JP2018199749A - ゴム配合用フェノール樹脂組成物、ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴムに配合した場合に、加硫後の弾性率が高く、ヒステリシスロスの低いゴム組成物を得ることができる、ゴム配合用フェノール樹脂組成物、ならびに、このゴム配合用フェノール樹脂組成物を含むゴム組成物およびタイヤを提供すること。【解決手段】本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物は、フェノール樹脂(A)(但し、下記フェノール樹脂(b2)は除く。)と、3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類を含むフェノール類(b1)および/または前記フェノール類(b1)とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)を含む化合物(B)と、を含むものである、ことを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム配合用フェノール樹脂組成物、ゴム組成物およびタイヤに関するものである。
フェノール樹脂は、土木・建築用材料、各種工業製品材料、汎用日用品など様々な種類の用途に用いられている。これらの中でも、ゴム材料には、原料ゴムにフェノール樹脂等の様々な添加剤を加えた複合材料が使用され、要求される耐摩耗性、耐クラック性、耐外傷性など種々の特性向上が試みられている。
例えば、主原料であるゴムには、BR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)などの各種合成ゴムや天然ゴムが用いられるが、これらのゴム材料に、耐摩耗性能や機械的強度を与えるためには、フェノール樹脂のような弾性率の高い熱硬化性樹脂を配合したり、硫黄、加硫促進剤、カーボンブラック等の配合剤を多量に配合する方法などが実施されている。
一方で、フェノール樹脂のような熱硬化性樹脂を配合した場合、一般的にゴムの機械的な性能、特に弾性率は向上するが、ゴムの変形に伴うヒステリシスロスは悪化する傾向にある。ゴムの弾性率はゴム部品の剛性向上、ヒステリシスロス低減は発熱性、特にタイヤ部材においては省燃費性能に寄与するため、これら性能の両立が望まれている。
熱硬化性樹脂を用いた弾性率の改善、ヒステリシスロスを低減する手段としては、熱硬化性樹脂への剛直骨格の導入(例えば、特許文献1参照。)、剛直骨格を持つ化合物の添加(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。しかしながら、剛直骨格の導入、および剛直骨格を持つ化合物の添加は未加硫ゴムの粘度を上昇させ、作業性が損なわれるために配合に制約が出ること、また剛直骨格を有する化合物は高価であり、適用できる部材が限られていた。
本発明によれば、ゴムに配合した場合に、加硫後の弾性率が高く、ヒステリシスロスの低いゴム組成物を得ることができる、ゴム配合用フェノール樹脂組成物、ならびに、このゴム配合用フェノール樹脂組成物を含むゴム組成物およびタイヤを提供するものである。
このような目的は、以下の本発明により達成される。
(1) フェノール樹脂(A)(但し、下記フェノール樹脂(b2)は除く。)と、3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類を含むフェノール類(b1)および/または前記フェノール類(b1)とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)を含む化合物(B)と、を含むものである、ことを特徴とするゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(2) 前記フェノール樹脂(A)が、未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のフェノール樹脂を含むものである、(1)に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(3) 前記フェノール樹脂(A)と前記化合物(B)との溶融混合物である(1)または(2)に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(4) 前記フェノール類(b1)に含まれる前記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造を、前記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造と前記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対して、0.1モル%以上、10モル%以下の割合で含むものである、(1)から(3)のいずれか一項に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(5) (1)から(4)のいずれか一項に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物とメチレンドナーおよびジエン系ゴムを含むものである、ことを特徴とするゴム組成物。
(6) (5)に記載のゴム組成物を含むものである、ことを特徴とするタイヤ。
(1) フェノール樹脂(A)(但し、下記フェノール樹脂(b2)は除く。)と、3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類を含むフェノール類(b1)および/または前記フェノール類(b1)とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)を含む化合物(B)と、を含むものである、ことを特徴とするゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(2) 前記フェノール樹脂(A)が、未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のフェノール樹脂を含むものである、(1)に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(3) 前記フェノール樹脂(A)と前記化合物(B)との溶融混合物である(1)または(2)に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(4) 前記フェノール類(b1)に含まれる前記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造を、前記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造と前記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対して、0.1モル%以上、10モル%以下の割合で含むものである、(1)から(3)のいずれか一項に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
(5) (1)から(4)のいずれか一項に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物とメチレンドナーおよびジエン系ゴムを含むものである、ことを特徴とするゴム組成物。
(6) (5)に記載のゴム組成物を含むものである、ことを特徴とするタイヤ。
本発明に従うと、高弾性率と低ヒステリシスロス性に優れるゴム組成物を得ることができる。このため、本発明のゴム組成物は、高弾性率と低ヒステリシスロスが必要となる、特にタイヤに好適に使用できるものである。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物は、フェノール樹脂(A)(但し、下記フェノール樹脂(b2)は除く。)と、3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類を含むフェノール類(b1)および/または前記フェノール類(b1)とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)を含む化合物(B)と、を含むものである、ことを特徴とする。また、本発明のゴム組成物はこれらゴム配合用フェノール樹脂組成物を含むものである、ことを特徴とする。さらに本発明のタイヤは、これらのゴム組成物を含むものである、ことを特徴とする。以下、本発明について、詳細に説明する。以下、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
まず、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物について説明する。本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物は、フェノール樹脂(A)(但し、下記フェノール樹脂(b2)は除く。)と、3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類を含むフェノール類(b1)および/または前記フェノール類(b1)とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)を含む化合物(B)と、を含むものである。本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物をゴムに配合することにより、加硫後の弾性率が高く、ヒステリシスロスの低いゴム組成物を得ることができる。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物は、フェノール樹脂(A)(但し、上記フェノール樹脂(b2)は除く。)を含むものとすることができる。本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物に用いることができるフェノール樹脂(A)としては、特に限定されるものではないが、フェノール類とアルデヒド類との縮合物であり、例えば、未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のフェノール樹脂
を含むものであることが好ましい。クレゾール樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、クレゾールのオルソ、メタ、パラの各異性体いずれを用いても良いし、それらの混合物を用いてもかまわない。さらにフェノールを加えたクレゾール変性フェノール樹脂としても良い。ビスフェノール変性フェノール樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールTMC、ビスフェノールZなどとフェノールのアルデヒド縮合物が挙げられる。アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール変性フェノール樹脂としては、特に限定されるものではないが、アルキルフェノール成分として例えば、エチルフェノール、キシレノール、炭素数3〜20のアルキル鎖が付加したアルキルフェノール等を含むものと、アルデヒドとの縮合物が挙げられる。アルキル鎖は直鎖状でも、分岐構造を有していてもかまわないし、不飽和結合を有していても良い。また、これらフェノール類と反応させるアルデヒド源としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラキシレンジメチルエーテル等が挙げられる。コストの点から、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン、ヘキサメチレンテトラミンが好ましい。これらのフェノール樹脂は、単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。これらのフェノール樹脂うちでも、コストと性能の両立の点から、好ましくは、未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂であり、さらに好ましくは、未変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂である。
を含むものであることが好ましい。クレゾール樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、クレゾールのオルソ、メタ、パラの各異性体いずれを用いても良いし、それらの混合物を用いてもかまわない。さらにフェノールを加えたクレゾール変性フェノール樹脂としても良い。ビスフェノール変性フェノール樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールTMC、ビスフェノールZなどとフェノールのアルデヒド縮合物が挙げられる。アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール変性フェノール樹脂としては、特に限定されるものではないが、アルキルフェノール成分として例えば、エチルフェノール、キシレノール、炭素数3〜20のアルキル鎖が付加したアルキルフェノール等を含むものと、アルデヒドとの縮合物が挙げられる。アルキル鎖は直鎖状でも、分岐構造を有していてもかまわないし、不飽和結合を有していても良い。また、これらフェノール類と反応させるアルデヒド源としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラキシレンジメチルエーテル等が挙げられる。コストの点から、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン、ヘキサメチレンテトラミンが好ましい。これらのフェノール樹脂は、単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。これらのフェノール樹脂うちでも、コストと性能の両立の点から、好ましくは、未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂であり、さらに好ましくは、未変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂である。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物は、3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類を含むフェノール類(b1)および/または上記フェノール類(b1)とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)を含む化合物(B)を含むものとすることができる。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物に用いることができるフェノール類(b1)は、3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類を含むものとすることができるが、好ましくはレゾルシノールを含むものである。また、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物に用いることができるフェノール類(b1)は、3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類を含むものであれば、特に限定されず、他のフェノール類を含んでも構わない。3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類と併用してもよい他のフェノール類としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール、クレゾール、3,5−キシレノール以外のキシレノール異性体、ビスフェノールA、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールTMC、ビスフェノールZ、エチルフェノール、炭素数3〜20の炭化水素鎖が付加したアルキルフェノール等が挙げられる3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上と併用してもよい他のフェノール類
は、単独または2種類以上組み合わせて使用することができるが、コストの点から、フェノール、クレゾールが好ましい。
は、単独または2種類以上組み合わせて使用することができるが、コストの点から、フェノール、クレゾールが好ましい。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物は、上記フェノール類(b1)とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)を含むものとすることができる。本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物に用いることができるフェノール樹脂(b2)の縮合反応に用いることができるアルデヒド類としては、特に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラキシレンジメチルエーテル等が挙げられる。これらのアルデヒド類のうち、コストの点から、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン、ヘキサメチレンテトラミンが好ましい。これらのアルデヒド類は、単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
上記フェノール類(b1)とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)は、特に限定されるものではないが、例えば、上記フェノール類(b1)とアルデヒド類とを、50℃〜200℃で加熱する方法などが挙げられる。フェノール類(b1)とアルデヒド類のモル比(F/Pモル比)は、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール類(b1)1モルに対しアルデヒド類を0.1モル〜4.0モルとしてもよく、好ましくは0.2モル〜2.0モル、特に好ましくは0.3モル〜1.0モルとすることができる。また、上記フェノール類(b1)とアルデヒド類とを、50℃〜200℃で加熱する方法では、必要に応じて触媒を用いてもよい。用いることができる触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸性触媒、塩基性触媒、遷移金属触媒を用いることができる。酸性触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸類、スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、酢酸、シュウ酸、ギ酸などの有機酸類を用いることができる。塩基性触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア水、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、炭酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミンなどのアルカリ性物質を用いることができる。遷移金属触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、チタン、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、クロム、マンガン等の遷移金属の無機塩、有機酸塩を用いることができる。フェノール樹脂(b2)を製造する装置は特に限定されないが、例えば加熱器、冷却器と撹拌器を備えた反応釜のような容器で反応させたり、連続ミキサー等で連続的に反応を行ってもかまわない。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物は、特に限定されるものではないが、上記フェノール樹脂(A)と上記化合物(B)との溶融混合物であることが好ましい。これにより、ゴムに配合した際に、加硫後の弾性率とヒステリシスロスのバランスを維持しながら、ゴム組成物の加硫速度が低下すること無く、スコーチタイムを長くすることができ、さらに加工性に優れたゴムを得ることができる。上記フェノール樹脂(A)と上記化合物(B)とを溶融混合する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記フェノール樹脂(A)と上記化合物(B)とを、ともにバッチ式の混合機やニーダー、単軸混練機、二軸混練機等で加熱溶融させたり、溶剤等を用いて均一に溶解させた後に脱溶剤して得てもよい。
本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物において、上記フェノール類(b1)のうちの、3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の含有量は、特に限定されるものではないが、上記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造と上記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対して、0.1モル%以上、10モル%以下であることが好ましく、より、好ましくは0.5モル%以上、8モル%以下であり、特に好ましくは1モル%以上、5モル%以下である。これにより、ゴムに配合した際に、ゴム組成物のスコーチタイムおよび加硫時間の悪化を抑制しつつ、加硫後の弾性率とヒステリシスロスのバランスにさらに優れたゴムを得ることができる。上記フェノール類(b1)に含まれる上記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の含有量は、上記フェノール類(b1)に含まれる上記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造のモル数、上記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造のモル数、および、上記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造のモル数を以下の方法で算出したうえで、上記フェノール類(b1)に含まれる上記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造のモル数を、上記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造のモル数、および上記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造のモル数の総量により除することで、求めることができる。上記フェノール類(b1)に含まれる上記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造のモル数は、上記メタ位に置換基を有するフェノール類の既知の分子構造、ならびに、上記メタ位に置換基を有するフェノール類および必要に応じて併用する他のフェノール類とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)の既知の分子構造および水酸基当量より求めることができる。また、上記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造のモル数は、上記フェノール樹脂(A)の水酸基当量より求めることができる。さらに、上記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造のモル数は、上記メタ位に置換基を有するフェノール類の既知の分子構造、および必要に応じて併用する他のフェノール類の既知の分子構造、ならびに、上記メタ位に置換基を有するフェノール類および必要に応じて併用する他のフェノール類とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)の既知の
分子構造および水酸基当量より求めることができる。なお、上記フェノール類(b1)に含まれる上記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の含有量は、本発明のフェノール樹脂組成物をNMR等で分析し、フェノール樹脂組成物に含まれるフェノール核の構造の種類を特定したうえで、特定された分子構造およびフェノール樹脂組成物の水酸基当量を基に、上記フェノール類(b1)に含まれる上記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造のモル数、上記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造のモル数、および、上記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造のモル数を算出したうえで、上記フェノール類(b1)に含まれる上記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造のモル数を、上記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造のモル数、および上記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造のモル数の総量により除することでも、求めることができる。
分子構造および水酸基当量より求めることができる。なお、上記フェノール類(b1)に含まれる上記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の含有量は、本発明のフェノール樹脂組成物をNMR等で分析し、フェノール樹脂組成物に含まれるフェノール核の構造の種類を特定したうえで、特定された分子構造およびフェノール樹脂組成物の水酸基当量を基に、上記フェノール類(b1)に含まれる上記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造のモル数、上記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造のモル数、および、上記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造のモル数を算出したうえで、上記フェノール類(b1)に含まれる上記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造のモル数を、上記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造のモル数、および上記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造のモル数の総量により除することでも、求めることができる。
次に、本発明のゴム組成物について説明する。本発明のゴム組成物は、上記フェノール樹脂(A)と上記化合物(B)とを含む本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物と、メチレンドナーおよびジエン系ゴムを含むものとすることができる。メチレンドナーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン、HMMM(ヘキサメトキシメチロールメラミンの部分縮合物)、PMMM(ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分縮合物)のようなメトキシメチロールメラミン誘導体、ヘキサエトキシメチルメラミン、メラミンのN−メチロール誘導体等が好ましく、ゴムの弾性率の点から、特に好ましくはヘキサメチレンテトラミン、HMMM、PMMMのようなメトキシメチロールメラミン
誘導体である。ジエン系ゴムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、イソプレンブタジエンゴム(IBR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)などが挙げられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。なかでも、ゴムの強度という点から、NR、SBR、IR、BRを含むものであることが好ましい。
誘導体である。ジエン系ゴムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、イソプレンブタジエンゴム(IBR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)などが挙げられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。なかでも、ゴムの強度という点から、NR、SBR、IR、BRを含むものであることが好ましい。
本発明のゴム組成物には、さらに必要に応じて、硫黄や硫黄化合物、過酸化物などのゴム架橋剤、その他の繊維等の補強材、充填剤(フィラー)、補強材や充填剤等への表面処理剤、老化防止剤、加硫促進剤、スコーチ防止剤、樹脂硬化剤、可塑剤、滑材、発泡剤、粘着付与剤、シャク解剤、安定化剤、軟化剤、プロセスオイル等の加工助剤、着色剤、その他薬剤を配合することができる。
本発明のゴム組成物を作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、配合物をニーダー、バンバリーミキサー、二軸混練機、単軸混練機等の混練機を用いて混合および/または混練することで得ることができる。ゴム、補強材、充填剤、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物、樹脂、硬化剤、架橋剤、その他薬剤の添加の方法は通常に実施される方法で行えばよい。なお、ゴム組成物を作製する混合工程および/または混練工程で、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物に含まれる上記フェノール樹脂(A)および上記化合物(B)と、メチレンドナー、ジエン系ゴム等とを含むものを配合して、ゴム組成物を作製することもできる。
次に、本発明のタイヤについて説明する。本発明のタイヤは、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物とメチレンドナーおよびジエン系ゴムとを含む本発明のゴム組成物を用いて、通常の方法により作製し、得ることができる。本発明のゴム組成物は加硫ゴムの性能が良いにもかかわらず、加工性に優れるため、特に他の製品に比べて加工工程の多い、タイヤへ好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。ここに記載されている「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を示す。
<フェノール樹脂組成物の作製>
(フェノール樹脂組成物作製例1)
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686、住友ベークライト(株)製、フェノール性水酸基当量165g/eq)970部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール(住友化学(株)製、モル質量110g/mol)30部とを、卓上小型粉砕機で混合し、フェノール樹脂組成物Aを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、4.2モル%であった。
(フェノール樹脂組成物作製例1)
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686、住友ベークライト(株)製、フェノール性水酸基当量165g/eq)970部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール(住友化学(株)製、モル質量110g/mol)30部とを、卓上小型粉砕機で混合し、フェノール樹脂組成物Aを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、4.2モル%であった。
(フェノール樹脂組成物作製例2)
フェノール樹脂(A)成分であるトール油変性フェノール樹脂(PR−13349、住
友ベークライト(株)製、フェノール性水酸基当量170g/eq)980部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール20部とを、卓上小型粉砕機で混合し、フェノール樹脂組成物Bを得た。フェノール樹脂(A)成分であるトール油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、3.7モル%であった。
フェノール樹脂(A)成分であるトール油変性フェノール樹脂(PR−13349、住
友ベークライト(株)製、フェノール性水酸基当量170g/eq)980部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール20部とを、卓上小型粉砕機で混合し、フェノール樹脂組成物Bを得た。フェノール樹脂(A)成分であるトール油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、3.7モル%であった。
(フェノール樹脂組成物作製例3)
フェノール樹脂(A)成分である未変性フェノール樹脂(PR−50731、住友ベークライト(株)製、フェノール性水酸基当量105g/eq)960部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール40部とを、卓上小型粉砕機で混合し、フェノール樹脂組成物Cを得た。フェノール樹脂(A)成分である未変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、4.5モル%であった。
フェノール樹脂(A)成分である未変性フェノール樹脂(PR−50731、住友ベークライト(株)製、フェノール性水酸基当量105g/eq)960部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール40部とを、卓上小型粉砕機で混合し、フェノール樹脂組成物Cを得た。フェノール樹脂(A)成分である未変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、4.5モル%であった。
(フェノール樹脂組成物作製例4)
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)990部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール10部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノール樹脂組成物Dを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、1.4モル%であった。
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)990部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール10部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノール樹脂組成物Dを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、1.4モル%であった。
(フェノール樹脂組成物作製例5)
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)930部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール70部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノール樹脂組成物Eを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、9.4モル%であった。
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)930部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール70部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノール樹脂組成物Eを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、9.4モル%であった。
(フェノール樹脂組成物作製例6)
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)880部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール120部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノ
ール樹脂組成物Fを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、15.8モル%であった。
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)880部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール120部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノ
ール樹脂組成物Fを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、15.8モル%であった。
(フェノール樹脂組成物作製例7)
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)970部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール30部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノール樹脂組成物Gを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、4.2モル%であった。
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)970部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノール30部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノール樹脂組成物Gを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、4.2モル%であった。
(フェノール樹脂組成物作製例8)
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)970部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類である3,5−キシレノール(三菱ガス化学(株)製、モル質量126g/mol)30部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノール樹脂組成物Hを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類である3,5−キシレノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、4.2モル%であった。
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)970部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類である3,5−キシレノール(三菱ガス化学(株)製、モル質量126g/mol)30部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノール樹脂組成物Hを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類である3,5−キシレノールのモル質量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、4.2モル%であった。
(フェノール樹脂組成物作製例9)
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)970部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類とアルデヒド類であるホルムアルデヒドとの縮合物であり、フェノール類(b2)成分であるレゾルシノール・ホルムアルデヒド樹脂(Durez37097、N.V. Sumitomo Bakelite Europe S.A製、フェノール性水酸基当量60g/eq)30部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノール樹脂組成物Iを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールとアルデヒド類であるホルムアルデヒドとの縮合物であるレゾルシノール・ホルムアルデヒド樹脂のフェノール性水酸時当量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、4.1モル%であった。
フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)970部と、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類とアルデヒド類であるホルムアルデヒドとの縮合物であり、フェノール類(b2)成分であるレゾルシノール・ホルムアルデヒド樹脂(Durez37097、N.V. Sumitomo Bakelite Europe S.A製、フェノール性水酸基当量60g/eq)30部とを、バッチ式混合機で180℃にて溶融混合し、フェノール樹脂組成物Iを得た。フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基当量、および、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類であるレゾルシノールとアルデヒド類であるホルムアルデヒドとの縮合物であるレゾルシノール・ホルムアルデヒド樹脂のフェノール性水酸時当量、ならびに、各成分の配合量を基に算出される、フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造とフェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対する、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合は、4.1モル%であった。
<ゴム組成物の作製>
以下に示した各種原料、ならびに、フェノール樹脂組成物作製例1〜9で得られたフェ
ノール樹脂組成物A〜I、および比較として、フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)、トール油変性フェノール樹脂(PR−13349)および未変性フェノール樹脂(PR−50731)をそのまま用い、表1、表2に示す配合割合(質量部)で、(株)東洋精機製作所製、ラボプラストミル10C100を用いて、120℃で10分、加熱混練し、ゴム組成物を得た。
以下に示した各種原料、ならびに、フェノール樹脂組成物作製例1〜9で得られたフェ
ノール樹脂組成物A〜I、および比較として、フェノール樹脂(A)成分であるカシュー油変性フェノール樹脂(PR−12686)、トール油変性フェノール樹脂(PR−13349)および未変性フェノール樹脂(PR−50731)をそのまま用い、表1、表2に示す配合割合(質量部)で、(株)東洋精機製作所製、ラボプラストミル10C100を用いて、120℃で10分、加熱混練し、ゴム組成物を得た。
天然ゴム(ジエン系ゴム):RSS3、(株)東知製
カーボンブラック:シースト3、東海カーボン(株)製
酸化亜鉛:1号、堺化学工業(株)製
ステアリン酸:ビーズステアリン酸YR、日油(株)製
硫黄:微粉硫黄、細井化学工業(株)製
加硫促進剤:ノクセラーMSA−G、大内新興化学工業(株)製
硬化剤(メチレンドナー):ヘキサメチレンテトラミン、三菱瓦斯化学(株)製
カーボンブラック:シースト3、東海カーボン(株)製
酸化亜鉛:1号、堺化学工業(株)製
ステアリン酸:ビーズステアリン酸YR、日油(株)製
硫黄:微粉硫黄、細井化学工業(株)製
加硫促進剤:ノクセラーMSA−G、大内新興化学工業(株)製
硬化剤(メチレンドナー):ヘキサメチレンテトラミン、三菱瓦斯化学(株)製
<加硫ゴムシートの作製>
得られたゴム組成物を、圧縮成形にて160℃、20分間加硫して、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。
得られたゴム組成物を、圧縮成形にて160℃、20分間加硫して、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。
<評価項目>
作製した未加硫状態のゴム組成物(未加硫ゴム)、および加硫して得られる加硫ゴムシートについて、下記の評価を行った結果を表1、表2に示した。
作製した未加硫状態のゴム組成物(未加硫ゴム)、および加硫して得られる加硫ゴムシートについて、下記の評価を行った結果を表1、表2に示した。
<未加硫ゴムの評価>
スコーチタイム
ゴム組成物の可使用時間の目安として、JIS K 6300−1に準拠し、(株)東洋精機製作所製、ムーニービスコメーターRLM−3を用いて、L型ローター、125℃におけるムーニースコーチタイムを測定した。5%粘度上昇t5をスコーチタイムとして、評価に用いた。時間が長い程、加温時の可使用時間が長く加工性に優れる。スコーチタイムが短くても、加工温度を下げることで実用上は可使用時間は問題なくなるが未加硫ゴムが硬くなり加工性に劣るため、ムーニースコーチタイムは長い方が好ましい。
スコーチタイム
ゴム組成物の可使用時間の目安として、JIS K 6300−1に準拠し、(株)東洋精機製作所製、ムーニービスコメーターRLM−3を用いて、L型ローター、125℃におけるムーニースコーチタイムを測定した。5%粘度上昇t5をスコーチタイムとして、評価に用いた。時間が長い程、加温時の可使用時間が長く加工性に優れる。スコーチタイムが短くても、加工温度を下げることで実用上は可使用時間は問題なくなるが未加硫ゴムが硬くなり加工性に劣るため、ムーニースコーチタイムは長い方が好ましい。
加硫時間
ゴム組成物の成形時間の目安として、JIS K 6300−2に準拠し、(株)東洋精機製作所製、ディスクレオメーターを用いて、160℃における加硫速度を測定した。90%加硫時間t90を加硫時間として評価に用いた。時間が短い程、成形時間が短く加工性に優れる。
ゴム組成物の成形時間の目安として、JIS K 6300−2に準拠し、(株)東洋精機製作所製、ディスクレオメーターを用いて、160℃における加硫速度を測定した。90%加硫時間t90を加硫時間として評価に用いた。時間が短い程、成形時間が短く加工性に優れる。
<加硫ゴムシートの評価>
弾性率
得られた加硫ゴムシートについて、JIS K 6251に準拠して、(株)東洋精機製作所製のストログラフを用い、ダンベル状3号形、引張速度50mm/分で試験を行い、50%伸び時の弾性率を測定し、評価した。弾性率は大きいほど、ゴムとしての性能に優れる。
弾性率
得られた加硫ゴムシートについて、JIS K 6251に準拠して、(株)東洋精機製作所製のストログラフを用い、ダンベル状3号形、引張速度50mm/分で試験を行い、50%伸び時の弾性率を測定し、評価した。弾性率は大きいほど、ゴムとしての性能に優れる。
60℃tanδ
得られた加硫ゴムシートについて、TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置を用い、動的歪2%の条件下で、60℃におけるtanδを測定し、ヒステリシスロスの指標に用いた。60℃におけるtanδが低いほどヒステリシスロスは低くなり、タイヤにしたときの走行時転がり抵抗が低くなる。
得られた加硫ゴムシートについて、TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置を用い、動的歪2%の条件下で、60℃におけるtanδを測定し、ヒステリシスロスの指標に用いた。60℃におけるtanδが低いほどヒステリシスロスは低くなり、タイヤにしたときの走行時転がり抵抗が低くなる。
表1、表2の結果から明らかなように、フェノール樹脂(A)成分が共通する、実施例1、4〜9と比較例1との対比、実施例2と比較例2との対比、ならびに、実施例3と比較例3との対比より、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物を含む実施例1〜9は、ゴム組成物の評価において、スコーチタイムおよび加硫時間の悪化を抑制しつつ、加硫ゴムシートの評価において、弾性率を低下させることなく、60℃tanδが低い値となっており、本発明のゴム配合用フェノール樹脂組成物を用いることによりゴムに優れた物性を付与できるものであることが分かる。したがって、 本発明のゴム配合用フェノール樹
脂組成物を用いたゴム組成物は、高い弾性率と低いヒステリシスロスをゴムに付与できるものであることが分かる。
また、フェノール樹脂(A)成分としてカシュー油変性フェノール樹脂を用い、かつ、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合が同程度である、実施例7〜9の対比より、(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類がレゾルシノールであるもの(実施例7、9)が、加硫ゴムシートにおける高い弾性率と低いヒステリシスロスとのバランスの観点でより好ましいことが分かる。また、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類がレゾルシノールであり、かつ、フェノール類(b1)に含まれるメタ位
に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合が同程度である、実施例1〜3の対比より、加硫ゴムシートにおける高い弾性率と低いヒステリシスロスとのバランスの観点ではフェノール樹脂(A)成分としてカシュー油変性フェノール樹脂を用いたもの(実施例1)がより好ましいことが分かる。また、フェノール樹脂(A)成分としてカシュー油変性フェノール樹脂を用い、(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類がレゾルシノールであり、かつフェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合が同量であって、フェノール樹脂(A)と化合物(B)との混合方法のみが異なる実施例1と実施例7との対比から、溶融混合によりゴム配合用フェノール樹脂組成物を作製したもの(実施例7)は、加硫ゴムシートの評価において、弾性率、60℃tanδを維持できるものであり、ゴム組成物の評価において、加硫速度が低下すること無く、スコーチタイムが長くなっており、さらに加工性にも優れるものとすることができることが分かる。また、フェノール樹脂(A)成分としてカシュー油変性フェノール樹脂を用い、かつ、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類がレゾルシノールである、実施例1、4〜7の結果より、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造を特定の範囲内で含むことで、加硫ゴムシートにおける高い弾性率と低いヒステリシスロスとをバランスよくゴムに付与できるものであることが分かる。
脂組成物を用いたゴム組成物は、高い弾性率と低いヒステリシスロスをゴムに付与できるものであることが分かる。
また、フェノール樹脂(A)成分としてカシュー油変性フェノール樹脂を用い、かつ、フェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合が同程度である、実施例7〜9の対比より、(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類がレゾルシノールであるもの(実施例7、9)が、加硫ゴムシートにおける高い弾性率と低いヒステリシスロスとのバランスの観点でより好ましいことが分かる。また、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類がレゾルシノールであり、かつ、フェノール類(b1)に含まれるメタ位
に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合が同程度である、実施例1〜3の対比より、加硫ゴムシートにおける高い弾性率と低いヒステリシスロスとのバランスの観点ではフェノール樹脂(A)成分としてカシュー油変性フェノール樹脂を用いたもの(実施例1)がより好ましいことが分かる。また、フェノール樹脂(A)成分としてカシュー油変性フェノール樹脂を用い、(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類がレゾルシノールであり、かつフェノール類(b1)に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造の割合が同量であって、フェノール樹脂(A)と化合物(B)との混合方法のみが異なる実施例1と実施例7との対比から、溶融混合によりゴム配合用フェノール樹脂組成物を作製したもの(実施例7)は、加硫ゴムシートの評価において、弾性率、60℃tanδを維持できるものであり、ゴム組成物の評価において、加硫速度が低下すること無く、スコーチタイムが長くなっており、さらに加工性にも優れるものとすることができることが分かる。また、フェノール樹脂(A)成分としてカシュー油変性フェノール樹脂を用い、かつ、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類がレゾルシノールである、実施例1、4〜7の結果より、フェノール類(b1)成分に含まれるメタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造を特定の範囲内で含むことで、加硫ゴムシートにおける高い弾性率と低いヒステリシスロスとをバランスよくゴムに付与できるものであることが分かる。
本発明に従うと、高弾性率と低ヒステリシスロスに優れるゴム組成物を得ることができるため、各種用途、特に、低転がり抵抗の要求の強いタイヤ用途へ好適に用いることができる。
Claims (6)
- フェノール樹脂(A)(但し、下記フェノール樹脂(b2)は除く。)と、
3,5−キシレノール、レゾルシノール、フロログルシノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のメタ位に置換基を有するフェノール類を含むフェノール類(b1)および/または前記フェノール類(b1)とアルデヒド類との縮合物であるフェノール樹脂(b2)を含む化合物(B)と、
を含むものである、ことを特徴とするゴム配合用フェノール樹脂組成物。 - 前記フェノール樹脂(A)が、未変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール変性フェノール樹脂、ビスフェノール変性フェノール樹脂、カシュー油変性フェノール樹脂、トール油変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン油変性フェノール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のフェノール樹脂を含むものである、請求項1に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
- 前記フェノール樹脂(A)と前記化合物(B)との溶融混合物である請求項1または2に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
- 前記フェノール類(b1)に含まれる前記メタ位に置換基を有するフェノール類のフェノール核に起因する構造を、前記フェノール樹脂(A)のフェノール核に起因する構造と前記フェノール類(b1)のフェノール核に起因する構造との総量に対して、0.1モル%以上、10モル%以下の割合で含むものである、請求項1から3のいずれか一項に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載のゴム配合用フェノール樹脂組成物とメチレンドナーおよびジエン系ゴムを含むものである、ことを特徴とするゴム組成物。
- 請求項5に記載のゴム組成物を含むものである、ことを特徴とするタイヤ。
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