図1を参照すると、本発明による製造チェーン101は、付加製造機械103a、103b、および103cに相異なる特性を有する粉体を供給するための粉体供給源102を備える。付加製造機械は、特許文献5に記載されているようなものでよい。粉体供給源は、相異なる材料の粉体、および/または同一の材料の粉体であるが、相異なる粒子サイズ分布および/または形態などの相異なる粉体特性の粉体を供給することができる。
移送コンベヤ104は、付加製造機械103a、103b、および103cから、別の機械105から110の間で中間工作物生成物を移送するためのカルーセル113に中間工作物生成物を移送する。移送コンベヤ104はまた、次の構築のために、カルーセル113から付加製造機械103a、103b、103cに再調整済み基板を移送する。
機械105は、工作物から熱応力を軽減するための熱処理ステーションである。機械106は、中間工作物からの材料を機械加工するためのCNC機械である。機械107は、工作物の研磨のためのものである。機械108は、EDM機械などの、構築基板およびサポートからの工作物の除去のためのものである。機械109は、工作物の検査のためのものであり、機械110は、構築基板を再調整するための研削工具である。
矢印111は、製造チェーンからの、完成した工作物の除去を示し、矢印112は、製造プロセス中に生成された工作物の製造に関する検証データの供給を示す。検証データは、製造チェーンのいくつかの機械103および105から110によって生成することができる。
コンピュータ130が、機械102から110およびカルーセル113に接続され、以下で説明するように、命令を生成し、機械102から110に送ることによって機械を制御する。コンピュータ130は、ユーザインターフェース、この実施形態ではユーザ入力のためのキーボード134、ディスプレイ133、メモリ132、およびプロセッサ131を備える。メモリ132上のコンピュータプログラムが、プロセッサ131によって実行されるとき、以下で説明するステップをコンピュータ130に実行させる。
図2および3を参照すると、コンピュータプログラムは、付加構築を設計し、工作物を構築するために付加製造機械103aから103cのうちの1つが従う命令306を生成するためのソフトウェアモジュール305を含む。コンピュータプログラムは、CADデータ302内で指定されるAM構築設計および設計意図に基づいて、最終的な工作物の製造のための、別の機械102および104から110に対する別の命令308から314を生成するためのソフトウェアモジュール307をさらに含む。
製造チェーン101を使用して工作物を構築するために、ユーザは、構築すべき工作物218を定義するMBDデータ302の形式などの幾何学データをコンピュータ130上にロードする。コンピュータ103は、MBDデータから標準テッセレーションファイル(STLファイル)を生成し、STLファイルは工作物218の表面幾何形状を記述する。
工作物218は、図2に示されるようにユーザインターフェースで表現される。そのようなユーザインターフェースは、ディスプレイ133上に表示することができる。ユーザインターフェースは、構築プラットフォーム/基板204の、および利用可能な構築体積217のグラフィカル表現を含む。ユーザは、構築体積217内の工作物218を配向および配置するために、入力装置134を通じてコンピュータ130と対話する。
構築プロセスには、設計、セクショニング、走査経路の決定、および構築を制御するためのデータの出力という4つのステージがある。ユーザは、工作物218を選択し、次いでポインティングデバイスで、またはタッチスクリーンをタッチすることによってアイコン/グラフィカルボタン222、223、224、および225を選択することによって、各工作物についての各ステージ間を切り換えることができる。ボタン222から225は、特定の工作物について選択されたプロセスのステージをユーザに示すために、色を変更し、あるいは外観を変更することができる。
設計段階では、ユーザは、構築体積217内に工作物を配置および配向することができる。このことは、工作物を選択するためのポインティングデバイス/タッチと、工作物を配向および配置するためのボタン/キー操作の適切な組合せおよび工作物を配向および配置するためのポインタ/フィンガの移動とを使用して達成することができる。ユーザが構築体積内の工作物の配向および位置に満足すると、ユーザは、工作物、次いで「セクション」ボタン223を選択することができ、そのことは、プロセッサ131に、工作物および任意のサポートを、層ごとの選択的レーザ溶融プロセスで構築すべきセクションにスライスさせる。このステージを切り換えることによって、選択された工作物の向き、場合によっては位置も固定することができ、ユーザは、向きおよび位置を変更するために「設計」ステージに再び切り換えなければならない。工作物の再配向は、工作物を再スライスすることを必要とし、従来のデスクトップコンピュータでは工作物をスライスするのにかかる時間(工作物の形状およびサイズに依存するが、通常は数十秒)は、工作物の再配向と共にリアルタイムに再スライシングが実施された場合、ユーザフレンドリな体験を提供するには長過ぎることになる。しかしながら、適切に高速なコンピュータは、受け入れられる時間枠内に工作物のリアルタイム再スライシングを実施することができ、したがって、向きの変化に伴う「リアルタイム」の工作物の再スライシングが、受け入れられるユーザ体験を提供することができる。そのようなシナリオでは、ユーザがセクショニングステージに切り換えるとき、工作物の向きを固定する必要はないことになる。z軸の周りの工作物の回転の向きおよび工作物の位置は、工作物に対するセクショニングに影響を及ぼさない。したがって、一実施形態では、ユーザは、スライシング操作後にこれらの属性を変更することができる。
ユーザは、区間ステージの層厚さを選択することができ、工作物のスライスは、選択された層厚さに従って決定される。
次いでユーザは、「セクション」ステージにある1つまたは複数の工作物を選択し、ボタン224を使用して走査経路ステージに切り換えることができる。このステージの間に、プロセッサ131は、選択された工作物およびサポートの各セクションを形成するときの、レーザについての走査経路を決定する。走査経路は、工作物について選択されたパラメータセットに従って決定される。パラメータセットは、レーザ出力、ポイント距離、ポイント露出時間、スポットサイズ、ハッチ距離、および場合によっては、境界走査、層間の走査の方向の回転、格子じま走査パターンの正方形、および/またはストライプ走査パターンのストライプを定義することのできる他のパラメータを含む。
ユーザは、工作物/走査経路の他のスライスをまだ決定しようとする間に、既に決定された工作物および/または走査経路のスライスを閲覧することができる(例えば、特許文献6参照。)。
最終ステージでは、走査経路および他の幾何学データが、工作物の構築を制御するために付加製造装置に出力される。ユーザは、ボタン225を選択することによってこの操作を活動化する。
設計ステージ、セクショニングステージ、および走査経路ステージの間に、ユーザは、構築中の工作物を支持するためのサポート238を生成することができる。
工作物およびサポートについてのデータ構造が説明されている(例えば、参照により本明細書に組み込まれる特許文献5参照。)。具体的には、操作が、ある工作物に対して実施すべきスライスおよび/または走査パラメータ、例えば走査経路を、共通の構築体積内に配置される別の工作物に対する操作を実施することなく決定することを可能にするデータ構造が説明されている(例えば、特許文献5参照。)。
付加製造のための設計の間に、ユーザは、機械チェーンの後続の製造ステップで使用するために、工作物に特徴を追加することを望むことがある。ユーザインターフェースは、構築にそれぞれ特徴232から236を追加するためにユーザによって選択することのできるアイコン227から231を含む。
特徴235aおよび235bは、z軸Zmと共に、工作機械106などでの後続の処理のために工作物を取り付けるための取付けフォーメーションである。取付けフォーメーションは、軸によって工作物218に接続された3つのボール(そのうちの2つだけが図示されている)を備え、ボールは、工作機械上のマウントの溝で受けられるように構成される。例えば、溝を受ける各ボールは、1対の平行ローラによって定義することができ、溝は、工作物の位置を6つの自由度で定義するために様々な方向に向く。このようにして、ローラと組み合わせたボールは、工作機械上の反復可能な位置に工作物218を配置するための運動マウントを形成する。ユーザは、工作機械内の工作物218の所望の向きZmを定義することができ、プロセッサ131は、工作物が工作機械に対してこの向きを有するように、工作物218上の各取付けフォーメーション235a、235bについての位置、したがって構築体積内の位置を自動的に決定することができる。
特徴233は、工作物を識別するための識別タグである。構築の各工作物についての、場合によっては付加製造機械103aから103c上の一連の構築にわたる一意識別子を有する識別タグを生成するためのアルゴリズムが提供される。識別子は、機械105から110上のリーダによって読み取ることのできる英数字文字、1Dまたは2Dバーコードなどでよい。識別タグは、製造チェーンを通じて工作物218の追跡を可能にすることができる。
特徴234は、工作機械や研磨機械などの後続のサブトラクティブ製造プロセスによって除去すべき工作物218の要素237の公称寸法を超える材料である。工作物の要素237が、付加製造プロセスを使用して製造するには小さ過ぎる/脆弱過ぎると見なされるので、材料234が追加されることがあり、または材料234は、MBD/STLファイルで指定される寸法に対する、特徴を生成するための付加製造機械の限界の結果であることがある。
特徴236a、236b、236cは、測定機械109によって実施される測定プロセスでの基準、および場合によっては工作機械106に取り付けられたプローブとして使用するためのランドマーク特徴である。この実施形態では、ランドマーク特徴236a、236b、236cは、球体の中心を決定するために接触プローブまたは光学プローブで測定することのできる球体である。測定された球体の中心の位置は、6つの自由度で工作物の位置を決定するために使用することができる。後続のサブトラクティブ製造プロセスは、ランドマーク特徴を測定して、サブトラクティブプロセスの前、またはサブトラクティブプロセス中の工作物の位置を決定することを含むことができる。機械加工すべき工作物の要素の位置、またはランドマーク特徴に対して除去すべき、許容値などの他の特徴を、付加製造プロセスを駆動するために使用される幾何学データから推論することができ、すなわちランドマーク特徴と機械加工すべき要素/特徴の両方が付加製造プロセスを使用して構築されたので、その相対位置は、付加製造プロセスで達成可能な公差以内で知られている。
各スライスを形成する際に行うレーザビームについての走査経路などの付加命令が、必要とされる付加製造機械103aから103cに送られる。モジュール305によって決定された付加構築の特徴を指定する、付加命令を含むことのできるファイル306が、工作物318についてのMBDデータ302と共にモジュール307に送られる。
モジュール307は、付加構築データおよびMBDデータに基づいて、製造チェーンの別の機械102および105から110に対する別の命令を決定する。モジュール307は、構築データに従って付加構築で生成される中間工作物生成物、およびこの中間工作物生成物がMBDで定義される工作物とどれほど異なるかを決定し、これらの違いに基づいて別の命令102を生成する。
モジュール307は、付加構築の特徴およびMBDデータ302の特徴から、粉体供給源102によって送達すべき、粒子サイズおよび/またはバージン粉体もしくは回収された粉体などの量、粉体タイプ、および粉体特性を決定し、粉体供給源102にそのような粉体を供給させる命令308を生成するように構成される。モジュール307は、付加構築で圧密されている材料の体積から、送達すべき粉体量を決定する。後続の粉体層が形成されるとき、圧密された材料の上に形成される空洞を充填する必要があるので、圧密されていない粉体に対する圧密された材料の層厚さの違いの結果、必要な粉体量の、構築に依存する変動が生じるからである。圧密された材料と粉体層の厚さの間の既知の違い、および圧密される材料の面積から、モジュール307は、構築のために必要な粉体量を決定することができる。モジュール307は、MBDデータ302から粉体タイプを決定する。モジュール307は、付加構築について指定される層厚さ、およびMBDデータで指定される、材料純度などの品質要件から、必要とされる粉体特性を決定する。例えば、ユーザがより薄い層と共に構築を実施することを選ぶ場合、より小さい粒子サイズを有する粉体が必要とされることがある。高い材料純度がMBDデータで指定される場合、回収された粉体ではなく、バージン粉体が必要とされることがある。
ソフトウェアは、工作物を製造するための様々なオプションをユーザに表示する。例えば、付加機械を使用してMBDデータで指定される公称寸法により近い工作物を構築するために、ユーザがより薄い層を選ぶ場合、この結果、構築がより低速となり、粉体に対する要件がより厳しくなることがある。しかしながら、ユーザがより厚い層を選ぶ場合、この結果、付加的に製造された工作物が公称寸法からより大きい変動を伴うことがあり、したがって、工作機械106内の工作物の後続の機械加工でより多くの材料を除去しなければならないが、付加構築がより高速となり、粉体に対する要件の厳しさが低くなる。例えば、影の特徴234は、公称特徴237に比べて、付加製造プロセスで構築される実際の特徴を示すことがある。ソフトウェアは、ユーザが層厚さ、レーザ出力、スポットサイズ、ポイント距離、および露出時間または走査速度などの付加構築のパラメータを変更し、これらのパラメータの変動に応答して、これらの新しいパラメータと共に付加製造機械で構築される中間工作物生成物についての予想寸法を再計算することを可能にすることができる。コンピュータ130はまた、後続の機械加工などの後続の処理に対する影響をユーザに表示することができる。次いでユーザは、製造チェーン101に対するこれらの予測される効果に基づいて、付加構築について使用されるパラメータを選択することができる。
付加構築の設計は、いくつかの方式で工作機械106によって実施すべき機械加工プロセスに影響を及ぼすことがある。第1に、ユーザは、サポート238、取付けフォーメーション235a、235b、ランドマーク特徴236a、236b、236cなどの特徴を、製造チェーンで使用するために工作物に追加することを選択することができる。これらの特徴は、後続のステップで除去する必要があることがある。特徴の除去は、工作機械106を使用して実施することができる。第2に、付加構築中に形成された望ましくない材料を除去するために、工作物を機械加工することができる。例えば、付加製造機械103は、MBDデータで指定される公称寸法に工作物を構築することができないことがある。モジュール307は、工作機械106についてのG−codeなどの命令309を生成して、工作物からこの材料を工作機械106に除去させる。
工作機械106によって過剰な材料を機械加工して除去し、MBDデータに準拠する(例えば、MBDデータと名目上同一の)工作物を形成することができる。モジュール307は、構築体積内の工作物の層厚さおよび向きなどの付加構築パラメータから、過剰な材料の発生を予測することができる。具体的には、垂直線に対してある角度で構築された表面が、層厚さによって規定される階段状プロファイルを含むことになる。モジュール307は、付加構築データ306から表面の階段状プロファイルを決定し、工作機械106が材料を除去して、MBDデータで定義される、より平坦な表面プロファイルに階段状表面プロファイルを修正するための命令309を生成することができる。
さらに、工作物の特徴に対する追加のサポートを提供するなどの目的に有利であることがあるように、付加的に構築された工作物に材料の許容値を意図的に追加することができる。例えば、工作物の小さい構造を、これらの特徴が付加製造プロセス中に変形しないことを保証するように拡大することができる。モジュール307は、工作機械106がそのような許容値を除去するための命令309を生成することができる。
モジュールは、工作物が処理される時間の長さや温度などのパラメータを指定する、熱処理工具105に送るべき命令310を決定する。例えば、このことは、部品のサイズ、および熱モデルから決定される、AM構築部品内に生じると予想される熱応力に基づくことができる。
モジュール307は、工作物の研磨のために機械107に送るべき命令311を決定する。工作物が研磨を必要とする範囲は、工作物の表面への粉体粒子の焼結に影響を及ぼす付加パラメータによって実施することができる。モジュール307は、工作物の表面で生じる可能性がある焼結量を予測し、工作物の表面に焼結された材料の予測厚さに基づいて研磨機械107への命令を生成するために、熱モデルなどのモデルを使用することができる。
モジュール307は、構築基板およびサポートからの工作物の除去のためにEDM機械108に送るべき命令312を決定する。モジュール307は、付加構築で構築される支持構造323に基づいて、EDM機械308に対する命令312を決定する。
モジュール307は、工作物の検査のために機械109に送るべき命令312を決定する。工作物は、製造チェーン内の製造の様々なステージで測定することができる。測定すべき寸法は、前述の実施すべき機械加工ステップおよび研磨ステップに依存することがあり、機械加工ステップおよび研磨ステップは付加構築の設計に依存する。
モジュール307は、構築基板を再調整するために研削工具110に送るべき命令312を決定する。後続の付加構築のために構築基板が再調整を必要とする範囲は、構築基板上に何が構築されていたかに依存することがある。例えば、底部支持構造が2つの連続する付加構築で同一であるべきである場合、元の付加的に構築された支持構造を、後続の付加構築で使用することができる。これを決定するために、モジュール307は、製造すべき後続の工作物に関するデータ303を受信することができる。例えば、モジュール307は、工作物が製造チェーンによって製造すべき複数の名目上同一の工作物のうちの1つであるかどうかに関するデータ303を受信することができる。
上記に加えて、工作物の製造は、中間工作物生成物上に材料を付加的に圧密する別のステップを含むことができる。例えば、工作物は、相異なる材料の相異なる部分を含むことができる。モジュール307は、工作物の先に付加的に構築された部分についての構築設計に基づいて、工作物の後で付加的に構築される部分の構築を適合することができる。各付加機械103a、103b、および103cは、相異なる材料を処理するためのものでよく、工作物は、工作物を製造するために、コンベヤ104を使用して各付加機械103a、103b、103cに適宜に移送される。
付加構築のための走査経路は、後続の機械105から110によって中間工作物生成物に対して実施すべき後続のステップに基づいて適合することができる。図4は、工作物401のスライスを示し、表面405が、製造チェーン内の後のプロセスで機械加工すべき表面と識別されている。
例えば、機械加工すべき表面405をユーザ選択によって識別することができる。プロセッサは、材料を凝固させてスライスを形成するときにレーザビームがたどる走査経路402、403、および404を生成するように構成される。走査経路は、境界(ハル)走査経路402および403ならびにコア走査経路403を含む。表面405が後で機械加工すべき表面と識別されているとき、プロセッサは、この表面403についての境界走査経路402、403を生成しない。
図5は、コンピュータ130などの本発明の装置によって実施される方法を示す。製造チェーンを使用して製造すべき工作物のCADモデルが、コンピュータ130によって受け取られる(501)。CADモデルは、工作物についての幾何学的寸法および公差を含む。コンピュータ130は、CADモデルをチェックして、製造チェーンを使用して工作物を製造することができるかどうかを決定し、能力レポート(または、図6を参照して以下で説明するような、特徴ごとの一連のレポート)を生成する。レポートは、工作物の特徴を、i)付加製造によって生成することのできる特徴、ii)サブトラクティブ製造によって生成することのできる特徴、iii)例えば研磨によって、変形可能に生成することのできる特徴、およびvi)製造チェーンの能力の外部にある特徴に分類する。
例えばディスプレイ133上に表示される警報としてレポートの生成に応答して、工作物を生成するための製造チェーンの識別された能力に基づいて、製造プロセスの設計を続行することが受け入れられるかどうかを示すためにユーザ入力が要求される。例えば、ユーザは、特徴の製造が、特徴を生成するために使用することのできる製造チェーンの外部の他のプロセスにユーザが気付いているときなど、製造チェーンの能力の外部にあると識別される状況でも、製造を続行することに同意することがある。
ユーザ入力が、工作物を製造するための製造チェーンの能力に関するレポートが受け入れられないことを特定する場合、ユーザは、製造チェーンを使用して製造することのできるように工作物のCADモデルを再設計することができる。受け入れられるCADモデル(いわゆる「Final CAD Model(FCM)」)が達成されるまで、このプロセスを反復することができる。
次いで、FCMが、製造チェーンのサブトラクティブ/変形可能機械と共に形成される/仕上げられるべき特徴に材料(許容値)を追加し、製造チェーンの下流側機械105から109のうちの1つまたは複数内の固定具(ほとんどの状況では、CNC機械106の固定具であるが、他の機械も中間工作物生成物を取り付けるための固定具を有することができる)内に付加的に構築される工作物を取り付けるための固定特徴を追加し、後で機械加工すべき工作物のコーナにフィレット半径を追加するように修正される。
ステップ504では、付加構築が、修正後モデルおよびユーザ入力に基づいて設計される。付加構築の設計は、付加構築中に工作物を支持するためのサポート、工作物の複製およびネスティング、および構築基板204からの工作物のz軸オフセットの設計を含む。(以下でより詳細に説明するように)能力レポートを生成するために、工作物を構築すべき向き、層厚さ、走査パラメータなどの他の構築パラメータを先に指定しなければならないことがある。これらの設定から、エネルギービームの走査経路を前述のように計算し、付加製造機械103に対する命令を含む構築ファイル505を生成することができる。
付加CADモデル(ACM)が、付加構築によって生成されるべき予想中間工作物生成物を記述するために、FCMに対する修正、およびサポートが工作物に接続する位置に基づいて生成される(506)。一実施形態では、ACMは、サポート自体のCAD記述を含まず、サポートが工作物に接続する位置だけを含むことがある。この情報は、後続のサポート除去のために十分であることがあるからである。しかしながら、別の実施形態では、ACMはサポートのCAD記述を含む。
図6は、工作物の特徴を生成するための製造チェーンの能力がどのように評価されるかをより詳細に示す。
工作物のCADモデルを受け取るとき、特徴認識モジュールが、工作物の特徴を識別し、ボア、ボス、自由形式表面などの特定のタイプに特徴を分類する。そのような特徴の認識は、従来のソフトウェアを使用して実施することができる。
次いで、製造チェーンを使用してCADモデルで記述される工作物の各特徴を製造することができるかどうかに関して、特徴ごとに評価が行われる。ステップ601では、特徴について、この特徴タイプが製造チェーンによってサポートされるかどうかが決定される。このことは、識別された特徴タイプを、データベース602内に記憶される、サポートされる特徴のセットと比較することによって達成することができる。特徴が非サポートである場合、コンピュータ130は、特徴が未知のタイプであるというフラグ603を生成する。これは、最終能力レポートの部分を形成することができ、または特徴特有のレポートとして生成することができる。
特徴が製造チェーンによってサポートされる場合、システムは、付加製造装置103を使用して特徴の設計意図を達成することができるかどうかを決定する(604)。システムは、公差や表面仕上げ(表面あらさSおよび/またはうねりW)などの、付加製造装置103を使用して達成可能な寸法精度を指定するデータベース605を備える。データベース605内で指定される公差は、サイズ公差および位置公差を含む。データベースは、付加構築の様々なセットアップについて達成可能な寸法精度についての様々な値のセット(または関数)を提供する。例えば、データベースは、特徴タイプ、層厚さ、および走査パラメータの様々な向きについての達成可能な寸法精度についての様々な値のセットを含むことができる。したがって、能力レポートの生成は、付加構築について選択されたパラメータに依存し、したがって、特徴を付加的に製造することができるかどうかに関する評価が行われる前に、付加構築についてのこれらのパラメータを指定しなければならないことがある。システムは、ユーザが能力レポートに応答して構築パラメータを変更し、新しい構築パラメータに基づいて再評価を実施することを可能にすることができる。
付加製造装置だけを使用して特徴を生成することができる場合、特徴が、付加製造装置103を使用して構築すべきであると識別される(606)。そうでない場合、次いで、特徴が評価され(607)、機械105から109上で実施される操作によって設計意図を達成することができるかどうかが決定される。
システムは、サブトラクティブ/変形可能機械105から109を使用して達成可能な公差および表面仕上げ(表面あらさおよび/またはうねり)を指定するデータベース608を備える。データベース605と同様に、データベース608内で指定される公差は、サイズ公差および位置公差を含む。ステップ607では、CADモデル内の特徴について指定される公差および必要とされる表面仕上げが、データベース608内で指定される達成可能な公差および表面仕上げと比較され、サブトラクティブ/変形可能機械105から109を使用して特徴についての設計意図を達成することができるかどうかが決定される。そうである場合、特徴が、サブトラクティブ/変形可能機械105から109のうちの少なくとも1つと、機械105から109を使用して特徴を製造することを可能にするように許容値、基準、および/または固定を含むように修正された(610)CADモデルとを使用して構築すべきであると識別される。
機械105から109を使用して特徴の設計意図を達成することができない場合、製造チェーンが特徴を製造する能力を有さないというフラグが生成される(609)。これは、最終能力レポートの部分を形成することができ、または特徴特有のレポートとして生成することができる。
このプロセスが工作物の各特徴について反復され、最終出力は、工作物の能力レポートおよび修正後CADモデルを含む。付加プロセスで構築されるサポートの位置の修正後CADモデルへの追加は、付加CADモデル(ACM)を与える。
次いで、FCMおよびACMが使用され、各機械105から109に対する命令が生成される。図7は、CNC機械106に対する命令を生成するための方法を示すが、類似の方法を使用して、他の機械105および107から109に対する命令を生成することができる。
コンピュータ130は、CNC機械106で使用される固定具のCADモデルを(例えば、メモリ132から)インポート/取得する(702)。ソフトウェアでは、付加的に製造された中間生成物がどのように固定具上に取り付けられるか(これは、工作物上に構築される固定具に依存する)に基づいて、FCMおよびACMモデルが固定具モデルと位置合せされる(703)。初期工作機械座標系が確立される(704)。プロービングモジュールおよびFCMを使用して、CNC機械106に取り付けられたプローブなどのプローブについてのプロービングシーケンスが作成され(705)、工作物の座標系をCNC機械の座標系と位置合せするために実施される。この実施形態では、このことは、Metrology Software Products Ltdによって供給されるNC−Perfect Part(例えば、特許文献7参照。)を使用して、CNC機械106内の中間工作物生成物の測定された向きに基づいてCNC機械106の座標系を再配向することによって達成される。このステップの間にACMを使用して、(例えば、追加された許容値または固定具に基づいてプローブについてのバックオフ距離を設定することによって)最終工作物の部品を形成しない、固定や許容値などの中間工作物生成物の特徴との望ましくない衝突を回避する走査シーケンスを確立することができる。
付加的に製造された部品の表面仕上げのために、特徴についてのCNC機械を使用して達成すべき必要な公差が達成可能ではないような、CNC機械106内の工作物の向きの著しい不確定性があることがある。したがって、部品位置合せがCNC機械106内の工作物位置の不確定性を考慮に入れた後、必要とされる公差が達成可能であるかどうかの判定706が行われる。必要とされる公差が達成可能ではない場合、次いで、FCM、ACM、およびコンピュータ支援製造(CAM)を使用して、機械操作のシーケンスが生成され(707)、改良型の位置合せのために特徴が工作物に機械加工される。例えば、1つまたは複数の表面を機械加工して、表面仕上げを改善することができる。プロービングモジュールを再び使用して、移動をプローブするシーケンスを作成し(708)、機械加工された表面を測定して、工作機械内の工作物の位置の不確定性を減らすことができる。CNC機械106で工作物について必要とされる公差を達成することができるまで、これらのステップを繰り返すやり方で反復することができる。
次いで、コンピュータ支援製造(CAM)がFCMおよびACMと共に使用され、機械加工操作のシーケンスが作成され(709)、工作物上に必要とされる特徴が生成される。このステップは、ACMをFCMと比較して、ACMによって定義される予想中間工作物生成物と、FCMによって定義される工作物の所期の最終幾何形状との違いを決定することを含む。CNC機械に対する命令が、違いに基づいて生成される。
次いで、コンピュータ支援製造(CAM)がFCMおよびACMと共に使用され、機械加工操作のシーケンスが作成され(710)、CNCプロセスの間に使用される固定や基準などのサポートおよびツーリング特徴が除去される(サポート自体は、ACMで定義されないことがあるが、サポートが工作物に接続する位置は定義され、この情報は、サポートを除去するためのCNC機械106またはEDM機械108の命令を生成するのに十分であることがある)。
次いで、CNC操作後の工作物を、機械107を使用して研磨し、ポストプロセス検証のためにCNC機械106に接続された検査機械109またはプローブを使用して測定することができる(711)。
特許請求の範囲で定義される本発明から逸脱することなく、本発明の前述の実施形態に修正および変更を行えることを理解されよう。例えば、CNC操作などのポスト付加製造操作は、ACMとFCMとの違いと、CNC機械加工操作の前またはCNC機械加工操作中に測定された違いの両方に基づくことができる。