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JP2019033243A - 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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JP2019033243A JP2018089092A JP2018089092A JP2019033243A JP 2019033243 A JP2019033243 A JP 2019033243A JP 2018089092 A JP2018089092 A JP 2018089092A JP 2018089092 A JP2018089092 A JP 2018089092A JP 2019033243 A JP2019033243 A JP 2019033243A
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Abstract

【課題】 ESRを抑制しつつ信頼性を確保することができる積層セラミックコンデンサおよびその製造方法を提供する。【解決手段】 積層セラミックコンデンサは、セラミックを主成分とする誘電体層と、前記誘電体層を介して対向するように配置される内部電極層とが積層された積層構造を備え、前記積層構造は、前記誘電体層と前記内部電極層とが積層された積層方向において、表面から第1の厚みを有する表層部と、前記積層方向において前記表層部と隣接して第2の厚みを有する中央部と、を備え、前記表層部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さは、前記中央部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さの0.8倍以下であることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサおよびその製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極層とが積層された積層構造を有し、積層構造の積層方向の上下にカバーシートが設けられた構造を有している(例えば、特許文献1〜3参照)。誘電体層と内部電極層とが積層された積層構造において、内部電極層同士が対向する容量領域は、電気容量を生じさせる。カバーシートを設けることで、積層セラミックコンデンサの信頼性が確保されている。
特開2007−173480号公報 特開2013−157593号公報 特開2014−22721号公報
積層セラミックコンデンサの小型大容量化のためには、容量領域の体積を拡大してカバーシートを薄層化することが望まれる。しかしながら、カバーシートを薄層化すると、カバーシートの強度が不足するおそれがある。この場合、熱衝撃クラック等が発生して、信頼性を確保することが困難となる。そこで、内部電極層の結晶粒を細かく、多くすることが考えられる。しかしながら、この場合、ESR(等価直列抵抗)が大きくなってしまうおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ESRを抑制しつつ信頼性を確保することができる積層セラミックコンデンサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、セラミックを主成分とする誘電体層と、前記誘電体層を介して対向するように配置される内部電極層とが積層された積層構造を備え、前記積層構造は、前記誘電体層と前記内部電極層とが積層された積層方向において、表面から第1の厚みを有する表層部と、前記積層方向において前記表層部と隣接して第2の厚みを有する中央部と、を備え、前記表層部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さは、前記中央部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さの0.8倍以下であることを特徴とする。
上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記第1の厚みを、前記積層構造の前記積層方向における寸法の1/10としてもよい。
上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記中央部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒界数は、前記内部電極層の延在方向において、1個/μm以上としてもよい。
上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記中央部の前記内部電極層の平均厚みを、前記表層部の前記内部電極層の平均厚みよりも大きくしてもよい。
上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記中央部の前記内部電極層の平均厚みを、前記表層部の前記内部電極層の平均厚みの1.2倍以上としてもよい。
上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記中央部の前記内部電極層の平均厚みは、前記表層部の前記内部電極層の平均厚みの1.2倍以上としてもよい。
上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さは、200点を測定したときの平均値としてもよい。
上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記内部電極層の主成分金属の結晶粒界数は、200点を測定したときの平均値としてもよい。
上記積層セラミックコンデンサにおいて、前記内部電極層の平均厚みは、200点を測定したときの平均値としてもよい。
本発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法は、主成分セラミック粒子を含むグリーンシート上に、金属導電ペーストの第1パターンを配置する第1工程と、前記第1工程によって得られた積層単位を、前記第1パターンの配置位置が交互にずれるように複数積層する第2工程と、前記第2工程によって得られたセラミック積層体の積層方向の上面および下面に主成分セラミック粒子を含むカバーシートを配置して圧着する第3工程と、前記第3工程によって得られた前記セラミック積層体を焼成することで、誘電体層と内部電極層とが積層された積層構造を作成する第4工程と、を含み、前記積層構造の誘電体層と前記内部電極層とが積層された積層方向において、表面から第1の厚みを有する表層部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さが、前記積層方向において前記表層部と隣接して第2の厚みを有する中央部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さの0.8倍以下となるように、前記第3工程において充填状態を調整することを特徴とする。
本発明によれば、ESRを抑制しつつ信頼性を確保することができる積層セラミックコンデンサおよびその製造方法を提供することができる。
積層セラミックコンデンサの部分断面斜視図である。 表層部および中央部を例示する図である。 連続率を表す図である。 (a)は結晶粒径が大きい場合の内部電極層を例示する図であり、(b)は結晶粒径が小さい場合の内部電極層を例示する図である。 (a)は内部電極層の厚みの測定を例示する図であり、(b)は内部電極層の結晶粒の長さの測定を例示する図である。 積層セラミックコンデンサの製造方法のフローを例示する図である。 (a)は実施例および比較例1,2における内部電極形成用導電ペーストの主成分金属の粒度分布を示す図であり、(b)は、実施例および比較例1における内部電極形成用導電ペーストの共材の粒度分布を示す図である。 (a)〜(f)は誘電体層と内部電極層との積層方向における断面のSEM写真を描いた図である。 (a)は表層部Sおよび中央部Cにおける内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さbを示す図であり、(b)は(a)を規格化した図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100の部分断面斜視図である。図1で例示するように、積層セラミックコンデンサ100は、直方体形状を有する積層チップ10と、積層チップ10のいずれかの対向する2端面に設けられた外部電極20a,20bとを備える。なお、積層チップ10の当該2端面以外の4面のうち、積層方向の上面および下面以外の2面を側面と称する。外部電極20a,20bは、積層チップ10の積層方向の上面、下面および2側面に延在している。ただし、外部電極20a,20bは、互いに離間している。
積層チップ10は、誘電体として機能するセラミック材料を主成分とする誘電体層11と、卑金属材料等の金属材料を主成分とする内部電極層12とが、交互に積層された構成を有する。各内部電極層12の端縁は、積層チップ10の外部電極20aが設けられた端面と、外部電極20bが設けられた端面とに、交互に露出している。それにより、各内部電極層12は、外部電極20aと外部電極20bとに、交互に導通している。その結果、積層セラミックコンデンサ100は、複数の誘電体層11が内部電極層12を介して積層された構成を有する。また、誘電体層11と内部電極層12との積層構造において、積層方向の最外層には内部電極層12が配置され、当該積層構造の上面および下面は、カバー層13によって覆われている。カバー層13は、セラミック材料を主成分とする。例えば、カバー層13の材料は、誘電体層11とセラミック材料の主成分が同じである。
積層セラミックコンデンサ100のサイズは、例えば、長さ0.2mm、幅0.125mm、高さ0.125mmであり、または長さ0.4mm、幅0.2mm、高さ0.2mm、または長さ0.6mm、幅0.3mm、高さ0.3mmであり、または長さ1.0mm、幅0.5mm、高さ0.5mmであり、または長さ3.2mm、幅1.6mm、高さ1.6mmであり、または長さ4.5mm、幅3.2mm、高さ2.5mmであるが、これらのサイズに限定されるものではない。
内部電極層12は、Ni(ニッケル),Cu(銅),Sn(スズ)等の卑金属を主成分とする。内部電極層12として、Pt(白金),Pd(パラジウム),Ag(銀),Au(金)などの貴金属やこれらを含む合金を主成分として用いてもよい。内部電極層12の厚さは、例えば、0.5μm以下であり、0.3μm以下とすることが好ましい。誘電体層11は、例えば、一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とする。なお、当該ペロブスカイト構造は、化学量論組成から外れたABO3−αを含む。例えば、当該セラミック材料として、BaTiO(チタン酸バリウム),CaZrO(ジルコン酸カルシウム),CaTiO(チタン酸カルシウム),SrTiO(チタン酸ストロンチウム),ペロブスカイト構造を形成するBa1-x−yCaSrTi1−zZr(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1)等を用いることができる。
積層セラミックコンデンサに対して、市場から、小型大容量化および信頼性確保が要求されている。小型大容量化のために、内部電極層12が対向して電気容量を生じさせる容量領域の体積比率を大きくしつつ、カバー層13を薄くすることが考えられる。この場合、カバー層13に強度が不足し、熱衝撃クラックの発生などが懸念され、信頼性確保が実現されないおそれがある。そこで、実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100は、カバー層13を薄くしても、信頼性を確保することができる構成を有している。
図2で例示するように、誘電体層11と、誘電体層11を介して対向するように配置される内部電極層12とが積層された積層構造(カバー層13を含まない)において、積層方向における上面および下面から第1の厚みを有する部分を表層部Sと称し、当該積層方向において表層部Sと隣接して第2の厚みを有する部分を中央部Cと称する。表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さは、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さと比較して小さくなっている。この構成においては、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒界数が多くなることで、当該結晶粒界が滑りを抑制し、表層部Sの内部電極層12の強度が増大する。その結果、熱衝撃耐性が向上する。以上のことから、カバー層13を薄くしても、信頼性を確保することができる。
表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さが、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さと比較して十分に小さくないと、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒界数が十分に多くならないおそれがある。そこで、本実施形態においては、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さは、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さの0.8倍以下となっている。
なお、表層部Sおよび中央部Cのいずれにおいても内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さが小さいと、ESR(等価直列抵抗)が大きくなるおそれがある。これに対して、本実施形態においては、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さを表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さよりも大きくすることで、積層セラミックコンデンサ100の全体のESRの増大を抑制することができる。
表層部Sの厚みである第1の厚みは、例えば、上記積層構造の積層方向の寸法の1/10であることが好ましい。この場合、表層部Sの領域が大きくなり過ぎず、中央部Cの領域も大きくなり過ぎない。したがって、熱衝撃耐性の向上とESR増大の抑制とを両立することができる。
ところで、内部電極層12を金属粉末の焼成によって得る場合、焼結が進むと表面エネルギーを最小にしようとするために球状化する。誘電体層11の主成分セラミックよりも内部電極層12の金属成分の焼結が進みやすいため、誘電体層11の主成分セラミックが焼結するまで温度を上げると、内部電極層12の金属成分は過焼結となり、球状化しようとする。この場合、切れるキッカケ(欠陥)があれば、当該欠陥を基点に内部電極層12が切れ、連続率が低下する。内部電極層12の連続率が低下すると、内部電極層12の強度が低下するおそれがある。また、高連続率が維持されても、内部電極層12を薄層化しようとすると、内部電極層12に所望の強度が得られないおそれがある。内部電極層12に所望の強度が得られないと、例えば、実装時の衝撃により、積層セラミックコンデンサ100に割れが生じるおそれがある。
図3は、連続率を表す図である。図3で例示するように、ある内部電極層12における長さL0の観察領域において、その金属部分の長さL1,L2,・・・,Lnを測定して合計し、金属部分の割合であるΣLn/L0をその層の連続率と定義することができる。
そこで、内部電極層12の結晶粒径は、小さいことが好ましい。図4(a)は、結晶粒径が大きい場合の内部電極層12を例示する図である。図4(b)は、結晶粒径が小さい場合の内部電極層12を例示する図である。図4(a)および図4(b)で例示するように、結晶粒14が小さくなると、結晶粒界16の数が多くなる。それにより、内部電極層12の強度が高くなる。具体的には、中央部Cの内部電極層12において、内部電極層12の延在方向において、結晶粒界数を1.0個/μm以上とすることが好ましい。内部電極層12の延在方向は、例えば、外部電極20aから外部電極20bに向かう方向であり、外部電極20aから外部電極20bに向かう方向に対して傾斜する箇所では、当該傾斜の方向である。この構成では、結晶粒界数が十分に多くなる。中央部Cの内部電極層12において、内部電極層12の延在方向において、結晶粒界数を1.8個/μm以上とすることが好ましい。また、内部電極層12に、セラミックを主成分とする粒子(共材)15を残存させる。この場合、焼結時における内部電極層12の金属成分の過焼結が抑制され、内部電極層12の切れが抑制される。その結果、内部電極層12の連続率が高くなる。内部電極層12の連続率が高くなることで、内部電極層12の強度が高くなる。以上のことから、積層セラミックコンデンサ100の強度が高くなり、割れを抑制することができる。
結晶粒の平均長さの観点からすれば、中央部Cの内部電極層12において、内部電極層12の延在方向において、結晶粒の平均長さは、0.7μm以下であることが好ましい。
積層セラミックコンデンサ100の全体のESRの増大を抑制するためには、中央部Cの内部電極層12の平均厚みaは、表層部Sの内部電極層12の平均厚みaよりも大きいことが好ましい。この効果を十分に得るためには、中央部Cの内部電極層12の平均厚みaは、表層部Sの内部電極層12の平均厚みaの1.2倍以上であることが好ましい。
なお、内部電極層12の平均厚みは、図5(a)で例示する測定結果とすることができる。平均厚みaは、積層方向に平行な断面において観察される複数個所の内部電極層12の厚みの測定結果の平均値とすることができる。例えば、図5(a)で例示するように、内部電極層12の延在方向において等間隔に複数個所の厚み(図5(a)において矢印で示した範囲)を測定し、その平均値を平均厚みaとする。特定の内部電極層12の厚みを測定してもよいが、複数の内部電極層12の厚みを測定し、その平均値を表層部Sの内部電極層12の平均厚みaとしてもよい。例えば、表層部Sの特定の内部電極層12の厚みの平均値を表層部Sの内部電極層12の平均厚みaとしてもよく、表層部Sの複数または全部の内部電極層12の厚みの平均値を表層部Sの内部電極層12の平均厚みaとしてもよい。中央部Cの特定の内部電極層12の厚みの平均値を中央部Cの内部電極層12の平均厚みaとしてもよく、中央部Cの複数または全部の内部電極層12の厚みの平均値を中央部Cの内部電極層12の平均厚みaとしてもよい。なお、内部電極層12の平均厚みを算出するために測定する数は、たとえば対象領域からランダムに選んだ200カ所でよい。
結晶粒の長さは、図5(b)で例示するように、内部電極層12の延在方向、すなわち2つの外部電極20a,20bが対向する方向における各結晶粒14の最長部分の長さ(図5(b)において矢印で示した範囲)とすることができる。したがって、結晶粒の平均長さbは、2つの外部電極が対向する方向と内部電極層12の積層方向で規定される断面(図2の断面)の所定範囲において、内部電極層12の延在方向における各結晶粒14の長さの平均値である。例えば、表層部Sの特定の内部電極層12の所定範囲の各結晶粒14の長さの平均値を、表層部Sの内部電極層12の結晶粒の平均長さbとしてもよく、表層部Sの複数または全部の内部電極層12の所定範囲の各結晶粒14の長さの平均値を、表層部Sの内部電極層12の結晶粒の平均長さbとしてもよい。中央部Cの特定の内部電極層12の所定範囲の結晶粒14の長さの平均値を、中央部Cの内部電極層12の結晶粒の平均長さbとしてもよく、中央部Cの複数または全部の内部電極層12の所定範囲の各結晶粒14の長さの平均値を、中央部Cの内部電極層12の結晶粒の平均長さbとしてもよい。なお、結晶粒の平均長さbを算出するために測定する数は、たとえば対象領域からランダムに選んだ200カ所でよい。
続いて、積層セラミックコンデンサ100の製造方法について説明する。図6は、積層セラミックコンデンサ100の製造方法のフローを例示する図である。
(原料粉末作製工程)
まず、図6で例示するように、誘電体層11を形成するための誘電体材料を用意する。誘電体層11に含まれるAサイト元素およびBサイト元素は、通常はABOの粒子の焼結体の形で誘電体層11に含まれる。例えば、BaTiOは、ペロブスカイト構造を有する正方晶化合物であって、高い誘電率を示す。このBaTiOは、一般的に、二酸化チタンなどのチタン原料と炭酸バリウムなどのバリウム原料とを反応させてチタン酸バリウムを合成することで得ることができる。誘電体層11を構成するセラミックの合成方法としては、従来種々の方法が知られており、例えば固相法、ゾル−ゲル法、水熱法等が知られている。本実施形態においては、これらのいずれも採用することができる。
得られたセラミック粉末に、目的に応じて所定の添加化合物を添加する。添加化合物としては、Mo,Nb,Ta,W,Mn(マンガン),V(バナジウム),Cr(クロム),希土類元素(Y(イットリウム),Sm(サマリウム),Eu(ユウロピウム),Gd(ガドリニウム),Tb(テルビウム),Dy(ジスプロシウム),Ho(ホロミウム),Er(エルビウム),Tm(ツリウム)およびYb(イッテルビウム))の酸化物、並びに、Co(コバルト),Ni,Li(リチウム),B(ホウ素),Na(ナトリウム),K(カリウム)およびSi(シリコン)の酸化物もしくはガラスが挙げられる。
本実施形態においては、好ましくは、まず誘電体層11を構成するセラミックの粒子に添加化合物を含む化合物を混合して820〜1150℃で仮焼を行う。続いて、得られたセラミック粒子を添加化合物とともに湿式混合し、乾燥および粉砕してセラミック粉末を調製する。例えば、セラミック粉末の平均粒径は、誘電体層11の薄層化の観点から、好ましくは50〜300nmである。例えば、上記のようにして得られたセラミック粉末について、必要に応じて粉砕処理して粒径を調節し、あるいは分級処理と組み合わせることで粒径を整えてもよい。
(積層工程)
次に、得られた誘電体材料に、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂等のバインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、フタル酸ジオクチル(DOP)等の可塑剤とを加えて湿式混合する。得られたスラリーを使用して、例えばダイコータ法やドクターブレード法により、基材上に例えば厚み0.8μm以下の帯状の誘電体グリーンシートを塗工して乾燥させる。
次に、誘電体グリーンシートの表面に、有機バインダを含む内部電極形成用の金属導電ペーストをスクリーン印刷、グラビア印刷等により印刷することで、極性の異なる一対の外部電極に交互に引き出される内部電極層パターンを配置する。金属導電ペーストの金属材料には、例えば、平均粒径が100nm以下のものを用いる。また、粒径の標準偏差は、15以下とする。これにより、シャープな粒度分布が得られる。平均粒径は、100nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましい。粒径の標準偏差は、12以下であることが好ましい。また、累積粒度分布の傾きは、8以上であることが好ましい。なお、累積粒度分布の傾きは、累積粒度分布を対数プロットしD20とD80間の傾き(=1/(logD80−logD20))と定義することができる。
また、金属導電ペーストには、共材としてセラミック粒子を添加する。セラミック粒子の主成分セラミックは、特に限定するものではないが、誘電体層11の主成分セラミックと同じであることが好ましい。例えば、チタン酸バリウムを均一に分散させてもよい。共材には、例えば平均粒径が10nm以下のものを用いる。また、粒径の標準偏差は、5以下とする。これにより、シャープな粒度分布が得られる。平均粒径は、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。粒径の標準偏差は、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。また、累積粒度分布の傾きは、7以上であることが好ましい。なお、累積粒度分布の傾きは、累積粒度分布を対数プロットしD20とD80間の傾き(=1/(logD80−logD20))と定義することができる。
その後、内部電極層パターンが印刷された誘電体グリーンシートを所定の大きさに打ち抜いて、打ち抜かれた誘電体グリーンシートを、基材を剥離した状態で、内部電極層12と誘電体層11とが互い違いになるように、かつ内部電極層12が誘電体層11の長さ方向両端面に端縁が交互に露出して極性の異なる一対の外部電極20a,20bに交互に引き出されるように、所定層数(例えば100〜500層)だけ積層する。積層した誘電体グリーンシートの上下にカバー層13となるカバーシートを配置し、上下からPET(ポリエチレンテレフタレート)の支持体を有するシリコーンラバーシートで挟み込み、圧着する。シリコーンラバーシートは柔らかいため、十分に厚いシリコーンラバーシートを用いると、全体が均一に加圧される。この場合の加圧力を高くすると、全体が微結晶化し、低くすると全体が大結晶化する。薄いシリコーンラバーシートを用いると、支持体の硬いPETで外層部のみが強く加圧されるため、充填状態に内外差が生じるようになる。そこで、本実施形態においては、比較的薄いシリコーンラバーシートを用いる。この圧着により、カバー層13近傍の充填性が高まる。それにより、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の微結晶化を促すことができる。例えば、シリコーンラバーシートの厚さを調整することで、焼成後の表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さが、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さの0.8倍以下となるようにする。
その後、得られた積層体を所定チップ寸法(例えば1.0mm×0.5mm)にカットし、その後に外部電極20a,20bの下地層となる金属導電ペーストを、カットした積層体の両端面にディップ法等で塗布して乾燥させる。これにより、積層セラミックコンデンサ100の成型体が得られる。
(焼成工程)
このようにして得られた成型体を、250〜500℃のN雰囲気中で脱バインダ処理した後に、酸素分圧10−5〜10−8atmの還元雰囲気中で1100〜1300℃で10分〜2時間焼成することで、各化合物が焼結して粒成長する。このようにして、積層セラミックコンデンサ100が得られる。なお、焼成条件を調整することで、焼結後の内部電極層12の延在方向における結晶粒界数を調整することができる。具体的には、焼成工程において昇温速度を大きくすることで、共材が金属導電ペーストから吐き出される前に主成分金属が焼結するため、共材が内部電極層12に残存しやすくなる。残存する共材は、内部電極層12における結晶粒界数を増やす。例えば、内部電極層12における結晶粒界数を1個/μm以上とする観点から、焼成工程において室温から最高温度までの平均昇温速度は、30℃/分以上とすることが好ましく、45℃/分以上とすることがより好ましい。なお、平均昇温速度が大きすぎると、成型体に残留する有機成分(脱バインダ処理だけで取り切れなかったもの)の排出が十分に行われず、焼成工程中にクラックが発生するなどの不具合が生じるおそれがある。そこで、平均昇温速度を、80℃/分以下とすることが好ましく、65℃/分以下とすることがより好ましい。
(再酸化処理工程)
その後、Nガス雰囲気中で600℃〜1000℃で再酸化処理を行ってもよい。
(めっき処理工程)
その後、めっき処理により、外部電極20a,20bの下地層に、Cu,Ni,Sn等の金属コーティングを行う。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法によれば、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さを、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さの0.8倍以下とすることができる。この構成においては、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒界数が多くなることで、当該結晶粒界が滑りを抑制し、表層部Sの内部電極層12の強度が増大する。その結果、熱衝撃耐性が向上する。以上のことから、カバー層13を薄くしても、信頼性を確保することができる。一方で、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さは、比較的大きくなることから、積層セラミックコンデンサ100の全体のESRの増大を抑制することができる。
表層部Sの厚みである第1の厚みは、最端部の内部電極層12からの積層方向の長さであり、例えば、上記積層構造の積層方向の寸法の1/10であることが好ましい。この場合、表層部Sの領域が大きくなり過ぎず、中央部Cの領域も大きくなり過ぎない。したがって、熱衝撃耐性の向上とESR増大の抑制とを両立することができる。なお、中央部Cは、図2に示したように2つの表層部に挟まれた領域である。
また、焼成工程において室温から最高温度までの平均昇温速度を調整することで、中央部Cの内部電極層12において、内部電極層12の延在方向において、結晶粒界数を1.0個/μm以上とすることができる。この構成では、結晶粒界数が十分に多くなる。中央部Cの内部電極層12において、内部電極層12の延在方向において、結晶粒界数を1.8個/μm以上とすることが好ましい。結晶粒の平均長さの観点からすれば、中央部Cの内部電極層12において、内部電極層12の延在方向において、結晶粒の平均長さbは、0.7μm以下であることが好ましい。なお、結晶粒界数の測定は、2つの外部電極20a,20bが対向する方向と内部電極層12の積層方向で規定される断面(図2の断面)でおこなうことができる。また、例えば、上記の結晶粒界数として、内部電極層12の延在方向に引いた直線が合計200個の結晶粒界を横切るまでの長さを測定して、1μm当たりの結晶粒界数を算出する。
積層セラミックコンデンサ100の全体のESRの増大を抑制するためには、中央部Cの内部電極層12の平均厚みaは、表層部Sの内部電極層12の平均厚みaよりも大きいことが好ましい。この効果を十分に得るためには、中央部Cの内部電極層12の平均厚みaは、表層部Sの内部電極層12の平均厚みaの1.2倍以上であることが好ましい。
以下、実施形態に係る積層セラミックコンデンサを作製し、特性について調べた。
平均粒径が100nm(比表面積10m/g)のチタン酸バリウム粉末に必要な添加物を添加し、ボールミルで十分に湿式混合粉砕して誘電体材料を得た。誘電体材料に有機バインダおよび溶剤を加えてドクターブレード法にて誘電体グリーンシートを作製した。誘電体グリーンシートの塗工厚みを0.8μmとし、有機バインダとしてポリビニルブチラール(PVB)等を用い、溶剤としてエタノール、トルエン酸等を加えた。その他、可塑剤などを加えた。
次に、内部電極層12の主成分金属(Ni)の粉末を(Ni固形分で50wt%)と、共材(チタン酸バリウム)を10部と、バインダ(エチルセルロース)を5部と、溶剤と、必要に応じてその他助剤とを含んでいる内部電極形成用導電ペーストを遊星ボールミルで作製した。実施例および比較例1では、表1に示すように、主成分金属の粉末には、平均粒径が70nm(比表面積10m/g)、粒径の標準偏差が12、累積粒度分布の傾きが8のものを用いた。共材には、平均粒径が8.6nm(比表面積110m/g)、粒径の標準偏差が2.7、累積粒度分布の傾きが7のものを用いた。比較例2では、主成分金属の粉末には、平均粒径が120nm(比表面積6m/g)、粒径の標準偏差が33、累積粒度分布の傾きが6のものを用いた。共材には、平均粒径が29nm(比表面積40m/g)、粒径の標準偏差が8.7、累積粒度分布の傾きが5のものを用いた。
Figure 2019033243
誘電体シートに内部電極形成用導電ペーストをスクリーン印刷した。内部電極形成用導電ペーストを印刷したシートを250枚重ね、その上下にカバーシートをそれぞれ積層した。その後、熱圧着によりセラミック積層体を得て、所定の形状に切断した。圧着の際に、実施例では、PETの支持体を有する比較的薄いシリコーンラバーシートにて、上下から挟み込むことで、表層部Sの充填性を高めるように圧着した。比較例1,2では、PETの支持体を有する比較的厚いシリコーンラバーシートにて、上下から挟み込むことで、表層部Sおよび中央部Cの両方に均一に加圧・充填されるように圧着した。なお、比較例2では、表1で示したように、内部電極層12の主成分金属の平均粒径を大きくしたため、表層部Sおよび中央部Cの両方において、結晶粒の平均長さbが大きくなった。
得られたセラミック積層体をN雰囲気中で脱バインダした後に、セラミック積層体の両端面から各側面にかけて、Niを主成分とする金属フィラー、共材、バインダ、溶剤などを含み、外部電極20a,20bの下地層となる金属ペーストを塗布し、乾燥させた。その後、還元雰囲気中で1100℃〜1300℃で10分〜2時間、金属ペーストをセラミック積層体と同時に焼成して焼結体を得た。室温から最高温度までの平均昇温速度は、いずれも55℃/分とした。
得られた焼結体の形状寸法は、長さ0.6mm、幅0.3mm、高さ0.3mmであった。焼結体をN雰囲気下800℃の条件で再酸化処理を行った後、メッキ処理して外部電極20a,20bの下地層の表面にCuめっき層、Niめっき層およびSnめっき層を形成することで外部電極20a,20bを形成し、積層セラミックコンデンサ100を得た。
図7(a)は、実施例および比較例1,2における内部電極形成用導電ペーストの主成分金属の粒度分布を示す図である。図7(a)に示すように、実施例および比較例1においては、平均粒径が小さく、粒度分布がシャープな金属粉末を用いていることがわかる。また、比較例2においては、平均粒径が大きく、粒度分布がブロードな金属粉末を用いていることがわかる。図7(b)は、実施例および比較例1における内部電極形成用導電ペーストの共材の粒度分布を示す図である。図7(b)に示すように、実施例および比較例1においては、平均粒径が小さく、粒度分布がシャープな共材を用いていることがわかる。また、比較例2においては、平均粒径が大きく、粒度分布がブロードな共材を用いていることがわかる。
(分析)
実施例および比較例1,2の各サンプルのクラックおよびESR特性を調べた。クラックについては、250℃のオーブンからサンプルを取り出し、冷却スプレーにて急冷した際のクラック発生率が1%以上となった場合にNGと判定した。ESR特性については、インピーダンスアナライザで計測した1MHz時のESR値が50mΩ以上となった場合にNGと判定した。測定結果を表2に示す。表2に示すように、比較例1では、クラックはNGと判定されなかったものの、ESR特性についてはNGと判定された。比較例2では、ESR特性についてはNGと判定されなかったものの、クラックはNGと判定された。これに対して、実施例では、クラックおよびESR特性の両方についてNGと判定されなかった。
Figure 2019033243
図8(a)〜図8(f)は、誘電体層11と内部電極層12との積層方向における断面のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を描いた図である。図8(a)は実施例の表層部SのSEM写真であり、図8(b)は実施例の中央部CのSEM写真である。図8(c)は比較例1の表層部SのSEM写真であり、図8(d)は比較例1の中央部CのSEM写真である。図8(e)は比較例2の表層部SのSEM写真であり、図8(f)は中央部CのSEM写真である。
図8(a)〜図8(f)の結果から、内部電極層12の延在方向(ここでは外部電極20aから外部電極20bに向かう方向)の主成分金属の結晶粒の平均長さbを計測した。SEM写真の視野は12.6μm×8.35μmとした。具体的には、結晶粒の長さについて、図5(b)で例示したように、外部電極20aから外部電極20bに向かう内部電極層12の延在方向において各結晶粒14の最長部の長さとした。結晶粒の平均長さbは、各結晶粒14の長さの平均値とした。
表3および図9(a)は、表層部Sおよび中央部Cにおける内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さbを示す。表4および図9(b)は、表3および図9(a)を規格化したものである。表3、表4、図9(a)および図9(b)に示すように、実施例、比較例1,2のいずれにおいても、中央部Cと比較して表層部Sにおいて、内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さbが短くなった。比較例1,2では、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さbは、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さbの0.8倍を上回っていた。これに対して、実施例では、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さbは、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さbの0.8倍以下であった。
Figure 2019033243
Figure 2019033243
比較例1については、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒界数が多くなったことで、当該結晶粒界が滑りを抑制したために、クラックが抑制されたと考えられる。その一方で、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒界数も多くなったため、全体としてESR特性が悪化したものと考えられる。
比較例2については、表層部Sおよび中央部Cの両方において、内部電極層12の主成分金属の結晶粒界数が少なくなったことで、ESR特性の劣化が抑制されたと考えられる。その一方で、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒界数が少なくなったことで、当該結晶粒界が滑りを抑制できなかったために、クラックが発生したものと考えられる。
これらに対して、実施例では、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さbが中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さbの0.8倍以下となったことで、表層部Sの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さbが十分に小さくなり、中央部Cの内部電極層12の主成分金属の結晶粒の平均長さbが十分に大きくなった。その結果として、クラックの発生が抑制され、ESR特性の劣化が抑制されたものと考えられる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 積層チップ
11 誘電体層
12 内部電極層
13 カバー層
14 結晶粒
15 粒子
16 結晶粒界
20a,20b 外部電極
100 積層セラミックコンデンサ

Claims (9)

  1. セラミックを主成分とする誘電体層と、前記誘電体層を介して対向するように配置される内部電極層とが積層された積層構造を備え、
    前記積層構造は、前記誘電体層と前記内部電極層とが積層された積層方向において、表面から第1の厚みを有する表層部と、前記積層方向において前記表層部と隣接して第2の厚みを有する中央部と、を備え、
    前記表層部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さは、前記中央部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さの0.8倍以下であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記第1の厚みは、前記積層構造の前記積層方向における寸法の1/10であることを特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記中央部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒界数は、前記内部電極層の延在方向において、1個/μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記中央部の前記内部電極層の平均厚みは、前記表層部の前記内部電極層の平均厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記中央部の前記内部電極層の平均厚みは、前記表層部の前記内部電極層の平均厚みの1.2倍以上であることを特徴とする請求項4記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さは、200点を測定したときの平均値であることを特徴とする請求項1の記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記内部電極層の主成分金属の結晶粒界数は、200点を測定したときの平均値であることを特徴とする請求項3の記載の積層セラミックコンデンサ。
  8. 前記内部電極層の平均厚みは、200点を測定したときの平均値であることを特徴とする請求項4または5に記載の積層セラミックコンデンサ。
  9. 主成分セラミック粒子を含むグリーンシート上に、金属導電ペーストの第1パターンを配置する第1工程と、
    前記第1工程によって得られた積層単位を、前記第1パターンの配置位置が交互にずれるように複数積層する第2工程と、
    前記第2工程によって得られたセラミック積層体の積層方向の上面および下面に主成分セラミック粒子を含むカバーシートを配置して圧着する第3工程と、
    前記第3工程によって得られた前記セラミック積層体を焼成することで、誘電体層と内部電極層とが積層された積層構造を作成する第4工程と、を含み、
    前記積層構造の誘電体層と前記内部電極層とが積層された積層方向において、表面から第1の厚みを有する表層部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さが、前記積層方向において前記表層部と隣接して第2の厚みを有する中央部の前記内部電極層の主成分金属の結晶粒の平均長さの0.8倍以下となるように、前記第3工程において充填状態を調整することを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。
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