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JP2019048494A - 車両の空調装置 - Google Patents

車両の空調装置 Download PDF

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JP2019048494A
JP2019048494A JP2017172637A JP2017172637A JP2019048494A JP 2019048494 A JP2019048494 A JP 2019048494A JP 2017172637 A JP2017172637 A JP 2017172637A JP 2017172637 A JP2017172637 A JP 2017172637A JP 2019048494 A JP2019048494 A JP 2019048494A
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敦司 小泉
Atsushi Koizumi
敦司 小泉
洋直 岩瀬
Hironao Iwase
洋直 岩瀬
多香子 水野
Takako Mizuno
多香子 水野
尚幸 小川
Naoyuki Ogawa
尚幸 小川
芳規 田村
Yoshiki Tamura
芳規 田村
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Abstract

【課題】シートに着座した乗員の下肢の快適性を改善する空調装置を提供する。【解決手段】車両の車室においてシート5に着座した乗員の近くで空調を行う空調装置は、車室においてダッシュボードからシート5に着座した乗員へ向けて突出して設けられるステアリングコラム7内に又はステアリングコラム7に沿って設けられる連通路34と、連通路34の後端に形成され、シート5に着座した乗員の下肢の上側において車内に向けて開口する後上開口部32と、連通路34の前端に形成され、ダッシュボード又はその下側において車内に向けて開口する前下開口部33と、連通路34の内部で空気を流す強制送風装置35と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、たとえば自動車といった車両の車室において、シートに着座した乗員の近くで空調を行う空調装置に関する。
自動車といった車両では、運転手を含む乗員が乗車する車室内を暖房または冷却するために車室空調装置が用いられている。
また、直射日光にさらされる自動車においては、車室内を暖房または冷却するために、その空間と比べて性能が高い車室空調装置が使用されることが一般的である。
その結果、車室空調装置のコンプレッサなどを動作させるために大量の電力などを使用する必要がある。
このことは、電気を動力として用いる自動車においては燃費性能に直接的に影響することになる。(特許文献1、2)
特開昭57−205212号公報 特開昭58−022709号公報
しかしながら、このように高性能な車室空調装置を用いたとしても、その吹出口はダッシュボードの裏側や上部に設けられる。
特許文献1、2においてもステアリングコラムの上側に車室空調装置の吹出口を追加しているだけである。
この場合、シートに着座した乗員の上体に対しては上側の吹出口から直接的に空気流を吹き付けることが可能であるが、乗員の下肢に対して空気流を直接的に吹き付けることは難しい。
車室空調装置は、乗員の下肢に対しては、車室の温度を調整することによってはじめて間接的に調温等ができるだけである。
このように、車両では、シートに着座した乗員の下肢の快適性を改善することが求められている。
本発明に係る車両の空調装置は、車両の車室においてシートに着座した乗員の近くで空調を行う空調装置であって、前記車室においてダッシュボードから前記シートに着座した乗員へ向けて突出して設けられるステアリングコラム内に又は前記ステアリングコラムに沿って設けられる連通路と、前記連通路の後端に形成され、前記シートに着座した乗員の下肢の上側において前記車室内に向けて開口する後上開口部と、前記連通路の前端に形成され、前記ダッシュボード又はその下側において前記車室内に向けて開口する前下開口部と、前記連通路内で空気を流す強制送風装置と、を有する。
好適には、前記後上開口部は、前記ステアリングコラムの下側において、前記シートに着座した乗員の膝または腿の直上に位置する、とよい。
好適には、前記後上開口部より上側において前記車室を上下に仕切る仕切り部材を、有する、とよい。
好適には、前記仕切り部材は、前記後上開口部より後方へ延在する、とよい。
好適には、前記後上開口部は、前記シートの中央に対して左右に分かれるように右側分岐開口部と左側分岐開口部とに分岐して設けられる、とよい。
好適には、前記仕切り部材および前記連通路は、可動式の前記ステアリングコラムと一体的に設けられる、とよい。
好適には、前記連通路には加温装置が設けられ、または前記前下開口部の近くには車室空調装置の温風の吹出口が設けられ、前記強制送風装置は、前記前下開口部から吸気して前記後上開口部から排気するように前記連通路内で空気を流す、とよい。
好適には、前記連通路には冷温装置が設けられ、または前記前下開口部の近くには車室空調装置の冷風の吹出口が設けられ、前記強制送風装置は、前記前下開口部から吸気して前記後上開口部から排気するように前記連通路内で空気を流す、とよい。
好適には、前記前下開口部の近くには車室空調装置の冷風の吹出口が設けられ、前記連通路には、前記後上開口部と前記前下開口部との間に、中間開口部が設けられ、前記強制送風装置は、前記車室空調装置による前記前下開口部の近くの吹出口からの冷風の吹き出しが終了すると、前記後上開口部から吸気して前記中間開口部から排気するように、前記連通路内での空気の流れを切り替える、とよい。
好適には、前記連通路には加温装置および冷温装置が設けられ、前記強制送風装置、前記加温装置および前記冷温装置の動作を制御する制御部を有し、前記制御部は、前記車室の温度若しくは湿度、前記車室への日射量、動作時間、および車室空調装置の動作状態に応じて、前記強制送風装置、前記加温装置および前記冷温装置の動作を制御する、とよい。
本発明では、両端が車室内に向けて開口する連通路が、ダッシュボードからシートに着座した乗員へ向けて突出して設けられるステアリングコラム内に又はそれに沿って設けられる。
また、連通路の後端の後上開口部は、シートに着座した乗員の下肢の上側において開口し、連通路の前端の前下開口部は、ダッシュボード又はその下側において開口する。
そして、強制送風装置が、連通路内で空気を流す。
よって、車両の空調装置は、たとえばダッシュボード又はその下側から車室内の空気を吸気して、連通路を通じてシートに着座した乗員の下肢より上側から車室内へ排気したり、シートに着座した乗員の下肢より上側から車室内の空気を吸気して、連通路を通じてダッシュボード又はその下側から車室内へ排気したりできる。
その結果、車室内の空気をシートに着座した乗員の下肢の周囲において循環させることができ、下肢の快適性を改善できる。車室全体の温度を極端に調整しなくとも、下肢にまとわりつく空気流により下肢の快適性を改善することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車の模式的な説明図である。 図2は、図1の車室空調装置の要部構成の説明図である。 図3は、第1実施形態に係る空調装置の要部構成の説明図である。 図4は、第1実施形態に係る連通路および仕切り部材の変形例の説明図である。 図5は、第2実施形態に係る連通路および仕切り部材の変形例の説明図である。 図6は、第3実施形態に係る空調装置の要部構成の説明図である。 図7は、制御部による連通路の流路切替制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1の模式的な説明図である。
図1の自動車1の車体は、乗員が乗車する車室2と、その前後に配置される前室3および後室4と、を有する。車室2には、乗車した乗員が着座するシート5が前後二列で設けられる。また、前右のシート5の前には、ダッシュボード6から後向きにシート5に着座した乗員へ向けて突出させて、ステアリングコラム7が設けられる。ステアリングコラム7には、シート5に着座した乗員により操作されるステアリング8が配置される。
図2は、図1の車室空調装置10の要部構成の説明図である。
図2の車室空調装置10は、温度センサ11、日射センサ12、湿度センサ13、車室空調制御部14、ブロアファン15、コンプレッサ16、エバボレータ17、ヒータ18、空調ダクト19、を有する。
温度センサ11は、車室2の温度を検出する。
日射センサ12は、ウィンドウガラスを通じて車室2へ照射される日射量を検出する。
湿度センサ13は、車室2の温度を検出する。
コンプレッサ16は、エバボレータ17および図示外のコンデンサと連結され、これらの間で冷媒を循環させる。
ブロアファン15、エバボレータ17、ヒータ18は、車室2に通じる空調ダクト19に配置される。空調ダクト19は、たとえば車室2外から吸気し、図1に示すようにダッシュボード6の上部の吹出口20およびダッシュボード6の下側の吹出口20から車内へ空気を排気する。
ブロアファン15は、空調ダクト19内に空気流を生成する。
エバボレータ17は、冷媒により冷却され、空調ダクト19を通過する空気を冷却する。
ヒータ18は、空調ダクト19を通過する空気を加熱する。
車室空調制御部14には、温度センサ11、日射センサ12、湿度センサ13、ブロアファン15、コンプレッサ16、ヒータ18、が接続される。
車室空調制御部14は、温度センサ11、日射センサ12および湿度センサ13により検出された値と制御目標値との関係に応じて、ブロアファン15、コンプレッサ16およびヒータ18の動作を制御する。
これにより、車室空調装置10は、空調ダクト19の吹出口20から車室2へ、加熱または冷却された空気流を吹き出すことができる。そして、たとえば車室2の検出温度が目標温度になるように、車室2の全体の温度を制御する。
ところで、このような車室空調装置10が設けられることにより、車室2の温度は適切に調整され得る。
しかしながら、車室空調装置10の吹出口20は、一般的にダッシュボード6の上部やダッシュボード6の下側に設けられる。
特に、運転する乗員の前にはステアリング8が設けられており、吹出口20の位置についての制限が大きく、乗員の前に設けることは物理的に困難である。
このため、シート5に着座した乗員の上体に対しては上側の吹出口20から直接的に空気流を吹き付けることが可能であるが、乗員の下肢に対して空気流を直接的に吹き付けることは難しい。
車室空調装置10は、乗員の下肢に対しては、車室2の温度を調整することによって始めて間接的に調温等ができるだけである。
また、乗員の下肢は、車室2の全体を調温しなければ、加熱または冷却できない。車室2全体の調温には、大きな仕事量が必要となる。
このように、自動車1では、シート5に着座した乗員の下肢を、効率よく短時間で快適にすることができることが求められている。
特に、シート5に着座した乗員の膝および腿部は、窓からの冷気で冷却され易く、窓を通じた直射日光により加熱され易い。
膝および腿部は、乗員のその他の部位よりも相対的に加熱または冷却され易いため、該その他の部分よりも若干冷やしたり、若干暖めたりしたほうが望ましい場合もあると考えられる。
図3は、第1実施形態に係る個別空調装置30の要部構成の説明図である。
図3の個別空調装置30は、仕切り板31、後上開口部32および前下開口部33が両端に形成された連通路34、強制送風装置35、冷温装置36、加温装置37、制御部38、を有する。また、図3には、車室空調装置10の温度センサ11、日射センサ12、湿度センサ13、および車室空調制御部14と、タイマ39と、が図示されている。なお、個別空調装置30は、個別空調装置30とは別に、温度センサ11、日射センサ12、湿度センサ13といった独自のセンサを有してもよい。
連通路34は、ステアリングコラム7の下側に、ステアリングコラム7の下面に沿って延在するように設けられる。なお、連通路34は、ステアリングコラム7の内部において、ステアリングコラム7に沿って延在するように設けられてもよい。
後上開口部32は、連通路34の後端の開口部であり、シート5に着座した乗員の膝または腿の直上に位置する。
前下開口部33は、連通路34の前端の開口部であり、ダッシュボード6の下側に位置する。前下開口部33の前下の近くには、空調ダクト19の吹出口20が位置する。
このように、連通路34の両端の開口部は共に、車内に向けて開口する。個別空調装置30は、車内で空気を循環するように流すことになる。
仕切り板31は、連通路34より上側において、ステアリングコラム7の下部に取り付けられる。仕切り板31は、ステアリングコラム7より左右へ広がって、前後方向に沿って延在する。仕切り板31は、後上開口部32より後方へ延在し、シート5に着座した乗員の腿部とステアリング8との間を仕切る。これにより、仕切り板31は、車室2を上下に仕切ることができる。
また、連通路34および仕切り板31は、可動式のステアリングコラム7と一体的に設けられる。よって、シート5に着座した乗員が、ステアリング8が適切な位置となるようにステアリングコラム7の前後位置および高さを調整することにより、仕切り板31は、シート5に着座した乗員の腿部とステアリング8との間を上下に仕切ることができ、後上開口部32は、シート5に着座した乗員の膝または腿の直上に位置することができる。
強制送風装置35は、連通路34の中央部分に設けられる。強制送風装置35のたとえばファンを回転させることにより、連通路34の内部で空気流が生成される。車内の空気は、強制送風装置35のファンの正逆の回転方向に応じて、前下開口部33および後上開口部32の一方から連通路34に吸気され、他方から排気される。
冷温装置36は、連通路34において前下開口部33と強制送風装置35との間に設けられる。冷温装置36は、たとえばペルチェ素子でよい。冷温装置36は、連通路34の内部の空気を冷却する。
加温装置37は、連通路34において加温装置37と強制送風装置35との間に設けられる。加温装置37は、たとえば小型のヒータ18やペルチェ素子でよい。加温装置37は、連通路34の内部の空気を加熱する。
制御部38には、温度センサ11、日射センサ12、湿度センサ13、車室空調制御部14、タイマ39、強制送風装置35、冷温装置36、加温装置37、が接続される。
そして、制御部38は、車室2の温度、湿度、日射量、動作時間、および車室空調装置10の動作状態に応じて、強制送風装置35、加温装置37および冷温装置36の動作を制御する。
次に、制御部38による個別空調装置30の動作例について説明する。
たとえば車室2の温度が低い場合、車室空調装置10は、ダッシュボード6の下側からヒータ18で加熱した空気を室内へ吹き出す。また、制御部38は、強制送風装置35および加温装置37を動作させる。強制送風装置35は、前下開口部33から吸気して後上開口部32から排気するように連通路34の内部で空気を流す。
また、加温装置37は、連通路34の内部の空気を加熱する。これにより、連通路34の後上開口部32から、加熱された空気を排気し、シート5に着座した乗員の膝および腿の上へ直接に供給される。
これにより、車室2の温度が低い状態において、車室2の全体が温まる前にシート5に着座した乗員の膝および腿を暖め、乗員の下肢の快適性を改善できる。
また、後上開口部32から排気された空気流の一部は、仕切り板31の下側を後向きに進み、仕切り板31の後縁から上へ上昇する。これにより、シート5に着座した乗員の上体の前に暖かい空気流を生じさせ、乗員の上体の快適性をも改善できる。
その後、車室2が温まると、車室空調装置10は、車室2への空気の吹き出しを弱めたり、止めたりする。この場合でも、個別空調装置30は加温装置37により空気を暖めることができるので、シート5に着座した乗員の膝および腿を暖め続けることができる。
このように個別空調装置30は、車室2の全体が温まる前から、シート5に着座した乗員の膝および腿を暖め、車室2の全体が温まった後でも、シート5に着座した乗員の膝および腿を暖め続けることができる。
また、窓からの冷気で冷却され易いシート5に着座した乗員の膝および腿部を、乗員のその他の部位よりも相対的に高く暖めることもできる。
また、車室2の温度が高い場合、仕切り部材は、ダッシュボード6の下側からエバボレータ17で冷却した空気を室内へ吹き出す。また、制御部38は、強制送風装置35および冷温装置36を動作させる。強制送風装置35は、前下開口部33から吸気して後上開口部32から排気するように連通路34の内部で空気を流す。
また、冷温装置36は、連通路34の内部の空気を冷却する。これにより、連通路34の後上開口部32から、冷却された空気を排気し、シート5に着座した乗員の膝および腿の上へ直接に供給される。
これにより、車室2の温度が高い状態において、車室2の全体が温まる前にシート5に着座した乗員の膝および腿を冷却し、乗員の下肢の快適性を改善できる。
また、後上開口部32から排気された空気流の一部は、仕切り板31の下側を後向きに進み、仕切り板31の後縁から上へ上昇する。これにより、シート5に着座した乗員の上体の前に冷たい空気流を生じさせ、乗員の上体の快適性をも改善できる。
その後、車室2が冷えると、車室空調装置10は、車室2への空気の吹き出しを弱めたり、止めたりする。この場合でも、個別空調装置30は冷温装置36により空気を冷却することができるので、シート5に着座した乗員の膝および腿を冷却し続けることができる。
このように個別空調装置30は、車室2の全体が冷える前から、シート5に着座した乗員の膝および腿を冷却し、車室2の全体が冷えた後でも、シート5に着座した乗員の膝および腿を冷却し続けることができる。
また、窓を通じた直射日光により加熱され易いシート5に着座した乗員の膝および腿部を、乗員のその他の部位よりも相対的に低く冷却することもできる。
以上のように、本実施形態では、両端が車内に向けて開口する連通路34が、ダッシュボード6からシート5に着座した乗員へ向けて突出して設けられるステアリングコラム7に沿って設けられる。また、連通路34の後端の後上開口部32は、シート5に着座した乗員の下肢の上側において開口し、連通路34の前端の前下開口部33は、ダッシュボード6又はその下側において開口する。そして、強制送風装置35が、連通路34の内部で空気を流す。
よって、個別空調装置30は、たとえばダッシュボード6の下側から車内の空気を吸気して、連通路34を通じてシート5に着座した乗員の下肢より上側から車内へ排気したり、シート5に着座した乗員の下肢より上側から車内の空気を吸気して、連通路34を通じてダッシュボード6又はその下側から車内へ排気したりできる。その結果、車内の空気をシート5に着座した乗員の下肢の周囲にまとわりつかせるように循環させることができ、下肢の快適性を改善できる。車室2の全体の温度を極端に調整しなくとも、下肢にまとわりつかせた空気流により下肢の快適性を改善することができる。
特に、後上開口部32がステアリングコラム7の下側において、シート5に着座した乗員の膝または腿の直上に位置することにより、後上開口部32から排気される空気は、乗員の膝または腿の上へ排気される。下肢の快適性を大きく改善することができる。
また、後上開口部32より上側において車室2を上下に仕切る仕切り板31を設けることにより、車室2を、シート5に着座した乗員の下肢が位置する下側の空間と、乗員の上体が位置する上側の空間とに分けることができる。その結果、連通路34における送風により、シート5に着座した乗員の下肢が位置する下側の空間において、まとわりつく空気の循環を促進できる。ひざ掛けのような効果が得られる。
しかも、仕切り板31を後上開口部32より後方へ延在させることにより、下側の空間における空気の循環を効果的に促進できる。しかも、仕切り板31の後縁から上へ漏れる空気流を、シート5に着座した乗員の上体の近くにおいて漏れ出させることができる。これにより、上体の前においても上体に沿った弱い空気の流れを生成でき、乗員の下肢および上体の全体を空気流で包み込むようにすることが可能になる。車室2全体の温度を極端に調整しなくとも、下肢および上体にまとわりつく空気流により乗員の快適性を全体的に改善することができる。
また、仕切り板31および連通路34が可動式のステアリングコラム7と一体的に設けられる。よって、乗員がステアリングコラム7の位置や角度を調整することにより、仕切り板31および後上開口部32を乗員に対して適切に位置決めすることができる。
また、車室2の温度若しくは湿度、車室2への日射量、動作時間に応じて、制御部38が(車室空調装置10から独立して)強制送風装置35、加温装置37および冷温装置36の動作を制御する。よって、個別空調装置30により、乗員の近くで必要に応じて調温された空気流を流し、それを乗員にまとわりつかせることができる。仮に車内の全体の温度が適切でなくとも、乗員の快適性を改善することができる。
また、連通路34には加温装置37が設けられる。または前下開口部33の近くには車室空調装置10の温風の吹出口20が設けられる。そして、強制送風装置35は、前下開口部33から吸気して後上開口部32から排気するように連通路34の内部で空気を流す。これにより、後上開口部32から暖められた空気を排気することができる。シート5に着座した乗員の下肢、特に膝部から腿部に対して暖められた空気を供給し、優先的に暖めることができる。
特に、前下開口部33の近くには車室空調装置10の温風の吹出口20が設けられる場合には、車室空調装置10の温風の一部が直接的に足先などへ向けて供給されるので、下肢を全体的に暖めることができる。
また、連通路34には冷温装置36が設けられる。または前下開口部33の近くには車室空調装置10の冷風の吹出口20が設けられる。そして、強制送風装置35は、前下開口部33から吸気して後上開口部32から排気するように連通路34の内部で空気を流す。これにより、後上開口部32から冷やされた空気を排気することができる。シート5に着座した乗員の下肢、特に膝部から腿部に対して冷やされた空気を供給し、優先的に冷やすことができる。腿部に対して直射日光が当たる場合でも、腿部がジリジリと暖められてしまう感覚を抑制できる。
上記実施形態では、個別空調装置30は、車室空調装置10とともに車室2に設けられている。この他にもたとえば、車室2には個別空調装置30のみを設けるようにしてもよい。個別空調装置30の単独空調であっても、乗員の周囲の温度を調温しているので、乗員を不快にさせることなく車室2の温度を調整することができる。
上記実施形態では、仕切り板31の後縁は、後上開口部32より後側へ延在している。この他にもたとえば、仕切り板31の後縁は、後上開口部32と面一であってもよい。この場合、後上開口部32から排気される空気の中で、仕切り板31の上へ立ち上る割合が高くなる。
上記実施形態では、連通路34は、仕切り板31の下側において、仕切り板31とは別に設けられている。
図4は、第1実施形態に係る連通路34および仕切り板31の変形例の説明図である。
図4において、連通路34は、厚みのある仕切り板31に形成されている。また、仕切り板31の後縁は、下部より上部がより後側となるように傾斜して形成される。これにより、後上開口部32を、仕切り板31の後縁より前側において開口させることかでき、後上開口部32から排気される空気の大部分を、シート5に着座した乗員の膝および腿へ供給させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る個別空調装置30を説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の符号を使用し、主に第1実施形態との相違点について説明する。
図5は、第2実施形態に係る連通路34および仕切り板31の変形例の説明図である。
図5において、連通路34の後端部分は、右分岐路41と左分岐路42とに分岐される。そして、右分岐路41の後端には、右分岐開口部43が形成される。左分岐路42の後端には、左分岐開口部44が形成される。
これにより、後上開口部32は、シート5の中央に対して左右に分かれた右分岐開口部43と左分岐開口部44とを有する。
以上のように、本実施形態では、後上開口部32が、シート5の中央に対して左右に分かれた右分岐開口部43と左分岐開口部44とを有する。これにより、連通路34から後向きに吹き出される空気流は、シート5に着座した乗員の上体に対して左右に分かれて吹き出される。その結果、シート5に着座した乗員の上体の中央へ向けて吹き出す場合のように上体の中央に沿う空気流を生成し難くなる。上体の中央から顔へ向けて下から吹き上がる空気流の生成を抑制できる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る個別空調装置30を説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の符号を使用し、主に第1実施形態との相違点について説明する。
図6は、第3実施形態に係る個別空調装置30の要部構成の説明図である。
図6の個別空調装置30において、連通路34には、後上開口部32と前下開口部33との間に、中間開口部51が設けられる。
中間開口部51は、冷温装置36より前下開口部33寄りの位置において、後上開口部32と前下開口部33との間の流路から分岐する。中間開口部51は、シート5に着座した状態の脛に向けて配置される。
前下開口部33と中間開口部51との分岐部分には、切替弁52が設けられる。
切替弁52は、通常は、中間開口部51を塞ぎ、前下開口部33を開く。この場合、後上開口部32と前下開口部33との間に流路が形成される。
また、切替弁52は、切り替え制御されることにより、中間開口部51を開き、前下開口部33を塞ぐ。これにより、連通路34には、前下開口部33と中間開口部51との間の流路に切り替わる。
図7は、制御部38による流路切替制御の一例を示すフローチャートである。
制御部38は、車室空調装置10が車室2を冷却する場合に、図7の制御を実行する。なお、制御部38は、車室空調装置10が車室2を暖房する場合に、図7と同様の切替制御を実行してもよい。
図7に示すように、制御部38は、まず、車室空調装置10による車室2の冷房開始を確認する(ステップST1)。制御部38は、たとえば車室空調制御部14からの状態通知信号に基づいて、冷房開始を判断すればよい。
そして、冷房開始を検出した場合、制御部38は、後上開口部32から排気するように、強制送風装置35を作動させる(ステップST2)。
これにより、車室空調装置10がダッシュボード6の下側の吹出口20から吹き出した冷気の一部を、連通路34を通じて、シート5に着座した乗員の膝および腿の上へ直接的に供給できる。
また、後上開口部32から排気される冷気の一部は、仕切り板31の後縁から上へ上がり、シート5に着座した乗員の上体の前面に沿って上がる。乗員が、ダッシュボード6の上部の吹出口20の向きを調整しなくとも、乗員の身体は全体的に冷気に包まれ得るようになる。
その後、車室2の冷却が進んで目標温度に近い室温になると、車室空調装置10は、冷気を吹き出す口を、ダッシュボード6の下側の吹出口20からの冷気の吹き出しを止め、ダッシュボード6の上部の吹出口20のみから冷気を吹き出すようになる。
制御部38は、ダッシュボード6の下側の吹出口20からの冷気の吹き出し終了を検出する(ステップST3)。冷気が吹き出している場合には、制御部38は、後上開口部32から排気するように、強制送風装置35の動作状態を維持する。
そして、ダッシュボード6の下側の吹出口20からの冷気の吹き出しが終了すると、制御部38は、送風方向を逆転させるように強制送風装置35の作動を切り替える(ステップST4)。
また、制御部38は、切替弁52を作動させて、中間開口部51を開き、前下開口部33を塞ぐ。
これにより、車室空調装置10がダッシュボード6の上部の吹出口20から吹き出した冷気の一部は、連通路34の後上開口部32から連通路34へ吸い込まれ、中間開口部51から、シート5に着座した乗員の脛へ向けて排気される。シート5に着座した乗員の下肢の周りでは、冷気がゆるく循環するようになり、熱が溜まり難くなる。
以上のように、本実施形態では、連通路34において後上開口部32と前下開口部33との間に中間開口部51が設けられる。そして、強制送風装置35は、車室空調装置10による前下開口部33の近くの吹出口20からの冷風の吹き出しが終了すると、後上開口部32から吸気して前記中間開口部51から排気するように連通路34の内部での空気の流れを切り替える。よって、車室空調装置10による前下開口部33の近くの吹出口20からの冷風の吹き出しが終了した状態では、車室空調装置10が上側の吹出口20から吹き出している冷風の一部を、ダッシュボード6の下側へ供給することができる。ダッシュボード6の下側において空気流を生成して、ダッシュボード6の下側を換気することができる。
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
たとえば上記実施形態では、個別空調装置30は、シート5に着座した乗員の快適性を向上させるために車室空調装置10とともに用いられている。
この他にもたとえば、個別空調装置30は、それ単独で、シート5に着座した乗員の快適性を向上させるために用いられてもよい。
1…自動車(車両)、2…車室、3…前室、4…後室、5…シート、6…ダッシュボード、7…ステアリングコラム、8…ステアリング、10…車室空調装置、11…温度センサ、12…日射センサ、13…湿度センサ、14…車室空調制御部、15…ブロアファン、16…コンプレッサ、17…エバボレータ、18…ヒータ、19…空調ダクト、20…吹出口、30…個別空調装置(空調装置)、31…仕切り板(仕切り部材)、32…後上開口部、33…前下開口部、34…連通路、35…強制送風装置、36…冷温装置、37…加温装置、38…制御部、39…タイマ、41…右分岐路、42…左分岐路、43…右分岐開口部、44…左分岐開口部、51…中間開口部、52…切替弁

Claims (10)

  1. 車両の車室においてシートに着座した乗員の近くで空調を行う空調装置であって、
    前記車室においてダッシュボードから前記シートに着座した乗員へ向けて突出して設けられるステアリングコラム内に又は前記ステアリングコラムに沿って設けられる連通路と、
    前記連通路の後端に形成され、前記シートに着座した乗員の下肢の上側において前記車室内に向けて開口する後上開口部と、
    前記連通路の前端に形成され、前記ダッシュボード又はその下側において前記車室内に向けて開口する前下開口部と、
    前記連通路内で空気を流す強制送風装置と、
    を有する、
    車両の空調装置。
  2. 前記後上開口部は、前記ステアリングコラムの下側において、前記シートに着座した乗員の膝または腿の直上に位置する、
    請求項1記載の車両の空調装置。
  3. 前記後上開口部より上側において前記車室を上下に仕切る仕切り部材を、有する、
    請求項1または2記載の車両の空調装置。
  4. 前記仕切り部材は、前記後上開口部より後方へ延在する、
    請求項3記載の車両の空調装置。
  5. 前記後上開口部は、前記シートの中央に対して左右に分かれるように右側分岐開口部と左側分岐開口部とに分岐して設けられる、
    請求項3または4記載の車両の空調装置。
  6. 前記仕切り部材および前記連通路は、可動式の前記ステアリングコラムと一体的に設けられる、
    請求項3から5のいずれか一項記載の車両の空調装置。
  7. 前記連通路には加温装置が設けられ、または前記前下開口部の近くには車室空調装置の温風の吹出口が設けられ、
    前記強制送風装置は、前記前下開口部から吸気して前記後上開口部から排気するように前記連通路内で空気を流す、
    請求項1から6のいずれか一項記載の車両の空調装置。
  8. 前記連通路には冷温装置が設けられ、または前記前下開口部の近くには車室空調装置の冷風の吹出口が設けられ、
    前記強制送風装置は、前記前下開口部から吸気して前記後上開口部から排気するように前記連通路内で空気を流す、
    請求項1から7のいずれか一項記載の車両の空調装置。
  9. 前記前下開口部の近くには車室空調装置の冷風の吹出口が設けられ、
    前記連通路には、前記後上開口部と前記前下開口部との間に、中間開口部が設けられ、
    前記強制送風装置は、前記車室空調装置による前記前下開口部の近くの吹出口からの冷風の吹き出しが終了すると、前記後上開口部から吸気して前記中間開口部から排気するように、前記連通路内での空気の流れを切り替える、
    請求項8記載の車両の空調装置。
  10. 前記連通路には加温装置および冷温装置が設けられ、
    前記強制送風装置、前記加温装置および前記冷温装置の動作を制御する制御部を有し、
    前記制御部は、前記車室の温度若しくは湿度、前記車室への日射量、動作時間、および車室空調装置の動作状態に応じて、前記強制送風装置、前記加温装置および前記冷温装置の動作を制御する、
    請求項1から6のいずれか一項記載の車両の空調装置。

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