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JP2018107397A - 基板処理装置 - Google Patents

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JP2018107397A
JP2018107397A JP2016255540A JP2016255540A JP2018107397A JP 2018107397 A JP2018107397 A JP 2018107397A JP 2016255540 A JP2016255540 A JP 2016255540A JP 2016255540 A JP2016255540 A JP 2016255540A JP 2018107397 A JP2018107397 A JP 2018107397A
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ポーリン テン
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Abstract

【課題】処理液を基板に供給して当該基板を処理する空間、つまり処理空間の雰囲気と異なる別雰囲気が配管および待機ポッドを介して処理空間に流入するのを防止する。
【解決手段】待機位置から基板の上方に移動された処理液ノズルから処理液を基板に供給する基板処理装置であって、上方に向かって開口する開口部を有し、待機位置に位置する処理液ノズルから吐出される処理液を開口部を介して受ける待機ポッドと、待機ポッドの排液口に接続されて待機ポッドから処理液を排液する配管と、を備え、待機ポッドは、少なくとも処理液を含む液体を貯留する貯留部を内部に形成して開口部と排液口との間での気体の流通を規制する液封構造を有する。
【選択図】図3

Description

この発明は、待機位置から基板の上方に移動された処理液ノズルから処理液を前記基板に供給して基板に対して所定の処理を施す基板処理技術に関するものである。なお、基板には、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、磁気または光ディスク用のガラスまたはセラミック基板、有機EL用ガラス基板、太陽電池用ガラス基板またはシリコン基板などが含まれる。
半導体ウエハ等の基板に種々の処理を行うために薬液や純水などの処理液を吐出ヘッド(本発明の「処理液ノズル」の一例に相当)から基板に供給する基板処理装置が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の基板処理装置では、基板の搬入時には、吐出ヘッドはカップ部の外側に配置されたヘッド待機部(本発明の「待機ポッド」の一例に相当)にて待機している。
特開2014−179494号公報
ヘッド待機部には、吐出ヘッドに対応した開口が設けられている。また、待機ポッドの底部には配管が接続されており、吐出ヘッドの待機中に使用した液体が上記配管を介して基板処理装置の外部へと排液される。このため、吐出ヘッドから処理液を基板に供給して所定処理を行っている空間(以下「処理空間」という)の雰囲気と異なる別雰囲気が配管およびヘッド待機部を介して処理空間に流入することがあり、これによって処理に影響が及ぶ可能性があった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、処理液を基板に供給して当該基板を処理する空間、つまり処理空間の雰囲気と異なる別雰囲気が配管および待機ポッドを介して処理空間に流入するのを防止することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
この発明の一態様は、待機位置から基板の上方に移動された処理液ノズルから処理液を基板に供給する基板処理装置であって、上方に向かって開口する開口部を有し、待機位置に位置する処理液ノズルから吐出される処理液を開口部を介して受ける待機ポッドと、待機ポッドの排液口に接続されて待機ポッドから処理液を排液する配管と、を備え、待機ポッドは、少なくとも処理液を含む液体を貯留する貯留部を内部に形成して開口部と排液口との間での気体の流通を規制する液封構造を有することを特徴としている。
上記のように、本発明では、液体を貯留する貯留部を開口部と排液口との間に設けることで、待機ポッドの内部に液封構造を形成し、開口部と排液口との間での気体の流通を規制している。このため、処理液ノズルから処理液を基板に供給して所定処理を行う処理空間の雰囲気と異なる別雰囲気が配管および待機ポッドを介して処理空間に流入するのを確実に防止することができる。
本発明に係る基板処理装置の一実施形態を示す平面図である。 図1に示す基板処理装置の部分断面図である。 待機ポッドの構成を示す断面図である。
図1は本発明に係る基板処理装置の一実施形態を示す平面図である。また、図2は図1に示す基板処理装置の部分断面図である。この基板処理装置1はシリコンウエハ等の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、略五角柱状のチャンバ2と、チャンバ2の内部空間21に収容されて基板Wを保持するスピンチャック3(図2)とを備えている。
チャンバ2には、図1に示すように、シャッター22が設けられている。このシャッター22は装置全体を制御する制御部4からの開閉指令に応じて開閉される。すなわち、基板処理装置1では、未処理の基板Wをチャンバ2に搬入する際にシャッター22は開き、図示を省略する搬送ロボットのハンドによって未処理の基板Wがスピンチャック3にローディングされる。そして、当該ローディング完了後に搬送ロボットのハンドがチャンバ2から退避すると、シャッター22は閉じ、チャンバ2の内部空間21内で各種処理液が基板Wに供給されて所望の基板処理が実行される。また、基板処理の終了後においては、シャッター22は再び開き、搬送ロボットのハンドが処理済の基板Wをスピンチャック3からアンローディングする。このように、本実施形態では、チャンバ2の内部空間21が上記処理空間に相当している。
スピンチャック3は、基板Wを把持する複数のチャックピン31と、複数のチャックピン31を支持して水平方向に沿う円盤形状に形成されたスピンベース32と、スピンベース32に連結され基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線C1まわりに回転する中心軸33と、モータによって中心軸33を回転軸線C1まわりに回転させる基板回転駆動機構34とを備えている。複数のチャックピン31は、スピンベース32の上面の周縁部に設けられている。この実施形態では、チャックピン31は周方向に等間隔を空けて配置されている。そして、スピンチャック3に載置された基板Wをチャックピン31で把持した状態で制御部4からの回転指令に応じて基板回転駆動機構34のモータが作動すると、基板Wは回転軸線C1まわりに回転する。また、このように基板Wを回転させた状態で、制御部4からの供給指令に応じて複数の処理液ノズルから処理液が順次基板Wの表面に供給される。
本実施形態では、処理液ノズルとして3本のノズル51〜53がチャンバ2の内部空間21内で移動自在に設けられている。また、ノズル51〜53をそれぞれ移動させるために、第1〜第3ノズル移動機構54〜56がチャンバ2内に収容されている。より詳しくは、第1ノズル移動機構54は第1ノズル51を移動させ、第2ノズル移動機構55は第2ノズル52を移動させ、第3ノズル移動機構56は第3ノズル53を移動させる。なお、これらのノズル移動機構54〜56は同一構成を有しているため、ここでは第1ノズル移動機構54の構成について説明し、残りの第2ノズル移動機構55および第3ノズル移動機構56については同一符号を付して説明を省略する。
第1ノズル移動機構54は、鉛直方向に沿う回動軸57を有している。この回動軸57の上端部にノズルアーム58の基端部が連結される一方、回動軸57の下端部に回動軸駆動機構59が連結されている。このノズルアーム58は水平方向に延設されており、その端部で第1ノズル51を保持する。このため、制御部4からの回動指令に応じて回動軸駆動機構59のアクチュエータ(図示省略)が回動軸57の中心軸線まわりに回動軸57を回動させることによって、回動軸57とともにノズルアーム58が回動する。これにより、第1ノズル51は、基板Wの上面中央の上方位置と、基板Wの上面と鉛直方向Zに対向しない待機位置(図1の実線位置)との間を往復移動する。なお、本実施形態では、待機位置に移動してきた第1ノズル51を待機させるための待機ポッド6が設けられるとともに、第2ノズル52および第3ノズル53に対しても、第1ノズル51と同様に待機ポッド6が設けられている。待機ポッド6の構成および機能については、後で詳述する。
基板Wに供給される処理液は、基板Wの表面を処理するための流体であり、例えば、フッ酸等の薬液や脱イオン水(DIW)等のリンス液やイソプロピルアルコール(Isopropyl Alcohol: IPA)等の有機溶剤が処理液として使用される。ここで、薬液は、フッ酸に限られず、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(例えば、クエン酸、蓚酸等)、有機アルカリ(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。これらを混合した薬液の例としては、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過酸化水素水混合液)、SC1(ammonia-hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水混合液)等が挙げられる。また、リンス液は、脱イオン水に限られず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、および希釈濃度(例えば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。さらに、有機溶剤は、IPAに限られず、IPA、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。また、有機溶剤は、単体成分のみからなる必要はなく、他の成分と混合した液体であってもよい。例えば、IPA液と純水との混合液であってもよいし、IPA液とHFE液との混合液であってもよい。
本実施形態では、処理液として、フッ酸、SPMおよびDIWの3種類を用いて基板処理する。より具体的には、第1ノズル51は、スピンチャック3に保持された基板Wの上面にフッ酸を供給するフッ酸供給ノズルであり、供給管71を介してフッ酸供給部(図示省略)と接続されている。この供給管71には、その流路を開閉する開閉バルブ(図示省略)が介装されている。このため、制御部4からの開指令に応じて当該開閉バルブが開成することでフッ酸供給部からフッ酸が供給管71を介して第1ノズル51に送液され、第1ノズル51の吐出口からフッ酸が鉛直下方に向けて吐出される。
また、第2ノズル52は、スピンチャック3に保持された基板Wの上面にDIWを供給するDIW供給ノズルであり、供給管72を介してDIW供給部(図示省略)と接続されている。この供給管72には、その流路を開閉する開閉バルブ(図示省略)が介装されている。このため、制御部4からの開指令に応じて当該開閉バルブが開成することでDIW供給部からDIWがリンス液として供給管72を介して第2ノズル52に送液され、第2ノズル52の吐出口からDIWが鉛直下方に向けて吐出される。なお、この第2ノズル52によって、スピンチャック3のチャックピン31を洗浄することもできる。これにより、基板Wの連続処理時にチャックピン31が汚染されるのを防止することができる。
さらに、第3ノズル53は、スピンチャック3に保持された基板Wの上面にSPMを供給するSPM供給ノズルであり、供給管73を介してSPM供給部(図示省略)と接続されている。この供給管73には、その流路を開閉する開閉バルブ(図示省略)が介装されている。このため、制御部4からの開指令に応じて当該開閉バルブが開成することでSPM供給部からSPMが供給管73を介して第3ノズル53に送液され、第3ノズル53の吐出口からSPMが鉛直下方に向けて吐出される。
基板処理装置1では、スピンチャック3を取り囲むように、排気桶80が設けられている。また、スピンチャック3と排気桶80との間に配置された複数のカップ81,82(第1カップ81および第2カップ82)と、基板Wの周囲に飛散した処理液を受け止める複数のガード84〜86(第1〜第3ガード84〜86)とが設けられている。
これらのガード84〜86に対してガード昇降駆動機構87〜89(第1〜第3ガード昇降駆動機構87〜89)がそれぞれ連結されており、制御部4からの昇降指令に応じてガード84〜86を独立して昇降可能となっている。なお、昇降駆動機構87〜89は、一部を除いて内部空間21に収容されており、内部空間21内において複数のノズル51〜53のノズルアーム58の水平移動範囲の直下に配置されている。
排気桶80は、円筒状の筒状部80Aと、筒状部80Aの径方向外方に筒状部80Aから突出した複数(本実施形態では2つ)の突出部80Bと、複数の突出部80Bをそれぞれ上方から覆う複数の蓋部80Cとを有している。ガード昇降駆動機構87〜89は、筒状部80Aの周方向において突出部80Bと同じ位置で、突出部80Bよりも基板Wの回転径方向内側に配置されている。詳しくは、周方向において各突出部80Bと同じ位置には、第1ガード昇降駆動機構87、第2ガード昇降駆動機構88および第3ガード昇降駆動機構89により構成される組が1組ずつ配置されている。
各カップ81,82は、円筒状であり、排気桶80の筒状部80Aよりも基板Wの回転径方向内側でスピンチャック3を取り囲んでいる。第2カップ82は、第1カップ81よりも基板Wの回転径方向外側に配置されている。第2カップ82は、例えば、第1ガード84と一体であり、第1ガード84と共に昇降する。各カップ81,82は、上向きに開いた環状の溝を形成している。各カップ81,82の溝には、回収配管(図示せず)または廃液配管(図示せず)が接続されている。各カップ81,82の底部に導かれた処理液は、回収配管または廃液配管を通じてチャンバ2の外壁に設けられた排出口23(図1)を介して回収または廃棄される。
各ガード84〜86は、円筒状であり、排気桶80の筒状部80Aよりも基板Wの回転径方向内側でスピンチャック3を取り囲んでいる。各ガード84〜86は、各ガード84〜86の傾斜部の内周面が基板Wの周端面に対向する上位置と、全体が基板Wよりも下側に位置する下位置との間で移動可能である。基板Wへの処理液の供給や基板Wの乾燥は、いずれかのガード84〜86が上位置にある状態で行われる。詳しくは、処理液による基板Wの処理は、第1ガード84および第2ガード85のいずれかが上位置にある状態で行われる。基板Wに処理液が供給されているときに基板Wの周囲に飛散した処理液は、全てのガード84〜86が上位置にあるときには、第1ガード84によって第1カップ81に案内され、第2ガード85および第3ガード86が上位置にあり第1ガード84が下位置にあるときには、第2ガード85によって第2カップ82に案内される。基板Wの乾燥は、最も外側の第3ガード86のみが上位置にある状態で行われる。
基板処理装置1は、スピンチャック3に保持された基板Wの上面に間隔を空けて対向する遮断板9と、遮断板9に連結され、水平に延びる遮断板支持部材91と、遮断板支持部材91を介して遮断板9に連結され、遮断板9の昇降を駆動する遮断板昇降駆動機構92と、遮断板9を回転軸線C1まわりに回転させる遮断板回転駆動機構93とをさらに備えている。遮断板9は、内部空間21内で昇降可能な昇降部材の一例であり、遮断板昇降駆動機構92は、昇降部材としての遮断板9の昇降を駆動する昇降駆動機構の一例である。
図3は待機ポッドの構成を示す断面図である。基板処理装置1では、第1ノズル51〜第3ノズル53から基板Wに処理液を吐出しない間、ノズルを待機させるための待機ポッド6が設けられている。そして、その待機中に処理液を予備的に吐出する、いわゆるプリディスペンス処理が実行される。その際に吐出された処理液は待機ポッド6に捕集され、排液配管74を介して排液回収部75に回収される。ここで、待機ポッド6を介して基板処理装置1の内部空間21と、排液配管74とが空間的に接続されると、排液配管74および待機ポッド6を通してミストや反応ガスなどが内部空間21に逆流され、チャンバ2内の雰囲気が汚染されてしまう。そこで、本実施形態では、待機ポッド6は単にノズルから吐出される処理液を捕集する機能のみならず、内部空間21と排液配管74とを空間的に遮断する機能を備えるように構成されている。以下、図3を参照しつつ待機ポッド6の構成および動作について詳述する。ここでは、第3ノズル53を待機させるための待機ポッド6を例示して説明するが、その他の待機ポッド6も同様である。
待機ポッド6は容器61を有している。この容器61の上面には、待機ポッド6に対して第3ノズル53の先端部531を差し入れるための開口部62が設けられており、第3ノズル53が待機ポッド6から離れた状態では開口部62は開放状態となる。一方、第3ノズル53の先端部531の挿入によって開口部62が塞がれるとともに、第3ノズル53から吐出される処理液(本実施形態では、SC1)を容器61の内部で受けることが可能となっている。
容器61の内部には、2つの隔壁63、64が設けられ、待機ポッド6の内部が3つの空間651〜653に区分けされている。より詳しくは、容器61の内底面から鉛直上方に排液側隔壁63が立設されている。これによって、図3に示すように、当該内底面が半分ずつ区分けされ、そのうちの一方の底面領域(図3の左手側領域)に排液口66が設けられるとともに、他方の底面領域(図3の右手側領域)が側壁から排液側隔壁63に向けて下り傾斜面に仕上げられている。なお、本実施形態では、排液側隔壁63を挟んで排液口側を「排液側」と称するとともに、反排液口側を「貯留側」と称する。
また、もう一方の捕集側隔壁64は、排液側隔壁63の上方位置に配置された傾斜板641と、排液側隔壁63よりも貯留側(図3の右手側)に配置された垂下板642とを連結した連結体で構成されている。傾斜板641は開口部62と対向して設けられている。また、傾斜板641は、排液側から貯留側に向けて下り傾斜しながら排液側隔壁63よりも貯留側に延設した状態で容器61の内壁面に取り付けられている。さらに、垂下板642は傾斜板641の貯留側の端部から鉛直下方に垂設され、垂下板642の下端部は、鉛直方向Zにおいて排液側隔壁63の上端部と重なるように設けられている。こうして、2つの隔壁63、64を設けることで、待機ポッド6の内部は、傾斜板641の上方空間と垂下板642の貯留側の空間とで構成される捕集空間651と、垂下板642と排液側隔壁63とで挟まれた液封空間652と、排液側隔壁63の排液側の排液空間653とに区分けされている。このため、開口部62の差し込まれた第3ノズル53からSPMが吐出されると、SPMは傾斜板641の上面で受け止められる。そして、同図の破線で示すように、SPMは傾斜板641に沿って貯留側に流動し、貯留側の底面領域に到達する。また、この貯留側の底面領域は上記したように排液側隔壁63に向かって下り傾斜しているため、当該底面領域に捕集されたSPMは排液側隔壁63で堰き止められる形で液封空間652で貯留されて貯留部654が形成される。
また、本実施形態では、貯留部654に貯留されたSPMの濃度が時間経過に伴って高くなるのを防止するとともに、貯留部654に貯留される液体のレベルが鉛直方向において垂下板642と排液側隔壁63と重なっている範囲Rに入って液封構造が形成されるように、本実施形態では、基板処理装置1に電源が投入されている間、待機ポッド6へのDIWのスローリークを常時継続して行っている。すなわち、容器61の貯留側では、側面に開口部67が設けられるとともにスローリーク用配管68を介してスローリーク用供給部69と接続されている。このスローリーク用供給部69は単位時間当たりの供給量を微小に抑えながらDIWを補充液として待機ポッド6に供給する機能を有しており、開口部67を介して捕集空間651にDIWが補充されて待機ポッド6内で液封構造を形成するのに十分な量の液体が確保される。すなわち、貯留部654でSPMの濃度は低濃度となるとともに、貯留部654に貯留される液体、つまりSPMとDIWとの混合液の量が増え、その液レベルは範囲Rに入り、液封空間652に液封構造が形成される。そして、時間経過に伴ってSPMの吐出やDIWの供給が継続されると、液レベルは範囲Rの上限に到達する。さらに、上記継続によって、液封構造が形成されたまま、SPMとDIWとの混合液は排液側隔壁63を越えて排液空間653に流入する、つまり液封空間652からオーバーフローする。なお、オーバーフローした混合液は排液口66および排液配管74を介して排液回収部75に回収される。
以上のように、本実施形態では、2つの隔壁63、64を待機ポッド6の内部に設けることで液体(第3ノズル用の待機ポッド6では、SPMとDIWの混合液)を貯留する貯留部654が開口部67と排液口66との間に設けられている。そして、開口部67を介してDIWを常時スローリークしているため、液封空間652内での液体(=SPMとDIWの混合液)の液レベルは範囲Rに入って液封構造が形成される。したがって、開口部62、67と排液口66との間での気体やミストの流通を規制することができ、内部空間21の雰囲気と異なる別雰囲気が排液配管74および待機ポッド6を介して内部空間21に流入するのを確実に防止することができる。このような作用効果については、他の待機ポッド6においても同様である。つまり、第1ノズル51に対応して設けられた待機ポッド6では、処理液(フッ酸)と異なる種類の補充液(DIW)を補充し、両者の混合液(=フッ酸+DIW)による液封構造を形成する。また、第2ノズル52に対応して設けられた待機ポッド6では、処理液(DIW)と同じ種類の補充液(DIW)を補充し、DIWによる液封構造を形成する。したがって、これらの液封構造によって、他の雰囲気が内部空間21に流入するのを確実に防止することができる。
また、本実施形態では、ノズル51〜53から吐出された処理液が傾斜板641を落下し、その後で傾斜板641を伝わって移動し、貯留部654に着液する。このため、次のような作用効果が得られる。仮に、ノズル51〜53から吐出した処理液が貯留部654に直接落液すると、液跳ねを起こしてミストを生じ、チャンバ2の内部空間21を汚染する恐れがある。これに対し、本実施形態では、上記したように吐出した処理液は一旦、傾斜板641に当たった後、傾斜板641を介して貯留部654に落液する。このため、貯留部654への落液に際して多量のミストが発生することが防止できる。
上記実施形態では、第1ノズル51ないし第3ノズル53が本発明の「処理液ノズル」の一例に相当している。また、スローリーク用供給部69が本発明の「補充液供給部」の一例に相当し、スローリーク用供給部69から供給されるDIWが本発明の「補充液」の一例に相当している。さらに、排液配管74が本発明の「配管」の一例に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、3つの待機ポッド6の全部に対して本発明を適用する、つまり隔壁63、64を設けて液封を形成しているが、一部の待機ポッド6についてものみ本発明を適用してもよい。例えば図1に示すように、上記実施形態では、チャンバ2の外壁に設けられた排出口23を介して処理液の排出とともに排気処理が行われるため、排出口23に近接する待機ポッド6(ノズル51用の待機ポッド6)については液封構造が不要となる場合があるが、スピンチャック3を挟んで排出口23の反対側に配置された第3ノズル53用の待機ポッド6については、上記した液封構造を設けるのが望ましい。
また、上記実施形態では、3種類の処理液を用いる基板処理装置1に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、処理液の種類やノズル本数などを問わず、ノズルから処理液を基板に供給して所定の処理を施す基板処理装置全般に適用可能である。
また、上記実施形態では、待機ポッド6へのDIWのスローリークを常時継続して待機ポッド6内で液体(=処理液+DIW)をオーバーフローさせている。しかしながら、液封空間652内での上記液体の液レベルを範囲Rに入れて液封構造を形成しているという条件を満足させつつDIWのスローリークを一時的に停止させたり、当該スローリークを断続的に行うように構成してもよい。この場合、DIWの使用量を抑制することができ、ランニングコストを抑制しながら他の雰囲気が内部空間21に流入するのを確実に防止することができる。
また、上記実施形態では、待機ポッド6に対してDIWを本発明の「補充液」としてスローリークさせているが、DIWの代わりに他の液体、例えば炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、および希釈濃度(例えば、10〜100ppm程度)の塩酸水などを用いてもよい。つまり、これらが本発明の「水」の一例に相当している。
また、上記実施形態では、ノズル51〜53から吐出された処理液のみならずDIWを待機ポッド6に供給することで待機ポッド6に液封構造を形成しているが、処理液のみにより液封構造を形成してもよく、この場合、DIWのスローリークは不要となる。
この発明は、待機位置から基板の上方に移動された処理液ノズルから処理液を基板に供給して基板に対して所定の処理を施す基板処理技術全般に適用することができる。
1…基板処理装置
6…待機ポッド
21…内部空間
51…第1ノズル(処理液ノズル)
52…第2ノズル(処理液ノズル)
53…第3ノズル(処理液ノズル)
62…開口部
63…排液側隔壁
64…捕集側隔壁
66…排液口
68…スローリーク用配管
69…スローリーク用供給部(補充液供給部)
74…排液配管
641…傾斜板
651…捕集空間
652…液封空間
653…排液空間
654…貯留部
W…基板

Claims (6)

  1. 待機位置から基板の上方に移動された処理液ノズルから処理液を前記基板に供給する基板処理装置であって、
    上方に向かって開口する開口部を有し、前記待機位置に位置する前記処理液ノズルから吐出される前記処理液を前記開口部を介して受ける待機ポッドと、
    前記待機ポッドの排液口に接続されて前記待機ポッドから前記処理液を排液する配管と、を備え、
    前記待機ポッドは、少なくとも前記処理液を含む液体を貯留する貯留部を内部に形成して前記開口部と前記排液口との間での気体の流通を規制する液封構造を有する
    ことを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記待機ポッドの内部は、複数の隔壁によって、前記開口部に連通されて前記処理液を捕集する捕集空間と、前記排液口に連通されて前記処理液を前記配管に案内する排液空間と、前記捕集空間および前記排液空間との間で前記貯留部を形成する液封空間とに仕切られている基板処理装置。
  3. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記複数の隔壁のうち前記捕集空間と前記液封空間とを仕切る捕集側隔壁は、前記開口部の鉛直下方で傾斜して設けられた傾斜板を有し、前記開口部を介して前記待機ポッドの内部に吐出された前記処理液を前記傾斜板で受けるとともに前記傾斜板に沿って前記貯留部に向けて流動させる基板処理装置。
  4. 請求項2または3に記載の基板処理装置であって、
    前記複数の隔壁のうち前記液封空間と前記排液空間とを区切る排液側隔壁は、前記待機ポッドの内底面から上方に立設され、前記貯留部に貯留された前記液体を前記液封空間から前記排液空間にオーバーフロー可能としている基板処理装置。
  5. 請求項2ないし4のいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
    前記捕集空間に前記処理液と同じあるいは異なる種類の補充液を供給する補充液供給部をさらに備える基板処理装置。
  6. 請求項5に記載の基板処理装置であって、
    前記補充液供給部は前記補充液として水を供給する基板処理装置。
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