JP2018174867A - アミド化合物水溶液、アミド化合物水溶液の製造方法、アミド系重合体およびアミド系重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ニトリル化合物を水和して得られるアミド化合物水溶液およびアミド化合物水溶液を効率的に製造する方法、ならびにアミド系重合体およびその重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】ニトリルヒドラターゼを1〜500wtppm含有するアミド化合物水溶液およびアミド化合物水溶液の製造方法ならびに該アミド化合物を重合して得られるアミド系重合体およびその重合体の製造方法。アミド化合物水溶液は、菌体および/またはその菌体処理物を含有しないことが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】ニトリルヒドラターゼを1〜500wtppm含有するアミド化合物水溶液およびアミド化合物水溶液の製造方法ならびに該アミド化合物を重合して得られるアミド系重合体およびその重合体の製造方法。アミド化合物水溶液は、菌体および/またはその菌体処理物を含有しないことが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、ニトリルヒドラターゼを触媒として用い、ニトリル化合物を水和して得られるアミド化合物水溶液およびアミド化合物水溶液を製造する方法、ならびにアミド系重合体およびその重合体の製造方法に関するものである。
アミド化合物の主要な製造方法の一つとして、ニトリル化合物を原料とする水和法は多くの場合に用いられており、アクリルアミド等のアミド化合物の工業的製法としては、ラネー銅等の金属銅を触媒として用い、アクリロニトリル等のニトリル化合物を水和する方法、あるいは近年ではニトリルヒドラターゼを含有する菌体および/またはその菌体処理物等を触媒として用い、ニトリル化合物を水和する方法が知られている。
ニトリルヒドラターゼを含有する菌体および/またはその菌体処理物を触媒として用いる方法は、アクリロニトリル等のニトリル化合物の転化率および選択率が高いことから工業的に注目を浴びている。
不飽和結合を有するアミド化合物は主としてアミド系重合体の原料として用いられる。近年、アクリロニトリルを水和して得られるアクリルアミドを原料として得られるアクリルアミド系重合体には、より一層の高品質化が求められている。例えば、アクリルアミド系重合体の用途には凝集剤があるが、凝集剤として用いられるアクリルアミド系重合体は、近年、性能向上の要求に伴い、水溶性を維持しながらより一層の高分子量化が求められている。またアクリルアミド系重合体には、製紙用添加剤等の用途があるが、この製紙用添加剤としては、得られる紙の品質をさらに向上させるために、より色相の優れた重合体が求められている。
ニトリルヒドラターゼを含有する菌体および/またはその菌体処理物を触媒として用いる方法では、一般に、菌体および/またはその菌体処理物の存在下にニトリル化合物と水を反応させることによりアミド化合物の水溶液を得るが、得られるアミド化合物水溶液は菌体および/またはその菌体処理物を含有する。
アミド化合物水溶液に含有される菌体および/またはその菌体処理物は不純物としてアミド化合物の品質およびアミド系重合体の品質に悪影響を及ぼすことより、これらを除去するために、例えば特許文献1および特許文献2では、活性炭による処理方法が提案されている。また、特許文献3には、多孔質中空糸膜による精製方法が提案されている。
しかしながら、上記活性炭を用いた精製方法や多孔質中空糸膜を用いた精製方法では、精製処理専用の設備が必要となる等、経済性のデメリットは避けられない。特許文献1、2および3の方法においては、効率的でかつ高品質のアミド化合物の製造方法としては不十分であり、未だ検討の余地が残されている。
ニトリルヒドラターゼを含有する菌体および/またはその菌体処理物を用いたニトリル化合物の水和反応においては、より効率的にアミド化合物を製造することが求められている。またアミド系重合体の品質向上という観点からも、新たなアミド化合物の製造方法が要望されている。
本発明の課題は、ニトリル化合物を水和して得られるアミド化合物水溶液およびアミド化合物水溶液を効率的に製造する方法、ならびにアミド系重合体およびその重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、遊離ニトリルヒドラターゼを用いてアミド化合物を製造した場合に、一定の濃度以下のニトリルヒドラターゼを含有する場合においてもアミド化合物の品質ならびにアミド系重合体の品質に悪影響を及ぼさないことを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕遊離ニトリルヒドラターゼを1〜500wtppm含有するアミド化合物水溶液。
〔2〕菌体および/またはその菌体処理物を含有しない前記〔1〕に記載のアミド化合物水溶液。
〔3〕ニトリルヒドラターゼがシュードノカルディア属由来のニトリルヒドラターゼである前記〔1〕または〔2〕に記載のアミド化合物水溶液。
〔4〕アミド化合物が不飽和結合を有するアミド化合物である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のアミド化合物水溶液。
〔5〕遊離ニトリルヒドラターゼを触媒として用い、ニトリル化合物を水和して得られるアミド化合物水溶液からニトリルヒドラターゼを除去しないアミド化合物水溶液の製造方法。
〔6〕前記〔4〕に記載の水溶液中のアミド化合物を単独重合、またはアミド化合物と共重合可能な少なくとも1種の不飽和単量体と共重合して得られるアミド系重合体。
〔7〕前記〔4〕に記載の水溶液中のアミド化合物を単独重合、またはアミド化合物と共重合可能な少なくとも1種の不飽和単量体と共重合することを特徴とするアミド系重合体の製造方法。
本願発明においては、ニトリルヒドラターゼを用いたニトリル化合物の水和反応において効率的にアミド化合物を製造することができる。また、上述の方法により得られるアミド化合物を用いてアミド系重合体を製造することにより、色相に優れ、水溶性と高分子量化が両立した、品質の優れたアミド系重合体を得ることができる。
以下、本発明のアミド化合物水溶液およびアミド化合物水溶液の製造方法、ならびにアミド系重合体およびその重合体の製造方法について説明する。
〔アミド化合物水溶液〕
本発明のアミド化合物水溶液とは、アミド化合物を含有する水溶液であり、遊離ニトリルヒドラターゼを1〜500wtppm含有するものである。本発明のアミド化合物は、好ましくは、遊離ニトリルヒドラターゼを含有し、菌体および/またはその菌体処理物を含有しないアミド化合物水溶液である。
本発明のアミド化合物水溶液とは、アミド化合物を含有する水溶液であり、遊離ニトリルヒドラターゼを1〜500wtppm含有するものである。本発明のアミド化合物は、好ましくは、遊離ニトリルヒドラターゼを含有し、菌体および/またはその菌体処理物を含有しないアミド化合物水溶液である。
アミド化合物水溶液中のアミド化合物の濃度は特に限定はされず、好ましくは、1〜99wt%、より好ましくは、5〜90wt%、さらに好ましくは、10〜60wt%である。
<アミド化合物>
アミド化合物としては、例えば、炭素数2〜20の脂肪族アミド化合物、炭素数6〜20の芳香族アミド化合物が挙げられる。
アミド化合物としては、例えば、炭素数2〜20の脂肪族アミド化合物、炭素数6〜20の芳香族アミド化合物が挙げられる。
脂肪族アミド化合物としては、例えば、炭素数2〜6の飽和または不飽和アミドが挙げられ;具体的には、アセトアミド、プロピルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、ペンチルアミド、イソペンチルアミド、ヘキシルアミド等の脂肪族飽和モノアミド;マロンアミド、スクシンアミド、アジポアミド等の脂肪族飽和ジアミド;アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトンアミド等の脂肪族不飽和アミドが挙げられる。
芳香族アミド化合物としては、例えば、ベンズアミド、o−,m−またはp−クロロベンズアミド、o−,m−またはp−フルオロベンズアミド、o−,m−またはp−ニトロベンズアミド、o−,m−またはp−トルアミド、o−,m−またはp−ピリジンアミドが挙げられる。
アミド化合物の中でも、脂肪族不飽和アミド化合物が好ましく、アクリルアミド、メタクリルアミドがより好ましい。
<ニトリルヒドラターゼ>
本発明では、アミド化合物水溶液に遊離ニトリルヒドラターゼを1〜500wtppm含有する。
本発明では、アミド化合物水溶液に遊離ニトリルヒドラターゼを1〜500wtppm含有する。
ニトリルヒドラターゼとは、ニトリル化合物を加水分解して対応するアミド化合物を生成する能力(以下、「ニトリルヒドラターゼ活性」ともいう。)を有する酵素(たんぱく質)をいう。
ニトリルヒドラターゼ(以下、「酵素触媒」ともいう。)としては、ニトリル化合物およびアミド化合物の水溶液中でニトリルヒドラターゼ活性を保持している酵素であれば特に限定されない。これらは一種で用いても二種以上を併用しても良い。
ニトリルヒドラターゼは、ニトリルヒドラターゼを発現する菌体から産生させることができる。ニトリルヒドラターゼを産生する菌体としては、ノカルディア(Nocardia)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、バチルス(Bacillus)属、好熱性のバチルス属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ロドクロウス(rhodochrous)種に代表されるロドコッカス(Rhodococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、キサントバクター(Xanthobacter)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、エルウィニア(Erwinia)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属またはサーモフィラ(thermophila)種に代表されるシュードノカルディア(Pseudonocardia)属、バクテリジューム(Bacteridium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する菌体等が挙げられる。
また、これら菌体よりクローニングしたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で高発現させた形質転換体、および組換えDNA技術を用いて該ニトリルヒドラターゼの構成アミノ酸の一個または二個以上を他のアミノ酸で置換、欠失、削除もしくは挿入することにより、アミド化合物耐性やニトリル化合物耐性、温度耐性を更に向上させた変異型のニトリルヒドラターゼを発現させた形質転換体からもニトリルヒドラターゼを産生させることができる。尚、ここでいう任意の宿主には、後述の実施例のように大腸菌(Escherichia coli)が代表例として挙げられるが、とくに大腸菌に限定されるものではなく枯草菌(Bacillus subtilis)等のバチルス属菌、酵母や放線菌等の他の菌株も含まれる。その様なものの例として、MT−10822〔本菌株は、1996年2月7日に茨城県つくば市東1丁目1番3号の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(現 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジーセンター 特許生物寄託センター)に受託番号FERMBP−5785として、特許手続き上の菌体の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づいて寄託されている。〕が挙げられる。
これら菌体の中でも、高活性、高安定性のニトリルヒドラターゼを有するという点で、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する菌体、および該菌体よりクローニングしたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で高発現させた形質転換体、および変異型のニトリルヒドラターゼを発現させた形質転換体が好ましい。なお、上記形質転換体は、ニトリルヒドラターゼの安定性をより高め、菌体当たりの活性がより高い点で好ましい。
また、菌体内にニトリルヒドラターゼを高発現できる、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1、該菌体よりクローニングしたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で高発現させた形質転換体も同様に好ましい。上記ニトリルヒドラターゼを産生する菌体は、分子生物学・生物工学・遺伝子工学の分野において公知の一般的な方法により調製できる。
本発明に係る組換えベクターは、ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子を含有するものであり、ベクターにニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子を連結することにより得ることができる。ベクターとしては、特に限定されるものではなく、例えばpET-21a(+)、pKK223-3、pUC19、pBluescriptKS(+)およびpBR322に代表される市販の発現プラスミドに、ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子を組み込むことにより、該ニトリルヒドラターゼの発現プラスミドを構築することができる。また、形質転換に使用する宿主生物としては、組換えベクターが安定、かつ自己増殖可能で、さらに外来のDNAの形質が発現できるものであれば良く、例えば大腸菌が好例として挙げられるが、大腸菌だけに限らず枯草菌、酵母等に導入することにより、ニトリルヒドラターゼの産生能を有する形質転換体を得ることができる。
上述のようなニトリルヒドラターゼを産生する菌体は、公知の方法により、適宜培養し増殖させ、ニトリルヒドラターゼを産生させることができる。この場合使用される培地としては炭素源、窒素源、無機塩類およびその他の栄養素を適量含有する培地であれば合成培地または天然培地のいずれも使用可能である。例えば、LB培地、M9培地等の通常の液体培地に、菌体を植菌した後、適当な培養温度(一般的には20℃〜50℃であるが、好熱菌の場合は50℃以上でも良い。)で培養させることにより調製できる。培養は前記培養成分を含有する液体培地中で振とう培養、通気攪拌培養、連続培養、流加培養等の通常の培養方法を用いて行うことができる。形質転換体の培養温度としては、15〜37℃が好ましい。培養条件は、特に限定されるものではなく、培養の種類、培養方法により適宜選択すれば良く、菌株が生育しニトリルヒドラターゼを産生することが出来れば良い。
本発明の遊離ニトリルヒドラターゼとは、ニトリルヒドラターゼを産生する菌体から取り出された状態のニトリルヒドラターゼであり、遊離ニトリルヒドラターゼは菌体および/またはその菌体処理物を含有するものではない。本発明のアミド化合物水溶液は、菌体および/またはその菌体処理物を含有しないことが好ましい。菌体処理物とはニトリルヒドラターゼを産生する菌体を含む培養液を遠心分離して分離・回収された集菌体、さらにこの集菌体を生理食塩水等で洗浄したもの等、何らかの処理を施した菌体を総称するものである。
ニトリルヒドラターゼを産生する菌体からニトリルヒドラターゼを取り出す方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、特許第5430659号公報に記載の方法を用いることができる。
本発明のアミド化合物水溶液は、遊離ニトリルヒドラターゼを1〜500wtppm含有する。
アミド化合物水溶液中のニトリルヒドラターゼの濃度は、好ましくは、1〜300wtppm、より好ましくは、1〜150wtppmである。
〔アミド化合物水溶液の製造方法〕
本発明のアミド化合物水溶液の製造方法は、遊離ニトリルヒドラターゼを触媒として用い、ニトリル化合物を水和して得られるアミド化合物水溶液からニトリルヒドラターゼを除去しないことを特徴とするアミド化合物水溶液を製造する方法である。
本発明のアミド化合物水溶液の製造方法は、遊離ニトリルヒドラターゼを触媒として用い、ニトリル化合物を水和して得られるアミド化合物水溶液からニトリルヒドラターゼを除去しないことを特徴とするアミド化合物水溶液を製造する方法である。
<ニトリル化合物>
ニトリル化合物としては、例えば、炭素数2〜20の脂肪族ニトリル化合物、炭素数6〜20の芳香族ニトリル化合物が挙げられ、一種で用いても二種以上を併用しても良い。
ニトリル化合物としては、例えば、炭素数2〜20の脂肪族ニトリル化合物、炭素数6〜20の芳香族ニトリル化合物が挙げられ、一種で用いても二種以上を併用しても良い。
脂肪族ニトリル化合物としては、例えば、炭素数2〜6の飽和または不飽和ニトリルが挙げられ;具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、イソバレロニトリル、カプロニトリル等の脂肪族飽和モノニトリル;マロノニトリル、スクシノニトリル、アジポニトリル等の脂肪族飽和ジニトリル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトンニトリル等の脂肪族不飽和ニトリルが挙げられる。
芳香族ニトリル化合物としては、例えば、ベンゾニトリル、o−,m−またはp−クロロベンゾニトリル、o−,m−またはp−フルオロベンゾニトリル、o−,m−またはp−ニトロベンゾニトリル、o−,m−またはp−トルニトリル、o−,m−またはp−シアノピリジンが挙げられる。
ニトリル化合物の中でも、脂肪族不飽和ニトリルが好ましく、アクリロニトリル、メタクリロニトリルがより好ましい。
<水(原料水)>
原料水は特に限定されず、蒸留水、イオン交換水等の精製水を用いることができる。
原料水は特に限定されず、蒸留水、イオン交換水等の精製水を用いることができる。
<pH調節剤>
pH調節剤は、反応混合物のpHを酵素触媒の活性を良好に保つための好適な範囲に調節するために用いられる。
pH調節剤は、反応混合物のpHを酵素触媒の活性を良好に保つための好適な範囲に調節するために用いられる。
反応に好適なpHが7よりも小さい場合には、pH調節剤として酸を用いることができる。
pH調節剤として用いる酸としては、無機酸、有機酸のいずれも用いることができる。無機酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、沃化水素等のハロゲン化水素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過臭素酸、次亜沃素酸、亜沃素酸、沃素酸、過沃素酸等のハロゲン化オキソ酸、硫酸、硝酸、燐酸、硼酸が挙げられる。有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、蓚酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、乳酸、安息香酸等のカルボン酸やメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。pH調節剤として用いる酸は、気体、固体、液体いずれの状態でも用いることができるが、反応槽への供給の容易性を考慮すると、液体の状態のものを用いることは好ましく、気体あるいは固体の状態の酸は水溶液として用いることはより好ましい。反応槽のpH調節の制御性を考慮すると、液体の状態の酸も水溶液として用いることはより好ましい。水溶液として用いる場合の酸の濃度は、特に制限はないが、高濃度の水溶液を用いるとpH調節が困難となるため、好ましくは0.1wt%以上99wt%以下、より好ましくは1wt%以上90wt%以下、さらに好ましくは1wt%以上50wt%以下である。
反応に好適なpHが7よりも大きい場合には、pH調節剤として塩基を用いることができる。
pH調節剤として用いる塩基としては、無機塩基、有機塩基のいずれも用いることができる。無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩、アンモニアが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アニリン、ピリジンが挙げられる。pH調節剤として用いる塩基は、気体、固体、液体いずれの状態でも用いることができるが、反応槽への供給の容易性を考慮すると、液体の状態のものを用いることは好ましく、気体あるいは固体の状態の塩基は水溶液として用いることはより好ましい。反応槽のpH調節の制御性を考慮すると、液体の状態の塩基も水溶液として用いることはより好ましい。水溶液として用いる場合の塩基の濃度は、特に制限はないが、高濃度の水溶液を用いるとpH調節が困難となるため、好ましくは0.1wt%以上99wt%以下、より好ましくは1wt%以上90wt%以下、さらに好ましくは1wt%以上50wt%以下である。
<反応槽>
反応槽としては、一つの反応器から構成される単段の反応槽を用いても良く、複数の反応器から構成される多段の反応槽を用いても良い。反応器としては、槽型反応器を用いても良く、管型反応器を用いても良い。槽型反応器としては、撹拌機を備える反応器が好ましい。槽型反応器が攪拌機を有する場合の攪拌機の攪拌翼は任意の形状のものを選択でき、例えば、プロペラ翼、フラットパドル翼、ピッチドパドル翼、フラットタービン翼、ピッチドタービン翼、リボン翼、アンカー翼、フルゾーン翼が挙げられる。攪拌翼は、1枚であっても良く、複数枚備えていても良い。
反応槽としては、一つの反応器から構成される単段の反応槽を用いても良く、複数の反応器から構成される多段の反応槽を用いても良い。反応器としては、槽型反応器を用いても良く、管型反応器を用いても良い。槽型反応器としては、撹拌機を備える反応器が好ましい。槽型反応器が攪拌機を有する場合の攪拌機の攪拌翼は任意の形状のものを選択でき、例えば、プロペラ翼、フラットパドル翼、ピッチドパドル翼、フラットタービン翼、ピッチドタービン翼、リボン翼、アンカー翼、フルゾーン翼が挙げられる。攪拌翼は、1枚であっても良く、複数枚備えていても良い。
反応槽には、循環ポンプを備えた外部循環ラインが設置されていても良い。循環ポンプを備えた外部循環ラインは、反応槽に一つ設置されていても、複数設置されていても良い。
反応槽にポンプを備えた外部循環ラインを設置する場合の、外部循環ラインに備えられたポンプは、特に限定されるものではなく、例えば、遠心ポンプ、傾斜ポンプあるいは軸流ポンプ等のターボ式ポンプや、往復ポンプや回転ポンプ等の容積型ポンプが挙げられる。
反応槽にポンプを備えた外部循環ラインを設置する場合には、外部循環ラインに備えられたポンプを用いて、反応混合物の一部が反応槽内から取り出され、外部循環ラインを経由して反応槽へ戻される。反応槽に設置された外部循環ラインには、温度制御装置が設置されていることは好ましい。温度制御装置としては、好ましくは熱交換器が挙げられる。熱交換器としては、例えば、多管円筒式、渦巻管式、渦巻板式、プレート式、二重管式等の形態のものが挙げられる。
複数の反応器から構成される多段の反応槽にポンプを備えた外部循環ラインを設置する場合には、ポンプを備えた外部循環ラインは各々の反応器に全て設置されていても良く、いずれか一つの反応器にのみ設置されていても良い。複数の反応器から構成される場合において、ポンプを備えた外部循環ラインがいずれか一つの反応器にのみ設置される場合には、一段目の反応器(最も上流に位置する反応器)に設置されることが好ましい。
一段目の槽型反応器と二段目の管型反応器とから構成される反応槽を用い、槽型反応器から取り出される反応液を管型反応器で更に反応させる形態とし、槽型反応器にポンプを備えた外部循環ラインを設置する反応槽は、転化率を向上できるのでより好ましい。
槽型反応器および管型反応器は、酵素触媒の活性が維持される温度に保たれる限り、熱交換器を備えていてもいなくても良いが、後述する反応槽温度を制御するため、前記反応器は熱交換器を備えることが好ましい。熱交換器としては、例えば、多管円筒式、渦巻管式、渦巻板式、プレート式、二重管式等の形態のものを外部循環ライン上に設置することは好ましく、それ以外にも、ジャケット式、コイル式等の反応器に直接設置する形態のものが挙げられる。反応器が管型反応器である場合は、反応器自体を多管円筒式あるいは二重管式の熱交換器で構成することが可能である。
反応方法としては、例えば、(1)酵素触媒、反応原料(ニトリル化合物および原料水)およびpH調節剤を反応槽に一度に全量仕込んでから反応を行う方法(回分反応)、(2)酵素触媒、反応原料(ニトリル化合物および原料水)およびpH調節剤の一部を反応槽に仕込んだ後、連続的または間欠的に残りの酵素触媒、反応原料(ニトリル化合物および原料水)およびpH調節剤を供給して反応を行う方法(半回分反応)、(3)酵素触媒、反応原料(ニトリル化合物および原料水)およびpH調節剤の連続的または間欠的な供給と、反応液(酵素触媒、未反応原料、pH調節剤および生成したアミド化合物等を含む。)の連続的または間欠的な取り出しを行いながら、反応槽内の反応液を全量取り出すことなく連続的に反応を行う方法(連続反応)が挙げられる。これらの中でも、工業的にアミド化合物を大量かつ効率的に製造しやすい点で、連続反応が好ましい。
反応は、酵素触媒の存在下で行われる。酵素触媒の使用形態として、好ましくは懸濁床であり、例えば連続反応の場合、酵素触媒の懸濁液を調製し、懸濁液を反応槽に供給すれば良い。
なお、反応槽として複数の反応器から構成される多段の反応槽を用いる場合、その構成としては、(a)酵素触媒、反応原料(ニトリル化合物および原料水)およびpH調節剤を上段の反応器に供給し、上段の反応器から取り出された反応液(酵素触媒、未反応原料、pH調節剤および生成したアミド化合物等を含む。)を、下段の反応器に供給する直列式態様、(b)酵素触媒、反応原料(ニトリル化合物および原料水)およびpH調節剤を二以上の反応器に(他の反応器を経由せずに)直接供給する並列式態様が挙げられる。
例えば、多段の反応槽を用いて連続反応を行う場合において、酵素触媒、反応原料(ニトリル化合物および原料水)およびpH調節剤の供給先は、一段目の反応器(最も上流に位置する反応器)のみに限定されず、二段目以降の反応器(下流に位置する反応器)であっても良い。
反応槽内の液温である反応槽温度は、酵素触媒の耐熱性にもよるが、通常0〜50℃に設定され、好ましくは10〜40℃に設定される。反応槽温度が前記範囲にあると、酵素触媒の活性を良好に維持できる点で好ましい。
反応槽温度とは、反応槽が一つの反応器のみから構成される場合は、当該反応器内の液温を指し、反応槽が複数の反応器から構成される場合は、各々の反応器内の液温を指す。反応槽温度は、例えば、熱電対法(例:Kタイプ)により測定することができる。反応槽温度は、反応槽内の任意の場所で測定可能であり、具体的には反応槽出口(反応液取り出し口)で測定可能である。
反応槽の容積は、特に限定するものではないが、工業的な生産を考慮すると、通常0.1m3以上、好ましくは1〜100m3、より好ましくは5〜50m3である。反応槽が複数の反応器から構成される場合、前記容積は各々の反応器の容積を指す。
反応は、一般的には常圧下で行われるが、ニトリル化合物の溶解度を高めるために加圧下で行うこともできる。反応槽内のpHは、酵素触媒の活性を良好に保つための好適な範囲であれば特に限定されないが、好ましくはpH5〜pH10の範囲にある。pHが前記範囲にあると、酵素触媒の活性を良好に維持できる点で好ましい。
反応槽のpHとは、反応槽が一つの反応器のみから構成される場合は、当該反応器内のpHを指し、反応槽が複数の反応器から構成される場合は、各々の反応器内のpHを指す。反応槽のpHは、例えば、指示薬法、水素電極法、キンヒドロン電極法、アンチモン電極法、ガラス電極法により測定することができる。反応槽のpHは、反応槽内の任意の場所で測定可能であり、具体的には反応槽出口(反応液取り出し口)で測定可能である。
<酵素触媒貯槽>
酵素触媒貯槽とは、酵素触媒の懸濁液を保有し、酵素触媒の懸濁液を反応槽に供給する触媒供給管を有する。酵素触媒貯槽は、温度制御装置を有していても良く、温度制御装置を有していなくても良いが、酵素触媒の懸濁液の液温を制御する観点から、温度制御装置を有することは好ましい。
酵素触媒貯槽とは、酵素触媒の懸濁液を保有し、酵素触媒の懸濁液を反応槽に供給する触媒供給管を有する。酵素触媒貯槽は、温度制御装置を有していても良く、温度制御装置を有していなくても良いが、酵素触媒の懸濁液の液温を制御する観点から、温度制御装置を有することは好ましい。
酵素触媒貯槽が温度制御装置を有する場合の温度制御装置は、酵素触媒貯槽が有しても良い外部循環ライン上に設けても良く、酵素触媒貯槽自体に設けても良い。酵素触媒貯槽における温度制御装置としては、例えば、熱交換器が挙げられる。熱交換器としては、例えば、多管円筒式熱交換器、渦巻管式熱交換器、渦巻板式熱交換器、プレート式熱交換器、二重管式熱交換等の酵素触媒貯槽の外部循環ラインに設置する形態のもの、あるいはジャケット式熱交換器、コイル式熱交換器等の酵素触媒貯槽に直接設置する形態のものが挙げられる。
酵素触媒貯槽は攪拌機を有していても良く、攪拌機を有していなくても良いが、酵素触媒の液温を制御する観点から、攪拌機を有することは好ましい。酵素触媒貯槽が攪拌機を有する場合の攪拌機の攪拌翼は任意の形状のものを選択でき、例えば、プロペラ翼、フラットパドル翼、ピッチドパドル翼、フラットタービン翼、ピッチドタービン翼、リボン翼、アンカー翼、フルゾーン翼が挙げられる。攪拌翼は、一枚であっても良く、複数枚備えていても良い。
<反応原料の供給>
反応槽へ供給する原料水は、単独で反応槽へ供給しても良く、ニトリル化合物と混合した後に反応槽へと供給しても良い。原料水を単独で反応槽へ供給する場合、原料水供給管の反応槽中の反応液への供給口の設置位置には特に制限はなく、反応液の上部へ設置しても、反応液中へ設置しても良い。
反応槽へ供給する原料水は、単独で反応槽へ供給しても良く、ニトリル化合物と混合した後に反応槽へと供給しても良い。原料水を単独で反応槽へ供給する場合、原料水供給管の反応槽中の反応液への供給口の設置位置には特に制限はなく、反応液の上部へ設置しても、反応液中へ設置しても良い。
原料水を単独で反応槽へ供給する場合の原料水の供給方法は、特に限定するものではなく、公知の方法を用いることができる。原料水を反応槽へ供給する方法としては、液体輸送機能を有する機器を使用することができ、例えば、遠心ポンプ、傾斜ポンプあるいは軸流ポンプ等のターボ式ポンプや、往復ポンプや回転ポンプ等の容積型ポンプ等のポンプ類、スクリューコンベア等のコンベア類を用いることができる。原料水を反応槽へ供給する方法として、上記の液体輸送機能を有する機器を使用しないで供給することもできる。液体輸送機能を有する機器を使用しない場合には、例えば、原料水を貯蔵する原料水貯槽を反応槽の上部へ設置し、原料水貯槽と反応槽を原料水供給管により接続し、重力を用いた落下により供給する方法が挙げられる。あるいは、原料水貯槽を加圧することにより生じる原料水貯槽と反応槽との圧力差を用いて供給する方法が挙げられる。
原料水を反応槽へ供給する原料水供給管は、一つの反応器につき一つであっても良く、複数あっても良い。原料水供給管の供給口は、一本の供給管につき一つであっても良く、複数あっても良い。原料水供給管の供給口の形状は特に制限はなく、通常使用される形状のものであればいずれも好適に使用できる。
原料水とニトリル化合物を混合した後に反応槽へ供給する場合の原料水とニトリル化合物を混合する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、攪拌槽を用いて攪拌混合する方法、原料水とニトリル化合物を配管中で混合する方法が挙げられる。攪拌槽を用いる場合には、撹拌槽の形状は特に限定されるものではないが、一般的に円筒形の撹拌槽が用いられ、縦型円筒形、横型円筒形、いずれの場合も用いることができる。撹拌槽には邪魔板を供えていても良く、邪魔板を供えていなくても良い。
攪拌槽を用いる場合の、攪拌翼は任意の形状のものを選択でき、例えば、プロペラ翼、フラットパドル翼、ピッチドパドル翼、フラットタービン翼、ピッチドタービン翼、リボン翼、アンカー翼、フルゾーン翼が挙げられる。攪拌翼は、一枚であっても良く、複数枚備えていても良い。
原料水とニトリル化合物を配管中で混合させるには、原料水供給管とニトリル化合物供給管を結合することにより原料水とニトリル化合物を直接混合させることができ、さらには配管中にスタティックミキサー等のラインミキサーを設置することにより積極的に混合する方法等が挙げられる。
原料水とニトリル化合物を混合した後に反応槽へ供給する場合に、ニトリル化合物は水との混合後、完全に水に溶解していても良いが、必ずしも水に完全に溶解している必要はなく、任意の比率で混合させれば良い。好ましくは水:ニトリル化合物の比率が、体積比で100:1〜1:100、より好ましくは50:1〜1:50、さらに好ましくは10:1〜1:10である。
原料水とニトリル化合物を混合した後に反応槽へ供給する場合の、原料水とニトリル化合物の混合物の供給方法は、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記の原料水を単独で反応槽へ供給する場合の原料水の供給方法で例示した方法を用いることができる。
原料水とニトリル化合物を混合した後に反応槽へ供給する場合の、原料水とニトリル化合物の混合物を反応槽へ供給する供給管は、一つの反応器につき一つであっても良く、複数あっても良い。供給管の供給口は、一本の供給管につき一つであっても良く、複数あっても良い。供給管の供給口の形状は特に制限はなく、通常使用される形状のものであればいずれも好適に使用できる。
反応槽へ供給するニトリル化合物は、原料水と混合した後に反応槽へと供給しても良く、単独で反応槽へ供給しても良い。ニトリル化合物を単独で反応槽へ供給する場合、ニトリル化合物供給管の反応槽中の反応液への供給口の設置位置には特に制限はなく、反応液の上部へ設置しても、反応液中へ設置しても良い。
ニトリル化合物を単独で反応槽へ供給する場合のニトリル化合物の供給方法は、特に限定するものではなく、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記の原料水を反応槽へ供給する方法で例示した方法を用いることができる。
ニトリル化合物を反応槽へ供給するニトリル化合物供給管は、ひとつの反応器につき一本であっても良く、複数本であっても良い。ニトリル化合物供給管の供給口は、一本の供給管につき一つであっても良く、複数あっても良い。ニトリル化合物供給管の供給口の形状は特に制限はなく、通常使用される形状のものであればいずれも好適に使用できる。
<pH調節剤の供給>
反応槽へ供給するpH調節剤は、単独で反応槽へ供給しても良く、反応槽へ供給する水系媒体および/または水系媒体を含有する混合物に混合した後に反応槽へ供給しても良い。pH調節剤を単独で反応槽へ供給する場合、pH調節剤の供給管の反応槽中の反応液への供給口の設置位置には特に制限はなく、反応液の上部へ設置しても、反応液中へ設置しても良い。
反応槽へ供給するpH調節剤は、単独で反応槽へ供給しても良く、反応槽へ供給する水系媒体および/または水系媒体を含有する混合物に混合した後に反応槽へ供給しても良い。pH調節剤を単独で反応槽へ供給する場合、pH調節剤の供給管の反応槽中の反応液への供給口の設置位置には特に制限はなく、反応液の上部へ設置しても、反応液中へ設置しても良い。
pH調節剤を単独で反応槽へ供給する場合のpH調節剤の供給方法は、特に限定するものではなく、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記の原料水を反応槽へ供給する方法で例示した方法を用いることができる。
pH調節剤を反応槽へ供給するpH調節剤の供給管は、ひとつの反応器につき一本であっても良く、複数本であっても良い。pH調節剤の供給管の供給口は、一本の供給管につき一つであっても良く、複数あっても良い。pH調節剤の供給管の供給口の形状は特に制限はなく、通常使用される形状のものであればいずれも好適に使用できる。
pH調節剤と水系媒体および/または水系媒体を含有する混合物を混合した後に反応槽へ供給する場合のpH調節剤が混合される水系媒体とは、好ましくは原料水である。pH調節剤が混合される水系媒体を含有する混合物とは、例えば、原料水とニトリル化合物の混合物や酵素触媒、未反応原料、pH調節剤および生成したアミド化合物等を含む反応液が挙げられる。
pH調節剤を原料水と混合した後に反応槽へ供給する場合の、pH調節剤と原料水を混合する方法としては、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記の原料水とニトリル化合物を混合する方法で例示した方法を用いることができる。
pH調節剤を原料水と混合した後に反応槽へ供給する場合の、pH調節剤と原料水の混合物を供給する方法は、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記の原料水を単独で反応槽へ供給する場合の原料水の供給方法で例示した方法を用いることができる。
反応槽へ供給するpH調節剤と水系媒体および/または水系媒体を含有する混合物は任意の比率で混合されれば良く、好ましくは、pH調節剤:水系媒体および/または水系媒体を含有する混合物の比率が、体積比で1:1〜1:100,000,000、より好ましくは、1:10〜1:10,000,000である。
pH調節剤を原料水とニトリル化合物と混合した後に反応槽へ供給する場合の、pH調節剤と原料水とニトリル化合物の混合物を混合する方法としては、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記の原料水とニトリル化合物を混合する方法で例示した方法を用いることができる。
pH調節剤を酵素触媒、未反応原料、pH調節剤および生成したアミド化合物等を含む反応液と混合した後に反応槽へ供給する場合の、pH調節剤と酵素触媒、未反応原料、pH調節剤および生成したアミド化合物等を含む反応液と混合する方法としては、例えば以下の方法を用いることができる。反応槽に反応混合物の一部を反応槽に戻すためのポンプを備えた外部循環ラインを設置し、当該外部循環ラインとpH調節剤供給管を結合させることにより、水系媒体を含有する混合物として反応槽内から取り出された反応混合物の一部を用い、反応混合物の一部とpH調節剤を外部循環ライン中で直接混合する方法等が挙げられる。外部循環ラインにて直接混合された反応混合物の一部とpH調節剤は、そのまま外部循環ラインを用いて反応槽へ供給される。
<酵素触媒の供給>
反応槽へ供給する酵素触媒は、単独で反応槽へ供給しても良く、反応槽へ供給される水系媒体および/または水系媒体を含有する混合物に混合した後に反応槽へ供給しても良い。酵素触媒を単独で反応槽へ供給する場合、酵素触媒の供給管の反応槽中の反応液への供給口の設置位置には特に制限はなく、反応液の上部へ設置しても、反応液中へ設置しても良い。
反応槽へ供給する酵素触媒は、単独で反応槽へ供給しても良く、反応槽へ供給される水系媒体および/または水系媒体を含有する混合物に混合した後に反応槽へ供給しても良い。酵素触媒を単独で反応槽へ供給する場合、酵素触媒の供給管の反応槽中の反応液への供給口の設置位置には特に制限はなく、反応液の上部へ設置しても、反応液中へ設置しても良い。
酵素触媒を単独で反応槽へ供給する場合の酵素触媒の供給方法は、特に限定するものではなく、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記の原料水を反応槽へ供給する方法で例示した方法を用いることができる。
酵素触媒を反応槽へ供給する酵素触媒の供給管は、ひとつの反応器につき一本であっても良く、複数本であっても良い。酵素触媒の供給管の供給口は、一本の供給管につき一つであっても良く、複数あっても良い。酵素触媒の供給管の供給口の形状は特に制限はなく、通常使用される形状のものであればいずれも好適に使用できる。
酵素触媒と水系媒体および/または水系媒体を含有する混合物を混合した後に反応槽へ供給する場合の酵素触媒が混合される水系媒体とは、好ましくは原料水である。酵素触媒が混合される水系媒体を含有する混合物とは、例えば、原料水とニトリル化合物の混合物や酵素触媒、未反応原料、酵素触媒および生成したアミド化合物等を含む反応混合物が挙げられる。
酵素触媒を原料水と混合した後に反応槽へ供給する場合の、酵素触媒と原料水を混合する方法としては、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記の原料水とニトリル化合物を混合する方法で例示した方法を用いることができる。
酵素触媒を原料水と混合した後に反応槽へ供給する場合の、酵素触媒と原料水の混合物の供給方法は、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記の原料水を単独で反応槽へ供給する場合の原料水の供給方法で例示した方法を用いることができる。
反応槽へ供給する酵素触媒と水系媒体および/または水系媒体を含有する混合物は任意の比率で混合されれば良く、好ましくは、酵素触媒:水系媒体および/または水系媒体を含有する混合物の比率が、体積比で1:1〜1:100,000,000、より好ましくは、1:10〜1:10,000,000である。
酵素触媒を原料水とニトリル化合物と混合した後に反応槽へ供給する場合の、酵素触媒と原料水とニトリル化合物の混合物を混合する方法としては、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記の原料水とニトリル化合物を混合する方法で例示した方法を用いることができる。
酵素触媒と酵素触媒、未反応原料、pH調節剤および生成したアミド化合物等を含む反応混合物と混合する方法としては、例えば以下の方法を用いることができる。反応槽に反応混合物の一部を反応槽に戻すためのポンプを備えた外部循環ラインを設置し、当該外部循環ラインとpH調節剤供給管を結合させることにより、水系媒体を含有する混合物として反応槽内から取り出された反応混合物の一部を用い、反応混合物の一部と酵素触媒を外部循環ライン中で直接混合する方法等が挙げられる。外部循環ラインにて直接混合された反応混合物の一部と酵素触媒は、そのまま外部循環ラインを用いて反応槽へ供給される。
酵素触媒の使用量は、反応条件や酵素触媒の種類により変化するが、反応液に対して、通常1〜500wtppm、好ましくは1〜300wtppm、より好ましくは、1〜150wtppmである。
反応時間(反応液の滞留時間)は、通常0.5〜50時間、好ましくは2〜25時間である。反応時間とは、全反応器における合計の反応時間(反応液の滞留時間)を指す。
本発明のアミド化合物水溶液の製造方法においては、反応により得られたアミド化合物水溶液からの触媒として用いたニトリルヒドラターゼの除去は不要であり、ニトリルヒドラターゼを含有したアミド化合物水溶液を製品として得ることができる。
〔アミド系重合体〕
本発明のアミド系重合体は、上述のようにして得られた不飽和結合を有するアミド化合物を単独重合、または、アミド化合物と共重合可能な少なくとも一種の不飽和単量体と共重合することにより製造できる。
本発明のアミド系重合体は、上述のようにして得られた不飽和結合を有するアミド化合物を単独重合、または、アミド化合物と共重合可能な少なくとも一種の不飽和単量体と共重合することにより製造できる。
<不飽和単量体>
不飽和結合を有するアミド化合物と共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸およびそれらの塩;
ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸およびそれらの塩;
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルアミノアルキルエステル、またはそれらの第4級アンモニウム誘導体;
N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、またはそれらの4級アンモニウム誘導体;
アセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミドなどの親水性アクリルアミド;
N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン;
ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート;
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン;
アクリルアミド;
メタクリルアミド;
N,N−ジ−n−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−n−ヘキシルアクリルアミド、N−n−ヘキシルメタクリルアミド、N−n−オクチルアクリルアミド、N−n−オクチルメタクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−n−ドデシルアクリルアミド、N−n−ドデシルメタクリルアミドなどのN−アルキル(メタ)アクリルアミド誘導体;
N,N−ジグリシジルアクリルアミド、N,N−ジグリシジルメタクリルアミド、N−(4−グリシドキシブチル)アクリルアミド、N−(4−グリシドキシブチル)メタクリルアミド、N−(5−グリシドキシペンチル)アクリルアミド、N−(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミドなどのN−(ω−グリシドキシアルキル)(メタ)アクリルアミド誘導体;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート誘導体;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
不飽和結合を有するアミド化合物と共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸およびそれらの塩;
ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸およびそれらの塩;
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルアミノアルキルエステル、またはそれらの第4級アンモニウム誘導体;
N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、またはそれらの4級アンモニウム誘導体;
アセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミドなどの親水性アクリルアミド;
N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン;
ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート;
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン;
アクリルアミド;
メタクリルアミド;
N,N−ジ−n−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−n−ヘキシルアクリルアミド、N−n−ヘキシルメタクリルアミド、N−n−オクチルアクリルアミド、N−n−オクチルメタクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−n−ドデシルアクリルアミド、N−n−ドデシルメタクリルアミドなどのN−アルキル(メタ)アクリルアミド誘導体;
N,N−ジグリシジルアクリルアミド、N,N−ジグリシジルメタクリルアミド、N−(4−グリシドキシブチル)アクリルアミド、N−(4−グリシドキシブチル)メタクリルアミド、N−(5−グリシドキシペンチル)アクリルアミド、N−(6−グリシドキシヘキシル)アクリルアミドなどのN−(ω−グリシドキシアルキル)(メタ)アクリルアミド誘導体;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート誘導体;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
これら単量体は、一種単独で用いても良いが、二種以上併用しても良い。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤を用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−アミジノプロパン)2塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸ナトリウム)などのアゾ系遊離基開始剤;
上記過酸化物と重亜硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン、硫酸第一鉄アンモニウム等の還元剤を併用するいわゆるレドックス系触媒が挙げられる。
上記過酸化物と重亜硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン、硫酸第一鉄アンモニウム等の還元剤を併用するいわゆるレドックス系触媒が挙げられる。
上記した重合開始剤は一種単独で用いても良いが、二種以上併用しても良い。重合開始剤の量は、通常、単量体の総重量に対し、0.001〜5wt%の範囲である。
重合温度は単一重合開始剤の場合には、通常0〜120℃の範囲であり、より好ましくは5〜90℃の範囲である。また、重合温度は常に一定の温度に保つ必要はなく、重合の進行に伴い適宜変更しても良いが、通常は重合の進行に伴い、重合熱が発生して重合温度が上昇する傾向にあるため、必要に応じ、冷却する場合もある。
本発明のアミド系重合体の分子量は特に制限はないが、通常10万〜5,000万の範囲であり、好ましくは50万〜3,000万の範囲である。
この様にして得られたアミド系重合体は、水溶性と高分子量化が両立された重合体であり、しかも色相に優れたものであり、凝集剤、製紙用添加剤、石油回収剤、などとして好適に使用することができる。
〔アミド系重合体の製造方法〕
本発明のアミド系重合体の製造方法としては、例えば、水溶液重合、乳化重合などを用いることができる。
本発明のアミド系重合体の製造方法としては、例えば、水溶液重合、乳化重合などを用いることができる。
これらの中でも水溶液重合の場合は、通常、不飽和結合を有するアミド化合物と必要に応じて添加する不飽和単量体との合計濃度が5〜90重量%である。
重合時の雰囲気は特に限定はないが、重合を速やかに進行する観点からは、例えば窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で重合することが好ましい。
重合時間は特に限定はないが、通常1〜20時間の範囲である。
また重合時の水溶液のpHも特に限定はないが、必要に応じpHを調整して重合しても良い。その場合使用可能なpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどのアルカリ;
リン酸、硫酸、塩酸などの鉱酸;
蟻酸、酢酸等の有機酸などが挙げられる。
リン酸、硫酸、塩酸などの鉱酸;
蟻酸、酢酸等の有機酸などが挙げられる。
次に本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
〔遊離ニトリルヒドラターゼの調製〕
特許第5430659号公報の製造例1に記載の方法に従いニトリルヒドラターゼを含有する菌体を含む培養液を得た。
〔遊離ニトリルヒドラターゼの調製〕
特許第5430659号公報の製造例1に記載の方法に従いニトリルヒドラターゼを含有する菌体を含む培養液を得た。
培養液に含まれる菌体を特許5430659号公報の実施例1に記載の方法に従い、ホモゲナイザーによる菌体の破砕、熱処理、酸による不純物の析出、遠心分離による破砕物等の除去、遠心上澄みの中和、中和液のMF膜濾過次いで濾過液の濃縮を行い、遊離ニトリルヒドラターゼ5wt%を含有する懸濁液を得た。
〔アクリルアミドの製造〕
最終製品として、水溶液中のアクリルアミド濃度が50重量%の製品を得るため、以下の条件で反応を行った。
最終製品として、水溶液中のアクリルアミド濃度が50重量%の製品を得るため、以下の条件で反応を行った。
第1反応器として攪拌機を備えた、槽内径1m、直胴部長さ1.36mのSUS製ジャケット式熱交換器付槽型反応器(容積:1m3)、第2反応器として容積0.5m3のSUS製二重管型反応器を準備した。原料水の供給管、pH調節剤の供給管、アクリロニトリルの供給管および酵素触媒の供給管はそれぞれ第1反応器へ直接接続している。
第1反応器には、予め400kgの水を仕込んだ。上記方法で得られた遊離ニトリルヒドラターゼ含有懸濁液を純水で希釈し、ニトリルヒドラターゼ濃度0.1wt%の懸濁液を得た。第1反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を10kg/hの速度で連続的に供給した。また、純度99.8%のアクリロニトリルを32kg/hの速度でアクリロニトリル供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。純水を38kg/hの速度で純水供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応中の反応液の温度は20℃となるように、第1反応器のジャケット式熱交換器及び第2反応器の二重管に5℃の冷却水を流通して温度制御を行った。pH調節剤として0.1M−NaOH水溶液を用い、反応液のpHが7.5〜8.5となるように供給量を調節し、pH調節剤の供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応液のpHは第1反応器出口においてガラス電極法を用いて測定した。
反応中の反応液の液面を槽底面から1mの高さとなるように、反応液を第1反応器から80kg/hの速度で連続的に抜き出し、第2反応器に連続的に供給して、第2反応器内でさらに反応を進行させた。
反応開始から200時間後に以下のHPLC条件にて分析を行ったところ、第1反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が95%、かつ第2反応器出口でのアクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。また、第2反応器出口でのアクリルアミド濃度は53.1重量%であった。
得られた反応液を、アクリル酸水溶液を用いて中和を行い濃度50wt%のアクリルアミド水溶液を得た。
得られたアクリルアミド水溶液中に含まれるニトリルヒドラターゼ濃度を分析した。ニトリルヒドラターゼ濃度は、アクリルアミド水溶液に含まれるアクリルアミドを半透膜(Spectra/Por 分画分子量1000)により透析除去した後、Protein Assay(Bio−Rad社製)を用いて定量した。得られたアミド化合物水溶液中に含まれるニトリルヒドラターゼ濃度は120wtppmであった。
ここで分析条件は以下のとおりであった。
・アクリルアミド分析条件:
高速液体クロマトグラフ装置:LC−10Aシステム(株式会社島津製作所製)
(UV検出器波長250nm、カラム温度40℃)
分離カラム:SCR−101H (株式会社島津製作所製)
溶離液:0.05%(容積基準)−リン酸水溶液
・アクリロニトリル分析条件:
高速液体クロマトグラフ装置:LC−10Aシステム(株式会社島津製作所製)
(UV検出器波長200nm、カラム温度40℃)
分離カラム:Wakosil−II 5C18HG (和光純薬製)
溶離液:7%(容積基準)−アセトニトリル、0.1mM−酢酸、
0.2mM−酢酸ナトリウムを各濃度で含有する水溶液。
・アクリルアミド分析条件:
高速液体クロマトグラフ装置:LC−10Aシステム(株式会社島津製作所製)
(UV検出器波長250nm、カラム温度40℃)
分離カラム:SCR−101H (株式会社島津製作所製)
溶離液:0.05%(容積基準)−リン酸水溶液
・アクリロニトリル分析条件:
高速液体クロマトグラフ装置:LC−10Aシステム(株式会社島津製作所製)
(UV検出器波長200nm、カラム温度40℃)
分離カラム:Wakosil−II 5C18HG (和光純薬製)
溶離液:7%(容積基準)−アセトニトリル、0.1mM−酢酸、
0.2mM−酢酸ナトリウムを各濃度で含有する水溶液。
〔アクリルアミド系重合体の製造〕
上記の方法で得られたアクリルアミド水溶液に水を加えて濃度20wt%の重合用アクリルアミドサンプルとした。この20wt%重合用アクリルアミドサンプル500gを1Lポリエチレン容器に入れ、18℃に保ちながら、窒素を通じて液中の溶存酸素を除き、直ちに、発泡スチロール製の保温用ブロックの中に入れた。
上記の方法で得られたアクリルアミド水溶液に水を加えて濃度20wt%の重合用アクリルアミドサンプルとした。この20wt%重合用アクリルアミドサンプル500gを1Lポリエチレン容器に入れ、18℃に保ちながら、窒素を通じて液中の溶存酸素を除き、直ちに、発泡スチロール製の保温用ブロックの中に入れた。
ついで、200×10-6mpm(アクリルアミドに対するモル比)の4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸ナトリウム)、200×10-6mpmのジメチルアミノプロピオニトリル、および80×10-6mpmの過硫酸アンモニウムを各々小量の水に溶解して、この順序に1Lポリエチレン容器中に素早く注入した。これらの試薬には、予め窒素ガスを通じておき、また、注入およびその前後には、上記ポリエチレン容器にも少量の窒素ガスを通じ、酸素ガスの混入を防止した。
試薬を注入すると、数分間の誘導期の後、ポリエチレン容器の内部の温度が上昇するのが認められたので窒素ガスの供給をとめた。約100分間、保温用ブロック中で、そのままの状態でポリエチレン容器を保持したところ、ポリエチレン容器の内部の温度が約70℃に達した。そこで、ポリエチレン容器を保温用ブロックから取り出し、97℃の水に2時間浸漬し、さらに重合反応を進めた。その後冷水に浸漬して冷却し、重合反応を停止した。
このようにして得られたアクリルアミドポリマーの含水ゲルをポリエチレン容器から取り出し、小塊にわけ、肉挽器ですりつぶした。このすりつぶしたアクリルアミドポリマーの含水ゲルを、100℃の熱風で2時間乾燥した後に、高速回転刃粉砕器で粉砕して乾燥粉末状のアクリルアミドポリマーを得た。得られた乾燥粉末状のアクリルアミドポリマーを篩にかけ、32〜42メッシュのものを分取し、以後の試験に供するポリマーサンプルとした。
[実施例2]
実施例1のアクリルアミドの製造において、ニトリルヒドラターゼ濃度0.1wt%の懸濁液を使用する代わりに、ニトリルヒドラターゼ濃度0.2wt%の懸濁液を使用した以外は、実施例1と同様にして、アクリルアミドの製造を行った。すなわち、実施例1と同様の反応装置を用い、第1反応器には、予め400kgの水を仕込んだ。実施例1に記載の調製方法で得られたニトリルヒドラターゼ含有懸濁液を純水で希釈し、ニトリルヒドラターゼ濃度0.2wt%の懸濁液を得た。第1反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を10kg/hの速度で連続的に供給した。また、純度99.8%のアクリロニトリルを32kg/hの速度でアクリロニトリル供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。純水を38kg/hの速度で純水供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応中の反応液の温度は20℃となるように、第1反応器のジャケット式熱交換器及び第2反応器の二重管に5℃の冷却水を流通して温度制御を行った。pH調節剤として0.1M−NaOH水溶液を用い、反応液のpHが7.5〜8.5となるように供給量を調節し、pH調節剤の供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応液のpHは第1反応器出口においてガラス電極法を用いて測定した。
実施例1のアクリルアミドの製造において、ニトリルヒドラターゼ濃度0.1wt%の懸濁液を使用する代わりに、ニトリルヒドラターゼ濃度0.2wt%の懸濁液を使用した以外は、実施例1と同様にして、アクリルアミドの製造を行った。すなわち、実施例1と同様の反応装置を用い、第1反応器には、予め400kgの水を仕込んだ。実施例1に記載の調製方法で得られたニトリルヒドラターゼ含有懸濁液を純水で希釈し、ニトリルヒドラターゼ濃度0.2wt%の懸濁液を得た。第1反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を10kg/hの速度で連続的に供給した。また、純度99.8%のアクリロニトリルを32kg/hの速度でアクリロニトリル供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。純水を38kg/hの速度で純水供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応中の反応液の温度は20℃となるように、第1反応器のジャケット式熱交換器及び第2反応器の二重管に5℃の冷却水を流通して温度制御を行った。pH調節剤として0.1M−NaOH水溶液を用い、反応液のpHが7.5〜8.5となるように供給量を調節し、pH調節剤の供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応液のpHは第1反応器出口においてガラス電極法を用いて測定した。
反応中の反応液の液面を槽底面から1mの高さとなるように、反応液を第1反応器から80kg/hの速度で連続的に抜き出し、第2反応器に連続的に供給して、第2反応器内でさらに反応を進行させた。
反応開始から200時間後に以下のHPLC条件にて分析を行ったところ、第1反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が98%、かつ第2反応器出口でのアクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。また、第2反応器出口でのアクリルアミド濃度は53.1重量%であった。
得られた反応液を、アクリル酸水溶液を用いて中和を行い濃度50wt%のアクリルアミド水溶液を得た。
アクリルアミド水溶液に含まれるアクリルアミドを半透膜(Spectra/Por 分画分子量1000)により透析除去した後、Protein Assay(Bio−Rad社製)を用いて定量した。得られたアミド化合物水溶液中に含まれるニトリルヒドラターゼ濃度は245wtppmであった。
実施例1のアクリルアミド系重合体の製造と同様にしてアクリルアミド系重合体の製造を行った。得られたアクリルアミドポリマーの含水ゲルを実施例1と同様の処理を行い、以後の試験に供するポリマーサンプルとした。
[実施例3]
実施例1のアクリルアミドの製造において、ニトリルヒドラターゼ濃度0.1wt%の懸濁液を使用する代わりに、ニトリルヒドラターゼ濃度0.4wt%の懸濁液を使用した以外は、実施例1と同様にして、アクリルアミドの製造を行った。すなわち、実施例1と同様の反応装置を用い、第1反応器には、予め400kgの水を仕込んだ。実施例1に記載の調製方法で得られたニトリルヒドラターゼ含有懸濁液を純水で希釈し、ニトリルヒドラターゼ濃度0.4wt%の懸濁液を得た。第1反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を10kg/hの速度で連続的に供給した。また、純度99.8%のアクリロニトリルを32kg/hの速度でアクリロニトリル供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。純水を38kg/hの速度で純水供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応中の反応液の温度は20℃となるように、第1反応器のジャケット式熱交換器及び第2反応器の二重管に5℃の冷却水を流通して温度制御を行った。pH調節剤として0.1M−NaOH水溶液を用い、反応液のpHが7.5〜8.5となるように供給量を調節し、pH調節剤の供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応液のpHは第1反応器出口においてガラス電極法を用いて測定した。
実施例1のアクリルアミドの製造において、ニトリルヒドラターゼ濃度0.1wt%の懸濁液を使用する代わりに、ニトリルヒドラターゼ濃度0.4wt%の懸濁液を使用した以外は、実施例1と同様にして、アクリルアミドの製造を行った。すなわち、実施例1と同様の反応装置を用い、第1反応器には、予め400kgの水を仕込んだ。実施例1に記載の調製方法で得られたニトリルヒドラターゼ含有懸濁液を純水で希釈し、ニトリルヒドラターゼ濃度0.4wt%の懸濁液を得た。第1反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を10kg/hの速度で連続的に供給した。また、純度99.8%のアクリロニトリルを32kg/hの速度でアクリロニトリル供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。純水を38kg/hの速度で純水供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応中の反応液の温度は20℃となるように、第1反応器のジャケット式熱交換器及び第2反応器の二重管に5℃の冷却水を流通して温度制御を行った。pH調節剤として0.1M−NaOH水溶液を用い、反応液のpHが7.5〜8.5となるように供給量を調節し、pH調節剤の供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応液のpHは第1反応器出口においてガラス電極法を用いて測定した。
反応中の反応液の液面を槽底面から1mの高さとなるように、反応液を第1反応器から80kg/hの速度で連続的に抜き出し、第2反応器に連続的に供給して、第2反応器内でさらに反応を進行させた。
反応開始から200時間後に以下のHPLC条件にて分析を行ったところ、第1反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が99.9%以上、かつ第2反応器出口でのアクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。また、第2反応器出口でのアクリルアミド濃度は53.1重量%であった。
得られた反応液を、アクリル酸水溶液を用いて中和を行い濃度50wt%のアクリルアミド水溶液を得た。
アクリルアミド水溶液に含まれるアクリルアミドを半透膜(Spectra/Por 分画分子量1000)により透析除去した後、Protein Assay(Bio−Rad社製)を用いて定量した。得られたアミド化合物水溶液中に含まれるニトリルヒドラターゼ濃度は495wtppmであった。
実施例1のアクリルアミド系重合体の製造と同様にしてアクリルアミド系重合体の製造を行った。得られたアクリルアミドポリマーの含水ゲルを実施例1と同様の処理を行い、以後の試験に供するポリマーサンプルとした。
[比較例1]
実施例1のアクリルアミドの製造において、ニトリルヒドラターゼ濃度0.1wt%の懸濁液を使用する代わりに、ニトリルヒドラターゼ濃度0.5wt%の懸濁液を使用した以外は、実施例1と同様にして、アクリルアミドの製造を行った。すなわち、実施例1と同様の反応装置を用い、第1反応器には、予め400kgの水を仕込んだ。実施例1に記載の調製方法で得られたニトリルヒドラターゼ含有懸濁液を純水で希釈し、ニトリルヒドラターゼ濃度0.5wt%の懸濁液を得た。第1反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を10kg/hの速度で連続的に供給した。また、純度99.8%のアクリロニトリルを32kg/hの速度でアクリロニトリル供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。純水を38kg/hの速度で純水供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応中の反応液の温度は20℃となるように、第1反応器のジャケット式熱交換器及び第2反応器の二重管に5℃の冷却水を流通して温度制御を行った。pH調節剤として0.1M−NaOH水溶液を用い、反応液のpHが7.5〜8.5となるように供給量を調節し、pH調節剤の供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応液のpHは第1反応器出口においてガラス電極法を用いて測定した。
実施例1のアクリルアミドの製造において、ニトリルヒドラターゼ濃度0.1wt%の懸濁液を使用する代わりに、ニトリルヒドラターゼ濃度0.5wt%の懸濁液を使用した以外は、実施例1と同様にして、アクリルアミドの製造を行った。すなわち、実施例1と同様の反応装置を用い、第1反応器には、予め400kgの水を仕込んだ。実施例1に記載の調製方法で得られたニトリルヒドラターゼ含有懸濁液を純水で希釈し、ニトリルヒドラターゼ濃度0.5wt%の懸濁液を得た。第1反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を10kg/hの速度で連続的に供給した。また、純度99.8%のアクリロニトリルを32kg/hの速度でアクリロニトリル供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。純水を38kg/hの速度で純水供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応中の反応液の温度は20℃となるように、第1反応器のジャケット式熱交換器及び第2反応器の二重管に5℃の冷却水を流通して温度制御を行った。pH調節剤として0.1M−NaOH水溶液を用い、反応液のpHが7.5〜8.5となるように供給量を調節し、pH調節剤の供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応液のpHは第1反応器出口においてガラス電極法を用いて測定した。
反応中の反応液の液面を槽底面から1mの高さとなるように、反応液を第1反応器から80kg/hの速度で連続的に抜き出し、第2反応器に連続的に供給して、第2反応器内でさらに反応を進行させた。
反応開始から200時間後に以下のHPLC条件にて分析を行ったところ、第1反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が99.9%以上、かつ第2反応器出口でのアクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。また、第2反応器出口でのアクリルアミド濃度は53.1重量%であった。
得られた反応液を、アクリル酸水溶液を用いて中和を行い濃度50wt%のアクリルアミド水溶液を得た。
アクリルアミド水溶液に含まれるアクリルアミドを半透膜(Spectra/Por 分画分子量1000)により透析除去した後、Protein Assay(Bio−Rad社製)を用いて定量した。得られたアミド化合物水溶液中に含まれるニトリルヒドラターゼ濃度は620wtppmであった。
実施例1のアクリルアミド系重合体の製造と同様にしてアクリルアミド系重合体の製造を行った。得られたアクリルアミドポリマーの含水ゲルを実施例1と同様の処理を行い、以後の試験に供するポリマーサンプルとした。
[比較例2]
実施例1のアクリルアミドの製造において、ニトリルヒドラターゼ濃度0.1wt%の懸濁液を使用する代わりに、ニトリルヒドラターゼ濃度0.8wt%の懸濁液を使用した以外は、実施例1と同様にして、アクリルアミドの製造を行った。すなわち、実施例1と同様の反応装置を用い、第1反応器には、予め400kgの水を仕込んだ。実施例1に記載の調製方法で得られたニトリルヒドラターゼ含有懸濁液を純水で希釈し、ニトリルヒドラターゼ濃度0.8wt%の懸濁液を得た。第1反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を10kg/hの速度で連続的に供給した。また、純度99.8%のアクリロニトリルを32kg/hの速度でアクリロニトリル供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。純水を38kg/hの速度で純水供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応中の反応液の温度は20℃となるように、第1反応器のジャケット式熱交換器及び第2反応器の二重管に5℃の冷却水を流通して温度制御を行った。pH調節剤として0.1M−NaOH水溶液を用い、反応液のpHが7.5〜8.5となるように供給量を調節し、pH調節剤の供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応液のpHは第1反応器出口においてガラス電極法を用いて測定した。
実施例1のアクリルアミドの製造において、ニトリルヒドラターゼ濃度0.1wt%の懸濁液を使用する代わりに、ニトリルヒドラターゼ濃度0.8wt%の懸濁液を使用した以外は、実施例1と同様にして、アクリルアミドの製造を行った。すなわち、実施例1と同様の反応装置を用い、第1反応器には、予め400kgの水を仕込んだ。実施例1に記載の調製方法で得られたニトリルヒドラターゼ含有懸濁液を純水で希釈し、ニトリルヒドラターゼ濃度0.8wt%の懸濁液を得た。第1反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を10kg/hの速度で連続的に供給した。また、純度99.8%のアクリロニトリルを32kg/hの速度でアクリロニトリル供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。純水を38kg/hの速度で純水供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応中の反応液の温度は20℃となるように、第1反応器のジャケット式熱交換器及び第2反応器の二重管に5℃の冷却水を流通して温度制御を行った。pH調節剤として0.1M−NaOH水溶液を用い、反応液のpHが7.5〜8.5となるように供給量を調節し、pH調節剤の供給管を介し、第1反応器へ連続的に供給した。反応液のpHは第1反応器出口においてガラス電極法を用いて測定した。
反応中の反応液の液面を槽底面から1mの高さとなるように、反応液を第1反応器から80kg/hの速度で連続的に抜き出し、第2反応器に連続的に供給して、第2反応器内でさらに反応を進行させた。
反応開始から200時間後に以下のHPLC条件にて分析を行ったところ、第1反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が99.9%以上、かつ第2反応器出口でのアクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。また、第2反応器出口でのアクリルアミド濃度は53.1重量%であった。
得られた反応液を、アクリル酸水溶液を用いて中和を行い濃度50wt%のアクリルアミド水溶液を得た。
アクリルアミド水溶液に含まれるアクリルアミドを半透膜(Spectra/Por 分画分子量1000)により透析除去した後、Protein Assay(Bio−Rad社製)を用いて定量した。得られたアミド化合物水溶液中に含まれるニトリルヒドラターゼ濃度は995wtppmであった。
実施例1のアクリルアミド系重合体の製造と同様にしてアクリルアミド系重合体の製造を行った。得られたアクリルアミドポリマーの含水ゲルを実施例1と同様の処理を行い、以後の試験に供するポリマーサンプルとした。
<アクリルアミドポリマーの試験法>
上記実施例1〜3および比較例1、2で得られたポリマーサンプルの水溶性の評価および色調の評価を以下の方法で行った。
上記実施例1〜3および比較例1、2で得られたポリマーサンプルの水溶性の評価および色調の評価を以下の方法で行った。
水溶性:水溶性は、1Lビーカーに水600mlを入れ、定められた形状の攪拌羽根を用いて25℃で攪拌しながらポリマーサンプル0.66g(純分0.6g)を添加し、400rpmで2時間攪拌を行い、得られた溶液を150メッシュの金網で濾過し、不溶解分の多少と濾過性から、水溶性を判断した。即ち、完溶のものを◎、完溶に近いものを○、不溶解分があるが、それを濾別する事ができるものを△、濾液の通過が遅く、不溶解分の濾過が事実上出来ないものを×とした。
色調:ポリマーの色調についてはポリマー粉体を目視で評価した。
評価結果を表1に示した。
Claims (7)
- 遊離ニトリルヒドラターゼを1〜500wtppm含有するアミド化合物水溶液。
- 菌体および/またはその菌体処理物を含有しない請求項1に記載のアミド化合物水溶液。
- ニトリルヒドラターゼがシュードノカルディア属由来のニトリルヒドラターゼである請求項1または2に記載のアミド化合物水溶液。
- アミド化合物が不飽和結合を有するアミド化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のアミド化合物水溶液。
- 遊離ニトリルヒドラターゼを触媒として用い、ニトリル化合物を水和して得られるアミド化合物水溶液からニトリルヒドラターゼを除去しないアミド化合物水溶液の製造方法。
- 請求項4に記載の水溶液中のアミド化合物を単独重合、またはアミド化合物と共重合可能な少なくとも1種の不飽和単量体と共重合して得られるアミド系重合体。
- 請求項4に記載の水溶液中のアミド化合物を単独重合、またはアミド化合物と共重合可能な少なくとも1種の不飽和単量体と共重合することを特徴とするアミド系重合体の製造方法。
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