伝動が遮断された伝動方向下手側の伝動系を制動する伝動遮断時用のドラッグブレーキを備えている作業車両。
  2. 前記伝動切換装置及び前記ドラッグブレーキは、それらの作動状態が油圧制御で切り換わる油圧式であり、
    前記ドラッグブレーキは、前記伝動切換装置が前記遮断状態から前記伝動状態に切り換わるときの油圧で、前記伝動系を制動する制動状態からその制動を解除する制動解除状態に切り換わるように、前記伝動切換装置と油路を介して連係されている請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記伝動切換装置は、その内部に備えられた第1付勢手段の作用で前記伝動状態から前記遮断状態に切り換わり、
    前記ドラッグブレーキは、その内部に備えられた第2付勢手段の作用で前記制動解除状態から前記制動状態に切り換わる請求項2に記載の作業車両。
  4. 前記ドラッグブレーキは、ミッションケースの後端部に内蔵され、
    前記ミッションケースの後端には、前記ミッションケースに対する後方からの前記ドラッグブレーキの着脱を許容する開口が形成されるとともに、前記開口を塞ぐリアカバーが着脱可能に備えられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業車両。
  5. 前記伝動系には、前記伝動切換装置を経由した回転動力を前進用と後進用とに切り換える前後進切換装置が含まれており、
    前記ドラッグブレーキは、前記前後進切換装置の逆転伝動機構に備えられた中継軸を制動する請求項1〜4のいずれか一項に記載の作業車両。
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