JP2019041509A - 電力供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化や軽量化を図ることができる電力供給システムを提供する。【解決手段】電源1の電力を複数の負荷21〜23に供給する電力供給システム100は、一端が電源1と電気的に接続するヒューズ2と、ヒューズ2の他端と複数の負荷21〜23の間にそれぞれ電気的に接続された複数の半導体スイッチ11a、12a、13aと、半導体スイッチのオン及びオフの指示信号を受ける受信部41を有し、複数の半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフを制御する制御装置40と、電源1からヒューズ2を介して複数の半導体スイッチ11a、12a、13aへ流れる電流を検出する電流センサ20と、を備え、制御装置40は、受信部41の受信結果及び電流センサ20の検出結果の少なくとも一方に基づいて、複数の半導体スイッチ11a、12a、13aをPWM制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、電力供給システムに関するものである。
電源から与えられる電力を複数の負荷に分配して給電するための各給電路に分散して設けられた複数の半導体リレーを有し、その各半導体リレーが前記各負荷への給電状態を制御するリレーユニットと、リレーユニットの過熱を検出する過熱検出手段と、各半導体リレーを制御して各負荷への給電状態を制御する制御手段、を備える車載電源制御装置が知られている。
この車載電源制御装置において、上記の制御手段は、各半導体リレーを制御して各負荷への給電状態を制御する一方、過熱検出手段により過熱が検出された場合には、複数の負荷のうちの、予め定められた条件に従って決定される駆動中の少なくとも一部の負荷への給電をオフする(例えば特許文献1参照)。
電源の電力を複数の半導体リレーを介して複数の負荷に供給する場合、上記従来技術を含めて一般的には、過電流から負荷を保護するために、電源と複数の半導体リレーの間には溶断性のヒューズが設けられている。しかしながら、上記従来技術では、複数の負荷へ同時に給電する場合、給電した際に発生する突入電流の総和によりヒューズが溶断しないよう、ヒューズの定格電流を大きくする必要がある。また、突入電流により溶断しないよう、ヒューズを設けている電線を太くする必要がある。このため、電力供給システムが大型化や重量化する、という問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、小型化や軽量化を図ることができる電力供給システムを提供することである。
[1]本発明に係る電力供給システムは、電源の電力を複数の負荷に供給する電力供給システムであって、一端が前記電源と電気的に接続するヒューズと、前記ヒューズの他端と前記複数の負荷の間にそれぞれ電気的に接続された複数の半導体スイッチと、前記半導体スイッチのオン及びオフの指示信号を受ける受信部を有し、前記複数の半導体スイッチのオン及びオフを制御する制御装置と、前記電源から前記ヒューズを介して前記複数の半導体スイッチへ流れる電流を検出する電流センサと、を備え、前記制御装置は、前記受信部の受信結果及び前記電流センサの検出結果の少なくとも一方に基づいて、前記複数の半導体スイッチをPWM(Pulse Width Modulation)制御する電力供給システムである。
[2]上記発明において、前記制御装置は、前記複数の半導体スイッチを同時にオンさせる指示信号を前記受信部が受信した場合に、前記複数の半導体スイッチのPWM制御を開始してもよい。
[3]上記発明において、前記制御装置は、前記電流センサの検出結果から前記電源の電力を前記負荷へ供給中と判定している間に、前記複数の半導体スイッチのうちいずれか1つ以上の半導体スイッチをオンさせる指示信号を前記受信が受信した場合に、前記複数の半導体スイッチのPWM制御を開始してもよい。
[4]上記発明において、前記制御装置は、前記電流センサの検出結果から前記電源の電力を前記負荷へ供給中と判定している間に、前記電流センサにより検出された前記電流が前記ヒューズの定格電流以上になる場合に、前記複数の半導体スイッチのPWM制御を開始してもよい。
[5]上記発明において、前記制御装置は、前記電源から前記負荷へ前記電力を供給する優先順位を記憶している記憶部を有し、前記優先順位に応じて各半導体スイッチに個別に設定されたデューティ比に従って、前記複数の半導体スイッチをPWM制御してもよい。
[6]上記発明において、前記ヒューズは、それぞれの一端が前記電源と電気的に接続する複数のヒューズを含み、前記複数の半導体スイッチは、個々の前記ヒューズの他端と前記複数の負荷の間をそれぞれ電気的に接続してもよい。
本発明によれば、受信部の受信結果及び電流センサの検出結果の少なくとも一方に基づいて、複数の半導体スイッチをPWM制御するため、ヒューズに流れる電流が低減され、ヒューズの大きさを抑制できる。その結果、ヒューズを設けている電線を細くできるので、電力供給システムの小型化や軽量化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態における電力供給システム100は、バッテリなどの電源から出力される電力を、複数の負荷に供給するシステムである。電力供給システム100は、例えば電気自動車等の車両に搭載されており、車両に設けられたバッテリの電力を、パワーウィンド、電動チルトテレスコピックステアリング、パワーシート、電動サンシェード、ランプ、ナビゲーションシステム、又は、エアーコンデョナ等の負荷に供給する。この電力供給システム100は、図1に示すように、電源1、ヒューズ2、電力線3、電力分配装置10、負荷21〜23、上位コントローラ30、及び制御装置40を備えている。
電源1は、例えば、車両に搭載される直流電源である。このような電源1としては、鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の2次電池(バッテリ)や、電気二重層キャパシタ等を用いることができる。
電源1は、ヒューズ2、電力線3、及び電力分配装置10を介して負荷21〜23に対して電力を供給している。負荷21〜23の具体例としては、上述したパワーウィンド、電動チルトテレスコピックステアリング、パワーシート、電動サンシェード等が挙げられる。負荷21〜23には、車載に搭載されたその他の電装部品を含めてもよい。負荷21の一端は電力分配装置10に設けられた半導体デバイス11と接続し、負荷22の一端は電力分配装置10に設けられた半導体デバイス12と接続し、負荷23の一端は電力分配装置10に設けられた半導体デバイス13と接続している。また、負荷21〜23の他端は、グランドと接続している。なお、図1では、負荷21〜23の他端をグランドと接続しているが、これに限定されない。
なお、後述するように、本実施形態では、制御装置40により負荷に流れる電流値を一時的に制限するため、負荷21〜23としては、定常電流に対して制限された電流値であっても動作するものが好ましい。上述した機器以外の負荷21〜23としては、例えば、電動弁(電動バルブ)が挙げられる。
ヒューズ2は、電源1と電力分配装置10の間を接続する電力線3に設けられているメインヒューズである。ヒューズ2は、電源1から流れてくる定格以上の大電流から負荷21〜23を保護するために設けられている。ヒューズ2の一端は、電源1と電気的に接続している。ヒューズ2の他端は、電力分配装置10に設けられた半導体デバイス11〜13と電力線3を介して電気的に接続している。
ヒューズ2は、溶断特性を有している。溶断特性とは、ヒューズ2の定格電流を超える電流(溶断電流)が流れた際に、予め決められた時間内で溶断する特性である。この溶断特性は、溶断電流の大きさ、雰囲気温度、又はヒューズ2の材料等に応じて異なる。例えば、定格電流が30Aのヒューズであれば、仮に90Aの溶断電流がこのヒューズに流れ続けた場合、このヒューズは数秒で溶断する。また、仮に50Aの溶断電流がこのヒューズに流れ続けた場合には、このヒューズは数分で溶断する。ヒューズ2の溶断特性及びヒューズ2の定格電流の情報は、後述する制御装置40の記憶部42に予め記憶されている。
電力分配装置10は、図1に示すように、半導体デバイス11〜13を備えている。電力分配装置10には、電源1の電力がヒューズ2及び電力線3を介して供給される。図1の例では、ヒューズ2の他端と接続する電力線3は、電力分配装置10の中で3本に分岐している。分岐された3本の電力線3は、半導体デバイス11〜13にそれぞれ接続されている。これにより、電源1と半導体デバイス11〜13は、ヒューズ2及び電力線3を介して電気的に接続され、電源1の電力は、半導体デバイス11〜13それぞれに供給される。
電力分配装置10は、半導体デバイス11〜13の動作に応じて、電源1の電力を負荷21〜23へ供給又は遮断する。半導体デバイス11〜13としては、例えば、後述する半導体スイッチ11a、12a、13aを含み、この半導体スイッチ11a、12a、13aの制御回路、加熱保護回路、及び/又は電流検出回路等を含むIPD(Intelligent Power Device)等のICが挙げられる。このIPD等のICは、加熱保護回路、及び/又は電流検出回路等により、半導体スイッチの異常を診断する自己診断機能を有している。また、電力分配装置10としては、例えば、複数の半導体デバイス11〜13を搭載したECU等が挙げられる。
ここで、電力分配装置には、半導体デバイス11〜13の代わりに、溶断性のある機械式のヒューズを用いることが一般的であったが、この機械式のヒューズでは、負荷の異常等により一度溶断してしまうと交換作業が発生し、手間がかかることがあった。このため、機械ヒューズの代わりに、上述したIPD等の自己診断機能を有する半導体スイッチを用いることに関心が集まっている。この半導体スイッチは、自己診断機能により異常を検知して負荷への電力を遮断したとしても、交換作業を必要とせずに、通電作業だけで復帰するなどの利点を有する。このため、このような半導体スイッチは半導体ヒューズと呼ばれている。
半導体デバイス11は、半導体スイッチ11aと、当該半導体スイッチ11aと並列に接続された還流ダイオード11bと、を含んでいる。同様に、半導体デバイス12は、半導体スイッチ12aと、当該半導体スイッチ12aと並列に接続された還流ダイオード12bと、を含み、半導体デバイス13は、半導体スイッチ12aとを、当該半導体スイッチ12aと並列に接続された還流ダイオード12bと、を含んでいる。還流ダイオード11b、12b、13bは、電流が負荷21、22、又は23から電源1の方向に流れるのを防止するために設けられている。具体的に、還流ダイオード11bのカソード電極はヒューズ2の他端と接続し、還流ダイオード11bのアノード電極は負荷21と接続している。同様に、還流ダイオード12bのカソード電極はヒューズ2の他端と接続し、還流ダイオード12bのアノード電極は負荷22と接続している。また、還流ダイオード13bのカソード電極はヒューズ2の他端と接続し、還流ダイオード13bのアノード電極は負荷23と接続している。
半導体スイッチ11a、12a、13aとしては、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の電圧制御型の半導体素子を用いることができる。本実施形態では、nチャネルのMOSFETを用いているが、pチャネルのMOSFETでもよい。
半導体スイッチ11a、12a、13aは、エミッタ電極と、ソース電極と、ゲート電極と、を有している。半導体スイッチ11a、12a、13aのドレイン電極は、電力線3を介してヒューズ2の他端と接続している。半導体スイッチ11aのソース電極は負荷21と接続し、半導体スイッチ12aのソース電極は負荷22と接続し、半導体スイッチ13aのソース電極は負荷23と接続している。また、半導体スイッチ11aのゲート電極、半導体スイッチ12aのゲート電極、及び半導体スイッチ13aのゲート電極は、それぞれ配線4、5、6を介して、制御装置40の駆動部43と接続している。配線4〜6はそれぞれ独立した配線である。半導体スイッチ11a、12a、13aのゲート電極は、駆動部43から出力される駆動信号により、それぞれ独立に制御される。
半導体スイッチ11a、12a、13aは、制御部44からゲート電極に出力される駆動信号によりオン又はオフに切替えられる。半導体スイッチ11aの動作を例に挙げて説明する。
半導体スイッチ11aは、駆動信号の電圧がゲート電極−ソース電極間の閾値電圧(Vgs)よりも高い場合に、ドレイン電極とソース電極の間が電気的に導通し、オン状態となる。反対に、半導体スイッチ11aは、駆動信号の電圧がゲート電極−ソース電極間の閾値電圧よりも低い場合に、ドレイン電極とソース電極の間が電気的に遮断し、オフ状態となる。なお、この閾値電圧は、半導体スイッチ11aの製造プロセスや材料に応じて異なる電圧だが、特に限定されるものではない。
半導体スイッチ11aのオン状態では、ドレイン電極とソース電極の間は導通しているため、電源1と負荷21は、ヒューズ2、電力線3、及び半導体スイッチ11aを介して電気的に接続された状態になる。そのため、半導体スイッチ11aのオン状態では、電源1から負荷21の方向に電流が流れ、電源1の電力は負荷21に供給される。
反対に、半導体スイッチ11aのオフ状態では、ドレイン電極とソース電極の間は遮断しているため、電源1と負荷21は、電気的に遮断された状態になる。そのため、半導体スイッチ11aのオフ状態では、電源1から負荷21の方向に電流が流れず、電源1の電力は負荷21へ供給されない。つまり、半導体スイッチ11aのオン及びオフを制御することで、電源1の電力を負荷21へ供給又は遮断することができる。
また、図1に示すように、半導体デバイス11は負荷21に対応し、半導体デバイス12は負荷22に対応し、半導体デバイス13は負荷23に対応している。半導体スイッチ12a、13aについても、半導体スイッチ11aと同様の動作をするため、半導体スイッチ12aのオン及びオフを制御することで、電源1の電力を負荷22へ供給又は遮断することができる。また、半導体スイッチ13aのオン及びオフを制御することで、電源1の電力を負荷23へ供給又は遮断することができる。つまり、各負荷に対応している半導体デバイスの制御をすることで、具体的には、半導体スイッチのオン及びオフを制御することで、電源1の電力を各負荷へ供給又は遮断をすることができる。
なお、図1では、3つの負荷21〜23に対応するように、電力分配装置10は3つの半導体デバイス11〜13を設ける構成を例示したが、これに限定されるものではない。電力分配装置10は、負荷の数に対応した数の半導体デバイスを設けることができる。例えば、n個の負荷に対して電源1の電力を供給する場合には、電力分配装置10は、n個の半導体デバイスを設ける。nは2以上の自然数である。このとき、電力線3は電力分配装置10の中でn本に分岐され、n本の電力線はn個の半導体デバイスと接続する。これにより、n個の負荷と電源1との間の電気的な導通及び遮断を、それぞれ独立して切り替えることができる。
上位コントローラ30は、車両に設けられた各種装置の情報を管理するコントローラである。本実施形態の上位コントローラ30は、電源1の電力を負荷21〜23に対してどのように分配させるかを管理する。上位コントローラ30は、半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフの指示として指示信号を制御装置40の受信部41に出力する。この指示信号には、半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフのタイミングに関する情報が含まれている。上位コントローラ30は、例えば、運転者が全ての電装部品を操作可能な状態、いわゆる、イグニッションオン状態にするために、制御装置40に指示信号を出力する。また、上位コントローラ30は、所定の電源シーケンス又は動作シーケンスに応じて、制御装置40に指示信号を出力する。
制御装置40は、上位コントローラ30からの指示信号に基づいて、半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフを制御する制御装置である。例えば、制御装置40には、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されるマイクロコンピュータが挙げられる。
制御装置40は、図1に示すように、受信部41、記憶部42、駆動部43、及び制御部44を有している。受信部41は、上位コントローラ30と通信可能な装置である。上位コントローラ30との通信手段は特に限定されない。受信部41は、上位コントローラ30から、半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフの指示信号を受け、受信した指示信号を制御部44へ出力する。
記憶部42は、ROM、RAM等のような情報を記憶する記憶媒体で構成されている。記憶部42は、制御部44が実行する、半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフを制御するプログラムを記憶している。また、上述したように、記憶部42はヒューズ2の溶断特性を記憶している。
さらに、記憶部42は、電源1から負荷21〜23へ電力を供給する優先順位を記憶している。この優先順位は、負荷21〜23のうち電力供給が必要な負荷の序列を示している(以降、負荷の優先順位とも称する)。なお、この優先順位は、負荷の種類や、負荷としての機器又はシステムの動作シーケンスに応じて予め決定されている。
また、記憶部42は、上述した優先順位に応じて半導体スイッチ11a、12a、13aに個別に設定されたデューティ比を記憶している。半導体スイッチのデューティ比とは、半導体スイッチが所定の周期でオン及びオフを繰り返す時に、周期に対して、半導体スイッチがオンしている期間が占める割合である。
より具体的に説明すると、半導体スイッチは、上述したように、ゲート電極に入力される駆動信号によりオン又はオフする。そのため、半導体スイッチのゲート電極にパルス状の駆動信号が入力されると、半導体スイッチは、オン及びオフを繰り返すスイッチング動作を行う。記憶部42では、この駆動信号のパルス幅を、駆動信号の周期で割った値を、半導体スイッチのデューティ比として記憶している。以降、半導体スイッチをスイッチングさせる、パルス状の駆動信号をPWM信号と称す。
記憶部42は、図2(A)に示すように、負荷の優先順位と優先順位に応じて設定されたデューティ比とを、各半導体スイッチに関連付けて記憶している。具体的には、この優先順位とデューティ比は、負荷の優先順位が高ければ、デューティ比が大きくなる関係を有している。例えば、図2(A)に示す表では、負荷22の優先順位は3つの負荷のうち最も高く(1位)、デューティ比は80%を示している。また、同表では、負荷21の優先順位は次に高く(2位)、デューティ比は50%を示している。さらに、負荷23の優先順位は3つの負荷のうち最も低く(3位)、デューティ比は40%を示している。なお、図2(A)は、負荷の優先順位に応じて設定された半導体スイッチのデューティ比を説明するための表である。
また、図2(A)に示す表では、負荷21の各情報(優先順位とデューティ比)に関連付けられた半導体スイッチとして、半導体スイッチ11aが示されている。同様に、負荷22の各情報に関連付けられた半導体スイッチとして、半導体スイッチ12aが示されており、負荷23の各情報に関連付けられた半導体スイッチとして、半導体スイッチ13aが示されている。後述する制御部44は、複数の半導体スイッチをPWM制御する際に、記憶部42に記憶されたこれらの情報を参照して、各半導体スイッチ毎にパルス状の制御信号を生成する。
なお、半導体スイッチに設定される具体的なデューティ比の値は、ヒューズ2の定格電流及び/又は溶断特性、定常状態で負荷に流れる電流値及び雰囲気温度等を考慮して、実験的に求めるのが好ましい。また、半導体スイッチの応答速度、後述する駆動部43のドライブ能力、制御装置40と半導体スイッチの間の配線インピーダンス、半導体スイッチの入力インピーダンス等を考慮することがさらに好ましい。例えば、まず、ヒューズ2が溶断しないように、各負荷に流す電流値を負荷の優先順位に応じて決定する。そして、決定した電流値が各負荷に流れるように、具体的なデューティ比の値をそれぞれ決定していく方法が挙げられる。なお、デューティ比の値の決定方法は、上記方法に限定されない。図2に示す表では、3つの負荷に対してそれぞれ異なる優先順位が示されているが、少なくとも2つの負荷の優先順位が異なっていれば優先順位が同位のものを含んでもよい。
また、記憶部42は、図2(B)に示すような表を予め記憶していてもよい。図2(B)は、一部の負荷が停止した際に、負荷の優先順位に応じて設定された半導体スイッチのデューティ比を説明するための図である。図2(B)は、図2(A)に示す表を前提として、負荷23が停止した際の半導体スイッチ11a、12aのデューティ比を示している。図2(B)の例では、負荷23が停止した場合に、半導体スイッチ11aのデューティ比は70%に設定され、半導体スイッチ12aのデューティ比は90%に設定される。つまり、図2(B)では、負荷23が停止すると、半導体スイッチ11aのデューティ比を50%から70%へ変更すること、半導体スイッチ12aのデューティ比を80%から90%へ変更することを示している。なお、記憶部42は、各負荷の停止の組み合わせに合わせて、図2(B)に示すような表を予め記憶しておいてもよい。これにより、一部の負荷の停止したとしても、停止した負荷に流れていた電流値を、その他の負荷へ分配することができる。
次に、デューティ比と負荷に流れる電流との関係について、図3を参照しながら説明する。図3は、デューティ比と負荷に流れる電流との関係を説明するための図である。図3(A)は、半導体スイッチに入力される駆動信号又はPWM信号を示し、図3(B)は、負荷に流れる電流値を示す。図3(A)において、縦軸は電圧値を示し、横軸は時間を示しており、この図3(A)は、PWM信号の推移を示している。電圧値Vonでは、半導体スイッチがオンし、電圧値0では、半導体スイッチがオフする。また、図3(B)において、縦軸は電流値を示し、横軸は時間を示しており、この図3(B)は、負荷に流れる電流値を示している。
なお、図3(A)に示す点線と、図3(B)に示す点線はそれぞれ対応している。図3(B)に点線で示す電流値(電流値I100)は、図3(A)に点線で示す駆動信号(デューティ比100%)が半導体スイッチに入力された場合の電流値を示している。また、図3(A)に示す実線と、図3(B)に示す実線もそれぞれ対応している。図3(B)に実線で示す電流値(電流値I50)は、図3(A)に実線で示すPWM信号(デューティ比50%)が半導体スイッチに入力された場合の実質的な電流値を示している。実質的な電流値とは、負荷に流れる電流を時間で平均した電流値である。なお、図3(A)に実線で示すPWM信号は、周期Tに対して幅Hの期間(期間H)は50%とする。
例えば、図3(A)に示す駆動信号又はPWM信号が入力される半導体スイッチは、図1に示す半導体スイッチ11aとし、図3(B)に示す電流値の電流が流れる負荷は、図1に示す負荷21とする。この場合において、図3(A)に点線で示すように、時間0において電圧値Von(ハイレベル)の駆動信号が半導体スイッチ11aに入力されると、半導体スイッチ11aはオンする。半導体スイッチ11aは、駆動信号がハイレベルを維持するため、オン状態を維持する。このため、図3(B)に点線で示すように、電源1と負荷21は、時間が経過しても電気的に接続された状態を維持し、負荷21には、電源1から電流値I100で示す電流が定常的に流れる。
一方、図3(A)に実線で示すように、デューティ比50%のPWM信号は、電圧値Von(ハイレベル)と電圧値0(ローレベル)を周期Tで繰り返すパルス信号であって、ハイレベルの期間が周期Tの50%のパルス信号である。半導体スイッチ11aは、ハイレベルの期間(期間H)にオンするため、当該期間では、電源1と負荷21が電気的に接続されて、負荷21には、電源1から電流が流れる。反対に、半導体スイッチ11aは、ローレベルの期間(期間L)にオフするため、当該期間では、電源1と負荷21が電気的に遮断されて、負荷21には、電源1から電流が流れない。PWM信号はハイレベルとローレベルを周期Tで繰り返すパルス信号であるため、半導体スイッチ11aは、オン及びオフのスイッチング動作を繰り返す。つまり、半導体スイッチ11aにPWM信号が入力されると、電源1と負荷21の間では、電流の供給及び遮断が一定周期で繰り返され、負荷21には、電源1から電流値I100で示す電流が間欠的に流れる。
半導体スイッチにPWM信号が入力される場合、電源1から負荷21に流れる実質的な電流値は、半導体スイッチがオンする期間の長さ、言い換えると、PWM信号のデューティ比に応じて定まる。図3の例では、半導体スイッチ11aにPWM信号(デューティ比50%)が入力されると、負荷21に流れる実質的な電流値は、時間で平均化された電流値(電流値I50)となる。当該電流値は、上述した図3(B)に点線で示す電流値(電流値I100)の半分程度に相当する。つまり、半導体スイッチをPWM制御することで、負荷に流れる電流値を半分に制限することができる。本実施形態では、PWM制御により、電力分配装置10に設けられた、各半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフを制御することで、各負荷に流れる電流値を調整する。
図1に戻り、制御装置40について説明する。駆動部43には、制御部44から半導体スイッチ11a、12a、13aをオン及びオフする制御信号が入力される。駆動部43は、これらの制御信号の電圧を、半導体スイッチ11a、12a、13aの動作電圧までレベルシフトさせて、半導体デバイス11〜13へ出力する駆動回路である。なお、本実施形態では、制御装置40に駆動部43を設けているが、半導体スイッチの動作電圧の範囲と制御部44が出力する制御信号の電圧範囲が同じ範囲であれば、駆動部43を設ける必要はない。また、駆動部43を設ける位置は特に限定されず、駆動部43を電力分配装置10の中に設けてもよい。
制御部44は、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することで、制御装置40の機能を実現させる動作回路としてのCPUで構成される。なお、動作回路として、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いてもよい。
制御部44には、受信部41を介して上位コントローラ30から指示信号が入力される。制御部44は、この指示信号に応じて、半導体スイッチ11a、12a、13aをオン及びオフさせる制御信号をそれぞれ生成し、生成した複数の制御信号を駆動部43に出力する。また、制御部44は、記憶部42にアクセスすることができ、記憶部42に記憶されている、負荷の優先順位に応じて設定された各半導体スイッチのデューティ比を読み出す。
次に、制御部44が実現する機能について説明する。制御部44は、ヒューズ2に流れる電流が過渡的に増加する場面において、半導体スイッチ11a、12a、13aをPWM制御する。
本実施形態に係る制御部44は、複数の負荷に電力を供給していない状態、いわゆる、無負荷の状態において、突入電流が発生すると、半導体スイッチ11a、12a、13aをPWM制御する。具体的には、制御部44は、上位コントローラ30の指示より、半導体スイッチ11a、12a、13aを同時にオンさせる必要がある場合、設定された各半導体スイッチのデューティ比に基づいて、半導体スイッチ11a、12a、13aをPWM制御する。例えば、制御部44は、半導体スイッチ11a、12a、13aを同時にオンさせる指示信号を受信すると、半導体スイッチ11a、12a、13aのPWM制御を開始する。
制御部44は、記憶部42に記憶されている、半導体スイッチ11aのデューティ比に基づいて、半導体スイッチ11aをスイッチングさせる制御信号を生成する。同様に、制御部44は、記憶部42に記憶されている、半導体スイッチ12aのデューティ比に基づいて、半導体スイッチ12aをスイッチングさせる制御信号を生成し、半導体スイッチ13aのデューティ比に基づいて、半導体スイッチ13aをスイッチングさせる制御信号を生成する。
例えば、記憶部42は、図2に示すような、負荷の優先順位と、当該優先順位に対応する半導体スイッチ11a、12a、13aのデューティ比を記憶しているとする。この場合、制御部44は、半導体スイッチ11aをスイッチングさせるために、デューティ比が50%の制御信号を生成する。同様に、制御部44は、半導体スイッチ12aをスイッチングさせるために、デューティ比が80%の制御信号を生成する。さらに、制御部44は、半導体スイッチ13aをスイッチングさせるために、デューティ比が40%の制御信号を生成する。なお、それぞれの制御信号の周期は、同じ周期であってもよいし、異なる周期であってもよい。
また、制御部44は、各半導体スイッチのPWM制御を開始してから、所定時間が経過した後に、PWM制御を停止し、各半導体スイッチをオン状態に固定させる。これにより、PWM制御によって、一時的に各負荷に流れる電流値を減らしていたとしても、各負荷に定常電流を供給することができる。例えば、制御部44は、PWM制御を開始してから所定時間が経過すると、PWM制御を停止させるとともに、各半導体スイッチをオン状態に固定させる。なお、所定時間は、半導体スイッチがオンしてから定常状態に収束するまでの時間、半導体スイッチと負荷の間の配線インピーダンス等を考慮して実験的に求めるのが好ましい。また、所定時間の目安として、数msec程度が好ましい。この程度の時間であれば、一時的に負荷に流れる電流値が制限されて、電装部品又はシステムの動作が遅くなったとしても、この動作遅延に対する車両の乗員の違和感を低減できる。
制御部44は、半導体スイッチ11a、12a、13aをスイッチングさせる制御信号を生成すると、この制御信号を駆動部43に出力する。
ここで、半導体スイッチ11a、12a、13aがオンした際に発生する突入電流について説明する。突入電流とは、半導体スイッチ11a、12a、又は13aがオフ状態からオン状態となった際に、電源1から負荷21、負荷22、又は負荷23の方向に一時的に流れる大電流である。
半導体スイッチ11aと負荷21を例に挙げて説明する。半導体スイッチ11aがオンすると、半導体スイッチ11aのゲート電極に電圧が印加されて、半導体スイッチ11aのドレイン電極とソース電極の間が導通する。ドレイン電極とソース電極の導通により、電源1から負荷21の方向に突入電流が発生し、電源1から負荷21に流れる電流値は増加する。所定時間後に、突入電流のピークが発生し、その後、負荷21が有する容量等により充電され、突入電流は減少する。そして、電源1から負荷21に流れる電流は、負荷21の定常電流に収束し、当該定常電流を維持し続ける。
次に、複数の半導体スイッチをPWM制御した時に、ヒューズ2に流れる突入電流への影響について、図4を参照しながら説明する。図4(A)は、本発明の第1実施形態において、PWM制御により、2つの半導体スイッチのうち一方の半導体スイッチに入力される駆動信号を示し、図4(B)は、他方の半導体スイッチに入力される駆動信号を示し、図4(C)は、図4(A)及び図4(B)に示す駆動信号で各半導体スイッチがスイッチングした場合の、各負荷及びヒューズ2に流れる電流の推移を示す図である。図4(A)に示す駆動信号が入力される半導体スイッチは、半導体スイッチ11aであり、図4(B)に示す駆動信号が入力される半導体スイッチは、半導体スイッチ12aである。また、図4(C)において、一点鎖線は、半導体スイッチ11aのスイッチングにより負荷21に流れる電流を示し、点線は、半導体スイッチ12aのスイッチングにより負荷22に流れる電流を示し、実線は、ヒューズ2に流れる電流を示す。
なお、以降では、説明の便宜上、図1に示す負荷21〜23のうち、負荷21、22を用いて説明する。この場合、上位コントローラ30は、2つの半導体スイッチ11a、12aを同時にオンさせる指示信号を制御部44に出力するが、上位コントローラ30が同時にオンさせようとする半導体スイッチの数は、特に限定されない。
制御装置40は、上位コントローラ30から出力される指示信号により、半導体スイッチ11a、12aを同時にオンさせる必要があると、半導体スイッチ11a、12aに対してPWM制御を開始する。図4(A)に示すように、半導体スイッチ11aには、制御装置40により、デューティ比50%のPWM信号が入力される。また、図4(B)に示すように、半導体スイッチ12aには、デューティ比80%のPWM信号が入力される。なお、それぞれのPWM信号のデューティ比は、図2(A)の表に示すデューティ比が反映されている。
また、制御装置40は、図4(A)及び図4(B)に示すように、時間tstaを経過すると、半導体スイッチ11a及び半導体スイッチ12aのPWM制御を停止する。そして、制御装置40は、半導体スイッチ11a及び半導体スイッチ12aをオン状態に固定する駆動信号を出力する。図4(C)に示すように、時間tsta以降、負荷21、22には定常状態の電流が流れている。
次に、ヒューズ2に流れる突入電流について説明する。図4(C)に示すように、時間0において、半導体スイッチ11aがデューティ比50%のスイッチングを開始すると、負荷21には突入電流が流れる。また、半導体スイッチ12aがデューティ比80%のスイッチングを開始すると、負荷22には突入電流が流れる。
図3を用いて説明したように、PWM制御により半導体スイッチがオン及びオフを一定周期で繰り返すと、電源1から負荷に流れる実質的な電流値は、デューティ比に応じた電流値に相当する。そのため、半導体スイッチ11a、12aで発生する突入電流のピーク(電流値Imax1、電流値Imax2)を、オン状態に固定した時に半導体スイッチ11a、12aで発生する突入電流のピーク(図5(C)における電流値Imax1 ’、電流値Imax2 ’)よりも低減させることができる。その結果、ヒューズ2には、図4(C)に示すような突入電流が流れる。
ここで、ヒューズ2の選定について説明する。一般的には、図1の例のように、電力分配装置10を介して電源1の電力を複数の負荷へ供給する電力供給システムの場合、各負荷を過電流から保護するため、ヒューズ2には、溶断特性のある機械式のヒューズが用いられる。上述したように、半導体スイッチがオンすると、一時的に突入電流が発生するため、ヒューズ2の選定には、各負荷の定常電流だけでなく、各負荷に流れる突入電流を考慮する必要がある。例えば、図4(C)に示す突入電流のピーク(電流値Imax12)がヒューズ2に発生する場合、このピークよりも高い電流値Ith1で溶断するようなヒューズ2を選定することが考えられる。
一方、比較例として、半導体スイッチ11a、12aを同時にオンさせた後に、オン状態に固定した際に発生する突入電流について、図5に示す比較例を参照しながら説明する。図5(A)は、比較例において、2つの半導体スイッチを同時にオンさせた際に、一方の半導体スイッチに入力される駆動信号を示し、図4(A)に対応する図である。図5(B)は、比較例において、他方の半導体スイッチに入力される駆動信号を示し、図4(B)に対応する図である。図5(C)は、比較例において、図5(A)及び図5(B)に示す駆動信号で各半導体スイッチがオンした場合の、各負荷及びヒューズ2に流れる電流の推移を示し、図4(C)に対応する図である。
図5(A)及び図5(B)に示すように、半導体スイッチ11a、12aは、一度オンした後に、そのオン状態に固定される。電源1と負荷21、22は、電気的に接続された状態を維持するため、一度、電源1から負荷21、22に流れる突入電流が発生すると、この突入電流は、遮断されることなく負荷21、22へ流れ続ける。そのため、図5(C)に示すように、負荷21に流れる突入電流のピーク(電流値Imax1 ’)と、負荷22に流れる突入電流のピーク(電流値Imax2 ’)を低減させることができない。その結果、ヒューズ2に流れる突入電流のピーク(電流値Imax12 ’)も低減させることができない。なお、図5(C)では、負荷21に流れる電流を一点鎖線で示し、負荷22に流れる電流を点線で示し、ヒューズ2に流れる電流を実線で示す。また、図5(C)では、比較例と第1実施形態を比較するために、図4(C)に示すヒューズ2に流れる電流を二点鎖線で示すとともに、上述した、第1実施形態におけるヒューズ2の選定の基準となる電流値Ith1を点線で示す。
図5(C)に示すように、ヒューズ2に流れる突入電流のピーク(電流値Imax12 ’)は、負荷21に流れる突入電流のピーク(電流値Imax1 ’)と、負荷22に流れる突入電流のピーク(電流値Imax2 ’)の総和と同程度となる。そのため、各負荷の突入電流の総和を考慮して、ヒューズ2を選定しなければならない。例えば、図5(C)に示す突入電流のピーク(電流値Imax12 ’)がヒューズ2に発生する場合、このピークよりも高い電流閾値Ith1 ’で溶断するようなヒューズ2を選定しなければならない。その結果、各負荷の突入電流のピーク(電流値Imax1 ’、電流値Imax2 ’)に対して、定格電流が過剰に大きいヒューズ2を選定しなければならず、ヒューズ2の大きさを抑制することができない。
これに対して、本実施形態では、図4(A)〜図4(C)を参照しながら説明したように、制御装置40は、複数の半導体スイッチ11a、12a、13aを同時にオンさせる指令に対して、複数の半導体スイッチをPWM制御する。これにより、ヒューズ2に流れる突入電流が低減され、各負荷の突入電流のピークに対して、定格電流が過剰に大きいヒューズ2を選定する必要がなくなる。その結果、定格電流によるヒューズ2の溶断を防止するとともに、ヒューズ2の大きさを抑制できる。また、ヒューズ2に流れる電流値が低減されるため、電力線3を細くすることもできる。これにより、電力供給システム100全体の小型化や軽量化という効果も得られる。
また、本実施形態では、制御装置40は、半導体スイッチ11a、12a、13aを同時にオンさせる指示信号を受信部が受信した場合に、半導体スイッチ11a、12a、13aのPWM制御を開始する。これにより、負荷21、22、23に流れる突入電流のピークを低減することができるため、突入電流により負荷21、22、23に与えるダメージを抑制できる。また、各負荷へ流れる突入電流を低減されるため、電力分配装置10と各負荷との間の配線の直径を小さくすることもできる。
さらに、本実施形態では、制御装置40は、電源1から負荷21〜23へ電力を供給する優先順位を記憶している記憶部42を有している。そして、制御装置40は、この優先順位に応じて半導体スイッチ11a、12a、13aに個別に設定されたデューティ比に従って、半導体スイッチ11a、12a、13aをPWM制御している。これにより、他の負荷よりも電力が必要な負荷に対して優先的に電力を供給できるため、電源投入シーケンスに与える影響を抑制できる。
本実施形態における「電源1」は本発明における「電源」の一例に相当し、本実施形態における「ヒューズ2」は本発明における「ヒューズ」の一例に相当する。本実施形態における「半導体スイッチ11a、12a、13a」は本発明における「複数の半導体スイッチ」の一例に相当する。本実施形態における「負荷21〜23」は本発明における「複数の負荷」の一例に相当する。本実施形態における「受信部41」は本発明における「受信部」の一例に相当する。本実施形態における「制御装置40」は本発明における「制御装置」の一例に相当する。本実施形態における「電力供給システム100」は本発明における「電力供給システム」の一例に相当する。
次に、上述した実施形態と異なる場面で、半導体スイッチをPWM制御する電力供給システム200の一例について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る電力供給システム200を示す概要図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
電流センサ20は、電源1からヒューズ2を介して半導体スイッチ11a、12a、13aに流れる直流を検出する電流センサである。電流センサ20は、ヒューズ2と電力分配装置10の間に直列に挿入されており、電力線3に設けられている。電流センサ20は、検出結果を制御装置140が備える制御部144に出力する。なお、電流センサ20を設ける位置は、特に限定されず、電源1とヒューズ2の間に直列に挿入してもよい。
本実施形態の制御装置140は、上述した実施形態に係る制御装置40と比べて、制御部144が異なる以外は、同様の構成を備えているため、上述した実施形態の説明を援用する。
本実施形態の制御部144は、複数の負荷の一部に電力を供給している状態において、突入電流が発生すると、半導体スイッチ11a、12a、13aをPWM制御する。具体的に、制御部144は、電流センサの検出結果から、電源1から負荷21〜23のいずれかに電力を供給しているか否かを判定する。例えば、制御部144は、電流センサにより検出された電流値が所定の閾値(第1の閾値)よりも大きい場合に、電源1から負荷21〜23のいずれかに電力を供給していると判定する。反対に、制御部144は、電流センサにより検出された電流値が第1の閾値以下の場合に、電源1から負荷21〜23に電力を供給していないと判定する。第1の閾値には、例えば、負荷21〜23の定常電流の平均値が挙げられる。なお、第1の閾値は上記平均値に限定されず、他の値を用いてもよい。
制御部144は、電源1から負荷21〜23に電力を供給しているか否かを判定するとともに、上位コントローラ30から入力される指示信号を監視する。そして、制御部144は、電源1から負荷21〜23のいずれかに電力を供給中と判定している間に、上位コントローラ30の指示より、半導体スイッチ11a、12a、13aのいずれかをオンさせる必要がある場合に、設定された各半導体スイッチのデューティ比に基づいて、半導体スイッチ11a、12a、13aをPWM制御する。例えば、制御部144は、電流センサ20により検出された電流値が第1の閾値よりも大きい状態において、半導体スイッチ11a、12a、13aのいずれかをオンさせる指示信号を受信すると、半導体スイッチ11a、12a、13aのPWM制御を開始する。
なお、制御部144は、上述した実施形態に係る制御部44と同様の方法により、PWM制御を実行する。PWM制御の方法については、上述した実施形態の説明を援用する。
また、制御部144は、PWM制御する前に既にオン状態であった半導体スイッチと、上位コントローラ30からオンさせる指示を受けている半導体スイッチに対して、PWM制御を行う。例えば、半導体スイッチ11aのみがオンしており、負荷21に電源1の電力を供給している状態において、制御部144は、半導体スイッチ12aをオンさせる指示信号を受信すると、半導体スイッチ11a、12aに対してPWM制御を開始する。この時に、制御部144は、オフしている半導体スイッチ13aに対してPWM制御を行わない。
次に、本実施形態において、PWM制御が行われる場面と、ヒューズ2に流れる突入電流について、図7を参照しながら説明する。図7(A)は、本発明の第2実施形態において、2つの半導体スイッチのうち一方の半導体スイッチに入力される駆動信号を示し、図4(A)に対応する。図7(B)は、他方の半導体スイッチに入力される駆動信号を示し、図4(B)に対応する。図7(C)は、図7(A)及び図7(B)に示す駆動信号で各半導体スイッチがスイッチングした場合の、各負荷及びヒューズ2に流れる電流の推移を示す図である。なお、図7(A)〜図7(C)に示す一点鎖線、点線、実線については、図4(A)〜図4(C)を用いて説明した内容を援用する。
図7(A)及び図7(B)に示すように、時間0〜tonでは、制御装置140は、半導体スイッチ11aをオンさせているのに対し、半導体スイッチ12aをオフさせている。この期間では、負荷21のみに電源1の電力が供給されている。
時間tonにおいて、制御装置140は、上位コントローラ30から半導体スイッチ12aをオンさせる指示信号を受信すると、半導体スイッチ11a、12aに対してPWM制御を開始する。図7の例では、制御装置140は、デューティ比50%で半導体スイッチ11aをスイッチングさせる。また、制御装置140は、デューティ比80%で半導体スイッチ12aをスイッチングさせる。
時間tonにおいて、半導体スイッチ12aはオフ状態からオン状態となるため、電源1から負荷22の方向に突入電流が流れる。しかし、半導体スイッチ12aは、デューティ比80%でスイッチングするため、負荷22に流れる突入電流(電流値Imax1)は低減される。この時、半導体スイッチ11aは、デューティ比50%でスイッチングするため、負荷21には、定常電流のおよそ半分程度の電流(電流値Istat2)が流れる。ヒューズ2には、負荷21に流れる定常電流と負荷22に流れる突入電流との総和の電流(電流値Imax12)が流れる。負荷21、22に流れる電流は、PWM制御によりそれぞれ低減されるため、ヒューズ2に流れる突入電流も低減される。そのため、図7(C)に示す突入電流のピーク(電流値Imax12)がヒューズ2に発生する場合、このピークよりも高い電流値Ith2で溶断するようなヒューズ2を選定することが考えられる。
なお、上述した実施形態と同様に、制御装置140は、PWM制御の実行を開始し、所定時間が経過した後に、半導体スイッチ11a、12aをオンさせる処理を実行してもよい。所定時間は、上述した実施形態の時間と同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
このように、本実施形態では、電力供給システム200は、電源1からヒューズ2を介して半導体スイッチ11a、12a、13aへ流れる電流の電流値を検出する電流センサ20を備えている。また、制御装置140は、電流センサ20により検出された電流値から、電源1の電力を負荷21〜23のいずれかに供給中と判定している間に、半導体スイッチ11a、12a、13aのうちいずれか1つ以上の半導体スイッチをオンさせる指示信号を受信した場合に、複数の半導体スイッチのPWM制御を開始する。これにより、ヒューズ2に電流が流れている状態でさらに突入電流が発生したとしても、当該突入電流を低減できる。その結果、定常状態において、負荷に電力を与える電源投入シーケンスに対して、ヒューズ2の溶断を防止するとともに、ヒューズ2の大きさを抑制できる。
本実施形態における「電流センサ20」は本発明における「電流センサ」の一例に相当する。
次に、上述した2つの実施形態と異なる場面で半導体スイッチをPWM制御する電力供給システム300の一例について説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る電力供給システム300を示す概要図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
本実施形態の制御装置240は、上述した2つの実施形態に係る制御装置40、140と比べて、制御部244が異なる以外は、同様の構成を備えているため、上述した実施形態でした説明を援用する。
本実施形態の制御部244は、複数の負荷に電力を供給している状態において、ヒューズ2に流れる電流がヒューズ2の定格電流以上になると、半導体スイッチ11a、12a、13aをPWM制御する。具体的に、制御部244は、電流センサの結果から、電源1から負荷21〜23に電力を供給しているか否かを判定する。例えば、制御部244は、電流センサにより検出された電流値が所定の閾値(第2の閾値)よりも大きい場合に、電源1から負荷21〜23に電力を供給していると判定する。反対に、制御部244は、電流センサにより検出された電流値が第2の閾値以下の場合に、電源1から負荷21〜23に電力を供給していないと判定する。第2の閾値には、例えば、負荷21〜23の定常電流の総和よりも若干小さい電流値が挙げられる。なお、第2の閾値は上記電流値に限定されず、他の値を用いてもよい。
制御部244は、電源1から負荷21〜23に電力を供給しているか否かを判定するとともに、電流センサ20の検出結果に基づきヒューズ2に流れる電流を監視する。そして、制御部244は、電源1から負荷21〜23に電力を供給中と判定している間に、電流センサ20により検出された電流値が第3の閾値以上になる場合に、設定された各半導体スイッチのデューティ比に基づいて、半導体スイッチ11a、12a、13aをPWM制御する。第3の閾値には、ヒューズ2の定格電流の電流値が挙げられ、第2の閾値よりも大きい値が好ましい。
例えば、ヒューズ2として、定格電流が負荷21〜23の定常電流の総和よりも大きいヒューズを用いたとする。この場合、制御部244は、電流センサ20により検出された電流値が、ヒューズ2の定格電流以上になると、半導体スイッチ11a、12a、13aのPWM制御を開始する。
なお、制御部244は、上述した2つの実施形態に係る制御部44、144と同様の方法により、PWM制御の処理を実行する。PWM制御の方法については、上述した実施形態でした説明を援用する。
次に、本実施形態において、PWM制御が実行される場面と、ヒューズ2に流れる電流について、図9を参照しながら説明する。図9(A)は、本発明の第3実施形態において、2つの半導体スイッチのうち一方の半導体スイッチに入力される駆動信号を示し、図9(A)に対応する。図9(B)は、他方の半導体スイッチに入力される駆動信号を示し、図4(B)、図7(B)に対応する。図9(C)は、図9(A)及び図9(B)に示す駆動信号で各半導体スイッチがスイッチングした場合の、ヒューズ2に流れる電流の推移を示す図である。なお、図9(A)〜図9(C)に示す実線については、図4(A)〜図4(C)で説明した内容を援用する。
図9(A)及び図9(B)に示すように、時間0〜tabでは、制御装置140は、半導体スイッチ11a、12aをオンさせている。この期間では、負荷21、22に電源1の電力が供給されている。ヒューズ2には、負荷21の定常電流と負荷22の定常電流の総和の電流が流れている。また、制御装置240は、電流センサ20の検出結果に基づいて、ヒューズ2に流れる電流を監視している。
ここで、時間tabにおいて、電力供給システムに何らかの異常状態が発生したとする。異常状態としては、例えば、電力分配装置10と負荷21、22の間の配線で発生する地絡又は天絡、負荷21、22の故障等が挙げられる。このような異常状態により、図9(C)に示すように、時間tabにおいて、ヒューズ2に流れる電流は上昇し始める。なお、異常状態は特に限定されるものではない。
時間tpwmにおいて、ヒューズ2に流れる電流は、電流値Ith_pwmに到達する。図9の例では、電流値Ith_pwmをヒューズ2の定格電流相当とする。この場合、制御装置240は、電流センサ20により、ヒューズ2に流れる電流値が定格電流以上なったことを検出し、半導体スイッチ11a、12aに対してPWM制御を開始する。
図9(A)及び図9(B)の例では、制御装置240は、時間tpwm以降、デューティ比50%で半導体スイッチ11aをスイッチングさせる。また、制御装置240は、デューティ比80%で半導体スイッチ12aをスイッチングさせる。
制御装置240により、半導体スイッチ11a、12aはスイッチング動作を行うため、負荷21、22に流れる電流(不図示)は、それぞれ低減される。そのため、図9(C)に示すように、ヒューズ2に流れる電流のピーク(電流値Imax12)を低減させることができる。これにより、ヒューズ2に定格電流を超える電流値の電流が流れたとしても、直ちに電流値を抑制することができ、ヒューズ2の溶断を防止することができる。
このように、本実施形態では、制御装置240は、電流センサ20により検出された電流から、電源1の電力を負荷21〜23に供給中と判定している間に、ヒューズ2に流れる電流がヒューズ2の定格電流以上になる場合に、半導体スイッチ11a、12a、13aのPWM制御を開始する。これにより、ヒューズ2に流れる電流を低減することができ、異常状態によるヒューズ2の溶断を防止できる。また、負荷21〜23に対して過電流を流すことを防止できるため、負荷21〜23が故障する事態を予め排除できるという効果も得られる。
次に、上述した3つの実施形態と異なる方法で各負荷に流す電流値を調整する電力供給システム400の一例について、図10を参照しながら説明する。図10は、本発明の第4実施形態に係る電力供給システム400を示す概要図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
電力供給システム400は、図10に示すように、電源1、ヒューズ2、8、電力線3、9、25、負荷21〜24、上位コントローラ30、電力分配装置110、及び制御装置340を備えている。
電源1は、ヒューズ2、電力線3、25及び電力分配装置110を介して、負荷21、22に対して電力を供給している。また、電源1は、ヒューズ8、電力線9、25及び電力分配装置110を介して負荷23、24に対して電力を供給している。電源1と接続する電力線25は、2本に分岐してそれぞれヒューズ2、8の一端と接続している。
本実施形態では、電源1と電力分配装置110の間に2つのヒューズ2、8が設けられている。以降では、ヒューズ2を介して電源1の電力が供給される負荷21、22を第1グループと称し、ヒューズ8を介して電源1の電力が供給される負荷23、24を第2グループと称する。なお、図10の例では、電源1と電力分配装置110の間に2つのヒューズを設けているため、第1グループと第2グループの2つのグループで表せるが、グループの数は特に限定されず、3以上であってもよい。例えば、電源1と電力分配装置110の間には、ヒューズをm個設けてもよい。m個は2以上の自然数である。また、第1グループ及び第2グループともに、2つの負荷が含まれているが、各グループの負荷の数は特に限定されない。例えば、第1グループの負荷の数と、第2グループの負荷の数は異なっていてもよい。
電力分配装置110は、第1グループに対応した、半導体デバイス11、12を備え、第2のグループに対応した、半導体デバイス13、14を備えている。それぞれの半導体デバイスに含まれる半導体スイッチ11a、12a、13a、及び14aのゲート電極には、制御装置340の駆動部343から駆動信号が入力される。なお、半導体デバイス、半導体スイッチの説明は、上述した実施形態の説明を援用する。
制御装置340は、各グループごとに、負荷の優先順位、及び当該優先順位に応じて半導体スイッチ11a、12a、13aそれぞれに設定されたデューティ比を記憶している記憶部342と、上述した実施形態に係る制御部44が実現する機能を、各グループごとに実行する制御部344を有する。
記憶部342は、第1グループの情報として、ヒューズ2の溶断特性、負荷21、22の優先順位、及び当該優先順位に応じて設定された半導体スイッチ11a、12aそれぞれのデューティ比を記憶している。また、記憶部342は、第2グループの情報として、ヒューズ8の溶断特性、負荷23、24の優先順位、及び当該優先順位に応じて設定された半導体スイッチ13a、14aそれぞれのデューティ比を記憶している。なお、各グループごとに記憶している情報については、上述した実施形態の説明を援用する。
制御部344は、上位コントローラ30からの指示信号により、複数の負荷に電力を供給していない状態、いわゆる、無負荷の状態において、複数の半導体スイッチを同時にオンさせる必要がある場合、各グループごとに、半導体スイッチ11a、12a、13a、14aをPWM制御する。例えば、半導体スイッチ11a、12a、13a、14aを同時にオンさせる指示信号が入力されると、制御部344は、第1グループの処理として、半導体スイッチ11a、12aそれぞれのデューティ比に基づいて、半導体スイッチ11a、12aそれぞれをスイッチングさせる制御信号を生成する。また、制御部344は、第2グループの処理として、半導体スイッチ13a、14aそれぞれのデューティ比に基づいて、半導体スイッチ13a、14aそれぞれをスイッチングさせる制御信号を生成する。なお、半導体スイッチをスイッチングさせる制御信号の生成については、上述した実施形態の説明を援用する。
例えば、負荷21が負荷22よりも優先順位が高く、かつ、負荷23が負荷24よりも優先順位が高いものとする。記憶部342は、優先順位に応じて設定されたデューティ比として、半導体スイッチ11aのデューティ比90%、半導体スイッチ12aのデューティ比60%を記憶しているとする。さらに、記憶部342は、優先順位に応じて設定されたデューティ比として、半導体スイッチ13aのデューティ比90%、半導体スイッチ14aのデューティ比70%を記憶しているとする。
この場合、制御部344は、半導体スイッチ11a、12a、13a、14aを同時にオンさせる指示信号が入力されると、第1グループの処理として、半導体スイッチ11aをデューティ比90%でスイッチングさせる制御信号を生成するとともに、半導体スイッチ12aをデューティ比60%でスイッチングさせる制御信号を生成する。また、制御部344は、第2グループの処理として、半導体スイッチ13aをデューティ比90%でスイッチングさせる制御信号を生成するとともに、半導体スイッチ14aをデューティ比70%でスイッチングさせる制御信号を生成する。
制御部344が上記処理を実行した結果、負荷21に流れる実質的な電流値は90%に制限され、負荷22に流れる実質的な電流値は60%に制限される。また、負荷23に流れる実質的な電流値は90%に制限され、負荷24に流れる実質的な電流値は70%に制限される。なお、半導体スイッチ11aと半導体スイッチ13aのデューティ比は同じ値であるが、これに限定されず、各グループごとに異なるデューティ比であってもよい。
このように、本実施形態では、それぞれの一端が電源1と電気的に接続する複数のヒューズ2、8を備えている。また、半導体スイッチ11a、12aはヒューズ2の他端と負荷21、22の間をそれぞれ電気的に接続し、半導体スイッチ13a、14aはヒューズ8の他端と負荷23、24の間をそれぞれ電気的に接続している。これにより、優先順位が最も高い負荷が複数存在したとしても、これらの負荷に対して電流を大幅に減らすことなく、電力を供給することができ、その結果、電源投入シーケンスにおいて、できるだけ多くの電力を必要とする負荷が複数存在するような電力供給システムに対して、柔軟に対応できるとともに、各ヒューズの大きさを抑制できる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上述した第1〜4実施形態では、負荷の優先順位に応じて半導体スイッチに個別に設定されたデューティ比を記憶部42が記憶している構成を例示したが、これに限定されない。例えば、制御部44は、記憶部42に記憶している優先順位から、半導体スイッチ個別に設定するデューティ比を算出してもよい。
また、例えば、上述した第3実施形態では、全ての負荷21〜23に電力を供給している状態において、ヒューズ2に流れる電流がヒューズ2の定格電流以上となる場合に、半導体スイッチ11a、12a、13aのPWM制御を開始する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、2つの負荷21、22に電力を供給した場合に定格電流を超えず、全ての負荷21〜23に電力を供給した場合に定格電流を超えるようなヒューズ2を選定したとする。そして、半導体スイッチ11a、12aをオン状態に固定して、負荷21、22に電力を供給している状態において、上位コントローラ30の指示により、半導体スイッチ13aをオンさせる。半導体スイッチ13aがオンするため、全ての負荷21〜23への電力供給を開始し、ヒューズ2に流れる電流が上昇する。制御部244は、電流センサ20の検出結果から電源1の電力を負荷21、22に供給中と判定している間に、ヒューズ2に流れる電流がヒューズ2の定格電流以上になる場合に、半導体スイッチ11a、12a、13aのPWM制御を開始する構成にしてもよい。これにより、電流が流れる全ての負荷を考慮することなく、ヒューズ2の定格電流を決定できるため、ヒューズ2の定格電流を低減させることができる。
さらに、上述した第4実施形態では、第1実施形態に係る制御部44の機能を実現する制御部344を例示したが、これに限定されない。例えば、制御部344は、第2、3実施形態に係る制御部144、244の機能を実現してもよいし、これらの機能を組み合わせた機能を実現してもよい。
1…電源
2…ヒューズ
3…電力線
4…配線
5…配線
6…配線
10…電力分配装置
11…半導体デバイス
11a…半導体スイッチ
11b…還流ダイオード
12…半導体デバイス
12a…半導体スイッチ
12b…還流ダイオード
13…半導体デバイス
13a…半導体スイッチ
13b…還流ダイオード
21…負荷
22…負荷
23…負荷
30…上位コントローラ
40…制御装置
41…受信部
42…記憶部
43…駆動部
44…制御部
2…ヒューズ
3…電力線
4…配線
5…配線
6…配線
10…電力分配装置
11…半導体デバイス
11a…半導体スイッチ
11b…還流ダイオード
12…半導体デバイス
12a…半導体スイッチ
12b…還流ダイオード
13…半導体デバイス
13a…半導体スイッチ
13b…還流ダイオード
21…負荷
22…負荷
23…負荷
30…上位コントローラ
40…制御装置
41…受信部
42…記憶部
43…駆動部
44…制御部
Claims (6)
- 電源の電力を複数の負荷に供給する電力供給システムであって、
一端が前記電源と電気的に接続するヒューズと、
前記ヒューズの他端と前記複数の負荷の間にそれぞれ電気的に接続された複数の半導体スイッチと、
前記半導体スイッチのオン及びオフの指示信号を受ける受信部を有し、前記複数の半導体スイッチのオン及びオフを制御する制御装置と、
前記電源から前記ヒューズを介して前記複数の半導体スイッチへ流れる電流を検出する電流センサと、を備え、
前記制御装置は、前記受信部の受信結果及び前記電流センサの検出結果の少なくとも一方に基づいて、前記複数の半導体スイッチをPWM制御する電力供給システム。 - 請求項1に記載の電力供給システムであって、
前記制御装置は、前記複数の半導体スイッチを同時にオンさせる指示信号を前記受信部が受信した場合に、前記複数の半導体スイッチのPWM制御を開始する電力供給システム。 - 請求項1又は2に記載の電力供給システムであって、
前記制御装置は、前記電流センサの検出結果から前記電源の電力を前記負荷へ供給中と判定している間に、前記複数の半導体スイッチのうちいずれか1つ以上の半導体スイッチをオンさせる指示信号を前記受信部が受信した場合に、前記複数の半導体スイッチのPWM制御を開始する電力供給システム。 - 請求項1〜3の何れか一項に記載の電力供給システムであって、
前記制御装置は、前記電流センサの検出結果から前記電源の電力を前記負荷へ供給中と判定している間に、前記電流センサにより検出された前記電流が前記ヒューズの定格電流以上になる場合に、前記複数の半導体スイッチのPWM制御を開始する電力供給システム。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の電力供給システムであって、
前記制御装置は、前記電源から前記負荷へ前記電力を供給する優先順位を記憶している記憶部を有し、前記優先順位に応じて各半導体スイッチに個別に設定されたデューティ比に従って、前記複数の半導体スイッチをPWM制御する電力供給システム。 - 請求項1〜5の何れか一項に記載の電力供給システムであって、
前記ヒューズは、それぞれの一端が前記電源と電気的に接続する複数のヒューズを含み、
前記複数の半導体スイッチは、個々の前記ヒューズの他端と前記複数の負荷の間をそれぞれ電気的に接続する電力供給システム。
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