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JP2007002070A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】 耐破壊性の低下を防止しながら、更に高弾性化したゴム組成物、およびこの高弾性なゴム組成物をビート部のスティフナーに用い、耐久性が改善された空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 天然ゴムおよび合成ジエン系ゴムのうち少なくとも1種からなるゴム成分に、脂肪族二重結合を有する化合物により変性され、該脂肪族二重結合を有する少なくとも1種の変性ノボラック型フェノール系樹脂が配合されてなるゴム組成物、およびそのゴム組成物をスティフナー部材に使用した空気入りタイヤである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関し、特にタイヤのカーカス部材およびスティフナー、その他、コンベアベルト、ホース等に好適に用いられる、特定構造のフェノール系樹脂を含む高弾性なゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
従来からタイヤのカーカス部材およびスティフナー、または、コンベアベルト、ホース等には高弾性なゴムが用いられている。ビード部の耐久性向上に、スティフナー、特にスティフナーのビードコアに隣接する低歪領域を中心に高弾性なゴムを用いる手法が知られている。
加硫後のゴムを高弾性化する手段として、カーボンブラックなどの充填剤の増量、加硫剤である硫黄の増量により架橋点を増やす等の手法が知られている。また、特許文献1には、天然ゴムを含有するゴム成分に対し、特定のカーボンブラック等を配合することにより、加硫後のゴムの耐破壊性を保ちつつ、高弾性化することができるゴム組成物が開示されている。
更に、加硫後のゴムの耐破壊性の低下を抑えながらゴムを高弾性化する手段として、ノボラック型またはレゾール型の未変性フェノール系樹脂を添加する方法や、トール油、カシュー油等のオイルまたはキシレン、メシチレン等の芳香炭化水素で変性したフェノール系樹脂を添加する方法が提案されている(特許文献2、3等)。
特開平9−272307号公報 特開平5−98081号公報 特開2001−226528号公報
しかし、上記カーボンブラック等の充填剤の増量ではゴム組成物の工場作業性や破断時伸び等の耐破壊性が悪化し、ゴム組成物の発熱特性も悪化する。また、加硫剤の硫黄を増量した場合、ゴム組成物が熱劣化しやすくなる。更に、特許文献1〜3記載の方法により加硫ゴムの耐破壊性、高弾性化は向上するものの、今日では更なる向上が望まれている。
そこで、本発明の目的は耐破壊性の低下を防止しながら、更に高弾性化したゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、この高弾性なゴム組成物をビード部のスティフナーに用い、耐久性が改善された空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定構造のフェノール系樹脂をゴム組成物に配合することにより、ゴム組成物の耐破壊性の低下を防止しながらゴム組成物を著しく高弾性化でき、また、かかる高弾性なゴム組成物をビード部のスティフナーに用いることにより、ビード部の耐久性を向上させて、タイヤの耐久性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、天然ゴムおよび合成ジエン系ゴムのうち少なくとも1種からなるゴム成分に、脂肪族二重結合を有する化合物により変性され、該脂肪族二重結合を有する少なくとも1種の変性ノボラック型フェノール系樹脂が配合されてなることを特徴とするものである。
好ましくは、脂肪族二重結合を有する化合物が、トール油、カシューナッツ油(カシュー油)、アマニ油等の動植物油、リノール酸油、オレイン酸油およびリノレン酸油等の不飽和油から選択される少なくとも一種であり、カシューナッツ油がより好ましい。
また、好ましくは変性ノボラック型フェノール系樹脂の1H−NMR分析によるプロトンピークの積分比が、芳香環のプロトンピーク1に対し、脂肪族二重結合のプロトンピークが0.001以上である。更に、変性ノボラック型フェノール系樹脂の数平均分子量が400〜1100であるものを好適に使用することができ、変性ノボラック型フェノール系樹脂における前記脂肪族二重結合を有する化合物の含有量が20〜50質量%であることも好ましい。
更に、前記ゴム成分100質量部に対し、前記変性ノボラック型フェノール系樹脂の配合量は、好ましくは、1〜30質量部、より好ましくは、5〜20質量部である。更にまた、前記変性ノボラック型フェノール系樹脂に対して、樹脂硬化剤を1〜30質量%配合することが好ましく、樹脂硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミンおよび/またはヘキサメチルメチロールメラミンを好適に用いることができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記本発明のゴム組成物をスティフナー部材に使用したことを特徴とするものである。
本発明によれば、硬度、切断時伸び、50%モジュラス、動的弾性率E’が高い加硫ゴムが得られる。また、本発明のゴム組成物をタイヤのスティフナー部材として使用すると、その高い弾性率によりビードまわりの耐久性が向上し、その結果、タイヤの耐久性が大幅に向上することになる。
以下、本発明の好適実施形態を具体的に説明する。
本発明のゴム組成物は、天然ゴムおよび合成ジエン系ゴムのうち少なくとも一種からなるゴム成分に、特定の変性ノボラック型フェノール系樹脂(以下、単に「変性フェノール系樹脂」とも言う)を配合してなることを特徴とするものであり、ゴム成分としては、天然ゴムおよび合成ジエン系ゴムをそれぞれ単独または併用して使用してもよく、好適には、天然ゴム(NR)の他、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR),ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、ブチルゴム(IIR)等の合成ジエン系ゴムが挙げられる。
また、本発明に係る変性ノボラック型フェノール系樹脂は、脂肪族二重結合を有する化合物により変性され、脂肪族二重結合を有するものであり、1種または2種以上を混合して用いてもよい。なお、出発原料となる変性される前のノボラック型フェノール系樹脂は特に制限されるものではないが、フェノール、レゾルシノール、クレゾールおよびキシレノールのうち少なくとも1種から好適に選択することができる。
また、変性に用いる脂肪族二重結合を有する化合物は特に制限されるものではなく、好ましくは、トール油、カシューナッツ油(カシュー油)、アマニ油等の動植物油、リノール酸油、オレイン酸油およびリノレン酸油等の不飽和油から選択される少なくとも一種である。より好ましくは、カシューナッツ油であり、カシューナッツ油により変性したカシュー変性フェノール系樹脂を好適に使用することができる。なお、カシューナッツ油は、カルダノールやカルドールを含むので、フェノール系樹脂の変性剤として使用したときに脂肪族二重結合が多く存在するフェノール系樹脂を得ることができる。また、価格も比較的安価で入手が容易である。また、カシューナッツ油を蒸留して得られるカルダノール、カルドール、あるいはこれらの成分を組み合わせて用いることもできる。
本発明に係る変性フェノール系樹脂において使用するアルデヒド類としては、特に制限されるものではなく、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルイルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらの中でも、ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒドから選ばれた1種以上のアルデヒド類を用いることが好ましい。これにより、変性フェノール系樹脂を効率よく得ることができる。
本発明に係る変性フェノール系樹脂を得るために、フェノール類(P)とアルデヒド類(F)とのモル比(F/P)は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜1.0、より好ましくは0.6〜0.9である。前記モル比が前記下限値未満であると固形の変性フェノール系樹脂を得られない場合があり、前記上限値を超えると異常反応によりゲル化物を生成する場合がある。
本発明に係る変性フェノール系樹脂を得るためには酸性触媒が用いられる。かかる酸性触媒としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸類、シュウ酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸、有機ホスホン酸等の有機酸類、酢酸亜鉛等の金属塩類等が挙げられる。これらを1種または2種以上組合せて使用することができる。
上記酸性触媒の添加量は、特に限定されないが、フェノール類100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲内が好ましく、特に0.1〜2質量部が好ましい。添加量が前記下限値より少ないと、反応が十分に進行せず、前記上限値より多いと、モル比が高い場合と同様に、異常反応によりゲル化物を生成するおそれがある。
本発明に係る変性フェノール系樹脂を得るために用いられる反応溶媒としては、特に制限されないが、例えば水、有機溶媒を用いることができ、通常は、水が用いられる。また、アルデヒド類としてパラホルムアルデヒドを用いて反応溶媒を用いずに行ってもよい。前記有機溶媒としては、特に制限されないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、1,4−ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族類などが挙げられる。これらを1種または2種類以上組合せて使用することができる。これらの中で、溶剤可溶タイプの生成物を得るためには、アセトン、DMF等の極性溶剤を用いることが好ましい。
本発明に係る変性フェノール系樹脂の数平均分子量は400〜1100が好ましく、500〜1000がより好ましい。これにより、取扱い性の良好な樹脂が得られる。数平均分子量が上記下限値を下回ると高粘度な粘稠の物質となり、固形化しても夏期貯蔵時に固結する物質になることがあり、取扱いが困難となることがある。また、上記上限値を上回ると溶剤類に溶解しにくくなり、配合物との相溶性が低下することがある。
上記数平均分子量の測定方法である液体クロマトグラフィー法は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いたものであり、テトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で、示差屈折計を検出器として測定し、分子量は標準ポリスチレンにより換算する。なお、使用する装置には以下のものが挙げられる。
本体:TOSOH社製・「IILC−8120」
分析用カラムTOSOH社製・「G1000HXL」1本、「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本
フェノール系樹脂をオイル変性することによりゴムの親和性を向上することは従来から知られていたが、本発明に係る変性ノボラック型フェノール系樹脂は脂肪族二重結合を有することにより、ポリマーと結合し、加硫ゴムとした際に高弾性となるゴム組成物を得ることができる。
また、変性ノボラック型フェノール系樹脂の1H−NMR分析によるプロトンピークの積分比が、芳香環のプロトンピーク1に対し、脂肪族二重結合のプロトンピークが0.001以上であることが好ましい。これにより、硬化の際、ポリブタジエンや不飽和ポリエステルなどの脂肪族二重結合と反応することにより強固な架橋構造を形成することができ、強度、弾性率、硬度等の向上が図れる。前記脂肪族二重結合プロトンピークの割合が0.001未満である場合は、架橋構造の形成が稀少となり、強度向上等の効果が小さくなることがある。
かかる変性フェノール系樹脂が脂肪族二重結合を実質的に含有しない場合、ポリブタジエンや不飽和ポリエステルなどは結合せず、分散するのみとなり、強度や弾性率向上の効果に大きな差が生じる。例えば、分子量が数千であるフェノール系樹脂分子中に脂肪族二重結合が一個含まれるだけでも、配合組成物が硬化する際に巨大分子となり強度や弾性率を向上することが可能となる。
更にまた、前記変性ノボラック型フェノール系樹脂における前記脂肪族二重結合を有する化合物の含有量は、特に制限されるものではなく、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは30〜45質量%である。含有量が上記下限値より小さいと十分な効果が得られないおそれがある。また、上記上限値より大きいと、樹脂は固形化せず取り扱いが難しくなる場合や、ゲル化物を生成するおそれがある。
次に、本発明に係る変性フェノール系樹脂の好適製造方法について説明する。本発明の変性フェノール系樹脂の製造方法は、フェノール類とアルデヒドと脂肪族二重結合を有する化合物とを、pH1〜4の酸性下において、200℃以下で反応させる。かかる方法により、本発明の変性フェノール系樹脂を効果的に生成することができる。
pHが1〜4の酸性下において、反応温度が200℃より高い場合は、脂肪族二重結合の消失が促進され、得られた樹脂には脂肪族二重結合が実質的に消失している。反応時の粘度低下を目的として、反応温度を200℃より上昇させる場合は、pHを4より高く7以下とすることにより、脂肪族二重結合の消失を防止することができ、脂肪族二重結合を含有する変性フェノール系樹脂を得ることができるが、効率的ではなく、分子量が大きくなりすぎる傾向がある。
一方、反応温度が200℃以下でpHが4より高い場合は、フェノール系樹脂の重合反応が抑制されるため、十分な分子量の増加が期待できず、保存時に固結しにくい軟化点70℃以上の樹脂は得られないことがある。また、pHが1より低い場合、脂肪族二重結合の消失が促進され、樹脂がゲル化することがある。
上記のように得られた本発明に係る変性フェノール系樹脂の配合量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは、1〜30質量部、より好ましくは、5〜20質量部である。配合量が1質量部未満であると十分な効果が得られないおそれがある。一方、30質量部を超えるとゴム中で樹脂粒子が凝集体を形成して相分離を起こすため、ゴム組成物の物性を著しく低下させるおそれがある。
また、本発明のゴム組成物において、補強性充填剤は特に制限されるものではないが、カーボンブラックを好適に用いることができる。かかるカーボンブラック配合量は、ゴム100質量部に対し20〜130質量部であり、より好ましくは60〜85質量部である。カーボンブラックが20質量部未満であると、樹脂のカーボンブラックによる補強効果が小さく、一方、130質量部を超えると、ゴムが脆くなりゴム組成物の耐久性が悪化するため、好ましくない。
更に、本発明のゴム組成物において、変性ノボラック型フェノール系樹脂に対して、樹脂硬化剤が1〜30質量%配合されていることが好ましい。これにより、弾性率が更に向上する。1質量%未満であると、弾性率の向上が不十分であり、一方、30質量%を超えると、ゴムの接着性が低下するおそれがある。樹脂硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミンおよびメチロール化メラミン誘導体を使用することができる。メチロール化メラミン誘導体としては、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミンヘキサキス−(メトキシメチル)メラミン、N,N′,N″−トリメチル−N,N′,N″−トリメチロールメラミン、N,N′,N″−トリメチロールメラミン、N−メチロールメラミン、N,N′−(メトキシメチル)メラミン、N,N′,N″−トリブチル−N,N′,N″−トリメチロールメラミン等を例示することができ、これらを単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらのうちで、好ましくは、ヘキサメチレンテトラミンおよび/またはヘキサメチルメチロールメラミンである。
なお、本発明においては、上述のゴム成分、補強性充填剤、樹脂の他に、ゴム工業界で通常使用されている配合剤、例えば、硫黄、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカ等の充填剤、プロセスオイル等、通常配合される適当量の配合剤を適宜配合することができ、溶剤としては、例えば、ゴム揮発油、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、ヘプタン、テトラヒドロフランなどを使用することができる。
本発明のゴム組成物は、ロールなどの開放式混練機、バンバリーミキサーなどの密閉式混練機等の混練機を用いて混練することによって得られる。
本発明のゴム組成物は空気入りタイヤのスティフナー部材に好適に使用することができる。本発明のゴム組成物は高弾性化と破断伸びとのバランスが良く、これを空気入りタイヤのビード部におけるスティフナー部材または部分に適用することにより、タイヤの耐久性の向上を図ることができる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。なお、本文中に記載されている「部」および「%」はすべて「質量部」および「質量%」を示す。
合成例
3Lの三口フラスコに、フェノール1000部、37%ホルマリン690部(反応モル比0.8)、カシューナッツ油400部、硫酸10部を仕込み、100℃還流下で、1時間反応させた。この反応時のpHは、約1.6であった。続いて、5000Paで減圧蒸留しながら、190℃に昇温し、カシュー変性フェノール系樹脂1110部を得た。この樹脂の数平均分子量は920であり、軟化点は88℃であった。また、NMR測定では、脂肪族二重結合プロトンピークの積分比は、芳香環のプロトンピークを1とした場合、0.004であった。
下記表1に示した配合処方に従い、ゴム組成物を調整した。なお、表中の数値は質量部を表している。得られたゴム組成物を145℃で30分間加硫して、物性測定用のサンプルを作製し、下記に示す方法で各種試験を行った。得られた結果を表1に併せて示す。比較例1を100として指数表示した。
(1)引張試験
上記加硫ゴム組成物からなる、JISダンベル状3号形サンプルを用意しJIS K6251に準拠して25℃で引張試験を行い、切断時伸び、50%伸張時の引張応力を測定した。
(2)動的貯蔵弾性率(E’)および損失係数(tanδ)測定
JIS K6394−1995に規定する「荷重変形、たわみ波形による場合(引張り)」に従い、東洋精機社製スペクトロメータを用いて、静的に初期荷重:160gを与え、平均歪振幅:1%、試験振動数:52Hzの条件により、試験温度:25℃にて測定したときの動的貯蔵弾性率および損失係数の値を意味する。比較例1の測定結果を100として指数表示した。
更に、上記ゴム組成物をビード部のスティフナーに使用し、サイズTBR11R22.5のタイヤを試作し、タイヤの耐久性を下記の方法で評価した。
(3)タイヤ耐久性
供試タイヤを用い、荷重5.9×104N(6000kgf)でドラム走行させ、タイヤが故障に至るまでの走行時間を測定した。
比較例1のタイヤの走行時間を100として指数表示した。指数値が大きい程、故障に至るまでの時間が長く、タイヤ耐久性が優れることを示す。その結果を表1に併せて示す。
Figure 2007002070
1 住友ベークライト製PR−50731、軟化点95℃
2 住友ベークライト製PR−12686、軟化点75℃
3 上記合成例により合成したもの
4 N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
5 N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
上記表1より、実施例はいずれの評価項目においても、比較例より優れていることが確認された。

Claims (11)

  1. 天然ゴムおよび合成ジエン系ゴムのうち少なくとも1種からなるゴム成分に、脂肪族二重結合を有する化合物により変性され、該脂肪族二重結合を有する少なくとも1種の変性ノボラック型フェノール系樹脂が配合されてなることを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記脂肪族二重結合を有する化合物が、トール油、カシューナッツ油、アマニ油、リノール酸油、オレイン酸油およびリノレン酸油から選択される少なくとも一種の不飽和油である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記脂肪族二重結合を有する化合物が、カシューナッツ油である請求項2記載のゴム組成物。
  4. 前記変性ノボラック型フェノール系樹脂の1H−NMR分析によるプロトンピークの積分比が、芳香環のプロトンピーク1に対し、脂肪族二重結合のプロトンピークが0.001以上である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のゴム組成物。
  5. 前記変性ノボラック型フェノール系樹脂の数平均分子量が400〜1100である請求項1〜4のうちいずれか一項記載のゴム組成物。
  6. 前記変性ノボラック型フェノール系樹脂における前記脂肪族二重結合を有する化合物の含有量が20〜50質量%である請求項1〜5のうちいずれか一項記載のゴム組成物。
  7. 前記ゴム成分100質量部に対し、前記変性ノボラック型フェノール系樹脂の配合量が、1〜30質量部である請求項1〜6のうちいずれか一項記載のゴム組成物。
  8. 前記ゴム成分100質量部に対し、前記変性ノボラック型フェノール系樹脂の配合量が、5〜20質量部である請求項7記載のゴム組成物。
  9. 前記変性ノボラック型フェノール系樹脂に対して、樹脂硬化剤を1〜30質量%配合した請求項1〜8のうちいずれか一項記載のゴム組成物。
  10. 前記樹脂硬化剤がヘキサメチレンテトラミンおよび/またはヘキサメチルメチロールメラミンである請求項9記載のゴム組成物。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか一項記載のゴム組成物をスティフナー部材に使用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
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