JP2018168202A - 光硬化性組成物、硬化物、部材、及び、装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】透水率が低く、pH耐性に優れた硬化物を得ることができる光硬化性組成物、上記光硬化性組成物を硬化してなる硬化物、並びに、上記硬化物を備えた部材及び装置を提供すること。【解決手段】第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマー、及び、光重合開始剤を含むことを特徴とする光硬化性組成物、上記光硬化性組成物を硬化してなる硬化物、並びに、上記光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた部材又は装置。【選択図】なし
Description
本発明は、光硬化性組成物、硬化物、部材、及び、装置に関する。
高分子機能性膜としての各種の機能を有する膜として、イオン交換膜、逆浸透膜、正浸透膜又はガス分離膜等が知られている。
例えば、イオン交換膜は、電気脱塩(EDI:Electrodeionization)、連続的な電気脱塩(CEDI:Continuous Electrodeionization)、電気透析(ED:Electrodialysis)、逆電気透析(EDR:Electrodialysis reversal)等に用いられる。
電気脱塩(EDI)は、イオン輸送を達成するためにイオン交換膜と電位を使用して、水性液体からイオンが取り除かれる水処理プロセスである。従来のイオン交換のような他の浄水技術と異なり、酸又は苛性ソーダのような化学薬品の使用を要求せず、超純水を生産するために使用することができる。電気透析(ED)及び逆電気透析(EDR)は、水及び他の流体からイオン等を取り除く電気化学の分離プロセスである。
従来のイオン交換膜としては、特許文献1〜3に記載のものが知られている。
例えば、イオン交換膜は、電気脱塩(EDI:Electrodeionization)、連続的な電気脱塩(CEDI:Continuous Electrodeionization)、電気透析(ED:Electrodialysis)、逆電気透析(EDR:Electrodialysis reversal)等に用いられる。
電気脱塩(EDI)は、イオン輸送を達成するためにイオン交換膜と電位を使用して、水性液体からイオンが取り除かれる水処理プロセスである。従来のイオン交換のような他の浄水技術と異なり、酸又は苛性ソーダのような化学薬品の使用を要求せず、超純水を生産するために使用することができる。電気透析(ED)及び逆電気透析(EDR)は、水及び他の流体からイオン等を取り除く電気化学の分離プロセスである。
従来のイオン交換膜としては、特許文献1〜3に記載のものが知られている。
本発明が解決しようとする課題は、透水率が低く、pH耐性に優れた硬化物を得ることができる光硬化性組成物、上記光硬化性組成物を硬化してなる硬化物、並びに、上記硬化物を備えた部材及び装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<9>、<11>又は<12>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<8>及び<10>と共に以下に記載する。
<1>第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマー、及び、光重合開始剤を含むことを特徴とする光硬化性組成物、
<2>上記光硬化性組成物の芳香環密度が2mmol/g以上であり、かつ、電荷密度が1mmol/g以上である、<1>に記載の光硬化性組成物、
<3>上記アクリルアミド基以外の重合性基が、スチリル基である、<1>又は<2>に記載の光硬化性組成物、
<4>上記イオン性架橋モノマーが、下記式1で表される化合物を含む、<3>に記載の光硬化性組成物、
<1>第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマー、及び、光重合開始剤を含むことを特徴とする光硬化性組成物、
<2>上記光硬化性組成物の芳香環密度が2mmol/g以上であり、かつ、電荷密度が1mmol/g以上である、<1>に記載の光硬化性組成物、
<3>上記アクリルアミド基以外の重合性基が、スチリル基である、<1>又は<2>に記載の光硬化性組成物、
<4>上記イオン性架橋モノマーが、下記式1で表される化合物を含む、<3>に記載の光硬化性組成物、
式1中、A1及びB1はそれぞれ独立に、二価の連結基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、X1−は、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−を表す。
<5>上記アクリルアミド基以外の重合性基が、メタクリルアミド基である、<1>又は<2>に記載の光硬化性組成物、
<6>上記イオン性架橋モノマーが、下記式2で表される化合物を含む、<1>、<2>又は<5>に記載の光硬化性組成物、
<6>上記イオン性架橋モノマーが、下記式2で表される化合物を含む、<1>、<2>又は<5>に記載の光硬化性組成物、
式2中、A2、A3及びB2はそれぞれ独立に、二価の連結基を表し、R3〜R6はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、R7はアルキル基を表し、X2−及びX3−はそれぞれ独立に、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−を表す。
<7>溶媒を更に含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物、
<8>上記溶媒が、水を含む、<7>に記載の光硬化性組成物、
<9><1>〜<8>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物、
<10>上記硬化物が、イオン交換膜、プロトン伝導膜、逆浸透膜、正浸透膜、高分子電解質又は吸水性樹脂である、<9>に記載の硬化物、
<11><1>〜<8>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた部材、
<12><1>〜<8>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた装置。
<8>上記溶媒が、水を含む、<7>に記載の光硬化性組成物、
<9><1>〜<8>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物、
<10>上記硬化物が、イオン交換膜、プロトン伝導膜、逆浸透膜、正浸透膜、高分子電解質又は吸水性樹脂である、<9>に記載の硬化物、
<11><1>〜<8>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた部材、
<12><1>〜<8>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた装置。
本発明によれば、透水率が低く、pH耐性に優れた硬化物を得ることができる光硬化性組成物、上記光硬化性組成物を硬化してなる硬化物、並びに、上記硬化物を備えた部材及び装置を提供することができた。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
更に、各式における二重結合の置換様式である幾何異性体は、表示の都合上、異性体の一方を記載したとしても、特段の断りがない限り、E体であってもZ体であっても、これらの混合物であっても構わない。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表し、”(メタ)アクリルアミド”はアクリルアミド及びメタクリルアミドを表す。また、“アクリル樹脂”は、(メタ)アクリレート化合物及び(メタ)アクリルアミド化合物よりなる群から選ばれた化合物の単独重合体又は共重合体であり、共重合体の場合は、上記化合物を樹脂全体の50質量%以上共重合した樹脂であるものとする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
更に、各式における二重結合の置換様式である幾何異性体は、表示の都合上、異性体の一方を記載したとしても、特段の断りがない限り、E体であってもZ体であっても、これらの混合物であっても構わない。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表し、”(メタ)アクリルアミド”はアクリルアミド及びメタクリルアミドを表す。また、“アクリル樹脂”は、(メタ)アクリレート化合物及び(メタ)アクリルアミド化合物よりなる群から選ばれた化合物の単独重合体又は共重合体であり、共重合体の場合は、上記化合物を樹脂全体の50質量%以上共重合した樹脂であるものとする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(光硬化性組成物)
本発明の光硬化性組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマー、及び、光重合開始剤を含むことを特徴とする。
本発明の光硬化性組成物は、イオン交換膜、プロトン伝導膜、逆浸透膜、正浸透膜、高分子電解質又は吸水性樹脂用光硬化性組成物であることが好ましく、イオン交換膜用光硬化性組成物であることがより好ましい。また、イオン交換膜としては、アニオン交換膜が好ましい。
なお、本発明における「光硬化性」とは、活性光線の照射により固体又はゲル状のものを形成可能であれば、特に制限はない。
また、「活性光線」とは、その照射により後述する光重合開始剤より開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
本発明の光硬化性組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマー、及び、光重合開始剤を含むことを特徴とする。
本発明の光硬化性組成物は、イオン交換膜、プロトン伝導膜、逆浸透膜、正浸透膜、高分子電解質又は吸水性樹脂用光硬化性組成物であることが好ましく、イオン交換膜用光硬化性組成物であることがより好ましい。また、イオン交換膜としては、アニオン交換膜が好ましい。
なお、本発明における「光硬化性」とは、活性光線の照射により固体又はゲル状のものを形成可能であれば、特に制限はない。
また、「活性光線」とは、その照射により後述する光重合開始剤より開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。これらの中でも、紫外線を少なくとも含む光が好ましい。
光硬化用途で、アクリルアミド基を有するイオン性架橋モノマーの例として、特許文献3に記載された発明は、硬化物のpH耐性が十分とは言えなかった。他のイオン性架橋モノマーの例として、スチリル基又はメタクリルアミド基を有するモノマーが考えられるが、本発明者が検討したところ、光硬化性との両立が困難であった。
また、スチリル基を有するイオン性架橋モノマーの例としては、特許文献1又は2に記載された発明が挙げられるが、特許文献3において指摘されているように、光硬化性が課題であった。
本発明者は鋭意検討した結果、第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマーを用いることにより、透水率が低く、pH耐性に優れた硬化物を得ることができる光硬化性組成物が得られることを見出した。
以下、本発明の光硬化性組成物の物性値及び各成分について説明する。
また、スチリル基を有するイオン性架橋モノマーの例としては、特許文献1又は2に記載された発明が挙げられるが、特許文献3において指摘されているように、光硬化性が課題であった。
本発明者は鋭意検討した結果、第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマーを用いることにより、透水率が低く、pH耐性に優れた硬化物を得ることができる光硬化性組成物が得られることを見出した。
以下、本発明の光硬化性組成物の物性値及び各成分について説明する。
<光硬化性組成物の芳香環密度>
本発明の光硬化性組成物の芳香環密度は、1mmol/g以上であることが好ましく、1.5mmol/g以上であることがより好ましく、2mmol/g以上であることが更に好ましく、2〜4mmol/gであることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化物の透水率により優れ、膜抵抗が小さくなる。
光硬化性組成物の芳香環密度の算出方法は、モノマーA中の芳香環数をnaとし、モノマーAの分子量をmaとし、全モノマー成分中に占めるモノマーAの重量分率をwaとして、モノマーAとモノマーBとの2成分系の場合、光硬化性組成物の芳香環密度は、下記式で求められる。
光硬化性組成物の芳香環密度=na×wa/ma+nb×wb/mb
本発明の光硬化性組成物の芳香環密度は、1mmol/g以上であることが好ましく、1.5mmol/g以上であることがより好ましく、2mmol/g以上であることが更に好ましく、2〜4mmol/gであることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化物の透水率により優れ、膜抵抗が小さくなる。
光硬化性組成物の芳香環密度の算出方法は、モノマーA中の芳香環数をnaとし、モノマーAの分子量をmaとし、全モノマー成分中に占めるモノマーAの重量分率をwaとして、モノマーAとモノマーBとの2成分系の場合、光硬化性組成物の芳香環密度は、下記式で求められる。
光硬化性組成物の芳香環密度=na×wa/ma+nb×wb/mb
<光硬化性組成物の電荷密度>
本発明の光硬化性組成物の電荷密度は、1mmol/g以上であることが好ましく、3mmol/g以上であることがより好ましく、3.5mmol/g以上であることが更に好ましく、3.5〜10mmol/gであることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化物の膜抵抗が小さくなる。
光硬化性組成物の電荷密度の算出方法は、モノマーA中の4級アミンの数をlaとし、モノマーAの分子量をmaとし、全モノマー成分中に占めるモノマーAの重量分率をwaとして、モノマーAとモノマーBとの2成分系の場合、光硬化性組成物の電荷密度は、下記式で求められる。
光硬化性組成物の電荷密度=la×wa/ma+lb×wb/mb
本発明の光硬化性組成物の電荷密度は、1mmol/g以上であることが好ましく、3mmol/g以上であることがより好ましく、3.5mmol/g以上であることが更に好ましく、3.5〜10mmol/gであることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化物の膜抵抗が小さくなる。
光硬化性組成物の電荷密度の算出方法は、モノマーA中の4級アミンの数をlaとし、モノマーAの分子量をmaとし、全モノマー成分中に占めるモノマーAの重量分率をwaとして、モノマーAとモノマーBとの2成分系の場合、光硬化性組成物の電荷密度は、下記式で求められる。
光硬化性組成物の電荷密度=la×wa/ma+lb×wb/mb
<第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマー>
本発明の光硬化性組成物は、第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマー(以下、「特定モノマー」ともいう。)を含む。
特定モノマーにおける第四級アンモニウム塩構造は、第四級テトラアルキルアンモニウム塩構造であることが好ましい。なお、第四級テトラアルキルアンモニウム塩構造における窒素原子に結合したアルキル基には、上記アクリルアミド基等の重合性基や芳香環が結合していてもよいことは言うまでもない。
また、上記第四級アンモニウム塩構造は、窒素原子に直接結合した直鎖又は分岐アルキル基を少なくとも2つ有していることが好ましく、窒素原子に直接結合した炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基を少なくとも2つ有していることが好ましく、窒素原子に直接結合したメチル基を少なくとも2つ有していることが特に好ましい。
特定モノマーにおける第四級アンモニウム塩構造の数は、1以上であればよいが、1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、得られる硬化物の透水率の観点からは、1であることが特に好ましい。
特定モノマーにおける第四級アンモニウム塩構造における対アニオンは、電荷を中和するアニオンであれば特に制限はなく、一価アニオンであっても、多価アニオンであってもよいが、一価アニオンであることが好ましく、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−であることがより好ましく、Cl−又はBr−であることが更に好ましく、Cl−であることが特に好ましい。
また、特定モノマーにおける第四級アンモニウム塩構造の窒素原子と、アクリルアミド基等の重合性基とは、2〜8原子を間に介して結合していることが好ましく、3〜8原子を間に介して結合していることがより好ましく、3〜5原子を間に介して結合していることが特に好ましい。間に介する上記原子は、炭素原子であることが好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマー(以下、「特定モノマー」ともいう。)を含む。
特定モノマーにおける第四級アンモニウム塩構造は、第四級テトラアルキルアンモニウム塩構造であることが好ましい。なお、第四級テトラアルキルアンモニウム塩構造における窒素原子に結合したアルキル基には、上記アクリルアミド基等の重合性基や芳香環が結合していてもよいことは言うまでもない。
また、上記第四級アンモニウム塩構造は、窒素原子に直接結合した直鎖又は分岐アルキル基を少なくとも2つ有していることが好ましく、窒素原子に直接結合した炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基を少なくとも2つ有していることが好ましく、窒素原子に直接結合したメチル基を少なくとも2つ有していることが特に好ましい。
特定モノマーにおける第四級アンモニウム塩構造の数は、1以上であればよいが、1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、得られる硬化物の透水率の観点からは、1であることが特に好ましい。
特定モノマーにおける第四級アンモニウム塩構造における対アニオンは、電荷を中和するアニオンであれば特に制限はなく、一価アニオンであっても、多価アニオンであってもよいが、一価アニオンであることが好ましく、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−であることがより好ましく、Cl−又はBr−であることが更に好ましく、Cl−であることが特に好ましい。
また、特定モノマーにおける第四級アンモニウム塩構造の窒素原子と、アクリルアミド基等の重合性基とは、2〜8原子を間に介して結合していることが好ましく、3〜8原子を間に介して結合していることがより好ましく、3〜5原子を間に介して結合していることが特に好ましい。間に介する上記原子は、炭素原子であることが好ましい。
特定モノマーにおけるアクリルアミド基の数は、1以上であればよいが、得られる硬化物の透水率及びpH耐性の観点から、1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
特定モノマーにおけるアクリルアミド基以外の重合性基としては、エチレン性不飽和基であることが好ましく、スチリル基又はメタクリルアミド基であることがより好ましい。
また、特定モノマーにおけるアクリルアミド基以外の重合性基としては、透水率の観点から、スチリル基であることが特に好ましく、また、合成上の観点からは、メタクリルアミド基であることが特に好ましい。
特定モノマーにおけるアクリルアミド基以外の重合性基の数は、1以上であればよいが、得られる硬化物の透水率及びpH耐性の観点から、1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
また、特定モノマーは、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを同数有することが好ましく、アクリルアミド基を1つと、アクリルアミド基以外の重合性基を1つ有することが特に好ましい。上記態様であると、得られる硬化物の膜抵抗に優れ、また、得られる硬化物の透水率及びpH耐性により優れる。
特定モノマーにおけるアクリルアミド基以外の重合性基としては、エチレン性不飽和基であることが好ましく、スチリル基又はメタクリルアミド基であることがより好ましい。
また、特定モノマーにおけるアクリルアミド基以外の重合性基としては、透水率の観点から、スチリル基であることが特に好ましく、また、合成上の観点からは、メタクリルアミド基であることが特に好ましい。
特定モノマーにおけるアクリルアミド基以外の重合性基の数は、1以上であればよいが、得られる硬化物の透水率及びpH耐性の観点から、1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
また、特定モノマーは、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを同数有することが好ましく、アクリルアミド基を1つと、アクリルアミド基以外の重合性基を1つ有することが特に好ましい。上記態様であると、得られる硬化物の膜抵抗に優れ、また、得られる硬化物の透水率及びpH耐性により優れる。
特定モノマーとしては、アクリルアミド基以外の重合性基がスチリル基である場合、式1で表される化合物を含むことが好ましく、また、アクリルアミド基以外の重合性基がメタクリルアミド基等のα−アルキルアクリルアミド基である場合、式2で表される化合物を含むことが好ましい。
式1中、A1及びB1はそれぞれ独立に、二価の連結基を表し、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、X1−は、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−を表す。
式2中、A2、A3及びB2はそれぞれ独立に、二価の連結基を表し、R3〜R6はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、R7はアルキル基を表し、X2−及びX3−はそれぞれ独立に、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−を表す。
式1のA1における二価の連結基は、アルキレン基、又は、1つ以上のアルキレン基と、アリーレン基、−O−及び−NR8よりなる群から選ばれた1以上の連結基とを組み合わせた基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましい。R8は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
また、A1における二価の連結基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、3〜8であることが更に好ましく、3であることが特に好ましい。
式1のB1における二価の連結基は、アルキレン基、又は、1つ以上のアルキレン基と、アリーレン基、−O−及び−NR9よりなる群から選ばれた1以上の連結基とを組み合わせた基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましく、メチレン基であることが特に好ましい。R9は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
また、B1における二価の連結基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましく、1であることが特に好ましい。
また、A1における二価の連結基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、3〜8であることが更に好ましく、3であることが特に好ましい。
式1のB1における二価の連結基は、アルキレン基、又は、1つ以上のアルキレン基と、アリーレン基、−O−及び−NR9よりなる群から選ばれた1以上の連結基とを組み合わせた基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましく、メチレン基であることが特に好ましい。R9は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
また、B1における二価の連結基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましく、1であることが特に好ましい。
式1におけるR1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
式1におけるX1−は、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−を表し、Cl−又はBr−であることが好ましく、Cl−であることがより好ましい。
式1におけるX1−は、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−を表し、Cl−又はBr−であることが好ましく、Cl−であることがより好ましい。
式2のA2及びA3における二価の連結基はそれぞれ独立に、アルキレン基、又は、1つ以上のアルキレン基と、アリーレン基、−O−及び−NR10よりなる群から選ばれた1以上の連結基とを組み合わせた基であることが好ましく、アルキレン基であることがより好ましい。R10は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
また、A2及びA3における二価の連結基の炭素数はそれぞれ独立に、1〜20であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、3〜8であることが更に好ましく、3であることが特に好ましい。
更に、式2におけるA2及びA3は、同じ基であることが好ましい。
式2のB2における二価の連結基は、アルキレン基、又は、1つ以上のアルキレン基と、アリーレン基、−O−及び−NR11よりなる群から選ばれた1以上の連結基とを組み合わせた基であることが好ましく、アルキレン−アリーレン−アルキレン基であることがより好ましく、−CH2−C6H4−CH2−であることが更に好ましく、−CH2−p−C6H4−CH2−であることが特に好ましい。R11は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
また、B2における二価の連結基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、8〜20であることが更に好ましく、8であることが特に好ましい。
また、A2及びA3における二価の連結基の炭素数はそれぞれ独立に、1〜20であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、3〜8であることが更に好ましく、3であることが特に好ましい。
更に、式2におけるA2及びA3は、同じ基であることが好ましい。
式2のB2における二価の連結基は、アルキレン基、又は、1つ以上のアルキレン基と、アリーレン基、−O−及び−NR11よりなる群から選ばれた1以上の連結基とを組み合わせた基であることが好ましく、アルキレン−アリーレン−アルキレン基であることがより好ましく、−CH2−C6H4−CH2−であることが更に好ましく、−CH2−p−C6H4−CH2−であることが特に好ましい。R11は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
また、B2における二価の連結基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、8〜20であることが更に好ましく、8であることが特に好ましい。
式2におけるR3〜R6はそれぞれ独立に、アルキル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
式2におけるR7は、アルキル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
式2におけるX2−及びX3−はそれぞれ独立に、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−を表し、Cl−又はBr−であることが好ましく、Cl−であることがより好ましい。
式2におけるR7は、アルキル基を表し、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
式2におけるX2−及びX3−はそれぞれ独立に、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−を表し、Cl−又はBr−であることが好ましく、Cl−であることがより好ましい。
式1又は式2で表される化合物としては、下記に示す化合物が好ましく挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の光硬化性組成物は、特定モノマーを1種単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
本発明の光硬化性組成物は、特定モノマーを、組成物の全質量に対し、5〜80質量%含有することが好ましく、10〜70質量%含有することがより好ましく、10〜60質量%含有することが更に好ましく、30〜60質量%含有することが特に好ましい。
また、本発明の光硬化性組成物は、特定モノマーを、組成物の全固形分100質量部に対し、5〜95質量部含有することが好ましく、10〜90質量部含有することがより好ましく、30〜90質量部含有することが更に好ましく、50〜85質量部含有することが特に好ましい。
なお、光硬化性組成物の全固形分とは、光硬化性組成物から溶媒などの揮発成分を除いた成分を意味する。
本発明の光硬化性組成物は、特定モノマーを、組成物の全質量に対し、5〜80質量%含有することが好ましく、10〜70質量%含有することがより好ましく、10〜60質量%含有することが更に好ましく、30〜60質量%含有することが特に好ましい。
また、本発明の光硬化性組成物は、特定モノマーを、組成物の全固形分100質量部に対し、5〜95質量部含有することが好ましく、10〜90質量部含有することがより好ましく、30〜90質量部含有することが更に好ましく、50〜85質量部含有することが特に好ましい。
なお、光硬化性組成物の全固形分とは、光硬化性組成物から溶媒などの揮発成分を除いた成分を意味する。
特定モノマーの合成方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いて合成することができる。
また、本発明の光硬化性組成物の調製時において、例えば、特定モノマーを別途合成し単離して、得られた特定モノマーを用いてもよいし、特定モノマーの原料を混合して特定モノマーを合成し、特定モノマーを含む混合物をそのまま用いて、光硬化性組成物を調製してもよい。
また、本発明の光硬化性組成物の調製時において、例えば、特定モノマーを別途合成し単離して、得られた特定モノマーを用いてもよいし、特定モノマーの原料を混合して特定モノマーを合成し、特定モノマーを含む混合物をそのまま用いて、光硬化性組成物を調製してもよい。
<光重合開始剤>
本発明の光硬化性組成物は、光による重合硬化を行うため、光重合開始剤を含む。
本発明に用いることができる光重合開始剤は、活性光線により、エチレン性不飽和基を有する化合物等の重合性化合物の重合を開始、促進可能な化合物である。
光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
また、光重合開始剤としては、水溶性の光重合開始剤が好ましい。
ここで、光重合開始剤が水溶性であることは、25℃において蒸留水に0.1質量%以上溶解することを意味する。水溶性の光重合開始剤は、25℃において蒸留水に1質量%以上溶解することが更に好ましく、3質量%以上溶解することが特に好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン化合物、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、オキシムエステル化合物、有機過酸化化合物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び、アルキルアミン化合物等が挙げられる。
中でも、芳香族ケトン化合物、又は、アシルホスフィン化合物が好ましく挙げられ、下記式PPI−1又は式PPI−2で表される化合物がより好ましく挙げられる。
本発明の光硬化性組成物は、光による重合硬化を行うため、光重合開始剤を含む。
本発明に用いることができる光重合開始剤は、活性光線により、エチレン性不飽和基を有する化合物等の重合性化合物の重合を開始、促進可能な化合物である。
光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
また、光重合開始剤としては、水溶性の光重合開始剤が好ましい。
ここで、光重合開始剤が水溶性であることは、25℃において蒸留水に0.1質量%以上溶解することを意味する。水溶性の光重合開始剤は、25℃において蒸留水に1質量%以上溶解することが更に好ましく、3質量%以上溶解することが特に好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン化合物、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、オキシムエステル化合物、有機過酸化化合物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び、アルキルアミン化合物等が挙げられる。
中でも、芳香族ケトン化合物、又は、アシルホスフィン化合物が好ましく挙げられ、下記式PPI−1又は式PPI−2で表される化合物がより好ましく挙げられる。
式PPI−1及び式PPI−2において、RP1及びRP2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、RP3はアルキル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、Lは0〜5の整数を表し、RP4はアルキル基、アリール基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を表し、RP5はアルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基又はアシル基を表し、RP6はアルキル基又はアリール基を表す。ここで、RP1とRP2、又は、RP4とRP5が互いに結合して環を形成してもよい。
RP1及びRP2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、アルキル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
RP1及びRP2が互いに結合して形成する環は、5又は6員環が好ましく、シクロペンタン環又はシクロヘキサン環がより好ましい。
RP3は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基は置換基を有してもよい。上記置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
上記アリール基は、フェニル基が好ましい。
RP3は、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、ヒドロキシエチル基が特に好ましい。
また、芳香環上のRP3の結合位置は、特に制限はなく、カルボニル基が結合している位置以外であればよい。
Lは、0〜5の整数を表し、0〜3の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。
RP1及びRP2が互いに結合して形成する環は、5又は6員環が好ましく、シクロペンタン環又はシクロヘキサン環がより好ましい。
RP3は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基は置換基を有してもよい。上記置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
上記アリール基は、フェニル基が好ましい。
RP3は、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、ヒドロキシエチル基が特に好ましい。
また、芳香環上のRP3の結合位置は、特に制限はなく、カルボニル基が結合している位置以外であればよい。
Lは、0〜5の整数を表し、0〜3の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。
RP4〜RP6におけるアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、また、RP4〜RP6におけるアリール基は、炭素数6〜16のアリール基が好ましく、アリール基は置換基を有してもよい。上記置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
RP4及びRP5におけるアルキルチオ基又はアリールチオ基は、炭素数1〜12のアルキルチオ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基が好ましい。
RP5におけるアシル基は、アルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基が好ましく、炭素数2〜12のアルキルカルボニル基又は炭素数7〜17のアリールカルボニル基がより好ましい。
RP5は、アリールカルボニル基であることが更に好ましく、置換基を有してもよいフェニルカルボニル基が特に好ましい。アシル基は置換基を有してもよく、上記置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
RP6は、アリール基であることが好ましく、置換基を有してもよいフェニル基であることがより好ましい。
RP4及びRP5におけるアルキルチオ基又はアリールチオ基は、炭素数1〜12のアルキルチオ基又は炭素数6〜12のアリールチオ基が好ましい。
RP5におけるアシル基は、アルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基が好ましく、炭素数2〜12のアルキルカルボニル基又は炭素数7〜17のアリールカルボニル基がより好ましい。
RP5は、アリールカルボニル基であることが更に好ましく、置換基を有してもよいフェニルカルボニル基が特に好ましい。アシル基は置換基を有してもよく、上記置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
RP6は、アリール基であることが好ましく、置換基を有してもよいフェニル基であることがより好ましい。
光重合開始剤としては、式PPI−2で表される化合物よりも、式PPI−1で表される化合物が特に好ましい。
以下に、式PPI−1又は式PPI−2で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、式PPI−1又は式PPI−2で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の光硬化性組成物は、光重合開始剤を1種単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
本発明の光硬化性組成物において、光重合開始剤の含有量は、組成物中の全固形分100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.5〜5質量部が特に好ましい。
本発明の光硬化性組成物において、光重合開始剤の含有量は、組成物中の全固形分100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.5〜5質量部が特に好ましい。
<その他のモノマー>
本発明の光硬化性組成物は、特定モノマー以外のモノマー(「その他のモノマー」ともいう。)を含んでいてもよい。
その他のモノマーとしては、特に制限はないが、エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、その他のモノマーとして、イオン性単官能モノマーを含むことが好ましい。
イオン性単官能モノマーとしては、下記式IAで表される化合物が好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、特定モノマー以外のモノマー(「その他のモノマー」ともいう。)を含んでいてもよい。
その他のモノマーとしては、特に制限はないが、エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、その他のモノマーとして、イオン性単官能モノマーを含むことが好ましい。
イオン性単官能モノマーとしては、下記式IAで表される化合物が好ましい。
式IA中、RCA1は水素原子又はアルキル基を表し、RCA2〜RCA4はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、RCA2〜RCA4のうち2つ以上が互いに結合して環を形成してもよく、ZCA1は−O−又は−N(RCa)−を表し、RCaは水素原子又はアルキル基を表し、LCA1はアルキレン基を表し、XCA1−はハロゲン化物イオン又は脂肪族若しくは芳香族カルボン酸イオンを表す。
RCA2〜RCA4及びRCaにおけるアルキル基は、直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましく、その炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が更に好ましく、1又は2が特に好ましく、1が最も好ましい。
RCA2〜RCA4におけるアリール基の炭素数は、6〜16が好ましく、6〜12がより好ましく、6〜10が更に好ましい。例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。
RCA2〜RCA4のうち2つ以上が互いに結合して形成する環としては、5又は6員環の単環若しくは架橋環が好ましく、その炭素数は、4〜16が好ましく、4〜10がより好ましい。例えば、ピロリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、インドール環、キヌクリジン環が挙げられる。
RCA2〜RCA4におけるアリール基の炭素数は、6〜16が好ましく、6〜12がより好ましく、6〜10が更に好ましい。例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。
RCA2〜RCA4のうち2つ以上が互いに結合して形成する環としては、5又は6員環の単環若しくは架橋環が好ましく、その炭素数は、4〜16が好ましく、4〜10がより好ましい。例えば、ピロリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、インドール環、キヌクリジン環が挙げられる。
LCA1の炭素数は、1〜10が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜6が更に好ましく、2〜4が更に特に好ましく、3が最も好ましい。
XCA1におけるハロゲン化物イオンは、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが挙げられる。
XCA1における脂肪族カルボン酸イオンの炭素数は、1〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜5が更に好ましく、2又は3が特に好ましく、2が最も好ましい。
上記脂肪族カルボン酸イオンにおける脂肪族カルボン酸は、飽和炭化水素にカルボキシル基が結合したカルボン酸、不飽和炭化水素にカルボキシル基が結合したカルボン酸のいずれでもよいが、飽和炭化水素にカルボキシル基が結合したカルボン酸が好ましい。
XCA1における芳香族カルボン酸イオンは、アリールカルボン酸イオン及びヘテロアリールカルボン酸イオンが好ましい。ここで、ヘテロアリールスルホン酸イオンにおけるヘテロアリール基は、5又は6員環が好ましく、ヘテロ環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。芳香族カルボン酸イオンの炭素数は、1〜17が好ましく、2〜13がより好ましく、6〜11が更に好ましい。例えば、安息香酸イオン、ナフタレンカルボン酸イオン、ニコチン酸イオン、イソニコチン酸イオンが挙げられる。
XCA1におけるハロゲン化物イオンは、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが挙げられる。
XCA1における脂肪族カルボン酸イオンの炭素数は、1〜20が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜5が更に好ましく、2又は3が特に好ましく、2が最も好ましい。
上記脂肪族カルボン酸イオンにおける脂肪族カルボン酸は、飽和炭化水素にカルボキシル基が結合したカルボン酸、不飽和炭化水素にカルボキシル基が結合したカルボン酸のいずれでもよいが、飽和炭化水素にカルボキシル基が結合したカルボン酸が好ましい。
XCA1における芳香族カルボン酸イオンは、アリールカルボン酸イオン及びヘテロアリールカルボン酸イオンが好ましい。ここで、ヘテロアリールスルホン酸イオンにおけるヘテロアリール基は、5又は6員環が好ましく、ヘテロ環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。芳香族カルボン酸イオンの炭素数は、1〜17が好ましく、2〜13がより好ましく、6〜11が更に好ましい。例えば、安息香酸イオン、ナフタレンカルボン酸イオン、ニコチン酸イオン、イソニコチン酸イオンが挙げられる。
RCA1は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
RCA2〜RCA4はそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
ZCA1は、−N(RCa)−であることが好ましい。
RCaは、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
XCA1−は、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−であることが好ましい。
RCA2〜RCA4はそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
ZCA1は、−N(RCa)−であることが好ましい。
RCaは、水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
XCA1−は、Cl−、Br−、I−又はCH3COO−であることが好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、その他のモノマーとして、イオン性単官能モノマー、アクリルアミド基を1以上有する化合物、メタクリルアミド基を1以上有する化合物、及び、スチリル基を1以上有する化合物よりなる群から選ばれた化合物以外のモノマーを含まないことが好ましく、その他のモノマーとして、イオン性単官能モノマー、アクリルアミド基を1以上有する化合物、メタクリルアミド基を1以上有する化合物、及び、スチリル基を1つ有する化合物よりなる群から選ばれた化合物以外のモノマーを含まないことがより好ましい。
アクリルアミド基を1以上有する化合物、及び、メタクリルアミド基を1以上有する化合物としては、例えば、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及び、上記式2で表される化合物の両端の重合性基が両方ともアクリルアミド基である化合物又は両方ともメタクリルアミド基が好ましく挙げられる。
アクリルアミド基を1以上有する化合物、及び、メタクリルアミド基を1以上有する化合物としては、例えば、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及び、上記式2で表される化合物の両端の重合性基が両方ともアクリルアミド基である化合物又は両方ともメタクリルアミド基が好ましく挙げられる。
その他のモノマーは、1種単独で含んでいても、2種以上を含んでいてもよい。
組成物中のその他のモノマーの含有量は、組成物の全質量に対し、1〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。
組成物中のその他のモノマーの含有量は、組成物の全質量に対し、1〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。
<溶媒>
本発明の光硬化性組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒は、1種単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
組成物中の溶媒の含有量は、組成物の全質量に対し、1〜60質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜45質量%であることが更に好ましく、20〜40質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化物の透水率により優れ、膜抵抗が小さくなり、また、取り扱い性にも優れる。
溶媒を含むことで、硬化(重合)反応が、均一にしかもスムーズに進行する。また、多孔質支持体へ本発明の光硬化性組成物を含浸させる場合に含浸がスムーズに進行する。
本発明の光硬化性組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒は、1種単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
組成物中の溶媒の含有量は、組成物の全質量に対し、1〜60質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜45質量%であることが更に好ましく、20〜40質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化物の透水率により優れ、膜抵抗が小さくなり、また、取り扱い性にも優れる。
溶媒を含むことで、硬化(重合)反応が、均一にしかもスムーズに進行する。また、多孔質支持体へ本発明の光硬化性組成物を含浸させる場合に含浸がスムーズに進行する。
溶媒は、水、又は、水と水に対する溶解度が5質量%以上の溶媒の混合液が好ましく用いられる。また、上記溶媒としては、水に対して自由に混合するものが好ましい。このため、水及び水溶性溶媒から選択される溶媒が好ましい。
水溶性溶媒としては、特に、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒であるエーテル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、スルホン系溶媒、ニトリル系溶媒、有機リン系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは1種類単独又は2種類以上を併用して用いることができる。
また、非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい溶媒として挙げられる。中でも、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトンまたはアセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。これらは1種類単独又は2種類以上を併用して用いることができる。
水溶性溶媒としては、特に、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒であるエーテル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、スルホン系溶媒、ニトリル系溶媒、有機リン系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは1種類単独又は2種類以上を併用して用いることができる。
また、非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい溶媒として挙げられる。中でも、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトンまたはアセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。これらは1種類単独又は2種類以上を併用して用いることができる。
中でも、溶媒としては、水を含むことが好ましく、水、又は、水及びアルコール系溶媒の混合溶媒であることがより好ましく、水及びアルコール系溶媒の混合溶媒であることが特に好ましい。
水及びアルコール系溶媒の混合溶媒としては、水及びイソプロパノールの混合溶媒が特に好ましい。
また、水及びアルコール系溶媒の混合溶媒の混合比は、質量比で、水:アルコール系溶媒=20:1〜3:1であることが好ましく、水:アルコール系溶媒=10:1〜4:1であることがより好ましい。
水及びアルコール系溶媒の混合溶媒としては、水及びイソプロパノールの混合溶媒が特に好ましい。
また、水及びアルコール系溶媒の混合溶媒の混合比は、質量比で、水:アルコール系溶媒=20:1〜3:1であることが好ましく、水:アルコール系溶媒=10:1〜4:1であることがより好ましい。
<重合禁止剤>
本発明の光硬化性組成物は、重合禁止剤を含んでいてもよい。
重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤が使用でき、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、アミン化合物、メルカプト化合物などが挙げられる。
フェノール化合物としては、ヒンダードフェノール(オルト位にt−ブチル基を有するフェノールで、代表的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる。)、ビスフェノールが挙げられる。ハイドロキノン化合物の具体例としては、モノメチルエーテルハイドロキノンが挙げられる。また、アミン化合物の具体例としては、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等が挙げられる。
なお、これらの重合禁止剤は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、光硬化性組成物中の全固形分100質量部に対し、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましく、0.01〜0.5質量部であることが更に好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、重合禁止剤を含んでいてもよい。
重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤が使用でき、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、アミン化合物、メルカプト化合物などが挙げられる。
フェノール化合物としては、ヒンダードフェノール(オルト位にt−ブチル基を有するフェノールで、代表的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる。)、ビスフェノールが挙げられる。ハイドロキノン化合物の具体例としては、モノメチルエーテルハイドロキノンが挙げられる。また、アミン化合物の具体例としては、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等が挙げられる。
なお、これらの重合禁止剤は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、光硬化性組成物中の全固形分100質量部に対し、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.01〜1質量部であることがより好ましく、0.01〜0.5質量部であることが更に好ましい。
<触媒>
本発明の光硬化性組成物は、使用する重合性化合物の溶解性の向上及び/又は重合速度の向上等の観点から、触媒を含有することが好ましい。
触媒としては、アルカリ金属化合物が好ましく挙げられる。
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの水酸化物塩、塩化物塩、硝酸塩等が好ましい。中でも、リチウム化合物がより好ましい。
リチウム化合物の具体例としては、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硝酸リチウム、ヨウ化リチウム、リチウム塩素酸塩、チオシアン酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムテトラフルオロボレート、リチウムヘキサフルオロホスフェート、及び、リチウムヘキサフルオロアルセナートが挙げられる。
また、上記アルカリ金属化合物は、光硬化性組成物を中和するために使用することも好ましい。
これらのアルカリ金属化合物は、水和物であってもよい。
また、触媒は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
触媒の添加量は、光硬化性組成物の全固形分100質量部に対し、0.1〜35質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、5〜30質量部が更に好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、使用する重合性化合物の溶解性の向上及び/又は重合速度の向上等の観点から、触媒を含有することが好ましい。
触媒としては、アルカリ金属化合物が好ましく挙げられる。
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの水酸化物塩、塩化物塩、硝酸塩等が好ましい。中でも、リチウム化合物がより好ましい。
リチウム化合物の具体例としては、水酸化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、硝酸リチウム、ヨウ化リチウム、リチウム塩素酸塩、チオシアン酸リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムテトラフルオロボレート、リチウムヘキサフルオロホスフェート、及び、リチウムヘキサフルオロアルセナートが挙げられる。
また、上記アルカリ金属化合物は、光硬化性組成物を中和するために使用することも好ましい。
これらのアルカリ金属化合物は、水和物であってもよい。
また、触媒は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
触媒の添加量は、光硬化性組成物の全固形分100質量部に対し、0.1〜35質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、5〜30質量部が更に好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、必要に応じ、上述した以外の公知の添加剤を含んでいてもよく、例えば、界面活性剤、粘度向上剤、高分子化合物、高分子分散剤、クレーター防止剤、可塑剤、粘度調製剤、酸化防止剤、及び/又は、防腐剤等を含有してもよい。
本発明の光硬化性組成物は、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することもできる。
高分子化合物としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル樹脂、ゴム類、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の光硬化性組成物は、高分子分散剤を含んでいてもよい。
高分子分散剤として、具体的にはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
高分子化合物としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル樹脂、ゴム類、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の光硬化性組成物は、高分子分散剤を含んでいてもよい。
高分子分散剤として、具体的にはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
クレーター防止剤とは、表面張力調整剤、表面調整剤、レベリング剤又はスリップ剤とも称し、膜表面の凹凸を防止するものであり、例えば、有機変性ポリシロキサン(ポリエーテルシロキサンとポリエーテルの混合物)、ポリエーテル変性ポリシロキサンコポリマー、シリコーン変性コポリマーの構造の化合物が挙げられる。
市販品としては、例えば、Evonik industries社製のTego Glide 432、同110、同130、同406、同410、同411、同415、同420、同435、同440、同450、同482、同A115、同B1484、同ZG400(いずれも商品名)が挙げられる。
クレーター防止剤は、光硬化性組成物の全固形分100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0〜5質量部がより好ましく、1〜2質量部が更に好ましい。
市販品としては、例えば、Evonik industries社製のTego Glide 432、同110、同130、同406、同410、同411、同415、同420、同435、同440、同450、同482、同A115、同B1484、同ZG400(いずれも商品名)が挙げられる。
クレーター防止剤は、光硬化性組成物の全固形分100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0〜5質量部がより好ましく、1〜2質量部が更に好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、膜を形成する際の塗布液の液物性調整のために、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤や、有機フルオロ化合物などの界面活性剤を含有していてもよい。
界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸塩、高級アルキルスルホンアミドのアルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩などのアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、また、この他にもアルキルベタインやアミドベタインなどの両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などを含めて、従来公知である界面活性剤及びその誘導体から適宜選ぶことができる。
界面活性剤の含有量は、光硬化性組成物の全固形分100質量部に対し、0.0001〜5質量部が好ましく、0.001〜2質量部がより好ましく、0.01〜1質量部が更に好ましい。
界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸塩、高級アルキルスルホンアミドのアルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩などのアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、また、この他にもアルキルベタインやアミドベタインなどの両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などを含めて、従来公知である界面活性剤及びその誘導体から適宜選ぶことができる。
界面活性剤の含有量は、光硬化性組成物の全固形分100質量部に対し、0.0001〜5質量部が好ましく、0.001〜2質量部がより好ましく、0.01〜1質量部が更に好ましい。
(硬化物)
本発明の硬化物は、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物である。
本発明の硬化物の用途は、特に制限はなく、種々の用途に用いることができ、また、本発明の硬化物は、第四級アンモニウム構造を有するため、イオン交換樹脂(好ましくはアニオン交換樹脂)としても機能する。
例えば、本発明の硬化物は、イオン交換膜(好ましくはアニオン交換膜)、プロトン伝導膜、逆浸透膜、正浸透膜、高分子電解質又は吸水性樹脂に好適に用いることができる。
本発明の硬化物の形状は、特に制限はなく、所望の形状であればよいが、例えば、イオン交換膜、プロトン伝導膜、逆浸透膜及び正浸透膜等の高分子機能性膜、又は、固体高分子電解質型燃料電池等に用いる高分子電解質の用途では、膜状であることが好ましく、また、吸水性樹脂の用途では、膜状や球状、ビーズ状等であることが好ましい。
イオン交換膜、プロトン伝導膜、逆浸透膜及び正浸透膜等の上記高分子機能性膜の場合、上記高分子機能性膜の厚さは、後述する支持体を有する場合は支持体を含めて、30〜1,000μmが好ましく、50〜500μmがより好ましく、50〜400μmが更に好ましい。
本発明の硬化物は、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物である。
本発明の硬化物の用途は、特に制限はなく、種々の用途に用いることができ、また、本発明の硬化物は、第四級アンモニウム構造を有するため、イオン交換樹脂(好ましくはアニオン交換樹脂)としても機能する。
例えば、本発明の硬化物は、イオン交換膜(好ましくはアニオン交換膜)、プロトン伝導膜、逆浸透膜、正浸透膜、高分子電解質又は吸水性樹脂に好適に用いることができる。
本発明の硬化物の形状は、特に制限はなく、所望の形状であればよいが、例えば、イオン交換膜、プロトン伝導膜、逆浸透膜及び正浸透膜等の高分子機能性膜、又は、固体高分子電解質型燃料電池等に用いる高分子電解質の用途では、膜状であることが好ましく、また、吸水性樹脂の用途では、膜状や球状、ビーズ状等であることが好ましい。
イオン交換膜、プロトン伝導膜、逆浸透膜及び正浸透膜等の上記高分子機能性膜の場合、上記高分子機能性膜の厚さは、後述する支持体を有する場合は支持体を含めて、30〜1,000μmが好ましく、50〜500μmがより好ましく、50〜400μmが更に好ましい。
<支持体>
上記イオン交換膜等の本発明の硬化物を膜として形成する用途においては、支持体上、及び/又は、支持体内部に本発明の硬化物を形成してもよい。上記支持体は、多孔質支持体であることが好ましい。
補強材料としての多孔質支持体は、樹脂製多孔質支持体であることが好ましく、例えば、合成織布、合成不織布等の不織布、スポンジ状フィルム、又は、微細な貫通孔を有するフィルムが挙げられる。
多孔質支持体を用いる場合、上記膜は、本発明の硬化物の少なくとも一部を多孔質支持体の内部に有する膜であることが好ましい。
また、上記膜は、多孔質支持体の表面及び/又は内部に本発明の硬化物を有する膜であることが好ましい。
上記イオン交換膜等の本発明の硬化物を膜として形成する用途においては、支持体上、及び/又は、支持体内部に本発明の硬化物を形成してもよい。上記支持体は、多孔質支持体であることが好ましい。
補強材料としての多孔質支持体は、樹脂製多孔質支持体であることが好ましく、例えば、合成織布、合成不織布等の不織布、スポンジ状フィルム、又は、微細な貫通孔を有するフィルムが挙げられる。
多孔質支持体を用いる場合、上記膜は、本発明の硬化物の少なくとも一部を多孔質支持体の内部に有する膜であることが好ましい。
また、上記膜は、多孔質支持体の表面及び/又は内部に本発明の硬化物を有する膜であることが好ましい。
本発明における多孔質支持体を形成する素材は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド及びそれらのコポリマーであるか、あるいは、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、酢酸セルロース、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン及びそれらのコポリマーに基づく多孔質膜が挙げられる。
市販の多孔質支持体は、例えば、三菱製紙(株)、ニッポン高度紙工業(株)、旭化成せんい(株)、日本バイリーン(株)、タピルス社、Freudenberg Filtration Technologies社から市販されている。
なお、多孔質支持体は、エネルギー線照射による重合硬化反応を行う場合、エネルギー線の波長領域を遮らないこと、すなわち、重合硬化に用いられる波長の照射を通過させることが要求される。
市販の多孔質支持体は、例えば、三菱製紙(株)、ニッポン高度紙工業(株)、旭化成せんい(株)、日本バイリーン(株)、タピルス社、Freudenberg Filtration Technologies社から市販されている。
なお、多孔質支持体は、エネルギー線照射による重合硬化反応を行う場合、エネルギー線の波長領域を遮らないこと、すなわち、重合硬化に用いられる波長の照射を通過させることが要求される。
多孔質支持体は、本発明の光硬化性組成物が浸透することができるものであることが好ましい。
また、多孔質支持体は、親水性を有することが好ましい。支持体に親水性を付与するには、コロナ処理、プラズマ処理、フッ素ガス処理、オゾン処理、硫酸処理、シランカップリング剤処理などの一般的な方法を使用することができる。
また、多孔質支持体は、親水性を有することが好ましい。支持体に親水性を付与するには、コロナ処理、プラズマ処理、フッ素ガス処理、オゾン処理、硫酸処理、シランカップリング剤処理などの一般的な方法を使用することができる。
本発明に用いることができる多孔質支持体は、不織布が好ましく、不織布の中でも、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合繊維からなる不織布がより好ましい。また、この複合繊維の繊維径は、0.5〜15μmが好ましく、1〜13μmがより好ましく、2〜10μmが特に好ましい。
本発明に用いることができる多孔質支持体の厚さは、20〜200μmが好ましく、30〜150μmがより好ましく、40〜120μmが特に好ましい。
本発明に用いることができる多孔質支持体の厚さは、20〜200μmが好ましく、30〜150μmがより好ましく、40〜120μmが特に好ましい。
本発明の硬化物の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
例えば、基板上に本発明の光硬化性組成物を塗布し、光重合してもよいし、任意の形状で本発明の光硬化性組成物を光硬化し硬化物を得た後、得られた硬化物を更に所望の形状へ加工してもよい。
また、例えば、多孔質支持体を用いる場合は、多孔質支持体に本発明の光硬化性組成物を含浸又は塗布して光重合し、膜を好適に製造することができる。また、仮支持体(多孔質支持体の一方又は両方の面に貼り付け、光硬化反応終了後、膜から剥がされる。)を用いて膜を形成してもよい。
また、本発明の硬化物、特に膜状に本発明の硬化物を形成する場合は、固定された支持体を用いてバッチ式(バッチ方式)で調製することも、移動する支持体を用いて連続式(連続方式)で調製することもできる。
なお、仮支持体を使用する場合、この仮支持体は、物質透過を考慮する必要がなく、例えば、アルミ板等の金属板を含め、膜形成のために固定できるものであれば、どのようなものでも構わない。
例えば、基板上に本発明の光硬化性組成物を塗布し、光重合してもよいし、任意の形状で本発明の光硬化性組成物を光硬化し硬化物を得た後、得られた硬化物を更に所望の形状へ加工してもよい。
また、例えば、多孔質支持体を用いる場合は、多孔質支持体に本発明の光硬化性組成物を含浸又は塗布して光重合し、膜を好適に製造することができる。また、仮支持体(多孔質支持体の一方又は両方の面に貼り付け、光硬化反応終了後、膜から剥がされる。)を用いて膜を形成してもよい。
また、本発明の硬化物、特に膜状に本発明の硬化物を形成する場合は、固定された支持体を用いてバッチ式(バッチ方式)で調製することも、移動する支持体を用いて連続式(連続方式)で調製することもできる。
なお、仮支持体を使用する場合、この仮支持体は、物質透過を考慮する必要がなく、例えば、アルミ板等の金属板を含め、膜形成のために固定できるものであれば、どのようなものでも構わない。
本発明の光硬化性組成物は、種々の方法、例えば、カーテンコーティング、押し出しコーティング、エアナイフコーティング、スライドコーティング、ニップロールコーティング、フォワードロールコーティング、リバースロールコーティング、浸漬コーティング、キスコーティング、ロッドバーコーティング若しくは噴霧コーティングにより、多孔質支持体に塗布又は含浸することができる。複数の層の塗布は、同時又は連続して行うことができる。同時重層塗布するには、カーテンコーティング、スライドコーティング、スロットダイコーティング及び押し出しコーティングが好ましい。
本発明の光硬化性組成物を硬化させた膜の連続方式での製造は、本発明の光硬化性組成物を、移動している支持体に連続的に製造することが好ましく、本発明の光硬化性組成物の塗布部と、本発明の光硬化性組成物を重合硬化するための照射源と、形成された膜を収集する膜巻取り部と、支持体を上記塗布部から上記照射源及び上記膜巻取り部に移動させるための手段とを含む製造ユニットにより製造することがより好ましい。
本発明の光硬化性組成物を硬化させた膜の製造方法としては、本発明の光硬化性組成物を多孔質支持体に塗布又は含浸する工程、並びに、塗布又は含浸させた光硬化性組成物を光照射、必要な場合、これに加えて更に加熱により重合硬化反応させる工程を含む方法であることが好ましい。
製造ユニットでは、上記塗布部は照射源に対し上流の位置に設け、照射源は収集部に対し上流の位置に置かれる。
高速塗布機で塗布する際に十分な流動性を有するために、本発明の光硬化性組成物の35℃での粘度は、4,000mPa・s未満が好ましく、1〜1,000mPa・sがより好ましく、1〜500mPa.sが更に好ましい。スライドビードコーティングの場合に35℃での粘度は、1〜100mPa・sが好ましい。
高速塗布機では、本発明の光硬化性組成物を、15m/分を超える速度で、移動する支持体に塗布することができ、20m/分を超える速度で塗布することもできる。
特に機械的強度を高めるために支持体を使用する場合、本発明の光硬化性組成物を支持体の表面に塗布する前に、この支持体を、例えば、支持体の湿潤性及び付着力を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理などに付してもよい。
高速塗布機で塗布する際に十分な流動性を有するために、本発明の光硬化性組成物の35℃での粘度は、4,000mPa・s未満が好ましく、1〜1,000mPa・sがより好ましく、1〜500mPa.sが更に好ましい。スライドビードコーティングの場合に35℃での粘度は、1〜100mPa・sが好ましい。
高速塗布機では、本発明の光硬化性組成物を、15m/分を超える速度で、移動する支持体に塗布することができ、20m/分を超える速度で塗布することもできる。
特に機械的強度を高めるために支持体を使用する場合、本発明の光硬化性組成物を支持体の表面に塗布する前に、この支持体を、例えば、支持体の湿潤性及び付着力を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理などに付してもよい。
本発明の光硬化性組成物の重合硬化は、本発明の光硬化性組成物を支持体に塗布又は含浸して、好ましくは60秒以内、より好ましくは15秒以内、特に好ましくは5秒以内、最も好ましくは3秒以内に開始する。
重合硬化の光照射は、好ましくは10秒未満、より好ましくは5秒未満、特に好ましくは3秒未満、最も好ましくは2秒未満である。連続法では照射を連続的に行い、本発明の光硬化性組成物が照射ビームを通過して移動する速度を考慮して、重合硬化反応時間を決める。
強度の高い紫外線(UV光)を重合硬化反応に用いる場合、かなりの量の熱が発生するため、過熱を防ぐために、光源のランプ及び/又は支持体/膜を冷却用空気などで冷却することが好ましい。著しい線量の赤外線(IR光)がUVビームと一緒に照射される場合、IR反射性石英プレートをフィルターにしてUV光を照射する。
エネルギー線は、紫外線が好ましい。照射波長は、本発明の光硬化性組成物中に含まれる任意の光重合開始剤の吸収波長と波長が適合することが好ましく、例えば、UV−A(400〜320nm)、UV−B(320〜280nm)、UV−C(280〜200nm)である。
重合硬化の光照射は、好ましくは10秒未満、より好ましくは5秒未満、特に好ましくは3秒未満、最も好ましくは2秒未満である。連続法では照射を連続的に行い、本発明の光硬化性組成物が照射ビームを通過して移動する速度を考慮して、重合硬化反応時間を決める。
強度の高い紫外線(UV光)を重合硬化反応に用いる場合、かなりの量の熱が発生するため、過熱を防ぐために、光源のランプ及び/又は支持体/膜を冷却用空気などで冷却することが好ましい。著しい線量の赤外線(IR光)がUVビームと一緒に照射される場合、IR反射性石英プレートをフィルターにしてUV光を照射する。
エネルギー線は、紫外線が好ましい。照射波長は、本発明の光硬化性組成物中に含まれる任意の光重合開始剤の吸収波長と波長が適合することが好ましく、例えば、UV−A(400〜320nm)、UV−B(320〜280nm)、UV−C(280〜200nm)である。
紫外線源は、水銀アーク灯、炭素アーク灯、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、旋回流プラズマアーク灯、金属ハロゲン化物灯、キセノン灯、タングステン灯、ハロゲン灯、レーザー及び紫外線発光ダイオードである。中圧又は高圧水銀蒸気タイプの紫外線発光ランプが好ましい。これに加えて、ランプの発光スペクトルを改変するために、金属ハロゲン化物などの添加剤が存在していてもよい。200〜450nmに発光極大を有するランプがとりわけ適している。
照射源のエネルギー出力は、好ましくは20〜1,000W/cm、より好ましくは40〜500W/cmであるが、所望の暴露線量を実現することができるならば、これより高くても低くても構わない。暴露強度により、膜の重合硬化を調整する。暴露線量は、High Energy UV Radiometer(EIT−Instrument Markets社製のUV Power PuckTM)により、装置で示されたUV−A範囲で測定して、好ましくは少なくとも40mJ/cm2以上、より好ましくは100〜2,000mJ/cm2、特に好ましくは150〜1,500mJ/cm2である。暴露時間は自由に選ぶことができるが、短いことが好ましく、最も好ましくは2秒未満である。
なお、塗布速度が速い場合、必要な暴露線量を得るために、複数の光源を使用しても構わない。この場合、複数の光源は暴露強度が同じでも異なってもよい。
また、本発明の硬化物の製造方法は、必要に応じて、上記工程以外に、任意の公知の工程を含んでいてもよい。
また、本発明の硬化物の製造方法は、必要に応じて、上記工程以外に、任意の公知の工程を含んでいてもよい。
(部材、及び、装置)
本発明の部材は、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた部材である。
また、本発明の装置は、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた装置である。
本発明の装置としては、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えていれば特に制限はないが、例えば、水処理装置、脱塩装置、純水製造装置、濃縮装置、透析装置、精製装置、及び、燃焼電池等が挙げられる。
本発明の部材としては、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えていれば特に制限はないが、上記装置における構成部材や吸水材等が挙げられる。具体的には、例えば、一対の電極間に本発明の光硬化性組成物を硬化してなるアニオン交換膜とカチオン交換膜とが交互に配置されたモジュール、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる吸水性樹脂を含む吸水材、燃料電池における両電極、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる膜及びセパレーターを備えたセル、並びに、上記セルを積層したスタック等が挙げられる。
本発明の部材は、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた部材である。
また、本発明の装置は、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた装置である。
本発明の装置としては、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えていれば特に制限はないが、例えば、水処理装置、脱塩装置、純水製造装置、濃縮装置、透析装置、精製装置、及び、燃焼電池等が挙げられる。
本発明の部材としては、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えていれば特に制限はないが、上記装置における構成部材や吸水材等が挙げられる。具体的には、例えば、一対の電極間に本発明の光硬化性組成物を硬化してなるアニオン交換膜とカチオン交換膜とが交互に配置されたモジュール、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる吸水性樹脂を含む吸水材、燃料電池における両電極、本発明の光硬化性組成物を硬化してなる膜及びセパレーターを備えたセル、並びに、上記セルを積層したスタック等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
なお、光硬化性組成物における芳香環密度及び電荷密度は、上述した算出方法により算出した。
なお、光硬化性組成物における芳香環密度及び電荷密度は、上述した算出方法により算出した。
(実施例1)
<化合物M−1の合成>
以下の合成スキームで化合物M−1を合成した。
<化合物M−1の合成>
以下の合成スキームで化合物M−1を合成した。
N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド25.7部(0.17mol当量、東京化成工業(株)製)及び水15.8部の混合液を40℃に加熱して、4−(クロロメチル)スチレン25.7部(0.17mol当量、東京化成工業(株)製)を滴下して加え、60℃まで昇温して6時間撹拌し、化合物M−1の水溶液を得た。
<光硬化性組成物の調製>
得られた化合物M−1の水溶液を室温(25℃)に戻した後、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド75質量%水溶液32部(0.12mol、東京化成工業(株)製)、2−プロパノールを6.0部及びDarocur 1173(光重合開始剤、商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を1.0部加えて、撹拌し、均一溶液とした。
得られた化合物M−1の水溶液を室温(25℃)に戻した後、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド75質量%水溶液32部(0.12mol、東京化成工業(株)製)、2−プロパノールを6.0部及びDarocur 1173(光重合開始剤、商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を1.0部加えて、撹拌し、均一溶液とした。
<イオン交換膜の作製>
調製した光硬化性組成物をアルミ板に、150μmのワイヤ巻き棒を用いて、手動で約5m/分の速さで塗布し、続いて、不織布(Freudenberg社製、FO−2226−14)に光硬化性組成物を含浸させた。ワイヤを巻いていないロッドを用いて余分な光硬化性組成物を除去した。UV露光機(Fusion UV Systems社製、型式Light Hammer LH6、D−バルブ、速度15m/分、100%強度)を用いて、上記のようにして得た光硬化性組成物含浸支持体に、0.47秒間露光し、重合硬化時間0.8秒で、重合硬化反応し、アニオン交換膜を調製した。得られた膜をアルミ板から取り外し、0.1M NaCl水溶液中で少なくとも12時間保存し、イオン交換膜を作製した。
調製した光硬化性組成物をアルミ板に、150μmのワイヤ巻き棒を用いて、手動で約5m/分の速さで塗布し、続いて、不織布(Freudenberg社製、FO−2226−14)に光硬化性組成物を含浸させた。ワイヤを巻いていないロッドを用いて余分な光硬化性組成物を除去した。UV露光機(Fusion UV Systems社製、型式Light Hammer LH6、D−バルブ、速度15m/分、100%強度)を用いて、上記のようにして得た光硬化性組成物含浸支持体に、0.47秒間露光し、重合硬化時間0.8秒で、重合硬化反応し、アニオン交換膜を調製した。得られた膜をアルミ板から取り外し、0.1M NaCl水溶液中で少なくとも12時間保存し、イオン交換膜を作製した。
<イオン交換膜の評価>
−膜の電気抵抗(Ω・cm2)−
2時間、0.5M NaCl水溶液中に浸漬した膜の両面を乾燥ろ紙で拭い、2室型セル(有効膜面積1cm2、電極にはAg/AgCl参照電極(Metrohm社製)に挟んだ。両室に同一濃度の NaClを100mL満たし、25℃の恒温水槽中に置いて平衡に達するまで放置し、セル中の液温が正しく25℃になってから、交流ブリッジ(周波数1,000Hz)により電気抵抗r1を測定した。測定NaCl濃度は0.5M、0.7M、1.5M、3.5M、4.5Mとし、低濃度液から順番に測定した。次に膜を取り除き、0.5M NaCl水溶液のみとして両極間の電気抵抗r2を測り、膜の電気抵抗rをr1−r2として求めた。
−膜の電気抵抗(Ω・cm2)−
2時間、0.5M NaCl水溶液中に浸漬した膜の両面を乾燥ろ紙で拭い、2室型セル(有効膜面積1cm2、電極にはAg/AgCl参照電極(Metrohm社製)に挟んだ。両室に同一濃度の NaClを100mL満たし、25℃の恒温水槽中に置いて平衡に達するまで放置し、セル中の液温が正しく25℃になってから、交流ブリッジ(周波数1,000Hz)により電気抵抗r1を測定した。測定NaCl濃度は0.5M、0.7M、1.5M、3.5M、4.5Mとし、低濃度液から順番に測定した。次に膜を取り除き、0.5M NaCl水溶液のみとして両極間の電気抵抗r2を測り、膜の電気抵抗rをr1−r2として求めた。
−透水率(mL/(m2・Pa・hr))−
膜の透水率を図1に示す流路10を有する装置により測定した。図1において、符号1は膜を表し、符号3及び4は、それぞれ、フィード溶液(純水)及びドロー溶液(3M NaCl水溶液)の流路を表す。また、符号2の矢印はフィード溶液から分離された水の流れを示す。
フィード溶液400mLとドロー溶液400mLとを、膜を介して接触させ(膜接触面積18cm2)、各液はペリスタポンプを用いて符号5の矢印の向きに流速0.11cm/秒で流した。フィード溶液中の水が膜を介してドロー溶液に浸透する速度を、フィード溶液とドロー溶液の質量をリアルタイムで測定することによって解析し、透水率を求めた。
膜の透水率を図1に示す流路10を有する装置により測定した。図1において、符号1は膜を表し、符号3及び4は、それぞれ、フィード溶液(純水)及びドロー溶液(3M NaCl水溶液)の流路を表す。また、符号2の矢印はフィード溶液から分離された水の流れを示す。
フィード溶液400mLとドロー溶液400mLとを、膜を介して接触させ(膜接触面積18cm2)、各液はペリスタポンプを用いて符号5の矢印の向きに流速0.11cm/秒で流した。フィード溶液中の水が膜を介してドロー溶液に浸透する速度を、フィード溶液とドロー溶液の質量をリアルタイムで測定することによって解析し、透水率を求めた。
−pH耐性−
pH1の塩酸水溶液とpH14の水酸化ナトリウム水溶液に、それぞれ、膜を浸漬し、40℃で3時間保持した。浸漬前の膜の透水率に対する浸漬後の膜の透水率の割合(保持率(%))を算出した。
pH1の塩酸水溶液及びpH14の水酸化ナトリウム水溶液のいずれの液においても、浸漬前後での膜の透水率の保持率が90%以上の場合を「良」、いずれかの液での膜の保持率が90%未満の場合を「不良」と評価した。
pH1の塩酸水溶液とpH14の水酸化ナトリウム水溶液に、それぞれ、膜を浸漬し、40℃で3時間保持した。浸漬前の膜の透水率に対する浸漬後の膜の透水率の割合(保持率(%))を算出した。
pH1の塩酸水溶液及びpH14の水酸化ナトリウム水溶液のいずれの液においても、浸漬前後での膜の透水率の保持率が90%以上の場合を「良」、いずれかの液での膜の保持率が90%未満の場合を「不良」と評価した。
以上の評価結果を表1に示す。
(実施例2〜7、並びに、比較例1及び2)
実施例2〜7、並びに、比較例1及び2に関しても、表1に記載の組成に変更した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
なお、実施例3〜7におけるその他欄に記載の化合物は、実施例1における4−(クロロメチル)スチレンの代わりに使用した。また、比較例1における架橋モノマーは、実施例1における(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドの代わりに使用した。
また、実施例3〜6においては、DMAPAとDMAPMA、DMAEMA又はDEAEMAとの間にDCX又はDBXに対する反応性の差がほとんどなく、イオン性架橋モノマーとして、ジアクリルアミド体、アクリルアミド−メタクリルアミド又はメタクリレート体、ジメタクリルアミド又はジメタクリレート体が順にほぼ1:2:1のモル比で生成していることを確認した。
また、実施例7においては、実施例1における化合物M−1の水溶液に対応する水溶液中に、DEAEMA25質量%のうち7質量%がDBXと反応せず未反応のまま残留していることが確認された。また、実施例7において、イオン性架橋モノマーとして、ジアクリルアミド体、アクリルアミド−メタクリレート体、及び、ジメタクリレート体が生成していることを確認した。
評価結果をまとめて表1に示す。
実施例2〜7、並びに、比較例1及び2に関しても、表1に記載の組成に変更した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
なお、実施例3〜7におけるその他欄に記載の化合物は、実施例1における4−(クロロメチル)スチレンの代わりに使用した。また、比較例1における架橋モノマーは、実施例1における(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドの代わりに使用した。
また、実施例3〜6においては、DMAPAとDMAPMA、DMAEMA又はDEAEMAとの間にDCX又はDBXに対する反応性の差がほとんどなく、イオン性架橋モノマーとして、ジアクリルアミド体、アクリルアミド−メタクリルアミド又はメタクリレート体、ジメタクリルアミド又はジメタクリレート体が順にほぼ1:2:1のモル比で生成していることを確認した。
また、実施例7においては、実施例1における化合物M−1の水溶液に対応する水溶液中に、DEAEMA25質量%のうち7質量%がDBXと反応せず未反応のまま残留していることが確認された。また、実施例7において、イオン性架橋モノマーとして、ジアクリルアミド体、アクリルアミド−メタクリレート体、及び、ジメタクリレート体が生成していることを確認した。
評価結果をまとめて表1に示す。
表1に記載された略号の詳細を以下に示す。
DMAPA:N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、東京化成工業(株)製、下記化合物
VBC:4−(クロロメチル)スチレン25.7、東京化成工業(株)製、下記化合物
DMAPMA:N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、東京化成工業(株)製、下記化合物
DMAEMA:2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、東京化成工業(株)製、下記化合物
DEAEMA:2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、東京化成工業(株)製、下記化合物
DVB:ジビニルベンゼン(m−,p−混合物)、東京化成工業(株)製、下記化合物
DMAPAAQ:3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル第四級塩)、Aldrich社製、下記化合物
MAPTAC:3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド塩化メチル第四級塩)、Aldrich社製、下記化合物
DCX:α,α’−ジクロロ−p−キシレン、東京化成工業(株)製、下記化合物
DBX:α,α’−ジブロモ−p−キシレン、東京化成工業(株)製、下記化合物
Darocur 1173:光重合開始剤、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、下記化合物
Irgacure2959:光重合開始剤、BASF社製、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、下記化合物
IPA:イソプロピルアルコール、和光純薬工業(株)製
DMAPA:N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、東京化成工業(株)製、下記化合物
VBC:4−(クロロメチル)スチレン25.7、東京化成工業(株)製、下記化合物
DMAPMA:N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、東京化成工業(株)製、下記化合物
DMAEMA:2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、東京化成工業(株)製、下記化合物
DEAEMA:2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、東京化成工業(株)製、下記化合物
DVB:ジビニルベンゼン(m−,p−混合物)、東京化成工業(株)製、下記化合物
DMAPAAQ:3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル第四級塩)、Aldrich社製、下記化合物
MAPTAC:3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド塩化メチル第四級塩)、Aldrich社製、下記化合物
DCX:α,α’−ジクロロ−p−キシレン、東京化成工業(株)製、下記化合物
DBX:α,α’−ジブロモ−p−キシレン、東京化成工業(株)製、下記化合物
Darocur 1173:光重合開始剤、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、下記化合物
Irgacure2959:光重合開始剤、BASF社製、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、下記化合物
IPA:イソプロピルアルコール、和光純薬工業(株)製
1:膜
2:フィード溶液から分離された水の流れを示す矢印
3:フィード溶液の流路
4:ドロー溶液の流路
5:液体の進行方向
10:流路
2:フィード溶液から分離された水の流れを示す矢印
3:フィード溶液の流路
4:ドロー溶液の流路
5:液体の進行方向
10:流路
Claims (12)
- 第四級アンモニウム塩構造と、アクリルアミド基と、アクリルアミド基以外の重合性基とを有するイオン性架橋モノマー、及び、
光重合開始剤を含むことを特徴とする
光硬化性組成物。 - 前記光硬化性組成物の芳香環密度が1.5mmol/g以上であり、かつ、電荷密度が3.0mmol/g以上である、請求項1に記載の光硬化性組成物。
- 前記アクリルアミド基以外の重合性基が、スチリル基である、請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
- 前記アクリルアミド基以外の重合性基が、メタクリルアミド基である、請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
- 溶媒を更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
- 前記溶媒が、水を含む、請求項7に記載の光硬化性組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
- 前記硬化物が、イオン交換膜、プロトン伝導膜、逆浸透膜、正浸透膜、高分子電解質又は吸水性樹脂である、請求項9に記載の硬化物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた部材。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物を備えた装置。
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JP2013203697A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-07 | Nicca Chemical Co Ltd | 抗菌抗かび剤及び抗菌抗かび性製品 |
JP6126498B2 (ja) * | 2013-02-15 | 2017-05-10 | 富士フイルム株式会社 | 高分子機能性膜及びその製造方法 |
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2015
- 2015-08-31 JP JP2015171034A patent/JP2018168202A/ja active Pending
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2016
- 2016-07-15 WO PCT/JP2016/071044 patent/WO2017038276A1/ja active Application Filing
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