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JP2019027819A - クランプセンサおよび測定装置 - Google Patents

クランプセンサおよび測定装置 Download PDF

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JP2019027819A JP2017144232A JP2017144232A JP2019027819A JP 2019027819 A JP2019027819 A JP 2019027819A JP 2017144232 A JP2017144232 A JP 2017144232A JP 2017144232 A JP2017144232 A JP 2017144232A JP 2019027819 A JP2019027819 A JP 2019027819A
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池田 正和
Masakazu Ikeda
正和 池田
哲也 吉池
Tetsuya Yoshiike
哲也 吉池
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Hioki EE Corp
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Hioki EE Corp
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Abstract

【課題】活電状態を検出する際の検出感度を向上させる。【解決手段】各々の先端部の先端面同士が接離するように少なくとも一方が回動可能に構成されて先端面同士が接近した状態において測定対象をクランプ可能な平面視弧状の一対のセンサを有してクランプ状態の測定対象についての第1被検出量を検出するクランプ部と、各センサの少なくとも一方における先端面に配設されて測定対象に交流電圧が供給されている活電状態の検出に用いる第2被検出量を検出するための検出部12とを備え、検出部12は、表面51aおよび裏面51bが先端面に平行な状態で先端面に沿って配設される非導電性の板状の基板51と、基板51に形成された導体パターン52a,52bと、基板51の厚み方向に延在するように基板51に形成されると共に導体パターン52a,52bに接続されたビア53とを備えて構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、測定対象についての第1被検出量を検出するクランプ部と、測定対象の活電状態の検出に用いる第2被検出量を検出するための検出部とを備えたクランプセンサ、およびそのクランプセンサを備えた測定装置に関するものである。
この種の測定装置として、下記特許文献1において出願人が開示した電流測定装置が知られている。この電流測定装置は、クランプセンサおよび本体部を備えて構成されている。クランプセンサは、一対のセンサを備え、各センサで測定対象をクランプした状態において、測定対象に生じる磁気を非接触で検出する。また、クランプセンサにおける一方のセンサの先端面には、フレキシブル基板が配置され、フレキシブル基板に形成されている1つの配線パターンが活電状態を検出する際の検出用電極として機能する。このため、このクランプセンサを用いることで、測定対象の電流の測定、および検出対象の活電状態の検出の双方を行うことが可能となっている。この場合、例えば、測定対象としてのコンセントの活電状態を検出するときには、センサの先端部をコンセントに近接させ、センサの先端部に配置されているフレキシブル基板の配線パターンの先端部をコンセントに対向させる。この際に、配線パターンを介したコンセントと大地との間の静電容量(コンセントと配線パターンとの間の静電容量、電流測定装置を握持している測定者と配線パターンとの間の静電容量、および測定者と大地との間の静電容量)によってコンセントと大地との間に交流電流が流れ、この交流電流に基づいてコンセントに供給されている交流電圧の電圧値を測定し、測定した電圧値が規定値以上か否かによってコンセントの活電状態を検出することができる。
特開2016−70771号公報(第4−7頁、第1,6図)
ところが、上記した電流測定装置には、改善すべき以下の課題がある。具体的には、この電流測定装置では、センサの先端面に配置されたフレキシブル基板における1つの配線パターンを検出用電極として機能させており、例えば、測定対象としてのコンセントの活電状態を検出するときには、配線パターンを介したコンセントと大地との間の静電容量によって流れる交流電流を用いてコンセントの活電状態を判別している。このため、コンセントと配線パターンとの間の静電容量の大小によって活電状態の検出感度が左右される。つまり、コンセントと配線パターンとの間の静電容量が大きいほど検出感度が高く、コンセントと配線パターンとの間の静電容量が小さいほど検出感度が低くなる。一方、コンセントと配線パターンとの間の静電容量の大きさは、コンセントに対向している配線パターンの対向面積が大きいほど大きく、小さいほど小さくなる。このような使用形態では、配線パターンの先端面が測定対象に対向しているため、配線パターンの対向面積は、配線パターンの先端面の面積、すなわち、配線パターンの厚みと幅との乗算値となる。この場合、配線パターンの厚みは、一般的に極めて薄いため、対向面積も極めて小さいものとなる。したがって、この電流測定装置には、このような使用形態において、コンセントに対向する1つの配線パターンの十分な大きさの対向面積を確保することが困難なため、検出感度の向上が困難となっており、その改善が望まれている。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、活電状態を検出する際の検出感度を向上し得るクランプセンサおよび測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のクランプセンサは、各々の先端部の先端面同士が接離するように少なくとも一方が回動可能に構成されて当該先端面同士が接近した状態において測定対象をクランプ可能な平面視弧状の一対のセンサを有してクランプ状態の当該測定対象についての第1被検出量を検出するクランプ部と、前記各センサの少なくとも一方に配設されて前記測定対象に交流電圧が供給されている活電状態の検出に用いる第2被検出量を検出するための検出部とを備えたクランプセンサであって、前記検出部は、前記先端面に平行な方向に沿って前記先端部に配設された第1導体と、前記先端面に対して交差する方向に沿って前記先端部に配設されると共に前記第1導体に接続された第2導体とを備えて構成されている。
また、請求項2記載のクランプセンサは、請求項1記載のクランプセンサにおいて、前記検出部は、表面および裏面が前記先端面に平行な状態で当該先端面に沿って配設された非導電性の板状の基板と、当該基板に形成された前記第1導体としての導体パターンと、前記基板の厚み方向に延在するように当該基板に形成されると共に前記導体パターンに接続された前記第2導体としてのビアとを備えて構成されている。
また、請求項3記載のクランプセンサは、請求項2記載のクランプセンサにおいて、前記導体パターンは、前記基板の前記表面および前記裏面にそれぞれ形成され、前記ビアは、前記表面および前記裏面に形成されている前記各導体パターンの双方に接続されている。
また、請求項4記載のクランプセンサは、請求項1記載のクランプセンサにおいて、前記検出部は、非導電性の板状の基板と、当該基板に形成された導体パターンとを備え、前記基板は、表面および裏面が前記先端面に平行な状態で当該先端面に沿って配設された第1基板領域と、前記先端面に対して交差する方向に折り曲げられた第2基板領域とを有し、前記導体パターンは、前記第1基板領域に形成された前記第1導体としての第1導体パターン領域と、前記第2基板領域に形成されて前記第1導体パターン領域に接続された前記第2導体としての第2導体パターン領域とを有している。
また、請求項5記載のクランプセンサは、請求項1から4のいずれかに記載のクランプセンサにおいて、前記少なくとも一方のセンサにおける前記先端面の対向部位には、前記第1被検出量としての磁気を検出する磁気検出素子が配設され、前記第1導体は、信号の入力用の電気配線および信号の出力用の電気配線のいずれか一方として前記磁気検出素子に接続されている。
また、請求項6記載の測定装置は、請求項1から5のいずれかに記載のクランプセンサと、前記第1被検出量に基づいて前記測定対象についての被測定量を測定する測定部と、前記第2被検出量を検出して当該第2被検出量に基づいて前記測定対象の前記活電状態を検出する検電部とを備えている。
請求項1記載のクランプセンサ、および請求項6記載の測定装置では、センサの先端面に平行な方向に沿ってセンサの先端部に配設された第1導体と、センサの先端面に対して交差する方向に沿ってセンサの先端部に配設されると共に第1導体に接続された第2導体とを備えて検出部が構成されている。このため、このクランプセンサおよび電流測定装置によれば、1つの導体パターンだけを用いて活電状態を検出する構成と比較して、測定対象に対向する検出部の導体部分(導体パターンおよびビア)の対向面積が大きい分、測定対象と検出部の導体部分との間の静電容量を大きくすることができる結果、活電状態の検出感度を十分に向上させることができる。
また、請求項2記載のクランプセンサ、および請求項6記載の測定装置によれば、基板に形成された第1導体としての導体パターンと、基板の厚み方向に延在するように基板に形成されると共に導体パターンに接続された第2導体としてのビアとを備えて検出部を構成したことにより、検出部を簡易に構成することができるため、活電状態の検出感度の向上を低コストで実現することができる。
また、請求項3記載のクランプセンサ、および請求項6記載の測定装置によれば、基板の表面および裏面に導体パターンをそれぞれ形成し、各導体パターンの双方に接続するようにビアを形成したことにより、ビアを基板の厚みと同等程度まで長くすることができる。このため、このクランプセンサおよび電流測定装置によれば、例えば、基板の厚みよりも短いビアを形成する構成と比較して、測定対象に対向する検出部の導体部分の対向面積をより大きくすることができる結果、活電状態の検出感度をさらに向上させることができる。
また、請求項4記載のクランプセンサ、および請求項6記載の測定装置によれば、先端面に沿って配設された第1基板領域、および先端面に対して交差する方向に折り曲げられた第2基板領域を有する基板と、第1基板領域に形成された第1導体としての第1導体パターン領域、および第2基板領域に形成されて第1導体パターン領域に接続された第2導体としての第2導体パターン領域を有する導体パターンとを備えて検出部を構成したことにより、基板の先端部側を導体パターンと共に折り曲げるだけの簡易な構成のため、活電状態の検出感度の向上を低コストで実現することができる。
また、請求項5記載のクランプセンサ、および請求項6記載の測定装置では、センサの先端面に磁気検出素子が配設され、導体パターンが、信号の入力用の電気配線および信号の出力用の電気配線のいずれか一方として磁気検出素子に接続されている。このため、この検出部を備えたクランプセンサおよび電流測定装置によれば、測定対象の活電状態の検出に用いる導体パターンを信号の入力用の電気配線および信号の出力用の電気配線のいずれか一方として兼用することができる結果、検出部の構成を簡略化することができる。
電流測定装置1の正面図である。 電流測定装置1の構成を示す構成図である。 検出部12を基板51の表面51a側から見た斜視図である。 検出部12を基板51の裏面51b側から見た斜視図である。 図3におけるX面断面図である。 電流測定装置1の使用方法を説明する第1の説明図である。 電流測定装置1の使用方法を説明する第2の説明図である。 電流測定装置1の使用方法を説明する第3の説明図である。 検出部112を基板51の表面51a側から見た斜視図である。 検出部112を基板51の裏面51b側から見た斜視図である。 検出部212を基板51の表面51a側から見た斜視図である。 検出部212を基板51の裏面51b側から見た斜視図である。
以下、クランプセンサおよび測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、図1に示す電流測定装置1の構成について説明する。電流測定装置1は、測定装置の一例であって、測定対象(例えば、図2,7に示す導線100)についての被測定量(例えば、電流)を非接触で測定すると共に、測定対象(例えば、図6に示す導線100や、図6に示すコンセント200)に予め規定された規定値以上の交流電圧Vaが供給されている活電状態(活線状態)を非接触で検出可能に構成されている。具体的には、電流測定装置1は、図1,2に示すように、クランプセンサ2および本体部3を備えて構成されている。
クランプセンサ2は、クランプセンサの一例であって、図1に示すように、クランプ部11および検出部12を備えて構成されている。
クランプ部11は、図1に示すように、センサ21a,21b(以下、区別しないときには「センサ21」ともいう)を備えて構成されている。各センサ21は、同図に示すように、磁性コア、シールド(いずれも図示せず)、並びに磁性コアおよびシールドを覆うカバー31をそれぞれ備えて平面視が弧状をなすように形成されている。また、センサ21b(各センサ21の少なくとも一方の一例)には、磁気検出素子32(図3も参照)が配設されている。
また、このクランプセンサ2では、センサ21aが図1に示す支点Pを回動中心として回動可能に本体部3のケース60に保持されると共に、センサ21bが回動しない状態でケース60に固定されて、各センサ21における各先端部22の各先端面41同士が接離(開閉)するように構成されている。また、この電流測定装置1では、ケース60に配設されているレバー60aに対する操作に応じてセンサ21aが回動するように構成されている。
また、クランプセンサ2は、各センサ21の各先端面41同士が近接(閉じた)ときに各センサ21が測定対象(例えば、導線100)をクランプし、その状態(クランプ状態)において、測定対象に生じる第1被検出量を非接触で検出する。具体的には、このクランプセンサ2では、測定対象としての導線100に電流(直流電流Idまたは交流電流Ia:図2参照)が流れているときに磁性コアに生じる第1被検出量としての磁気を磁気検出素子32が検出して検出信号Sを出力する。
この場合、磁気検出素子32は、一例として、ホール素子で構成され、図1,3に示すように、検出部12に実装された状態で、センサ21bの先端面41の対向部位に配設されている。
検出部12は、図3〜5に示すように、基板51、導体パターン52a〜52d、および複数のビア53を備えて構成されている。基板51は、可撓性を有する非導電性材料で板状(シート状)に形成されている。
導体パターン52a,52bは、第1導体に相当し、第2被検出量としての測定対象と大地との間に流れる電流の検出に用いる薄膜状の導体であって、基板51に形成されている。この場合、図3,5に示すように、導体パターン52aは、基板51の表面51aに形成され、図4,5に示すように、導体パターン52bは、基板51の裏面51bにおける導体パターン52aに対向する位置に形成されている。また、導体パターン52c,52dは、磁気検出素子32からの信号の出力用の電気配線として用いる薄膜状の導体であって、図3,4に示すように、基板51の表面51aおよび裏面51bにそれぞれ形成されている。
ビア53は、第2導体に相当し、図5に示すように、基板51の厚み方向(同図における上下方向)に延在するように形成されると共に、導体パターン52a,52bの先端部54a,54b(基板51の先端部51c(図3,4参照)側に位置する部分)に両端部が電気的に接続されている。つまり、この例では、ビア53は、基板51の表面51aから裏面51bまで(導体パターン52aの先端部54aから導体パターン52bの先端部54bまで)貫通するスルーホール(スルーホールビア)で構成されている。
また、検出部12は、図1に示すように、先端部側(同図における上部側)がセンサ21bの先端面41に位置して先端部側における基板51の表面51aおよび裏面51bが先端面41に平行な状態で、先端面41およびセンサ21bの内周面42に沿って延在するようにカバー31の内側に配置されている。つまり、このクランプセンサ2では、先端面41に平行な基板51の厚み方向にビア53が延在しているため、ビア53が、先端面41に対して交差する(この例では直交する)方向に沿ってセンサ21bの先端部22に配設されている。
本体部3は、図1,2に示すように、表示部61、操作部62、処理部63、発光部64、音声出力部65、およびこれらの各構成要素が収容または配設されるケース60を備えて構成されている。
表示部61は、例えば液晶パネルで構成されて、図1に示すように、ケース60の正面パネルに配設されている。また、表示部61は、処理部63の制御に従って電流(直流電流Idまたは交流電流Ia)の電流値Im(測定値)等を表示する。操作部62は、ケース60の正面パネルに配設された各種のスイッチ62aやダイヤル62b等を備えて構成され、これらの操作に応じた操作信号を出力する。
処理部63は、操作部62から出力される操作信号に従って本体部3を構成する各部を制御する。また、処理部63は、測定部として機能し、センサ21から出力される検出信号S(センサ21によって検出された第1被検出量)に基づいて測定対象に流れる直流電流Idまたは交流電流Iaの電流値Imを測定して表示部61に表示させる。
また、処理部63は、検電部として機能し、測定対象に交流電圧が供給されているときに、その交流電圧の電圧値が予め決められた規定値以上のときに、発光部64を発光させると共に、音声出力部65に警告音を出力させることにより、測定対象が活電状態であることを報知させる。この場合、処理部63は、検出部12の導体パターン52a,52bを介して測定対象と大地との間に流れる電流を第2被検出量として検出し、検出した電流の電流値に基づいて交流電圧の電圧値を算出する。
次に、電流測定装置1の使用方法について、図面を参照して説明する。
例えば、測定対象としての図6に示すコンセント200の活電状態(予め規定された規定値以上の交流電圧Vaが供給されている状態)を検査する際には、本体部3の操作部62におけるダイヤル62bを操作して電源を投入し、次いで、ダイヤル62bを操作して、「検電モード」を選択する。続いて、電流測定装置1を保持して、同図に示すように、クランプセンサ2の先端部(センサ21bの先端部22)を、コンセント200に近接させる。
ここで、コンセント200に交流電圧Vaが供給されているときには、クランプセンサ2における検出部12の導体パターン52a,52bおよびビア53(以下、これらを「導体部分」)とコンセント200との間の静電容量、電流測定装置1を握持している測定者と導体部分との間の静電容量、および測定者と大地との間の静電容量によってコンセント200と大地との間に交流電流が流れる。また、この際には、本体部3の処理部63が、その交流電流に基づいてコンセント200に供給されている交流電圧Vaの電圧値を測定すると共に、測定した電圧値が規定値以上か否かを判別する。
この場合、電圧値が規定値以上と判別したとき、つまり、コンセント200が活電状態であると判別したときには、処理部63は、発光部64を発光させると共に、音声出力部65に警告音を出力させる。これにより、コンセント200が活電状態であることが報知される。なお、コンセント200と大地との間を流れる交流電流に基づいてコンセント200に供給されている交流電圧Vaの電圧値を測定する技術については、公知のため(一例として、特開2002−148287号公報参照)、詳細な説明を省略する。
この電流測定装置1では、検出部12がセンサ21bの先端面41に配設されているため、クランプすることが困難なコンセント200に対してクランプセンサ2の先端部(センサ21bの先端部22)を近接させることで、先端面41に配設した検出部12の導体部分とコンセント200とを十分に近接させることができる。したがって、この電流測定装置1によれば、クランプすることが困難な測定対象であっても、交流電圧Vaが供給されているときに流れる交流電流を検出部12の導体部分を介して確実に検出することができる結果、その測定対象の活電状態を確実に検出することが可能となっている。
また、この電流測定装置1では、基板51の厚み方向に延在して基板51に形成された導体パターン52a,52bに接続されたビア53を備えて検出部12が構成されている。このため、この電流測定装置1では、クランプセンサ2の先端部を測定対象(コンセント200)に対向させたときに測定対象に対向する検出部12の導体部分の対向面積が、導体パターン52a,52bにおける先端部54a,54bの断面積に各ビア53の断面積を加えた面積となる(図5参照)。したがって、この電流測定装置1では、導体パターン52a,52bだけを用いて活電状態を検出する構成(つまり、測定対象に対向する導体部分の対向面積が先端部54a,54bの断面積だけである構成)と比較して、測定対象に対向する検出部12の導体部分の対向面積が大きい分、測定対象と検出部12の導体部分との間の静電容量を大きくすることができる結果、活電状態の検出感度を十分に向上させることが可能となっている。
次に、例えば、図7に示す導線100に流れている電流の電流値Imを測定する際には、本体部3の操作部62におけるダイヤル62bを操作して、「電流測定モード」を選択する。続いて、クランプセンサ2(各センサ21)で導線100をクランプする。具体的には、まず、本体部3のケース60に配設されているレバー60aを押し込む。この際に、同図に示すように、センサ21aが支点Pを回動中心として回動して、センサ21aの先端面41がセンサ21bの先端面41から離反する。
次いで、各センサ21の各先端面41の間の隙間に導線100を通し、続いて、レバー60aの押し込みを解除することによって各センサ21の各先端面41を近接させる。この際に、図8に示すように、各センサ21(各センサ21で構成される環状体)によって導線100が取り囲まれる(クランプされる)。
ここで、導線100に直流電流Idまたは交流電流Iaが流れているときには、その電流によって各センサ21(各センサ21の各磁性コア)に生じる磁気を磁気検出素子32が検出して検出信号Sを出力する。また、この際には、処理部63が、磁気検出素子32(センサ21)から出力される検出信号Sに基づいて導線100に流れる直流電流Idまたは交流電流Iaの電流値Imを測定する。次いで、処理部63は、センサ21から出力される検出信号Sに基づいて測定した直流電流Idまたは交流電流Iaの電流値Imを表示部61に表示させる。
次に、導線100をクランプした状態で、導線100の活電状態を検出する際には、操作部62のダイヤル62bを操作して、「検電モード」を選択する。
ここで、導線100に交流電圧Vaが供給されているときには、検出部12の導体部分と導線100との間の静電容量、電流測定装置1を握持している測定者と導体部分との間の静電容量、および測定者と大地との間の静電容量によって導線100と大地との間に交流電流が流れ、処理部63が、その交流電流に基づいて導線100に供給されている交流電圧Vaの電圧値を測定すると共に、測定した電圧値が規定値以上か否かを判別する。この場合、電圧値が規定値以上(導線100が活電状態である)と判別したときには、処理部63は、発光部64を発光させると共に、音声出力部65に警告音を出力させる。これにより、導線100が活電状態であることが報知される。
この場合、この電流測定装置1では、検出部12がセンサ21bの先端面41だけでなく、内周面42にも配設されているため、各センサ21によってクランプしている導線100と内周面42に配設されている検出部12の導体部分とが十分に近接している。このため、この電流測定装置1では、導線100に交流電圧Vaが供給されているときに流れる交流電流を検出部12の導体部分を介して確実に検出することができる結果、クランプ状態の導線100の活電状態を確実に検出することが可能となっている。
このように、このクランプセンサ2および電流測定装置1では、センサ21bの先端面41に平行な方向に沿ってセンサ21bの先端部22に配設された導体パターン52a,52b(第1導体)と、先端面41に対して交差する方向に沿って先端部22に配設されると共に導体パターン52a,52bに接続されたビア53(第2導体)とを備えて検出部12が構成されている。このため、このクランプセンサ2および電流測定装置1によれば、1つの導体パターンだけを用いて活電状態を検出する構成と比較して、測定対象に対向する検出部12の導体部分の対向面積が大きい分、測定対象と検出部12の導体部分との間の静電容量を大きくすることができる結果、活電状態の検出感度を十分に向上させることができる。
また、このクランプセンサ2および電流測定装置1によれば、基板51に形成された第1導体としての導体パターン52a,52bと、基板51の厚み方向に延在するように基板51に形成されると共に導体パターン52a,52bに接続された第2導体としてのビア53とを備えて検出部12を構成したことにより、検出部12を簡易に構成することができるため、活電状態の検出感度の向上を低コストで実現することができる。
また、このクランプセンサ2および電流測定装置1によれば、基板51の表面51aおよび裏面51bに導体パターン52a,52bをそれぞれ形成し、導体パターン52a,52bの双方に接続するようにビア53を形成したことにより、ビア53を基板51の厚みと同等程度まで長くすることができる。このため、このクランプセンサ2および電流測定装置1によれば、例えば、基板51の厚みよりも短いビア53を形成する構成と比較して、測定対象に対向する検出部12の導体部分の対向面積をより大きくすることができる結果、活電状態の検出感度をさらに向上させることができる。
なお、クランプセンサおよび測定装置の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、上記した検出部12に代えて、図9,10に示す検出部112を備えた構成を採用することもできる。なお、以下の説明において、上記した電流測定装置1と同様の構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この構成では、図9に示すように、基板51の表面51aに導体パターン52aが形成され、図10に示すように、基板51の裏面51bにおける導体パターン52aの先端部54aの対向位置に導体パターン52eが形成され、導体パターン52aの先端部54aおよび導体パターン52eにビア53(図示せず)の両端部が電気的に接続されている。また、図10に示すように、基板51の裏面51bには、磁気検出素子32からの信号の出力用の電気配線として用いる導体パターン52fが形成されている。また、この構成では、図9に示すように、導体パターン52aが、磁気検出素子32からの信号の出力用の電気配線(信号の入力用の電気配線および信号の出力用の電気配線のいずれか一方の一例)として磁気検出素子32に接続されている。つまり、この検出部112を備えたクランプセンサ2および電流測定装置1では、測定対象の活電状態の検出に用いる導体パターン52aを、磁気検出素子32からの信号の出力用の電気配線の1つとして兼用している。このため、この検出部112を備えたクランプセンサ2および電流測定装置1によれば、導体パターンの数を削減することができる分、検出部112の構成を簡略化することができる。なお、信号の入力によって作動するタイプの磁気検出素子32を用いる構成において、測定対象の活電状態の検出に用いる導体パターン52aを、磁気検出素子32に対する信号の入力用の電気配線として磁気検出素子32に接続することもできる。
また、基板51の表面51aおよび裏面51bに導体パターン52a,52bがそれぞれ形成された検出部12,112を例に挙げて説明したが、導体パターン52a,52bのいずれか一方だけを備え、この一方の導体パターンにビア53の一方の端部が接続された検出部12,112を採用することもできる。また、1または複数の内層パターン(内層の導体パターン)を備え、この内層パターンにビア53が接続された検出部12,112を採用することもできる。
また、導体パターン52a,52bの先端部54a,54bに対向する位置にビア53を形成した例について上記したが、ビア53の形成位置は、センサ21bの先端面41に対向する位置に配設される導体パターン52a,52bにおける任意の位置に規定することができる。例えば、先端面41に対向する位置に配設される導体パターン52a,52bにおける検出部12の長さ方向(図3,4における上下方向)に沿った部分にビア53を形成することができる。
また、上記した検出部12に代えて、図11,12に示す検出部212を備えた構成を採用することもできる。なお、以下の説明において、上記した電流測定装置1と同様の構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この構成では、両図に示すように、基板51の先端部51c側が、センサ21bの先端面41に平行な状態で先端面に沿って配設される領域71(第1基板領域に相当する)と、先端面41に対して交差する方向に折り曲げられた領域72(第2基板領域に相当する)とを備えている。また、この構成では、両図に示すように、測定対象の活電状態の検出に用いる導体パターン52aが基板51の表面51aに形成されている。また、導体パターン52aは、領域71に形成された領域81(第1導体としての第1導体パターン領域に相当する)と、領域72に形成されて領域81に接続された領域82(第2導体としての第2導体パターン領域に相当する)とを備えている。つまり、この構成では、導体パターン52aにおける領域81(第1導体)がセンサ21bの先端面41に平行な方向に沿ってセンサ21bの先端部22に配設され、導体パターン52aにおける領域82(第2導体)が、センサ21bの先端面41に対して交差する方向に沿ってセンサ21bの先端部22に配設されると共に領域81に接続されている。
この検出部212を備えたクランプセンサ2および電流測定装置1においても、1つの導体パターンだけを用いて活電状態を検出する構成と比較して、測定対象に対向する検出部212の導体部分の対向面積が大きい分、測定対象と検出部212の導体部分との間の静電容量を大きくすることができる結果、活電状態の検出感度を十分に向上させることができる。また、この検出部212を備えたクランプセンサ2および電流測定装置1によれば、基板51の先端部51c側を導体パターン52aと共に折り曲げるだけの簡易な構成のため、活電状態の検出感度の向上を低コストで実現することができる。
また、上記した検出部212における導体パターン52aを磁気検出素子32からの信号の出力用の電気配線および信号の出力用の電気配線のいずれか一方として磁気検出素子32に接続する構成を採用することもできる。
また、センサ21b(各センサ21のいずれか一方)の先端面41および内周面42に沿って延在するように検出部12,112,212を配設した例について上記したが、センサ21bの先端面41および外周面43(図1参照)に沿って延在するように検出部12,112,212を配設する構成を採用することもできる。また、先端面41、内周面42および外周面43に沿って延在するように検出部12,112,212を配設する構成を採用することもできる。また、検出部12,112,212をカバー31の内側に配置した例について上記したが、検出部12,112,212をカバー31の外側に配置する構成を採用することもできる。
また、2つのセンサ21の一方であるセンサ21bに検出部12,112,212を配設した例について上記したが、センサ21aに検出部12,112,212を配設する構成や、センサ21a,21bの双方に検出部12,112,212を配設する構成を採用することもできる。
また、センサ21aが回動可能で、センサ21bが回動しない状態で固定されている構成例について上記したが、センサ21a,21bの双方を回動可能とした構成を採用することもできる。
また、被測定量としての電流を非接触で測定するクランプ式の電流測定装置1に適用した例について上記したが、被測定量としての電圧を非接触で測定するクランプ式の電圧測定装置に適用することもできる。
1 電流測定装置
2 クランプセンサ
11 クランプ部
12,112,212 検出部
21a,21b センサ
22 先端部
32 磁気検出素子
41 先端面
51 基板
51a 表面
51b 裏面
52a,52b 導体パターン
53 ビア
63 処理部
71,72,81,82 領域
100 導線

Claims (6)

  1. 各々の先端部の先端面同士が接離するように少なくとも一方が回動可能に構成されて当該先端面同士が接近した状態において測定対象をクランプ可能な平面視弧状の一対のセンサを有してクランプ状態の当該測定対象についての第1被検出量を検出するクランプ部と、前記各センサの少なくとも一方に配設されて前記測定対象に交流電圧が供給されている活電状態の検出に用いる第2被検出量を検出するための検出部とを備えたクランプセンサであって、
    前記検出部は、前記先端面に平行な方向に沿って前記先端部に配設された第1導体と、前記先端面に対して交差する方向に沿って前記先端部に配設されると共に前記第1導体に接続された第2導体とを備えて構成されているクランプセンサ。
  2. 前記検出部は、表面および裏面が前記先端面に平行な状態で当該先端面に沿って配設された非導電性の板状の基板と、当該基板に形成された前記第1導体としての導体パターンと、前記基板の厚み方向に延在するように当該基板に形成されると共に前記導体パターンに接続された前記第2導体としてのビアとを備えて構成されている請求項1記載のクランプセンサ。
  3. 前記導体パターンは、前記基板の前記表面および前記裏面にそれぞれ形成され、
    前記ビアは、前記表面および前記裏面に形成されている前記各導体パターンの双方に接続されている請求項2記載のクランプセンサ。
  4. 前記検出部は、非導電性の板状の基板と、当該基板に形成された導体パターンとを備え、
    前記基板は、表面および裏面が前記先端面に平行な状態で当該先端面に沿って配設された第1基板領域と、前記先端面に対して交差する方向に折り曲げられた第2基板領域とを有し、
    前記導体パターンは、前記第1基板領域に形成された前記第1導体としての第1導体パターン領域と、前記第2基板領域に形成されて前記第1導体パターン領域に接続された前記第2導体としての第2導体パターン領域とを有している請求項1記載のクランプセンサ。
  5. 前記少なくとも一方のセンサにおける前記先端面の対向部位には、前記第1被検出量としての磁気を検出する磁気検出素子が配設され、
    前記第1導体は、信号の入力用の電気配線および信号の出力用の電気配線のいずれか一方として前記磁気検出素子に接続されている請求項1から4のいずれかに記載のクランプセンサ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のクランプセンサと、前記第1被検出量に基づいて前記測定対象についての被測定量を測定する測定部と、前記第2被検出量を検出して当該第2被検出量に基づいて前記測定対象の前記活電状態を検出する検電部とを備えている測定装置。
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