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JP2019086156A5 - - Google Patents

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伝動装置
本発明は、伝動装置、特にフランジ部を外周部に一体に有して回転可能な伝動部材と、その伝動部材のフランジ部に溶接され且つ外周部にはヘリカルギヤ部が形成されるリングギヤとを伝動経路中に含む、差動装置その他の伝動装置に関する。
従来、斯かる伝動装置としては、例えばフランジ部を外周部に一体に有して回転可能な伝動部材としてのデフケースと、そのデフケースのフランジ部に一部で圧入され且つ他の一部で溶接されるリングギヤとを含み、駆動源からリングギヤに伝達され更にデフケースに伝達された動力を、デフケース内部の差動機構を介して左右一対の出力軸に分配して伝達する差動装置が知られており(例えば、下記特許文献を参照)、このものでは、圧入時の応力集中の緩和と溶接時のガス抜きとを兼ねる空隙部をデフケースとリングギヤ間に形成するようにしている。
特許第5614054号公報 特開2012−189116号公報
ところで上記従来装置では、デフケースのフランジ部とリングギヤとの軸方向相対向面間が突き合わせ溶接される。そのため、特にリングギヤの外周ギヤ部をヘリカルギヤで構成する場合には、ヘリカルギヤの噛合い部で発生する大きなスラスト荷重のためにデフケースとリングギヤ間の溶接部に作用する応力が大きくなり、その溶接部の耐久性に影響を及ぼす虞れがある。
そこで、その応力集中対策のために、例えば溶接部周辺のフランジ部等を特別に厚肉に形成したり或いは溶接部の溶接深さを深くすることが考えられるが、その場合には、装置の重量増やコスト増を招くといった別の不都合がある。
尚、従来装置において、デフケースのフランジ部とリングギヤとの径方向相対向面間を突き合わせ溶接するものもあるが、そのものには、前記大きなスラスト荷重が原因で溶接部に作用する大きな応力を軽減するための特別な配慮はなかった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたもので、上記問題を解決し得る前記伝動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、フランジ部を外周部に一体に有して回転可能な伝動部材と、その伝動部材のフランジ部に溶接され且つ外周部にはヘリカルギヤ部が形成されるリングギヤとを伝動経路中に含む伝動装置であって、前記フランジ部の外周面には、前記リングギヤの内周部を嵌合、溶接する第1外周部と、その第1外周部に第1接続面を挟んで隣接する、第1外周部よりも小径の第2外周部とが形成され、前記リングギヤには、前記第1外周部及び前記リングギヤ間の溶接部の内端を臨ませる空間を前記フランジ部との間で画成する空間形成部が形成され、前記ヘリカルギヤ部でのスラスト荷重発生時に前記第1接続面と前記第2外周部との間の境界隅部及びその近傍に作用する応力が前記溶接部の内端及びその近傍に作用する応力よりも大きくなるように、前記空間に臨む前記フランジ部の前記第1接続面には、前記フランジ部および前記リングギヤの軸線と垂直な面で構成されて、前記溶接部の内端から前記境界隅部に向かって延びる第1平面部が形成されると共に、前記リングギヤの前記空間形成部には、前記フランジ部および前記リングギヤの軸線と垂直な面で構成されて、前記溶接部の内端から前記境界隅部と反対の方向に向かって延びる第2平面部が形成されることを第1の特徴とする。
また本発明は、前記第1の特徴に加えて、前記第1平面部と前記第2平面部とは、同一平面上で連続していることを第2の特徴とする。
また本発明は、前記第1又は第2の特徴に加えて、前記フランジ部と前記リングギヤとの溶接はレーザ溶接で行われ、前記空間は、溶接レーザを照射する方向の寸法よりも、該方向に直交する方向の寸法の方が大きいことを第3の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、伝動部材におけるフランジ部外周面には、ヘリカルギヤ部を外周に有するリングギヤの内周部を嵌合、溶接する第1外周部と、その第1外周部に第1接続面を挟んで隣接する小径の第2外周部とが形成され、リングギヤには、第1外周部及びリングギヤ間の溶接部の内端を臨ませる空間をフランジ部との間で画成する空間形成部が形成され、ヘリカルギヤ部でのスラスト荷重発生時に第1接続面と第2外周部との間の境界隅部及びその近傍に作用する応力が前記溶接部の内端及びその近傍に作用する応力よりも大きくなるように、前記空間に臨むフランジ部の第1接続面には、フランジ部およびリングギヤの軸線と垂直な面で構成されて、前記溶接部の内端から前記境界隅部に向かって延びる第1平面部が形成されると共に、リングギヤの前記空間形成部には、フランジ部およびリングギヤの軸線と垂直な面で構成されて、前記溶接部の内端から前記境界隅部と反対の方向に向かって延びる第2平面部が形成されるので、ヘリカルギヤの噛合い部で大きなスラスト荷重が発生してリングギヤに作用しても、前記溶接部の内端から、フランジ部およびリングギヤの軸線と垂直に径方向内・外方に各々拡がる平面部で画成される前記空間の特設により、溶接部の周辺部分に応力を効果的に分散させることができて溶接部の応力集中を緩和できる。その結果、応力集中対策として溶接部の周辺部分を厚肉化したり或いは溶接深さを特別に深くする必要はないから、装置の重量軽減やコスト節減に大いに寄与することができる
本発明の一実施形態に係る差動装置の要部断面図 リングギヤとデフケースとの溶接・圧入部を示す拡大断面図(図1の2矢視部拡大断面図) リングギヤとデフケースとの溶接・圧入部の他の実施形態、及び参考形態を示す図2対応断面図 リングギヤとデフケースとの溶接・圧入部の更に他の実施形態群を示す図2対応断面図
本発明の実施形態および参考形態を、添付図面に示す本発明の好適な実施例および参考例に基づいて以下に説明する。
先ず、図1において、伝動装置としての差動装置Dは、自動車に搭載される図示しないエンジンが出力する回転駆動力を、左右一対の車軸に連なる左右一対の出力軸J,J′に分配して伝達することにより、その左右車軸を、それらの差動回転を許容しつつ駆動するためのものであって、例えば車体前部のエンジンの横に配置されたミッションケース4内に収容、支持される。
この差動装置Dは、ファイナルドリブンギヤとしてのリングギヤRと、このリングギヤRの内周部Riに結合されるフランジ部1を外周部に一体に有する伝動部材としてのデフケースDCと、そのデフケースDCに収納されていて、リングギヤRからデフケースDCに伝達された回転力を左右一対の出力軸J,J′に分配して伝達する差動機構DMとを伝動経路中に備える。そのリングギヤRの内周部RiとデフケースDCのフランジ部1との結合手段としては、後述するように圧入と溶接とが併用される。
リングギヤRは、その外周部にヘリカルギヤ部Rgを一体に有している。このヘリカルギヤ部Rgは、エンジンの動力で回転駆動される同じくヘリカルギヤよりなるドライブギヤ(図示せず)と噛合して回転駆動力を受け、これをそのままデフケースDC側に伝達する。
デフケースDC内の差動機構DMは、従来周知の差動機構と同様、複数のピニオンPと、それらピニオンPを回転自在に支持するピニオン支持部としてのピニオンシャフトPSと、そのピニオンPに対しその左右両側より噛合し且つ左右一対の出力軸J,J′にそれぞれスプライン嵌合される左右一対のサイドギヤG,G′とを備える。そのピニオンシャフトPSの外端部は、デフケースDCに嵌合支持され、それらピニオンシャフトPS及びデフケースDC間には、その間を一体的に結合する結合手段(図示例ではピニオンシャフトPSを貫通してデフケースDCに圧入される抜け止めピン2)が設けられる。
前記デフケースDCは、左右の軸受3を介してミッションケース4に回転自在に支持される。またミッションケース4に形成されて各出力軸J,J′が嵌挿される貫通孔の内周と、各出力軸J,J′の外周との間には、その間をシールしてミッションケース4内の潤滑油の外部への漏洩を防止する環状シール部材5が介装される。
次に図2を併せて参照して、リングギヤRの内周部Riと、デフケースDCのフランジ部1との間の結合構造について、説明する。
そのフランジ部1の外周面Aには、リングギヤRの内周部Riに形成した被溶接部Riwを嵌合、溶接する第1外周部A1と、その第1外周部A1に隣接する、第1外周部A1よりも小径の第2外周部A2と、その第2外周部A2に第1外周部A1とは反対側で隣接する、第2外周部A2よりも小径の第3外周部A3とが形成される。そして、そのフランジ部1の外周面Aには、第1及び第2外周部A1,A2間の段差面即ちその間を接続する第1接続面f1と、第2及び第3外周部A2,A3間の段差面即ちその間を接続する第2接続面f2とが形成される。
リングギヤRの内周部Riには、第1外周部A1及びリングギヤR間の溶接部Wの内端Weを臨ませ且つその溶接部Wよりも径方向内方側及び外方側に拡がる環状空間Sをフランジ部1(図示例では第2外周部A2及び前記第1接続面f1)との間で画成する環状溝状の空間形成部Risが、リングギヤRの軸方向で少なくとも第1外周部A1と第3外周部A3との間に形成される。しかも、ヘリカルギヤ部Rgでのスラスト荷重発生時に第1接続面f1と第2外周部A2との間の境界隅部8及びその近傍に作用する応力が溶接部Wの内端We及びその近傍に作用する応力よりも大きくなるように、前記環状空間Sに臨むフランジ部1の第1接続面f1には、フランジ部1およびリングギヤRの軸線と垂直な面で構成されて、溶接部Wの内端Weから前記境界隅部8に向かって延びる第1平面部p1が形成されると共に、リングギヤRの空間形成部Risには、フランジ部1およびリングギヤRの軸線と垂直な面で構成されて、溶接部Wの内端Weから境界隅部8と反対の方向に向かって延びる第2平面部p2が形成される。なお、本実施形態では第1平面部p1と第2平面部p2とが同一平面上で連続している。而して、第1及び第2外周部A1,A2間を接続する前記第1接続面f1、及び第2外周部A2は、前記空間Sに臨んでいてリングギヤRに対し非接触状態にある。
第2及び第3外周部A2,A3間を接続する前記第2接続面f2には、リングギヤRの内周部Riに突設されて前記空間形成部Risに連なる環状ストッパ部STの側面STsが面接触状態で当接している。そして、このストッパ部STの内周面STiは、第3外周部A3に圧入される。その圧入により、デフケースDCのフランジ部1に対するリングギヤRの、軸方向及び径方向の位置決め、固定がなされる。
また、リングギヤRの、前記空間Sに臨む面、即ち前記空間形成部Risの表面(特に軸方向で溶接部Wから遠い側の内側面Risf)と、ストッパ部STの、第2接続面f2に当接する側面STsとは滑らかに連続していて、図示例では単一の平面を形成している。このように機能の異なる(即ち空間形成機能とスラスト荷重受け機能を各々有する)二面Risf,STsを滑らかな連続面とすることで、それだけリングギヤ内周部Riの構造簡素化が図られ、加工も容易となって加工作業性が良好である。
さらに前記第2接続面f2と第3外周部A3との境界部には、横断面円弧状のアール処理が施された隅部7が形成され、このアールにより隅部7周辺での応力分散が図られるようになっている。一方、ストッパ部STの、隅部7に対向する部分STcは、略平坦な面取り面に形成されている。従って、その面取り面STcと、これに対向する横断面円弧状の前記隅部7との間には、環状の空間S′が形成される。
尚、ストッパ部STの、隅部7に対向する部分を、上記のような略平坦な面取り面STcに形成するのに代えて、図2で鎖線で示すように隅部7から離間する方向に凹曲した横断面円弧状のアール面STc′に形成してもよい。また、この場合には、隅部7を略平坦な面取り面に形成してもよい。
次に、前記実施形態の作用について説明する。本実施形態の差動装置Dは、そのリングギヤRにエンジンから回転力を受けた場合に、ピニオンPがピニオンシャフトPS回りに自転しないでデフケースDCと共にその軸線L回りに公転するときは、左右のサイドギヤG,G′が同速度で回転駆動されて、その駆動力が均等に左右の出力軸J,J′に伝達される。また、自動車の旋回走行等により左右の出力軸J,J′に回転速度差が生じるときは、ピニオンPが自転しつつ公転することで、そのピニオンPから左右のサイドギヤG,G′に対してその差動回転を許容しつつ回転駆動力が伝達される。以上は、従来周知の差動装置の作動と同様である。
ところで本実施形態において、デフケースDCの外周に一体の環状フランジ部1には、リングギヤRの内周部Riが圧入及び溶接を併用して取付、固定される。
その取付固定作業に際しては、先ず、フランジ部1の第1外周部A1に対してリングギヤ内周部Riの被溶接部Riwが比較的小さな圧入荷重で軽圧入されると共に、同フランジ部1の第3外周部A3に対してストッパ部STの内周面STiが比較的大きな圧入荷重で本圧入される。尚、このような圧入態様となるように、圧入工程前の第1外周部A1の外径と被溶接部Riwの内径との寸法差と、第3外周部A3の外径とストッパ部STの内径との寸法差とは、相異ならせて適宜設定される。
上記圧入の作業終了後は、フランジ部1の第1外周部A1とリングギヤ内周部Riの被溶接部Riwとの、軽圧入による嵌合部を、その外側方から突き当て溶接する。
この溶接作業は、例えば、図2鎖線に示すように、フランジ部1及びリングギヤRの外側方に配備される溶接用レーザトーチTから突き当て当接部の外端に向けてレーザを照射し且つデフケースDC及びリングギヤRの圧入結合体をその回転軸線L回りに緩やかに回転させることで行われるが、このとき前記環状空間Sは、図2で示すように、溶接レーザを照射する方向の寸法よりも、該方向に直交する方向の寸法の方が大きいことが望ましい。その際にレーザのエネルギにより、フランジ部1の第1外周部A1と、リングギヤ内周部Riの被溶接部Riwとを全周に亘り互いに突き当て溶接することができる。尚、この溶接部Wは、周方向の一部にのみ設けるようにしてもよい。
而して、本実施形態では、伝動部材としてのデフケースDCのフランジ部1の外周面Aが、リングギヤRの内周部Riの被溶接部Riwを嵌合、溶接する第1外周部A1と、その第1外周部A1に隣接する小径の第2外周部A2と、その第2外周部A2に第1外周部A1とは反対側で隣接する更に小径の第3外周部A3とを備えており、リングギヤRの内周部Riには、第1外周部A1及び被溶接部Riw間の溶接部Wの内端Weを臨ませる環状空間Sをフランジ部1との間で画成する空間形成部Risが形成され、しかもヘリカルギヤ部Rgでのスラスト荷重発生時に第1接続面f1と第2外周部A2との間の境界隅部8及びその近傍に作用する応力が溶接部Wの内端We及びその近傍に作用する応力よりも大きくなるように、環状空間Sに臨むフランジ部1の第1接続面f1には、フランジ部1およびリングギヤRの軸線と垂直な面で構成されて溶接部Wの内端Weから境界隅部8に向かって延びる第1平面部p1が形成されると共に、リングギヤRの空間形成部Risには、フランジ部1およびリングギヤRの軸線と垂直な面で構成されて溶接部Wの内端Weから境界隅部8と反対の方向に向かって延びる第2平面部p2が形成されている。そのため、エンジンからデフケースDC側への動力伝達中において、ヘリカルギヤRgの噛合い部で大きなスラスト荷重が発生してリングギヤR(従って前記溶接部W)に作用しても、溶接部Wの内端Weから、フランジ部1およびリングギヤRの軸線と垂直に径方向内・外方に各々拡がる平面部p1,p2で画成される前記空間Sの特設により、溶接部Wの周辺部分に応力を効果的に分散させることができるから、溶接部Wの応力集中が緩和される。
しかも第2・第3外周部A2,A3間の第2接続面f2には、リングギヤRに形成されて第3外周部A3に内周面STiが圧入されるストッパ部STの側面STsが当接しており、その当接部を通しても前記スラスト荷重の一部がフランジ部1側に受け止められるため、そのスラスト荷重に起因発生した応力の更なる分散が図られ、溶接部Wにおける応力集中がより効果的に緩和可能となる。それらの結果、応力集中対策として溶接部Wの周辺部分を特別に厚肉化したり或いは溶接深さを特別に深くする必要はないから、装置の重量軽減やコスト節減を図る上で有利となる。
次に、上記応力分散効果について、図2の部分拡大図を併せて参照して補足説明する。例えば、伝動中にリングギヤRがデフケースDCのフランジ部1に対して図2左方への大きなスラスト荷重を受けた場合には、その部分拡大図に簡略的に示すように第2外周部A2及び第1接続面f1間の境界隅部8及びその近傍に第1の応力集中部位C1が、また第3外周部A3及び第2接続面f2間の隅部7及びその近傍に、前記第1の応力集中部位C1よりも大きな応力が発生する第2の応力集中部位C2が、それぞれ溶接部Wから離間した位置に発生する。そして、このようにスラスト荷重に起因発生した応力集中部位C1,C2が溶接部W及びその近傍にだけ集中せずに、そこから離間した部位に分散することで、溶接部Wの内端We及びその近傍に大きな応力集中が生じるのを効果的に抑制可能となる。
その上、前記したストッパ部STは、第3外周部A3への圧入時に圧入深さを規定するストッパ機能と、前述の如くスラスト荷重発生時の応力分散機能とを兼備するものとなっており、それだけ装置の構造簡素化が達成される。
また第1・第2外周部A1,A2間を接続する第1接続面f1は、リングギヤRに対し非接触状態にある。このため、リングギヤRからフランジ部1側に入力されるスラスト荷重を、第2・第3外周部A2,A3間の第2接続面f2の、ストッパ部STとの当接部で効率よく受け止めることができるから、溶接部Wの応力集中が一層効果的に緩和される。
更に本実施形態では、前記第2接続面f2と第3外周部A3との境界部に形成される隅部7と、ストッパ部STの、隅部7と対向する部分STc(又はSTc′)との間に第2の空間S′が形成されている。そのため、ストッパ部STの第3外周部A3への圧入に起因して隅部7及びその近傍に応力集中が生じて歪が発生するのを効果的に抑制可能である。
ところで、前記実施形態では、リングギヤR内周の空間形成部Risとフランジ部1の外周(特に第1接続面f1及び第2外周部A2)とにより画成される環状空間Sを、横断面で見て径方向に縦長の略長方形状の空間としたものを示したが、その環状空間Sの横断面形態および画成態様は、次に例示したように種々の実施形態を選択可能である。
尚、図3(A)に例示した参考形態では、前記環状空間Sを溶接部Wに対して径方向内方側にオフセット配置している。
また図3(B)及び図4(C)にそれぞれ例示した実施形態では、前記環状空間Sを横断面三角形状に形成している。
さらに図4(D)に例示した実施形態では、前記環状空間Sを画成するための空間形成部Risの溝幅を第2外周部A2の軸方向幅よりも短く設定しており、空間形成部Risの内側面Risfとストッパ部STの側面STsとの間に段差が生じている。
さらにまた図4(E)に例示した実施形態では、前記環状空間Sを画成するための空間形成部Risの溝幅を第2外周部A2の軸方向幅よりも長く設定している。従って、空間形成部Risの前記内側面Risfとストッパ部STの側面STsとの間には、図(D)の実施形態の前記段差とは逆向きの段差が生じている。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、伝動装置として自動車に搭載される差動装置Dを例示したが、本発明は、自動車以外の各種機械の伝動系に使用される差動装置に実施可能である。また、差動装置以外の種々の伝動装置(少なくともフランジ部を外周部に一体に有して回転可能な伝動部材と、その伝動部材のフランジ部に溶接され且つ外周部にはヘリカルギヤ部が形成されるリングギヤとを少なくとも伝動経路中に含む伝動装置)にも本発明を実施可能である。
また前記実施形態では、伝動装置としての差動装置Dが左右車軸の回転差を許容するものであったが、前輪と後輪の回転差を吸収するセンターデフにも実施可能である。
A・・・・・フランジ部の外周面
A1,A2・・・第1,第2外周部
D・・・・・差動装置(伝動装置)
DC・・・・デフケース(伝動部材)
f1・・・・第1接続
1・・・・第1平面部
p2・・・・第2平面部
R・・・・・リングギヤ
Rg・・・・ヘリカルギヤ部
Ri・・・・リングギヤの内周部
Ris・・・空間形成部
S・・・・・環状空間(空間)
W・・・・・溶接部
We・・・・溶接部の内端
1・・・・・フランジ部
8・・・・・境界隅部


Claims (3)

  1. フランジ部(1)を外周部に一体に有して回転可能な伝動部材(DC)と、その伝動部材(DC)のフランジ部(1)に溶接され且つ外周部にはヘリカルギヤ部(Rg)が形成されるリングギヤ(R)とを伝動経路中に含む伝動装置であって、
    前記フランジ部(1)の外周面(A)には、前記リングギヤ(R)の内周部(Ri)を嵌合、溶接する第1外周部(A1)と、その第1外周部(A1)に第1接続面(f1)を挟んで隣接する、第1外周部(A1)よりも小径の第2外周部(A2)とが形成され、
    前記リングギヤ(R)には、前記第1外周部(A1)及び前記リングギヤ(R)間の溶接部(W)の内端(We)を臨ませる空間(S)を前記フランジ部(1)との間で画成する空間形成部(Ris)が形成され、
    前記ヘリカルギヤ部(Rg)でのスラスト荷重発生時に前記第1接続面(f1)と前記第2外周部(A2)との間の境界隅部(8)及びその近傍に作用する応力が前記溶接部(W)の内端(We)及びその近傍に作用する応力よりも大きくなるように、前記空間(S)に臨む前記フランジ部(1)の前記第1接続面(f1)には、前記フランジ部(1)および前記リングギヤ(R)の軸線と垂直な面で構成されて、前記溶接部(W)の内端(We)から前記境界隅部(8)に向かって延びる第1平面部(p1)が形成されると共に、前記リングギヤ(R)の前記空間形成部(Ris)には、前記フランジ部(1)および前記リングギヤ(R)の軸線と垂直な面で構成されて、前記溶接部(W)の内端(We)から前記境界隅部(8)と反対の方向に向かって延びる第2平面部(p2)が形成されることを特徴とする伝動装置。
  2. 前記第1平面部(p1)と前記第2平面部(p2)とは、同一平面上で連続していることを特徴とする、請求項1に記載の伝動装置。
  3. 前記フランジ部(1)と前記リングギヤ(R)との溶接はレーザ溶接で行われ、前記空間(S)は、溶接レーザを照射する方向の寸法よりも、該方向に直交する方向の寸法の方が大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の伝動装置。
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