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JP2019048794A - 抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ及びその使用 - Google Patents

抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ及びその使用 Download PDF

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JP2019048794A
JP2019048794A JP2017174876A JP2017174876A JP2019048794A JP 2019048794 A JP2019048794 A JP 2019048794A JP 2017174876 A JP2017174876 A JP 2017174876A JP 2017174876 A JP2017174876 A JP 2017174876A JP 2019048794 A JP2019048794 A JP 2019048794A
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靖之 栗原
Yasuyuki Kurihara
靖之 栗原
千佳 中嶋
Chika Nakajima
千佳 中嶋
幸 赤城
Miyuki Akagi
幸 赤城
田中 陽一郎
Yoichiro Tanaka
陽一郎 田中
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Abstract

【課題】構造認識抗体を産生する細胞を高効率で得られる抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ及び抗体産生細胞のスクリーニング方法を提供する。【解決手段】抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブは、抗原タンパク質と、前記抗原タンパク質のN末端又はC末端に結合している蛍光物質と、を含み、フローサイトメトリーによる選抜に用いられる。抗体産生細胞のスクリーニング方法は、抗体産生細胞と前記抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブとを接触させる標識工程と、前記標識工程の後に、前記抗体産生細胞をフローサイトメトリーにより選抜する選抜工程と、を備える方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ及びその使用に関する。具体的には、本発明は、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ、抗体産生細胞のスクリーニング用キット、抗体産生細胞のスクリーニング方法及びモノクローナル抗体の製造方法に関する。
モノクローナル抗体は、高い抗原結合特異性と結合強度とを有する高感度な検出プローブである。モノクローナル抗体は、ポストゲノム時代の生命科学で必須な研究ツールであるだけでなく、均一な品質の抗体を大量生産できるため、商業的にも有用な高機能生物素材である。そのため、現在、抗体を用いた疾患検査薬、診断薬、医薬品等の市場が拡大し続けている。
モノクローナル抗体の有用性を判断する最も重要な点は、当該モノクローナル抗体がタンパク質のアミノ酸配列を認識(配列認識)して結合するか、又は、アミノ酸配列だけでなく、タンパク質の立体構造を含めて認識(構造認識)するかである。特に、生体内に投与する抗体医薬品の場合、生体内の天然構造を認識する構造認識抗体でなければ薬効は期待できない。更に、生体物質を被検体とする検査及び診断薬も同様に構造認識抗体でなければ正しい診断ができない。従って、構造認識抗体を取得することが大切である。
モノクローナル抗体の製造方法には、大きく分けて、以下の2通りの方法がある。
1)動物に抗原を免疫してハイブリドーマを作製するハイブリドーマ法、
2)免疫グロブリンの抗原結合領域の遺伝子を遺伝子工学的に発現させるインビトロディスプレイ法。
いずれの手法も一長一短あるが、ハイブリドーマ法はシステム導入が容易であるため、多くの研究所で行われている。しかしながら、ハイブリドーマ法では、手間及び時間がかかっていた。また、ハイブリドーマ法では抗体産生細胞の選抜をELISAにより行っており、抗原として、一般的に、固相に固着した変性構造のタンパク質を用いる。そのため、配列認識抗体は比較的簡単に取得できるが、構造認識抗体を取得することが困難であった。
構造認識抗体を取得する手法として、1979年にHerzenbergらは、フローサイトメーターを使用するハイブリドーマ法を開発した(例えば、非特許文献1参照。)。ハイブリドーマは分泌型免疫グロブリンと同じ抗原結合特異性を有する膜型免疫グロブリン分子が細胞膜上に発現している。このため、抗原は、分泌型免疫グロブリン、すなわち抗体だけでなく、この膜型免疫グロブリンとも結合する。よって、Herzenbergらが開発した方法では、抗原を蛍光標識することで、目的のハイブリドーマを蛍光標識し、スクリーニング及びクローニングを行う。
また、2009年にMeagherらは、遺伝工学的に改変したハイブリドーマ及びフローサイトメーターを使用するハイブリドーマ法を開発した(例えば、特許文献1〜3、及び非特許文献2参照。)。具体的には、まず、Igα遺伝子が導入されたミエローマ細胞と抗原免疫したマウスから取得したB細胞と、又は、ミエローマ細胞と抗原免疫したマウスから取得し、且つIgα遺伝子が導入されたB細胞と、を細胞融合してハイブリドーマを得る。このハイブリドーマでは、Igα分子がハイブリドーマの細胞膜上に高発現しており、これにより、膜型免疫グロブリンの発現を増強することができる。次いで、該ハイブリドーマと、ビオチン化標識した抗原ペプチドと、Streptavidine−PEとを接触させて、フローサイトメーターを用いてクローニングを実施する。
米国特許第7629171号明細書 米国特許第7148040号明細書 米国特許第8912385号明細書
Parks D R et al., "Antigen-specific identification and cloning of hybridomas with a fluorescence-activated cell sorter", Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 76, no. 4, p1962-1966, 1979. Price P W et al., "Engineered cell surface expression of membrane immunoglobulin as a means to identify monoclonal antibody-secreting hybridomas", J. Immunol. Methods, vol. 343, no. 1, p28-41, 2009.
特許文献1〜3及び非特許文献1、2に記載の方法では、構造認識抗体を取得することができる。しかしながら、蛍光標識が容易な短鎖ペプチド抗原を用いており、当該短鎖ペプチド抗原が天然タンパク質の構造を再現している場合しか、構造認識抗体を選抜することができなかった。また、抗体取得効率が低く、改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する細胞を高効率で得られる抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ、抗体産生細胞のスクリーニング用キット及び抗体産生細胞のスクリーニング方法を提供する。また、目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を高効率で得られるモノクローナル抗体の製造方法を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係る抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブは、抗原タンパク質と、前記抗原タンパク質のN末端又はC末端に結合している蛍光物質と、を含み、フローサイトメトリーによる選抜に用いられる。
上記第1態様に係る抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブにおいて、前記蛍光物質が蛍光タンパク質であってもよい。
上記第1態様に係る抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブにおいて、前記抗原タンパク質が、硫安沈殿物であってもよい。
本発明の第2態様に係る抗体産生細胞のスクリーニング用キットは、抗原タンパク質をコードする第1の核酸を挿入するためのクローニングサイトと、前記クローニングサイトの上流又は下流に連結された蛍光タンパク質をコードする第2の核酸と、を含む第1のベクターを備え、前記第1のベクターは、前記抗原タンパク質と、前記抗原タンパク質のN末端又はC末端に結合している前記蛍光タンパク質と、を含む融合タンパク質を発現させるためのベクターであり、フローサイトメトリーによる選抜に用いられる。
上記第2態様に係る抗体産生細胞のスクリーニング用キットは、更に、抗原タンパク質をコードする第3の核酸を挿入するためのクローニングサイトを含む第2のベクターを備え、前記第2のベクターは、非ヒト動物免疫用の抗原タンパク質を発現させるためのベクターであってもよい。
上記第2態様に係る抗体産生細胞のスクリーニング用キットは、更に、硫酸アンモニウムを備え、前記硫酸アンモニウムは、前記融合タンパク質を硫安沈殿法により精製するためのものであってもよい。
本発明の第3態様に係る抗体産生細胞のスクリーニング方法は、抗体産生細胞と上記第1態様に係る抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブとを接触させる標識工程と、前記標識工程の後に、前記抗体産生細胞をフローサイトメトリーにより選抜する選抜工程と、を備える方法である。
前記標識工程において、異なる抗原タンパク質に対する抗体を産生する2種類以上の前記抗体産生細胞と、互いに異なる前記蛍光物質が結合している2種類以上の前記抗原タンパク質を含む前記抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブとを接触させてもよい。
本発明の第4態様に係るモノクローナル抗体の製造方法は、上記第3態様に係る抗体産生細胞のスクリーニング方法を用いて得られた抗体産生細胞を1細胞ずつ播種する播種工程を備える方法である。
上記第4態様に係るモノクローナル抗体の製造方法において、モノクローナル抗体のアイソタイプがIgGであってもよい。
上記態様の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ、抗体産生細胞のスクリーニング用キット及び抗体産生細胞のスクリーニング方法によれば、目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する細胞を高効率で得られる。また、上記態様のモノクローナル抗体の製造方法によれば、目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を高効率で得られる。
本発明の一実施形態に係る抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを示す図である。 本発明の一実施形態に係るモノクローナル抗体の製造方法を示す概略工程図である。 製造例1における各飽和度の硫酸アンモニウムを用いて精製した融合タンパク質1(EGFP+α−Tubulin部分タンパク質)及び蛍光タンパク質(EGFP)のCBB染色画像である。 実施例1における蛍光タンパク質を添加したハイブリドーマ(コントロール群)、及び、融合タンパク質1を添加したハイブリドーマをフローサイトメーターにより検出した結果を示すグラフである。 実施例1における蛍光タンパク質(EGFP)又は融合タンパク質1(EGFP+α−Tubulin部分タンパク質)を添加したハイブリドーマの蛍光顕微鏡像である。 試験例1における実施例1で得られた抗体を用いてウエスタンブロッティングを行った結果を示す画像である。 試験例1における実施例1で得られた抗体について、配列認識度(ELISAでの蛍光強度)を縦軸に、構造認識度(フローサイトメーターでの蛍光強度)を横軸にプロットしたグラフである。 実施例2における蛍光タンパク質を添加した脾臓細胞(コントロール群)、及び、融合タンパク質1を添加した脾臓細胞をフローサイトメーターにより検出した結果を示すグラフである。
≪抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ≫
本発明の一実施形態に抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブは、抗原タンパク質と、前記抗原タンパク質のN末端又はC末端に結合している蛍光物質と、を含み、フローサイトメトリーによる選抜に用いられる。
本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを構成する各成分について、以下に詳細を説明する。
<抗原タンパク質>
本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブに含まれる抗原タンパク質は、天然状態での立体構造(以下、「天然型立体構造」と称する場合がある)を有するものであればよく、特別な限定はない。また、抗原タンパク質は、全長タンパク質であってもよく、エピトープとなり得る標的部位を含む部分タンパク質であってもよい。
<蛍光物質>
本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブに含まれる蛍光物質は、フローサイトメーターにおいて一般的用いられる公知のモノであれば特別な限定はない。蛍光物質として具体的には、例えば、以下の表1に示す多環芳香族化合物、又は、以下の表2及び表3に示す蛍光タンパク質等が挙げられる。
中でも、蛍光物質としては、蛍光タンパク質であることが好ましい。蛍光物質として蛍光タンパク質を用いることで、後述のとおり、蛍光タンパク質と抗原タンパク質との融合タンパク質として抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを容易に製造できる。また、蛍光物質として蛍光タンパク質を用いることで、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブの製造時において、抗原タンパク質のアミノ基又はチオール基等に、蛍光物質を化学的に修飾する必要がない。そのため、pH、温度等の変化により、抗原タンパク質の立体構造が変化して、変性状態となることを防ぐことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを示す図である。
図1に示すように、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ10は、抗原タンパク質1と、蛍光物質2とを含む。蛍光物質2は、抗原タンパク質1に直接的又は間接的に結合していてよい。
抗原タンパク質1と蛍光物質2とが直接的に結合している場合、両者の結合様式としては、例えば、配位結合、共有結合(例えば、ジスルフィド結合、アミド結合、エステル結合等)、水素結合、イオン結合、疎水性相互作用、物理吸着等であってよい。なお、蛍光物質2が蛍光タンパク質である場合、抗原タンパク質1と蛍光物質2とは、アミド結合により直接的に結合することが好ましい。
抗原タンパク質1と蛍光物質2とが間接的に結合している場合、両者がリンカーを介して結合していてもよい。前記リンカーとしては、1〜数個(例えば1〜5個程度等)のアミノ酸からなるペプチドリンカー、ポリエチレングリコール等の合成高分子化合物からなるリンカー等が挙げられ、これらに限定されない。
又は、抗原タンパク質1と蛍光物質2とが間接的に結合している場合、例えば、ビオチン−アビジン等の相互に結合するタンパク質を活用する方法等が挙げられる。具体的には、ビオチン標識された抗原タンパク質を調製し、抗体産生細胞とビオチン標識された抗原タンパク質とを接触させる。更に、蛍光物質が結合したアビジン(例えば、ストレプトアビジン)を接触させることで、抗体産生細胞−ビオチン標識された抗原タンパク質−蛍光物質が結合したアビジンからなる複合体が形成される。これにより、抗体産生細胞は、蛍光物質により、ビオチン及びアビジンを介して間接的に標識される。
また、抗原タンパク質1における蛍光物質2の結合位置は、抗原タンパク質の立体構造が保たれる位置であればよく、抗原タンパク質のN末端であってもよく、C末端であってもよい。抗原タンパク質1における蛍光物質2の結合位置は、抗原タンパク質中の抗体結合部位(エピトープ)となり得る標的部位とは反対側であることが好ましい。例えば、エピトープとなり得る標的部位がN末端領域側に存在する場合は、蛍光物質2の結合位置は、C末端であることが好ましい。一方、エピトープとなり得る標的部位がC末端領域側に存在する場合は、蛍光物質2の結合位置は、N末端であることが好ましい。また、エピトープとなり得る標的部位がタンパク質のアミノ酸配列のうち中心部に存在する場合、蛍光物質2の結合位置は、N末端であってもよく、C末端であってもよい。
抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ10において、蛍光物質2が抗原タンパク質1の天然型立体構造を保持するように結合している。そのため、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ10は、抗体産生細胞のうち、目的抗原タンパク質1に対する構造認識抗体を産生する抗体産生細胞の細胞膜上に存在する膜型免疫グロブリン分子3に結合して蛍光標識することができる。よって、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ10を用いることで、高効率で目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する細胞を得ることができる。
なお、本明細書において、「構造認識抗体」とは、抗原タンパク質中の天然型立体構造であるエピトープを認識する抗体を意味する。一方、「配列認識抗体」とは、抗原タンパク質中の変性状態での立体構造(以下、「変性型立体構造」と称する場合がある)であるエピトープを認識する抗体を意味する。なお、主に、変性型立体構造は、直鎖状である。特に、後述の実施例に示すとおり、フローサイトメーターによる検出の際に、蛍光強度がより高く検出されるものほど、構造認識能の高い抗体を産生する抗体産生細胞であると判断できる。また、後述の実施例に示すとおり、ELISAによる検出の際に、蛍光強度がより高く検出されるものほど、配列認識能の高い抗体を産生する抗体産生細胞であると判断できる。
従来では、主にELISAを用いて抗体産生細胞が産生するモノクローナル抗体を評価し、スクリーニングを行う。ELISAで使用する抗原タンパク質は変性状態であり、配列認識抗体が得られる。しかしながら、配列認識抗体は、抗原タンパク質中のエピトープの天然型立体構造と変性型立体構造とが異なる場合は、抗原タンパク質を認識することができず、有用性はあまり高くない。
これに対し、本実施形態では、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブとフローサイトメーターとを用いて抗体産生細胞の細胞膜上に発現している膜型免疫グロブリンと、構造を保持している抗原との結合により、スクリーニングを行う。よって、構造認識抗体をスクリーニングすることができる。
構造を認識する抗体は、生体内の生理活性を保ったタンパク質と結合することが必須である。よって、本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを用いて得られる抗体産生細胞が産生するモノクローナル抗体は、検査診断薬や医薬品に利用できる有用な抗体である。また、従来では、スクリーニングにおいて取りこぼしていた構造認識抗体を確実に取得できるため、有用性が高い。
本明細書において、「抗体産生細胞」としては、目的抗原タンパク質に対する抗体を産生する細胞であればよく、特別な限定はない。抗体産生細胞として具体的には、例えば、脾臓細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられる。中でも、抗体産生細胞としては、脾臓細胞又は局所リンパ節細胞が好ましい。また、抗体産生細胞として、ハイブリドーマを用いてもよい。
本明細書において、「ハイブリドーマ」は、目的抗原タンパク質を免疫した非ヒト動物由来の抗体産生細胞とミエローマ細胞とを細胞融合することで得られる。又は、目的抗原タンパク質に対する抗体を産生するヒト由来の抗体産生細胞と、ミエローマ細胞とを細胞融合することで得られる。
前記非ヒト動物としては、ヒト以外の哺乳動物(非ヒト哺乳動物)又は鳥類動物が好ましい。前記非ヒト哺乳動物しては、例えば、マウス、ラット、ハムスター等の齧歯類、ウサギ、ヤギ、サル等が挙げられ、これらに限定されない。また、前記鳥類動物としては、例えば、ニワトリ等が挙げられ、これらに限定されない。
ヒト由来の抗体産生細胞は、例えば、ヒトの血液から単離された末梢血単核球等の抗体産生細胞を用いればよい。又は、免疫されていないヒト由来のリンパ球等の細胞に対して、抗原タンパク質を培地中で作用させることによって得られたヒト抗体産生細胞を用いればよい。また、ヒト由来の抗体産生細胞は、EBウイルス等を用いて不死化されていてもよい。
<抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブの製造方法>
本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブは、蛍光物質が多環芳香族化合物であり、抗原タンパク質と蛍光物質とが直接的に結合している場合、以下に示す方法により製造することができる。
まず、抗原タンパク質をコードする核酸を含む発現ベクターを用いて、宿主を形質転換する。次いで、当該宿主を培養して抗原タンパク質を発現させる。培地の組成、培養の温度、時間、誘導物質の添加等の条件は、形質転換体が生育し、抗原タンパク質が効率よく産生されるよう、公知の方法に従って当業者が決定できる。また、例えば、選択マーカーとして抗生物質抵抗性遺伝子を発現ベクターに組み込んだ場合、培地に抗生物質を加えることにより、形質転換体を選択することができる。次いで、宿主が発現した抗原タンパク質を適宜の方法により精製することにより、抗原タンパク質が得られる。次いで、得られた抗原タンパク質のアミノ基又はチオール基等に、蛍光物質を化学的に修飾して、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを得ることができる。
又は、本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブは、蛍光物質が多環芳香族化合物であり、抗原タンパク質と蛍光物質とが間接的に結合している場合、以下に示す方法により製造することができる。
まず、抗原タンパク質をコードする第1の核酸と、該第1の核酸の上流又は下流にAviTag(登録商標)をコードする第2の核酸と、を含む発現ベクターを用いて、宿主を形質転換する。次いで、当該宿主を培養してAviTag(登録商標)が付加された抗原タンパク質を発現させる。培地の組成、培養の温度、時間、誘導物質の添加等の条件は、形質転換体が生育し、AviTag(登録商標)が付加された抗原タンパク質が効率よく産生されるよう、公知の方法に従って当業者が決定できる。また、例えば、選択マーカーとして抗生物質抵抗性遺伝子を発現ベクターに組み込んだ場合、培地に抗生物質を加えることにより、形質転換体を選択することができる。次いで、宿主が発現したAviTag(登録商標)が付加された抗原タンパク質を適宜の方法により精製することにより、AviTag(登録商標)が付加された抗原タンパク質が得られる。次いで、得られたAviTag(登録商標)が付加された抗原タンパク質に、ビオチンリガーゼを用いて、ビオチンを導入する。更に、ビオチン標識された抗原タンパク質と、蛍光物質が化学的に結合したストレプトアビジンとを接触させることで、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを得ることができる。
本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブは、蛍光物質が蛍光タンパク質である場合、以下に示す方法により製造することができる。
まず、抗原タンパク質をコードする第1の核酸と、該第1の核酸の上流又は下流に蛍光タンパク質をコードする第2の核酸と、を含む発現ベクターを用いて、宿主を形質転換する。このとき、抗原タンパク質と蛍光タンパク質とをペプチドリンカーを介して、間接的に結合させる場合には、前記第1の核酸と、前記第2の核酸との間に、ペプチドリンカーをコードする第4の核酸を挿入すればよい。次いで、宿主を培養して、抗原タンパク質及び蛍光タンパク質が直接的又は間接的に結合した融合タンパク質を発現させる。培地の組成、培養の温度、時間、誘導物質の添加等の条件は、形質転換体が生育し、融合タンパク質が効率よく産生されるよう、公知の方法に従って当業者が決定できる。また、例えば、選択マーカーとして抗生物質抵抗性遺伝子を発現ベクターに組み込んだ場合、培地に抗生物質を加えることにより、形質転換体を選択することができる。次いで、宿主が発現した融合タンパク質を精製することにより、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを得ることができる。
融合タンパク質の精製方法としては、融合タンパク質中の抗原タンパク質の立体構造を維持したまま精製できる方法であればよく、公知のタンパク質精製方法から適宜選択できる。中でも、硫安沈殿法により精製することが好ましい。硫安沈殿法を用いることで、融合タンパク質中の抗原タンパク質の立体構造を維持したまま、大腸菌等の宿主由来のエンドトキシン(例えば、リポ多糖(Lipopolysaccharide;LPS)等)を高効率で除去することができる。硫安沈殿法に用いられる硫酸アンモニウムの飽和度としては、抗原タンパク質の種類及び荷電状態等に応じて適宜調整すればよい。例えば、後述の実施例に示すように、α−Tubulin及びEGFPの融合タンパク質を精製する場合、試料中の硫酸アンモニウムの飽和度としては、40%以上60%以下とすることができ、50%程度であることが好ましい。得られた硫安沈殿物(粗精製物)は、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブに含まれる抗原タンパク質として使用できる。この硫安沈殿物(粗精製物)中には、融合タンパク質以外の宿主由来のタンパク質が含まれる。そのため、後述するスクリーニング方法において、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブの抗原タンパク質として硫安沈殿物(粗精製物)を用いることで、融合タンパク質以外の宿主由来のタンパク質が抗体産生細胞の表面を覆うブロッキング剤として働く。これにより、抗原タンパク質を介さず蛍光タンパク質が抗体産生細胞の細胞表面に非特異的に吸着することを防ぐことができ、より高効率で目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する細胞を蛍光標識することができる。
また、硫安沈殿法により得られた粗精製物(硫安沈殿物)を、更にゲル濾過カラムに通すことで、硫酸アンモニウム等の低分子の夾雑物を除去してもよい。ゲル濾過カラムに用いる担体としては、例えば、GEヘルスケア社製のSephadex G−50、Sephadex G−75等が挙げられ、これらに限定されない。
また、ゲル濾過後の精製物を、更に膜フィルターに通すことで、濾過滅菌してもよい。膜フィルターの孔径としては、例えば0.1μm以上0.5μm以下とすることができ、0.2μm以上0.4μm以下とすることができる。
<用途>
本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブは、構造認識抗体を産生する細胞を蛍光標識し、スクリーニングするために好適に用いられる。また、後述に示すように、本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブと接触させた細胞をフローサイトメトリーによる選抜することで、蛍光標識された構造認識抗体を産生する細胞を1細胞ずつ選抜及び単離することができる。
≪抗体産生細胞のスクリーニング用キット≫
本発明の一実施形態に係る抗体産生細胞のスクリーニング用キットは、抗原タンパク質をコードする第1の核酸を挿入するためのクローニングサイトと、前記クローニングサイトの上流又は下流に連結された蛍光タンパク質をコードする第2の核酸と、を含む第1のベクターを備え、前記第1のベクターは、前記抗原タンパク質と、前記抗原タンパク質のN末端又はC末端に結合している前記蛍光タンパク質と、を含む融合タンパク質を発現させるためのベクターであり、フローサイトメトリーによる選抜に用いられる。
本実施形態のキットによれば、立体構造が維持された任意の抗原タンパク質と蛍光タンパク質との融合タンパク質を容易に作製することができる。また、該融合タンパク質を用いることで、高効率で任意の抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する細胞を得ることができる。
<第1のベクター>
本実施形態のキットに含まれる第1のベクターは、融合タンパク質を発現するためのベクターである。第1のベクターは、抗原タンパク質をコードする第1の核酸を挿入するためのクローニングサイトと、前記クローニングサイトの上流又は下流に連結された蛍光タンパク質をコードする第2の核酸と、を含む。
また、第1のベクターを用いて、抗原タンパク質と蛍光タンパク質とがペプチドリンカーを介して間接的に結合した融合タンパク質を発現させる場合、第1のベクターは、抗原タンパク質をコードする第1の核酸と蛍光タンパク質をコードする第2の核酸との間に、ペプチドリンカーをコードする第4の核酸を含むことが好ましい。
抗原タンパク質及び蛍光タンパク質としては、特別な限定はなく、上述の「抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
また、第1のベクターの種類としては、発現ベクターであればよく、特別な限定はない。発現ベクターとしては、例えば、pBR322、pBR325、pCold(登録商標)、pUC12、pUC13等の大腸菌由来のプラスミド;pUB110、pTP5、pC194等の枯草菌由来のプラスミド;pSH19、pSH15等の酵母由来プラスミド;λファージ等のバクテリオファージ;アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルス等のウイルス;及びこれらを改変したベクター等を用いることができる。
上述の発現ベクターにおいて、融合タンパク質発現用プロモーターとしては特に限定されず、例えば、EF1αプロモーター、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMV(サイトメガロウィルス)プロモーター、HSV−tkプロモーター等の動物細胞を宿主とした発現用のプロモーター、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター、REF(rubber elongation factor)プロモーター等の植物細胞を宿主とした発現用のプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、p10プロモーター等の昆虫細胞を宿主とした発現用のプロモーター等を使用することができる。これらプロモーターは、融合タンパク質を発現する宿主に応じて、適宜選択することができる。
上述の発現ベクターは、更に、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、複製起点等を有していてもよい。
<第2のベクター>
本実施形態のキットは、更に。第2のベクターを備えていてもよい。第2のベクターは、非ヒト動物免疫用の抗原タンパク質を発現するためのベクターである。また、第2のベクターは、抗原タンパク質をコードする第3の核酸を挿入するためのクローニングサイトを含む。得られた非ヒト動物免疫用の抗原タンパク質を非ヒト動物に免疫することで、当該動物から目的抗原タンパク質に対する抗体を算出する抗体産生細胞を得ることができる。
第2のベクターに含まれる第3の核酸は、第1のベクターの含まれる第1の核酸と同じ種類の抗原タンパク質をコードする核酸であればよい。また、第2のベクターを発現することで得られる抗原タンパク質は、第1のベクターを発現することで得られる抗原タンパク質におけるエピトープとなり得る標的部位のアミノ酸配列が一致し、全体として異なるアミノ酸配列からなる部分タンパク質であってもよく、第1のベクターを発現することで得られる抗原タンパク質と同一のアミノ酸配列からなる部分タンパク質又は全長タンパク質であってもよい。中でも、第2のベクターを発現することで得られる抗原タンパク質は、第1のベクターを発現することで得られる抗原タンパク質と同一のアミノ酸配列からなる部分タンパク質又は全長タンパク質であることが好ましい。これにより、目的とする抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する細胞を高効率に得られる。
また、第1のベクターの種類としては、発現ベクターであればよく、上述の「第1のベクター」で例示されたものと同様のものが挙げられる。
<硫酸アンモニウム>
本実施形態のキットは、更に、硫酸アンモニウムを備えていてもよい。硫酸アンモニウムは、上記第1のベクターを用いて発現された融合タンパク質を硫安沈殿法により精製するためのものである。
後述するスクリーニング方法において、融合タンパク質を硫安沈殿法により精製することで得られる粗精製物(硫安沈殿物)を用いることで、粗精製物(硫安沈殿物)中に含まれる融合タンパク質以外の宿主由来のタンパク質が抗体産生細胞の表面を覆うブロッキング剤として働く。これにより、抗原タンパク質を介さず蛍光タンパク質が抗体産生細胞の細胞表面に非特異的に吸着することを防ぐことができ、より高効率で目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する細胞を蛍光標識することができる。
<その他>
本実施形態のキットは、更に、融合タンパク質を精製するためのゲル濾過カラム、滅菌フィルター等を備えていてもよい。ゲル濾過カラム及び滅菌フィルターとしては、上述の「抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ」において例示されたものと同様のものが挙げられる。また、本実施形態のキットは、更に、融合タンパク質及び非ヒト動物免疫用の抗原タンパク質を溶解及び保存するためのバッファー等を備えてもよい。
<用途>
本実施形態のキットに含まれる第1のベクター、及び必要に応じて硫酸アンモニウム、ゲル濾過カラム、滅菌フィルター等の精製手段を用いることで、上述の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを製造することができる。また、本実施形態のキットに含まれる第2のベクターを用いることで、非ヒト動物免疫用の抗原タンパク質を製造することができる。更に、当該非ヒト動物免疫用の抗原タンパク質を用いて非ヒト動物を免疫することで、免疫された抗原タンパク質に対する抗体産生細胞を得ることができる。得られた抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ及び抗体産生細胞は、当該抗体産生細胞中の構造認識抗体を産生する細胞を蛍光標識し、スクリーニングするために好適に用いられる。また、後述に示すように、本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブと接触させた細胞をフローサイトメトリーによる選抜することで、蛍光標識された構造認識抗体を産生する細胞を1細胞ずつ選抜及び単離することができる。
≪抗体産生細胞のスクリーニング方法≫
本発明の一実施形態に係る抗体産生細胞のスクリーニング方法は、抗体産生細胞と上記第1態様に係る抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブとを接触させる標識工程と、前記標識工程の後に、前記抗体産生細胞をフローサイトメトリーにより選抜する選抜工程と、を備える方法である。
本実施形態のスクリーニング方法によれば、高効率で目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する細胞を得ることができる。
図2は、後述する本発明の一実施形態に係るモノクローナル抗体の製造方法の概略工程図である。図2を参照しながら、本実施形態のスクリーニング方法について以下に詳細を説明する。
<標識工程>
まず、標識部11において、培地を含む培養容器9a中で抗体産生細胞4と抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ10とを接触させる。抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ10は、抗原タンパク質1のN末端又はC末端に蛍光物質2が結合している。また、培養容器9aは一般的に細胞培養に用いられる公知の容器を適宜選択して用いることができる。
中でも、抗原タンパク質1のN末端又はC末端に結合した蛍光物質2としては、蛍光タンパク質であることが好ましい。蛍光物質として蛍光タンパク質を用いることで、上述のとおり、蛍光タンパク質と抗原タンパク質との融合タンパク質として抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを容易に製造できる。また、蛍光物質として蛍光タンパク質を用いることで、上述のとおり、抗原タンパク質のアミノ基又はチオール基等に、蛍光物質を化学的に修飾する必要がない。そのため、pH、温度等の変化により、抗原タンパク質の立体構造が変化して、変性状態となることを防ぐことができる。
また、本実施形態のスクリーニング方法に用いられる抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ10が、抗原タンパク質と蛍光タンパク質とを含む融合タンパク質である場合、硫安沈殿法により精製された粗精製物であることが好ましい。この粗精製物を用いることで、粗精製物中に含まれる融合タンパク質以外の宿主由来のタンパク質が抗体産生細胞の表面を覆うブロッキング剤として働く。これにより、抗原タンパク質を介さず蛍光タンパク質が抗体産生細胞の細胞表面に非特異的に吸着することを防ぐことができ、より高効率で目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する細胞を蛍光標識することができる。
標識工程において、抗体産生細胞4のうち、目的抗原タンパク質1に対する構造認識抗体を産生する抗体産生細胞(目的抗体産生細胞)4aは、細胞膜上に存在する膜型免疫グロブリン3と、抗原タンパク質1とが特異的に結合する。これにより、目的抗体産生細胞4aは、抗原タンパク質1を介して、蛍光物質2で標識される。一方、その他の抗体産生細胞4bは、細胞膜上に存在する膜型免疫グロブリンと、抗原タンパク質1とが結合しない。そのため、目的抗体産生細胞4aは、抗原タンパク質1を介して、蛍光物質2で標識されていない。
また、標識工程において、異なる抗原タンパク質に対する抗体を産生する2種類以上の抗体産生細胞と、抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブとを接触させてもよい。このとき、用いられる抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブは、互いに異なる蛍光物質が結合している2種類以上の抗原タンパク質を含む。
また、用いられる抗体産生細胞としては、例えば、2種類以上の異なる目的抗原タンパク質を免疫した1個体の非ヒト動物から得られる抗体産生細胞であってもよい。又は、例えば、2個体以上の同一種の非ヒト動物において、それぞれ異なる目的抗原タンパク質を免疫して得られた抗体産生細胞であってもよい。又は、例えば、ヒト由来の抗体産生細胞である場合、上述のとおり、1個体又は2個体以上のヒトの血液から単離された末梢血単核球等のヒト由来の抗体産生細胞であってもよい。又は、例えば、免疫されていない1個体又は2個体以上のヒト由来のリンパ球等の細胞に対して、2種類以上の異なる目的抗原タンパク質を培地中で作用させることによって得られたヒト由来の抗体産生細胞であってもよい。いずれの場合においても、複数種類の抗体産生細胞が混在した形で得られる。
よって、本実施形態における標識工程において、互いに異なる蛍光物質が結合しており、且つ、免疫抗原タンパク質と対応した種類の抗原タンパク質を含む抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブを用いることにより、複数の目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する抗体産生細胞を同時にスクリーニングすることができる。
また、抗体産生細胞4と蛍光標識された抗原10とを接触させる時間、すなわち標識時間は、例えば、30分以上24時間以下であればよい。
標識時間が上記下限値以上であることにより、抗体産生細胞4の細胞膜上の膜型免疫グロブリン3と抗原タンパク質1とが万遍なく接触し、抗原抗体反応を行うことができる。また、標識時間が上記上限値以下であることにより、短時間で効率的に抗体産生細胞4を標識することができる。
特に、膜型免疫グロブリンのアイソタイプがIgGである抗体産生細胞を得る場合には、標識時間は、12時間未満、10時間以下が好ましく、30分以上6時間以下がより好ましく、1時間以上5時間以下が特に好ましく、2時間程度が最も好ましい。
標識時間が上記上限値以下であることにより、抗体産生細胞4のうち、細胞膜上の膜型免疫グロブリンのアイソタイプがIgGである抗体産生細胞を優先的に標識することができる。これは、IgGのほうがIgMよりも構造的に抗原が接触しやすく、標識されやすいためであると推察される。
このことは、上述のHerzenbergらが開発した方法及びMeagherらが開発した方法等の従来のフローサイトメーターを用いた方法では、知られておらず、本発明者らが初めて見出したものである。
これに対し、本実施形態のスクリーニング方法では、標識時間が上記上限値以下であることで、抗体産生細胞4のうち、細胞膜上の膜型免疫グロブリンのアイソタイプがIgGである抗体産生細胞を優先的に標識することができる。
また、標識工程と並行して、又は標識工程の後に、7−Amino−Actinomycin D(7−AAD)等を用いて、抗体産生細胞4のうち、死細胞を予め染色しておいてもよい。このとき、抗原タンパク質1に結合している蛍光物質2と、死細胞を判別するための蛍光物質とは、両者の最大蛍光波長が異なる組み合わせを適宜選択すればよい。
[選抜工程]
選抜工程は、標識工程後の抗体産生細胞4のうち、目的抗体産生細胞4aをフローサイトメトリーにより選抜する工程である。選抜結果の評価方法としては、例えば、未標識の抗体産生細胞4におけるシグナルの最頻値から2倍以上、好ましくは2.5倍以上、より好ましくは5倍以上の蛍光強度を示す抗体産生細胞4を陽性細胞とすればよい。
フローサイトメトリーによる選抜は、フローサイトメーター12を用いて行われる。フローサイトメーター12は、抗体産生細胞4を1細胞ずつソートさせ、蛍光を検出し、蛍光が検出された目的抗体産生細胞4aを選抜することができるものあれば、特別な限定はなく、公知の装置をそのまま用いればよい。具体的には、例えば、MoFlo Astrios EQ/EQs(ベックマンカウンター社製)、MoFlo XDP(ベックマンカウンター社製)等が挙げられ、これらに限定されない。
フローサイトメーター12は、図2に示すように、例えば、第1の検出器5、第2の検出器6、励起光源7、エアソーター8等を備えていてもよい。
前記第1の検出器5は、例えば、蛍光を検出するためのものであって、特別な限定はない。また、前記第2の検出器6は、例えば、抗体産生細胞のサイズ等を計測するためのものであって、特別な限定はない。また、励起光源7は、抗体産生細胞に結合した蛍光物質を励起させるためのものであって、特別な限定はない。また、ソーター8は、例えば、空気;水等の液体等の噴射物質8aによって、その他の抗体産生細胞4bを系外に排出させるためのものであって、特別な限定はない。
本実施形態のスクリーニング方法では、フローサイトメトリーによって選抜するため、抗体産生細胞のスクリーニングを約1日と短時間で行うことができる。また、本実施形態のスクリーニング方法では、フローサイトメトリーによる選抜において、抗体産生細胞の細胞膜上に発現している膜型免疫グロブリンと、構造を保持している抗原との結合により、スクリーニングを行う。よって、目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体をスクリーニングすることができる。
また、細胞のソーティング効率を高めるために、選抜工程の前、又は複数のサンプルを用いる場合は、サンプル間において、フローサイトメーターの流路を洗浄する洗浄工程を備えていてもよい。
洗浄工程においては、公知の洗浄液を用いて洗浄を行えばよい。具体的には、例えば、洗浄力が高く、適度な粘度の洗浄液(例えば、次亜塩素酸塩、2%程度の水酸化ナトリウム、及び界面活性剤(例えば、アルキルアミンオキシド等)を含む市販の配管洗浄剤等)を用いることで流路内に残存するタンパク質等を充分に洗浄することができる。
≪モノクローナル抗体の製造方法≫
本発明の一実施形態に係るモノクローナル抗体の製造方法は、上記実施形態に係る抗体産生細胞のスクリーニング方法を用いて得られた抗体産生細胞を1細胞ずつ播種する播種工程を備える方法である。
本実施形態の製造方法によれば、高効率で目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を得ることができる。構造を認識する抗体は、生体内の生理活性を保ったタンパク質と結合することが必須である。よって、本実施形態の製造方法により得られる抗体は、検査診断薬や医薬品に利用できる有用な抗体である。また、後述の実施例に示すとおり、従来の製造方法では、スクリーニングにおいて取りこぼしていた構造認識抗体を確実に取得できるため、有用性が高い。
本明細書において、「モノクローナル抗体」とは、実質的に均一な特異性を持つ抗体を意味する。
また、本実施形態の製造方法により得られるモノクローナル抗体のアイソタイプは、特別な限定はなく、例えば、IgA(IgA1、IgA2)、IgD、IgE、IgG(IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4)、IgM等が挙げられる。中でも、本実施形態の製造方法により得られるモノクローナル抗体のアイソタイプは、最も一般的に用いられ、病原体の侵入に対して起こる免疫反応の多くに関与していることから、IgGであることが好ましい。
標識工程及び選抜工程までは、上述の「抗体産生細胞のスクリーニング方法」と同様の方法を用いて、目的抗原タンパク質に対する構造認識抗体を産生する抗体産生細胞をスクリーニングする。
本実施形態の製造方法について、図2を参照しながら、以下に詳細を説明する。
[播種工程]
播種工程は、前記選抜工程において選抜された抗体産生細胞、すなわち、陽性と評価された抗体産生細胞を1細胞ずつ播種する工程である。本実施形態の製造方法では、フローサイトメーター12を用いることで、陽性と評価された抗体産生細胞4aを自動的に1細胞ずつ培養容器9bに播種することができるため、クローニングの手間がかからない。
培養容器9bとしては、抗体産生細胞の培養に用いられる公知のものであればよく、材質及び形状に特別な限定はない。例えば、培養容器9bとしては、任意の数のウェルが配置されたマルチウェルプレート、シャーレ等が挙げられる。ウェルの数としては、プレート1枚当たり、たとえば、6、12、24、96、384、1536個等が挙げられる。また、培養容器9bの底面は、陽性と評価された抗体産生細胞を播種する際の衝撃が少なく、細胞生存率をより高く保つことができることから、縦断面の形状がU字型である底面であってもよい。
また、本実施形態の製造方法は、標識工程の前に、免疫工程、細胞融合工程、及び増殖工程等を備えていてもよい。また、播種工程の後に、培養工程、評価工程等を備えていてもよい。
[免疫工程]
免疫工程とは、目的抗原タンパク質を非ヒト動物に免疫する工程である。
目的抗原タンパク質を免疫する非ヒト動物としては、上述の「抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
免疫抗原タンパク質としては、上述の「抗体産生細胞のスクリーニング用キット」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
免疫感作方法は、例えば、マウスを免疫する場合、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、皮膚内等へ抗原タンパク質を注射することにより行なう。接種間隔、接種量等は、接種方法により異なるが、例えば、マウスの腹腔内に抗原タンパク質を接種し免疫する場合、抗原タンパク質を1回免疫した後、2週間後に再度免疫し、合計2回間程度免疫を行えばよい。さらに、最後の免疫から、例えば3日後程度で、免疫感作された動物から、脾臓細胞、リンパ節細胞(例えば、B細胞等)、末梢血白血球等の抗体産生細胞を取り出せばよい。
[細胞融合工程]
細胞融合工程は、ハイブリドーマを用いる場合に必要となる工程である。具体的には、抗体産生細胞とミエローマ細胞とを細胞融合してハイブリドーマを得る工程である。
細胞融合に用いられる抗体産生細胞としては、上述の「抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
細胞融合に用いられるミエローマ細胞としては、再生経路(サルベージ経路)で必要なヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(HGPRT)欠損株が好ましく用いられる。また、ミエローマ細胞は、Igα遺伝子等が導入されていないものであることが好ましい。すなわち、得られるハイブリドーマにおいて、膜型免疫グロブリンの発現が増強されず、抗体産生細胞由来の膜型免疫グロブリンが細胞膜上に自然に発現していることが好ましい。また、ミエローマ細胞としては、公知の細胞株を使用することができる。公知の細胞株としては、例えば、BALB/cマウス由来のHGPRT欠損細胞株であるP3X63−Ag.8株(ATCC TIB9)、P3X63−Ag.8.U1株(JCRB9085)、P3/NSI/1−Ag4−1株(JCRB0009)、P3x63Ag8.653株(JCRB0028)、Sp2/0−Ag14株(JCRB0029)等が挙げられる。
ミエローマ細胞は、細胞融合前の準備操作として、通常用いられるイーグル最小基本培地(MEM)、ダルベッコ改良MEM、PRMI1640等の基本培地に、10%CS(子ウシ血清)、10%FCS(ウシ胎児血清)等を添加した培地で、予め培養されたものを用いればよい。
抗体産生細胞及びミエローマ細胞は、それらが融合可能であれば、異なる動物種起源のものでもよいが、同一の動物種起源のものであることが好ましい。
また、細胞融合の方法としては、例えば、公知のケーラーおよびミルスタインの方法(例えば、Kohler & Milstein, Nature, 256:495,1975. 参照)等が挙げられる。細胞融合の方法として具体的には、例えば、血清を含まないDMEM、RPMI−1640培地等の動物細胞培養用培地中で、抗体産生細胞とミエローマ細胞とを1:1〜 20:1の割合で混合し、融合反応を行えばよい。また、細胞融合促進剤として、約10〜80%の濃度であり、平均分子量1500〜4000ダルトンのポリエチレングリコール、又は、仙台ウイルス等を使用することができる。また、融合効率を高めるために、更に、ジメチルスルホキシド等の補助剤を併用してもよい。さらに、電気刺激(例えば、エレクトロポレーション)を利用した市販の細胞融合装置を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることもできる。
[増殖工程]
増殖工程は、標識工程前の抗体産生細胞(ハイブリドーマを含む)を増殖させる工程である。ハイブリドーマである場合、HAT選択培地で培養することにより、抗体産生細胞と融合したハイブリドーマだけを増殖させることができる。また、ハイブリドーマ以外の抗体産生細胞である場合は、通常細胞培養に用いられる培地を用いて、培養することができる。
HAT選択培地は、ヒポキサンチン(hypoxantin)、アミノプテリン(aminopterin)、チミジン(thymidin)を含む培地である。DNA合成の材料となるヌクレオチドを作るために、細胞内には新生経路(de novo pathway)と、再生経路(サルベージ経路)とが存在する。アミノプテリンは新生経路を阻害するため、これが培地に含まれていると、細胞は再生経路だけによってヌクレオチドを供給しなければならない。よって、サルベージ経路に欠損をもつ細胞は、増殖できず死滅する。この現象を利用して、サルベージ経路が欠損したミエローマ細胞のみ、又はミエローマ同士が細胞融合したハイブリドーマでは増殖できず死滅する。また、抗体産生細胞のみ、又は抗体産生細胞同士が細胞融合したハイブリドーマでは、増殖することができるが不死化されていないため、一定期間の培養の後、死滅する。一方、ミエローマ細胞と抗体産生細胞とが細胞融合したハイブリドーマは、不死化されているため制限なく増殖しつづけることができ、サルベージ経路によりヌクレオチドを作ることができる。そのため、HAT選択培地で培養することで、ミエローマ細胞と抗体産生細胞とが細胞融合したハイブリドーマのみを選択的に増殖させることができる。
前記HAT培地は、例えばインターロイキンー6(IL−6)等の細胞増殖因子を含んでいてもよい。
増殖期間は、例えば3日以上10日以下であればよく、例えば5日程度であればよい。
増殖環境としては、抗体産生細胞(ハイブリドーマを含む)を増殖させるための公知の環境下であればよい。具体的には、温度は、例えば20℃以上40℃以下であればよく、例えば約5%のCO条件下であってもよい。
[培養工程]
培養工程は、播種工程後の陽性と評価された抗体産生細胞(ハイブリドーマを含む)を、HAT選択培地等を用いて培養することで、モノクローナル抗体を産生させる工程である。培養環境としては、抗体産生細胞(ハイブリドーマを含む)を増殖させるための公知の環境下であればよい。具体的には、温度は、例えば20℃以上40℃以下であればよく、例えば約5%のCO条件下であってもよい。
モノクローナル抗体は、培養液中に含まれ、培養液をそのまま用いてもよく、必要に応じて精製しても用いてもよい。
[評価工程]
評価工程は、培養工程後に得られたモノクローナル抗体は、その抗原特異性を、公知の評価方法を用いて、評価する工程である。
前記評価方法としては、例えば、ELISA(Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay)法、CLEIA(Chemiluminescent Enzyme Immuno Assay)法(化学発光酵素免疫測定法)、ウエスタンブロッティング法、免疫沈降法、免疫染色法、フローサイトメトリー等が挙げられる。
上記のいずれの方法においても、得られたモノクローナル抗体と、抗原又は該抗原が固定化された担体と、による抗体抗原反応を行い、標識された2次抗体等を用いて検出することで、モノクローナル抗体の抗原特異性を評価することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[製造例1]融合タンパク質1の製造
1.ベクター1の構築
まず、蛍光タンパク質及び抗原タンパク質の融合タンパク質を発現するベクターを作製した。
具体的には、pCold IIベクター(タカラバイオ社製)のマルチクローニングサイトの上流に、EGFPをコードする核酸(配列番号1)を挿入したカセットベクター(以下、「カセットベクター」と称する場合がある)を作製した。次いで、カセットベクターのマルチクローニングサイトに、抗原タンパク質としてα−Tubulinの部分タンパク質をコードする核酸(配列番号2)を挿入して、蛍光タンパク質及び抗原タンパク質の融合タンパク質(以下、「融合タンパク質1」と称する場合がある)をコードする核酸が挿入されたベクター(以下、「ベクター1」と称する場合がある)を構築した。なお、α−Tubulinの部分タンパク質は、アミノ酸配列のうちN末端から165番目から451番目までのアミノ酸配列からなる部分タンパク質(配列番号3)である。
2.融合タンパク質1の発現
次いで、「1.」で得られたカセットベクター及びベクター1をそれぞれ大腸菌に形質転換した。次いで、タンクローンを取得後、液体培養した。次いで、吸光度(OD)が0.4〜0.6になった時点で、0.1〜1mMのイソプロピル−β−チオガラクトピラノシド(Isopropyl β−D−1−thiogalactopyranoside;IPTG)を加え、15℃で一晩培養してタンパク質発現を誘導した。次いで、大腸菌を回収し、PBSで懸濁した。次いで、懸濁液に超音波をかけて、大腸菌を超音波破砕した。次いで、菌体破砕液を遠心分離(条件:4℃、20分間、8000rpm)し、上清の可溶画分(蛍光タンパク質又は融合タンパク質1を含む)を回収した。
3.融合タンパク質1の精製
次いで、回収した蛍光タンパク質又は融合タンパク質1を含む可溶画分には、大腸菌由来のリポ多糖(Lipopolysaccharide;LPS)等のエンドトキシンも含まれる。そのため、それらエンドトキシンを除去するために、蛍光タンパク質又は融合タンパク質1を含む可溶画分をそれぞれ硫安沈殿法により精製した。具体的には、まず、タンパク質濃度が1.0mg/mLとなるように回収液をPBSで希釈した。次いで、希釈液に対して、飽和度が0、10、20、30、40、50、60、70、80又は90%となるまで硫酸アンモニウム溶液を添加し、4℃で1時間撹拌した。次いで、遠心分離(条件:4℃、20分間、12000rpm)して上清を除去した。次いで、沈殿物に対して、等量及び等濃度の硫酸アンモニウム溶液を添加して、撹拌及び遠心分離する操作を2回繰り返して、沈殿物を洗浄した。次いで、沈殿をPBSで懸濁した。また、対照として硫安沈殿法を行わない融合タンパク質1(以下、「硫安なし融合タンパク質1」と称する場合がある)も準備した。
得られた各飽和濃度の硫酸アンモニウムを用いて精製した蛍光タンパク質又は融合タンパク質1を含む懸濁液を電気泳動し、クマシーブリリアントブルー(CBB)染色した結果を図3に示す。
図3から、融合タンパク質1(EGFP+α−Tubulin部分タンパク質)については、飽和度が50%程度の硫酸アンモニウムを用いることで、高効率で精製することができた。また、蛍光タンパク質(EGFP)については、飽和度が70%程度の硫酸アンモニウムを用いることで、高効率で精製することができた。
次いで、硫酸アンモニウム等の低分子量の夾雑物を除去するために、蛍光タンパク質又は融合タンパク質1を含む懸濁液を、それぞれゲル濾過カラムを用いて、精製した。具体的には、蛍光タンパク質又は融合タンパク質1を含む懸濁液をそれぞれG75ゲル濾過カラム又はG50ゲル濾過カラム(いずれも、GEヘルスケア バイオサイエンス社製)にアプライし、蛍光発色している画分を回収した。次いで、得られた画分を0.22μmのフィルターに通して滅菌して、蛍光タンパク質又は融合タンパク質1を得た。
[製造例2]融合タンパク質2の製造
1.ベクター2の構築
まず、蛍光タンパク質及び抗原ペプチドの融合タンパク質を発現するベクターを作製した。
具体的には、α−Tubulinの部分タンパク質をコードする核酸の代わりに、抗原ペプチドとしてα−Tubulinの短鎖ペプチドをコードする核酸(配列番号4)をカセットベクターのマルチクローニングサイトに挿入して、蛍光タンパク質及び抗原ペプチドの融合タンパク質(以下、「融合タンパク質2」と称する場合がある)をコードする核酸が挿入されたベクター(以下、「ベクター2」と称する場合がある)を準備した。挿入したα−Tubulinの短鎖ペプチドは、アミノ酸配列のうちN末端から427番目から441番目までのアミノ酸配列のN末端に、ペプチドカップリング用のシステインを付加したアミノ酸配列からなるペプチド(配列番号5:CALEKDYEEVGVDSVE)である。
2.融合タンパク質2の発現
次いで、カセットベクター及びベクター1の代わりに、「1.」で得られたベクター2を用いた以外は、製造例1の「2.」と同様の方法を用いて、融合タンパク質2を発現させて、融合タンパク質2を含む可溶画分を得た。
3.融合タンパク質2の精製
融合タンパク質1を含む可溶画分の代わりに、融合タンパク質2を含む可溶画分を用いた以外は、製造例1の「3.」と同様の方法を用いて、精製した融合タンパク質2を得た。
[実施例1]
1. 免疫抗原の作製
(1)ベクターの構築
まず、マウスへの免疫抗原タンパク質を発現するためのベクターを作製した。
具体的には、pCold IIベクター(タカラバイオ社製)のマルチクローニングサイトに、抗原タンパク質としてα−Tubulinの部分タンパク質をコードする核酸(配列番号2)を挿入して、抗原タンパク質発現用のベクターを構築した。
(2)免疫抗原の発現
次いで、製造例1も「2.」〜「3.」と同様の方法を用いて、免疫抗原タンパク質を得た。
2.抗体産生細胞のスクリーニング
(1)マウスの免疫
まず、BALB/cAマウスの腹腔足底部から抗原、キャリアタンパク質、及び自家調製アジュバンドの混合液を注入し、6日後にもう一度、抗原液とPBSとの混合液(抗原液:PBS=1:1)を免疫し、計2回免疫した。抗原については、「1.」で得られた免疫抗原タンパク質を免疫した。
(2)脾臓細胞の回収
次いで、最後の免疫から3日後(最初の免疫から9日後)に、マウスの脾臓を摘出し、脾臓細胞を回収した。
(3)細胞融合及びハイブリドーマの増殖
次いで、脾臓細胞とマウスミエローマ細胞(SP2/0−Ag14)(理研BRC RCB0209、ATCC CRL−1581)とを細胞融合装置(Nepagene社製、ECFG21)を用いた電気融合法で細胞融合させて、ハイブリドーマを得た。次いで、得られたハイブリドーマをHAT選択培地(10%ウシ新生仔血清(newborn calf serum;NCS)、1ng/mLのインターロイキン6(IL−6)及びHAT含有RPMI1640)を用いて、5%CO、37℃の条件で、5日間培養した。
(4)ハイブリドーマの標識
次いで、培養したハイブリドーマを回収し、培養液で希釈した20mLの13%OtiPrepで懸濁した。次いで、懸濁液の上層に培養液を重層して、遠心分離(条件:25℃、20分間、2000rpm)した。次いで、中間層から生存しているハイブリドーマを回収し、2.5×10細胞/ウェルとなるように、ハイブリドーマを24ウェルプレートに播種した。次いで、製造例1で得られた融合タンパク質1(硫安あり)を、1ウェルあたり0.5nmolとなるように添加し、5%CO、37℃の条件で、2時間インキュベートした。これにより、ハイブリドーマを蛍光標識した。また、対照として、PBS、0.5nmol/ウェルの蛍光タンパク質、又は、0.5nmol/ウェルの硫安なし融合タンパク質1を添加し、インキュベーションした細胞も準備した。
(5)フローサイトメーターによるスクリーニング及びクローニング
次いで、蛍光標識したハイブリドーマをPBSで3回洗浄した、次いで、洗浄後のハイブリドーマを500μLの2%NCS含有RPMI1640に懸濁した。次いで、3μLの7−AAD Viability Dye(Beckman Coulter社製、A07704)を添加し、死細胞と生細胞とを染め分けた。
次いで、染色した細胞を高速フローサイトメーター(ベクトン・ディッキンソン社製、MoFlow Astrios)に導入し、スクリーニングを行った。分画条件は488nmレーザーを使って512nm及び644nmの光学フィルターでシグナルを検出し、60μmノズルで細胞を噴出して解析した。解析結果を図4A及び図4Bに示す。なお、図4Aにおいて、「GFP」とは蛍光タンパク質(EGFP)を添加したハイブリドーマでの結果を示し、「GT」とは融合タンパク質1(EGFP+α−Tubulin部分タンパク質)を添加したハイブリドーマでの結果を示す。また、図4Bにおいて、「GFP recombinant protein」とは、蛍光タンパク質(EGFP)を添加したハイブリドーマの蛍光顕微鏡像を示す。「GFP−Tubulin」とは、融合タンパク質1(EGFP+α−Tubulin部分タンパク質)を添加したハイブリドーマの蛍光顕微鏡像(Carle Zeiss社製蛍光顕微鏡使用、倍率:400倍)を示す。
また、融合タンパク質1(硫安あり)、PBS又は硫安なし融合タンパク質1を添加した細胞での死細胞の割合を以下の表4に示す。
表4から、硫安沈殿法により精製することで、精製されたタンパク質中に含まれる大腸菌由来のエンドトキシンが除去され、ハイブリドーマへの毒性が低減されることが明らかとなった。
また、図4A及び図4Bから、蛍光タンパク質を添加したハイブリドーマと比較して、融合タンパク質1を添加したハイブリドーマでは、強い蛍光が検出されており、その蛍光強度は約14倍であった。
なお、無染色の細胞の5倍以上の蛍光強度を持つ細胞を、200μLのHAT選択培地を入れた96ウェルマイクロプレートに1細胞ずつ陽性細胞をソーティングした。次いで、ソーティングした細胞を、5%CO、37℃の条件で、10日間培養した。生じた細胞コロニーを、目的抗体を産生する単クローン化したハイブリドーマとした。次いで、この陽性であるハイブリドーマの培養上清液に含まれる抗体を用いて、後述の試験例1において、ELISAやウエスタンブロッティング等による評価を行った。
[比較例1]
1.免疫抗原の作製
マウスへの免疫抗原として、免疫抗原ペプチドを準備した。具体的には、α−Tubulinの短鎖ペプチド(配列番号5)を化学合成し、α−Tubulinの短鎖ペプチドにマレイミド法でキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)がカップリングした免疫抗原ペプチドを作製した。
2.抗体産生細胞のスクリーニング
(1)マウスの免疫
免疫抗原タンパク質(α−Tubulinの部分タンパク質)の代わりに、「1.」で得られた免疫抗原ペプチド(α−Tubulinの短鎖ペプチド)を用いた以外は、実施例1の「2.」の(1)と同様の方法を用いて、マウスに免疫した。
(2)脾臓細胞の回収
次いで、実施例1の「2.」の(2)と同様の方法を用いて、脾臓細胞を回収した。
(3)細胞融合及びハイブリドーマの増殖
次いで、実施例1の「2.」の(3)と同様の方法を用いて、ハイブリドーマを作製し培養した。
(4)ハイブリドーマの標識
次いで、製造例1で得られた融合タンパク質1の代わりに、製造例2で得られた融合タンパク質2を用いた以外は、実施例1の「2.」の(4)と同様の方法を用いて、ハイブリドーマを蛍光標識した。
(5)フローサイトメーターによるスクリーニング及びクローニング
次いで、実施例1の「2.」の(5)と同様の方法を用いて、ハイブリドーマをスクリーニング及びクローニングした。次いで、陽性であるハイブリドーマの培養上清液に含まれる抗体を用いて、後述の試験例1において、ELISAやウエスタンブロッティング等による評価を行った。
[比較例2]
従来のELISAによるハイブリドーマのスクリーニング及び限界希釈法による単一クローンニングにより、モノクローナル抗体を製造した。詳細は、以下に示すとおりである。
1.モノクローナル抗体の製造
(1)マウスの免疫
比較例1の「2.」の(1)と同様の方法を用いて、マウスに免疫抗原ペプチド(α−Tubulinの短鎖ペプチド)を抗原として免疫した。
(2)脾臓細胞の回収
次いで、最初の免疫から17日後に、実施例1の「2.」の(2)と同様の方法を用いて、脾臓細胞を回収した。
(3)細胞融合及びハイブリドーマの増殖
次いで、実施例1の「2.」の(3)と同様の方法を用いて、細胞融合を行い、ハイブリドーマを96ウェルプレートに播種し、HAT選択培地を用いて12日間培養した。
(4)ELISAによるスクリーニング
次いで、ハイブリドーマの培養液中に分泌された抗体を用いて、ELISAを行った。具体的には、まず、α−Tubulinの短鎖ペプチドが固定化されたプレートにハイブリドーマの培養上清を添加し、60分インキュベートした。次いで、HRP結合抗マウス抗体(MBL社製)を含む溶液(1万倍希釈)を滴下し、60分インキュベートした。次いで、Powerscan HT(DS−Pharma Biomedical製)を用いて検出し、陽性であったハイブリドーマを選択した。
(5)限界希釈法によるクローニング
次いで、ELISAにより陽性であったハイブリドーマを限界希釈法で一つのウェルに理論上1細胞しか入らないように希釈し、96ウェルプレートに播種し、12日間培養した。各陽性細胞から得られた抗体を用いて、後述の試験例1において、ELISAやウエスタンブロッティング等による評価を行った。
[試験例1]
1.モノクローナル抗体の評価
(1)ELISA(Enzyme−Linked ImmunoSorbent Assay)による評価
実施例1、比較例1及び比較例2の各陽性細胞から得られた抗体について、固相に各抗原が固定化されたプレートを用いて、ELISAを行った。まず、α−Tubulinの短鎖ペプチドが固定化されたプレートに各抗体を含む溶液(各陽性細胞の培養上清)を添加し、60分インキュベートした。次いで、HRP結合抗マウス抗体(MBL社製)を含む溶液(1万倍希釈)を滴下し、60分インキュベートした。次いで、Powerscan HT(DS−Pharma Biomedical製)を用いて、検出した。ELISAにおいても陽性であったサンプルの数を計測し、陽性率({(陽性サンプル数/全サンプル数)×100})を算出した。結果を表5に示す。
(2)ウエスタンブロッティングによる評価
実施例1、比較例1及び比較例2の各陽性細胞から得られた抗体について、各抗原(α−Tubulinの部分タンパク質又は短鎖ペプチド)を電気泳動し、転写したメンブレンを用いて、ウエスタンブロッティングを行った。まず、各抗原がブロットされているメンブレンを、スキムミルク溶液を用いて、ブロッキングした。次いで、各抗体を含む溶液(各陽性細胞の培養上清を2倍希釈したもの)を添加し、120分インキュベートした。次いで、HRP結合抗マウス抗体(MBL社製)を含む溶液(5万倍希釈)を滴下し、60分インキュベートした。次いで、LAS−4000 mini(富士フィルム社製)を用いて、検出した。検出結果を図5に示す。また、図5から、ウエスタンブロッティングにおいても陽性であったサンプルの数を計測し、陽性率({(陽性サンプル数/全サンプル数)×100})を算出した。また、交差反応性を示さなかったサンプルの数を計測し、全サンプル数に対する交差反応性を示さなかったサンプルの割合(%)を算出した。結果を表5に示す。表5において、「WB」がウエスタンブロッディングによる評価結果である。
実施例1で得られた陽性細胞は、比較例1及び比較例2で得られた陽性細胞と比較して、ELISA及びウエスタンブロッティングでの陽性率が大幅に向上していた。中でも、交差反応性のない抗体、すなわち、抗原を特異的に認識する抗体の割合について、比較例2での割合に対して、実施例1での割合は、約150倍であった。
また、実施例1で得られた陽性細胞が産出する抗体について、配列認識度(ELISAでの蛍光強度)を縦軸に、構造認識度(フローサイトメーターでの蛍光強度)を横軸にプロットしたグラフを図6に示す。図6において、「配列認識」とはELISAでの蛍光強度を示し、「構造認識度」とはフローサイトメーターでの蛍光強度を示す。
図6から、多くの抗体では、構造認識と配列認識とに相関がみられ、構造認識及び配列認識を同程度認識していた。一方、図6の右下において、配列よりも構造を優位に認識する抗体が存在した。この抗体では、ELISAでは抗原と反応せず陽性を示さなかったが、ウエスタンブロッティングでは抗原と反応し、陽性を示した。なお、構造を認識する抗体は、生体内の生理活性を保ったタンパク質と結合することができる。
以上のことから、実施例1の方法により、構造を認識する抗体を高効率で得られることが明らかとなった。
[実施例2]
1.抗体産生細胞のスクリーニング
(1)マウスの免疫
実施例1の「2.」の(1)と同様の方法を用いて、マウスに免疫した。
(2)脾臓細胞の回収
次いで、実施例1の「2.」の(2)と同様の方法を用いて、脾臓細胞を回収した。
(3)脾臓細胞の標識
次いで、ハイブリドーマの代わりに、(2)で得られた脾臓細胞を用いた以外は、実施例1の「2.」の(4)と同様の方法を用いて、脾臓細胞を蛍光標識した。
(4)フローサイトメーターによるスクリーニング及びクローニング
次いで、実施例1の「2.」の(5)と同様の方法を用いて、脾臓細胞をスクリーニングした。フローサイトメーターによる解析結果を図7に示す。図7において、「GFP」とは蛍光タンパク質(EGFP)を添加した脾臓細胞での結果を示し、「GT」とは融合タンパク質1(EGFP+α−Tubulin部分タンパク質)を添加した脾臓細胞での結果を示す。
図7から、脾臓細胞についても、ハイブリドーマを用いた場合と同様に、構造認識抗体を産生する陽性細胞を蛍光標識し、スクリーニングできることが確かめられた。
本実施形態の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ、抗体産生細胞のスクリーニング用キット及び抗体産生細胞のスクリーニング方法によれば、構造認識抗体を産生する細胞を高効率で得られる。また、本実施形態のモノクローナル抗体の製造方法によれば、構造認識抗体を高効率で得られる。また、得られたモノクローナル抗体は、抗体医薬、検査及び診断薬等に好適に用いられる。
1…抗原タンパク質、2…蛍光物質、3…膜型免疫グロブリン、4…抗体産生細胞、4a…目的抗体産生細胞、4b…その他の抗体産生細胞、5…第1の検出器、6…第2の検出器、7…励起光源、8…ソーター、8a…噴射物質、9a,9b…培養容器、10…抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ、11…標識部、12…フローサイトメーター、13…細胞播種部。

Claims (10)

  1. 抗原タンパク質と、前記抗原タンパク質のN末端又はC末端に結合している蛍光物質と、を含み、
    フローサイトメトリーによる選抜に用いられることを特徴とする抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ。
  2. 前記蛍光物質が蛍光タンパク質である請求項1に記載の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ。
  3. 前記抗原タンパク質が、硫安沈殿物である請求項1又は2に記載の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブ。
  4. 抗原タンパク質をコードする第1の核酸を挿入するためのクローニングサイトと、
    前記クローニングサイトの上流又は下流に連結された蛍光タンパク質をコードする第2の核酸と、を含む第1のベクターを備え、
    前記第1のベクターは、前記抗原タンパク質と、前記抗原タンパク質のN末端又はC末端に結合している前記蛍光タンパク質と、を含む融合タンパク質を発現させるためのベクターであり、
    フローサイトメトリーによる選抜に用いられることを特徴とする抗体産生細胞のスクリーニング用キット。
  5. 更に、抗原タンパク質をコードする第3の核酸を挿入するためのクローニングサイトを含む第2のベクターを備え、
    前記第2のベクターは、非ヒト動物免疫用の抗原タンパク質を発現させるためのベクターである請求項4に記載の抗体産生細胞のスクリーニング用キット。
  6. 更に、硫酸アンモニウムを備え、
    前記硫酸アンモニウムは、前記融合タンパク質を硫安沈殿法により精製するためのものである請求項4又は5に記載の抗体産生細胞のスクリーニング用キット。
  7. 抗体産生細胞と請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブとを接触させる標識工程と、
    前記標識工程の後に、前記抗体産生細胞をフローサイトメトリーにより選抜する選抜工程と、を備えることを特徴とする抗体産生細胞のスクリーニング方法。
  8. 前記標識工程において、異なる抗原タンパク質に対する抗体を産生する2種類以上の前記抗体産生細胞と、互いに異なる前記蛍光物質が結合している2種類以上の前記抗原タンパク質を含む前記抗体産生細胞のスクリーニング用検出プローブとを接触させる請求項7に記載の抗体産生細胞のスクリーニング方法。
  9. 請求項7又は8に記載の抗体産生細胞のスクリーニング方法を用いて得られた抗体産生細胞を1細胞ずつ播種する播種工程を備えることを特徴とするモノクローナル抗体の製造方法。
  10. モノクローナル抗体のアイソタイプがIgGである請求項11に記載のモノクローナル抗体の製造方法。
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