JP2018168320A - 液晶ポリエステル組成物および成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態の液晶ポリエステル組成物は、液晶ポリエステルと、ガラスフレークとを含む。
液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
本実施形態の液晶ポリエステル組成物は、液晶ポリエステル100質量部に対して、ガラスフレークを5質量部以上80質量部以下含む。ガラスフレークの含有量が5質量部以上であると、得られる成形体の反りを十分小さくすることができる。また、ガラスフレークの含有量が80質量部以下であると、液晶ポリエステル組成物の溶融混練が可能となる。これに対し、ガラスフレークの含有量が80質量部を超えると、液晶ポリエステル組成物の粘度が高すぎて、溶融混練が難しくなる。
本実施形態の液晶ポリエステル組成物に含まれるガラスフレークの厚みが0.1μm以上1.0μm以下である。ガラスフレークの厚みが0.1μm以上であると、得られる成形体の反りを十分小さくすることができる。また、ガラスフレークの厚みが1.0μm以下であると、成形時の液晶ポリエステル組成物の流動性が十分良好となる。その結果、小型・薄肉の成形体においても安定的に成形体を製造できる。
本実施形態の液晶ポリエステル組成物に含まれるガラスフレークの体積平均粒子径が23μm以上38μm以下である。ガラスフレークの体積平均粒子径が23μm以上であると、得られる成形体の反りを十分小さくすることができる。また、ガラスフレークの体積平均粒子径が38μm以下であると、小型・薄肉の成形体においても安定的に成形体を製造できる。
粒子屈折率:1.56
分散媒:水
分散媒屈折率:1.33
本実施形態の液晶ポリエステル組成物に含まれるガラスフレークは、粒子径100μm以上400μm以下の大粒径成分を含む。このガラスフレーク100体積%に占める大粒径成分の割合が、0.1体積%以上2.3体積%以下である。
Al2O3:12〜16
CaO:16〜25
MgO:0〜6
Na2O+K2O:0〜2(好ましくは0〜0.8)
B2O3:5〜13
F2:0〜0.5
い。
液晶ポリエステル組成物は、本発明の効果を奏する範囲で、本実施形態のガラスフレーク以外の充填材、添加剤、液晶ポリエステル以外の樹脂等の他の成分を1種以上含んでもよい。
液晶ポリエステル組成物は、液晶ポリエステル、ガラス成分及び必要に応じて用いられる他の成分を、押出機を用いて溶融混練し、ペレット状に押し出すことにより調製することが好ましい。
本実施形態の成形体は、上述した液晶ポリエステル組成物を形成材料とする。
液晶ポリエステルの流動開始温度を、流動特性評価装置((株)島津製作所製、「フローテスターCFT−500型」)を用いて測定した。
ガラスフレーク100mgを水中に分散させ、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置((株)堀場製、「LA−950V2」)を用いて、下記の測定条件にてガラスフレークの体積平均粒子径を測定した。
粒子屈折率:1.56
分散媒:水
分散媒屈折率:1.33
後述するペレット状の液晶ポリエステル組成物3gを、600℃で3時間加熱して樹脂を除去し、ガラスフレークを取り出した。次に、上述の<ガラスフレークの体積平均粒子径>と同様に、取り出したガラスフレークの体積平均粒子径を測定した。
ガラスフレーク100体積%に占める粒子径100μm以上400μm以下の大粒径成分の割合は、上述の測定で得られる体積累積粒度分布曲線から算出した。
使用するガラスフレークを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、得られた画像から無作為に選んだ10個のガラスフレークの厚みをそれぞれ測定し、その平均値を実施例でのガラスフレークの厚みとした。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)、及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、1−メチルイミダゾール0.2gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。その後、窒素ガス気流下で室温から150℃まで30分かけて昇温し、150℃を保持して1時間還流させた。
得られたLCP1の流動開始温度は327℃であった。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸239.2g(1.44モル)、イソフタル酸159.5g(0.96モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込み、1−メチルイミダゾール0.2gを添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した。
その後、窒素ガス気流下で室温から150℃まで30分かけて昇温し、150℃を保持して1時間還流させた。
ガラスフレークとして、以下の3種類を用いた。
ガラスフレーク1:MEG160FY−M03
(日本板硝子(株)製、体積平均粒子径103μm、厚み0.7μm)
ガラスフレーク2:MEG040FY
(日本板硝子(株)製、体積平均粒子径43μm、厚み0.7μm)
ガラスフレーク3:FTD025FY−F02
(日本板硝子(株)製、体積平均粒子径32μm、厚み0.5μm)
上述した液晶ポリエステルおよびガラスフレークを用い、実施例1〜4および比較例1〜6の液晶ポリエステル組成物を製造した。
二軸同方向回転押出機として、図2に示す池貝鉄工(株)製「PCM−30型」(スクリュー径:29mm、スクリューの有効長さ/スクリュー直径:25)を使用して液晶ポリエステル組成物を得た。押出機の構成は、次の通りである。
ホッパー部5 :供給口
シリンダー1(C1) :第一混練ゾーン
シリンダー2(C2) :第二混練ゾーン
ベント4 :大気ベント
シリンダー3(C3) :第三混練ゾーン
シリンダヘッド(CH) :3Φmm 1穴
押出機の回転数を150rpmとし、表1の条件にて溶融混練したところ、ストランドが脆く、ペレット状の液晶ポリエステル組成物を得ることができなかった。
<造粒性>
実施例1〜4、比較例1〜6の液晶ポリエステル組成物の造粒性を評価した。上述の押出機によってペレット化できたものを「○」とし、ペレット化できなかったものを「×」とした。
<充填ピーク圧の標準偏差>
ペレット状の液晶ポリエステル組成物を用い、下記の成形条件で射出成形を行い、図1に示すFPC用コネクターを得た。このFPC用コネクターを成形したときの充填ピーク圧を測定した。この測定を10回の成形に対して行い、充填ピーク圧の標準偏差を求めた。この標準偏差が小さいほど、充填ピーク圧のバラつきが小さく、成形時のショートショットが生じる可能性が低いといえる。
成形機:ファナック(株)製、「ROBOSHOT S−2000i30B」
シリンダー温度;350℃
金型温度:70℃
射出速度:200mm/秒
保圧力:200kgf/cm2
保圧時間:1秒
冷却時間:7秒
スクリュー回転数:100rpm
スクリュー背圧:40kgf/cm2
上述の<充填ピーク圧の標準偏差>で得られたFPC用コネクター3個を用い、面100Aが底面となるように、(株)コアーズ製の平坦度測定モジュール「core9030c」の測定台(ガラス基板)に設置した。次に、長辺100aに沿って0.5mmごとにガラス基板からの反り量を測定し、それぞれのFPC用コネクターの反り量の最大値を求め、得られた最大値の平均値を最大反り量とした。
○:充填ピーク圧の標準偏差が50kgf/cm2以下、かつ、最大反り量が0.08mm未満もの。
×:充填ピーク圧の標準偏差が50kgf/cm2超、または、最大反り量が0.08mm以上。
Claims (3)
- 液晶ポリエステル100質量部に対して、ガラスフレークを5質量部以上80質量部以下含み、
前記ガラスフレークの厚みが0.1μm以上1.0μm以下であり、
レーザー回折法により測定される前記ガラスフレークの体積平均粒子径が23μm以上38μm以下であり、
前記ガラスフレークは、粒子径100μm以上400μm以下の大粒径成分を含み、
前記ガラスフレーク100体積%に占める前記大粒径成分の割合が、0.1体積%以上2.3体積%以下である液晶ポリエステル組成物。 - 前記ガラスフレーク100体積%に占める前記大粒径成分の割合が、0.1体積%以上1.0体積%未満である請求項1に記載の液晶ポリエステル組成物。
- 請求項1または2に記載の液晶ポリエステル組成物を形成材料とする成形体。
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