JP2018162446A - 界面活性剤組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これらのうち、工程(1)における用いやすさの観点から、融点が90℃以下のものが好ましく、さらに好ましくは融点が70℃以下のもの、最も好ましくは融点が25℃以下のものである。
また、これらのうち、得られる界面活性剤組成物の皮膚刺激性の観点から、好ましくはプロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びポリエチレングリコール、更に好ましくはプロピレングリコールである。
これらのうち、得られる界面活性剤組成物の浸透性を向上させる観点から、好ましくは炭素数4〜10の不飽和ジカルボン酸であり、さらに好ましくは炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸であり、最も好ましくはマレイン酸及びフマル酸である。
これらのうち、得られる界面活性剤組成物の浸透性を向上させる観点から、好ましくは1−オクタノール及び2−エチルヘキサノールであり、更に好ましくは2−エチルヘキサノールである。
また、これらのうち、臭気の少ない界面活性剤を製造するという効果を発揮しやすい観点から、好ましくは炭素数2〜12の脂肪族モノアルコールであり、さらに好ましくは炭素数4〜12の脂肪族モノアルコールであり、最も好ましくは炭素数8の脂肪族モノアルコールである。
これらのうち、得られる界面活性剤組成物の浸透性の観点から、好ましくはマレイン酸ジヘキシル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ビス(2−エチルヘキシル)、マレイン酸ジノニル、マレイン酸ジデシル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジオクチル、フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フマル酸ジノニル、フマル酸ジデシル及びマレイン酸ビス(2−エチルヘキシル)であり、更に好ましくはマレイン酸ビス(2−エチルヘキシル)及びフマル酸ビス(2−エチルヘキシル)である。
また、これらのうち、臭気の少ない界面活性剤組成物を得るという効果を発揮しやすい観点から、好ましくは炭素数4〜10の不飽和ジカルボン酸と炭素数2〜12の脂肪族モノアルコールとのエステル化物であり、さらに好ましくは炭素数4〜10の不飽和ジカルボン酸と炭素数4〜12の脂肪族モノアルコールとのエステル化物であり、次にさらに好ましくは炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸と炭素数4〜12の脂肪族モノアルコールとのエステル化物であり、最も好ましくは炭素数4の不飽和ジカルボン酸と炭素数4〜12の脂肪族モノアルコールとのエステル化物である。
なお、ハロゲン化物を実質的に含まないとは、好ましくはハロゲン化物の含有量が500ppm以下のもの、さらに好ましくは100ppm以下のものを意味する。
これらのうち、臭気の少ない界面活性剤組成物を得る観点から、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩及び二亜硫酸塩が好ましく、さらに好ましくは亜硫酸水素塩及び二亜硫酸塩であり、特に好ましくは二亜硫酸塩である。
本発明においては、工程(1−1)及び工程(1−2)を有することにより、界面活性剤組成物中の炭素数が1〜22であるモノアルコールの含有量が0.5重量%以下である、臭気の少ない界面活性剤組成物を製造することが出来る。これは、理由は定かではないが、工程(1−1)及び工程(1−2)の合計時間が短時間でも、(C)から(E)への変換率が高いものを得ることができるためであると考えられる。また、工程(1−1)を有することにより、工程(1−2)での反応時間が短くなるためであると考えられる。
変換率(%)=定量した結合硫酸×〔r/(r−p−q)〕×(スルホン化物(E)の分子量)/80 (1)
p:多価アルコール(A)の仕込量及び途中で添加した量
q:水(B)の仕込量及び途中で添加した量
r:全体の仕込量{多価アルコール(A)、水(B)、エステル化物(C)及びスルホン化剤(D)の合計量}及び途中で添加した量
工程(1−1)の時間は、(E)への変換率及び臭気の少ない界面活性剤組成物を得る観点から、2〜5時間が好ましい。
上記反応により、多価アルコール(A)、水(B)及びスルホン化物(E)を含む界面活性剤組成物を得ることが出来る。
工程(1−2)における変換率は、得られる界面活性剤組成物の性能及び臭気の観点から、96〜99%が好ましい。
工程(1−2)の時間は、(E)への変換率及び臭気の少ない界面活性剤組成物を得る観点から、3〜8時間が好ましい。
工程(1−1)と工程(1−2)との合計時間は、(E)への変換率及び臭気の少ない界面活性剤組成物を得る観点から、10時間以下が好ましく、さらに好ましくは8〜10時間である。
なお、「工程(1)において存在させた」とは、工程(1)における仕込み及び途中で添加したもの等、工程(1)の全過程において添加したものを含む。
(F)を水溶液として用いる場合、水溶液中の(F)の含有量は、スルホン化物(E)の分解を起こりにくくする観点から、好ましくは1〜20重量%であり、さらに好ましくは2〜8重量%である。
これらの中でも、スルホン化物(E)の加水分解を起こしにくく、処理効率も比較的高いことから、好ましくはアルカリ金属炭酸塩であり、さらに好ましくは炭酸ナトリウムである。
工程(2)の開始から終了までの時間において、上記温度である時間は、スルホン化物(E)の分解を起こりにくくする観点から、好ましくは80%以上である。なお、工程(2)の開始とは、中和剤(F)を入れた時点であり、終了とは酸化剤(H)を入れるまでの時点である。
工程(2)において存在させた未反応のスルホン化剤(D)と中和剤(F)とのモル比率{(D)/(F)}は、処理効率及びスルホン化物(E)の分解を起こりにくくする観点から、0.9〜1.1が好ましい。なお、スルホン化剤(D)が二亜硫酸塩である場合は、反応系中の水により加水分解され、亜硫酸水素塩となっており、上記モル比率は、加水分解後のモル比率を意味する。
なお、未反応のスルホン化剤(D)の含有量は下記に示すヨウ素滴定法で求めることができる。
(a)200mL三角フラスコ内に、試料1g、イオン交換水50mLを加え、混合する。
(b)0.1mol/Lヨウ素滴定溶液で滴定し、溶液の色が微黄色になった点を終点とする。
(c)滴定量に基づき、下記式より未反応のスルホン化剤(D)の含有量を算出する。
スルホン化剤(D)の含有量(mg/g)=t×4.754 (3)
t:0.1mol/Lヨウ素滴定用溶液の滴定量(mL)
これらの中でも、スルホン化物(E)の分解を起こしにくく、処理効率が比較的高く、コストが低いことから、好ましくは過酸化水素である。
(H)を水溶液として用いる場合、水溶液中の(H)の含有量は、スルホン化物(E)の分解を起こりにくくする観点から、好ましくは1〜20重量%であり、さらに好ましくは2〜8重量%である。
工程(3)の開始から終了までの時間において、上記温度である時間は、スルホン化物(E)の分解を起こりにくくする観点から、好ましくは80%以上である。なお、工程(3)の開始とは、酸化剤(H)を入れた時点であり、(H)を入れてから1時間経過すれば、(F)と(H)との反応は完了しており、工程(3)が終了したと見なすことができる。
工程(2)及び(3)において存在させた酸化剤(H)と中和剤(F)とのモル比率{(H)/(F)}は、処理効率及びスルホン化物(E)の分解を起こりにくくする観点から、好ましくは0.9〜1.1である。
温度計及び攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、フマル酸と2−エチルヘキサノールとのジエステル化物(マキシモールFOK−670、川崎化成工業(株)製)542.6kg、プロピレングリコール44.3kg、イオン交換水80.8kg及び二亜硫酸ナトリウム150.1kgを順に仕込み、撹拌を開始し、減圧にて窒素置換後、昇温し、温度を100℃に保持し、エステル化物からスルホン化物への変換率が88%になるまで3時間撹拌した(工程(1−1))。さらに、125℃へ昇温し、エステル化物からスルホン化物への変換率が97%になるまで5時間撹拌した(工程(1−2))。なお、昇温過程において、116℃に到達した時点での変換率測定用サンプルを採取し、変換率を測定した。
次いで、95℃まで冷却し、プロピレングリコール93.0kgを反応物に添加した。そして、40℃まで冷却し、ヨウ素滴定法により未反応の二亜硫酸ナトリウムの含有量を求めたところ、0.4mg/gであった。そこで、5重量%の炭酸ナトリウム水溶液4.1kgを投入し、1時間撹拌した(工程(2))。さらに、5重量%の過酸化水素水2.6kgを投入し、1時間撹拌し(工程(3))、界面活性剤組成物(1)を得た。得られた界面活性剤組成物中の炭素数1〜22の脂肪族モノアルコール(2−エチルヘキサノール)の含有量は0.2重量%であった。臭気はほとんどしなかった。
実施例1において、エステル化物(C)の種類及び量、スルホン化剤(D)の量、工程(1−1)〜工程(3)における温度、変換率並びに中和剤(F)及び酸化剤(H)の量を表1に記載のものとする以外は同様に実施して、界面活性剤組成物(2)〜(7)を得た。得られた界面活性剤組成物中の炭素数1〜22の脂肪族モノアルコールの含有量及び臭気を評価した。結果を表1に示す。なお、炭素数1〜22の脂肪族モノアルコールとしては、実施例2〜4及び7においては2−エチルヘキサノール、実施例5においおては1−ブタノール、実施例6においては1−ドデカノールが検出された。
温度計及び攪拌機を備えたSUS製オートクレーブに、フマル酸と2−エチルヘキサノールとのジエステル化物(マキシモールFOK−670、川崎化成工業(株)製)542.9kg、プロピレングリコール165.8kg、イオン交換水56.1kg及び二亜硫酸ナトリウム146.3kgを順に仕込み、撹拌を開始し、減圧にて窒素置換後、昇温し、温度を145℃に保持し、エステル化物からスルホン化物への変換率が94%になるまで8時間撹拌した。90℃まで冷却し、ヨウ素滴定法により未反応の二亜硫酸ナトリウムの含有量を求めたところ、0.8mg/gであった。そこで、5重量%の炭酸ナトリウム水溶液8.1kgを投入し1時間撹拌した(工程(2))。さらに、5重量%の過酸化水素水5.2kgを投入し、1時間撹拌し(工程(3))、界面活性剤組成物(1’)を得た。得られた界面活性剤組成物中の炭素数1〜22の脂肪族モノアルコール(2−エチルヘキサノール)の含有量は1.2重量%であった。不快な臭気があった。
実施例1において、工程(1−1)〜工程(1−2)における温度及び変換率を表2に記載のものとする以外は同様に実施して、界面活性剤組成物(2’)〜(5’)を得た。得られた界面活性剤組成物中の炭素数1〜22の脂肪族モノアルコール(2−エチルヘキサノール)の含有量及び臭気を評価した。結果を表2に示す。
・炭素数1〜22の脂肪族モノアルコールの含有量の測定方法
界面活性剤組成物中の炭素数1〜22の脂肪族モノアルコールの含有量は、キャピラリーガスクロマトグラフ((株)島津製作所製:GC−1700)で分析することにより求めた。GC条件を以下に示す。
カラム:DB−5(J&W社製、(5%フェニル)−メチルポリシロキサン系カラム、
長さ30m、内径0.25mmφ、膜厚0.25μm)
カラム温度:初期温度50℃(保持時間5min)
到達温度300℃
昇温スピード10℃/min
注入量:1μl
スプリット比:1:25
制御モード:圧力
キャリアガス(He)圧力:103kPa
Injection温度:150℃
Detector温度:310℃
界面活性剤組成物の臭気を、下記の評価基準に基づいて評価した。
○:臭気がほとんどない
×:不快な臭気がある
一方、145℃と高温で反応させた比較例1では、最終的な(E)への変換率が94%と低いにもかかわらず、脂肪族モノアルコールの含有量が多く、得られた界面活性剤組成物は臭気があることがわかる。また、工程(1−1)を85℃と低温で実施した場合、(E)への変換率が低くなり、その後に工程(1−2)として116℃で反応させても変換率が思うように高くならず、反応時間が長時間になるために、脂肪族モノアルコールの含有量も多くなることから、得られた界面活性剤組成物は臭気があることがわかる。また、比較例3では、工程(1−2)での温度が145℃と高いため、脂肪族モノアルコールの含有量も多くなることから、得られた界面活性剤組成物は臭気があることがわかる。また、比較例4では、工程(1−1)での(E)への変換率が低いため、その後に工程(1−2)として125℃で反応させても変換率が思うように高くならず、反応時間が長時間になるために、脂肪族モノアルコールの含有量も多くなり、得られた界面活性剤組成物は臭気があることがわかる。また、比較例5では、工程(1−1)での(E)への変換率を96%と高くするために反応時間が長くなり、脂肪族モノアルコールの含有量も多くなることから、得られた界面活性剤組成物は臭気があることがわかる。
Claims (7)
- 多価アルコール(A)、水(B)及びスルホン化物(E)を含む界面活性剤組成物の製造方法であって、多価アルコール(A)及び水(B)の存在下で、炭素数4〜22の不飽和ジカルボン酸(c1)と炭素数1〜22の脂肪族モノアルコール(c2)とのエステル化物(C)をスルホン化剤(D)でスルホン化物(E)に変換する工程(1)を有し、スルホン化剤(D)が亜硫酸、亜硫酸水素及び二亜硫酸並びにこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、工程(1)がエプトン法により測定される(C)から(E)への変換率が75〜95%となるまで90〜115℃でスルホン化する工程(1−1)と更にエプトン法により測定される(C)から(E)への変換率が96%以上となるまで116〜135℃でスルホン化する工程(1−2)とを有する界面活性剤組成物の製造方法。
- 工程(1)において存在させたエステル化物(C)に対する多価アルコール(A)のモル比率{(A)/(C)}が0.2〜0.7である請求項1に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
- 工程(1)において存在させたエステル化物(C)に対する水(B)のモル比率{(B)/(C)}が1.0〜4.0である請求項1又は2に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
- スルホン化剤(D)が二亜硫酸塩であり、工程(1)において存在させたエステル化物(C)に対するスルホン化剤(D)のモル比率{(D)/(C)}が0.480〜0.499である請求項1〜3のいずれか1項に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
- スルホン化剤(D)が亜硫酸水素塩及び/又は二亜硫酸塩であり、工程(1)の後、未反応のスルホン化剤(D)又は(D)の加水分解物を中和剤(F)で中和して中和塩(G)を得る工程(2)及び中和塩(G)を酸化剤(H)で酸化して硫酸塩(I)を得る工程(3)を含む請求項1〜3のいずれかに記載の界面活性剤組成物の製造方法。
- 工程(2)の開始から終了までの時間の80%以上を20〜70℃で行う請求項5に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
- 工程(3)の開始から終了までの時間の80%以上を20〜70℃で行う請求項5又は6に記載の界面活性剤組成物の製造方法。
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