JP2018125272A - リチウムイオン電池セパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、リチウムイオン電池セパレータに関し、煩雑な工程を使用しないで製造することができ、電解液の吸液性に優れ、該セパレータを用いて電池を製造する際に、注液性の効率化が可能なセパレータを提供することにある。【解決手段】表面に溝を有するリチウムイオン電池セパレータにおいて、該セパレータが不織布基材と、不織布基材に付与されてなる無機粒子層とを含み、無機粒子層の表面に溝を有することを特徴とするリチウムイオン電池セパレータであり、好ましくは、リチウムイオン電池セパレータを用いて組み立てられたリチウムイオン電池に電解液を注液する際の注液方向と溝との角度が−70°〜+70°であるリチウムイオン電池セパレータ。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン電池セパレータに関する。
リチウムイオン電池(以下、「電池」と略す場合がある)には、極板間の接触を防ぐために、リチウムイオン電池セパレータ(以下、「セパレータ」と略す場合がある)が用いられている。
リチウムイオン電池は、正極・負極とセパレータとを重ね巻きした巻回体、正極・負極とセパレータとを積層した積層体等の組立体を外装材に挿入し、外装材の開口部を閉じ、電解液を注液口から充填し、注液口を封止する手順で製造される。
電解液の注液では、正極・負極とセパレータとからなる組立体全体に電解液が浸透しなければならない。しかし、正極・負極とセパレータ間の間隙は非常に狭く、十分に浸透させるためには、時間がかかる。
この問題に対し、電解液の充填方法としては、自然落下を利用した注液方法以外に、遠心力や減圧・真空を利用した注液時間を短くする注液方法があるが、さらなる注液性の効率化が求められている。
特許文献1ではセパレータ表面を粗面化することにより、電解液の浸透性を向上させているが、セパレータ表面の粗面化はラビング処理により行われており、工程が煩雑になるという課題があった。
本発明の課題は、リチウムイオン電池セパレータに関し、煩雑な工程を使用しないで製造することができ、電解液の吸液性に優れ、該セパレータを用いて電池を製造する際に、注液性の効率化が可能なセパレータを提供することにある。
上記課題は下記手段によって解決された。
(1)表面に溝を有するリチウムイオン電池セパレータにおいて、該セパレータが不織布基材と、不織布基材に付与されてなる無機粒子層とを含み、無機粒子層の表面に溝を有することを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
(2)リチウムイオン電池セパレータを用いて組み立てられたリチウムイオン電池に電解液を注液する際の注液方向と溝との角度が−70°〜+70°である上記(1)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(3)無機粒子層が、不織布基材の片面にのみ付与されてなる上記(1)又は(2)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(4)無機粒子層が、不織布基材の両面に付与されてなる上記(1)又は(2)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(5)無機粒子層が、平均粒子径0.5μm以上4.0μm以下の無機粒子を含む上記(1)〜(4)のいずれか記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(6)無機粒子層が、平均粒子径0.5μm以上3.0μm未満の無機粒子を含む上記(1)〜(4)のいずれか記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(7)無機粒子層が、平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の無機粒子を含む無機粒子層Aと、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の無機粒子を含む無機粒子層Bとを有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(8)不織布基材の片面に、無機粒子層Aと無機粒子層Bとがこの順に積層された構成を有する上記(7)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(9)不織布基材の片面に付与されてなる無機粒子層Aと、もう一方の面上に付与されてなる無機粒子層Bとを有する上記(7)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(10)無機粒子層が、アルミニウム化合物及びマグネシウム化合物の群から選ばれる一種以上の無機粒子を含む上記(1)〜(9)のいずれか記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(11)無機粒子層が、マグネシウム化合物を含む上記(1)〜(9)のいずれかに記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(12)マグネシウム化合物が、水酸化マグネシウムである上記(10)又は(11)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(13)不織布基材が、フィブリル化耐熱性繊維を含む上記(1)〜(12)のいずれかに記載のリチウムイオン電池セパレータ。
(14)フィブリル化耐熱性繊維の変法濾水度が300ml以下である上記(13)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2に準拠して測定した値。
変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2に準拠して測定した値。
(15)フィブリル化耐熱性繊維が、フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維である上記(13)又は(14)記載のリチウムイオン電池セパレータ。
本発明によれば、煩雑な工程を使用しないで、電解液の吸液性に優れたセパレータが得られ、該セパレータを用いて電池を製造する際に、注液性の効率化ができるという効果が得られる。
本発明のセパレータは、不織布基材と、不織布基材に付与されてなる無機粒子層とを含み、無機粒子層の表面に溝を有することを特徴とする。
不織布基材に付与されてなる無機粒子層は、不織布基材の表面に無機粒子を含む液(以下、「塗工液」と記す場合がある)を付与して乾燥することによって得られる。無機粒子層は、不織布基材の片面のみに付与されていても良いし、不織布基材の両面に付与されていても良い。また、無機粒子層は単層であっても良いし、多層であっても良い。多層の場合、各層が含む無機粒子は同一であっても良いし、種類、平均粒子径、形状等が異なっていても良い。
無機粒子としては、シリカ;α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ等のアルミナ;ベーマイト等のアルミナ水和物;水酸化アルミニウム;水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物;酸化カルシウム等を用いることができる。これらの中でも、リチウムイオン電池に用いられる電解質に対する安定性が高い点で、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物及びマグネシウム化合物からなる群から選ばれる1種以上の無機粒子であることが好ましい。また、電解液との反応を抑えられる点及び吸液性も効率化するという点で、マグネシウム化合物がより好ましく、水酸化マグネシウムがさらに好ましい。
毛細管現象によって電解液の吸液性を効率化できる効果を得るためには、無機粒子層が平均粒子径0.5μm以上4.0μm以下の無機粒子を含むことが好ましい。無機粒子の平均粒子径が0.5μm以上4.0μm以下であることによって、吸液性が効率化し易くなる。無機粒子の平均粒子径は、より好ましくは3.7μm以下であり、さらに好ましくは3.5μm以下であり、特に好ましくは3.0μm未満である。
また、無機粒子層が、平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の無機粒子を含む無機粒子層Aと、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の無機粒子を含む無機粒子層Bとを有することがより好ましい。無機粒子層Aと無機粒子層Bとを有するセパレータとしては、不織布基材の片面に、無機粒子層Aと無機粒子層Bとがこの順に積層された構成を有するセパレータ(8)、不織布基材の片面に、無機粒子層Bと無機粒子層Aとがこの順に積層された構成を有するセパレータ、不織布基材の片面に付与されてなる無機粒子層Aと、もう一方の面上に付与されてなる無機粒子層Bとを有するセパレータ(9)が挙げられる。このうち、セパレータ(8)及び(9)がさらに好ましい。
毛細管現象によって電解液の吸液性を効率化できる効果を得るためには、無機粒子層Aにおける無機粒子の平均粒子径は、より好ましくは2.2μm以上3.7μm以下であり、さらに好ましくは2.5μm以上3.5μm以下である。また、無機粒子層Bにおける無機粒子の平均粒子径は、より好ましくは0.5μm以上1.5μm以下であり、さらに好ましくは0.5μm以上1.3μm以下であり、特に好ましくは0.5μm以上1.0μm以下である。
無機粒子層及び塗工液は、無機粒子以外にバインダー樹脂を含むことができる。バインダー樹脂としては、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂等、各種の合成樹脂を用いることができる。
本発明における平均粒子径とは、レーザー回折法による粒度分布測定から求められる体積基準メディアン径(D50)である。
また、無機粒子層及び塗工液には、無機粒子及びバインダー樹脂の他に、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の分散剤;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレンオキサイド等の増粘剤;濡れ剤;防腐剤;消泡剤等の添加剤を、必要に応じて配合させることもできる。
本発明において、無機粒子層の絶乾塗工量としては、5g/m2以上30g/m2以下が好ましく、さらに好ましくは10g/m2以上20g/m2以下である。絶乾塗工量が5g/m2以上であることによって、不織布基材表面が無機粒子層によって十分に被覆されやすくなり、内部短絡を防止し易くなる。また、絶乾塗工量が30g/m2以下であることによって、内部抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子層Aと無機粒子層Bとを有するセパレータにおける無機粒子層Aの絶乾塗工量は、好ましくは2.0g/m2以上10.0g/m2以下であり、より好ましくは2.5g/m2以上8.0g/m2以下であり、さらに好ましくは3.0g/m2以上6.0g/m2以下である。無機粒子層Aと無機粒子層Bとを有するセパレータにおける無機粒子層Bの絶乾塗工量は、好ましくは2.5g/m2以上10.0g/m2以下であり、より好ましくは3.0g/m2以上8.5g/m2以下であり、さらに好ましくは3.5g/m2以上7.0g/m2以下である。無機粒子層Aの絶乾塗工量が2.0g/m2以上であり、無機粒子層Bの絶乾塗工量2.5g/m2以上であることによって、不織布基材表面が無機粒子層によって十分に被覆されやすくなり、内部短絡を防止し易くなる。また、無機粒子層A及び無機粒子層Bの絶乾塗工量が10.0g/m2以下であることで、内部抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子層Aの塗工量は、無機粒子層Bの塗工量と比較して、同じか又は少ない方が好ましい。無機粒子層Aの塗工量が、無機粒子層Bの塗工量よりも多い場合、比較的平均粒子径の大きい無機粒子の含有量が多くなることから、セパレータの厚みが厚くなることがある。
無機粒子層A及び無機粒子層Bの塗工量の比率(=無機粒子層Aの塗工量/無機粒子層Bの塗工量)は、0.23以上1.00以下であることが好ましく、0.33以上0.95未満がより好ましく、0.43以上0.90未満がさらに好ましい。無機粒子層A及び無機粒子層Bの塗工量の比率が0.23以上1.00以下であることによって、セパレータが厚くなり過ぎず、且つピンホールが発生し難くなることがある。
本発明において、不織布基材を形成する繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリアクリロニトリル等のアクリル;6,6ナイロン、6ナイロン等のポリアミド等の各種合成樹脂からなり、フィブリル化されていない合成樹脂短繊維が例示される。これらの中で、耐熱性、低吸湿性等の理由から、繊維としては、ポリエステル又はポリプロピレンを少なくとも用いることが好ましい。また、前記合成樹脂短繊維に加えて、フィブリル化耐熱性繊維を含むことがより好ましい。フィブリル化耐熱性繊維を含むことによって、塗工液の不織布基材への過度な浸透を抑えることができ、溝の形成が容易になる。さらに、フィブリル化耐熱性繊維によって、セパレータにさらに高い耐熱性を付与できる。また、不織布基材は、木材パルプ、麻パルプ、コットンパルプ等の各種セルロースパルプ;レーヨン、リヨセル等のセルロース系再生繊維等を含んでも良い。
本発明において、合成樹脂短繊維の繊維径は、1μm以上8μm以下の範囲にあることが好ましい。1μm以上であることで、内部抵抗の上昇を抑えやすくなる。また、8μm以下であることで、付与した塗工液が不織布基材から脱落し難くなる。
合成樹脂短繊維は、単一の樹脂からなる繊維(単繊維)であっても良いし、2種以上の樹脂からなる複合繊維であっても良い。また、本発明の不織布基材に含まれる合成樹脂短繊維は、1種でも良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。複合繊維としては、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型が挙げられる。
合成樹脂短繊維の繊維長としては、1mm以上10mm以下が好ましく、1mm以上5mm以下がより好ましい。繊維長が10mmを超えた場合、地合不良となることがある。一方、繊維長が1mm未満の場合、不織布基材の機械的強度が低くなって、無機粒子層を形成する際に不織布基材が破損する場合がある。
本発明において、フィブリル化耐熱性繊維としては、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリテトラフルオロエチレン等の耐熱性樹脂からなるフィブリル化繊維が用いられる。これらの中でも、電解液との親和性が高く、フィブリル化し易いため、全芳香族ポリアミドが好ましい。
本発明におけるフィブリル化耐熱性繊維の変法濾水度は0〜300mlであり、好ましくは0〜200mlであり、さらに好ましくは0〜100mlである。変法濾水度が300mlを超えると、フィブリル化耐熱性繊維の幹繊維の繊維幅が太く、不織布基材の厚みを薄くし難くなる場合がある。さらに、バインダー繊維等の他の繊維との接着点が減るため、不織布基材の強度が低下する場合や塗工液の不織布基材への過度な浸透を抑えることが難しくなる場合がある。
本発明において、変法濾水度とは、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1質量%にした以外はJIS P8121−2に準拠して測定した値のことである。
フィブリル化耐熱性繊維の質量加重平均繊維長は、0.02mm以上1.00mm以下であることが好ましい。また、フィブリル化耐熱性繊維の長さ加重平均繊維長は、0.02mm以上0.50mm以下であることが好ましい。平均繊維長が好ましい範囲よりも短い場合、不織布基材からフィブリル化耐熱性繊維が脱落する場合がある。平均繊維長が好ましい範囲よりも長い場合、不織布基材の厚みを薄くし難くなる場合がある。
フィブリル化耐熱性繊維が、上記の質量加重平均繊維長と長さ加重平均繊維長を持つ場合、不織布基材に含まれるフィブリル化耐熱性繊維の含有率が少ない場合でも、フィブリル化耐熱性繊維間やフィブリル化耐熱性繊維と合成樹脂短繊維との間において、繊維による緻密なネットワーク構造が形成され、強度が高く、厚みを薄くすることができ、塗工液の不織布基材への過度な浸透を容易に抑制できる不織布基材が得られ易くなる。
本発明において、フィブリル化耐熱性繊維の質量加重平均繊維長と長さ加重平均繊維長は、KajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して、投影繊維長(Proj)モードにおいて測定した質量加重平均繊維長(L(w))と長さ加重平均繊維長(L(l))である。
フィブリル化耐熱性繊維の平均繊維幅は、0.5μm以上20.0μm以下が好ましく、3.0μm以上16.0μm以下がより好ましく、5.0μm以上15.0μm以下がさらに好ましい。平均繊維幅が20.0μmを超えた場合、不織布基材の厚みを薄くし難くなる場合があり、平均繊維幅が0.5μm未満の場合、不織布基材から脱落する場合がある。
本発明において、フィブリル化耐熱性繊維の平均繊維幅は、KajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して測定した繊維幅(Fiber Width)である。
フィブリル化耐熱性繊維は、耐熱性繊維をリファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転式ホモジナイザー、高速の回転する円筒の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより、繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて処理することによって得ることができる。
不織布基材にフィブリル化耐熱性繊維が含まれる場合、不織布基材に含まれる全繊維成分に対して、フィブリル化耐熱性繊維の含有率は、1.0質量%以上5.0質量%未満であることが好ましい。2.0質量%以上がより好ましく、3.0質量%以上がさらに好ましい。また、4.5質量%未満がより好ましい。フィブリル化耐熱性繊維の含有率が5.0質量%以上である場合、不織布基材の厚みを薄くするために、不織布基材を潰すことが難しくなる場合や、引張強度が悪化する場合がある。一方、フィブリル化耐熱性繊維の含有率が1.0質量%未満である場合、フィブリル化耐熱性繊維が含まれない不織布基材と比較して、溝の形成し易さが変わらない。
不織布基材にフィブリル化耐熱性繊維が含まれる場合、不織布基材に含まれる全繊維成分に対して、合成樹脂短繊維の含有率は90.0質量%以上が好ましく、92.0質量%以上がより好ましく、94.0質量%以上がさらに好ましく、95.0質量%超が特に好ましい。また、99.0質量%以下が好ましく、98.0質量%以下がより好ましく、96.0質量%以下がさらに好ましい。合成樹脂短繊維が99.0質量%超の場合、フィブリル化耐熱性繊維が含まれない不織布基材と比較して、溝の形成し易さが変わらない。一方、合成樹脂短繊維が90.0質量%未満の場合、不織布基材の坪量を低くした場合、機械的強度が低くなって無機粒子層を形成する際に不織布基材が破損する場合がある。
本発明において、不織布基材の坪量は、5〜30g/m2であるのが好ましく、より好ましくは6〜20g/m2である。坪量が5g/m2以上であることで、不織布基材の均一性を得やすくなり、また、30g/m2以下であることで、リチウムイオン電池セパレータに適した厚みが得られやすい。なお、不織布基材の厚みは7〜45μmであることが好ましく、この範囲であると、塗工後にリチウムイオン電池セパレータに適した厚みが得られやすい。
不織布基材を製造する方法としては、スパンボンド法、メルトブロー法、静電紡糸法、湿式法等の各種製造方法が例示される。これらの中で、薄くて緻密な構造を得ることができるため、湿式法が好ましい。繊維間を接合する方法としては、ケミカルボンド法、熱融着法等の各種方法が例示される。これらの中で、表面が平滑な不織布基材が得られることから、熱融着法が好ましい。
本発明において、無機粒子層の表面に溝を形成する方法としては、グラビア塗工が例示され、ラビング処理等と比較して簡易に溝を形成することができる。具体的には、グラビア塗工に用いるグラビアロールの形状は、無機粒子層に溝を形成せしめることができれば特に限定されるものではないが、斜線状の溝を持っていることが好ましく、溝を持った状態の塗工液が不織布基材に付与され、乾燥されることにより、無機粒子層の表面に溝が形成される。グラビアロールの材質は特に限定されるものではないが、グラビアロールの耐摩耗性が高いことから、グラビアロール表面は硬質クロムメッキや、酸化クロム等の金属酸化物溶射で表面処理することが好ましい。
無機粒子層の表面に溝を形成させるためには、塗工液のB型粘度が500mPa・s以上であることが好ましい。B型粘度が500mPa・s以上であることで、本発明のセパレータを容易に得ることが可能となる。塗工液のB型粘度が500mPa・sより低いと、塗工液が不織布基材に付与されてから乾燥までの間に、溝がレベリングしてしまい、溝が失われ、本発明の効果が得られない。なお、B型粘度は25℃、スピンドルNo.2、12rpmで、B型粘度計(東京計器製、型式BL)を用いて、JIS K 7117;1999に基づいて測定した値である。塗工液のB型粘度は、好ましくは600mPa・s以上であり、さらに好ましくは700mPa・s以上であり、塗工液のレベリングがさらに抑えられ、溝の形成が容易になる。塗工液のB型粘度が3000mPa・sを超えると、塗工すること自体が困難である。
本発明において、リチウムイオン電池セパレータを用いて組み立てられたリチウムイオン電池に電解液を注液する際の注液方向と溝との角度が−70°〜+70°であることが好ましい。この範囲であれば、注液性の効率向上という効果をより達成しやすくなる。図1は、セパレータ1における注液方向と溝との角度及び頭頂部間の間隔を説明するための概略図である。注液方向と溝との角度4及び5は、注液方向3と溝の頭頂部2の連続線との角度を測定することによって求められる。注液方向と溝との角度には、符号4(鋭角:±90°〜0°)と符号5(鈍角:±90°〜180°)があるが、本発明における注液方向と溝との角度は、符号4(鋭角)である。すなわち、本発明における注液方向と溝との角度は、±90°〜0°で表記される。なお、「−」とは、注液方向に対して該角度が右側にあることを意味し、「+」とは、注液方向に対して該角度が左側にあることを意味する。例えば図1の角度4は「+」である。図2は、無機粒子層12の表面に溝11を有するセパレータの一例を示す概略断面図である。溝の高さ14は、無機粒子層の高さ15の0.1%以上99.0%以下であることが好ましい。0.1%以上とすることによって、溝11が無いセパレータと比較して電解液の吸液性が向上する。99.0%より大きい場合、溝11の底部において、不織布基材13の無機粒子層12による被覆性が十分に得られない場合がある。ところで、不織布基材13に塗工液が付与されて無機粒子層12が形成された場合、無機粒子層12の一部は不織布基材13内に浸透する。ここで、「無機粒子層の高さ」とは、不織布基材13内に浸透した部分を含まない無機粒子層12の高さである。溝の間隔や溝の本数は特に限定されない。なお、注液方向と溝との角度、溝の高さ、溝の間隔、溝の本数等は、グラビアロールの形状、塗工速度、グラビアロールの回転速度、塗工液のB型粘度等を変えることによって、調整することができる。なお、リチウムイオン電池は、正極、セパレータ及び負極からなる電極群を、電池セルに組み込み、セルに電解液を注入した後、電解液の注入口を封じることによって製造される。電極群の構造としては、積層型構造と巻回型構造の二種が主流である。どちらの構造においても、セパレータ1のマシンディレクション(Machine Direction;MD、流れ方向、縦方向、長手方向)における端面側には電極の端面が露出していることが多く、この面から電解液を注入することで、注入速度を比較的速くすることができる。したがって、セパレータ1のマシンディレクションにおける端面側が注入口を向き、注液方向3がセパレータ1のクロスディレクション(Cross Direction;CD、横方向)になることが一般的である。
本発明において、セパレータの坪量は、10〜60g/m2であることが好ましく、より好ましくは16〜40g/m2である。坪量が10g/m2以上であることで、均一性を得やすく、また内部短絡を防止し易くなる。また、60g/m2以下であることで、リチウムイオン電池セパレータに適した厚みが得られ易い。なお、セパレータの厚みは10〜60μmであることが好ましい。
本発明におけるリチウムイオン電池とは、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池を意味する。リチウムイオン電池の負極活物質としては、何ら限定されることはないが、リチウムイオンを吸蔵・放出する平衡電位が1V(vsLi+/Li)以下である負極活物質が用いられることが好ましい。このような負極活物質を用いることで、正負極間の電位差が大きい、すなわち、貯蔵できるエネルギー量が大きい電池を得ることができる。この条件を満たす負極活物質として、例えばグラファイト、ハードカーボン、低結晶性炭素、黒鉛に非晶質炭素をコートしたもの、カーボンナノチューブ又はこれらの混合物などの炭素材料を用いることができる。また、炭素系材料のみならず、Si、Sn、N等を含有する負極材料も用いることができる。正極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出できるものであれば、特に限定されない。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、及び、一般式:LiNixCoyMnzO2(x+y+z=1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV2O5)、オリビン型LiMPO4(ただし、Mは、Co、Ni、Mn又はFeを示す)等の複合金属酸化物が挙げられる。
リチウムイオン電池は、正極・負極の間にセパレータを配した状態で、正極・負極とセパレータとを重ね巻きした巻回体、多層に積層した積層体等の組立体を、外装材に挿入し、外装材の開口部を閉じ、電解液を注液口から充填し、注液口を封止する手順で製造される。不織布基材に付与されてなる無機粒子層の表面に溝を有する本発明のセパレータを使用し、好ましくは注液方向と溝との角度4が±70°〜0°になるように組立体を作製することで、電解液の注液に必要な時間を短くすることができる。
リチウムイオン電池の電解液は、通常、電解質であるリチウム塩、主溶媒である炭酸エステルを必須の成分として含み、必要に応じて、脂肪酸エステル等の補助溶媒、電池特性改善のための添加剤等を0〜20質量%さらに含む。電解質であるリチウム塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)が最も一般的であるが、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)等が使われる場合もある。主溶媒である炭酸エステルとしては、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルが主として用いられる。補助溶媒が用いられる場合は、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチル等の脂肪酸エステルが一般的に用いられる。添加剤としては、炭酸ビニレン、プロパンスルトン等が用いられる。主溶媒である炭酸エステルは、各種の物質に対する溶解性が相互に類似しており、1種の炭酸エステルに溶解する物質は、大半の場合、他の炭酸エステルや、それらの混合溶媒にも溶解する。また、電解液が、さらにポリエチレングリコールやその誘導体、ポリメタクリル酸誘導体、ポリシロキサンやその誘導体、ポリフッ化ビニリデン等を含み、ゲル状となっていても良い。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例において、%及び部は、断りのない限り、全て質量基準である。また、塗工量は絶乾塗工量である。なお、本実施例において、注液方向はセパレータのCDとした。
不織布基材Aの作製
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維40質量部と繊度0.1dtex(平均繊維径3.0μm)、繊維長3mmの配向結晶化PET系短繊維20質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機にて、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用PET系短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、目付12g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダーを使用して、熱ロール温度200℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み18μmの不織布基材Aを作製した。
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維40質量部と繊度0.1dtex(平均繊維径3.0μm)、繊維長3mmの配向結晶化PET系短繊維20質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機にて、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用PET系短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、目付12g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダーを使用して、熱ロール温度200℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み18μmの不織布基材Aを作製した。
不織布基材Bの作製
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維37質量部と繊度0.1dtex(平均繊維径3.0μm)、繊維長3mmの配向結晶化PET系短繊維20質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部と高圧ホモジナイザーを用いて全芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物(平均繊維長1.7mm、平均繊維径10μm)を変法濾水度50mlにフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維3質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機にて、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用PET系短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、目付12g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダーを使用して、熱ロール温度200℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み18μmの不織布基材Bを作製した。
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維37質量部と繊度0.1dtex(平均繊維径3.0μm)、繊維長3mmの配向結晶化PET系短繊維20質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部と高圧ホモジナイザーを用いて全芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物(平均繊維長1.7mm、平均繊維径10μm)を変法濾水度50mlにフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維3質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを、傾斜型抄紙機にて、湿式法で抄き上げ、135℃のシリンダードライヤーによって、バインダー用PET系短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、目付12g/m2の不織布とした。さらに、この不織布を、誘電発熱ジャケットロール(金属製熱ロール)及び弾性ロールからなる1ニップ式熱カレンダーを使用して、熱ロール温度200℃、線圧100kN/m、処理速度30m/分の条件で熱カレンダー処理し、厚み18μmの不織布基材Bを作製した。
不織布基材Cの作製
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維37質量部と繊度0.1dtex(平均繊維径3.0μm)、繊維長3mmの配向結晶化PET系短繊維20質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部と高圧ホモジナイザーを用いて全芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物(平均繊維長1.7mm、平均繊維径10μm)を変法濾水度250mlにフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維3質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した以外は不織布基材Bと同じようにして不織布基材Cを作製した。
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維37質量部と繊度0.1dtex(平均繊維径3.0μm)、繊維長3mmの配向結晶化PET系短繊維20質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部と高圧ホモジナイザーを用いて全芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物(平均繊維長1.7mm、平均繊維径10μm)を変法濾水度250mlにフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維3質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した以外は不織布基材Bと同じようにして不織布基材Cを作製した。
不織布基材Dの作製
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維37質量部と繊度0.1dtex(平均繊維径3.0μm)、繊維長3mmの配向結晶化PET系短繊維20質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部と高圧ホモジナイザーを用いて全芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物(平均繊維長1.7mm、平均繊維径10μm)を変法濾水度320mlにフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維3質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した以外は不織布基材Bと同じようにして不織布基材Dを作製した。
繊度0.06dtex(平均繊維径2.4μm)、繊維長3mmの配向結晶化ポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維37質量部と繊度0.1dtex(平均繊維径3.0μm)、繊維長3mmの配向結晶化PET系短繊維20質量部と繊度0.2dtex(平均繊維径4.3μm)、繊維長3mmの単一成分型バインダー用PET系短繊維(軟化点120℃、融点230℃)40質量部と高圧ホモジナイザーを用いて全芳香族ポリアミド繊維のパルプ状物(平均繊維長1.7mm、平均繊維径10μm)を変法濾水度320mlにフィブリル化させたフィブリル化耐熱性繊維3質量部とをパルパーにより水中に分散し、濃度1質量%の均一な抄造用スラリーを調製した以外は不織布基材Bと同じようにして不織布基材Dを作製した。
塗工液Aの作製
無機粒子として、粒子径0.7μmの一次粒子が凝集してなる平均粒子径2.3μmのベーマイトの二次粒子100部を、その1質量%水溶液の25℃における粘度が200mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム塩0.3%水溶液120部に分散し、よく攪拌してベーマイト分散液を作製した。次いで、その1質量%水溶液の25℃における粘度が7000mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム塩0.5%水溶液200部を混合、攪拌し、さらに、接着剤(バインダー樹脂)として45%スチレン−ブタジエン共重合体樹脂のラテックス高分子15部を混合、攪拌して、塗液を作製した。なお、塗工液AのB型粘度は1000mPa・sであった。
無機粒子として、粒子径0.7μmの一次粒子が凝集してなる平均粒子径2.3μmのベーマイトの二次粒子100部を、その1質量%水溶液の25℃における粘度が200mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム塩0.3%水溶液120部に分散し、よく攪拌してベーマイト分散液を作製した。次いで、その1質量%水溶液の25℃における粘度が7000mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム塩0.5%水溶液200部を混合、攪拌し、さらに、接着剤(バインダー樹脂)として45%スチレン−ブタジエン共重合体樹脂のラテックス高分子15部を混合、攪拌して、塗液を作製した。なお、塗工液AのB型粘度は1000mPa・sであった。
塗工液Bの作製
1質量%水溶液の25℃における粘度が7000mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム塩0.5質量%水溶液200部を120部にした以外は塗工液Aと同じようにして塗工液Bを作製した。なお、塗工液BのB型粘度は400mPa・sであった。塗工液Bは、塗工液Aと比較して粘度が低いため、溝が形成されない。
1質量%水溶液の25℃における粘度が7000mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウム塩0.5質量%水溶液200部を120部にした以外は塗工液Aと同じようにして塗工液Bを作製した。なお、塗工液BのB型粘度は400mPa・sであった。塗工液Bは、塗工液Aと比較して粘度が低いため、溝が形成されない。
塗工液Cの作製
無機粒子として、平均粒子径0.1μmの水酸化マグネシウム100部を用いた以外は塗工液Aと同じようにして塗工液Cを作製した。なお、塗工液CのB型粘度は1000mPa・sであった。
無機粒子として、平均粒子径0.1μmの水酸化マグネシウム100部を用いた以外は塗工液Aと同じようにして塗工液Cを作製した。なお、塗工液CのB型粘度は1000mPa・sであった。
塗工液Dの作製
無機粒子として、平均粒子径0.5μmの水酸化マグネシウム100部を用いた以外は塗工液Aと同じようにして塗工液Dを作製した。なお、塗工液DのB型粘度は1000mPa・sであった。
無機粒子として、平均粒子径0.5μmの水酸化マグネシウム100部を用いた以外は塗工液Aと同じようにして塗工液Dを作製した。なお、塗工液DのB型粘度は1000mPa・sであった。
塗工液Eの作製
無機粒子として、平均粒子径2.0μmの水酸化マグネシウム100部を用いた以外は塗工液Aと同じようにして塗工液Eを作製した。なお、塗工液EのB型粘度は1000mPa・sであった。
無機粒子として、平均粒子径2.0μmの水酸化マグネシウム100部を用いた以外は塗工液Aと同じようにして塗工液Eを作製した。なお、塗工液EのB型粘度は1000mPa・sであった。
塗工液Fの作製
無機粒子として、平均粒子径3.0μmの水酸化マグネシウム100部を用いた以外は塗工液Aと同じようにして塗工液Fを作製した。なお、塗工液FのB型粘度は1000mPa・sであった。
無機粒子として、平均粒子径3.0μmの水酸化マグネシウム100部を用いた以外は塗工液Aと同じようにして塗工液Fを作製した。なお、塗工液FのB型粘度は1000mPa・sであった。
実施例1
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、キスリバース(Kiss Reverse)方式のグラビア(Gravure)コーター(KRG)にて、絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+40°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、キスリバース(Kiss Reverse)方式のグラビア(Gravure)コーター(KRG)にて、絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+40°であった。
実施例2
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+70°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+70°であった。
実施例3
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例4
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+80°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+80°であった。
比較例1
不織布基材Aの片面上に、塗工液Bを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。塗工液Bの粘度が低く、溝が形成されなかった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Bを、キスリバース方式のグラビアコーターにて、絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。塗工液Bの粘度が低く、溝が形成されなかった。
比較例2
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、ダイ(Die)コーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。溝は形成されなかった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、ダイ(Die)コーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。溝は形成されなかった。
実施例5
不織布基材Bの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Bの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例6
不織布基材Bの片面上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Bの片面上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例7
不織布基材Cの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Cの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例8
不織布基材Dの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Dの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み36μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例9
不織布基材Aの片面上に、塗工液Cを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み33μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Cを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み33μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例10
不織布基材Aの片面上に、塗工液Eを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み35μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Eを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み35μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例11
不織布基材Aの片面上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み37μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が16g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み37μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例12
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Aのもう一方の面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み35μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Aのもう一方の面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み35μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
実施例13
不織布基材Aの片面上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、さらに、その上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、さらに、その上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例14
不織布基材Aの片面上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、さらに、その上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、さらに、その上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例15
不織布基材Aの片面上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Aのもう一方の面上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み33μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Aのもう一方の面上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み33μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
実施例16
不織布基材Aの片面上に、塗工液Eを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Aのもう一方の面上に、塗工液Eを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Eを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Aのもう一方の面上に、塗工液Eを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
比較例3
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、ダイコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Aのもう一方の面上に、塗工液Aを、ダイコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み35μmのセパレータを作製した。溝は形成されなかった。
不織布基材Aの片面上に、塗工液Aを、ダイコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Aのもう一方の面上に、塗工液Aを、ダイコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み35μmのセパレータを作製した。溝は形成されなかった。
実施例17
不織布基材Bの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Bのもう一方の面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み35μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
不織布基材Bの片面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Bのもう一方の面上に、塗工液Aを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み35μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
実施例18
不織布基材Bの片面上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、さらに、その上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
不織布基材Bの片面上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、さらに、その上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は+15°であった。
実施例19
不織布基材Bの片面上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Bのもう一方の面上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み33μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
不織布基材Bの片面上に、塗工液Fを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Bのもう一方の面上に、塗工液Dを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み33μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
実施例20
不織布基材Bの片面上に、塗工液Eを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Bのもう一方の面上に、塗工液Eを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
不織布基材Bの片面上に、塗工液Eを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、次に、不織布基材Bのもう一方の面上に、塗工液Eを、キスリバース方式のグラビアコーターにて絶乾塗工量が8g/m2となるように塗工・乾燥し、厚み34μmのセパレータを作製した。注液方向と溝との角度4は、両面共に+15°であった。
実施例1〜20で作製したセパレータは、グラビア塗工により作製され、無機粒子層の表面に溝を有するセパレータであるため、乾燥後に煩雑な後加工を必要とせず、均一な溝が形成されていた。一方、比較例1では、塗工液Bの粘度が低く、無機粒子層の表面に溝が形成されなかった。比較例2及び3では、キスリバース方式のグラビアコーターに代えて、ダイコーターを使用したため、無機粒子層の表面に溝が形成されなかった。
<評価>
[注液性]
LiPF6のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの7/3(容量比)混合溶媒溶液(1mol/L)である電解液を用いて、作製したセパレータから、MD50mm×CD100mmの試料を切り出し、この試料のCD100mmの下部5mmを該電解液に浸し、電解液が電解液面から5mmまで到達するまでの時間を測定した。この時間が短いほど、良好な注液性を持ったセパレータであると言える。
[注液性]
LiPF6のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの7/3(容量比)混合溶媒溶液(1mol/L)である電解液を用いて、作製したセパレータから、MD50mm×CD100mmの試料を切り出し、この試料のCD100mmの下部5mmを該電解液に浸し、電解液が電解液面から5mmまで到達するまでの時間を測定した。この時間が短いほど、良好な注液性を持ったセパレータであると言える。
実施例1〜4と比較例1及び2の結果から、実施例1〜4のセパレータは、無機粒子層の表面に溝を有するため、無機粒子層の表面に溝が無い比較例1及び2のセパレータと比較して良好な注液性を示した。特に、実施例1〜3のセパレータは、注液方向と溝との角度が−70°〜+70°であるため、より良好な注液性を示した。
実施例3、5、7及び8の結果から、不織布基材がフィブリル化耐熱性繊維を含む実施例5、7及び8のセパレータは、不織布基材がフィブリル化耐熱性繊維を含んでいない実施例3のセパレータと比較して良好な注液性を示した。特に、フィブリル化耐熱性繊維の変法濾水度が300ml以下である実施例5及び7のセパレータの注液性は、より優れていた。
実施例5及び6の結果から、無機粒子が粒子径0.7μmの一次粒子が凝集してなる平均粒子径2.3μmのベーマイト(アルミニウム化合物)である実施例5のセパレータよりも、無機粒子が平均粒子径0.5μmの水酸化マグネシウム(マグネシウム化合物)である実施例6のセパレータの方が、良好な注液性を示した。また、実施例3及び10の結果から、無機粒子が粒子径0.7μmの一次粒子が凝集してなる平均粒子径2.3μmのベーマイト(アルミニウム化合物)である実施例3のセパレータよりも、無機粒子が平均粒子径2.0μmの水酸化マグネシウム(マグネシウム化合物)である実施例10のセパレータの方が、良好な注液性を示した。
実施例9〜11と比較例1及び2の結果から、実施例9〜11のセパレータは、無機粒子層の表面に溝を有するため、無機粒子層の表面に溝が無い比較例1及び2のセパレータと比較して良好な注液性を示した。実施例9〜11の結果から、無機粒子の平均粒子径が0.5μm以上3.0μm未満である実施例10のセパレータの方が、無機粒子の平均粒子径が0.5μm未満である実施例9のセパレータ及び無機粒子の平均粒子径が3.0μm以上である実施例11よりも、良好な注液性を示した。
実施例12、15及び16と比較例3の結果から、不織布基材の両面に無機粒子層が付与されてなるセパレータにおいても、無機粒子層が溝を有する場合には、良好な注液性を示した。
実施例13〜15の結果から、無機粒子層が、平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の無機粒子を含む無機粒子層Aと、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の無機粒子を含む無機粒子層Bとを有するセパレータにおいて、不織布基材の片面に無機粒子層Aと無機粒子層Bとがこの順に積層された構成を有する実施例13のセパレータ、及び不織布基材の片面に無機粒子層Aを、もう一方の面に無機粒子層Bを有する実施例15のセパレータは、不織布基材の片面に無機粒子層Bと無機粒子層Aとがこの順に積層された構成を有する実施例14のセパレータよりも、良好な注液性を示した。
実施例12と実施例17の結果、実施例13と実施例18の結果、実施例15と実施例19の結果、及び実施例16と実施例20の結果から、不織布がフィブリル化耐熱性繊維を含む実施例17〜20のセパレータは、不織布基材がフィブリル化耐熱性繊維を含んでいない、それぞれに対応する実施例12、13、15及び16のセパレータと比較して、良好な注液性を示した。
本発明の活用例としては、リチウムイオン電池セパレータ、リチウムイオンポリマー電池セパレータが好適である。
1 リチウムイオン電池セパレータ
2 溝の頭頂部
3 注液方向
4 注液方向と溝との角度(鋭角)
5 注液方向と溝との角度(鈍角)
11 溝
12 無機粒子層
13 不織布基材
14 溝の高さ
15 無機粒子層の高さ
2 溝の頭頂部
3 注液方向
4 注液方向と溝との角度(鋭角)
5 注液方向と溝との角度(鈍角)
11 溝
12 無機粒子層
13 不織布基材
14 溝の高さ
15 無機粒子層の高さ
Claims (15)
- 表面に溝を有するリチウムイオン電池セパレータにおいて、該セパレータが不織布基材と、不織布基材に付与されてなる無機粒子層とを含み、無機粒子層の表面に溝を有することを特徴とするリチウムイオン電池セパレータ。
- リチウムイオン電池セパレータを用いて組み立てられたリチウムイオン電池に電解液を注液する際の注液方向と溝との角度が−70°〜+70°である請求項1記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- 無機粒子層が、不織布基材の片面にのみ付与されてなる請求項1又は2記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- 無機粒子層が、不織布基材の両面に付与されてなる請求項1又は2記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- 無機粒子層が、平均粒子径0.5μm以上4.0μm以下の無機粒子を含む請求項1〜4のいずれか記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- 無機粒子層が、平均粒子径0.5μm以上3.0μm未満の無機粒子を含む請求項1〜4のいずれか記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- 無機粒子層が、平均粒子径2.0μm以上4.0μm以下の無機粒子を含む無機粒子層Aと、平均粒子径0.5μm以上2.0μm未満の無機粒子を含む無機粒子層Bとを有する請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- 不織布基材の片面に、無機粒子層Aと無機粒子層Bとがこの順に積層された構成を有する請求項7記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- 不織布基材の片面に付与されてなる無機粒子層Aと、もう一方の面上に付与されてなる無機粒子層Bとを有する請求項7記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- 無機粒子層が、アルミニウム化合物及びマグネシウム化合物の群から選ばれる一種以上の無機粒子を含む請求項1〜9のいずれか記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- 無機粒子層が、マグネシウム化合物を含む請求項1〜9のいずれかに記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- マグネシウム化合物が、水酸化マグネシウムである請求項10又は11記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- 不織布基材が、フィブリル化耐熱性繊維を含む請求項1〜12のいずれかに記載のリチウムイオン電池セパレータ。
- フィブリル化耐熱性繊維の変法濾水度が300ml以下である請求項13記載のリチウムイオン電池セパレータ。
変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121−2に準拠して測定した値。 - フィブリル化耐熱性繊維が、フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維である請求項13又は14記載のリチウムイオン電池セパレータ。
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