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JP2018186711A - クロロゲン酸類含有組成物 - Google Patents

クロロゲン酸類含有組成物 Download PDF

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JP2018186711A JP2017089207A JP2017089207A JP2018186711A JP 2018186711 A JP2018186711 A JP 2018186711A JP 2017089207 A JP2017089207 A JP 2017089207A JP 2017089207 A JP2017089207 A JP 2017089207A JP 2018186711 A JP2018186711 A JP 2018186711A
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Abstract

【課題】固形状としたときに耐吸湿性に優れ、かつ飲料形態としたときに酸性領域において濁りが生じ難いクロロゲン酸類含有組成物を提供すること。【解決手段】次の成分(A)及び(B);(A)クロロゲン酸類、及び(B)ガラクトースを含み、固形分当たりのクロロゲン酸類の含有量が13質量%以上であり、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.0002以上である、クロロゲン酸類含有組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、クロロゲン酸類含有組成物に関する。
生理活性機能を有する素材として様々な素材が提案されている。例えば、抗酸化作用、血圧降下作用、肝機能改善作用等の生理活性機能を有するものとしてポリフェノール類がある。ポリフェノール類のひとつであるクロロゲン酸類は、血圧降下作用が高いという報告がなされており、サプリメントや飲食品への応用が期待されている。
クロロゲン酸類を多く含む素材としてコーヒー豆が挙げられる。従来、コーヒー豆から抽出により得られるクロロゲン酸類含有組成物の純度や安定性を高める技術について検討されてきた。例えば、生コーヒー豆の抽出物又は焙煎コーヒー豆の抽出物を特定の固形分濃度に調整した後、酸性白土及び/又は活性白土と接触させることで、製造直後の沈殿の発生や長期間保存したときの二次沈殿の発生を抑制できることが報告されている(特許文献1)。また、クロロゲン酸類含有組成物を有機溶媒及び水の混合溶媒に分散又は溶解させた状態で特定の吸着剤と接触させ、析出物を除去した後、クロロゲン酸類濃度及びpHを特定範囲内に制御して更に析出物を発生させ、固液分離することで、飲料として適した濃度に希釈した場合に酸性領域において生ずる濁りを抑制できるとの報告もある(特許文献2)。
特開2008−266144号公報 特開2012−31165号公報
本発明者らは、飲食品の製造原料として有用なクロロゲン酸類含有組成物を開発すべく検討したところ、原料がL値30程度の中焙煎コーヒー豆であるクロロゲン酸類含有組成物は、一般に固形状としたときに耐吸湿性に優れるため固化し難いものの、飲料形態としたときに酸性領域において濁りが生じやすく、一方クロロゲン酸類の純度を高めたクロロゲン酸類含有組成物は、一般に飲料形態としたときに酸性領域において濁りが生じ難いものの、固形状としたときに耐吸湿性が低いため固化しやすいことを見出した。
本発明の課題は、固形状としたときに耐吸湿性に優れ、かつ飲料形態としたときに酸性領域において濁りが生じ難いクロロゲン酸類含有組成物を提供することにある。
本発明者らは種々検討した結果、クロロゲン酸類を強化しつつ、クロロゲン酸類と特定成分との質量比を特定範囲内に制御することにより、固形状としたときに耐吸湿性に優れるため固化し難いだけでなく、飲料形態としたときに酸性領域において濁りが生じ難いクロロゲン酸類含有組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)クロロゲン酸類、及び
(B)ガラクトース
を含み、
固形分当たりのクロロゲン酸類の含有量が13質量%以上であり、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.0002以上である、
クロロゲン酸類含有組成物を提供するものである。
本発明によれば、固形状としたときに耐吸湿性に優れ、かつ飲料形態としたときに酸性領域において濁りが生じ難いクロロゲン酸類含有組成物を提供することができる。したがって、本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、飲食品の製造原料として有用である。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、成分(A)としてクロロゲン酸類を含有する。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物中の固形分当たりの成分(A)の含有量は13質量%以上であるが、生理効果の観点から、15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましい。なお、かかる固形分当たりの成分(A)の含有量の上限値は特に限定されないが、生産効率、コストの観点から、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましく、55質量%以下が殊更に好ましい。かかる固形分当たりの成分(A)の含有量の範囲としては、好ましくは13〜70質量%、より好ましくは15〜70質量%、更に好ましくは20〜65質量%、より更に好ましくは25〜60質量%、殊更に好ましくは25〜55質量%である。ここで、本明細書において「(A)クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称であり、成分(A)の含有量は上記9種の合計量に基づいて定義される。本発明においては、上記9種のクロロゲン酸類のうち少なくとも1種を含有すればよいが、9種すべてを含有することが好ましい。成分(A)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の分析法を挙げることができる。また、本明細書において「固形分」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、成分(B)としてガラクトースを含み、該成分(B)を成分(A)に対して特定の量比で含有する。具体的には、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]は、0.0002以上であるが、耐吸湿性(固化抑制)の観点から、0.0005以上が好ましく、0.0010以上がより好ましく、0.0015以上が更に好ましく、0.0023以上が殊更に好ましく、また濁り抑制の観点から、0.015以下が好ましく、0.012以下がより好ましく、0.010以下が更に好ましく、0.008以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.0002〜0.015、より好ましくは0.0005〜0.015、更に好ましくは0.001〜0.012、更に好ましくは0.0015〜0.010、殊更に好ましくは0.0023〜0.008である。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、固形分当たりの成分(B)の含有量が、耐吸湿性(固化抑制)の観点から、0.02質量%以上が好ましく、0.04質量%以上がより好ましく、0.06質量%以上が更に好ましく、0.08質量%以上が殊更に好ましく、また濁り抑制の観点から、0.30質量%以下が好ましく、0.25質量%以下がより好ましく、0.20質量%以下が更に好ましく、0.185質量%以下が殊更に好ましい。かかる固形分当たりの成分(B)の含有量の範囲としては、好ましくは0.02〜0.30質量%、より好ましくは0.04〜0.25質量%、更に好ましくは0.06〜0.20質量%、殊更に好ましくは0.08〜0.185質量%である。なお、成分(B)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の分析法を挙げることができる。
また、本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、成分(C)としてカフェインを含有することができる。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、固形分当たりの成分(C)の含有量が、耐吸湿性(固化抑制)、濁り抑制の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.07質量%以上がより好ましく、0.09質量%以上が殊更に好ましく、そして10質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。かかる固形分当たりの成分(B)の含有量の範囲としては、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.07〜6質量%、更に好ましくは0.09〜3質量%である。なお、成分(C)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の分析法を挙げることができる。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が、耐吸湿性(固化抑制)、濁り抑制の観点から、0.01以上が好ましく、0.015以上がより好ましく、0.02以上が更に好ましく、0.03以上が更に好ましく、そして0.30以下が好ましく、0.25以下がより好ましく、0.135以下が更に好ましく、0.11以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(C)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.01〜0.30、より好ましくは0.015〜0.25、更に好ましくは0.02〜0.135、殊更に好ましくは0.03〜0.11である。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が、濁り抑制の観点から、5以上が好ましく、8以上がより好ましく、12以上が更に好ましく、そして、耐吸湿性(固化抑制)の観点から150以下が好ましく、100以下がより好ましく、50以下が更に好ましく、25以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(C)/(B)]の範囲としては、好ましくは5〜150、より好ましくは10〜100、更に好ましくは12〜50、更に好ましくは12〜25である。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物は適宜の形態を採り得るが、例えば、液体、スラリー、半固体、固体等を挙げることができる。中でも、クロロゲン酸類含有組成物は、防腐・防菌や、ハンドリング性等の観点から、固形状であることが好ましく、固形状としては、例えば、粉末、顆粒、錠剤等を挙げることができる。なお、固形状である場合、クロロゲン酸類含有組成物の固形分量は、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。なお、かかる固形分量の上限は特に限定されず、100質量%であっても構わない。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、このような構成を採用することにより、固形状としたときに耐吸湿性に優れるため固化し難いだけでなく、飲料形態、例えばクロロゲン酸類濃度を300mg/L、pHを3.0に調整した飲料の濁度(OD660nm)を、好ましくは0.10以下、より好ましくは0.09以下、更に好ましくは0.08以下とすることができる。かかる濁度(OD660nm)の下限値は特に限定されず、0.00であっても構わない。なお、濁度は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の分析法を挙げることができる。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、前述のとおり、固形状としたときに耐吸湿性に優れるため固化し難いだけでなく、飲料形態としたときの酸性領域における濁りが抑制されているため、飲食品やサプリメントの製造原料、とりわけ飲料(好ましくは酸性飲料)の製造原料として有用である。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物を含有する飲食品は、質量比[(B)/(A)]、質量比[(C)/(A)]及び質量比[(C)/(B)]について上記特性を具備することができる。
飲食品中のクロロゲン酸類含有組成物の含有量は、飲食品の形態により適宜選択することができるが、例えば、飲食品が飲料である場合、飲料中のクロロゲン酸類の含有量が、好ましくは0.001〜2.0質量%、より好ましくは0.005〜1.0質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%となる量とすることができる。この場合、所望のクロロゲン酸類含有量となるように水等で希釈することも可能である。水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水、天然水等を適宜選択して使用することができるが、中でも、味の面から、イオン交換水が好ましい。クロロゲン酸類含有組成物を含有する飲料のpH(25℃)は、好ましくは1〜5、より好ましくは1.5〜4.5、更に好ましくは2.0〜4.0である。
飲料は、容器詰飲料とすることができる。容器としては通常の包装容器であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等が挙げられる。
また、飲料は、加熱殺菌済でもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌を採用することができる。また、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
更に、クロロゲン酸類含有組成物を含有する飲食品には、所望により、酸化防止剤、甘味料、酸味料、乳化剤、ココアパウダー、アミノ酸、たんぱく質、香料、色素、果汁エキス、果実片、果実粉末、野菜エキス、ハーブ、無機塩、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上含有させることができる。なお、これら添加剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜選択することができる。
本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、成分(A)及び(B)につき上記要件を満たせば適宜の方法により製造することができるが、例えば、原料が中焙煎コーヒー豆であるクロロゲン酸類製剤と、高純度クロロゲン酸類製剤と含むクロロゲン酸類製剤を上記要件を満たすように混合して製造することができる。
本明細書において「原料が中焙煎コーヒー豆であるクロロゲン酸類製剤」とは、原料がL値45〜25の焙煎コーヒー豆であるクロロゲン酸類製剤をいい、通常原料焙煎コーヒー豆から抽出により得ることができる。なお、原料焙煎コーヒー豆のL値の範囲としては、好ましくは43〜26、更に好ましくは40〜27である。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。抽出方法は特に限定されず、公知の方法を採用することが可能であり、また抽出条件は抽出方法により適宜選択することができる。
コーヒー豆の豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種及びアラブスタ種等が挙げられる。また、コーヒー豆の産地としては、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジャロ、マンデリン、ブルーマウンテン、グァテマラ、ベトナム、インドネシア等を挙げることができる。本発明においては、豆種や産地の異なるコーヒー豆を2種以上混合して使用することができる。焙煎方法としては特に限定はなく、公知の方法を採用することが可能であり、また焙煎条件も所望のL値の焙煎コーヒー豆が得られるように適宜選択することができる。抽出に使用する焙煎コーヒー豆は、未粉砕でも、粉砕したものでも構わない。
また、本明細書において「高純度クロロゲン酸類製剤」とは、固形分当たりのクロロゲン酸類の含有量が30質量%以上であるクロロゲン酸類製剤をいう。かかる固形分当たりのクロロゲン酸類の含有量は、好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。なお、かかる固形分当たりのクロロゲン酸類の含有量の上限値は特に限定されず、100質量%であっても構わないが、生産効率、コストの観点から、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
高純度クロロゲン酸類製剤は、市販のクロロゲン酸類試薬を用いても構わないが、例えば、クロロゲン酸類を含む植物から得られたクロロゲン酸類製剤を使用することもできる。クロロゲン酸類を含む植物としては、前述のコーヒー豆の他、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等が挙げられる。中でも、クロロゲン酸類含量の点から、コーヒー豆が好ましい。なお、コーヒー豆の豆種、産地は特に限定されず、前述したコーヒー豆を1種又は2種以上適宜選択することができる。コーヒー豆は未焙煎でも、焙煎したものでもよく、焙煎度は適宜選択することができる。
高純度クロロゲン酸類製剤は、例えば、クロロゲン酸類を含む植物からの抽出物を精製して夾雑物を除去し、固形分当たりクロロゲン酸類の含有量を30質量%以上に調整して製造することができる。抽出方法は公知の方法を採用することが可能であり、また抽出条件は抽出方法や植物原料の種類により適宜選択することができる。精製方法としてはクロロゲン酸類の純度を高めることができれば特に限定されず、公知の方法を採用することができるが、例えば、平4−145048、特許第4951109号等に記載の方法を挙げることができる。
クロロゲン酸類製剤を混合して得られたクロロゲン酸類含有組成物は、そのままでも、濃縮又は乾燥してもよい。濃縮方法としては、例えば、常圧にて溶媒の蒸発を行う常圧濃縮法、減圧にて溶媒の蒸発を行う減圧濃縮法、膜分離により溶媒を除去する膜濃縮法等が挙げられる。また、乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を採用することができる。このように、本発明のクロロゲン酸類含有組成物は、液体、スラリー、半固体、固体等の種々の形態とすることができる。
1.クロロゲン酸類及びカフェインの分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)
・ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)
・オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
(1)クロロゲン酸類のリテンションタイム
・モノカフェオイルキナ酸:5.3min、8.8min、11.6minの計3点
・フェルラキナ酸:13.0min、19.9min、21.0minの計3点
・ジカフェオイルキナ酸:36.6min、37.4min、44.2minの計3点
ここで求めたarea%から5−CQAを標準物質とし、クロロゲン酸類の含有量(質量%)を求めた。
(2)カフェインのリテンションタイム
・カフェイン:19.1min
ここで求めたarea%から試薬カフェインを標準物質とし、カフェインの含有量(質量%)を求めた。
2.ガラクトースの分析
試料に50%エタノールを加え超音波抽出し、更に50%エタノールを加えて定容した。次いで、試料溶液をろ紙ろ過し、ろ液を濃縮・乾固して水を加え、メンブランフィルタでろ過をした後、高速液体クロマトグラフ分析に供した。
分析条件は次のとおりである。
・機種 :HPLCシステム:LC-20A(株式会社島津)
・検出器:分光蛍光光度計 RF-10AXL(株式会社島津)
・カラム:TSK-gel sugar AXG 4.6mmI.D.×1.5cm(東ソー株式会社)
・カラム温度:70℃
・移動相:0.5mol/Lホウ酸カリウム検証液、pH8.7
・流量 :0.4mL/min
・ポストカラム標識:反応液:1w/v%アルギニン・3w/v%ホウ酸
反応試薬流速:0.5mL/min
反応温度:150℃
・検出波長:Ex.320nm、Em.430nm
3.コーヒー豆のL値の測定
試料を、色差計((株)日本電色社製 スペクトロフォトメーター SE2000)を用いて測定した。
4.濁りの評価
粉末状の各クロロゲン酸類含有組成物をイオン交換水に溶解し、クロロゲン酸類濃度を300mg/Lに調整した後、クエン酸(扶桑化学工業社製)を用いてpH3.0に調整して飲料を調製した。各飲料の濁度について、濁度計(U−2010、HITACHI社製)を用いて、波長660nm、90°透過散乱比較方式で20℃にて測定した。
5.吸湿性(固化)の評価
粉末状の各クロロゲン酸類含有組成物を、37℃、RH60%の環境可変室に、12時間保存し、12時間後の粉体の外観を目視で観察し、下記の評価基準で評価した。
評価基準
5:保存前と外観に変化がない
4:わずかに粒状体がある
3:わずかに塊状体がある
2:表面の一部が固化している
1:表面が全体的に固化している
製造例1
クロロゲン酸類製剤Aの製造
ドリップ抽出器に生コーヒー豆(産地:ベトナム)を400g投下した。ドリップ抽出器下部に底湯0.250Lをはった後、ドリップ抽出器上部からシャワーにより1.02Lの温水を供給し、10分間その状態を保持した。保持後にシャワーにより温水を供給しながら、ドリップ抽出器下部から12.5g/10秒の速度で引抜を行った。採液量が2.4Lに達したときに採液を止め、本採液を抽出液とした。得られた抽出液を、スプレードライヤーを用いて乾燥し、粉末状のクロロゲン酸類製剤Aを得た。クロロゲン酸類製剤Aは、クロロゲン酸類の含有量が26質量%であった。
製造例2
高純度クロロゲン酸類製剤B
市販品のクロロゲン酸類製剤(GCB70、Cepham社製)をクロロゲン酸類製剤Bとして使用した。なお、クロロゲン酸類製剤Bは粉末状であり、クロロゲン酸類の含有量が72質量%であった。
製造例3
原料が中焙煎コーヒー豆であるクロロゲン酸類製剤Cの製造
L29の焙煎コーヒー豆(産地:ベトナム)を粉砕し、円筒状抽出搭(内径160mm×高さ660mm)6本に、1搭当たりの充填量が4.2kgとなるように充填した。次いで150℃の熱水を1段目の抽出搭の下部から上部へ送液した。次いで1段目の抽出搭上部から排出されたコーヒー抽出液を、2段目の抽出搭下部から上部へ送液した。この操作を3段目以降の抽出塔についても繰り返し行い、6段目の抽出搭の上部から排出されたコーヒー抽出液を、速やかに冷却するとともに回収した。抽出は全て0.3MPaの加圧下で行った。得られた抽出液をロータリーエバポレーター(N−1100V型、東京理科器械(株)社製)を用い30torr、50℃にて減圧加熱濃縮し、Brix10の濃縮組成物を得た。続いて、円筒状のカラム(内径72mm×高さ100mm)に活性炭(白鷺WH2C LSS、日本エンバイロケミカルズ製)100g加え、80℃、10分間殺菌した後に、上記Brix10の濃縮組成物2.0kgを、25℃、流量64.0mL/minにて送液し、カラム出口より最終的な採液量として2.4kgの活性炭処理液を得た。得られた処理液を、スプレードライヤーを用いて乾燥し、粉末状のクロロゲン酸類製剤Cを得た。クロロゲン酸類製剤Cは、クロロゲン酸類の含有量が10質量%であった。
製造例4
クロロゲン酸類製剤D
L16の焙煎コーヒー豆(産地:ベトナム)を粉砕し、円筒状抽出搭(内径160mm×高さ660mm)6本に、1搭当たりの充填量が4.2kgとなるように充填した。次いで150℃の熱水を1段目の抽出搭の下部から上部へ送液した。次いで1段目の抽出搭上部から排出されたコーヒー抽出液を、2段目の抽出搭下部から上部へ送液した。この操作を3段目以降の抽出塔についても繰り返し行い、6段目の抽出搭の上部から排出されたコーヒー抽出液を、速やかに冷却するとともに回収した。抽出は全て0.3MPaの加圧下で行った。得られた抽出液をロータリーエバポレーター(N−1100V型、東京理科器械(株)社製)を用い30torr、50℃にて減圧加熱濃縮し、Brix10の濃縮組成物を得た。得られた処理液を、スプレードライヤーを用いて乾燥し、粉末状のクロロゲン酸類製剤Dを得た。クロロゲン酸類製剤Dは、クロロゲン酸類の含有量が2.4質量%であった。
実施例1〜9及び比較例1〜3
表1に示す各成分を混合し、クロロゲン酸類含有組成物を製造した。得られたクロロゲン酸類含有組成物について組成分析、評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2018186711
表1から、クロロゲン酸類を13質量%以上に強化しつつ、ガラクトース/クロロゲン酸類の質量比を特定範囲内に制御することにより、固形状としたときの耐吸湿性に優れ、かつ飲料形態としたときに酸性領域において濁りが生じ難いクロロゲン酸類含有組成物が得られることがわかる。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)及び(B);
    (A)クロロゲン酸類、及び
    (B)ガラクトース
    を含み、
    固形分当たりのクロロゲン酸類の含有量が13質量%以上であり、
    成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.0002以上である、
    クロロゲン酸類含有組成物。
  2. 成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.0002〜0.015である、請求項1記載のクロロゲン酸類含有組成物。
  3. 固形分当たりの成分(B)の含有量が0.02〜0.30質量%である、請求項1又は2記載のクロロゲン酸類含有組成物。
  4. 成分(C)としてカフェインを含み、成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が0.01〜0.30である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクロロゲン酸類含有組成物。
  5. 成分(C)としてカフェインを含み、成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が5〜150である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクロロゲン酸類含有組成物。
  6. 固形状である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクロロゲン酸類含有組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載クロロゲン酸含有組成物を含有する、飲食品
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