以下、添付図面を参照して、本願の開示する駐車制御装置、駐車制御システムおよび駐車制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<1.第1実施形態>
<1.1.駐車制御方法の概要>
以下では先ず、第1実施形態に係る駐車制御方法の概要について図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る駐車制御方法の概要を示す図である。
第1実施形態に係る駐車制御方法は、例えば車両Cが備える駐車制御装置10によって実行される。図1の上段図に示すように、自動車などの車両Cには、駐車制御システム1が搭載され、かかる駐車制御システム1は、駐車制御装置10および車両制御装置40を備える。なお、以下では、車両Cを「自車両C」と記載する場合がある。
駐車制御装置10は、後述する自車両Cの駐車制御を行う。なお、駐車制御装置10の具体的な構成については、図2を参照して説明する。
車両制御装置40は、例えば運転者によって、アクセルペダル、ブレーキペダルやハンドル等に対する運転操作がなされると、運転操作に応じてエンジン等の駆動源、ブレーキ装置や操舵装置(いずれも図示せず)等を制御して、自車両Cの挙動を制御する。
また、車両制御装置40は、運転者の運転操作を要しない自動運転制御を行うことができる。例えば、車両制御装置40は、GPS(Global Positioning System)の情報や図示しないカメラで撮像された自車両Cの周辺の画像情報等に基づいて自車両Cを制御し、後述する目標駐車枠まで自動運転で走行させて駐車させることができる。
以下、自車両Cが自動運転制御によって駐車場200で駐車を行う場合を例に挙げて説明する。駐車場200は、複数の駐車枠210と、駐車場管理装置220とを備える。
図1の上段図に示す例では、複数の駐車枠210のうちいくつかの駐車枠210には、既に駐車車両Cxが止められている一方、紙面右側の駐車枠210には駐車車両Cxがなく空き状態であるものとする。
なお、以下では、空き状態の駐車枠210を「空き駐車枠」と記載する場合がある。また、図1の上段図では、紙面右側の空き駐車枠を破線Aで囲み、以下、かかる空き駐車枠を「空き駐車枠A」と記載する場合がある。
複数の駐車枠210にはそれぞれ、駐車車両Cxを検出する車両検出センサ(図示せず)が設けられ、駐車車両Cxを検出した場合に検出信号を駐車場管理装置220へ出力する。なお、車両検出センサとしては、赤外線センサや重量センサなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。
駐車場管理装置220は、例えば駐車場200の全体を管理するセンタサーバである。駐車場管理装置220は、上記した車両検出センサの検出信号に基づいて駐車場200内の駐車枠210の空き状況の情報を得る。なお、駐車場管理装置220は、車両検出センサの検出信号に限らず、例えば駐車場200に設置される場内カメラ(図示せず)などによって撮像された画像を解析して空き状況の情報を得るようにしてもよい。
また、駐車場管理装置220は、各車両C,Cxと相互に通信可能とされる。なお、駐車場管理装置220は、外部装置の一例である。
上記のように構成された駐車場200において、自動運転制御を用いた自車両Cの駐車制御(いわゆる自動バレー駐車)が行われる。なお、図1の上段図に示すように、先ず、駐車場200の入口230の前に自車両Cが止まっているものとする。
駐車制御装置10は、例えば運転者などのユーザが自車両Cから降車した後、ユーザによって自動運転制御による駐車を要求するボタン操作がなされると、自車両Cの車両サイズ情報等を含む車両情報を駐車場管理装置220へ送信する(ステップS1)。
次に、駐車場管理装置220は、送信された車両情報と空き状況の情報とに基づき、複数の駐車枠210の中から例えば自車両Cの車両サイズに適した空き駐車枠Aを一つ指定し、指定された駐車枠である指定駐車枠(ここでは空き駐車枠A)を示す情報を自車両Cへ送信する(ステップS2)。
駐車制御装置10は、駐車場管理装置220から送信された指定駐車枠の情報を取得する(ステップS3)。次に、駐車制御装置10は、指定駐車枠を、目標とする駐車枠である目標駐車枠として設定し、これにより目標駐車枠までの自動運転制御が車両制御装置40によって開始される(ステップS4)。
ところで、駐車場200内の駐車枠210の空き状況は、時間の経過とともに変化し得る。具体的には、図1の中段図に示すように、例えば自車両Cが目標駐車枠(ここでは空き駐車枠A)まで移動する途中で、駐車車両Cxのうちの1台が出庫されることがある。なお、図1の中段図では、出庫される駐車車両Cxを符号Cx1で示した。
これにより、複数の駐車枠210のうち空き状態の駐車枠210は、空き駐車枠Aおよび空き駐車枠Bとなり、空き状況が変化する。従来技術にあっては、入口230で設定された目標駐車枠に対して駐車が行われるため、自車両Cは、空き駐車枠Bを通過して空き駐車枠Aに駐車され、結果として自車両Cの駐車効率の低下を招くおそれがあった。
そこで、本実施形態に係る駐車制御方法では、自車両Cの目標駐車枠までの移動中に、空き駐車枠の検出を行うようにした(ステップS5)。なお、図1の中段図では、駐車制御装置10は、空き駐車枠Bを検出したものとする。
そして、図1の下段図に示すように、駐車制御装置10は、入口230で設定された目標駐車枠を空き駐車枠Bに変更する(ステップS6)。これにより、自車両Cは、新たに設定された目標駐車枠(ここでは空き駐車枠B)に駐車されることとなる。
このように、本実施形態にあっては、目標駐車枠までの移動中に検出された空き駐車枠Bに自車両Cを駐車することで、空き駐車枠Aに駐車させる場合に比べて早期に駐車を行うことができ、よって駐車場200内における自車両Cの駐車効率を向上させることができる。
また、本実施形態にあっては、自車両Cの移動距離も空き駐車枠Aに駐車させる場合に比べて短くなるため、燃料消費量を減少させることができる。
さらに、本実施形態にあっては、移動途中で検出された空き駐車枠Bに目標駐車枠を変更することから、駐車車両Cxは、例えば入口230付近にある程度固まって駐車されることとなる。これにより、例えば駐車場200内に駐車車両Cxがまばらに存在する場合に比べ、防犯などの保守面で駐車場200の管理を容易に行うことが可能となる。
<1.2.駐車制御システムの全体構成>
次に、第1実施形態に係る駐車制御システム1を含む全体の構成について、図2を用いて説明する。図2は、駐車制御システム1を含む全体の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、駐車制御システム1は、上記した駐車制御装置10と、車両制御装置40と、駐車要求ボタン50と、車載センサ群51と、撮像部52とを備える。
駐車要求ボタン50は、例えば自車両Cのキーなどに設けられ、ユーザが自車両Cから降車した後に、ユーザによって操作されるとき、自動運転制御による駐車が要求されたことを示す駐車要求信号を駐車制御装置10へ出力する。
車載センサ群51は、例えば後述する空き駐車枠の検出処理や他車両の有無の判定処理、駐車完了の判定処理などに必要な情報を検出する各種の機器を含む。例えば、GPS衛星からの信号に基づいて自車両Cの現在位置を検出するGPS受信機、周囲に向けて電磁波を放射して得られた反射波から他車両などの対象物の有無や対象物までの距離や方向を測定するレーダなどが車載センサ群51に含まれるが、これらに限定されるものではない。車載センサ群51は、自車両Cの現在位置や他車両などの対象物の有無等の情報を駐車制御装置10へ出力する。
撮像部52は、自車両Cの外方(周辺)を撮像するカメラである。撮像部52は、撮像された自車両Cの周辺の画像情報を駐車制御装置10へ出力する。
駐車制御装置10は、制御部20と、記憶部30とを備える。なお、駐車制御装置10は、上記した駐車場管理装置220の他に、他車両Caの駐車制御装置110(図3参照。後述)とも相互に通信可能とされ、車車間通信を行うことができるが、これについては後述する。
制御部20は、指定駐車枠取得部21と、目標駐車枠設定部22と、周辺情報取得部23と、空き駐車枠検出部24と、他車両判定部25と、優先度判定部26と、所定駐車枠判定部27と、駐車完了判定部28と、送信部29とを備える。なお、制御部20は、例えばCPUなどを備えたマイクロコンピュータである。
記憶部30は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、車両情報31と、優先度情報32とを記憶する。
指定駐車枠取得部21は、上記した駐車要求ボタン50からの駐車要求信号が入力される。指定駐車枠取得部21は、駐車要求信号が入力されると、記憶部30に記憶された車両情報31を読み出し、車両情報31と指定駐車枠の情報を要求する信号とを駐車場管理装置220へ送信する。なお、車両情報31には、例えば自車両Cの車両サイズや車種などの情報が含まれるが、これらに限定されるものではない。
駐車場管理装置220は、車両情報31および指定駐車枠の情報を要求する信号が入力されると、上記したように、車両情報31等に基づき、指定駐車枠の情報を自車両Cへ送信する。
指定駐車枠取得部21は、駐車場管理装置220からの指定駐車枠の情報を取得し、かかる指定駐車枠の情報を目標駐車枠設定部22および所定駐車枠判定部27へ出力する。
目標駐車枠設定部22は、指定駐車枠の情報が入力されると、指定駐車枠を目標駐車枠として設定する。また、目標駐車枠設定部22は、設定された目標駐車枠を示す情報を車両制御装置40へ出力する。
車両制御装置40は、目標駐車枠の情報が入力されると、目標駐車枠までの自動運転制御を行う。例えば、車両制御装置40は、自車両Cの現在位置から目標駐車枠までの経路を算出する。また、車両制御装置40には、車載センサ群51や撮像部52からの情報が入力され、かかる情報と算出した経路とに基づいて自車両Cを目標駐車枠まで自動走行させる。
そして、車両制御装置40は、自車両Cが目標駐車枠付近まで到達すると、例えば撮像部52からの画像情報を解析して目標駐車枠の枠線を検出し、枠線内に止まるように自車両Cを制御して駐車を行う。
周辺情報取得部23は、車載センサ群51や撮像部52からの情報が入力される。周辺情報取得部23は、入力された情報を空き駐車枠検出部24、他車両判定部25および駐車完了判定部28へ出力する。
空き駐車枠検出部24は、車両制御装置40による自動走行で自車両Cが目標駐車枠まで移動しているときに、空き駐車枠の検出を行う。例えば空き駐車枠検出部24は、自車両Cの移動中に撮像部52で撮像された画像情報を解析することで、経路沿いの駐車枠210の中で空き駐車枠の検出を行う。そして、空き駐車枠検出部24は、空き駐車枠の検出結果を示す情報を目標駐車枠設定部22および他車両判定部25へ出力する。
目標駐車枠設定部22は、空き駐車枠検出部24によって空き駐車枠が検出されなかった場合、目標駐車枠を変更しない。すなわち、駐車場200の入口230(図1参照)で設定された目標駐車枠までの自車両Cの自動走行が継続される。
他車両判定部25は、空き駐車枠検出部24によって空き駐車枠が検出された場合、例えば車載センサ群51や撮像部52からの情報に基づき、空き駐車枠の周囲に移動中の他車両Caが存在するか否かを判定する。
なお、「移動中の他車両」とは、例えば自車両Cの目標駐車枠とは異なる目標駐車枠まで自動運転で走行している他車両Ca(図3参照)の意味である。また、本明細書中の「移動中」とは、自車両Cまたは他車両Caが物理的に移動している状態に限定されるものではなく、例えば自車両Cまたは他車両Caが停止している場合であっても、目標駐車枠へ向かう途中であれば、「移動中」に含まれるものとする。
そして、他車両判定部25は、移動中の他車両Caが存在するか否かの判定結果を示す情報を目標駐車枠設定部22および優先度判定部26へ出力する。
目標駐車枠設定部22は、他車両判定部25によって他車両Caが存在しないと判定された場合、目標駐車枠を空き駐車枠に変更する。そして、目標駐車枠設定部22は、変更された目標駐車枠を示す情報を車両制御装置40へ出力する。
車両制御装置40は、変更された目標駐車枠までの経路を再度算出し、算出された経路に基づいて自車両Cを目標駐車枠まで自動走行させて駐車を行う(図1の下段図参照)。
このように、本実施形態にあっては、自車両Cが最初に設定された目標駐車枠へ移動する途中で空き駐車枠が検出された場合、目標駐車枠を検出された空き駐車枠に変更するようにしたので、最初に設定された目標駐車枠へ自車両Cを駐車させる場合に比べて早期に駐車を行うことができ、よって駐車場200内における自車両Cの駐車効率を向上させることができる。
優先度判定部26は、他車両判定部25によって他車両Caが存在すると判定された場合、空き駐車枠に対する自車両Cおよび他車両Caの優先度を、優先度情報32に基づいて判定する。そして、後述するように、自車両Cおよび他車両Caのうち優先度の高いと判定された方の目標駐車枠が空き駐車枠に変更される。
ここで、優先度判定部26によって行われる優先度判定について図3等を参照して説明する。図3は、優先度判定部26によって行われる優先度判定を説明するための図である。なお、図3では、空き駐車枠検出部24によって空き駐車枠Bが検出され、かつ、他車両判定部25によって空き駐車枠Bの周囲に他車両Caが存在すると判定された場面を一例として示している。
図3に示すように、空き駐車枠Bの周囲に他車両Caが存在すると判定され、空き駐車枠Bに対する駐車が競合した場合、駐車制御装置10の優先度判定部26(図2参照)は、記憶部30に記憶された自車両Cの優先度情報32を取得する。また、優先度判定部26は、他車両Caの駐車制御装置110と車車間通信を行い、他車両Caの優先度情報32を取得する。
図4は、優先度判定部26によって取得された自車両Cおよび他車両Caの優先度情報32の一例を示す図である。
図4に示すように、優先度情報32には、駐車場管理装置220から指定駐車枠を示す情報を取得した取得時間情報、現在位置から空き駐車枠までの距離情報、車両サイズ情報、乗員数情報、駐車場200の利用回数情報、および、駐車場200の利用頻度情報などが含まれる。なお、駐車場200の利用回数情報および利用頻度情報は、駐車場200の利用履歴情報の一例である。
優先度判定部26は、自車両Cの取得時間情報と他車両Caの取得時間情報とを比較し、例えば取得時間の早い方を優先度が高いと判定することができる。すなわち、自車両Cおよび他車両Caのうち、取得時間の早い方が駐車場200に先に入場していることから、優先度判定部26は、取得時間の早い方を優先度が高いと判定し、目標駐車枠を空き駐車枠に変更させるようにした。これにより、駐車場200に入場した順番で駐車が行われることとなり、駐車場200内における自車両Cおよび他車両Caの駐車効率を向上させることができる。
また、優先度判定部26は、自車両Cと他車両Caとの距離情報を比較し、例えば距離の短い方を優先度が高いと判定することができる。すなわち、自車両Cおよび他車両Caのうち、空き駐車枠までの距離の短い方が早期に駐車を行えることから、優先度判定部26は、距離の短い方を優先度が高いと判定し、目標駐車枠を空き駐車枠に変更させるようにした。これにより、駐車場200内における自車両Cや他車両Caを可能な限り早く駐車させることができ、駐車効率を向上させることができる。
また、優先度判定部26は、自車両Cと他車両Caとの車両サイズ情報を比較し、空き駐車枠の大きさに適した車両サイズの方を優先度が高いと判定することができる。すなわち、駐車場200によっては、例えば大型車両用の駐車枠の数が比較的少ない場合がある。かかる場合に、大型車両である自車両Cと小型車両である他車両Caとが、大型車両用の空き駐車枠で競合したとき、優先度判定部26は、自車両Cを優先度が高いと判定し、目標駐車枠を空き駐車枠に変更させるようにした。これにより、駐車場200内において自車両Cや他車両Caを車両サイズに適した駐車枠210に駐車させることができ、駐車効率を向上させることができる。
また、優先度判定部26は、自車両Cと他車両Caとの乗員数情報を比較し、例えば乗員数の多い方を優先度が高いと判定することができる。すなわち、例えば、入口と出口とが隣接しているような駐車場200である場合、入口により近い駐車枠210に駐車した方が、出庫の際に早期に出口へ到達できる。そこで、優先度判定部26は、例えば乗員数の多い自車両Cを優先度が高いと判定し、目標駐車枠を空き駐車枠に変更させるようにした。これにより、乗員数の多い自車両Cの出庫の待ち時間を短縮できることから、多くの乗員に対して満足感を与えつつ駐車効率を向上させることができる。
また、優先度判定部26は、自車両Cと他車両Caとの駐車場200の利用回数情報や利用頻度情報を比較し、例えば利用回数や利用頻度の多い方を優先度が高いと判定することができる。すなわち、優先度判定部26は、例えば利用回数等の多い自車両Cを優先度が高いと判定し、目標駐車枠を空き駐車枠に変更させるようにした。これにより、利用回数や利用頻度の多いユーザの自車両Cの出庫の待ち時間を短縮できることから、ユーザに対して満足感を与えつつ駐車効率を向上させることができる。
なお、優先度判定部26は、複数種ある優先度情報32のうちの一つに基づいて優先度判定を行ってもよいし、複数種の優先度情報32を組み合わせて優先度を判定するようにしてもよい。
なお、優先度情報32には、判定順位が関連付けて記憶されるようにしてもよい。判定順位は、優先度情報32として記憶される各種の情報間での優先順位を示している。すなわち、例えば判定順位が1位である取得時間情報について、自車両Cと他車両Caとで同じ時間であった場合、優先度判定部26は、判定順位が2位である距離情報を比較して優先度を判定するようにしてもよい。
これにより、本実施形態に係る優先度判定部26にあっては、自車両Cと他車両Caとの優先度を確実に判定することができる。なお、図4において、優先度情報32として記憶される各種情報や判定順位の具体的な数値を示したが、これらはあくまでも例示であって限定されるものではない。
また、上記では、優先度判定部26は、他車両Caから優先度情報32を直接取得するようにしたが、これに限られず、例えば駐車場管理装置220などから他車両Caの優先度情報32を取得してもよい。
優先度判定部26は、上記のようにして行った優先度の判定結果を示す情報を目標駐車枠設定部22へ出力する。そして、目標駐車枠設定部22は、優先度判定部26の判定結果に基づいて目標駐車枠の設定を行う。
具体的に、目標駐車枠設定部22は、空き駐車枠に対する自車両Cの優先度が他車両Caの優先度よりも高い場合、目標駐車枠を空き駐車枠に変更する。逆に言えば、目標駐車枠設定部22は、自車両Cの優先度が他車両Caの優先度よりも低い場合、目標駐車枠を空き駐車枠に変更しない。
これにより、自車両Cおよび他車両Caのうち、優先度の高い方が空き駐車枠に駐車されることとなり、よって駐車場200内における自車両Cおよび他車両Caの駐車効率を向上させることができる。
また、優先度判定部26は、優先度の判定結果を示す情報を他車両Caの駐車制御装置110へ出力するようにしてもよい。これにより、自車両Cおよび他車両Caとの間で、優先度の判定結果を共有できることから、優先度の高い方の空き駐車枠への駐車をスムーズに行うことが可能となる。
所定駐車枠判定部27には、上記したように、指定駐車枠取得部21から指定駐車枠の情報が入力される。そして、所定駐車枠判定部27は、目標駐車枠として設定された指定駐車枠が所定条件を満たす所定駐車枠であるか否かを判定する。ここで、所定条件には、例えば指定駐車枠がユーザによって指定された駐車枠210であるという条件等が含まれる。
具体的には、例えば駐車場200への入庫の際、ユーザから駐車場管理装置220に対し、駐車場200の特定のエリア(例えば特定の出口付近)での駐車を要求された場合、駐車場管理装置220は、特定のエリアの駐車枠210を指定駐車枠として指定する。これにより、目標駐車枠設定部22では、指定駐車枠が目標駐車枠に設定され、目標駐車枠までの自動運転制御が行われる。
このとき、仮に自車両Cの目標駐車枠への移動中に空き駐車枠が検出された場合、目標駐車枠は、ユーザによって指定された指定駐車枠であることから、上記したような目標駐車枠を空き駐車枠に変更する処理は行われない方が好ましい。
そこで、本実施形態にあっては、先ず、所定駐車枠判定部27は、指定駐車枠が所定駐車枠であるか否かを判定するようにした。所定駐車枠判定部27は、判定結果を示す情報を目標駐車枠設定部22へ出力する。
そして、目標駐車枠設定部22は、空き駐車枠検出部24によって空き駐車枠が検出され、かつ、所定駐車枠判定部27によって指定駐車枠が所定駐車枠であると判定された場合、目標駐車枠の空き駐車枠への変更を禁止するようにした。
これにより、本実施形態にあっては、例えばユーザによって指定された指定駐車枠が目標駐車枠である場合に、目標駐車枠の空き駐車枠への変更が禁止されることから、ユーザの要求を満たしつつ駐車効率を向上させることができる。
駐車完了判定部28は、周辺情報取得部23から入力される車載センサ群51や撮像部52からの情報に基づき、自車両Cの目標駐車枠への駐車が完了したか否かを判定する。駐車完了判定部28は、自車両Cの目標駐車枠への駐車が完了したと判定された場合、駐車の完了を示す完了信号を送信部29へ出力する。なお、本明細書における「駐車の完了」とは、例えば自車両Cが目標駐車枠の枠線内に停止したことを意味するが、これに限定されるものではない。
送信部29は、駐車完了判定部28によって目標駐車枠への駐車が完了したと判定されて完了信号が入力された場合、自車両Cが駐車した目標駐車枠を示す情報を駐車場管理装置220へ送信する。
これにより、駐車場管理装置220にあっては、送信部29から送信された目標駐車枠に自車両Cが駐車されたという情報を早期に取得することができるため、駐車場200内の駐車枠210の正確な空き状況の情報を常に得ることができる。
<1.3.第1実施形態に係る駐車制御装置の制御処理>
次に、駐車制御装置10における具体的な処置手順について図5以降を用いて説明する。図5は、駐車制御装置10が実行する駐車制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、駐車制御装置10の制御部20は、目標駐車枠を設定する処理を実行する(ステップS10)。図6は、目標駐車枠設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、制御部20は、自車両Cの車両情報を駐車場管理装置220へ送信する(ステップS100)。次いで、制御部20は、駐車場管理装置220から送信された指定駐車枠の情報を取得する(ステップS101)。
続いて、制御部20は、指定駐車枠を目標駐車枠として設定する(ステップS102)。次いで、制御部20は、自車両Cが目標駐車枠まで移動しているときに空き駐車枠が検出されたか否かを判定する(ステップS103)。
制御部20は、空き駐車枠が検出されないと判定された場合(ステップS103,No)、ステップS102で設定された目標駐車枠の情報を車両制御装置40へ出力する(ステップS104)。これにより、自車両Cは、車両制御装置40によって目標駐車枠まで自動運転制御されて駐車される。
一方、制御部20は、空き駐車枠が検出されたと判定された場合(ステップS103,Yes)、目標駐車枠として設定された指定駐車枠が所定駐車枠であるか否かを判定する(ステップS105)。
制御部20は、指定駐車枠が所定駐車枠ではないと判定された場合(ステップS105,No)、空き駐車枠の周囲に移動中の他車両Caが存在するか否かを判定する(ステップS106)。
制御部20は、周囲に他車両Caが存在すると判定された場合(ステップS106,Yes)、空き駐車枠に対する自車両Cおよび他車両Caの優先度を判定する(ステップS107)。
次いで、制御部20は、自車両Cの優先度が他車両Caの優先度よりも高いか否かを判定する(ステップS108)。そして、制御部20は、自車両Cの優先度が他車両Caよりも高い場合(ステップS108,Yes)、目標駐車枠を空き駐車枠に変更する(ステップS109)。
そして、制御部20は、ステップS104に進み、変更した目標駐車枠の情報を車両制御装置40へ出力する。これにより、自車両Cは、車両制御装置40によって変更された目標駐車枠に駐車される。
他方、制御部20は、自車両Cの優先度が他車両Caの優先度よりも低い場合(ステップS108,No)、ステップS109をスキップして目標駐車枠を空き駐車枠に変更しない、言い換えると、ステップS102で設定された目標駐車枠を維持する。
ここで、自車両Cの優先度が他車両Caよりも低い場合、目標駐車枠が維持されるため、車両制御装置40は、自車両Cを目標駐車枠へ移動させるが、その際、優先度の高い他車両Caの空き駐車枠に対する駐車が開始され、自車両Cの目標駐車枠へ移動の妨げとなる場合がある。かかる場合、車両制御装置40は、他車両Caが自車両Cの目標駐車枠への移動の妨げとならなくなるまで、自車両Cを停止させた後、自車両Cを目標駐車枠へ移動させるようにしてもよい。
図6の説明を続けると、制御部20は、周囲に他車両Caが存在しないと判定された場合(ステップS106,No)、ステップS109に進み、目標駐車枠を空き駐車枠に変更する。
また、制御部20は、指定駐車枠が所定駐車枠であると判定された場合(ステップS105,Yes)、目標駐車枠の空き駐車枠への変更を禁止する(ステップS110)。
図5の説明に戻ると、制御部20は、自車両Cの目標駐車枠への駐車完了処理を実行する(ステップS11)。図7は、駐車完了処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、制御部20は、自車両Cの目標駐車枠への駐車が完了したか否かを判定する(ステップS200)。制御部20は、自車両Cの目標駐車枠への駐車が完了したと判定された場合(ステップS200,Yes)、自車両Cが駐車した目標駐車枠を示す情報を駐車場管理装置220へ送信する(ステップS201)。
他方、制御部20は、自車両Cの目標駐車枠への駐車が完了したと判定されない場合(ステップS200,No)、ステップS201をスキップして処理を終了する。
上述してきたように、第1実施形態に係る駐車制御装置10は、指定駐車枠取得部21と、目標駐車枠設定部22と、空き駐車枠検出部24とを備える。指定駐車枠取得部21は、駐車場200の複数の駐車枠210のうち駐車場管理装置220(外部装置の一例)によって指定された駐車枠である指定駐車枠を示す情報を取得する。目標駐車枠設定部22は、指定駐車枠を目標とする駐車枠である目標駐車枠として設定する。
空き駐車枠検出部24は、自車両Cの目標駐車枠までの移動中に、空き状態の駐車枠である空き駐車枠を検出する。また、目標駐車枠設定部22は、空き駐車枠検出部24によって空き駐車枠が検出された場合、設定された目標駐車枠を当該空き駐車枠に変更する。これにより、駐車場内における車両の駐車効率を向上させることができる。
なお、設定された目的駐車枠を当該空き駐車枠に変更した後にも、制御部20は、図7に示すように、自車両Cの目的駐車枠への駐車が完了したか否かを判定する(ステップS200)。そして、制御部20は、自車両Cの変更された目的駐車枠への駐車が完了したと判定された場合(ステップS200,Yes)、自車両Cが駐車した目的駐車枠、言い換えると変更された目的駐車枠を示す情報を駐車場管理装置220へ送信する(ステップS201)。これにより、駐車場管理装置220は、指定駐車枠とは異なる駐車枠へ自車両Cが駐車したことを認識することができる。このため、駐車場管理装置220は、自車両Cが駐車した駐車枠を他の車両に対して指定駐車枠として設定することがない。
ここで、駐車場管理装置220における制御処理の一例について図8を参照して説明する。図8は、駐車場管理装置220が実行する駐車制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、駐車場管理装置220は、車両情報と指定駐車枠の情報を要求する信号とを自車両Cから受信したかを判定する(ステップS1000)。駐車場管理装置220は、車両情報等を受信したと判定される場合(ステップS1000,Yes)、車両情報や空き状況の情報等に基づき、指定駐車枠の情報を自車両Cへ送信する(ステップS1001)。
次いで、駐車場管理装置220は、駐車場200の空き状況の情報を更新する(ステップS1002)。詳しくは、自車両Cへ送信した指定駐車枠には自車両Cの駐車が予定されることから、駐車場管理装置220は、かかる指定駐車枠に自車両Cが駐車予定であることを示す情報が空き状況の情報に含まれるように、空き状況の情報を更新する。これにより、駐車場管理装置220は、自車両Cへ送信した指定駐車枠を、他の車両に対して指定駐車枠として設定しないようにすることが可能となる。
なお、駐車場管理装置220は、車両情報等を受信したと判定されない場合(ステップS1000,No)、上記したステップS1001,S1002の処理をスキップする。
次いで、駐車場管理装置220は、自車両Cの駐車が完了し、駐車した目標駐車枠を示す情報を自車両Cから受信した否かを判定する(ステップS1003)。
駐車場管理装置220は、目標駐車枠を示す情報を受信したと判定される場合(ステップS1003,Yes)、空き状況の情報を更新する(ステップS1004)。詳しくは、駐車場管理装置220は、受信した目標駐車枠を、空き状況の情報に含まれる空き駐車枠の情報から外すように、空き状況の情報を更新する。これにより、駐車場管理装置220は、自車両Cが駐車した駐車枠を他の車両に対して指定駐車枠として設定することがないことは、既に述べた通りである。
他方、駐車場管理装置220は、目標駐車枠を示す情報を受信したと判定されない場合(ステップS1003,No)、ステップS1004をスキップして処理を終了する。
<1.4.第1変形例>
次に、第1変形例に係る駐車制御装置10が実行する駐車制御処理について説明する。第1変形例に係る駐車制御装置10は、例えば、設定された目的駐車枠を検出された空き駐車枠に変更した場合に、変更後の目的駐車枠の情報などを含む駐車枠に関する情報を駐車場管理装置220へ送信するようにした。
図9は、第1変形例における目標駐車枠設定処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図9および後述する図10,11においては、第1の実施形態と同一の処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略することがある。
図9に示すように、駐車制御装置10の制御部20は、ステップS100〜S110の処理を行い、自車両Cの目的駐車枠の設定処理を行う。例えば、制御部20は、設定された目的駐車枠を検出された空き駐車枠に変更する処理を行ったり、空き駐車枠が検出された場合であっても目的駐車枠を変更しない処理を行ったりする。
そして、制御部20は、駐車枠に関する情報を駐車場管理装置220へ送信する(ステップS111)。上記した駐車枠に関する情報には、例えば、変更後の目的駐車枠の情報や、目的駐車枠を変更しない場合に目的駐車枠に変更されなかった空き駐車枠の情報などが含まれるが、これらに限定されるものではない。なお、制御部20は、ステップS111の処理後、ステップS104の処理を行う。
次いで、上記した駐車枠に関する情報が送信される駐車場管理装置220における制御処理について図10を参照して説明する。図10は、第1変形例に係る駐車場管理装置220が実行する駐車制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、駐車場管理装置220は、ステップS1000〜S1002の処理を行った後に、駐車した目標駐車枠を示す情報を受信したと判定されない場合(ステップS1003,No)、駐車枠に関する情報を自車両Cから受信したかを判定する(ステップS1005)。
駐車場管理装置220は、駐車枠に関する情報を受信したと判定される場合(ステップS1005,Yes)、空き状況の情報を更新する(ステップS1004)。詳しくは、例えば、駐車枠に関する情報に変更後の目的駐車枠の情報が含まれる場合、変更後の目的駐車枠には自車両Cの駐車が予定されることから、駐車場管理装置220は、変更後の目的駐車枠に自車両Cが駐車予定であることを示す情報が空き状況の情報に含まれるように、空き状況の情報を更新する。これにより、駐車場管理装置220は、変更後の目的駐車枠を、他の車両に対して指定駐車枠として設定しないようにすることが可能となる。
また、変更前の目的駐車枠は、自車両Cが駐車されず、空き駐車枠となることから、駐車場管理装置220は、空き状況の情報に変更前の目的駐車枠が空き駐車枠として含まれるように、空き状況の情報を更新する。これにより、駐車場管理装置220は、空き駐車枠となった変更前の目的駐車枠を、他の車両に対して指定駐車枠として設定することが可能となり、駐車場内における車両の駐車効率を向上させることができる。
また、駐車枠に関する情報に、目的駐車枠に変更されなかった空き駐車枠の情報が含まれる場合、駐車場管理装置220は、自車両Cによって検出された空き駐車枠が空き状況の情報に含まれるように、空き状況の情報を更新する。これにより、第1変形例にあっては、自車両Cによって検出された空き駐車枠を空き状況の情報に早期に反映させることが可能となる。
他方、駐車場管理装置220は、駐車枠に関する情報を受信したと判定されない場合(ステップS1005,No)、ステップS1004をスキップして処理を終了する。
<1.5.第2変形例>
次に、第2変形例に係る駐車制御装置10が実行する駐車制御処理について説明する。第2変形例に係る駐車制御装置10は、例えば、自車両Cと他車両Caとの優先度の判定を行った後、かかる優先度の判定結果を示す情報を他車両Caの駐車制御装置110へ送信するようにした。また、例えば、駐車制御装置10は、自身で優先度の判定を行う前に、他車両Caの駐車制御装置110から優先度の判定結果を示す情報を受信した場合、受信した判定結果を示す情報に基づいて、自車両Cの優先度が他車両Caの優先度よりも高いか否かを判定して目的駐車枠の設定を行うようにした。これにより、駐車制御装置10等における処理負荷を軽減することができる。以下、第2変形例について図11を参照して詳説する。
図11は、第2変形例における目標駐車枠設定処理の処理手順を示すフローチャートである。図11に示すように、駐車制御装置10の制御部20は、ステップS100〜S106の処理を行い、周囲に他車両Caが存在すると判定された場合(ステップS106,Yes)、他車両Caの駐車制御装置110から優先度の判定結果を示す情報を受信したか否かの判定を行う(ステップS106a)。
制御部20は、他車両Caから優先度の判定結果を示す情報を受信したと判定されない場合(ステップS106a,No)、ステップS107に進み、空き駐車枠に対する自車両Cおよび他車両Caの優先度を判定する。
そして、制御部20の優先度判定部26(図2参照)は、優先度の判定結果を示す情報を他車両Caの駐車制御装置110へ送信する(ステップS107a)。これにより、例えば、他車両Caの駐車制御装置110において優先度の判定を行っていない場合、他車両Caの駐車制御装置110は、自身で優先度の判定処理を行わず、受信した優先度の判定結果を用いて目的駐車枠の設定を行うことが可能となり、よって処理負荷を軽減することができる。
他方、制御部20は、他車両Caから優先度の判定結果を示す情報を受信したと判定された場合(ステップS106a,Yes)、ステップS107,S107aをスキップしてS108以降に進み、他車両Caから受信した優先度の判定結果を用いて目的駐車枠の設定を行う。このように、制御部20の優先度判定部26(図2参照)は、他車両Caから優先度の判定結果を示す情報を受信した場合、自身で優先度の判定処理を行わない。そして、制御部20は、他車両Caから受信した優先度の判定結果を用いて目的駐車枠の設定を行うことで、自身で優先度の判定処理を行う場合に比べ、処理負荷を軽減することができる。
なお、上記した第1実施形態および各変形例において、自車両Cから目標駐車枠までの経路が車両制御装置40によって算出されるようにしたが、これに限られず、駐車制御装置10または駐車場管理装置220によって算出されるようにしてもよい。
また、上記では、空き駐車枠検出部24は、撮像部52の画像情報に基づいて空き駐車枠を検出するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、空き駐車枠検出部24は、出庫される駐車車両Cx1(図1の中段図参照)と車車間通信を行い、出庫される駐車車両Cx1から出庫したことを示す出庫情報を取得することで、空き駐車枠を検出するようにしてもよい。
また、上記した駐車場200における駐車は、運転者が降車してから行われるが、これに限定されるものではなく、例えば運転者が乗車したままで行われるようにしてもよい。
<2.第2実施形態>
<2.1.出庫制御方法の概要>
次に、第2実施形態に係る駐車システムSについて説明する。なお、以下、第1実施形態と同じ構成要素には同一符号を付し、説明を省略することがある。先ず、第2実施形態に係る駐車制御方法の概要について図12を参照して説明する。ここでは、駐車制御方法として、車両を駐車場から出庫する出庫制御方法を説明する。図12は、第2実施形態に係る出庫制御方法の概要を示す図である。
第2実施形態に係る出庫制御方法は、例えば駐車システムSに含まれる駐車場管理装置220aによって実行される。図12に示すように、駐車システムSには、駐車場管理装置220aを有する駐車場200aと、駐車制御システム1と、端末装置300とが含まれる。駐車制御システム1は、駐車場200aに駐車された車両Cに搭載される。また、端末装置300は、車両Cの運転手であるユーザUが所有しているものとする。
以下、駐車場200aに駐車された自車両Cが自動運転制御によって駐車場200aから出庫を行う場合を例に挙げて説明する。駐車場200aは、複数の駐車枠210と、駐車場管理装置220aと、複数の乗車場240と、出口230aとを備える。
乗車場240は、ユーザUである運転手や車両Cの同乗者等が車両Cに乗車するための場所であり、駐車場200a内に複数設けられる。なお、図12では、乗車場240を3カ所としているが、これに限定されず、乗車場240が2カ所あるいは4カ所以上あってもよい。また、図12では、駐車場200aの出口230aを1カ所としているが、これに限定されず、出口230aが2カ所以上あってもよい。また、乗車場240は、単数の乗車場の中に複数の乗車可能な場所があればよい。
駐車場管理装置220aは、後述する自車両Cの駐車制御のうち出庫制御を行う駐車制御装置として動作する。なお、以下、出庫制御を行う駐車制御装置を出庫制御装置とも記載する。また、駐車場管理装置220aの具体的な構成については、図13を参照して説明する。
上記のように構成された駐車場200aにおいて、自動運転制御を用いた自車両Cの出庫制御が行われる。なお、図12の上段図に示すように、先ず駐車場200aに自車両Cが駐車されているものとする。
駐車場管理装置220aは、駐車場200aに向かうユーザUの端末装置300から、自動運転制御による出庫を要求する出庫指示を受信する(ステップS1)。
端末装置300から出庫指示を受信すると、駐車場管理装置220aは、ユーザUが乗車場240で自車両Cに乗車するまでの乗車予測時間を算出する(ステップS2)。具体的には、駐車場管理装置220aは、ユーザUが現在位置から乗車場240まで移動し、自車両Cに乗車するまでにかかる時間を複数の乗車場240ごとに乗車予測時間として算出する。例えば、駐車場管理装置220aは、ユーザUの現在位置から乗車場240までの距離に加え、ユーザUの年齢やユーザUの現在位置から乗車場240までの間の道のりの混雑状況等を考慮して乗車予測時間を算出する。
次に、駐車場管理装置220aは、車両Cが乗車場240から出口230aに到着するまでの出口到着時間を算出する(ステップS3)。具体的に、駐車場管理装置220aは、車両Cが各乗車場240から出口230aに到着するまで(図12の矢印A12、A22参照)の出口到着時間を算出する。駐車場管理装置220aは、各乗車場240から出口230aまで距離に加え、例えばユーザUからの出庫指示の数を考慮して出口到着時間を予測する。なお、駐車場200aに複数の出口230aが設けられる場合、駐車場管理装置220aは、各乗車場240から各出口230aまでのそれぞれの出口到着時間を算出する。
駐車場管理装置220aは、車両Cが駐車場200aの出口230aから目的地に到着するまでの目的地到着時間を算出する(ステップS4)。具体的に、駐車場管理装置220aは、端末装置300から出庫後の目的地を取得すると、出口230aから取得した目的地に到着するまで(図12の矢印A4参照)の目的地到着時間を予測する。なお、駐車場200aに複数の出口230aが設けられる場合は、各出口230aから目的地までの目的地到着時間をそれぞれ算出する。また、ここでは、目的地到着時間は、駐車場管理装置220aが算出するとしたが、これに限定されない。例えば、端末装置300や自車両Cに搭載されるナビゲーション装置(図示せず)が目的地到着時間を算出するようにしてもよい。この場合、駐車場管理装置220aは、例えば出発地として出口230aの情報をナビゲーション装置に通知し、目的地到着時間をナビゲーション装置から受け取るものとする。
続いて、駐車場管理装置220aは、ステップS2〜ステップS4で算出した乗車予測時間、出口到着時間および目的地到着時間に応じて車両Cを移動させる乗車場240を決定する(ステップS5)。例えば、駐車場管理装置220aは、乗車予測時間、出口到着時間および目的地到着時間の乗車場240ごとの合計時間を算出し、算出した合計時間が短い乗車場240に車両Cを移動すると決定する。なお、出口230aが複数ある場合は、駐車場管理装置220aは、複数の乗車場240と複数の出口230aとの組み合わせごとに乗車予測時間、出口到着時間および目的地到着時間の合計時間を算出する。駐車場管理装置220aは、算出した合計時間が短い乗車場240を車両Cの移動先に決定するとともに、当該合計時間が短い出口230aをユーザUの乗車後の車両Cの移動先に決定する。
駐車場管理装置220aは、決定した乗車場240をユーザUおよび車両Cに通知する(ステップS6)。このように、駐車場管理装置220aは、決定した乗車場240をユーザUに通知することで、ユーザUを決定した乗車場240に誘導する。また、駐車場管理装置220aは、決定した乗車場240を車両Cに通知することで、車両Cの車両制御装置40により自動運転制御が行われることで、車両Cが決定した乗車場240まで移動する。
なお、出口230aが複数ある場合は、駐車場管理装置220aは、ユーザUの乗車後に移動すると決定した出口230aを車両Cに通知するものとする。これにより、例えば車両Cの車両制御装置40は、ユーザUの乗車後、自動運転制御によって車両Cを決定した出口230aまで移動させることができる。
このように、本実施形態にあっては、駐車場管理装置220aが、複数の乗車場240ごとに乗車予測時間、出口到着時間および目的地到着時間を合計し、ユーザUの現在位置から目的地までにかかる合計時間を算出する。さらに、駐車場管理装置220aが合計時間に応じてユーザUが車両Cに乗車する乗車場240を決定する。これにより、例えば目的地までの到着時間を短くしつつ、出庫効率を含む駐車効率を向上させることができる。
<2.2.駐車システムの全体構成>
次に、第2実施形態に係る駐車システムSの構成について、図13を用いて説明する。図13は、駐車システムSの構成例を示すブロック図である。
図13に示すように、駐車システムSは、上記した車両制御装置40と、端末装置300と、駐車場管理装置220aとを備える。
端末装置300は、携帯電話やスマートフォンなどの携帯機器である。端末装置300は、ユーザUから受け付けた出庫指示を駐車場管理装置220aに送信する。また、端末装置300は、駐車場管理装置220aが決定した乗車場240をユーザUに通知する。
駐車場管理装置220aは、通信部410と、制御部420と、記憶部430とを備える。
通信部410は、ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスである。通信部410は、ネットワークNを介して端末装置300および車両制御装置40に接続する。制御部420は、通信部410を介して端末装置300および車両制御装置40と通信することで、各種の情報の送受信を行うことができる。
制御部420は、出庫指示受信部421と、取得部422と、算出部426と、乗車場決定部427と、通知部428とを備える。なお、制御部420は、例えばCPUなどを備えたマイクロコンピュータである。
記憶部430は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、周辺係数情報431と、渋滞係数情報432と、ユーザ係数情報433とを記憶する。
出庫指示受信部421は、通信部410を介して、端末装置300からの出庫指示を受信する。出庫指示受信部421は、受信した出庫指示を取得部422および算出部426に通知する。
取得部422は、周辺情報取得部422aと、渋滞情報取得部422bと、ユーザ情報取得部422cと、目的地情報取得部422dとを備える。
周辺情報取得部422aは、通信部410を介して、駐車場200aの周辺情報を取得する。周辺情報には、例えば、ユーザUの現在位置との間の渋滞情報、出庫指示受信部421が受信した出庫指示の数(以下、出庫指示数と記載する)や駐車場200a周辺の天候等が含まれる。
周辺情報取得部422aは、例えば、ネットワークNを介して接続する外部装置からユーザU周辺の混雑具合を含む状況や駐車場200a周辺の天候等を取得する。あるいは、周辺情報取得部422aが、端末装置300のマイクで集音した音声情報やカメラの画像情報、または駐車場200a周辺に設けられたカメラの画像情報等に基づいてユーザUの周辺の混雑状況や天候等を取得するようにしてもよい。また、周辺情報取得部422aは、出庫指示数を出庫指示受信部421から取得する。
周辺情報取得部422aが取得した周辺情報は、後述する算出部426に出力され、乗車予測時間の算出に用いられる。なお、周辺情報取得部422aが取得する周辺情報は、乗車予測時間の算出に用いるものであればよく、上述した例に限定されない。
渋滞情報取得部422bは、通信部410を介して、駐車場200aおよび道路の渋滞情報を取得する。渋滞情報には、例えば、出庫指示数や駐車場200a周辺の渋滞状況、出庫後の目的地までの渋滞状況が含まれる。
渋滞情報取得部422bは、例えば、ネットワークNを介して接続する外部装置から駐車場200a周辺や出庫後の目的地までの渋滞状況を取得する。なお、出庫後の目的地は、後述する目的地情報取得部422dから取得するものとする。また、渋滞情報取得部422bは、出庫指示数を出庫指示受信部421から取得する。
渋滞情報取得部422bが取得した渋滞情報は、後述する算出部426に出力され、出口到着時間および目的地到着時間の算出に用いられる。なお、渋滞情報取得部422bが取得する渋滞情報は、出口到着時間および目的地到着時間の算出に用いるものであればよく、上述した例に限定されない。
ユーザ情報取得部422cは、通信部410を介してユーザUのユーザ情報を取得する。ユーザ情報には、例えば、ユーザUの現在位置やユーザUの家族構成、年齢、同伴者に関する情報、ユーザUの疲労度、ユーザUが持つ荷物の量(個数や重量)や種類等が含まれる。
ユーザ情報取得部422cは、例えば、端末装置300に搭載されたGPS情報に基づき、ユーザUの現在位置を取得する。また、ユーザ情報取得部422cは、例えば、端末装置300に登録された情報に基づき、ユーザUの家族構成や年齢等を取得する。また、ユーザ情報取得部422cは、例えば、端末装置300や駐車場200a周辺、あるいはユーザUが買い物をした店舗に設置されたカメラ画像に基づき、ユーザUが持つ荷物の量を取得する。また、ユーザ情報取得部422cは、カートやベビーカー等の荷物の種類に関する情報も取得する。なお、ユーザUが持つ荷物の量は、例えば、ユーザUのクレジットカード等による購入データから取得するようにしてもよい。また、ユーザ情報取得部422cは、駐車場200a周辺に設置されたカメラ画像に基づき、ユーザUが車両Cから降車したときに持っていた荷物の量を取得し、かかる荷物の量および買い物等で増えた荷物の量に応じてユーザUが持つ荷物の量を推定するようにしてもよい。
また、ユーザ情報取得部422cは、例えば、ユーザUの現在位置の変化からユーザUの移動速度を算出し、算出した移動速度に基づいてユーザUの疲労度を推定する。例えば、ユーザ情報取得部422cは、移動速度が遅くなった場合や移動速度がゼロになる回数が増えた場合に、ユーザUの疲労度が高いと推定する。あるいは、ユーザ情報取得部422cは、例えば、端末装置300に搭載されたマイクからユーザUの会話を取得し、会話量が少なくなった場合に疲労度が高いと推定する。また、ユーザ情報取得部422cは、「疲れた」または「きつい」といったユーザUの疲労度に関連する単語を検出した場合にユーザUの疲労度が高いと推定する。
ユーザ情報取得部422cが取得したユーザ情報は、後述する算出部426に出力され、乗車予測時間の算出に用いられる。なお、ユーザ情報取得部422cが取得するユーザ情報は、乗車予測時間の算出に用いるものであればよく、上述した例に限定されない。
目的地情報取得部422dは、通信部410を介して、端末装置300から出庫後の車両Cの目的地を取得する。例えば、出庫指示受信部421が受信する出庫指示に目的地が含まれる場合、目的地情報取得部422dは、出庫指示から目的地を取得する。あるいは、出庫指示を受信した場合に、目的地情報取得部422dが、端末装置300に対して目的地の入力を求める通知を送信し、かかる通知の返信として端末装置300から目的地を取得するようにしてもよい。また、車両Cに搭載されたナビゲーション装置(図示せず)に予め出庫後の目的地が登録されている場合は、目的地情報取得部422dが当該ナビゲーション装置から目的地を取得してもよい。
算出部426は、複数の乗車場240ごとに、ユーザUの現在位置から各乗車場240を経由して目的地に到着するまでの予測時間を算出する。かかる予測時間は、算出部426が算出する乗車予測時間、出口到着時間および目的地到着時間の合計時間である。算出部426は、乗車時間算出部426aと、出口時間算出部426bと、目的地時間算出部426cとを備える。
乗車時間算出部426aは、ユーザ情報取得部422cが取得したユーザ情報、周辺情報取得部422aが取得した周辺情報、記憶部430に記憶されるユーザ係数情報433および周辺係数情報431に基づき、乗車予測時間を算出する。
このように、乗車時間算出部426aがユーザ情報および周辺情報に基づき、乗車予測時間を算出することで、乗車予測時間をより高精度に予測することができる。
具体的に、乗車時間算出部426aは、ユーザUが現在位置から乗車場240に到着するまでの乗車場到着時間と、ユーザUが乗車場240に到着してから車両Cに乗車するまでの乗車時間とをそれぞれ複数の乗車場240ごとに算出する。
まず、乗車時間算出部426aは、ユーザUの現在位置から乗車場240までの経路を選択する。乗車時間算出部426aは、乗車場240までの距離が短くなるように経路を選択する。あるいは、ユーザUがカートやベビーカー、車椅子等を利用している場合、乗車時間算出部426aは、段差の少ない道路を経由する経路を選択する。また、例えば雨天の場合、乗車時間算出部426aは、地下道やアーケード街など雨に濡れにくい経路を選択する。このように、乗車時間算出部426aが、荷物の種類に関する情報を含むユーザ情報や周辺情報に基づいて乗車場240までの経路を選択するようにしてもよい。これにより、乗車時間算出部426aは、ユーザUや周辺状況に応じた経路を選択することができる。
なお、例えば、乗車時間算出部426aが乗車場240までの経路候補を複数選択し、経路候補の中からユーザUが経路を選択するようにしてもよい。この場合、乗車時間算出部426aは、選択した経路候補を通信部410を介して端末装置300に送信し、ユーザUの選択結果を端末装置300から受信するようにする。
乗車時間算出部426aは、選択した経路を移動した場合の乗車場到着時間を複数の乗車場240ごとに予測する。このとき、乗車時間算出部426aがユーザ情報および周辺情報を用いて乗車場到着時間を算出することで、乗車場到着時間をより精度良く算出することができる。
具体的には、乗車時間算出部426aは、選択した経路を移動した場合に乗車場240に到着する標準到着時間を算出し、算出した標準到着時間をユーザ情報および周辺情報を用いて補正することで乗車場到着時間を算出する。標準到着時間は、例えば選択した経路の距離と一般的なユーザの移動速度とに基づいて算出される。
乗車時間算出部426aは、算出した標準到着時間に、ユーザ情報および周辺情報に応じた係数を乗算することで乗車場到着時間を算出する。かかる係数は、ユーザ係数情報433および周辺係数情報431として記憶部430に予め記憶されている。
ここで、図14および図15を用いてユーザ係数情報433の一例について説明する。図14および図15は、ユーザ係数情報433の一例を示す図である。
図14には、ユーザ係数情報433の一つとして、ユーザ情報に含まれる年齢に応じた係数の一例を示す。図14に示すように、ユーザ係数情報433は、年代ごとに係数が設定される。例えば、20代の係数は「1」であり、60代の係数は「1.3」である。乗車時間算出部426aは、ユーザ情報に基づき、ユーザUの年齢ごとに係数を決定する。なお、ユーザUに同伴者がいる場合、乗車時間算出部426aは、ユーザUを含む同伴者の中で最も値が大きい係数を選択する。なお、同伴者に関する情報は、予めユーザUによって登録されているものとする。あるいは、同伴者に関する情報は、端末装置300や駐車場200a等に設けられたカメラ画像に基づいてユーザ情報取得部422cが取得するものとする。
図15には、ユーザ係数情報433の一つとして、ユーザ情報に含まれる荷物量に応じた係数の一例を示す。図15に示すように、例えば、「荷物なし」の場合は係数「1」が設定される。また、荷物の量が「片手で持てる」量である場合、係数「1.1」が設定される。乗車時間算出部426aは、ユーザ情報に基づき、荷物量に応じた係数を決定する。
このように、ユーザ係数情報433は、ユーザ情報に含まれる年齢や家族構成といった情報ごとに係数を決定するために用いられる情報である。なお、図14、図15に示す例以外にも、ユーザの疲労度に対応する係数などがユーザ係数情報433に含まれる。また、同様に、周辺係数情報431は、周辺情報に含まれる混雑状況や天候といった情報ごとに係数を決定するために用いられる情報である。例えば、選択した経路の人口密度をn段階にわけてそれぞれ係数を設定することで、混雑状況に応じた係数を設定することができる。
なお、図14、図15に示すユーザ係数情報433は一例であり、これに限定されない。図14に示すユーザ係数情報433は、年代ごとに対応する係数を設定しているが、例えば「幼児」、「子供」、「大人」等の分類ごとに対応する係数を設定してもよい。また、図14、図15に示す係数は一例であり、その他の値であってもよい。
乗車時間算出部426aは、標準到着時間に、ユーザ係数情報433および周辺係数情報431に基づいて決定した係数を乗算して乗車場到着時間を算出する。
なお、ここでは、乗車時間算出部426aが、選択した経路の距離に応じて標準到着時間を算出するとしたが、これに限定されない。例えば、乗車時間算出部426aが、ユーザUが車両Cを降車してから出庫指示を行うまでの移動速度と選択した経路の距離とに基づいて標準到着時間を算出するようにしてもよい。あるいは、他のユーザが選択した経路を移動するのに要した平均時間を標準到着時間としてもよい。これにより、乗車時間算出部426aは、より精度良く標準到着時間を算出することができる。
続いて、乗車時間算出部426aは、ユーザUが乗車場240に到着してから車両Cに乗車するまでの乗車時間を乗車場240ごとに算出する。乗車時間算出部426aは、乗車場240に到着してからすぐに車両Cに乗車する場合の乗車時間を標準乗車時間として算出し、算出した標準乗車時間をユーザ情報および周辺情報を用いて補正することで乗車時間を算出する。
乗車時間算出部426aは、算出した標準乗車時間に、ユーザ情報および周辺情報に応じた係数を乗算することで、乗車時間を算出する。乗車時間算出部426aは、例えば、周辺情報に含まれる出庫指示数が多いほど値が大きい係数を決定する。また、乗車時間算出部426aは、荷物量や荷物の種類に応じて、かかる荷物の積み込みに要する時間を考慮した係数を決定する。また、荷物にカートが含まれる場合、乗車時間算出部426aは、カート返却にかかる時間を考慮した係数を決定する。なお、かかる係数は、周辺係数情報431およびユーザ係数情報433として記憶部430に記憶されているものとする。
なお、ここでは、乗車時間算出部426aが、乗車場240に到着してからすぐに車両Cに乗車する場合の乗車時間を標準乗車時間とするとしたが、これに限定されない。例えば、乗車時間算出部426aが、他のユーザの乗車時間の現時刻を含む所定期間における平均値を標準乗車時間としてもよい。あるいは、ユーザUが車両Cの降車に要した時間を標準乗車時間としてもよい。
また、ここでは、乗車時間算出部426aがユーザUのユーザ情報に基づいて係数を決定するとしたが、これに限定されない。例えば、乗車時間算出部426aが他のユーザのユーザ情報に基づいて係数を決定してもよい。具体的には、例えば、ユーザUより前に乗車場240を利用するユーザのユーザ情報を用いて当該ユーザの乗車時間を算出し、算出した乗車時間に応じて係数を決定してもよい。例えば、ユーザUより前に乗車場240を利用するユーザの乗車時間が長い場合、ユーザUの乗車時間も長くなる可能性がある。そこで、ユーザU以外の他のユーザのユーザ情報を用いてユーザUの乗車時間を算出することで、ユーザUの乗車時間をより精度よく算出することができる。
乗車時間算出部426aは、算出した乗車場到着時間と乗車時間を複数の乗車場240ごとに合計して乗車予測時間を算出する。乗車時間算出部426aは、算出した乗車予測時間を乗車場決定部427に出力する。
出口時間算出部426bは、渋滞情報に基づき、乗車場240から出口230aに到着するまでの出口到着時間を複数の乗車場240ごとに算出する。
このように、出口時間算出部426bが渋滞情報に基づき、出口到着時間を算出することで、出口到着時間をより高精度に予測することができる。
出口時間算出部426bは、例えば、各乗車場240から出口230aまでの距離と駐車場200aの制限速度とに応じて標準移動時間を算出し、算出した標準移動時間に、渋滞情報に応じた係数を乗算することで出口到着時間を算出する。
出口時間算出部426bは、例えば渋滞情報に含まれる出庫指示数に応じた係数を標準移動時間に乗算することで、出口到着時間を算出する。出庫指示数に応じた係数は、例えば出庫指示数が多いほど値が大きくなる係数であり、渋滞係数情報432として記憶部430に予め記憶されているものとする。
また、出口時間算出部426bは、例えば渋滞情報に含まれる駐車場200a周辺の道路の混雑状況に応じた係数を標準移動時間に乗算することで、出口到着時間を算出する。例えば駐車場200aの周辺の道路が混雑している場合、出口230aから道路に出るまでに時間がかかるため、車両Cが出口230aに到着する時間が長くなると考えられる。そこで、出口時間算出部426bは、駐車場200aの周辺の道路が混雑しているほど値が大きくなる係数を標準移動時間に乗算して出口到着時間を算出する。
なお、ここでは、出口時間算出部426bが渋滞情報に基づいて出口到着時間を算出するとしたが、これに限定されない。例えば、現時刻を含む所定期間で、他車両が乗車場240から出口230aまで移動するのに要した時間の平均値を出口到着時間としてもよい。また、出口時間算出部426bが、ユーザUが車両Cに乗車してから車両Cが発進するまでの発車時間を含めた出口到着時間を算出するようにしてもよい。かかる発車時間は、例えばユーザUの過去の発車時間の平均時間から算出することができる。
目的地時間算出部426cは、渋滞情報に基づいて出口230aから目的地に到着するまでの目的地到着時間を算出する。目的地時間算出部426cは、出口230aから目的地までの経路を選択し、選択した経路での目的地到着時間を算出する。なお、例えば、目的地時間算出部426cが目的地までの経路候補を複数選択し、経路候補の中からユーザUが経路を選択するようにしてもよい。この場合、目的地時間算出部426cは、選択した経路候補を通信部410を介して端末装置300に送信し、ユーザUの選択結果を端末装置300から受信するようにする。あるいは、目的地時間算出部426cは、ユーザUから経路選択を行う場合の優先順位を取得し、取得した優先順位に応じて経路を選択してもよい。優先順位としては、例えば、「有料道路優先」や「一般道優先」、「到着時間優先」等があげられる。
乗車場決定部427は、算出部426が算出した乗車予測時間、出口到着時間および目的地到着時間を合計し予測時間を複数の乗車場240ごとに算出する。乗車場決定部427は、算出した予測時間が最も短い乗車場240を、ユーザUを誘導する乗車場240に決定する。乗車場決定部427は、決定した乗車場240を通知部428に出力する。
通知部428は、通信部410を介して、乗車場決定部427が決定した乗車場240を端末装置300および車両制御装置40に通知する。このとき、通知部428は、乗車時間算出部426aが選択したユーザUの現在位置から決定した乗車場240までの経路を、端末装置300に通知するようにしてもよい。これにより、駐車場管理装置220aは、決定した乗車場240までの経路をユーザUに提示することができる。
また、通知部428が、決定した乗車場240に加え、目的地時間算出部426cが選択した目的地までの経路を車両Cに通知するようにしてもよい。これにより、車両Cが目的地までの経路を探索する必要がなく、車両Cの処理負担を低減することができる。また、ユーザUが再度目的地を車両Cに入力する必要がなく、ユーザUによる入力の手間を省略することができる。
車両制御装置40は、駐車場管理装置220aから決定した乗車場240の通知を受信すると、自動運転制御によって車両Cをかかる乗車場240まで移動させる。
<2.3.第2実施形態に係る駐車場管理装置の出庫制御処理>
次に、駐車場管理装置220aにおける具体的な処理手順について図16を用いて説明する。図16は、駐車場管理装置220aが実行する出庫制御処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、駐車場管理装置220aは、車両Cを駐車場200aに駐車してから所定周期で繰り返し図16に示す処理手順を実行する。
図16に示すように、駐車場管理装置220aの制御部420は、出庫指示を受信したか否かを判定する(ステップS301)。出庫指示を受信していない場合(ステップS301,No)、処理を終了する。
一方、制御部420は、出庫指示を受信した場合(ステップS301,Yes)、端末装置300から目的地情報を取得する(ステップS302)。次に、制御部420は、ユーザ情報を取得し(ステップS303)、周辺情報を取得する(ステップS304)。続いて、制御部420は、渋滞情報を取得する(ステップS305)。
続いて、制御部420は、ユーザUの現在位置から各乗車場240で車両Cに乗車するまでの乗車予測時間をそれぞれ算出する(ステップS306)。次に、制御部420は、各乗車場240で車両Cに乗車してから出口230aまでの出口到着時間をそれぞれ算出し(ステップS307)、出口230aから目的地までの目的地到着時間を算出する(ステップS308)。
制御部420は、ステップS306〜S308で算出した乗車予測時間、出口到着時間および目的地到着時間に基づいてユーザUが車両Cに乗車する乗車場240を決定する(ステップS309)。
制御部420は、ステップS309で決定した乗車場240をユーザUおよび車両Cの車両制御装置40に通知する(ステップS310)。
なお、ステップS302〜ステップS304の処理は順番を入れ替えてもよく、また同時に処理を行ってもよい。同様に、ステップS306〜ステップS308の処理は順番を入れ替えてもよく、また同時に処理を行ってもよい。
上述してきたように、第2実施形態に係る駐車場管理装置220aは、出庫指示受信部421と、算出部426と、乗車場決定部427と、通知部428とを備える。
出庫指示受信部421は、複数の乗車場240を備える駐車場200aに駐車された車両Cの出庫指示をユーザUから受信する。算出部426は、ユーザUが現在位置から乗車場240に移動し車両Cに乗車するまでの乗車予測時間と、車両Cが乗車場240から駐車場200aの出口230aに到着するまでの出口到着時間と、車両Cが駐車場200aの出口230aから目的地に到着するまでの目的地到着時間とを含む予測時間を算出する。
乗車場決定部427は、ユーザUからの出庫指示に基づき、予測時間に応じて複数の乗車場240の中から車両Cを移動させる乗車場240を決定する。通知部428は、決定した乗車場240をユーザUおよび車両Cに通知する。
これにより、駐車場管理装置220aは、ユーザUの現在位置から目的地までの経路を考慮した出庫制御を行うことができ、出庫効率を含む駐車効率を向上させることができる。
なお、上記した第2実施形態において、駐車場管理装置220aが、乗車場240を決定するとしたが、これに限定されない。例えば、車両Cの駐車制御装置10または端末装置300が乗車場240を決定するようにしてもよい。この場合、車両Cの駐車制御装置10または端末装置300が出庫制御装置として動作する。
また、上記では、駐車場管理装置220aが出庫指示を受信してからユーザ情報、周辺情報および渋滞情報を取得するとしたが、これに限定されない。例えば、駐車場管理装置220aが、ユーザUが車両Cから降車してから出庫指示を受信するまでの間に、ユーザ情報、周辺情報および渋滞情報を取得してもよい。
また、上記では、駐車場管理装置220aが乗車予測時間、出口到着時間および目的地到着時間の合計時間である予測時間が最も短くなる乗車場240を選択するとしたが、これに限定されない。例えば、ユーザUの疲労度が高い場合は、駐車場管理装置220aが、乗車予測時間が最も短い乗車場240を選択するようにしてもよい。あるいは、ユーザUが乗車予測時間、出口到着時間、目的地到着時間および予測時間に基づいて、乗車場240を選択するようにしてもよい。
また、上記では、乗車場240の通知を受けると車両制御装置40が車両Cを乗車場240まで移動させるとしたが、これに限定されない。例えば、ユーザUが乗車場240に到着するまでの時間が、車両制御装置40が車両Cを乗車場240まで移動させる時間よりも長いとする。この場合、ユーザUが乗車場240に到着する時刻に車両Cが乗車場240に到着するように車両制御装置40が車両Cを移動させるようにしてもよい。あるいは、通知部428が、ユーザUが乗車場240に到着する時刻に応じたタイミングで乗車場240を車両制御装置40に通知するようにしてもよい。これにより、他のユーザの他車両への乗車を阻害することなく、車両Cを乗車場240まで移動させることができる。
一方、例えば、ユーザUが乗車場240に到着するまでの時間が、車両制御装置40が車両Cを乗車場240まで移動させる時間よりも短いとする。この場合、通知部428は、駐車場200aの混雑状況をユーザUに通知するとともに、乗車場240までの経路変更を提示したり、休憩所等の立ち寄り場所を提示したりするようにしてもよい。これにより、ユーザUの利便性の低下を抑制しつつ、効率よく出庫制御を行うことができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な様態は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲および、その均等物によって定義される統括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変化が可能である。