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JP2018119441A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置 Download PDF

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JP2018119441A
JP2018119441A JP2017010455A JP2017010455A JP2018119441A JP 2018119441 A JP2018119441 A JP 2018119441A JP 2017010455 A JP2017010455 A JP 2017010455A JP 2017010455 A JP2017010455 A JP 2017010455A JP 2018119441 A JP2018119441 A JP 2018119441A
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combustion chamber
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健介 柳川
Kensuke Yanagawa
健介 柳川
利実 福田
Toshimi Fukuda
利実 福田
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

【課題】吸気通路や燃焼室内に水を噴射する水噴射装置を備えたエンジンにおいて、エンジンを停止した際の水の残留を抑制する。【解決手段】エンジン1の燃焼室2に接続される吸気通路3及び排気通路4と、燃料を噴射する燃料噴射弁10と、燃焼室2内又は吸気通路3内に水を噴射する水噴射装置11と、水噴射装置11による水噴射を最後に実行した後の経過時間Tを取得するタイマ21と、エンジン稼働の開始指示及び停止指示を行うイグニッションスイッチ24と、エンジン稼働の停止指示の際の経過時間Tに基づいてエンジン稼働の停止指示後もエンジンのアイドリングを所定時間Yだけ継続運転させる稼働継続制御手段22とを備えるエンジンの制御装置とした。稼働継続制御手段22は、停止指示の際の経過時間Tが閾値a未満である場合に継続運転を行う。【選択図】図1

Description

この発明は、吸気通路や燃焼室内に水を噴射する水噴射装置を備えたエンジンの制御装置に関する。
エンジンの燃焼室内には、シリンダヘッドに設けられる吸気通路を通じて、吸気が供給される。また、吸気通路内や燃焼室内には燃料噴射弁が備えられ、燃料噴射弁から噴射された燃料が吸気とともに燃焼室内で拡散し、その拡散した燃料が燃焼室内で燃焼する。
ところで、一般的に吸気の温度が上昇すると、燃焼室内への吸気の充填効率が低下する。吸気の充填効率の低下は、出力の向上を阻害するとともに、運転状況によってはノッキングの発生や排気ガスの悪化にも繋がる。特に、過給機等を備えたエンジンにおいては、吸気の温度が上昇しやすいので、これを防止するために、インタークーラ等の吸気の温度を低下させるための種々の装置が付加される。
また、例えば、特許文献1〜3には、吸気通路内に吸気を冷却するための水噴射装置を備えた技術が開示されている。吸気中に噴射された水が気化する際に吸気から熱を奪うことにより、吸気の冷却が可能である。
特開2007−162667号公報 特開平5−10164号公報 特開昭60−230554号公報
上記の水噴射装置を備えたエンジンでは、水噴射を実行した後、すぐにエンジンを停止した場合に、燃焼室内や吸気通路内に水が残留することになる。エンジンの停止中、エンジン内部に長期に亘って水が残留していることは、エンジン各部の耐久性を低下させる可能性があるので好ましくない。
また、燃焼室内や吸気通路内への水の残留は、水噴射装置によって噴射された水以外にも、燃料に含まれていた水、燃料の燃焼に伴って生じた水など、種々の要因によっても生じ得る。
そこで、この発明の課題は、エンジンを停止した際の燃焼室内又は吸気通路内への水の残留を抑制することである。
上記の課題を解決するために、この発明は、エンジンの燃焼室に接続される吸気通路及び排気通路と、燃料を噴射する燃料噴射弁と、エンジン稼働の開始指示及び停止指示を行うイグニッションスイッチと、前記エンジン稼働の停止指示の際の前記燃焼室内又は前記吸気通路内の水の残留状況に基づいて前記エンジン稼働の停止指示後もエンジンのアイドリングを所定時間だけ継続運転させる稼働継続制御手段とを備えるエンジンの制御装置を採用した。
ここで、前記燃焼室内又は前記吸気通路内に水を噴射する水噴射装置と、前記水噴射装置による水噴射を最後に実行した後の経過時間を取得するタイマとを備え、前記稼働継続制御手段は、前記エンジン稼働の停止指示の際の前記経過時間に基づいて前記水の残留状況を把握する構成を採用することができる。
このとき、前記稼働継続制御手段は、前記停止指示の際の前記経過時間が閾値未満である場合に前記継続運転を行う構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記稼働継続制御手段は、前記経過時間が短いほど前記アイドリングの前記所定時間を長く設定する構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記タイマは、アイドリングストップ中は前記経過時間のカウントを停止する構成を採用することができる。
また、前記稼働継続制御手段は、前記水噴射装置による水噴射を最後に実行した際の水の噴射量に基づいて前記所定時間を設定する構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記吸気通路の前記燃焼室への開口を開閉する吸気バルブと、前記排気通路の前記燃焼室への開口を開閉する排気バルブと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブの開閉時期を調整する可変バルブタイミング機構と、前記可変バルブタイミング機構を制御するバルブ制御手段とを備え、前記稼働継続制御手段は、前記継続運転の際に前記吸気バルブ及び前記排気バルブが同時に開弁するバルブオーバーラップ期間を設定する構成を採用することができる。
このとき、前記吸気通路内に配置されるスロットルバルブと、前記燃焼室内に配置される点火装置とを備え、前記継続運転における前記バルブオーバーラップ期間中は、前記スロットルバルブを開状態とし且つ前記点火装置の点火時期を遅角する構成を採用することができる。
前記バルブ制御手段を備える態様において、前記バルブ制御手段は、前記エンジンを冷却する冷却水、前記エンジンを構成する部材又は前記吸気通路内の吸気のいずれかの温度に基づいて前記温度が所定温度以上である際は前記排気バルブの閉弁時期を遅角して前記バルブオーバーラップ期間を設定し、前記温度が所定温度未満である際は前記吸気バルブの開弁時期を進角して前記バルブオーバーラップ期間を設定する構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記稼働継続制御手段は、前記エンジンを冷却する冷却水、前記エンジンを構成する部材又は前記吸気通路内の吸気のいずれかの温度に基づいて前記所定時間を設定する構成を採用することができる。
この発明は、エンジン稼働の停止指示の際の燃焼室内又は吸気通路内の水の残留状況に基づいて、エンジン稼働の停止指示後もエンジンのアイドリングを所定時間だけ継続運転させるようにしたので、エンジンを停止した際の燃焼室内又は吸気通路内への水の残留を抑制することができる。
この発明の実施形態を示す要部縦断面図である。 (a)(b)は、この発明の制御の例を示すグラフ図である。 (a)〜(c)は、この発明の制御の例を示すグラフ図である。 (a)(b)は、この発明の制御の例を示すグラフ図である。
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、この実施形態のエンジン1の燃焼室2とシリンダヘッド付近を示す縦断面図である。
エンジン1のシリンダ内にはピストン8が収容されている。シリンダの上面、内周面、及び、ピストン8の上面等により燃焼室2が形成されている。燃焼室2の上部のシリンダヘッドには、燃焼室2内に吸気を送り込む吸気通路3として吸気ポート(以下、吸気ポート3と称する。)、燃焼室2から引き出された排気通路4として排気ポート(以下、排気ポート4と称する。)を備えている。
また、吸気ポート3内には、燃焼室2へ供給される吸気量を調節するスロットルバルブ13や、燃焼室2や吸気ポート3内へ燃料を噴射する燃料噴射弁(インジェクタ)10を備えている。また、燃焼室2の頂部には、その燃焼室2内に供給された燃料を燃焼させる点火装置7を備えている。
吸気ポート3の燃焼室2への開口である吸気弁孔は、吸気バルブ5によって開閉される。また、同様に、排気ポート4の燃焼室2への開口である排気弁孔も、排気バルブ6によって開閉される。
これらの図面では、この発明に直接関係する吸気側の部材や手段を中心に示し、他の部材等については図示省略している。また、図面では、一つのシリンダのみを示しているが、エンジン1は単気筒であってもよいし、複数のシリンダを備えた多気筒であってもよい。
吸気ポート3の断面形状は、通路の上面3a側と下面3b側とを結ぶ上下方向への最大径が、それに直交する幅方向への最大径よりも小さく設定された、いわゆる横長のオーバル形状となっている。このようなオーバル形状は、吸気ポート3の上流寄りに配置されるインテークマニホールド内の吸気通路から、吸気バルブ5のバルブステム5bがシリンダヘッド1に支持される箇所であるバルブ支持部付近までの区間において継続している。
吸気ポート3内に配置される燃料噴射弁10は、吸気ポート3の上面3a側から吸気ポート3内の空間に向かって噴射口が臨むように配置される。その噴射口の弁が開放されることにより、燃料は、吸気流れ方向に沿って下流側へ向かって噴射される。
また、吸気ポート3内には、その吸気ポート3や燃焼室2内に水を噴射する水噴射装置11が配置されている。水は、水噴射装置11の供給口から、図中に矢印で示す吸気流れ方向に沿って下流側へ向かって噴射される。
水は、エンジン1の周囲や、このエンジン1を搭載する車両のいずれかの箇所に設けられたタンクに充填され、そのタンクからポンプ等によって供給口へ送り出される。供給口の弁が開放されることにより、その供給口から噴射された水は、霧状になって吸気ポート3から燃焼室2内へ向かい、燃焼室2内ではそのほとんどが順次気化した状態(水蒸気)となっていく。そして、水が気化する際に吸気から熱を奪うことにより、吸気が冷却される。
なお、水噴射装置11の供給口を、燃焼室2内に臨ませた構成を採用することも可能である。この場合、水は、水噴射装置11の供給口から燃焼室2内に直接噴射される。
このエンジン1を搭載する車両は、電子制御ユニット20を備えている。電子制御ユニット20は、吸気バルブ5や排気バルブ6の開閉制御、燃料噴射の制御、点火時期の制御等を含む、エンジン1や補機類全般の制御を行うほか、車両に搭載された機器類の制御も行う。
また、電子制御ユニット20は、運転状況に応じて、吸気の冷却の必要があると判断される場合には、水噴射装置11による水の噴射の制御を行う。水噴射が必要であるかどうかの判断は、吸気の温度や、エンジンの負荷、回転数等の情報に基づいて行われる。吸気の温度は、吸気ポート3内に設けた吸気温度センサ15によって取得することができる。
このエンジン1を搭載する車両は、エンジン稼働の開始指示及び停止指示を行うイグニッションスイッチ24を備えている。運転者がイグニッションスイッチ24をオン操作すればエンジン1の稼働が開始し、運転者がイグニッションスイッチ24をオフ操作すれば、通常時は、即時にエンジン1の稼働が停止する。
電子制御ユニット20は、水噴射装置11による水噴射を最後に実行した後の経過時間Tを取得するタイマ21を備えている。水噴射は運転状況に応じて行われるので、最後に水噴射を実行した後、水噴射を行わない運転状況に移行してイグニッションスイッチ24をオフ操作した場合は、経過時間Tは比較的長くなる傾向がある。逆に、水噴射を行う運転状況でイグニッションスイッチ24をオフ操作した場合には、経過時間Tは比較的短くなる傾向がある。
さらに、電子制御ユニット20は、エンジン稼働の停止指示の際の経過時間Tに基づいて、エンジン稼働の停止指示後もエンジン1のアイドリングを所定時間Yだけ継続運転させる稼働継続制御手段22を備えている。
ここで、稼働継続制御手段22は、イグニッションスイッチ24をオフ操作、すなわち、エンジン稼働の停止指示の際における経過時間Tが、予め決められた閾値a未満である場合にのみ、継続運転を行う制御を行うようになっている。エンジン稼働の停止指示の際における経過時間Tが閾値a以上である場合は、既に、燃焼室2内や吸気ポート3内の水は充分に外部へ排出されており、継続運転の必要がないと考えられるからである。
ここで、エンジン稼働の停止指示の際における経過時間Tが短いほど、燃焼室2内や吸気ポート3内に残留する水は多いと考えられるので、アイドリングによる継続運転を行う所定時間Yを長く設定することができる。例えば、図2(a)は、経過時間Tが閾値a未満の領域において、経過時間Tが減少するにつれて、所定時間Yが一定の度合いで増加する態様である。また、図2(b)は、経過時間Tが閾値a未満の領域において、経過時間Tが減少するにつれて所定時間Yが徐々に長く設定されていくとともに、経過時間Tが単位時間減少する際の所定時間Yの増加量が、経過時間Tの減少とともに徐々に増加する態様である。これら以外にも、経過時間Tによって所定時間Yを導く種々のグラフ、マップ等を採用することができる。
なお、経過時間Tに基づいて所定時間Yを決定する際に、タイマ21は、アイドリングストップ中は経過時間Tのカウントを停止するように設定してもよい。また、アイドリングストップ時には、その後すぐにエンジン稼働が再開されるので、継続運転は行われない。
このように、稼働継続制御手段22は、エンジン稼働の停止指示の際の経過時間Tに基づいて、燃焼室2内や吸気ポート3内における水の残留状況を把握し、その経過時間Tに基づいて継続運転を行う所定時間Yを決定することが可能であるが、経過時間Tの要素以外にも、種々の要素に基づいて、燃焼室2内や吸気ポート3内における水の残留状況を把握し、所定時間Yを決定することができる。
例えば、稼働継続制御手段22は、水噴射装置11による水噴射を最後に実行した際の水の噴射量Wに基づいて水の残留状況を把握し、継続運転を行う所定時間Yを決定することが可能である。水噴射を最後に実行した際の水の噴射量Wとは、各燃焼サイクル毎に一定時間、一定量行われる水の噴射のうち、水噴射を行う運転状況から水噴射を行わない運転領域に移行した際における、移行前の最後の燃焼サイクルにおいて噴射された水の噴射量と規定することができる。あるいは、水噴射を行う運転状況でイグニッションスイッチ24をオフ操作した際の、最後の燃焼サイクルにおいて噴射された水の噴射量と規定することができる。
このとき、水噴射を最後に実行した際の水の噴射量Wが多いほど、燃焼室2内や吸気ポート3内における水の残留量が多いので、アイドリングの所定時間Yを長く設定することができる。例えば、図3(a)に示すように、最後に実行した水の噴射量Wが閾値b以上の領域において、水の噴射量Wが増加するにつれて、所定時間Yが増加する設定とする。ここで、図のように、水の噴射量Wが増加するにつれて所定時間Yが一定の度合いで増加する態様としてもよいし、水の噴射量Wの増加とともに、水の噴射量Wが単位量増加する際の所定時間Yの増加量が徐々に増加する態様等としてもよい。なお、閾値bはゼロとすることもできる。これら以外にも、水の噴射量Wによって所定時間Yを導く種々のグラフ、マップ等を採用することができる。
あるいは、稼働継続制御手段22は、エンジン1を冷却する冷却水、エンジン1を構成する部材(例えば、吸気ポート3や排気ポート4、シリンダブロック等)、又は、吸気ポート3内の吸気等の各種の温度Sに基づいて水の残留状況を把握し、所定時間Yを設定することも可能である。ここで、いずれか一つの温度Sの情報を所定時間Yを設定するための要素として採用してもよいし、複数の温度Sの情報に基づく代表値(平均値、最大値等)を所定時間Yを設定するための要素として採用してもよい。
冷却水の温度は、エンジン1の冷却水通路に設けた冷却水温度センサ14で取得することができる。また、エンジン1を構成する部材の温度は、その温度取得の対象となるエンジン1の構成部材に設けた温度センサで(図示せず)、吸気ポート3内の吸気の温度は、吸気ポート3内に設けた吸気温度センサ15で、それぞれ取得することができる。
これらの温度Sが低いほど、燃焼室2内や吸気ポート3内において水が多く残留していると考えられるので、アイドリングの所定時間Yを長く設定することができる。例えば、図3(b)に示すように、温度Sが閾値c未満の領域において、温度Sが低下するにつれて、所定時間Yが増加する設定とする。ここで、図のように、温度Sが低下するにつれて所定時間Yが一定の度合いで増加する態様としてもよいし、温度Sの低下とともに、温度Sが単位温度低下する際の所定時間Yの増加量が徐々に増加する態様等としてもよい。これら以外にも、温度Sによって所定時間Yを導く種々のグラフ、マップ等を採用することができる。
あるいは、稼働継続制御手段22は、燃焼室2内又は吸気ポート3内に備えた水検知手段12の水検知情報に基づいて水の残留状況を把握し、継続運転を行う所定時間Yを決定することが可能である。水検知手段12としては、例えば、周知の湿度センサ等を採用することにより行うことができる。水検知手段12は、水の残留状況として、吸気ポート3内の水の残留量Rを検出する。
例えば、図3(c)に示すように、水の残留量Rが閾値d以上の領域において、水の残留量Rが増加するにつれて、所定時間Yが増加する設定とする。ここで、図のように、水の残留量Rが増加するにつれて所定時間Yが一定の度合いで増加する態様としてもよいし、水の残留量Rの増加とともに、水の残留量Rが単位量増加する際の所定時間Yの増加量が徐々に増加する態様等としてもよい。なお、閾値dはゼロとすることもできる。これら以外にも、水の残留量Rによって所定時間Yを導く種々のグラフ、マップ等を採用することができる。
これらの水の噴射量W、温度S、水の残留量Rの情報は、経過時間Tによって決定された所定時間Yを補正、修正するための要素としても活用できる。
例えば、水の噴射量W(水噴射を最後に実行した際の水の噴射量W)が多いほど、経過時間Tによって決定された所定時間Yを増加させる補正を行うことができる。また、水の噴射量Wが所定量以上である場合には、経過時間Tが閾値a以上であっても継続運転を実行する修正を行うことも可能である。
同様に、温度Sが低いほど、あるいは、水の残留量Rが多いほど、経過時間Tによって決定された所定時間Yを増加させる補正を行うことができる。あるいは、温度Sが所定温度未満である場合や、水の残留量Rが所定量以上である場合に、経過時間Tが閾値a以上であっても継続運転を実行する修正を行うことも可能である。
さらに、継続運転が所定時間Yを超えた際も、水検知手段12による水の残留量Rが、所定量以上の水を検知している場合は、その継続運転をさらに続けて行う修正を行ってもよい。
上記各手法によって決定された所定時間Yの継続運転を行う場合、吸気バルブ5と排気バルブ6にバルブオーバーラップ期間を設定すると、燃焼室2内や吸気ポート3内での水の残留をさらに抑制することができる。バルブオーバーラップ期間の設定により、燃焼室2内の吸気ポート3側から排気ポート4側への掃気効果による水の排出性能が高められることや、排気ポート4側から吸気ポート3側への吹き戻し効果による水の蒸発性能が高められるからである。
バルブオーバーラップ期間の設定は、吸気バルブ5と排気バルブ6の開閉時期を調整する可変バルブタイミング機構9を備えたエンジン1において可能である。可変バルブタイミング機構9は、電子制御ユニット20が備えるバルブ制御手段23によって制御される。
この継続運転におけるバルブオーバーラップ期間中に、スロットルバルブ13を開状態とし、且つ、点火装置7の点火時期を遅角することで、吸気量を増大させ、掃気効果をさらに高めることができる。
また、バルブオーバーラップ期間の設定に際し、バルブ制御手段23は、前述の温度Sに基づいて、温度Sが所定温度以上である際は、図4(a)に示すように、排気バルブ6の閉弁時期を通常運転状態よりも遅角させる。図中の符号Eは、通常運転状態の排気バルブ6の動作を、符号Iは、通常運転状態の吸気バルブ5の動作を示す。符号E’は、遅角した後の排気バルブ6の動作を示す。ここでは、グラフ中の上方へ向かうほどリフト量が大きく、開弁量が大きい状態を示している。このように、排気バルブ6の閉弁時期の遅角によりバルブオーバーラップ期間が設定され、これにより、燃焼室2内の掃気効果が高められ、残留していた水が外部へ排出されやすい状況を設定できる。
また、温度Sに基づいて、温度Sが所定温度未満である際は、エンジン1を構成する部材の温度が低く水の蒸発が円滑ではないので、図4(b)に示すように、吸気バルブ5の開弁時期を通常運転状態よりも進角させる。図中の符号I’は、進角した後の吸気バルブ5の動作を示す。このように、吸気バルブ5の開弁時期の進角によりバルブオーバーラップ期間が設定され、これにより、エンジン1を構成する部材が比較的低温である場合にも、排気ポート4側から吸気ポート3側への吹き戻し効果を発揮させて吸気の温度を高め、残留していた水を蒸発させて、その水を外部へ排出しやすい状況を設定できる。
なお、継続運転においてバルブオーバーラップ期間を設定する際に、その前段において、吹き戻し効果を狙う吸気バルブ5の開弁時期の進角によるバルブオーバーラップ期間を設定し、その後の後段においては、掃気効果を狙うバルブオーバーラップ期間を設定してもよい。例えば、前段の吹き戻し効果を狙うバルブオーバーラップ期間を全体の半分の時間とし、後段の掃気効果を狙うバルブオーバーラップ期間を全体の半分とすることができる。
ただし、水噴射装置11の供給口が燃焼室2内に直接臨んでいる場合、吸気ポート3内への水の残留は、水噴射以外を原因とするものに限定されてその量が比較的少なくなる。このため、前述の吹き戻し効果を狙うバルブオーバーラップ期間の設定は、掃気効果を狙うバルブオーバーラップ期間の設定と比較して、相対的に重要度が低くなると考えられる。このため、水噴射装置11の供給口が燃焼室2内に直接臨んでいる場合、バルブオーバーラップ期間の設定は、排気バルブ6の閉弁時期の遅角によって行うことが望ましい。
上記の各実施形態では、水噴射装置11による水噴射は吸気の冷却を目的とするものを対象としたが、吸気の冷却を目的とする水噴射以外にも、例えば、燃焼室2内における混合気の整流や押出しを目的とする水噴射装置11を備えたエンジン1においても、この発明を適用できる。さらに、水噴射装置11を備えないエンジン1においても、燃料に含まれていた水、燃料の燃焼に伴って生じた水など、種々の要因によって燃焼室2内や吸気ポート3内への水の残留が生じ得るので、それらの水の残留を抑制するために、この発明を適用できる。また、ガソリンエンジンだけでなく、ディーゼルエンジン等の他の種別のエンジンにおいてもこの発明を適用できる。
1 エンジン
2 燃焼室
3 吸気ポート(吸気通路)
4 排気ポート(排気通路)
5 吸気バルブ
6 排気バルブ
7 点火装置
8 ピストン
9 可変バルブタイミング機構
10 燃料噴射弁
11 水噴射装置
12 水検知手段
13 スロットルバルブ
14 温度センサ
20 電子制御ユニット
21 タイマ
22 稼働継続制御手段
23 バルブ制御手段
24 イグニッションスイッチ

Claims (10)

  1. エンジンの燃焼室に接続される吸気通路及び排気通路と、
    燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    エンジン稼働の開始指示及び停止指示を行うイグニッションスイッチと、
    前記エンジン稼働の停止指示の際の前記燃焼室内又は前記吸気通路内の水の残留状況に基づいて前記エンジン稼働の停止指示後もエンジンのアイドリングを所定時間だけ継続運転させる稼働継続制御手段と、
    を備えるエンジンの制御装置。
  2. 前記燃焼室内又は前記吸気通路内に水を噴射する水噴射装置と、
    前記水噴射装置による水噴射を最後に実行した後の経過時間を取得するタイマと、
    を備え、
    前記稼働継続制御手段は、前記エンジン稼働の停止指示の際の前記経過時間に基づいて前記水の残留状況を把握する
    請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記稼働継続制御手段は、前記停止指示の際の前記経過時間が閾値未満である場合に前記継続運転を行う
    請求項2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記稼働継続制御手段は、前記経過時間が短いほど前記アイドリングの前記所定時間を長く設定する
    請求項2又は3に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記タイマは、アイドリングストップ中は前記経過時間のカウントを停止する
    請求項2〜4の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記稼働継続制御手段は、前記水噴射装置による水噴射を最後に実行した際の水の噴射量に基づいて前記所定時間を設定する
    請求項2〜5の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
  7. 前記吸気通路の前記燃焼室への開口を開閉する吸気バルブと、
    前記排気通路の前記燃焼室への開口を開閉する排気バルブと、
    前記吸気バルブ及び前記排気バルブの開閉時期を調整する可変バルブタイミング機構と、
    前記可変バルブタイミング機構を制御するバルブ制御手段と、
    を備え、
    前記稼働継続制御手段は、前記継続運転の際に前記吸気バルブ及び前記排気バルブが同時に開弁するバルブオーバーラップ期間を設定する
    請求項1〜6の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
  8. 前記吸気通路内に配置されるスロットルバルブと、
    前記燃焼室内に配置される点火装置と、
    を備え、
    前記継続運転における前記バルブオーバーラップ期間中は、前記スロットルバルブを開状態とし且つ前記点火装置の点火時期を遅角する
    請求項7に記載のエンジンの制御装置。
  9. 前記バルブ制御手段は、前記エンジンを冷却する冷却水、前記エンジンを構成する部材又は前記吸気通路内の吸気のいずれかの温度に基づいて前記温度が所定温度以上である際は前記排気バルブの閉弁時期を遅角して前記バルブオーバーラップ期間を設定し、前記温度が所定温度未満である際は前記吸気バルブの開弁時期を進角して前記バルブオーバーラップ期間を設定する
    請求項7又は8に記載のエンジンの制御装置。
  10. 前記稼働継続制御手段は、前記エンジンを冷却する冷却水、前記エンジンを構成する部材又は前記吸気通路内の吸気のいずれかの温度に基づいて前記所定時間を設定する
    請求項1〜9の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7524922B2 (ja) 2022-03-25 2024-07-30 トヨタ自動車株式会社 エンジン制御装置
JP7528976B2 (ja) 2022-04-12 2024-08-06 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

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JP7524922B2 (ja) 2022-03-25 2024-07-30 トヨタ自動車株式会社 エンジン制御装置
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