JP2018159455A - 筒形防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸直二方向で更に大きなばね比を設定できるとともに、中間スリーブとアウタ筒部材との固定構造の簡略化を図ることができる、新規な構造の筒形防振装置を提供する。【解決手段】筒形防振装置10において、インナ軸部材12には、第一の軸直方向21aと第二の軸直方向21bとに突出する第一の外方突部22と第二の外方突部24とが設けられている一方、インナ軸部材12と中間スリーブ14とが本体ゴム弾性体16で連結されていると共に、中間スリーブ14にアウタ筒部材18が固定されており、第一の軸直方向21aの両側では、中間スリーブ14に内方突部46が設けられて、第一の外方突部22と中間スリーブ14とが本体ゴム弾性体16で連結されている一方、第二の軸直方向21bの両側では、第二の外方突部24の周囲に空間68が設けられており、更に、中間スリーブ14が一対の半割筒状体30a,30bから構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、自動車のエンジンマウントやデフマウント、ボデーマウント、メンバマウントなどに用いられる筒形防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら部材を相互に防振連結する防振連結体の一種として、筒形防振装置が知られており、自動車の差動装置(デファレンシャルギヤ)を車両ボデー(サブフレーム)に防振支持せしめるデフマウント等として採用されている。このような筒形防振装置は、インナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結された構造を有しており、軸直角方向の防振連結性能と共に軸方向の防振連結性能も要求されることが多い。
そこで、例えば特開2008−89002号公報(特許文献1)では、インナ軸部材とアウタ筒部材とを本体ゴム弾性体により軸直角方向に弾性連結するとともに、インナ軸部材とアウタ筒部材とをそれぞれ振動伝達系を構成する部材に固定して、軸方向両端部分において、これら振動伝達系を構成する部材の軸方向対向面間、即ちインナ軸部材とアウタ筒部材の軸方向対向面間に軸方向当接ゴムを設ける筒形防振装置が提案されている。これにより、筒形防振装置における、軸直角方向の防振連結性能と軸方向の防振連結性能とを両立して確保している。
ところが、上記特許文献1に記載の筒形防振装置では、インナ軸部材に対して別体のストッパゴム部材を配設する必要があり、筒形防振装置の軸方向サイズが大きくなりがちであった。また、ストッパゴム部材の、振動伝達系を構成する部材への当接面における打音やスティックスリップによる異音が問題になりやすかった。
このような状況下で、本出願人は、国際公開2014/034091号(特許文献2)に記載の筒形防振装置を提案している。上記特許文献2に記載の筒形防振装置では、インナ軸部材から互いに直交する第一の軸直方向と第二の軸直方向とにおいてそれぞれ軸直角方向外方に突出する、第一の外方突部と第二の外方突部とが設けられている。また、インナ軸部材の軸方向両側に中間スリーブを外挿して本体ゴム弾性体で連結するとともに、アウタ筒部材で外側から覆うことで、これら中間スリーブを軸方向で固定している。これにより、軸方向および軸直角方向の防振連結性能が確保されるだけでなく、筒形防振装置の大型化が回避されたり、スティックスリップなどによる異音の発生が防止され得る。
ところが、上記特許文献2に記載の筒形防振装置では、第一の外方突部や第二の外方突部よりも軸直方向外方の部分には、厚肉の本体ゴム弾性体は設けられておらず(被覆ゴム層で覆われているに過ぎず)、軸直二方向におけるばね比が小さくされていた。それ故、軸直二方向でばね特性を異ならせたい場合には、その要求に応えられるものではなかった。また、上記特許文献2において、アウタ筒部材で中間スリーブを軸方向に位置決めして強固に固定する構造は、中間スリーブが軸方向両側に一対設けられていることから、それぞれの中間スリーブをアウタ筒部材に固定する必要があり、両中間スリーブおよびそれに連結される本体ゴム弾性体とアウタ筒部材との間に凹凸を設けるなど、それぞれを固定する構造が複雑となっていた。
本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、軸直二方向で更に大きなばね比を設定できるとともに、中間スリーブとアウタ筒部材との組付構造の簡略化を図ることができる、新規な構造の筒形防振装置を提供することにある。
本発明の第一の態様は、インナ軸部材の外周側にアウタ筒部材が配設されており、これらインナ軸部材とアウタ筒部材とが本体ゴム弾性体で弾性連結された筒形防振装置において、前記インナ軸部材の軸方向中間部分には、互いに直交する第一の軸直方向と第二の軸直方向とにおいてそれぞれ軸直角方向外方に突出する第一の外方突部と第二の外方突部とが設けられている一方、該インナ軸部材の回りを周方向に延びる中間スリーブが配されて、該インナ軸部材と該中間スリーブとが前記本体ゴム弾性体で連結されていると共に、該中間スリーブに前記アウタ筒部材が外挿状態で固定されており、該インナ軸部材における該第一の軸直方向の両側では、該中間スリーブの軸方向両端部分において内周に向かって突出して該第一の外方突部の軸方向両側に位置する内方突部が設けられて、該第一の外方突部と該中間スリーブとが軸直角方向と軸方向両側とにおいてそれぞれ前記本体ゴム弾性体で連結されている一方、該インナ軸部材における該第二の軸直方向の両側では、該第二の外方突部の周囲に空間が設けられていると共に、該第二の外方突部と該アウタ筒部材とが該中間スリーブに設けられた開口窓を通じて該第二の軸直方向で当接するストッパ機構が構成されており、更に、該中間スリーブが周方向で二分割された一対の半割筒状体から構成されており、該一対の半割筒状体が周方向の両端面を互いに突き合わせた状態で該アウタ筒部材に対して固定されていることを特徴とするものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、第一の軸直方向の両側において第一の外方突部と中間スリーブとが本体ゴム弾性体により軸直角方向で連結されている一方、第二の軸直方向の両側では、第二の外方突部の周囲に空間が設けられていることから、互いに直交する第一の軸直方向と第二の軸直方向で大きなばね比が実現される。また、第一の外方突部の軸方向両側も、中間スリーブに対して、本体ゴム弾性体で連結されていることにより、軸方向でも大きなばね定数を設計することが可能になる。
また、本態様では、中間スリーブが、周方向で二分割された一対の半割筒状体から構成されているとともに、これらを周方向で突き合わせて略筒状体とした状態で、その外周側からアウタ筒部材が外挿されることから、中間スリーブやアウタ筒部材の形状が複雑となることがなく、中間スリーブとアウタ筒部材との組付構造の簡略化が図られ得る。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る筒形防振装置であって、前記インナ軸部材の前記第一の外方突部と前記中間スリーブの前記内方突部とが軸方向の投影において相互に重なっていると共に、かかる相互に重なった該第一の外方突部と該内方突部との軸方向対向面間には前記本体ゴム弾性体が配されているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、インナ軸部材における第一の外方突部と中間スリーブの内方突部とが、軸方向の投影において相互に重なっていることから、インナ軸部材と中間スリーブとが軸方向で相対変位せしめられた際には、これらの軸方向対向面間に配された本体ゴム弾性体が、より効率的に圧縮変形せしめられる。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る筒形防振装置において、前記インナ軸部材における前記第一の外方突部と前記中間スリーブの前記内方突部との対向面が、何れも、軸方向外方に向かって次第に小径となるテーパ状面とされて、軸方向で傾斜して対向せしめられていると共に、かかる軸方向で傾斜した対向面間に前記本体ゴム弾性体が配されているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、第一の外方突部における軸方向両側面と、当該軸方向両側面に対向する、内方突部における軸方向内面とが、それぞれ軸方向外方に向かって次第に小径となるテーパ状面とされて、これら第一の外方突部における軸方向両側面と内方突部における軸方向内面とが相互に対向している。それ故、これら対向面間に配された本体ゴム弾性体において、厚さ寸法の変化が軽減されると共に、ゴムボリュームの確保も図られ得る。また、テーパ状面の傾斜角度ひいては第一の外方突部の軸方向端面と内方突部との対向方向の傾斜角度を調節することで、軸方向と軸直角方向のばね比の微調整なども可能となる。
本発明の第四の態様は、前記第一〜第三の何れか一つの態様に係る筒形防振装置において、前記中間スリーブを構成する前記一対の半割筒状体における周方向の両端面の突き合わせ位置が、該中間スリーブにおける前記開口窓の形成部分とされているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、一対の半割筒状体の突き合わせ位置が、開口窓の形成部分、即ち中間スリーブにおける第二の軸直方向の両側に設けられることとなる。したがって、中間スリーブにおいて、第一の外方突部に対して本体ゴム弾性体を介して連結される部分に、一対の半割筒状体の突き合わせ位置が設けられることが回避されて、第一の軸直方向や軸方向における振動に伴う外力が、中間スリーブにおいて強度が弱くなりがちな半割筒状体の突き合わせ位置へ直接的に及ぼされることが回避され得る。
本発明の第五の態様は、前記第一〜第四の何れか一つの態様に係る筒形防振装置において、前記中間スリーブの外周面が被覆ゴム層によって覆われており、前記アウタ筒部材が該被覆ゴム層を介して該中間スリーブに対して外嵌固定されているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、中間スリーブ等の部品寸法誤差による組付上のばらつきが被覆ゴム層の弾性変形で吸収できると共に、中間スリーブとアウタ筒部材との嵌着面間における直接の当接が回避されて、部材間の擦れによる異音の発生なども軽減され得る。
本発明の第六の態様は、前記第一〜第五の何れか一つの態様に係る筒形防振装置において、前記インナ軸部材における前記第一の外方突部の外周面には、外径寸法が略一定となるように周方向に湾曲した軸方向平面が設けられていると共に、前記中間スリーブにおける前記第一の軸直方向両側の内周面には、内径寸法が略一定となるように周方向に湾曲した軸方向平面が設けられており、これら第一の外方突部の軸方向平面と中間スリーブの軸方向平面とが該第一の軸直方向で対向配置されて前記本体ゴム弾性体で連結されているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、インナ軸部材における第一の外方突部の外周面と、中間スリーブにおける第一の軸直方向両側の内周面には、それぞれ外径寸法および内径寸法が略一定な軸方向平面が設けられて、第一の軸直方向における本体ゴム弾性体に対する有効な荷重作用面積が効率的に確保され得る。
本発明の第七の態様は、前記第一〜第六の何れか一つの態様に係る筒形防振装置において、前記中間スリーブが合成樹脂製であるものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、中間スリーブが合成樹脂製であることから、中間スリーブ、ひいては筒形防振装置の軽量化とコストダウンが図られ得る。
本発明の第八の態様は、前記第一〜第七の何れか一つの態様に係る筒形防振装置において、前記中間スリーブを構成する前記一対の半割筒状体における周方向の両端面の突き合わせ面間には、緩衝ゴムが配されているものである。
本態様に従う構造とされた筒形防振装置によれば、一対の半割筒状体の突き合わせ面間には、緩衝ゴムが配されていることから、半割筒状体同士が直接当接することが回避されて、異音の発生などが防止され得る。また、半割筒状体の製造時における寸法誤差が、緩衝ゴムの弾性変形により許容され得る。
本発明に従う構造とされた筒形防振装置によれば、本体ゴム弾性体において第一の軸直方向両側では硬いばね特性が発揮されるとともに、第二の軸直方向両側では柔らかいばね特性が発揮されることから、軸直二方向におけるばね比を大きく設定することができる。また、中間スリーブが、周方向で二分割された一対の半割筒状体により構成されており、これらを相互に突き合わせた状態で、アウタ筒部材が外挿状態で固定されることから、中間スリーブの組付構造の簡略化が図られ得る。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1〜3には、本発明に従う構造とされた筒形防振装置の第一の実施形態として、自動車用のデフマウント10が示されている。デフマウント10は、インナ軸部材12とその回りを周方向に延びる中間スリーブ14とを本体ゴム弾性体16によって弾性連結すると共に、中間スリーブ14にアウタ筒部材18を外挿状態で固定することにより、インナ軸部材12とその外周側に配設されたアウタ筒部材18とを本体ゴム弾性体16で弾性連結した構造を有している。そして、インナ軸部材12が図示しない差動装置に取り付けられると共に、アウタ筒部材18が図示しない車両ボデーのサブフレームに取り付けられることで、差動装置がサブフレームによって防振支持されるようになっている。なお、以下の説明において、軸方向とは、インナ軸部材12およびアウタ筒部材18の中心軸方向となる、図1中の左右方向をいう。
より詳細には、インナ軸部材12は、鉄やアルミニウム合金、繊維補強された合成樹脂等で形成された高剛性の部材であって、図4,5に示されているように、直線的に延びる小径の略円筒形状を有している。
さらに、インナ軸部材12の軸方向中間部分には、リング部材20が取り付けられている。リング部材20は硬質の合成樹脂等で形成された環状の部材であって、中心孔にインナ軸部材12が貫通状態で固定されており、インナ軸部材12の軸方向中央部分において軸直角方向に突出している。また、リング部材20は、インナ軸部材12から軸直一方向である第一の軸直方向(図5中の上下方向であって、図5中に一点鎖線で示される直線21aの延出方向)で互いに反対向きに突出する第一の外方突部22,22と、第一の軸直方向と略直交する軸直角方向である第二の軸直方向(図5中の左右方向であって、図5中に一点鎖線で示される直線21bの延出方向)で互いに反対向きに突出する第二の外方突部24,24とを、一体で備えている。なお、リング部材20は、成形後にインナ軸部材12へ外嵌固定する他、インナ軸部材12の外周面上で樹脂成形することで、成形と同時にインナ軸部材12に固定することができる。
本実施形態では、第一の外方突部22,22が、それぞれ略台形断面を有して周方向に延びる突部とされている。すなわち、第一の外方突部22,22の外周面25,25のうち、第一の外方突部22,22の軸方向両端面26,26が、軸方向外方に向かって次第に突出高さが低くなる(次第に小径となる)テーパ状面とされている一方、軸方向中間部分の外周面が、外径寸法が略一定とされて軸方向に略平行に、且つ周方向に湾曲して広がる軸方向平面28とされている。一方、第二の外方突部24,24は、それぞれ略矩形断面を有して周方向に延びる突部とされている。
特に、本実施形態では、第一の外方突部22,22に比べて、第二の外方突部24,24の方が突出寸法が僅かに大きくされている。なお、第二の外方突部24,24の突出寸法は、後述する中間スリーブ14の開口窓44,44からは突出しない大きさとされており、中間スリーブ14へのアウタ筒部材18の外嵌固定時に、第二の外方突部24,24とアウタ筒部材18とが相互に当接しないようになっている。また、第二の外方突部24,24に比べて、第一の外方突部22,22の方が周方向寸法が大きくされている。
一方、中間スリーブ14は、図6〜図10に示されているように、全体として略円筒形状の部材とされており、軸方向中間部分における環状の平坦面と環状の軸方向両端面により外周面29が構成されている。かかる中間スリーブ14は、鉄やアルミニウム合金などの金属や硬質の合成樹脂、繊維補強樹脂などで形成された高剛性の部材とされている。この中間スリーブ14は、周方向で二分割された一対の半割筒状体30a,30bから構成されており、これら一対の半割筒状体30a,30bのそれぞれの周方向両端面32,32を相互に突き合わせることで、略円筒形状とされた中間スリーブ14が構成されるようになっている。すなわち、これらの半割筒状体30a,30bは、それぞれ略半周の周方向寸法を有しており、相互に同形状であることから、半割筒状体30a,30bとして同じ部材を反転して利用することが可能である。
本実施形態では、これら半割筒状体30a,30bが、第一の軸直方向(図7中の上下方向)で相互に対向しており、周方向両端面32,32が第一の軸直方向で相互に重ね合わされることで、半割筒状体30a,30bが相互に突き合わされるようになっている。すなわち、半割筒状体30a,30bの突き合わせ位置が、中間スリーブ14における第二の軸直方向(図7中の左右方向)の両側部分とされている。
なお、後述する図11〜13に示される、インナ軸部材12と中間スリーブ14とを備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品66においては、その外周部分において、中間スリーブ14を構成する半割筒状体30a,30bが、第一の軸直方向で僅かに離隔している。すなわち、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品66の状態では、一方の半割筒状体30a(30b)の周方向端面32と、他方の半割筒状体30b(30a)の周方向端面32との対向面間において、第一の軸直方向で所定の寸法を有する隙間34が形成されている。すなわち、本実施形態では、かかる隙間34,34が、中間スリーブ14における第二の軸直方向の両側に設けられている。
また、かかる半割筒状体30a,30bの周壁部36,36には、軸方向中間部分において周方向両端部からそれぞれ周方向内方に広がる切欠き38,38が形成されている。これら切欠き38,38,38,38は、何れも略同形の略湾曲矩形状とされており、所定の軸方向寸法と所定の周方向寸法を有している。すなわち、半割筒状体30a,30bの周壁部36,36において、周方向中間部分となる切欠き38,38の周方向間には、所定の周方向寸法をもって広がる湾曲状の中間壁部40,40が形成されている。そして、かかる中間壁部40,40の周方向両端部には、切欠き38を挟んだ軸方向両側において、周方向外方に突出する一対の脚部42,42が設けられている。要するに、半割筒状体30a,30bのそれぞれは、合計四つの脚部42,42,42,42を有しており、各脚部42の周方向端面が、半割筒状体30a,30bの周方向端面32,32,32,32とされている。
かかる切欠き38,38,38,38が、半割筒状体30a,30bの周方向両端部に設けられることで、半割筒状体30a,30bの周方向両端面32,32を相互に突き合わせて略円筒形状の中間スリーブ14を構成した際に、一方の半割筒状体30a(30b)に設けられた切欠き38,38と他方の半割筒状体30b(30a)に設けられた切欠き38,38とが、各周方向の開放端を互いに突き合わされることで、半割筒状体30a,30b間に跨がって広がる開口窓44,44が形成されるようになっている。すなわち、中間スリーブ14において、半割筒状体30a,30bにおける中間壁部40,40が第一の軸直方向で相互に対向しているとともに、開口窓44,44が第二の軸直方向で相互に対向している。したがって、本実施形態では、半割筒状体30a,30bにおける周方向両端面32,32の突き合わせ位置が、中間スリーブ14における開口窓44,44の形成部分とされている。
また、半割筒状体30a,30bにおける中間壁部40,40の内周面45,45には、軸方向両端部分において、内周側に突出する内方突部46,46が形成されている。これら内方突部46,46は、中間壁部40,40の周方向略全長に亘って延びており、中間壁部40,40に沿って周方向に湾曲して形成されている。すなわち、中間スリーブ14において、一方の半割筒状体30aに設けられる内方突部46,46と他方の半割筒状体30bに設けられる内方突部46,46とが、それぞれインナ軸部材12における第一の軸直方向の両側、具体的にはインナ軸部材12を挟んだ第一の軸直方向の両側に設けられている。本実施形態では、内方突部46,46の軸方向内面48,48が、軸方向外方に向かって次第に小径となるテーパ状面とされており、特に本実施形態では、軸方向内面48,48が、当該軸方向内面48,48よりも軸方向外方に曲率中心を有する湾曲テーパ状面とされている。尤も、軸方向内面48,48は湾曲面である必要はなく、直線状に延びる平坦面でもよい。
なお、本実施形態における内方突部46,46は、中間壁部40,40から内周側へ、後述する製品状態とされた図1などに示されるデフマウント10における軸方向の投影において、インナ軸部材12に設けられる第一の外方突部22,22と内方突部46,46とが相互に重ならない大きさの突出寸法をもって突出している。すなわち、デフマウント10では、第一の外方突部22,22の最大の外径寸法に比べて、内方突部46,46における最小の内径寸法の方が大きくされており、第一の外方突部22,22において外径寸法が最も大きくされた部分(軸方向平面28,28)と内方突部46,46において内径寸法が最も小さくされた部分とが、第一の軸直方向で所定距離A(図1参照)をもって離隔している。
一方、半割筒状体30a,30bにおける中間壁部40,40の内周面45,45において、軸方向中間部分には、内径寸法が略一定とされて軸方向に略平行に、且つ周方向に湾曲して広がる軸方向平面50,50が設けられている。
そして、リング部材20が外挿装着されたインナ軸部材12に対して、中間スリーブ14が外挿されて、当該中間スリーブ14が、インナ軸部材12およびリング部材20に対して所定距離を隔てて外周側に配置されている。すなわち、リング部材20が装着されたインナ軸部材12に対して、一対の半割筒状体30a,30bが、第一の軸直方向外方から被せられるように装着されて、それぞれの周方向両端面32,32が、第一の軸直方向で隙間34を隔てて対向している。
ここにおいて、リング部材20からは、第一の軸直方向両側に第一の外方突部22,22が突出している一方、中間スリーブ14には、第一の軸直方向両側に中間壁部40,40が設けられていることから、インナ軸部材12と中間スリーブ14との装着状態では、第一の外方突部22,22と中間壁部40,40とが、第一の軸直方向で相互に対向している。そして、第一の外方突部22,22に対して、中間壁部40,40の軸方向両端部分に設けられた内方突部46,46が、軸方向両側に、即ち軸方向外方に離隔して位置している。
本実施形態では、第一の外方突部22,22の軸方向中間部分における外周面が、軸方向と平行に、且つ湾曲して広がる軸方向平面28,28とされているとともに、中間壁部40,40の軸方向中間部分における内周面が、軸方向と平行に、且つ湾曲して広がる軸方向平面50,50とされている。このことから、これら第一の外方突部22,22の軸方向平面28,28と中間スリーブ14における軸方向平面50,50とが、第一の軸直方向で、相互に離隔して対向している。なお、第一の外方突部22,22における軸方向平面28,28の軸方向寸法に比べて、中間スリーブ14における軸方向平面50,50の軸方向寸法の方が大きくされている。
また、本実施形態では、第一の外方突部22,22の軸方向両側に、テーパ状面とされた軸方向両端面26,26が設けられているとともに、中間壁部40,40の軸方向両端部に、軸方向内面48,48がテーパ状面とされた内方突部46,46が設けられている。このことから、インナ軸部材12と中間スリーブ14との装着状態において、これら第一の外方突部22,22の軸方向両端面26,26と内方突部46,46の軸方向内面48,48とが、軸方向に対して傾斜する方向で相互に対向する対向面とされている。
一方、リング部材20からは、第二の軸直方向両側に第二の外方突部24,24が突出している一方、中間スリーブ14には、第二の軸直方向両側に開口窓44,44が設けられていることから、インナ軸部材12と中間スリーブ14との装着状態では、第二の外方突部24,24が、開口窓44,44に向かって突出している。なお、かかる状態において、第二の外方突部24,24と、開口窓44,44の周縁部、即ち中間壁部40,40の周方向両端部や脚部42,42とは、所定の周方向寸法や軸方向寸法をもって離隔している。
かくの如く配置されたリング部材20付きのインナ軸部材12と中間スリーブ14(半割筒状体30a,30b)は、本体ゴム弾性体16によって弾性連結されている。本体ゴム弾性体16は、図1や図3に示されているように、第一の軸直方向の両側において、インナ軸部材12に設けられた第一の外方突部22,22の外周面25,25に固着されているとともに、中間スリーブ14における中間壁部40,40の内周面45,45に固着されている。
すなわち、本体ゴム弾性体16は、第一の軸直方向の両側において、第一の軸直方向で対向する軸方向平面28,28と軸方向平面50,50との間に配されて軸方向に延びる軸方向延出部52,52と、軸方向に対して傾斜する方向で対向する軸方向端面26,26と軸方向内面48,48との対向面間に配されて軸方向外方になるにつれて内周側に向かって傾斜する方向に延びる傾斜方向延出部54,54とを備えている。換言すれば、第一の外方突部22,22における軸方向平面28,28と中間スリーブ14における軸方向平面50,50とが、本体ゴム弾性体16における軸方向延出部52,52により第一の軸直方向で連結されているとともに、第一の外方突部22,22における軸方向端面26,26と中間スリーブ14における軸方向内面48,48とが、軸方向延出部52,52の軸方向両側において、傾斜方向延出部54,54により連結されている。
なお、これら軸方向延出部52,52と、当該軸方向延出部52,52の軸方向両側に位置する傾斜方向延出部54,54とは、一体的に形成されており、軸方向で連続している。また、傾斜方向延出部54,54の軸方向外方端部には、軸方向外方に開口する凹部56,56が形成されている。
さらに、インナ軸部材12の外周面は、略全面に亘って被覆ゴム層58が固着されているとともに、インナ軸部材12に設けられた第二の外方突部24,24の外周面においても、略全面に亘って被覆ゴム層60が固着されている。更にまた、中間スリーブ14の外周面29においても、略全面に亘って被覆ゴム層62が固着されている。
また、半割筒状体30a,30bの突き合わせ面となる周方向両端面32,32には、緩衝ゴム64が固着されて、周方向両端面32,32間の隙間34に配されている。なお、本実施形態では、両方の半割筒状体30a,30bの周方向両端面32,32に緩衝ゴム64が固着されているが、例えば何れか一方の半割筒状体30a(30b)の周方向端面32に緩衝ゴム64が固着されるようになっていてもよい。
そして、本実施形態では、軸方向延出部52,52と傾斜方向延出部54,54、54,54と被覆ゴム層58,60,62と緩衝ゴム64とが、本体ゴム弾性体16として一体的に形成されている。特に、本実施形態では、かかる本体ゴム弾性体16が、図11〜13に示されているように、リング部材20が装着されたインナ軸部材12と、中間スリーブ14(半割筒状体30a,30b)を備える一体加硫成形品66として形成されている。
かくの如き構造とされた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品66には、中間スリーブ14(半割筒状体30a,30b)に対して、アウタ筒部材18が、外挿状態で固定されている。換言すれば、一対の半割筒状体30a,30bが、相互に突き合わされた状態で、アウタ筒部材18に固定されている。かかるアウタ筒部材18は、鉄やアルミニウム合金などの金属や硬質の合成樹脂などで形成された高剛性の部材であって、図1などにも示されているように、全体として略円筒形状を有している。
本実施形態では、一体加硫成形品66に対してアウタ筒部材18が外挿されて軸直角方向の絞り加工などの縮径加工が施されることにより、一体加硫成形品66の外周側にアウタ筒部材18が略密接して位置している。なお、このようにアウタ筒部材18に対して縮径加工が施されることで、本体ゴム弾性体16における第一の軸直方向の両側の部分(軸方向延出部52や傾斜方向延出部54)が圧縮されて、傾斜方向延出部54,54の軸方向外方端部が、凹部56,56内に膨出変形せしめられるようになっていてもよい。また、かかるアウタ筒部材18の軸方向寸法は、中間スリーブ14の軸方向寸法より大きくされており、アウタ筒部材18の軸方向両端を内周側に折り曲げることで、アウタ筒部材18が中間スリーブ14に対してかしめ固定されている。これにより、アウタ筒部材18に対して中間スリーブ14が軸方向で位置決めされ得る。
特に、本実施形態では、中間スリーブ14の外周面29に被覆ゴム層62が固着されていることから、アウタ筒部材18が、被覆ゴム層62を介して中間スリーブ14に対して外嵌固定されている。
一方、インナ軸部材12に設けられる第二の外方突部24,24は、アウタ筒部材18にまでは至らない突出寸法で形成されていることから、中間スリーブ14へアウタ筒部材18を外嵌固定することにより、中間スリーブ14の開口窓44,44が外周側から閉鎖されて、インナ軸部材12における第二の軸直方向両側、即ちインナ軸部材12を挟んだ第二の軸直方向両側では、第二の外方突部24,24の周囲に所定の大きさの空間68,68が形成されている。換言すれば、第二の軸直方向において、第二の外方突部24,24とアウタ筒部材18とが所定距離を隔てて対向しており、デフマウント10に対して第二の軸直方向の過大な振動入力があった際には、第二の外方突部24,24が、開口窓44,44を通じてアウタ筒部材18と当接するようになっている。このように、第二の外方突部24,24が開口窓44,44を通じてアウタ筒部材18と当接することで、第二の軸直方向におけるインナ軸部材12とアウタ筒部材18との相対的な変位量を制限するストッパ機構70が構成されている。
以上の如き構造とされた本実施形態のデフマウント10では、第一の外方突部22,22と、中間スリーブ14の中間壁部40,40とが、第一の軸直方向において対向せしめられて、かかる対向間に本体ゴム弾性体16が配されていることから、第一の軸直方向における振動入力時に、本体ゴム弾性体16が圧縮せしめられることで、軸直角方向における防振効果が発揮される。また、第二の軸直方向の振動入力時には、第二の外方突部24,24が、開口窓44,44を通じてアウタ筒部材18に当接することで、インナ軸部材12とアウタ筒部材18との相対変位が規制され得る。一方、第一の外方突部22,22と、中間スリーブ14の中間壁部40,40における内方突部46,46とが、軸方向に傾斜する方向で対向せしめられて、かかる対向面間に本体ゴム弾性体16が配されていることから、軸方向における入力振動時に、本体ゴム弾性体16が圧縮せしめられることで、軸方向における防振効果も発揮される。
ここにおいて、第一の軸直方向において、本体ゴム弾性体16が、第一の外方突部22,22と中間スリーブ14の中間壁部40,40とによって挟まれて保持されていることから、第一の軸直方向における入力振動に対して硬いばね特性が発揮される。一方、第二の軸直方向において、第二の外方突部24,24の周囲には空間68,68が形成されていることから、第二の軸直方向における入力振動に対して柔らかいばね特性が発揮される。これにより、互いに直交する軸直二方向におけるばね比を大きく設定することができる。
特に、本実施形態では、第一の外方突部22,22の外周面25,25において、軸方向と平行な軸方向平面28,28が設けられているとともに、中間スリーブ14の中間壁部40,40の内周面45,45において、軸方向に平行な軸方向平面50,50が設けられて、これらの対向面間に本体ゴム弾性体16の軸方向延出部52,52が設けられている。それ故、第一の軸直方向における振動入力時に、より確実に本体ゴム弾性体16が圧縮せしめられて、良好な防振効果が発揮され得る。
一方、第一の外方突部22,22の外周面25,25において、軸方向両側には、軸方向に対して傾斜する軸方向端面26,26が設けられているとともに、中間スリーブ14の中間壁部40,40の軸方向両端部分には、軸方向内面48,48が軸方向に対して傾斜する内方突部46,46が設けられて、これら軸方向端面26,26と軸方向内面48,48とが、軸方向で傾斜する方向で対向している。そして、これらの対向面間に本体ゴム弾性体16の傾斜方向延出部54,54が設けられていることから、軸方向における振動入力時に、より確実に本体ゴム弾性体16が圧縮せしめられて、良好な防振効果が発揮され得る。特に、これら軸方向端面26,26と軸方向内面48,48とが、同方向に傾斜することで、本体ゴム弾性体16の肉厚寸法が局所的に小さくなることが回避されることから、本体ゴム弾性体16の変形時に局所的な歪みや応力の集中が発生することが防止される。これにより、本体ゴム弾性体16、ひいてはデフマウント10の耐久性の向上が図られ得る。
また、本実施形態のデフマウント10では、中間スリーブ14が、周方向で二分割された半割筒状体30a,30bから構成されていることから、本実施形態のように、内周面45,45に内方突部46,46が形成される場合であっても、製造が容易とされ得る。そして、これら半割筒状体30a,30bが相互に突き合わされた状態で、アウタ筒部材18が外嵌固定されることから、アウタ筒部材18と中間スリーブ14とを軸方向で位置決めする構成を別途採用することがなく、アウタ筒部材18と中間スリーブ14との固定構造が簡略化され得る。
さらに、本実施形態では、中間スリーブ14において、半割筒状体30a,30bにおける突き合わせ面となる周方向端面32,32が、開口窓44,44の形成部分となる第二の軸直方向両側に設けられている。すなわち、中間スリーブ14において、軸直角方向の振動入力時に本体ゴム弾性体16を圧縮せしめる第一の軸直方向両側部分の強度が十分に確保されることから、本体ゴム弾性体16の圧縮変形が安定して実現されて、第一の軸直方向における防振効果が一層確実に発揮され得る。
更にまた、本実施形態では、中間スリーブ14の外周面29が、被覆ゴム層62によって覆われていることから、中間スリーブ14とアウタ筒部材18との直接の当接が回避されて、異音の発生が防止され得る。同様に、半割筒状体30a,30bの突き合わせ面(周方向両端面32,32間)には、緩衝ゴム64が設けられていることから、半割筒状体30a,30b同士の直接の当接が回避されて、異音の発生が防止され得る。また、半割筒状体30a,30bの製造時における寸法誤差が、緩衝ゴム64の圧縮変形により吸収されることから、半割筒状体30a,30b、ひいてはデフマウント10の製造効率の向上が図られ得る。
また、本実施形態では、中間スリーブ14(半割筒状体30a,30b)が、合成樹脂製とされる場合には、中間スリーブ14、ひいてはデフマウント10の重量やコストの低減が図られ得る。
次に、図14には、本発明に従う構造とされた筒形防振装置の第二の実施形態として、自動車用のデフマウント80が示されている。本実施形態のデフマウント80は、前記第一の実施形態におけるデフマウント(10)に比べて、第一の外方突部の突出寸法および/または内方突部の突出寸法が異ならされている。なお、本実施形態において、第一の外方突部以外の部分は、前記第一の実施形態と同様の構造が採用され得ることから、詳細な説明を省略する。また、本実施形態において、前記第一の実施形態と実質的に同一の部材または部位には、図中に、前記第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、詳細な説明を省略する。
すなわち、前記第一の実施形態では、デフマウント(10)における軸方向の投影において、第一の外方突部(22,22)と内方突部46,46とが相互に重ならない大きさで形成されていたが、本実施形態のデフマウント80では、内方突部46,46の突出寸法が前記第一の実施形態と略等しくされている一方、第一の外方突部82,82の突出寸法が前記第一の実施形態よりも大きくされている。これにより、デフマウント80における軸方向の投影において、第一の外方突部82,82と内方突部46,46とが、第一の軸直方向で所定距離B(図14参照)をもって相互に重なるようになっている。すなわち、第一の外方突部82,82における最大の外径寸法が、内方突部46,46における最小内径寸法よりも大きくされている。そして、このように軸方向の投影で重なるようにされた第一の外方突部82,82における軸方向端面26,26と内方突部46,46における軸方向内面48,48との軸方向対向面間に、本体ゴム弾性体16の傾斜方向延出部54,54が配されている。
なお、本実施形態では、前記第一の実施形態に比べて、第一の外方突部82,82の突出寸法を大きくすることで、デフマウント80の投影において、第一の外方突部82,82と内方突部46,46とが相互に重なるようになっていたが、例えば第一の実施形態において第一の外方突部の突出寸法を変えることなく、内方突部の突出寸法を大きくしてもよいし、第一の外方突部と内方突部の両方の突出寸法を大きくしてもよい。
かかる構造とされた本実施形態のデフマウント80では、軸方向の投影において、第一の外方突部82,82と内方突部46,46とが相互に重なるようにされていることから、デフマウント80に軸方向の外力が及ぼされた場合に、第一の外方突部82,82における軸方向端面26,26と内方突部46,46における軸方向内面48,48との軸方向間で、本体ゴム弾性体16の傾斜方向延出部54,54が、一層効率的に圧縮変形せしめられるようになっている。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態に関する具体的な記載によって、何等限定的に解釈されるものではない。
たとえば、前記実施形態では、第一の外方突部22,82の軸方向端面26,26および内方突部46,46の軸方向内面48,48は、それぞれ軸方向外方に向かって次第に小径となるテーパ状面とされていたが、かかる態様に限定されるものではない。すなわち、例えば第一の外方突部の軸方向端面と、内方突部の軸方向内面との少なくとも一方は、軸直角方向に延びる垂直面とされてもよい。なお、第一の外方突部22,82の軸方向端面26,26や内方突部46,46の軸方向内面48,48について、その軸方向傾斜角度を変更したり、軸方向に傾斜した対向面間距離を変更することで、軸方向と軸直角方向のばね比や耐久性などを調節することも可能である。
また、前記実施形態では、一対の半割筒状体30a,30bが第一の軸直方向で対向して、これらの突き合わせ位置(周方向両端面32,32)が第二の軸直方向両側に設けられていたが、一対の半割筒状体は、第二の軸直方向で対向して、突き合わせ位置が第一の軸直方向両側に設けられるようになっていてもよい。
さらに、インナ軸部材12の外周面や、第二の外方突部24,24の外周面、中間スリーブ14の外周面29に設けられる被覆ゴム層58,60,62や、半割筒状体30a,30bの突き合わせ面(周方向両端面32,32)間の隙間34に設けられる緩衝ゴム64は、本体ゴム弾性体16とは別体とされて固着されてもよい。尤も、かかる被覆ゴム層や緩衝ゴムは必須なものではない。
更にまた、第一の外方突部22,82や第二の外方突部24、中間スリーブ14の形状は前記実施形態のものに限定されるものではない。すなわち、例えば、第一の外方突部の外周面において外径寸法が略一定とされた軸方向平面や、中間スリーブの内周面において内径寸法が略一定とされた軸方向平面は必須なものではない。
また、前記実施形態では、リング部材20に第一の外方突部22,22と第二の外方突部24,24とが設けられて、当該リング部材20がインナ軸部材12に外挿固定されていたが、かかる態様に限定されるものではなく、第一の外方突部と第二の外方突部とをインナ軸部材に対して一体的に形成してもよい。
さらに、本発明の筒形防振装置は、自動車用のデフマウントに限定されるものではなく、自動車における各種の筒形防振装置、または自動車以外の各種の筒形防振装置にも適用され得る。
10,80:デフマウント(筒形防振装置)、12:インナ軸部材、14:中間スリーブ、16:本体ゴム弾性体、18:アウタ筒部材、21a:直線(第一の軸直方向)、21b:直線(第二の軸直方向)、22,82:第一の外方突部、24:第二の外方突部、25:第一の外方突部の外周面、26:軸方向端面(対向面)、28:第一の外方突部の軸方向平面、29:中間スリーブの外周面、30a,30b:半割筒状体、32:周方向端面、44:開口窓、45:中間スリーブの内周面、46:内方突部、48:軸方向内面(対向面)、50:中間スリーブの軸方向平面、62:被覆ゴム層、64:緩衝ゴム、68:空間、70:ストッパ機構
Claims (8)
- インナ軸部材の外周側にアウタ筒部材が配設されており、これらインナ軸部材とアウタ筒部材とが本体ゴム弾性体で弾性連結された筒形防振装置において、
前記インナ軸部材の軸方向中間部分には、互いに直交する第一の軸直方向と第二の軸直方向とにおいてそれぞれ軸直角方向外方に突出する第一の外方突部と第二の外方突部とが設けられている一方、
該インナ軸部材の回りを周方向に延びる中間スリーブが配されて、該インナ軸部材と該中間スリーブとが前記本体ゴム弾性体で連結されていると共に、該中間スリーブに前記アウタ筒部材が外挿状態で固定されており、
該インナ軸部材における該第一の軸直方向の両側では、該中間スリーブの軸方向両端部分において内周に向かって突出して該第一の外方突部の軸方向両側に位置する内方突部が設けられて、該第一の外方突部と該中間スリーブとが軸直角方向と軸方向両側とにおいてそれぞれ前記本体ゴム弾性体で連結されている一方、
該インナ軸部材における該第二の軸直方向の両側では、該第二の外方突部の周囲に空間が設けられていると共に、該第二の外方突部と該アウタ筒部材とが該中間スリーブに設けられた開口窓を通じて該第二の軸直方向で当接するストッパ機構が構成されており、更に、
該中間スリーブが周方向で二分割された一対の半割筒状体から構成されており、該一対の半割筒状体が周方向の両端面を互いに突き合わせた状態で該アウタ筒部材に対して固定されていることを特徴とする筒形防振装置。 - 前記インナ軸部材の前記第一の外方突部と前記中間スリーブの前記内方突部とが軸方向の投影において相互に重なっていると共に、かかる相互に重なった該第一の外方突部と該内方突部との軸方向対向面間には前記本体ゴム弾性体が配されている請求項1に記載の筒形防振装置。
- 前記インナ軸部材における前記第一の外方突部と前記中間スリーブの前記内方突部との対向面が、何れも、軸方向外方に向かって次第に小径となるテーパ状面とされて、軸方向で傾斜して対向せしめられていると共に、かかる軸方向で傾斜した対向面間に前記本体ゴム弾性体が配されている請求項1又は2に記載の筒形防振装置。
- 前記中間スリーブを構成する前記一対の半割筒状体における周方向の両端面の突き合わせ位置が、該中間スリーブにおける前記開口窓の形成部分とされている請求項1〜3の何れか一項に記載の筒形防振装置。
- 前記中間スリーブの外周面が被覆ゴム層によって覆われており、前記アウタ筒部材が該被覆ゴム層を介して該中間スリーブに対して外嵌固定されている請求項1〜4の何れか一項に記載の筒形防振装置。
- 前記インナ軸部材における前記第一の外方突部の外周面には、外径寸法が略一定となるように周方向に湾曲した軸方向平面が設けられていると共に、前記中間スリーブにおける前記第一の軸直方向両側の内周面には、内径寸法が略一定となるように周方向に湾曲した軸方向平面が設けられており、これら第一の外方突部の軸方向平面と中間スリーブの軸方向平面とが該第一の軸直方向で対向配置されて前記本体ゴム弾性体で連結されている請求項1〜5の何れか一項に記載の筒形防振装置。
- 前記中間スリーブが合成樹脂製である請求項1〜6の何れか一項に記載の筒形防振装置。
- 前記中間スリーブを構成する前記一対の半割筒状体における周方向の両端面の突き合わせ面間には、緩衝ゴムが配されている請求項1〜7の何れか1項に記載の筒形防振装置。
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EP3992491A1 (de) * | 2020-10-20 | 2022-05-04 | Vibracoustic SE | Lagerbuchse |
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