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JP2019145383A - 電解液およびリチウムイオン電池 - Google Patents

電解液およびリチウムイオン電池 Download PDF

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JP2019145383A JP2018029618A JP2018029618A JP2019145383A JP 2019145383 A JP2019145383 A JP 2019145383A JP 2018029618 A JP2018029618 A JP 2018029618A JP 2018029618 A JP2018029618 A JP 2018029618A JP 2019145383 A JP2019145383 A JP 2019145383A
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Abstract

【課題】リチウムイオン電池用の新規な電解液を提供すること。【解決手段】電解液はリチウムイオン電池用である。電解液は溶媒およびリチウム塩を少なくとも含む。溶媒はメトキシアセトンを少なくとも含む。【選択図】なし

Description

本開示は電解液およびリチウムイオン電池に関する。
特開平04−162370号公報は、溶媒が環状カーボネートおよび鎖状カーボネートの混合溶媒である電解液を開示している。
特開平04−162370号公報
電解液の電導度はリチウム(Li)塩の解離度および溶媒の粘度に依存すると考えられる。すなわちLi塩の解離度が高い程、溶媒の粘度が低い程、電解液の電導度は高くなると考えられる。
従来、環状カーボネートおよび鎖状カーボネートがリチウムイオン電池用の電解液溶媒として慣用されている。電導度の観点から環状カーボネートおよび鎖状カーボネートにはそれぞれ一長一短がある。環状カーボネートは解離能が高いため、Li塩の解離を促進すると考えられる。その半面、環状カーボネートは粘度が高いため、Liイオンの動きは鈍くなると考えられる。鎖状カーボネートは粘度が低いため、Liイオンが動きやすくなると考えられる。その半面、鎖状カーボネートは解離能が低いため、Li塩が解離し難くなると考えられる。従来、両者の短所を互いに補い、両者の長所を活かすため、環状カーボネートおよび鎖状カーボネートが混合されて使用されている。
環状カーボネートおよび鎖状カーボネートの混合溶媒では、環状カーボネートの体積比率が30vоl%程度である場合に、電導度が極大値を示すことが知られている。環状カーボネートおよび鎖状カーボネートの混合溶媒の組成は既に最適化されており、これ以上の電導度の向上は望めないと考えられる。
本開示の目的はリチウムイオン電池用の新規な電解液を提供することである。
以下本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により特許請求の範囲が限定されるべきではない。
〔1〕本開示の電解液はリチウムイオン電池用である。電解液は溶媒およびリチウム塩を少なくとも含む。溶媒はメトキシアセトンを少なくとも含む。
リチウムイオン電池用の電解液溶媒としてメトキシアセトンは従来知られていない。すなわち本開示の電解液は、リチウムイオン電池用の新規な電解液である。本開示により、材料選択の幅が広がり、技術の豊富化が期待される。
溶媒がメトキシアセトンを含むことにより、電導度の向上が期待される。電導度が向上し得るメカニズムの詳細は現時点では明らかではない。例えばメトキシアセトンが単独で解離能と粘度とのバランスに優れるためと考えられる。
〔2〕溶媒にメトキシアセトンが50vоl%以上含まれてもよい。
〔3〕溶媒にメトキシアセトンが70vоl%以上含まれてもよい。
〔4〕溶媒はメトキシアセトンのみからなるものであってもよい。
メトキシアセトンの体積比率が高くなる程、電導度の向上が期待される。
〔5〕リチウム塩の濃度は0.7mоl/L以上1.5mоl/L以下であってもよい。該濃度範囲において電導度の向上が期待される。
〔6〕リチウム塩の濃度は1.1mоl/L以上1.5mоl/L以下であってもよい。該濃度範囲において電導度の向上が期待される。
〔7〕本開示のリチウムイオン電池は上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の電解液を少なくとも含む。本開示のリチウムイオン電池は高出力を有することが期待される。
図1は本実施形態のリチウムイオン電池の構成の一例を示す概略図である。
以下本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<電解液>
本実施形態の電解液はリチウムイオン電池用である。リチウムイオン電池の詳細は後述される。電解液は溶媒およびリチウム塩を少なくとも含む。電解液は高い電導度を有することが期待される。
電解液は例えば11.2mS/cm以上の電導度を有してもよい。電解液は例えば11.3mS/cm以上の電導度を有してもよい。電解液は例えば14.6mS/cm以上の電導度を有してもよい。電解液は例えば15.2mS/cm以上の電導度を有してもよい。電解液は例えば16.0mS/cm以上の電導度を有してもよい。電解液は例えば16.8mS/cm以上の電導度を有してもよい。電解液は例えば17.5mS/cm以下の電導度を有してもよい。電解液の電導度は電導度計により測定される。電導度計は電気伝導率計、導電率計等とも称される。電導度は25℃で測定される。電導度は少なくとも3回測定される。少なくとも3回の算術平均が採用される。
《溶媒》
溶媒はメトキシアセトンを少なくとも含む。例えば溶媒にメトキシアセトンが20vol%以上100vоl%以下(20体積%以上100体積%以下)含まれてもよい。溶媒組成は従来公知の方法により特定され得る。溶媒組成は例えば核磁気共鳴(NMR)法、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC−MS)法等により特定され得る。
溶媒にメトキシアセトンが50vol%以上含まれてもよい。溶媒にメトキシアセトンが70vol%以上含まれてもよい。溶媒はメトキシアセトンのみからなるものであってもよい。メトキシアセトンの体積比率が高い程、電導度の向上が期待される。
溶媒はメトキシアセトンを含む限り、その他の溶媒成分をさらに含んでもよい。溶媒にその他の溶媒成分が含まれる場合、その他の溶媒成分はメトキシアセトンを除く残部である。その他の溶媒成分としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、ラクトン、環状エーテル、鎖状エーテル、カルボン酸エステル等が挙げられる。溶媒にその他の溶媒成分が1種単独で含まれてもよい。溶媒にその他の溶媒成分が2種以上含まれてもよい。
環状カーボネートは、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等であってもよい。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。
ラクトンは、例えばγ−ブチロラクトン(GBL)、δ−バレロラクトン等であってもよい。環状エーテルは、例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等であってもよい。鎖状エーテルは、例えば1,2−ジメトキシエタン(DME)等であってもよい。カルボン酸エステルは、例えばメチルホルメート(MF)、メチルアセテート(MA)、メチルプロピオネート(MP)等であってもよい。
溶媒は例えば20vol%以上100vоl%未満のメトキシアセトンおよびその残部の環状カーボネート(例えばEC等)を含んでもよい。溶媒は例えば50vol%以上100vоl%未満のメトキシアセトンおよびその残部の環状カーボネートを含んでもよい。溶媒は例えば70vol%以上100vоl%未満のメトキシアセトンおよびその残部の環状カーボネートを含んでもよい。
溶媒は例えば20vol%以上100vоl%未満のメトキシアセトンおよびその残部の鎖状カーボネート(例えばDMC等)を含んでもよい。溶媒は例えば50vol%以上100vоl%未満のメトキシアセトンおよびその残部の鎖状カーボネートを含んでもよい。溶媒は例えば70vol%以上100vоl%未満のメトキシアセトンおよびその残部の鎖状カーボネートを含んでもよい。
溶媒は例えば20vol%以上100vоl%未満のメトキシアセトン、ならびにその残部の環状カーボネート(例えばEC等)および鎖状カーボネート(例えばDMC等)を含んでもよい。溶媒は例えば50vol%以上100vоl%未満のメトキシアセトン、ならびにその残部の環状カーボネートおよび鎖状カーボネートを含んでもよい。溶媒は例えば70vol%以上100vоl%未満のメトキシアセトン、ならびにその残部の環状カーボネートおよび鎖状カーボネートを含んでもよい。残部に含まれる環状カーボネートおよび鎖状カーボネートは、例えば「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜9:1(体積比)」の関係を満たしてもよい。環状カーボネートおよび鎖状カーボネートは、例えば「環状カーボネート:鎖状カーボネート=2:8〜8:2(体積比)」の関係を満たしてもよい。環状カーボネートおよび鎖状カーボネートは、例えば「環状カーボネート:鎖状カーボネート=3:7〜7:3(体積比)」の関係を満たしてもよい。
《リチウム塩》
Li塩は溶媒に溶解している。Li塩の濃度は例えば0.7mоl/L以上2mоl/L以下(0.7M以上2M以下)であってもよい。Li塩の濃度は従来公知の方法により測定され得る。Li塩の濃度は例えばNMR法により測定され得る。Li塩の濃度は0.7mоl/L以上1.5mоl/L以下であってもよい。該濃度範囲において電導度の向上が期待される。Li塩の濃度は1.1mоl/L以上1.5mоl/L以下であってもよい。該濃度範囲において電導度の向上が期待される。
Li塩の種類は従来公知の方法により特定され得る。Li塩の種類は例えばNMR法により特定され得る。Li塩は例えばLiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC49SO3、Li[N(FSO22]、Li[N(CF3SO22]、Li[C(CF3SO23]等であってもよい。電解液に1種のLi塩が単独で含まれてもよい。電解液に2種以上のLi塩が含まれてもよい。電解液に2種以上のLi塩が含まれる場合、Li塩の濃度はすべてのLi塩の合計濃度を示す。
《添加剤》
本実施形態の電解液は溶媒およびLi塩を含む限り、各種の添加剤をさらに含んでもよい。添加剤の濃度は例えば0.005mоl/L以上0.5mоl/L以下であってもよい。添加剤としては、例えばSEI(solid electrolyte interface)膜形成剤、ガス発生剤(過充電添加剤とも称される)、難燃剤等が挙げられる。電解液に1種の添加剤が単独で含まれてもよい。電解液に2種以上の添加剤が含まれてもよい。電解液に2種以上の添加剤が含まれる場合、添加剤の濃度はすべての添加剤の合計濃度を示す。
SEI膜形成剤は、例えばビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、LiB(C242、LiBF2(C24)、LiPF2(C242、プロパンサルトン(PS)、エチレンサルファイト(ES)等であってもよい。ガス発生剤は、例えばシクロヘキシルベンゼン(CHB)、ビフェニル(BP)等であってもよい。難燃剤は例えばリン酸エステル、ホスファゼン化合物等であってもよい。
<リチウムイオン電池>
本実施形態のリチウムイオン電池は二次電池であってもよい。リチウムイオン電池は一次電池であってもよい。以下リチウムイオン電池が「電池」と略記され得る。
図1は本実施形態のリチウムイオン電池の構成の一例を示す概略図である。
電池100はケース101を含む。ケース101は円筒形である。ただしケース101は角形であってもよい。ケース101は例えばステンレス、アルミニウム(Al)合金等により形成され得る。ケース101はアルミラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。ケース101は、例えばガス排出弁、電流遮断機構(Current Interrupt Device,CID)等を備えていてもよい。
ケース101は電極群10および電解液(不図示)を収納している。電解液は本実施形態の電解液である。すなわち電池100は本実施形態の電解液を少なくとも含む。本実施形態の電解液の詳細は前述のとおりである。電池100は高出力を有することが期待される。本実施形態の電解液が高い電導度を有し得るためと考えられる。
電極群10は正極11、負極12およびセパレータ13を含む。電極群10は巻回型である。すなわち電極群10は正極11、セパレータ13、負極12およびセパレータ13がこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回されることにより形成されている。
電極群10は積層(スタック)型であってもよい。すなわち電極群10は正極11および負極12が交互にそれぞれ1枚以上積層されることにより形成されていてもよい。正極11および負極12の各間にはセパレータ13がそれぞれ配置される。
《正極》
正極11は例えばシート状であってもよい。正極11は正極活物質を少なくとも含む。正極11は例えば正極集電体、導電材およびバインダ等をさらに含んでもよい。例えば正極活物質、導電材およびバインダを含む正極合材が正極集電体の表面に塗着されることにより、正極11が形成され得る。正極集電体は例えばAl箔等であってもよい。正極集電体は例えば5μm以上50μm以下の厚さを有してもよい。
正極活物質は典型的には粒子群である。正極活物質は例えば1μm以上30μm以下のd50を有してもよい。d50はレーザ回折散乱法によって得られる粒度分布において微粒側からの積算粒子体積が全粒子体積の50%になる粒径を示す。
正極活物質はLiイオンを吸蔵し、放出する。正極活物質は特に限定されるべきではない。正極活物質は例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(例えばLiMnO2、LiMn24等)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/32等)、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム(例えばLiNi0.82Co0.15Al0.032等)、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)等であってもよい。1種の正極活物質が単独で使用されてもよい。2種以上の正極活物質が組み合わされて使用されてもよい。
導電材は電子伝導性を有する。導電材も特に限定されるべきではない。導電材は例えばカーボンブラック(例えばアセチレンブラック等)、炭素短繊維等であってもよい。導電材の含量は100質量部の正極活物質に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
バインダは正極活物質(粒子)同士を結着する。バインダは正極活物質と正極集電体とを結着する。バインダも特に限定されるべきではない。バインダは例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等であってもよい。バインダの含量は100質量部の正極活物質に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
《負極》
負極12は例えばシート状であってもよい。負極12は負極活物質を少なくとも含む。負極12は例えば負極集電体およびバインダ等をさらに含んでもよい。例えば負極活物質およびバインダを含む負極合材が負極集電体の表面に塗着されることにより、負極12が形成され得る。負極集電体は例えば銅(Cu)箔等であってもよい。負極集電体は例えば5μm以上50μm以下の厚さを有してもよい。
負極活物質は典型的には粒子群である。負極活物質は例えば1μm以上30μm以下のd50を有してもよい。負極活物質はLiイオンを吸蔵し、放出する。負極活物質は特に限定されるべきではない。負極活物質は例えば黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、珪素、酸化珪素、珪素基合金、錫、酸化錫、錫基合金、チタン酸リチウム等であってもよい。1種の負極活物質が単独で使用されてもよい。2種以上の負極活物質が組み合わされて使用されてもよい。
バインダは負極活物質(粒子)同士を結着する。バインダは負極活物質と負極集電体とを結着する。バインダも特に限定されるべきではない。バインダは例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。バインダの含量は100質量部の負極活物質に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
《セパレータ》
セパレータ13は電気絶縁性である。セパレータ13は正極11および負極12の間に配置されている。正極11および負極12はセパレータ13によって互いに隔離されている。セパレータ13は多孔質膜である。セパレータ13は電解液の透過を許す。セパレータ13は例えば10μm以上30μm以下の厚さを有してもよい。セパレータ13は例えばポリオレフィン製の多孔質膜等であってもよい。
セパレータ13は単層構造を有してもよい。セパレータ13は例えばポリエチレン(PE)製の多孔質膜のみから形成されていてもよい。セパレータ13は多層構造を有してもよい。セパレータ13は例えばポリプロピレン(PP)製の多孔質膜、PE製の多孔質膜およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより形成されていてもよい。セパレータ13はその表面に耐熱膜を含んでもよい。耐熱膜は耐熱材料を含む。耐熱材料は例えばベーマイト、シリカ、チタニア等であってもよい。
以下本開示の実施例が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<電解液の調製および電導度の測定>
下記表1に示される電解液がそれぞれ調製された。各電解液の電導度がそれぞれ測定された。各電解液の電導度は25℃で測定された。
Figure 2019145383
<結果>
比較例1では環状カーボネート(EC)の単独溶媒が使用されている。比較例1は電導度が低い。溶媒の粘度が高いためと考えられる。
比較例2では鎖状カーボネート(DMC)の単独溶媒が使用されている。比較例2も電導度が低い。溶媒の解離能が低いためと考えられる。
比較例3では環状カーボネートおよび鎖状カーボネートの混合溶媒が使用されている。比較例3の溶媒は従来慣用されている。比較例3は比較例1および2に比して電導度が高い。環状カーボネートおよび鎖状カーボネートが混合されることにより、解離能と粘度とのバランスが改善したためと考えられる。比較例3の混合比は、ECおよびDMCの混合溶媒において、電導度が略極大となる混合比であると考えられる。
実施例1〜9では溶媒にメトキシアセトンが使用されている。メトキシアセトンは下記式(I)により表される。実施例1および比較例3の結果から、メトキシアセトンは単独で、最適混合比のECおよびDMCの混合溶媒よりも、解離能と粘度とのバランスに優れていると考えられる。
比較例4および5では溶媒にアセチルアセトンが使用されている。アセチルアセトンは下記式(II)により表される。比較例6および7では溶媒にメトキシ酢酸メチルが使用されている。メトキシ酢酸メチルは下記式(III)により表される。
Figure 2019145383
メトキシアセトン〔上記式(I)〕、アセチルアセトン〔上記式(II)〕およびメトキシ酢酸メチル〔上記式(III)〕は、分子量および構造が互いに近似している。しかし例えば実施例1、比較例4および比較例6の結果に現れているように、溶媒がメトキシアセトンを含む場合のみにおいて、顕著に高い電導度が発現している。
25℃におけるメトキシアセトン、アセチルアセトンおよびメトキシ酢酸メチルの粘度は以下のとおりである。これらの溶媒の粘度に大差はないと考えられる。したがってメトキシアセトンにおいて顕著に高い電導度が発現する理由は、メトキシアセトンがアセチルアセトンおよびメトキシ酢酸メチルに比して顕著に高い解離能を有するためと考えられる。
メトキシアセトン:0.83mPa・s
アセチルアセトン:0.75mPa・s
メトキシ酢酸メチル:1.01mPa・s
実施例1、実施例5〜7ならびに実施例8〜9の結果から、メトキシアセトンの体積比率が高くなる程、電導度が向上する傾向が認められる。したがって溶媒にメトキシアセトンが50vоl%以上含まれてもよいと考えられる。溶媒にメトキシアセトンが70vоl%以上含まれてもよいと考えられる。溶媒はメトキシアセトンのみからなるものであってもよいと考えられる。
実施例1〜4の結果から、Li塩の濃度が0.7mоl/L以上1.5mоl/L以下である範囲において、電導度が向上する傾向が認められる。Li塩の濃度が1.1mоl/L以上1.5mоl/L以下である範囲において、電導度が向上する傾向も認められる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
10 電極群、11 正極、12 負極、13 セパレータ、100 電池(リチウムイオン電池)、101 ケース。

Claims (7)

  1. リチウムイオン電池用の電解液であって、
    溶媒およびリチウム塩を少なくとも含み、
    前記溶媒はメトキシアセトンを少なくとも含む、
    電解液。
  2. 前記溶媒にメトキシアセトンが50vol%以上含まれる、
    請求項1に記載の電解液。
  3. 前記溶媒にメトキシアセトンが70vol%以上含まれる、
    請求項2に記載の電解液。
  4. 前記溶媒はメトキシアセトンのみからなる、
    請求項3に記載の電解液。
  5. 前記リチウム塩の濃度は0.7mоl/L以上1.5mоl/L以下である、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電解液。
  6. 前記リチウム塩の濃度は1.1mоl/L以上1.5mоl/L以下である、
    請求項5に記載の電解液。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の前記電解液を少なくとも含む、
    リチウムイオン電池。
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