以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
<システムの構成>
図1は、一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム100は、画像形成装置101、画像形成装置101が備える人体検知センサ102、及びカメラ103を含む。
好ましくは、情報処理システム100は、画像形成装置101が備えるICカードリーダ106と、利用者105が所持するICカード104等をさらに含む。
画像形成装置(画像処理装置)101は、例えば、プリンタ、スキャナ、コピー、ファクシミリ等の機能を有するMFP(Multifunction Peripheral)、コピー機、プリンタ等の画像処理装置である。
好ましくは、画像形成装置101は、画像処理を実行する本体(実行装置)110と、本体110に接続され、利用者105の操作を受付する操作部(操作装置)120とを有する。
操作部(情報処理装置)120は、一般的なコンピュータの構成を有し、例えば、Android(登録商標)等の省電力型のOS(Operating System)で動作する情報処理装置である。
本体110は、例えば、一般的なコンピュータの構成に加えて、画像処理を実行するエンジン部を有し、利用者105による操作部120への操作に応じて、例えば、印刷、スキャン、コピー等の画像処理を実行する。
人体検知センサ(検知装置)102は、画像形成装置101(又は操作部120)に接近する利用者105を検知する検知装置である。人体検知センサ102は、例えば、焦電センサ等が用いられ、所定の検知範囲内(例えば、2m以内等)にある人体等を検知する。
なお、画像形成装置101が備える検知装置は、所定の検知範囲内に接近する利用者105を検知することができるものであれば、人体検知センサ102以外の検知装置であっても良い。例えば、画像形成装置101は、人体検知センサ102に代えて、利用者105が所持する無線端末の電波により、利用者105の接近を検知する無線通信デバイス等であっても良い。ここでは、一例として、画像形成装置101が備える検知装置が、人体検知センサ102であるものとして、以下の説明を行う。
カメラ103は、画像形成装置101を利用する利用者105の顔認証に用いる画像を撮像する撮像装置である。
ICカードリーダ106は、利用者105が所持するICカード104から、ICカード認証に用いる認証情報(カードID等)を取得する読取装置である。なお、ICカード認証は、利用者105の所持物から取得した認証情報により、利用者105を認証する所持物認証の一例である。また、ICカード104は、利用者105の所持物認証に用いられる所持物の一例である。
なお、画像形成装置101は、ICカードとは異なる利用者105の所持物(例えば、情報端末、無線タグ等)により、利用者の105の所持物認証を行うものであっても良い。ここでは、一例として、画像形成装置101が実行する所持物認証が、ICカード認証であるものとして、以下の説明を行う。
上記の構成において、画像形成装置101は、省電力機能を有しており、例えば、所定の時間を超えて画像形成装置101の利用がない場合、画像形成装置101を、画像処理を実行可能な通常状態から、通常状態よりも消費電力が少ない省電力状態へ移行させる。画像形成装置101は、省電力状態において、カメラ103、ICカードリーダ106、操作部120、及び本体110の一部(エンジン部、ストレージ部等)の機能を停止させることにより、画像形成装置101の消費電力を低減させることができる。
一方、画像形成装置101、省電力状態に移行した後においても、人体検知センサ102により、所定の検知範囲内に接近する利用者105の検知を継続し、利用者105の接近が検知されると、画像形成装置101を、段階的に通常状態に復帰させる。
例えば、画像形成装置101は、省電力状態において、利用者105の接近が検知されると、利用者105の顔認証に必要な機能を優先的に起動させて、所定の処理を行った後で他の機能を起動させる。
一例として、画像形成装置101は、省電力状態において、利用者105の接近が検知されると、利用者105の画像を撮像するカメラ103、及び撮像された画像から利用者105の顔の特徴情報を抽出する処理等を優先的に起動させる。また、画像形成装置101は、利用者105の顔の特徴情報を抽出した後、他の処理部を起動させる。
これは、操作部120を起動する処理、及び顔の特徴情報を抽出する処理は、共に処理が重いため、同時に実行すると、CPU(Central Processing Unit)の負荷が高くなり、顔認証に要する待ち時間が長くなってしまうためである。
別の一例として、画像形成装置101は、省電力状態において、利用者105の接近が検知されると、利用者105の画像を撮像するカメラ103、及び生体認証を実行するアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を優先的に起動させる。また、画像形成装置101は、利用者105の顔認証処理を実行した後、他の処理部を起動させる。
このように、本実施形態に係る画像形成装置101は、省電力状態において、利用者105の接近が検知された場合、利用者105の顔認証に必要な機能を優先的に起動させて、所定の処理を行った後で他の機能を起動させる。
これにより、本実施形態によれば、省電力状態に移行した後、利用者105の接近に応じて省電力状態から復帰し、利用者105の生体認証を行う情報処理システム100において、生体認証に要する認証待ち時間を低減させることができる。
なお、図1に示すシステム構成はあくまで一例である。例えば、情報処理システム100は、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン、ゲーム機、テレビ会議装置、ATM(Automatic Teller Machine)等、利用者を認証する他の情報処理装置を含むシステムであっても良い。
<ハードウェア構成>
図2は、一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。画像形成装置101は、例えば、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種の画像処理を実行する本体110と、利用者105の操作を受付する操作部120とを備える。本体110と操作部120は、専用の通信路201を介して相互に通信可能に接続されている。通信路201は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のものを用いることができるが、有線か無線かを問わず任意の規格のものであって良い。
なお、本体110は、操作部120で受け付けた操作に応じた動作を行うことができる。また、本体110は、ネットワーク202を介して、クライアントPC等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。
(本体のハードウェア構成)
まず、本体110のハードウェア構成について説明する。図2に示すように、本体110は、CPU111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、ストレージ部114、通信I/F(Interface)115、接続I/F116、エンジン部117、人体検知センサ102、外部接続I/F118、及びシステムバス119等を有する。
CPU111は、RAM113をワークエリア(作業領域)としてROM112又はストレージ部114等に格納されたプログラムを実行することで、本体110全体の動作を制御する演算装置である。例えば、CPU111は、エンジン部117を用いて、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を実現する。
ROM112は、例えば、本体110の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)や、各種の設定等を記憶する不揮発性のメモリである。RAM113は、CPU111のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ストレージ部114は、例えば、OS、アプリケーションプログラム、各種データ等を記憶する不揮発性の記憶装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)等で構成される。
通信I/F115は、本体110をネットワーク202に接続し、ネットワーク202に接続された外部装置との通信を行うための、例えば、無線LAN、有線LAN等のネットワークインタフェースである。接続I/F116は、通信路201を介して、本体110と操作部120との間で通信するためのインタフェースである。
エンジン部117は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、及びプリンタ機能等の機能を実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。エンジン部117には、例えば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ(画像読取部)、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ(画像形成部)、ファクス通信を行うファクス部等が含まれる。さらに、エンジン部117には、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置)のような特定のオプションが含まれていても良い。
人体検知センサ102は、図1で説明した人体検知センサ102に対応しており、画像形成装置101に接近する利用者105を検知する検知装置である。なお、本体110は、人体検知センサ102とは異なる方法で利用者105の接近を検知する他の検知装置を有しているものであっても良い。
外部接続I/F118は、外部装置を接続するための、例えばUSB等のインタフェースである。ICカードリーダ106や、人体検知センサ102等は、外部接続I/F118を介して、本体110に接続されているものであっても良い。
システムバス119は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
(操作部のハードウェア構成)
次に、操作部120のハードウェア構成について説明する。図2に示すように、操作部120は、CPU121、ROM122、RAM123、フラッシュメモリ124、通信I/F125、操作パネル126、接続I/F127、ICカードリーダ106、カメラ103、外部接続I/F129、及びシステムバス130等を有する。
CPU121は、RAM123をワークエリア(作業領域)としてROM122又はフラッシュメモリ124等に格納されたプログラムを実行することで、操作部120全体の動作を制御する演算装置である。ROM122は、例えば、操作部120の起動時に実行されるBIOSや、各種の設定等を記憶する不揮発性のメモリである。RAM123は、CPU121のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。フラッシュメモリ124は、例えば、OS、アプリケーションプログラム、各種データ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。
通信I/F125は、操作部120をネットワーク202に接続し、ネットワーク202に接続された外部装置との通信を行うための、例えば、無線LAN、有線LAN等のネットワークインタフェースである。
操作パネル126は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けると共に、各種の情報を表示する。操作パネル126は、例えば、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD: Liquid Crystal Display)で構成されるが、これに限られるものではない。操作パネル126は、例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL(Electro Luminescence)表示装置で構成されていても良い。さらに、操作パネル126は、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部や、ランプ等の表示部を設けることもできる。
接続I/F127は、通信路201を介して、操作部120と本体110との間で通信するためのインタフェースである。
ICカードリーダ106は、図1で説明したICカードリーダ106に対応しており、利用者105が所持するICカード104から、ICカード認証に用いられる認証情報(カードID等)を読取する読取装置である。なお、操作部120は、ICカード104とは異なる利用者105の所持物から、所持物認証に用いる認証情報を読取する読取装置を有しているものであっても良い。
カメラ103は、図1で説明したカメラ103に対応しており、利用者105の顔認証に用いる画像を撮像する撮像装置である。なお、操作部120は、顔認証とは異なる利用者105の生体認証に用いる生体情報を取得する取得装置を有しているものであっても良い。
外部接続I/F129は、外部装置を接続するための、例えばUSB等のインタフェースである。ICカードリーダ106やカメラ103は、外部接続I/F129を介して、操作部120に接続されているものであっても良い。
システムバス130は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
<機能構成>
図3は、一実施形態に係る画像形成装置の機能構成の例を示す図である。
(本体の機能構成)
画像形成装置101の本体110は、接近検知部321、状態制御部(本体)322、画像形成部323、認証制御部324、通信部325、及び記憶部326等を有する。
接近検知部321は、例えば、図2の人体検知センサ102等の検知装置、又は検知装置が備えるマイコン(マイクロコンピュータ)で実行されるプログラム等によって実現される。接近検知部321は、画像形成装置101(又は操作部120)に接近する利用者を検知する。また、接近検知部321は、画像形成装置101が省電力状態に移行した後も、検知処理を継続し、利用者105の接近を検知すると、利用者105の接近が検知されたことを示す接近通知を状態制御部(本体)322に通知する。
状態制御部(本体)322は、例えば、図2のCPU111で実行されるプログラムによって実現される。状態制御部(本体)322は、所定の移行条件に従って、画像形成装置101を、所定の処理を実行可能な通常状態から、通常状態より消費電力が少ない省電力状態に移行させる状態制御部の一例である。
例えば、状態制御部(本体)322は、予め設定された時間を超えて、画像形成装置101の利用がない場合、操作部120、カメラ103、及び本体110のエンジン部117、ストレージ部114等を省電力状態に移行させる。
また、状態制御部(本体)322は、省電力状態において、接近検知部321により利用者105の接近が検知されると、操作部120に起動を要求する起動要求を送信すると共に、本体110のエンジン部117、ストレージ部114等を起動させる。
画像形成部323は、例えば、図2のCPU111で実行されるプログラムによって実現され、例えば、印刷、コピー、スキャン、ファックス等の画像処理を、図2のエンジン部117を用いて実行する。
認証制御部324は、例えば、図2のCPU111で実行されるプログラムによって実現され、操作部120により、画像形成装置101の利用が許可された利用者105による本体110の機能(例えば、印刷、コピー等)の利用を許可する。
通信部325は、例えば、図2のCPU111で実行されるプログラム、及び接続I/F116等にって実現され、通信路201を介して、操作部120と通信を行う。
記憶部326は、例えば、図2のCPU111で実行されるプログラム、及びRAM113、ストレージ部114等によって実現され、予め登録された利用者の情報である利用者情報A327等の情報を記憶する。
(操作部の機能構成)
続いて、操作部120の機能構成について説明する。
操作部120は、例えば、状態制御部(操作部)301、撮像部302、抽出部303、生体認証部304、利用制御部305、認証情報取得部306、所持物認証部307、利用者情報管理部308、表示入力制御部309、設定管理部310、通信部311、及び記憶部312等を有する。
状態制御部(操作部)301は、例えば、図2のCPU121で実行されるプログラムによって実現され、操作部120を省電力状態へ移行させる処理、及び操作部120を省電力状態から通常状態へ復帰させる処理を行う起動制御部の一例である。
例えば、状態制御部(操作部)301は、本体110から省電力状態への移行を要求する省電力移行要求を受付すると、操作部120の各処理部を停止させて、所定の処理を実行可能な通常状態より消費電力が少ない省電力状態に、操作部120を移行させる。
また、状態制御部(操作部)301は、例えば、本体110から、省電力状態から通常状態への復帰を要求する起動要求を受付すると、操作部120の各処理部を段階的に起動させて、操作部120を通常状態に復帰させる。このとき、状態制御部(操作部)301は、操作部120の各処理部のうち、顔認証に関係する処理部を、他の処理部より優先的に起動させる。
一例として、状態制御部(操作部)301は、操作部120を省電力状態から通常状態へ復帰させるとき、操作部120に含まれる各処理部のうち、撮像部302(カメラ103)、及び抽出部303を、他の処理部より優先的に起動させる。
また、別の一例として、状態制御部(操作部)301は、操作部120を省電力状態から通常状態へ復帰させるとき、操作部120に含まれる各処理部のうち、撮像部302、抽出部303、及び生体認証部304を、他の処理部より優先的に起動させる。
撮像部302は、例えば、図2のカメラ103、又はカメラ103が備えるマイコンで実行されるプログラム等によって実現され、利用者105の顔認証に用いる、利用者105の画像を撮像する。
例えば、画像形成装置101が備えるカメラ103は、画像形成装置101の操作部120を操作する利用者105が、撮像部302が撮像する画像に収まるように設置されており、撮像部302は、カメラ103を用いて継続的に画像を撮像する。
抽出部303は、例えば、図2のCPU121で実行されるプログラム(顔認証処理を実行する顔認証アプリ等)によって実現され、撮像部302が撮像した利用者105の画像から、利用者105の顔認証に用いる顔の特徴情報を抽出する。
例えば、抽出部303は、撮像部302が撮像した画像から、利用者105の顔の輪郭、目、鼻、等のパーツを、公知のパターンマッチング技術を用いて検出して、利用者105の顔画像を検出すると共に、検出された顔画像から顔の特徴情報を抽出する。ここで、顔の特徴情報は、顔認証において利用者の照合に用いる特徴量(例えば、目、鼻、口等に共通する特徴を表す情報)であり、公知の様々な特徴情報を適用することができる。
本実施形態では、利用する特徴情報の種類を特に限定しないが、例えば、公知のHaar−Like特徴量等を用いて抽出することができる。このとき、抽出部303は、検出された顔画像から、顔の各パーツの特徴量を抽出し、数値化する。この特徴量の抽出時には、例えば、顔画像の左上側のパーツから順次に数値化する等、顔画像の端から順次に数値化するため、特徴情報の抽出時間には時間を要する。
そのため、操作部120を起動させるとき、顔の特徴情報の抽出に用いられる、撮像部302(カメラ103)、及び抽出部303を優先的に起動させ、他の処理の起動処理を抑制させることが望ましい。
生体認証部304は、例えば、図2のCPU121で実行されるプログラム(生体認証処理を実行する生体認証アプリ等)によって実現され、予め登録された顔の特徴情報と、抽出部303が抽出した顔の特徴情報とを用いて、利用者105の顔認証を行う。
例えば、生体認証部304は、利用者情報に予め登録された顔の特徴情報の各々と、抽出部303が抽出した顔の特徴情報との類似度を算出し、算出された類似度が閾値以上である場合、利用者105の顔認証を許可する。また、生体認証部304は、算出された類似度が閾値未満である場合、利用者105の顔認証を拒否する。
なお、生体認証部304は、任意の顔認証方式(例えば、特許文献1に開示された技術等)を用いて、利用者105の顔認証を行うものであって良い。また、顔認証は生体認証の一例である。生体認証部304は、撮像部302が撮像した利用者105の画像から、抽出部303が抽出した生体の特徴情報を用いて、利用者105の生体認証を行うものであれば、顔認証以外の生体認証(例えば、虹彩認証、歩容認証等)を行うものであっても良い。
認証情報取得部306は、例えば、図2のICカードリーダ106、又はICカードリーダ106が備えるマイコンで実行されるプログラム等によって実現され、利用者105のICカード認証に用いるカードID等の認証情報を、ICカード104から取得する。
例えば、ICカードリーダ106は、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信により、ICカードリーダ106から所定の距離以内(例えば、5cm以内)に近接したICカード104から、カードIDを受信する。
所持物認証部307は、例えば、CPU121で実行されるプログラム(所持物認証処理を実行する所持物認証アプリ等)によって実現され、予め登録された認証情報と、認証情報取得部306が取得した認証情報とを用いて、利用者105の所持物認証を行う。
例えば、所持物認証部307は、利用者105が所持するICカード104から取得したカードIDが、予め登録された利用者情報に含まれる場合、利用者105のカード認証(所持物認証の一例)を許可する。また、所持物認証部307は、利用者105が所持するICカード104から取得したカードIDが、予め登録された利用者情報に含まれない場合、利用者105のカード認証を拒否する。
なお、カード認証は所持物認証の一例である。所持物認証部307は、認証情報取得部306が、利用者105が所持する所持物から取得した認証情報を用いて、利用者105の所持物認証を行うものであれば、カード認証以外の所持物認証を行うものであっても良い。
利用制御部305は、例えば、図2のCPU121で実行されるプログラム(システムアプリ等)によって実現され、生体認証部304による顔認証の結果に基づいて、利用者105による画像形成装置101(又は操作部120)の利用を許可する。
一例として、利用制御部305は、生体認証部304による顔認証が許可された利用者105と、所持物認証部307によるカード認証が許可された利用者105とが同じ利用者105である場合、利用者105による画像形成装置101の利用を許可する。
別の一例として、利用制御部305は、生体認証部304による顔認証が許可された利用者105による画像形成装置101の利用を許可するものであっても良い。
利用者情報管理部308は、例えば、図2のCPU121で実行されるプログラム(システムアプリ等)によって実現され、例えば、図4(a)に示すような利用者情報a313を、記憶部312に記憶して、管理する。
図4(a)は、利用者情報a313の一例を示している。利用者情報a313には、予め登録された利用者の情報が記憶されており、画像形成装置101は、利用者情報a313、及び本体110の利用者情報A327に登録されている利用者に、画像形成装置101の利用を許可する。
なお、操作部120の利用者情報a313は、本体110の利用者情報A327と同じ情報であっても良いし、本体110の利用者情報A327の一部であっても良い。ここでは、説明を容易にするため、操作部120の利用者情報a313には、本体110の利用者情報A327と同じ情報が記憶されているものとして、以下の説明を行う。
図4(a)に示す利用者情報a313には、「アドレス帳番号」、「ユーザ名」、「メールアドレス」、「ログインID」、「パスワード」、「カードID」、「顔の特徴情報」等の情報が記憶されている。
「アドレス帳番号」は、複数のデータ(データ1、データ2、・・・、データn)を識別するための識別番号である。「ユーザ名」は、例えば、各利用者の名前等の情報である。「メールアドレス」は、各利用者のメールアドレスである。
「ログインID」は、各利用者がログイン情報の入力によって画像形成装置101にログインする場合に用いられる、利用者毎に固有の識別情報である。「ログインパスワード」は、各利用者が、ログイン情報の入力によって画像形成装置101にログインする場合のパスワードである。
「カードID」は、各利用者が所持するICカード104を識別するための識別情報であり、カード認証で用いられる認証情報の一例である。
「顔の特徴情報」は、顔認証で用いられる、各利用者の顔の特徴情報であり、生体認証で用いられる生体の特徴情報の一例である。
ここで、図3に戻り、操作部120の機能構成の説明を続ける。
表示入力制御部309は、例えば、図2のCPU121で実行されるプログラムによって実現され、操作パネル126に表示画面を表示させる制御、及び操作パネル126に対する入力操作を受け付ける制御等を実行する。
設定管理部310は、例えば、図2のCPU121で実行されるプログラム(システムアプリ等)によって実現され、例えば、記憶部312に記憶される優先度情報314、認証設定情報315等の設定情報を管理する。なお、優先度情報314、及び認証設定情報315については後述する。
通信部311は、例えば、図2のCPU121で実行されるプログラム(システムアプリ等)、及び接続I/F127によって実現され、本体110との通信を行う。
記憶部312は、例えば、図2のCPU121で実行されるプログラム(OS等)、及びフラッシュメモリ124、RAM123等によって実現され、前述した利用者情報a313、優先度情報314、及び認証設定情報315等の様々な情報を記憶する。
なお、図3に示す画像形成装置101の機能構成は一例である。例えば、操作部120に含まれる機能構成のうちの少なくとも一部は、本体110に含まれていても良い。また、本体110に含まれる機能構成のうちの少なくとも一部は、操作部120に含まれていても良い。さらに、図3に示す各機能構成のうち、少なくとも一部はハードウェアによって実現されるものであっても良い。
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る情報処理システム100における利用者105の認証方法の流れについて説明する。
[第1の実施形態]
(操作部の起動処理の流れ)
図5は、第1の実施形態に係る操作部の認証処理の例を示すフローチャートである。この処理は、省電力状態において、接近検知部321(人体検知センサ102)が利用者105の接近を検知したときに、操作部120が実行する起動処理の一例を示している。
ステップS501において、画像形成装置101の接近検知部321が、利用者の接近を検知すると、操作部120は、ステップS502以降の処理を実行する。
ステップS502において、状態制御部(操作部)301は、画像形成装置101の認証の設定が有効であるか否かを判断する。例えば、状態制御部(操作部)301は、記憶部312に記憶された認証設定情報315を参照して、画像形成装置101の認証の設定が有効であるか否かを判断する。
図4(c)は、認証設定情報315の一例を示している。図4(c)の例では、認証設定情報315には、項目として「認証設定」、「実行する認証処理」等の情報が含まれている。
「認証設定」は、画像形成装置101で、利用者105の認証を行うか否かを示す情報である。「認証設定」が、「有効」である場合、利用者105の認証を行うことを示しており、「無効」である場合、利用者105の認証を行わないことを示している。
「実行する認証処理」は、「認証設定」が有効である場合に、画像形成装置101で実行する認証処理を示しており、図4(c)の例では、顔認証とカード認証(ICカード認証)を実行することが示されている。
状態制御部(操作部)301は、認証設定情報315の「認証設定」により、画像形成装置101の認証の設定が有効であるか否かを判断することができる。
画像形成装置101の認証の設定が有効である場合、状態制御部(操作部)301は、処理を図5のステップS503に移行させる。一方、画像形成装置101の認証の設定が有効でない場合、状態制御部(操作部)301は、処理を図5のステップS508に移行させる。
ステップS503に移行すると、状態制御部(操作部)301は、操作部120の各処理部のうち、撮像部302、及び抽出部303を優先的に起動させる。
ステップS504において、撮像部302は、カメラ103で利用者105の画像を撮像する。
ステップS505において、抽出部303は、撮像部302によって撮像された画像から、顔の特徴情報を抽出する。
ステップS506において、状態制御部(操作部)301は、ステップS505における顔の特徴情報の抽出に応じて、撮像部302、及び抽出部303以外の各処理部を起動させる。なお、ステップ506の処理は、ステップS505の処理が完了する前に開始されるものであっても良い。
好ましくは、状態制御部(操作部)301は、抽出部303が、少なくとも1つの顔の特徴情報を抽出した後に、ステップS506の処理を実行する。
ステップS507において、操作部120は、記憶部312に記憶された認証設定情報315に従って、認証処理を実行する。
一方、ステップS502から、ステップS508に移行すると、状態制御部(操作部)301は、撮像部302、及び抽出部303を優先的に起動させる処理を中止して、通常通り、操作部120の各処理部を起動させる。
図6は、第1の実施形態に係る各デバイスの検知範囲のイメージを示す図である。図6において、人体検知センサ102の検知範囲601は、一例として、画像形成装置101の前方(図6の下方向)半径2m程度の領域であるものとする。また、カメラ103の撮像範囲602は、一例として、画像形成装置101の前方60cm程度の範囲であるものとする。さらに、ICカードリーダ106の読取範囲603は、一例として、ICカードリーダ106の上方5cm程度の範囲であるものとする。
この場合、画像形成装置101は、人体検知センサ102の検知範囲601に入った利用者105が、カメラ103の撮像範囲602に達するまでに、顔認証処理、又は顔の特徴情報の抽出処理を開始できるように起動していることが望ましい。
そこで、本実施形態に係る操作部120は、図5に示す起動処理により、認証の設定が有効である場合、顔認証処理、又は顔の特徴情報の抽出処理を実行する撮像部302、及び抽出部303を優先的に起動させる。
さらに、操作部120は、抽出部303が少なくとも1つの顔の特徴情報を抽出するまで、他の処理部の起動を保留させることにより、抽出部303による顔の特徴情報の抽出処理を高速化させることができる。
(顔認証処理)
図7は、第1の実施形態に係る顔認証処理の例を示すフローチャートである。この処理は、図5のステップS507で実行される認証処理の一例である。第1の実施形態では、認証処理として、生体認証部304が利用者105の顔認証を行うものとする。
ステップS701において、生体認証部304は、予め登録された顔の特徴情報を取得する。例えば、生体認証部304は、図4(a)に示されるような利用者情報a313を、記憶部312から取得する。
ステップS702において、生体認証部304は、抽出部303から、抽出された利用者105の顔の特徴情報を取得する。なお、ステップS702の処理は、ステップS701の処理の前に実行されるものであっても良い。
ステップS703〜S709において、生体認証部304は、予め登録された顔の特徴情報の各々と、抽出部303で抽出された顔の特徴情報とを照合して、顔認証処理を実行する。
例えば、ステップS703において、変数iを「1」に設定する。
ステップS704において、生体認証部304は、予め登録された顔の特徴情報のうち、i番目の顔の特徴情報と、抽出部303で抽出された顔の特徴情報との類似度を算出する。
ステップS705において、生体認証部304は、算出された類似度が閾値以上であるか否かに応じて、処理を分岐させる。
算出された類似度が閾値以上である場合、生体認証部304は、処理をステップS706に移行させて、利用者105の顔認証を許可する。一方、算出された類似度が閾値以上でない場合、生体認証部304は、処理をステップS707に移行させる。
ステップS707に移行すると、生体認証部304は、iの値が、予め登録された特徴情報(利用者情報)の数であるiMaxに達したかを判断する。
iの値がiMaxに達した場合、生体認証部304は、処理をステップS708に移行させて、利用者105の顔認証を拒否する。一方、iの値がiMaxに達していない場合、生体認証部304は、処理をステップS709に移行させる。
ステップS709に移行すると、生体認証部304は、iの値に1を加算して、処理をステップS704に戻す。これにより、予め登録された顔の特徴情報の各々に対して、ステップS704〜S708に示す顔認証処理が実行される。
なお、図7に示す顔認証処理は一例である。生体認証部304は、抽出部303が抽出した利用者105の顔の特徴情報を用いて、利用者の顔認証を行うものであれば、任意の顔認証処理を適用することができる。
(省電力状態への移行処理)
図8は、第1の実施形態に係る省電力状態への移動処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、画像形成装置101が、所定の処理を実行可能な通常状態から、通常状態より消費電力が少ない省電力状態へ移行する移行処理の一例を示している。
ステップS801において、画像形成装置101は、例えば、状態制御部(本体)801が省電力状態への移行条件が成立したことを検知すると、ステップS802以降の省電力状態への移行処理を実行する。なお、省電力状態への移行条件には、例えば、予め設定された時間を超えて、画像形成装置101の利用がない場合、利用者105の操作により省電力状態への移行が指示された場合等が含まれる。
ステップS802において、状態制御部(本体)801は、操作部120に省電力状態への移行を要求する省電力移行要求を送信する。
ステップS803、S804において、状態制御部(本体)801は、本体110を省電力状態に移行させる。
例えば、ステップS803において、状態制御部(本体)801は、ストレージ部114を省電力状態に移行させる。一例として、状態制御部(本体)801は、ストレージ部114に書込中のデータの書込処理が終了したことを確認した後、ストレージ部114への電源をオフさせる。
ステップS804において、状態制御部(本体)801は、エンジン部117を省電力状態へ移行させる。一例として、状態制御部(本体)801は、画像形成部323により実行中の画像処理が終了したことを確認した後、エンジン部117への電源をオフさせる。なお、ステップS803、S804の処理は、ステップS802の処理の前に実行されるものであっても良いし、ステップS802の処理と並行して実行されるものであっても良い。
状態制御部(操作部)301は、本体110からの省電力移行要求を受付すると、ステップS805以降の処理を実行して、操作部120を省電力状態に移行させる。
例えば、ステップS805において、状態制御部(操作部)301は、撮像部302に、省電力状態への移行を指示する省電力移行指示を通知する。
ステップS806において、撮像部302は、省電力移行要求を受付すると、例えば、カメラ103の電源をオフして、撮像部302を省電力状態に移行させる。
ステップS807において、状態制御部(操作部)301は、抽出部303に、省電力状態への移行を指示する省電力移行指示を通知する。
ステップS808において、抽出部303は、省電力移行要求を受付すると、省電力状態に移行する(例えば、動作を停止する)。
ステップS809において、状態制御部(操作部)301は、生体認証部304に、省電力状態への移行を指示する省電力移行指示を通知する。
ステップS810において、生体認証部304は、省電力移行要求を受付すると、省電力状態に移行する(例えば、動作を停止する)。
ステップS811において、状態制御部(操作部)301は、利用制御部305に、省電力状態への移行を指示する省電力移行指示を通知する。
ステップS812において、利用制御部305は、省電力移行要求を受付すると、省電力状態に移行する(例えば、動作を停止する)。
ステップS813において、状態制御部(操作部)301は、同様にして、他の各ブロック(処理部)を省電力状態に移行させる。
ステップS814において、画像形成装置101は、省電力状態となる。
なお、図8に示す省電力状態への移行処理は一例であり、状態制御部(操作部)301が、各処理部を起動させる順序は、図8に示す処理とは異なる順序であっても良い。
(省電力状態からの認証処理)
図9は、第1の実施形態に係る省電力状態からの認証処理の一例を示すシーケンス図である。この処理は、図8に示す省電力状態への移行処理により、省電力状態にある画像形成装置101が、利用者105を認証する場合の認証処理の一例を示している。なお、図9において、破線の矢印は、利用者105による動作、又は操作を示すものとする。
ステップS901において、利用者105が、人体検知センサ102の検知範囲601まで接近するものとする。
ステップS902、S903において、本体110の接近検知部321は、利用者105の接近を検知すると、利用者105の接近を検知したことを示す接近通知を、状態制御部(本体)322に通知する。
ステップS904において、状態制御部(本体)322は、接近検知部321からの接近通知を受付すると、操作部120に、起動を要求する起動要求を送信する。
ステップS905において、状態制御部(本体)322は、例えば、図8のステップS803、S804で省電力状態に移行させたストレージ部114、エンジン部117等を起動させることにより、本体110を通常状態に復帰させる。
ステップS906において、状態制御部(操作部)301は、本体110から起動要求を受付すると、例えば、図4(c)に示すような認証設定情報315を参照して、画像形成装置101の認証の設定が有効であるか否かを判断する。この処理は、図5のステップS502の処理に対応している。ここでは、認証の設定が有効であるものとして、以下の説明を行う。
ステップS907、S908において、状態制御部(操作部)301は、一例として、撮像部302、及び抽出部303を、優先的に起動させる。
ステップS909において、撮像部302は、省電力状態から復帰し、利用者105の画像を撮像する。
ステップS910において、撮像部302は、撮像した利用者105の画像を、抽出部303に通知する。或いは、撮像部302は、撮像した利用者105の画像を、記憶部312の所定のエリアに記憶するものであっても良い。
ステップS911において、抽出部303は、撮像部302が撮像した利用者105の画像から、顔の特徴情報を抽出する。
ステップS912において、抽出部303は、少なくとも1つの顔の特徴情報が抽出されると、顔の特徴情報が抽出されたことを示す抽出通知を、状態制御部(操作部)301に通知する。
ステップS913において、状態制御部(操作部)301は、抽出部303から抽出通知を受け付けると、生体認証部304を起動させると共に、ステップS914において、他の処理部を起動させる。
ステップS915において、操作部120は省電力状態から通常状態に復帰し、本体110と接続する。
ステップS916、S917において、生体認証部304は、記憶部312に記憶された利用者情報a313から、予め登録された顔の特徴情報を取得すると共に、抽出部303で抽出された顔の特徴情報を取得する。なお、この処理は、例えば、図7のステップS701、S702の処理に対応している。
ステップS918において、生体認証部304は、予め登録された顔の特徴情報と、抽出された顔の特徴情報とを用いて、利用者105の顔認証を行う。なお、この処理は、例えば、図7のステップS703〜S709の処理に対応している。
ステップS919において、生体認証部304は、利用者105の顔認証が許可されると、認証が許可されたことを示す認証結果を、本体110の認証制御部324に送信する。
ステップS920において、本体110の認証制御部324は、認証が許可されたことを示す認証結果を受付すると、利用者105による画像形成装置101の利用を許可する。
上記の処理により、画像形成装置101は、省電力状態に移行した後、利用者105の接近に応じて省電力状態から復帰し、利用者105の生体認証を行う情報処理システム100において、生体認証に要する認証待ち時間を低減させることができるようになる。
なお、図9に示す処理は一例である。状態制御部(操作部)301は、図9のステップ906において、画像形成装置101の認証の設定が有効である場合、撮像部302、及び抽出部303に加えて、生体認証部304を優先的に起動させるものであっても良い。
図10は、第1の実施形態に係る省電力状態からの認証処理の別の一例を示すシーケンス図である。この処理は、状態制御部(操作部)301が、画像形成装置101の認証の設定が有効であるときに、撮像部302、及び抽出部303に加えて、生体認証部304を優先的に起動させる場合の処理の一例を示している。
なお、図10のステップS901〜S912、S914〜S916、S918〜S920に示す処理は、図9に示す処理と同様なので、ここでは、図9に示す処理との相違点を中心に説明する。
状態制御部(操作部)301は、ステップS906で認証の設定が有効であると判断すると、ステップS1001において、撮像部302、及び抽出部303に加えて、生体認証部304を優先的に起動させる。
これにより、抽出部303は、ステップS911で顔の特徴情報が抽出されると、ステップS1002において、生体認証部304の起動を待たずに、抽出された顔の特徴情報を、生体認証部304に通知することができるようになる。
従って、画像形成装置101は、省電力状態に移行した後、利用者105の接近に応じて省電力状態から復帰し、利用者105の生体認証を行う情報処理システム100において、生体認証に要する認証待ち時間をさらに低減させることができるようになる。
(起動優先度について)
好適な一例として、状態制御部(操作部)301は、操作部120を起動させるときに、例えば、図4(b)に示すような優先度情報314の起動優先度に基づいて、各処理部を段階的に起動させることができる。
図4(b)の例では、優先度情報314には、「アプリID」、「アプリ名」、「起動優先度」等の情報が含まれる。
「アプリID」は、操作部120で実行される各アプリ(又はサービス)を識別するための識別情報である。「アプリ名」は、操作部120で実行される各アプリ(又はサービス)の名前である。
「起動優先度」は、操作部120で実行される各アプリ(又はサービス)を起動させる場合の優先度を示す情報であり、起動優先度の値が小さい方が、より優先度が高いものとする。図4(b)の例では、操作部120の抽出部303、及び生体認証部304を実現する顔認証アプリの優先度が最も高く設定されている。
状態制御部(操作部)301は、操作部120を起動させるとき、一例として、このような優先度情報314に基づいて、優先度が高い処理から順に、段階的に各処理部を起動させることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、画像形成装置101で実行する認証処理が、生体認証部304による顔認証と、所持物認証部307によるICカード認証との2要素認証である場合の例について説明する。
2要素認証は、種類の異なる2つの要素による認証を組み合わせて利用者を認証する認証方式である。ここで、種類の異なる要素による認証には、例えば、利用者105が知っている情報による認証(知識認証)、利用者105の所持物による認証(所持物認証)、及び利用者105の生体の特徴による認証(生体認証)等が含まれる。
本実施形態では、生体認証の一例である顔認証と、所持物認証の一例であるICカード認証とを用いて、利用者105の認証を行う場合の処理の例について説明する。
<処理の流れ>
(2要素認証処理)
図11は、第2の実施形態に係る2要素証処理の例を示すフローチャートである。この処理は、図5のステップS507で実行される認証処理の一例であり、例えば、抽出部303において、新たな顔の特徴情報が抽出されたとき等に実行される。
ステップS1101において、生体認証部304は、例えば、図7に示すような顔認証処理を実行する。
ステップS1102において、生体認証部304は、顔認証が許可されたか否かに応じて、処理を分岐させる。
顔認証が許可された場合、生体認証部304は、処理をステップS1103に移行させる。一方、顔認証が許可されなかった場合、生体認証部304は、要素認証処理を終了させる。
ステップS1103に移行すると、認証情報取得部306は、利用者105によるICカード104の読取操作を待ち、読取操作が行われると、利用者105のICカード104から認証情報(例えば、カードID)を取得する。
ステップS1104において、所持物認証部307は、認証情報取得部306が取得した認証情報が、例えば、図4に示すような利用者情報a313に登録されているかを判断する。或いは、所持物認証部307は、認証情報取得部306が取得した認証情報が、操作部120の利用者情報a313、又は本体110の利用者情報A327に登録されているかを判断するものであっても良い。
認証情報取得部306が取得した認証情報が利用者情報に登録されていない場合、所持物認証部307は、ステップS1105において、利用者105の所持物認証を拒否する。
一方、認証情報取得部306が取得した認証情報が利用者情報に登録されている場合、所持物認証部307は、ステップS1106おいて、利用者105の所持物認証を許可する。
ステップS1107において、利用制御部305は、ステップS1101において、顔認証が許可された利用者と、ステップS1106において、所持物認証が許可された利用者とを比較する。
例えば、利用制御部305は、生体認証部304から通知される認証結果に含まれる利用者105の識別情報(例えば、図4のアドレス帳番号等)と、所持物認証部307から通知される認証結果に含まれる利用者105の識別情報とを比較する。
ステップS1108において、利用制御部305は、顔認証が許可された利用者105と、所持物認証が許可された利用者とが、同じ利用者であるか否かに応じて、処理を分岐させる。
顔認証が許可された利用者105と、所持物認証が許可された利用者とが、同じ利用者でない場合、利用制御部305は、2要素認証処理を終了させる。一方、顔認証が許可された利用者105と、所持物認証が許可された利用者とが、同じ利用者である場合、利用制御部305は、ステップS1109において、利用者105による画像形成装置101の利用を許可する。
(省電力状態からの認証処理)
図12は、第2の実施形態に係る省電力状態からの認証処理の例を示す図である。なお、図12のステップS901〜S908、S1001の処理は、図10に示す第1の実施形態に係る認証処理と同様なので、ここでは、図10に示す処理との相違点を中心に説明を行う。
ステップS1201において、撮像部302、及び抽出部303は、例えば、図10のステップS909〜S911に示すような、顔の特徴情報の抽出処理を実行する。
ステップS1202において、抽出部303は、顔の特徴情報が抽出されたことを示す抽出通知を、状態制御部(操作部)301に通知する。
ステップS1203において、状態制御部(操作部)301は、抽出部303から抽出通知を受け付けると、他の処理部を起動させる。
ステップS1204において、操作部120は省電力状態から通常状態に復帰し、本体110と接続する。
ステップS1205において、生体認証部304は、例えば、図7に示すような顔認証処理を実行する。
ステップS1206において、生体認証部304は、利用者105の顔認証が許可されると、利用者105の顔認証が許可されたことを示す認証結果を、利用制御部305に通知する。この認証結果には、利用者105を識別する識別情報(例えば、アドレス帳番号)が含まれる。
ステップS1207において、利用者105が、ICカードリーダ106に対して、ICカード104の読取操作を行うものとする。
ステップS1208において、所持物認証部307は、ICカードの読取操作が行われると、例えば、図11のステップS1103〜S1106に示すような所持物認証処理を実行する。
ステップS1209において、所持物認証部307は、利用者105の所持物認証が許可されると、利用者105の所持物認証が許可されたことを示す認証結果を利用制御部305に通知する。この認証結果には、利用者105を識別する識別情報(例えば、アドレス帳番号)が含まれる。
ステップS1210において、利用制御部305は、例えば、図11のステップS1107〜S1109に示すような利用制御処理を実行する。
ステップS1211において、利用制御部305は、利用者105による画像形成装置101の利用が許可されると、利用者105による画像形成装置101の利用が許可されたことを示す利用許可情報を、本体110の認証制御部324に送信する。
ステップS1212において、本体の認証制御部324は、操作部120から利用許可情報を受信すると、本体110の利用を許可する。これにより、利用者105は、本体110で実行される、コピー、スキャン、印刷等の画像処理機能を利用することができるようになる。
上記の処理により、顔認証(生体認証の一例)とICカード認証(所持物認証の一例)とによる2要素認証を実行する情報処理システム100において、生体認証に要する認証待ち時間を低減させることができるようになる。
[第3の実施形態]
第1、2の実施形態では、省電力状態において、接近検知部321が利用者105の接近を検知したとき、顔認証に関する処理を優先的に起動させる起動制御部が、状態制御部(操作部)301である場合の例について説明した。
第3の実施形態では、省電力状態において、接近検知部321が利用者105の接近を検知したとき、顔認証に関する処理を優先的に起動させる起動制御部が、状態制御部(本体)322である場合の例について説明する。
<処理の流れ>
(本体の起動処理)
図13は、第3の実施形態に係る本体の起動処理の例を示すフローチャートである。この処理は、省電力状態で、接近検知部321により利用者105の接近が検知された場合における本体110側の処理の一例を示している。
ステップS1301において、画像形成装置101の接近検知部321が、省電力状態において、利用者105の接近を検知すると、状態制御部(本体)322は、ステップS1302以降の処理を実行する。
ステップS1302において、状態制御部(操作部)301は、例えば、ストレージ部114、エンジン部117等を起動させ、本体110を省電力状態から通常状態に復帰させる。
ステップS1303において、状態制御部(操作部)301は、操作部120から、例えば、図4(c)に示すような認証設定情報315を取得する。
ここでは、操作部120の通信部311、及び記憶部312は、操作部120が省電力状態に移行した後においても処理を継続し、本体110からの認証設定情報の取得要求に応じて、記憶部312に記憶された認証設定情報315を提供可能であるものとする。
ステップS1304において、状態制御部(操作部)301は、画像形成装置101において、顔認証が有効であるか否かを判断する。
例えば、状態制御部(操作部)301は、図4(c)に示すような認証設定情報315において、認証設定が「有効」であり、実行する認証処理に「顔認証」が含まれている場合、画像形成装置101において、顔認証が有効であると判断する。また、状態制御部(操作部)301は、認証設定情報315において、認証設定が「無効」である場合、又は実行する認証処理に「顔認証」が含まれていない場合、画像形成装置101において、顔認証が有効でないと判断する。
画像形成装置101において、顔認証が有効である場合、状態制御部(操作部)301は、ステップS1305において、顔認証優先で操作部120の起動を要求する起動要求を、操作部120に送信する。
一方、画像形成装置101において、顔認証が有効でない場合、状態制御部(操作部)301は、ステップS1306において、通常の操作部120の起動を要求する起動要求を、操作部120に送信する。
(画像形成装置の起動処理)
図14は、第3の実施形態に係る画像形成装置の起動処理の例を示すシーケンス図(1)である。この処理は、図13に示す本体110の起動処理に対応する画像形成装置101全体の処理の一例を示している。
ステップS1401において、利用者105が、人体検知センサ102の検知範囲601まで接近するものとする。
ステップS1402、S1403において、本体110の接近検知部321は、利用者105の接近を検知すると、利用者105の接近を検知したことを示す接近通知を、状態制御部(本体)322に通知する。
ステップS1404において、状態制御部(本体)322は、例えば、ストレージ部114、エンジン部117等を起動させて、本体110を通常状態に復帰させる。
ステップS1405において、状態制御部(本体)322は、操作部120に、認証設定情報315の取得を要求する認証設定情報の取得要求を送信する。
ステップS1406において、状態制御部(本体)322は、操作部120から送信される認証設定情報315を受信する。
ステップS1407において、状態制御部(本体)322は、認証設定情報315により、画像形成装置101において顔認証が有効であるかを確認する。
顔認証が有効である場合、画像形成装置101は、ステップS1411〜S1414に示す顔認証が有効である場合の処理1410を実行する。一方、顔認証が有効でない場合、画像形成装置101は、ステップS1421、S1422に示す顔認証が有効でない場合の処理1420を実行する。
ステップ1411に移行すると、状態制御部(本体)322は、顔認証優先で操作部120の起動を要求する起動要求(顔認証優先)を、操作部120に送信する。
ステップS1411において、状態制御部(操作部)301は、本体110から起動要求(顔認証優先)を受信すると、顔認証優先で操作部120を起動させる。例えば、状態制御部(操作部)301は、図10のステップS907、S908、S1001の処理により、撮像部302、抽出部303、生体認証部304等を起動させる。
ステップS1413において、撮像部302、抽出部303、生体認証部304は、顔認証処理を実行する。例えば、撮像部302は、利用者105の画像を撮像し、抽出部303は、撮像された画像から利用者105の顔の特徴情報を抽出する。また、生体認証部304は、例えば、図7に示すような顔認証処理を実行する。
ステップS1414において、状態制御部(操作部)301は、操作部120の各処理部のうち、他の処理部を起動させる。
一方、ステップS1421に移行すると、状態制御部(本体)322は、通常の起動を要求する起動要求(通常)を、操作部120に送信する。
ステップS1422に移行すると、状態制御部(操作部)301は、顔認証優先で操作部120を起動させる処理を中止し、操作部120の各処理部を起動させる通常の起動処理を実行する。
このように、省電力状態において、接近検知部321が利用者105の接近を検知したとき、顔認証に関する処理を優先的に起動させる起動制御部は、状態制御部(本体)322であっても良い。
(顔認証に失敗したときの処理)
図15は、第3の実施形態に係る画像形成装置の起動処理の例を示すシーケンス図(2)である。この処理は、画像形成装置101が、顔の認証に失敗したときの好適な処理の一例を示している。なお、図15のステップS1501〜S1413の処理は、図14に示す処理と同様なので、ここでは、図14に示す処理との相違点を中心に説明を行う。
ステップS1501において、顔認証に失敗した場合、操作部120は、ステップS1502以降の処理を実行する。
なお、顔認証に失敗した場合には、例えば、所定の時間内に、撮像部302が画像を撮像できなかった場合、抽出部303が顔の特徴情報を抽出できなかった場合、生体認証部304により顔認証が拒否された場合等が含まれる。
ステップS1502において、状態制御部(操作部)301は、撮像部302、抽出部303、生体認証部304による顔認証処理を中止させる。
ステップS1503において、状態制御部(操作部)301は、操作部120の各処理部のうち、他の処理部を起動させる。
ステップS1504において、表示入力制御部309は、例えば、図16に示すような表示画面1600を操作パネル126に表示させて、利用者105に顔認証が利用できない旨を通知する。
図16に示すように、利用者105に顔認証が利用できない旨を通知する表示画面1600には、顔認証が利用できないこと、及び他のユーザ認証を実行すること等を示すメッセージが含まれる。これにより、画像形成装置101は、利用者105に対して、他のユーザ認証(例えば、パスワード認証)の操作を促すことができるようになる。