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JP2019097489A - 果汁含有飲料 - Google Patents

果汁含有飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】果汁含有飲料において、飲んだときに感じられるコクのある果汁感とすっきり感とのバランスを向上させることができる新規な技術を提供する。【解決手段】γ−デカラクトンと、DL−2−メチル酪酸エチルを含有し、γ−デカラクトンの含有量を(A)と、DL−2−メチル酪酸エチルの含有量を(B)とするときに、γ−デカラクトンの含有量(A)が3ppm以上であり、γ−デカラクトンとDL−2−メチル酪酸エチルの含有比(B)/(A)が0.07以上である、果汁含有飲料。【選択図】 なし

Description

本発明は果汁を含有する飲料に関する。
缶酎ハイやカクテル飲料等に代表される、開栓してそのまま直ぐに飲める容器入りアルコール飲料はRTD飲料とも呼ばれ、焼酎やスピリッツ、又はさとうきび等を原料とした醸造用アルコール等をベースに、必要により、果汁やフレーバー、炭酸ガス、甘味料、酸味料等を添加したものである。なかでも果汁入りの容器入りアルコール飲料、特に果汁を高濃度に配合した容器入りアルコール飲料は、お酒のおいしさと、豊かで新鮮な果汁感を同時に楽しめるアルコール飲料として人気がある。
ところが飲料における果汁の含有率が増す(果汁含有率が例えば5%以上)と、果汁の影響によりコクのある果汁感が増すものの、すっきり感に乏しい風味となり、コクのある果汁感とすっきり感とのバランスが悪くなって嗜好性が低下してしまう。
コク味とすっきり感のある風味を両立させる方法としては、「pHが2.7〜3.8であり、かつ果糖の占める割合が全糖質の65w/w%以上である、果汁本来の新鮮な香味を有し、コク(果汁感)とキレ(スッキリ感)が両立した果汁含有アルコール飲料」(特許文献1)や、「ネイティブジェランガムを含有し、特定の粘度を有する果実類似の濃厚感(コク味やとろみ)と喉越しのよさ(後味のキレのよさ)とを両立する飲料」(特許文献2)等が提案されている。
特開2005−192473号公報 特開2009−291163号公報
しかしながら、従来の方法ではコクのある果汁感とすっきり感とのバランスについていまだ十分な向上効果が得られておらず、本課題を解決できる、新規で、より効果的な方法が求められていた。
本発明は、果汁含有飲料において、飲んだときに感じられるコクのある果汁感とすっきり感とのバランスを高めることができる新規な技術を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究の結果、γ−デカラクトン(その含有量を(A)とする)とラセミ体であるDL−2−メチル酪酸エチル(その含有量を(B)とする)を含有するように飲料を構成するとともにγ−デカラクトンの含有量(A)や割合((B)/(A))が所定の条件を満足するように果汁含有飲料を構成することで、コクのある果汁感とすっきり感とのバランスを高めることができることを見出し、本発明を完成させた。
なお、本明細書において、コクのある果汁感とは、呈味と香気のバランスが良い時に得られるふくよかで果汁を想起させる味わいを意味する。また、すっきり感とは、飲用後の後味がスッとなくなるような感触であり、甘味、苦味、酸味、うまみ、塩味も含めて飲用後の後味が無くなっていく感覚をいい、後味のキレともいう。コクのある果汁感とすっきり感とのバランスとは、ふくよかで果汁を想起させる味わいと、後味が無くなる感覚が両立できる状態を意味する。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] γ−デカラクトンと、DL−2−メチル酪酸エチルを含有し、
γ−デカラクトンの含有量を(A)と、DL−2−メチル酪酸エチルの含有量を(B)とするときに、
γ−デカラクトンの含有量(A)が3ppm以上であり、
γ−デカラクトンとDL−2−メチル酪酸エチルの含有比(B)/(A)が0.07以上である、果汁含有飲料。
[2] γ−デカラクトンの含有量(A)が5ppm以上であり、且つDL−2−メチル酪酸エチルの含有量(B)が0.5ppm以上50ppm以下である[1]に記載の果汁含有飲料。
[3] 果汁含有率が5%以上である[1]または[2]に記載の果汁含有飲料。
[4] 果汁含有率が5%以上40%以下である[3]に記載の果汁含有飲料。
[5] 果汁がバラ科植物の果物に由来する果汁である[1]から[4]のいずれか一つに記載の果汁含有飲料。
[6] 前記バラ科植物がモモ又はリンゴである[5]に記載の果汁含有飲料。
[7] アルコールをさらに含有する[1]から[6]のいずれか一つに記載の果汁含有飲料。
[8] アルコールの含有量が1〜10容積%である[7]に記載の果汁含有飲料。
[9] 炭酸ガスをさらに含有する[1]から[8]のいずれか一つに記載の果汁含有飲料。
[10] 果汁含有飲料において、γ−デカラクトンの含有量を(A)と、DL−2−メチル酪酸エチルの含有量を(B)とするときに、以下のa)およびb)を満足するようにγ−デカラクトンおよびDL−2−メチル酪酸エチルを含有させることを含む、コク味およびすっきり感の向上方法。
a)γ−デカラクトンの含有量(A):3ppm以上
b)γ−デカラクトンとDL−2−メチル酪酸エチルの含有比(B)/(A)が0.07以上
本発明によれば、果汁含有飲料において、飲んだときに感じられるコクのある果汁感とすっきり感とのバランスを高めることができる新規な技術を提供することができる。
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態はγ−デカラクトンと、DL−2−メチル酪酸エチルを含有し、γ−デカラクトンの含有量(A)が3ppm以上であり、γ−デカラクトンとDL−2−メチル酪酸エチルの含有比(B)/(A)が0.07以上である、果汁含有飲料に関する。
本明細書において果汁含有飲料とは、果汁を原料として配合した飲料を意味する。また、果汁とは、果実を破砕して搾汁又は裏ごし等をし、必要に応じて皮、種子等を除去した液体成分をいう。また、本明細書に係る果汁には、当該液体成分を濃縮したものや、これらの希釈還元物も含まれる概念である。
果汁が由来する果物については、例えば、柑橘類、バラ科植物の果物、ブドウ、パイナップル、グァバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、ライチ、パパイヤ、パッションフルーツ、ブルーベリー、キウイフルーツ、メロンなどが挙げられる。柑橘類としてはオレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、はっさく、ポンカン、シークワーサー、かぼす等が例示できる。また、バラ科植物の果物としてはアンズ、イチゴ、ウメ、サクランボ、スモモ、西洋ナシ、日本梨、ビワ、モモ、リンゴ、プルーン、ラズベリーなどが例示できる。例えばこれらのうち1種または2種以上の果物の果汁が選択されて本実施形態の飲料に含有されるようにしてもよい。
このうち、本発明に係る構成を適用することで、コクのある果汁感とすっきり感とのバランスをより高めることができるため、飲料中にバラ科植物の果物に由来する果汁が含有されることが好ましく、バラ科植物の果物の中でもモモ、リンゴがより好ましい(すなわち、モモ、リンゴ、またはこれらの混合果汁が含有されることが好ましい)。
本実施形態の果汁含有飲料に係る果汁の調製に用いることのできる果物について、その品種、産地、熟度、大きさなどは特に限定されず、適宜設定することができる。
また、果汁として市販のジュースや濃縮ジュース、ペーストなどを用い、本実施形態の飲料を調製するようにしてもよい。具体的には、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)で指定されたジュースや濃縮ジュースを挙げることができ、例えばこれらのうち1種または2種以上を本実施形態の果汁含有飲料調製のために用いることができる。
本実施形態の果汁含有飲料における果汁含有率は特に限定されず当業者が適宜設定できるが、果汁含有率が5%以上(より好ましくは5〜40%)である飲料において本発明に係る構成とすることでコクのある果汁感とすっきり感とのバランスをより高めることができるため、好ましい。
ここで、果汁含有率とは、果実等の食用部分を搾汁して得られ、濃縮等の処理を行っていない搾汁(ストレート果汁)のBrix値または酸度を100%としたときの、相対濃度である。また、本明細書においてBrix値は、JAS規格に基づき、試料の温度(液温度)20℃における糖用屈折計の示度をいう。Brix値の測定は、公知の方法、装置を用いて行うことができる。また、酸度は、100g中に含まれる有機酸量をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100g)で表すことができる。酸度もまた、JAS規格の酸度測定法で定められた方法、具体的には0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液をアルカリ溶液として使用した中和滴定法(定量式)により測定できる。
果汁含有率をBrix値または酸度のいずれに基づいて算出するかはJAS規格に基づき果物の種類ごとに定められている。例えば、モモやリンゴはBrix値に基づいて算出する。果汁含有率をJAS規格のBrix値に基づいて換算する場合、果汁に加えられた糖類、はちみつ等のBrix値は除いて算出される。
例えば、モモについてはストレート果汁のBrix値が(Bx8°)であるから、Brix値がBx64°の濃縮モモジュースを飲料中約4重量%配合した場合、32%の果汁率の飲料を得ることができる。
本実施形態の果汁含有飲料においては、3ppm以上のγ−デカラクトンと、D体とL体の等量混合物(ラセミ体)である2−メチル酪酸エチルを含有し、γ−デカラクトンとDL−2−メチル酪酸エチルの含有比(B)/(A)が0.07以上との関係を満足する。
γ−デカラクトンの含有量(A)が3ppm以上であり、γ−デカラクトンとDL−2−メチル酪酸エチルの含有比(B)/(A)が0.07以上であることで、γ−デカラクトンが呈味を整えコクのある果汁感を付与するとともに、DL−2−メチル酪酸エチルが程よいすっきり感を付与する。その結果、果汁含有率が5%以上などの果汁含有飲料において、飲んだときのコクのある果汁感とすっきり感とのバランスを高めることができる。
また、コクのある果汁感とすっきり感とのバランスをより高めることができるため、γ−デカラクトンの含有量(A)について、5ppm以上が好ましく、7ppm以上がより好ましく、7ppm以上16ppm以下がより好ましい。また、コクのある果汁感とすっきり感とのバランスをより高めることができるため、DL−2−メチル酪酸エチルの含有量(B)は0.5ppm以上、50ppm以下であることが好ましく、1ppm以上、20ppm以下であることがより好ましく、1ppm以上、6ppm以下であることがさらにより好ましい。
なお、DL−2−メチル酪酸エチルの含有量(B)が50ppmを超えると、範囲内にある場合と比較して、溶媒臭のような異臭を感じるようになるため、50ppm以下が好ましい。γ−デカラクトン(A)の上限値については特に限定されないが、30ppmより多く添加してもコクのある果汁感が実質的に増すことはないため、コスト等を考慮すると、30ppm以下であることが好ましい。
果汁含有飲料についてγ−デカラクトン、DL−2−メチル酪酸エチルの含有量や割合を調整する方法は特に限定されず、例えば市販品を用いて飲料製造過程において添加を行うなどすればよい。
また、γ−デカラクトン、DL−2−メチル酪酸エチルの飲料における含有量の測定は例えばガスクロマトグラフィー質量分析法によって行うことができる。測定は例えば実施例に示す条件に基づいて行うことができる。
本実施形態の果汁含有飲料においては、本発明の効果が奏される限り、上記2成分や果汁以外の他の成分を含むようにしてもよく、特に限定されない。具体的には、糖類や高甘味度甘味料などの甘味料、酸味料、香料、ビタミン、着色料、酸化防止剤、乳化剤、保存料、食塩、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定化剤、増粘剤などの、飲料に通常配合される成分を含有することができる。
飲料のpHや酸度は適宜設定でき、特に限定されない。
また、本実施形態の果汁含有飲料はエタノールなどのアルコールを含有するアルコール飲料として調製されてもよい。アルコールが含まれる場合の含有量は特に限定されないが、本発明に係る構成とすることでコク味とすっきり感をより高めることができるため、1〜10容積%(より好ましくは3〜10容積%)が好ましい。アルコール源として用いられるベース酒は特に限定されないが、蒸留酒を挙げることができる。蒸留酒としては、ウィスキー、ブランデー、焼酎、及びスピリッツ、及び原料用アルコール等が例示できる。
また、本実施形態の果汁含有飲料は炭酸ガスを含有する炭酸飲料としてもよい。炭酸ガスを飲料中に含有させる方法は特に限定されず、当業者が適宜設定できる。
本実施形態の果汁含有飲料は例えば常法にしたがって製造することができ、各成分の配合量、割合や製造条件などについては特に限定されない。
例えば、濃縮果汁を原料として用い、これを水で希釈する。炭酸飲料とする場合には、希釈に炭酸水を用いるようにしてもよい。次いで当該希釈液に飲料製造後に上記関係を満足する量、割合でγ−デカラクトン、DL−2−メチル酪酸エチルを添加したり、その他必要に応じて加えられる成分を添加するなどして果汁含有飲料を調製する。
添加する順序などは特に限定されず、当業者が適宜設定できる。また、炭酸飲料とする場合、上記希釈において炭酸水を用いる方法のほか、容器に充填する前に所定のガスボリュームになるようにカーボネーションを行うことにより、炭酸飲料とすることもできる。
製造された本実施形態の果汁含有飲料は、特に限定されないが、例えば容器に封入された容器詰飲料とすることができる。
容器への封入方法などは特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。
容器も公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、紙容器、透明又は半透明のビン、PETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶などが挙げられる。
また、容器詰飲料とするにあたり、必要に応じて殺菌等の工程を経て製造することができる。殺菌する方法は特に限定されず当業者が適宜設定でき、例えば、飲料を容器に充填した後に熱水シャワー殺菌等の加熱殺菌を行う方法や、飲料を殺菌してから容器に充填する方法などを挙げることができる。
以上、本実施形態によれば、果汁含有飲料において、飲んだときに感じられるコクのある果汁感とすっきり感とのバランスを高めることができる新規な技術を提供することができる。その結果、果汁含有飲料の嗜好性を高めて商品価値の向上に寄与することが期待できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[官能試験1]
市販品の炭酸ガスを含有する桃果汁入りチューハイ(果汁含有率:10%、アルコール含有量:3容積%)を対照とし、これにγ−デカラクトンと、DL−2−メチル酪酸エチルを添加して実施例、比較例の飲料を調製した。
各飲料におけるγ−デカラクトンとDL−2−メチル酪酸エチルの含有量は、ガスクロマトグラフィー質量分析法による分析を行った(なお、官能試験2も同様の分析を行った)。測定条件を以下に示す。
γ−デカラクトン(Cas.706−14−9)
<分析条件>
0.5gの試料に対して0.5mlのエタノールと100μLの内部標準(20ppm リナロール−d5)を添加した後に、超純水で50倍希釈した。希釈した試料の香気成分をTwisterに吸着(40℃、2時間)させ、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)による分析を行い、内部標準添加法により定量を行った。
<GC条件>
装置:昇温気化型注入口(CIS4,Gerstel社製)、加熱脱着ユニット(TDU,Gerstel社製)、GC System(7890B、Agilent Technologies社製)、Mass Selective Detector(5977、Agilent Technologies社製)
LTMカラム(1st:DB−WAX,20m×0.18mm;0.3μm、2nd:DB−5,10m×0.18mm;0.4μm,Agilent Technologies社製)
TDU:20℃(1min)−(720℃/min)−250℃(3min)
CIS4:−50℃(1.5min)−(12℃/sec)−240℃(45min)
スプリット比:10:1
注入口圧:508.28kPa
1stカラム温度:40℃(3min)−(5℃/min)−180℃(0min)
2ndカラム温度:40℃(31min)−(5℃/min)−180℃(0min)
MSD:SCAN mode,m/z 29−230,20Hz,EI
DL−2−メチル酪酸エチル(Cas.7452−79−1)
<分析条件>
10.0gの試料に対して3.0gのNaClと200μLの内部標準(150ppm Ethyl butyrate−d3)を添加し、GC/MS分析を行い、内部標準法により定量を行った。
<GC条件>
装置:昇温気化型注入口(CIS4,Gerstel社製)、加熱脱着ユニット(TDU,Gerstel社製)、GC System(7890B、Agilent Technologies社製)、Mass Selective Detector(5977、Agilent Technologies社製)
LTMカラム(1st:DB−WAX,20m×0.18mm;0.3μm、2nd:DB−5,10m×0.18mm;0.4μm,Agilent Technologies社製)
TDU:40℃(1min)−(720℃/min)−250℃(3min)
CIS4:−50℃(3min)−(12℃/sec)−240℃(18min)
注入条件:HIT−HSS(1ml)、ソルベントベントモード
注入口圧:508.28kPa
1stカラム温度:40℃(3min)−(5℃/min)−125℃(0min)
2ndカラム温度:40℃(20min)
MSD:SCAN mode,m/z 29−300,20Hz,EI
得られた飲料について、5名の訓練されたパネリストによりコクのある果汁感、すっきり感、およびコクのある果汁感とスッキリ感とのバランスの良さについて、以下に示す評点を用いて、5段階評価を行った(いずれの項目も、最もよい評価が5点である)。対照について3点とするとともに、コクのある果汁感とスッキリ感とのバランスが対照より評価値が良ければ効果ありとした。
試料は4℃でパネリストに提供した。各評価結果についてそれぞれ平均値を算出し、表1、2に示した。
コクのある果汁感 1感じない ⇔ 3 ⇔ 感じる5
すっきり感 1感じない ⇔ 3 ⇔ 感じる5
コクのある果汁感とすっきり感とのバランス 1悪い ⇔ 3 ⇔ 良い5
表1、2の結果から、γ−デカラクトンの含有量が3ppm以上であり、γ−デカラクトンとDL−2−メチル酪酸エチルの含有比(B)/(A)が0.07以上である場合にコクのある果汁感とすっきり感とのバランスが対照よりも向上していることが理解できる。
[官能試験2]
表3に示す原料を混合した後、これらを1Lとする量の炭酸水および水で希釈し、ガス圧2.1 gas vol、アルコール含有量4容積%のベース液を作成した。
該ベース液にγ−デカラクトン、DL−2−メチル酪酸エチルを添加して得た実施例の飲料について、官能試験1と同様の試験を行った。結果を表4に示す。
表4から、果汁含有率が30%である実施例10についても、実施例1〜9と同様にコクのある果汁感とすっきり感とのバランスが対照よりも向上していることが理解できる。
また、モモおよびリンゴの果汁を含有する実施例11についても、コクのある果汁感とすっきり感とのバランスが対照よりも向上していることが理解できる。

Claims (10)

  1. γ−デカラクトンと、DL−2−メチル酪酸エチルを含有し、
    γ−デカラクトンの含有量を(A)と、DL−2−メチル酪酸エチルの含有量を(B)とするときに、
    γ−デカラクトンの含有量(A)が3ppm以上であり、
    γ−デカラクトンとDL−2−メチル酪酸エチルの含有比(B)/(A)が0.07以上である、果汁含有飲料。
  2. γ−デカラクトンの含有量(A)が5ppm以上であり、且つDL−2−メチル酪酸エチルの含有量(B)が0.5ppm以上50ppm以下である請求項1に記載の果汁含有飲料。
  3. 果汁含有率が5%以上である請求項1または2に記載の果汁含有飲料。
  4. 果汁含有率が5%以上40%以下である請求項3に記載の果汁含有飲料。
  5. 果汁がバラ科植物の果物に由来する果汁である請求項1から4のいずれか一つに記載の果汁含有飲料。
  6. 前記バラ科植物がモモ又はリンゴである請求項5に記載の果汁含有飲料。
  7. アルコールをさらに含有する請求項1から6のいずれか一つに記載の果汁含有飲料。
  8. アルコールの含有量が1〜10容積%である請求項7に記載の果汁含有飲料。
  9. 炭酸ガスをさらに含有する請求項1から8のいずれか一つに記載の果汁含有飲料。
  10. 果汁含有飲料において、γ−デカラクトンの含有量を(A)と、DL−2−メチル酪酸エチルの含有量を(B)とするときに、以下のa)およびb)を満足するようにγ−デカラクトンおよびDL−2−メチル酪酸エチルを含有させることを含む、コクのある果汁感とスッキリ感とのバランスの向上方法。
    a)γ−デカラクトンの含有量(A):3ppm以上
    b)γ−デカラクトンとDL−2−メチル酪酸エチルの含有比(B)/(A)が0.07以上
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