以下、本発明の繊維原料再生装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の繊維原料再生装置をシート製造装置に適用した場合の第1実施形態を示す概略側面図である。図2は、図1に示すシート製造装置が備える分散部およびその周辺を示す垂直断面図である。図3は、図2中の一点鎖線で囲まれた領域[A]の垂直断面図である。図4は、図1に示すシート製造装置が備える分散部を示す垂直断面図である。図5は、図1に示すシート製造装置が備える主要部のブロック図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図4中(図6〜図11についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交する3軸をx軸、y軸およびz軸とする。また、x軸とy軸を含むxy平面が水平となっており、z軸が鉛直となっている。また、各方向の矢印が向いた方向を「正」、その反対方向を「負」と言う。
図1に示すように、シート製造装置(繊維原料再生装置)100は、シートSを製造する装置である。このシート製造装置100は、原料M1である紙を解繊した解繊物M3を含む解繊物含有材料(混合物M7)を、内部に導入して、気中に分散させてほぐす少なくとも1つ(本実施形態では1つ)の筒状のドラム部(ドラム)181を有する分散部18と、ドラム部(ドラム)181の内部に複数の異なる色材CMを供給可能な色材供給部3と、色材供給部3からドラム部(ドラム)181の内部への各色材CMの供給を選択することができる色材選択部4と、を備える。
このような本発明によれば、後述するように、シート製造装置100では、色材選択部4によって所望の色材CM(例えば「色材CM(C)」とする)を選択することができる。そして、この選択された色材CM(C)を独立して、すなわち、他の色の色材CM(色材CM(Y)や色材CM(M))との混合が低減化された状態で、目的部位(例えばドラム部181)まで供給することができる。
また、色材CM(C)の後、この色材CM(C)に代えて、例えば色材CM(Y)に選択を変更した場合にも、この色材CM(Y)を、色材CM(C)や色材CM(M)との混合が防止された状態で、ドラム部181まで供給することができる。
このように、シート製造装置100では、色材CMの選択を変更した際のユーザーが所望しない混色(上記の場合、選択後の色材CM(Y)と、色材CM(C)や色材CM(M)との混色)を低減化することができる。
また、ユーザーが所望しない混色が生じた場合、一般的には、シートSが無駄(ヤレ)となるおそれがあるが、シート製造装置100では、前記のようにユーザーが所望しない混色が防止されるよう構成されていることにより、シートSの無駄(ヤレ)を防止することができる。
図1に示すように、シート製造装置100は、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、分散部18と、第2ウェブ形成部19と、シート形成部20と、切断部21と、ストック部22と、回収部27と、色材供給部3と、色材選択部4とを備えている。また、シート製造装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236とを備えている。その他、シート製造装置100は、ブロアー261と、ブロアー262と、ブロアー263とを備えている。
また、図5に示すように、シート製造装置100が備える各部(例えば、分散部18の駆動部187、第2ウェブ形成部19の駆動部194、色材選択部4の駆動部412等)は、制御部28と電気的に接続されている。そして、これら各部の作動は、制御部28によって制御される。制御部28は、CPU(Central Processing Unit)281と、記憶部282とを有している。CPU281は、例えば、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。記憶部282は、例えば、シートSを製造するまでのプログラム等の各種プログラムが記憶されている。また、この制御部28は、シート製造装置100に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。また、外部機器は、例えば、シート製造装置100とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、シート製造装置100とネットワーク(例えばインターネット)を介して接続されている場合等がある。またCPU281と、記憶部282とは、例えば、一体化されて、1つのユニットとして構成されていてもよいし、CPU281がシート製造装置100に内蔵され、記憶部282が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよいし、記憶部282がシート製造装置100に内蔵され、CPU281が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。
また、シート製造装置100では、原料供給工程と、粗砕工程と、解繊工程と、選別工程と、第1ウェブ形成工程と、分断工程と、混合工程と、ほぐし工程と、第2ウェブ形成工程と、シート形成工程と、切断工程とがこの順に実行される。また、シート製造装置100では、色材供給工程も実行することができる。
以下、各部の構成について説明する。
原料供給部11は、粗砕部12に原料M1を供給する原料供給工程を行なう部分である。この原料M1としては、繊維(セルロース繊維)を含むシート状材料である。なお、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース(狭義のセルロース)を主成分とし繊維状をなすものであればよく、セルロース(狭義のセルロース)の他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものであってもよい。また、原料M1は、織布、不織布等、形態は問わない。また、原料M1は、例えば、紙、古紙を解繊して製造された(再生された)リサイクルペーパーや、合成紙のユポ紙(登録商標)であってもよい。
粗砕部12は、原料供給部11から供給された原料M1を大気中(空気中)等の気中で粗砕する粗砕工程を行なう部分である。粗砕部12は、一対の粗砕刃121と、シュート(ホッパー)122とを有している。
一対の粗砕刃121は、互いに反対方向に回転することにより、これらの間で原料M1を粗砕して、すなわち、裁断して粗砕片M2にすることができる。粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部13における解繊処理に適しているのが好ましく、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、10mm以上70mm以下の小片であるのがより好ましい。
シュート122は、一対の粗砕刃121の下方に配置され、例えば漏斗状をなすものとなっている。これにより、シュート122は、粗砕刃121によって粗砕されて落下してきた粗砕片M2を受けることができる。
また、シュート122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って配置されている。加湿部231は、シュート122内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含むフィルター(図示せず)を有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する気化式(または温風気化式)の加湿器で構成されている。加湿空気が粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電気によってシュート122等に付着するのを抑制することができる。
シュート122は、管(流路)241を介して、解繊部13に接続されている。シュート122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
解繊部13は、粗砕片M2を気中で、すなわち、乾式で解繊する解繊工程を行なう部分である。この解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる粗砕片M2を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部13は、例えば本実施形態では、高速回転するローターと、ローターの外周に位置するライナーとを有するインペラーミルで構成されている。解繊部13に流入してきた粗砕片M2は、ローターとライナーとの間に挟まれて解繊される。
また、解繊部13は、ローターの回転により、粗砕部12から選別部14に向かう空気の流れ(気流)を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。また、解繊処理後、解繊物M3を、管(流路)242を介して選別部14に送り出すことができる。
管242の途中には、ブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4−1と、第1選別物M4−1よりも大きい第2選別物M4−2とに選別される。第1選別物M4−1は、その後のシートSの製造に適した大きさのものとなっている。その平均長さは、100μm以上10mm以下であるのが好ましい。一方、第2選別物M4−2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4−1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4−2として選別される。なお、ドラム部141の形状は、円筒のものに限定されず、例えば、三角形、四角形、六角形、八角形など多角形の筒状であってもよい。
第1選別物M4−1は、ドラム部141から落下する。
一方、第2選別物M4−2は、ドラム部141に接続されている管(流路)243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側(下流側)が管241に接続されている。この管243を通過した第2選別物M4−2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4−2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
また、ドラム部141からの第1選別物M4−1は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部(分離部)15に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4−1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程を行なう部分である。第1ウェブ形成部15は、メッシュベルト(分離ベルト)151と、3つの張架ローラー152と、吸引部(サクション機構)153とを有している。
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、第1選別物M4−1が堆積する。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4−1は、下流側に搬送される。
第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさとなっている。これにより、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151の通過が規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4−1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状の第1ウェブM5として形成される。
また、第1選別物M4−1には、例えば塵や埃等が混在しているおそれがある。塵や埃は、例えば、粗砕や解繊によって生じることがある。そして、このような塵や埃は、後述する回収部27に回収されることとなる。
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト151を通過した塵や埃を空気ごと吸引することができる。
また、吸引部153は、管(流路)244を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引された塵や埃は、回収部27に回収される。
回収部27には、管(流路)245がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、塵や埃等が除去されたものとなる。また、塵や埃は、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4−1を加湿することができ、よって、第1選別物M4−1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給することができ、よって、第1ウェブM5の水分量が調整される。この調整により、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程を行なう部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161により、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
細分部16の下流側には、混合部17が配置されている。混合部17は、細分体M6と樹脂P1とを混合する混合工程を行なう部分である。この混合部17は、樹脂供給部171と、管(第1の流路)172と、ブロアー173とを有している。
管172は、細分部16と分散部18とを接続しており、細分体M6と樹脂P1との混合物M7が通過する流路である。
管172の途中には、樹脂供給部171が接続されている。樹脂供給部171は、スクリューフィーダー174を有している。このスクリューフィーダー174が回転駆動することにより、樹脂P1を粉体または粒子として管172に供給することができる。管172に供給された樹脂P1は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
なお、樹脂P1は、後の工程で繊維同士を結着させるものであり、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66等のポリアミド(ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、熱可塑性樹脂としては、ポリエステルまたはこれを含むものを用いる。
なお、樹脂供給部171から供給されるものとしては、樹脂P1の他に、例えば、繊維の凝集や樹脂P1の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤、シートSの紙力を増強するための紙力増強剤等が含まれていてもよい。または、予めそれらを樹脂P1に含ませた(複合化した)ものを樹脂供給部171から供給してもよい。
また、管172の途中には、樹脂供給部171よりも下流側にブロアー173が設置されている。ブロアー173が有する羽根等の回転部の作用により、細分体M6と樹脂P1とが混合される。また、ブロアー173は、分散部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と樹脂P1とを撹拌することができる。これにより、混合物M7は、細分体M6と樹脂P1とが均一に分散した状態で、分散部18に流入することができる。また、混合物M7中の細分体M6は、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
また、シート製造装置100では、樹脂Pは、樹脂供給部171から供給されるよう構成されているが、これに限定されない。例えば、樹脂Pは、後述する貯留部31に予め貯留されており、色材CMとともに流路(第2の流路)32を通過して、ドラム部181に供給されてもよい。また、樹脂供給部171からの供給を停止する場合には、色材CMに含まれる樹脂を、樹脂Pとして、代用してもよい。
分散部18は、混合物M7をメッシュベルト191(分離ベルト)に堆積させる工程を行なう部分である。分散部18は、ドラム部181と、ドラム部181を収納するハウジング部182とを有する。
ドラム部181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸O181回りに回転する篩である。このドラム部181には、混合物M7が流入してくる。そして、ドラム部181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム部181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされることとなる。
なお、ドラム部181は、中心軸O181回りに一方向に回転してもよいし、中心軸O181回りに交互に反対方向に回転(揺動)してもよいし、これらの組み合わせの回転をおこなうものであってもよい。また、ドラム部181は、回転するものに限定されず、例えば、中心軸O181方向または中心軸O181と交差する方向に沿って往復動するものであってもよいし、中心軸O181から離間した位置を中心として揺動するものであってもよい。
そして、ドラム部181でほぐされた混合物M7は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7から第2ウェブM8を形成する第2ウェブ形成工程を行なう部分である。第2ウェブ形成部19は、メッシュベルト(分離ベルト)191と、張架ローラー192と、吸引部(サクション機構)193とを有している。
メッシュベルト191は、無端ベルトであり、混合物M7が堆積する。このメッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。そして、張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191上の混合物M7は、下流側に搬送される。
また、メッシュベルト191上のほとんどの混合物M7は、メッシュベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、メッシュベルト191を通過してしまうのが規制され、よって、メッシュベルト191上に堆積することができる。また、混合物M7は、メッシュベルト191上に堆積しつつ、メッシュベルト191ごと下流側に搬送されるため、層状の第2ウェブM8として形成される。
また、張架ローラー192は、モーター等の駆動源、変速機等を有する駆動部194に連結されており、この駆動部194の作動によって、所定の回転速度で回転することができる。駆動部194の作動は、制御部28により制御され(図5参照)、例えば、張架ローラー192の回転速度を可変(多段階に設定)とすることもできる。
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト191上に混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7のメッシュベルト191上への堆積が促進される。
吸引部193には、管(流路)246が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。
ハウジング部182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング部182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング部182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
分散部18の下流側には、加湿部236が配置されている。加湿部236は、加湿部235と同様の超音波式加湿器で構成されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給することができ、よって、第2ウェブM8の水分量が調整される。この調整により、静電力による第2ウェブM8のメッシュベルト191への吸着を抑制することができる。これにより、第2ウェブM8は、メッシュベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、メッシュベルト191から容易に剥離される。
なお、加湿部231〜加湿部236までに加えられる水分量(合計水分量)は、例えば、加湿前の材料100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下であるのが好ましい。
第2ウェブ形成部19の下流側には、シート形成部20が配置されている。シート形成部20は、第2ウェブM8からシートSを形成するシート形成工程を行なう部分である。このシート形成部20は、加圧部201と、加熱部202とを有している。
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有し、カレンダーローラー203の間で第2ウェブM8を加熱せずに(樹脂P1を溶融させずに)加圧することができる。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。そして、この第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、モーター(図示せず)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
加熱部202は、一対の加熱ローラー204を有し、加熱ローラー204の間で第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧することができる。この加熱加圧により、第2ウェブM8内では、樹脂P1が溶融して、この溶融した樹脂P1を介して繊維同士が結着する。これにより、シートSが形成される。そして、このシートSは、切断部21に向けて搬送される。なお、一対の加熱ローラー204の一方は、モーター(図示略)の作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
シート形成部20の下流側には、切断部21が配置されている。切断部21は、シートSを切断する切断工程を行なう部分である。この切断部21は、第1カッター211と、第2カッター212とを有する。
第1カッター211は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断するものである。
第2カッター212は、第1カッター211の下流側で、シートSの搬送方向に平行な方向にシートSを切断するものである。
このような第1カッター211と第2カッター212との切断により、所望の大きさのシートSが得られる。そして、このシートSは、さらに下流側に搬送されて、ストック部22に蓄積される。
さて、シート製造装置100は、色彩を帯びた、すなわち、カラーのシートSを製造することができるよう構成されている。以下、この構成および作用について説明する。
前述したように、分散部18は、細分体M6(解繊物M3)と樹脂P1との混合したものである混合物M7をほぐす処理を行なうものである。これにより、混合物M7は、気中に均一に、すなわち、絡み合って塊状となった状態が解消されて、分散しつつ落下して、第2ウェブ形成部19のメッシュベルト191に堆積することとなる。
また、前述したように、分散部18は、ドラム部181と、ドラム部181を収納するハウジング部182とを備えている。
図2、図4に示すように、ドラム部181は、円筒体で構成されている。このドラム部181の内側(内部)には、混合物M7が一時的に収納される収納空間が形成されている。
また、ドラム部181は、モーター等の駆動源、変速機等を有する駆動部187に連結されており、この駆動部187の作動によって、ドラム部181の中心軸O181回りに所定の回転速度で回転することができる。駆動部187の作動は、制御部28により制御され(図5参照)、例えば、ドラム部181の回転速度を可変(多段階に設定)とすることもできる。
図2に示すように、ドラム部181には、中心軸O181方向の途中に、円筒状の壁部を貫通する複数の開口部181aが形成されている。各開口部181aは、ドラム部181の外周部に開口している。そして、ドラム部181が中心軸O181回りに回転した際、複数の開口部181aのうち、中心軸O181の高さよりも下側に位置する開口部181aからは、ドラム部181内の混合物M7が下方に向かって通過することができる。混合物M7は、ドラム部181内でドラム部181とともに回転するのと、開口部181aを通過することにより、過不足なく円滑にほぐされることとなる。
なお、平面視での開口部181aの形状としては、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、長円形または多角形等であるのが好ましい。また、平面視での開口部181aの大きさとしては、特に限定されず、例えば、開口部181aが円形の場合、直径が0.5mm以上5mm以下であるのが好ましく、1mm以上3mm以下であるのがより好ましい。また、開口部181aの形成方法としては、特に限定されず、例えば、打抜き等のような機械加工による方法を用いることができる。また、機械加工の中でも、レーザー加工やエッチング加工による方法も用いることができる。また、ドラム部181として、樹脂網、金網、エキスパンドメタルを用いることができる。
また、ドラム部181の両端部には、それぞれ、混合物M7が流入する流入ポート183が接続されている。各流入ポート183は、例えば、円環状、円筒状または円管状をなし、ドラム部181の各端部の内側に挿入されている。また、各流入ポート183は、下流側の前記管172に連通している。これにより、管172を通過してきた混合物M7は、各流入ポート183を介して、ドラム部181内に流入することができる。
また、ドラム部181を収納するハウジング部182の下方側は、メッシュベルト191に向かって開放している。これにより、ドラム部181の開口部181aを通過した混合物M7は、メッシュベルト191上に落下して、堆積することができる。
図2に示すように、ドラム部181の下側(外周側)には、第2ウェブ形成部19(堆積部)が設けられている。第2ウェブ形成部19は、ドラム部181の開口部181aを通過した混合物M7が堆積する部分である。そして、第2ウェブ形成部19に堆積した堆積物としての混合物M7は、層状の第2ウェブM8となる。
前述したように、第2ウェブ形成部19は、第2ウェブM8が堆積され、第2ウェブM8を搬送するメッシュベルト191を備えている。このメッシュベルト191は、その厚さ方向に貫通して形成された複数の貫通孔191aを有している。なお、平面視での貫通孔191aの形状としては、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、長円形または多角形等であるのが好ましい。また、平面視での貫通孔191aの大きさとしては、特に限定されず、例えば、貫通孔191aが円形の場合、直径が0.02mm以上2mm以下であるのが好ましく、0.05mm以上1mm以下であるのがより好ましい。また、貫通孔191aが円形の場合、直径が0.5mm以上5mm以下であるのが好ましく、2mm以上3mm以下であるのがより好ましい。また、貫通孔191aの形成方法としては、特に限定されず、例えば、打抜き等のような機械加工による方法を用いることができる。また、機械加工の中でも、レーザー加工やエッチング加工による方法も用いることができる。また、メッシュベルト191として、樹脂網、金網、エキスパンドメタルを用いることができる。
図1、図2に示すように、分散部18のドラム部181よりも上流側には、色材供給部3が配置されている。色材供給部3は、色材選択部4によって選択された色材CMを分散部18のドラム部181に供給する色材供給工程を行なう部分である。
色材CMには、異なるものが複数あり、本実施形態では、一例として、少なくとも色が異なる3種の色材CMが挙げられている。これら3種の色材CMは、それぞれ、有彩色を帯びた顔料であり、例えば、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)となっている。以下では、シアンの色材CMを「色材CM(C)」、イエローの色材CMを「色材CM(Y)」、マゼンタの色材CMを「色材CM(M)」と言うことがある。なお、各色材CMの色は、シアン、イエロー、マゼンタに限定されない。
図2に示すように、色材供給部3は、色材CM(C)、色材CM(Y)、色材CM(M)をそれぞれ独立して貯留する貯留部31と、各貯留部31に接続された流路32とを有している。各貯留部31と、各流路32とは、ドラム部181に供給する色材CMが異なること以外は、同じ構成であるため、以下、1つの貯留部31と、この貯留部31に接続された流路32とについて代表的に説明する。
図3に示すように、貯留部31は、内部に色材CMを貯留する貯留空間311を有する中空体で構成されている。この貯留部31は、シート製造装置100に設けられた装填部33に着脱自在に装填される。そして、この装填状態で、貯留部31の貯留空間311が流路32と連通する。これにより、色材CMが流路32に流入することができる。
なお、貯留部31は、カートリッジとなっているのが好ましい。これにより、貯留部31が空となった、すなわち、色材CMが使い切られた場合、新たな貯留部31に交換することができる。また、シート製造装置100では、貯留部31内の色材CMの残量は、残量検出部(図示せず)によって検出されている。
図2に示すように、流路32は、その上流側で貯留部31に接続され、下流側で分散部18の流入ポート183に接続されている。これにより、色材CMは、流路32を、貯留部31から流入ポート183まで独立して、すなわち、他の色材CMと混合が防止された状態で通過することができる。
流路32は、例えば、管321で構成されている。この管321は、分岐部322を介して2つに分岐した分岐管323および分岐管324を有している。そして、分岐管323を、2つの流入ポート183の内の一方の流入ポート183に接続し、分岐管324を、他方の流入ポート183に接続することができる。これにより、流路32を介して、貯留部31と、各流入ポート183とが連通する。そして、ドラム部181では、混合物M7と色材CMとが合流することができ、よって、混合物M7と色材CMとを含む混合物M7’が生成される。
色材選択部4は、色材供給部3からドラム部181への各色材CMの供給を選択的に行なうものである。
前述したように、色材供給部3は、互いに異なる色の各色材CMがそれぞれ独立して通過する流路32を有している。図2に示すように、色材選択部4は、各流路32に設けられ、色材CMの通過と、その通過の停止とを切り換える切換部41を有している。これにより、シート製造装置100は、色材CMが供給される色材供給状態と、色材CMの供給が停止する供給停止状態と取り得る。これにより、色材供給状態では、選択された色材CMを有するシートSが得られ、供給停止状態では、この色材CMが省略されたシートSが得られる。
図3に示すように、切換部41は、スクリューフィーダーであり、流路32(管321)内に同心的に挿入されたスクリュー411と、スクリュー411を回転駆動させる駆動部412とを有している。
スクリュー411が回転することにより、色材CMを貯留部31から引張り出し、そのまま下流側に向かって押し出すことができる。これにより、色材CMは、流路32を通過して、ドラム部181に到達することができる。また、スクリュー411の回転が停止することにより、色材CMの押し出しも停止する。
駆動部412は、例えば、モーター等で構成されている。また、図5に示すように、駆動部412は、制御部28と電気的に接続されている。これにより、駆動部412の作動が制御部28によって制御され、よって、スクリュー411の回転数を可変とすることができる。スクリュー411の回転数の大小により、色材CMの供給量や供給速度を調整することができ、よって、例えば、所望の色彩の濃淡を有するシートSが得られる。なお、駆動部412の作動情報は、例えば、図示しないキーボートやタッチパネル等のような入力部を介して制御部28に予め入力され、記憶されている。
以上のような構成の色材選択部4により、色材CMの供給を選択的に行なうことができる。これにより、色材CM(C)、色材CM(Y)、色材CM(M)のいずれか1つの色材CMを単独でドラム部181に供給したり、色材CM(C)、色材CM(Y)、色材CM(M)のうちの少なくとも2つの色材CMを組み合わせてドラム部181に供給することができる。また、色材CM同士を組み合わせる場合には、スクリュー411の回転数を変更することにより、各色材CMの混合比率を調整することができる。
なお、切換部41は、スクリューフィーダーに限定されず、例えば、ベルト搬送機構を有するものであってもよい。
図2に示すように、シート製造装置100は、色材選択部4によって選択され、互いに異なる色の色材CM同士を混合する混合部5を備える。本実施形態では、ドラム部(ドラム)181は、混合部5を兼ねるものである。
色材選択部4によって複数の色材CMが選択された場合、ドラム部181、すなわち、混合部5には、混合物M7と各色材CMとが混合物M7’として供給される。そして、ドラム部181が中心軸O181回りに回転することにより、ドラム部181内では、混合物M7と各色材CMとがほぐされつつ、均一に混合することができる。
また、図2に示すように、ドラム部(ドラム)181は、混合物M7(解繊物含有材料)とともに色材CMを排出する排出部としての複数の開口部181aを有するものである。
シート製造装置100は、分散部18で解し処理され(ほぐし処理され)通過した混合物M7(解繊物含有材料)を用いて第2ウェブM8(ウェブ)を形成する第2ウェブ形成部19(ウェブ形成部)を備える。具体的は、シート製造装置100は、ドラム部(ドラム)181よりも下流側に配置され、開口部181a(排出部)を介して排出された混合物M7(解繊物含有材料)と各色材CMとにより、すなわち、混合物M7’により、第2ウェブM8(ウェブ)を形成する第2ウェブ形成部19(ウェブ形成部)を備えている。これにより、第2ウェブM8を基に、各色材CMの色が混色した色彩を有する、すなわち、カラーのシートSを製造することができる。また、前述したように各色材CMの混合比率を調整することにより、同じ混色であっても、グラデーションに富んだシートSを製造することができる。また、色材CM(C)、色材CM(Y)、色材CM(M)のいずれか1つの色材CMを単独でドラム部181に供給した場合には、シアン、イエローまたはマゼンタの単色のシートSも製造することができる。このように、シート製造装置100は、所望の色彩を帯びたシートSを製造することができる。また、シート製造装置100は、色材CMの供給を停止すれば、色彩を省略したシートSも製造することができる。
以上のような構成のシート製造装置100では、色材選択部4によって所望の色材CM(例えば「色材CM(C)」とする)を選択することができる。そして、この選択された色材CM(C)を独立して、すなわち、他の色の色材CM(色材CM(Y)や色材CM(M))との混合が防止された状態で、ドラム部181(流入ポート183)まで供給することができる。
また、色材CM(C)に代えて、例えば色材CM(Y)に選択を変更した場合にも、この色材CM(Y)を、色材CM(C)や色材CM(M)との混合が防止された状態で、ドラム部181まで供給することができる。
このように、シート製造装置100では、色材CMの選択を変更した際のユーザーが所望しない混色(上記の場合、選択後の色材CM(Y)と、色材CM(C)や色材CM(M)との混色)を防止することができる。
また、ユーザーが所望しない混色が生じた場合、一般的には、シートSが無駄(ヤレ)となるおそれがあるが、シート製造装置100では、前記のようにユーザーが所望しない混色が防止されるよう構成されていることにより、シートSの無駄(ヤレ)を防止することができる。
図4に示すように、シート製造装置100は、ドラム部(ドラム)181内の残留物を除去する除去部6を備えている。除去部6は、y方向に沿って延在し、ドラム部181の内周部181bに当接する板状のスキージー61を有している。スキージー61は、ドラム部181の回転に関わらず、位置および姿勢が一定に維持されている。ドラム部181の内周部181bに付着した残留物は、ドラム部181が回転した際、スキージー61により削り取られる。そして、この削り取られた残留物は、例えば、ドラム部181内に連通する排出口(図示せず)から排出される。なお、残留物としては、例えば、色材CMを含む混合物M7’等がある。
このような構成の除去部6により、選択される色材CMが変更されても、その変更前の色材CMをドラム部181から除去することができる。これにより、変更前の色材CMと、変更後の色材CMとがドラム部181内でユーザーが所望しない混色するのを防止することができる。また、この混色によるシートSの無駄(ヤレ)を防止することもできる。
<第2実施形態>
図6は、本発明の繊維原料再生装置を適用したシート製造装置(第2実施形態)が備える分散部およびその周辺を示す概略側面図である。
以下、この図を参照して本発明の繊維原料再生装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、混合部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図6に示すように、本実施形態では、混合部5は、色材供給部3とドラム部(ドラム)181との間に配置され、色材CMがドラム部(ドラム)181に供給されるよりも前段で、互いに異なる色の色材CM同士を混合するものである。
この混合部5は、上流側が流路32を介して各貯留部31に接続され、下流側が流路(第3の流路)29を介してドラム部181に接続されている。また、混合部5は、中空体で構成されており、その内部で、各流路32を通過してきた色材CM同士を混合することができる。そして、この色材混合物CM’は、流路29を通過して、ドラム部181に流入することができる。ドラム部181では、色材混合物CM’は、混合物M7と合流して、混合物M7とともにほぐれつつ、さらに混合物M7と均一に混合することができる。
このような構成は、色材CM同士を混合する際に、これら色材CM同士が混合物M7と合流する以前に、その混合を行ないたい場合に有効な構成となっている。
なお、混合部5は、第1実施形態の混合部5のように、回動するよう構成されていてもよい。また、混合部5は、内部に気流を発生させるよう構成されていてもよい。このような構成により、混合物M7に対する色材CMのより均一な混合を図ることができる。これにより、シートSに色むらが生じるのを防止することができる。
<第3実施形態>
図7は、本発明の繊維原料再生装置を適用したシート製造装置(第3実施形態)が備える分散部およびその周辺を示す概略側面図である。
以下、この図を参照して本発明の繊維原料再生装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、混合部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
前述したように、ドラム部(ドラム)181は、混合物M7(解繊物含有材料)を排出する排出部としての複数の開口部181aを有している。
また、図7に示すように、本実施形態では、ドラム部(ドラム)181は、色材供給部3から供給される、互いに異なる色の色材CMごとに複数(本実施形態では3つ)配置されている。各ドラム部181は、流路32を介して、貯留部31と1つずつ接続されている。
そして、混合部5は、これら複数のドラム部(ドラム)181を一括して収納するハウジング部182で構成されている。混合部5、すなわち、ハウジング部182は、複数のドラム部(ドラム)181からそれぞれ色材CMが混合物M7(解繊物含有材料)とともに排出された際に、色材CM同士を混合することができるものである。
このような構成は、色材CM同士を混合する際に、できる限り第2ウェブM8の形成の直前で、色材CM同士の混合を行ないたい場合に有効な構成となっている。また、複数のドラム部181が配置されていることにより、シート製造装置100を、繊維長(平均)が異なる混合物M7を、各ドラム部181に供給可能な構成とすることができる。
<第4実施形態>
図8は、本発明の繊維原料再生装置を適用したシート製造装置(第4実施形態)が備える分散部およびその周辺を示す概略側面図である。
以下、この図を参照して本発明の繊維原料再生装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、色材供給部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、本実施形態では、色材供給部3は、色材CM(C)、色材CM(Y)および色材CM(M)の他に、ホワイト(無彩色)の色材CMである色材CM(W)と、無色透明の色材CMである色材CM(CL)とを供給可能に構成されている。色材CM(CL)は、例えば、無色透明の樹脂粒子で構成されている。また、必要に応じて、黒の色材CMである色材CM(BK)を構成していてもよい。
色材供給部3は、色材CM(W)、色材CM(CL)をそれぞれ独立して貯留する貯留部31と、当該各貯留部31に接続された流路32とをさらに有している。この各流路32には、色材選択部4の切換部41が配置されている。
このような構成の色材供給部3により、カラーバリエーションに富んだシートSを製造することができる。
<第5実施形態>
図9は、本発明の繊維原料再生装置を適用したシート製造装置(第5実施形態)が備える色材選択部の構成を示す垂直断面図である。
以下、この図を参照して本発明の繊維原料再生装置の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、色材選択部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図9に示すように、本実施形態では、色材選択部4の切換部42は、振動フィーダーであり、貯留部31の供給口312に接近、離間するように回動可能に支持された蓋体421と、蓋体421を供給口312に接近する方向に付勢するバネで構成された付勢部422とを有している。
蓋体421が付勢部422の付勢力に抗して開状態となった場合には、色材CMは、供給口312を介して供給される。また、蓋体421が付勢部422の付勢力によって閉状態となった場合には、色材CMの供給が停止する。このような構成の切換部42により、色材供給状態と供給停止状態とに容易に切り換えることができる。
<第6実施形態>
図10は、本発明の繊維原料再生装置を適用したシート製造装置(第6実施形態)が備える色材選択部の構成を示す垂直断面図である。
以下、この図を参照して本発明の繊維原料再生装置の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、色材選択部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図10に示すように、本実施形態では、色材選択部4の切換部43は、ロータリーフィーダーであり、流路32内で回転可能に支持された羽根431と、羽根431を回転駆動させるモーターで構成された駆動部432とを有している。
羽根431が回転することにより、色材CMを貯留部31から引張り出し、そのまま下流側に向かって押し出して、色材供給状態となる。これにより、色材CMは、流路32を通過して、ドラム部181に到達することができる。また、羽根431の回転が停止することにより、色材CMの押し出しも停止して、供給停止状態となる。このような構成の切換部43によっても、色材供給状態と供給停止状態とに容易に切り換えることができる。
<第7実施形態>
図11は、本発明の繊維原料再生装置を適用したシート製造装置(第7実施形態)が備える色材選択部の構成を示す垂直断面図である。
以下、この図を参照して本発明の繊維原料再生装置の第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、色材選択部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図11に示すように、本実施形態では、色材選択部4の切換部44は、CSフィーダー(直進フィーダー)であり、流路32の途中を開閉可能に支持され、磁性を帯びた蓋体441と、蓋体441を例えば閉状態となる方向に付勢するバネで構成された付勢部442と、電磁石443とを有している。
電磁石443による斥力が蓋体441に作用して、蓋体441が付勢部442の付勢力に抗して開状態となった場合には、色材CMが供給される。また、前記斥力が消失して、蓋体441が付勢部442の付勢力によって閉状態となった場合には、色材CMの供給が停止する。このような構成の切換部44により、色材供給状態と供給停止状態とに容易に切り換えることができる。
以上、本発明の繊維原料再生装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、繊維原料再生装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の繊維原料再生装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、シート製造装置100は、シートSに限らず、硬質のシート或いは積層したシートで構成されるボード状、或いは、ウェブ状の製造物を製造する構成であってもよい。また、製造物は、紙に限らず不織布であってもよい。シートSの性状は、特に限定されず、筆記や印刷を目的とした記録紙(例えば、いわゆるPPC用紙)として使用可能な紙であってもよいし、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙等であってもよい。また、シートSが不織布である場合、一般的な不織布のほか、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マット等としてもよい。