JP2018024721A - 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
「1.着色剤、有機溶剤、没食子酸エステルを含んでなることを特徴とする筆記具用油性インキ組成物。
2.前記没食子酸エステルのアルキル基の炭素数が、1〜18であることを特徴とする第1項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
3.前記没食子酸エステルの含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1〜5.0質量%であること特徴とする第1項または第2項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
4.前記筆記具用油性インキ組成物に、分岐鎖を有する脂肪酸を含んでなることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
5.前記分岐鎖を有する脂肪酸の含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1〜10.0質量%であること特徴とする第4項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
6.第1項〜第5項のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物が収容されてなることを特徴とする筆記具。」とする。
本発明で用いる没食子酸エステルについては、没食子酸と、アルコールとから調製されるエステルであり、下記一般式(化1)のように示される。没食子酸エステルを含有することで、インキ成分と反応して発生する金属塩析出物を抑制し、さらに潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制する両方の効果が得られるが、これについて、詳細説明する。
さらに、分岐鎖を有する脂肪酸を含んでなることが好ましい。これは、分岐鎖を有する脂肪酸を含有することで、吸着膜を形成して、没食子酸エステルとの相互作用によって形成される潤滑膜が、より潤滑性の優れる潤滑膜によって、通常筆記(100〜200g)の潤滑性だけではなく、高筆圧筆記(500g)における潤滑性を向上して、ボールの潤滑性を保ち、ボール座の摩耗を抑制し、筆跡に線飛び、カスレがなく、良好な筆跡とすることを可能とする。
本発明に用いる有機溶剤としては、芳香族アルコール溶剤を用いることが好ましい。これは、前記没食子酸エステルや、分岐鎖を有する脂肪酸を溶解安定し、長期間インキ経時安定性が得られやすく、さらに、芳香環を有することで潤滑性も向上しやすいため、好ましい。
本発明では樹脂を用いることが好ましい、具体的には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂、アルキッド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などが挙げられるが、インキ中での安定性に優れるようにするには、ポリビニルブチラール樹脂またはケトン樹脂を用いることが好ましい。
さらに、書き味を向上するためには、ポリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましい。ポリビニルブチラール樹脂については、ポリビニルアルコール(PVA) をブチルアルデヒド(BA)と反応させたものであり、ブチラール基、アセチル基、水酸基を有した構造であるが、従来技術としては、ポリビニルブチラール樹脂を顔料分散剤として、好適に用いた技術はあるが、本発明では、書き味を向上しやすくする効果がある。
そのため、本発明のように、潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制して、かつ、ドライアップ時の書き出し性能を向上するには、前記分岐鎖を有する脂肪酸エステルと、ポリビニルブチラール樹脂を併用することが好ましい。
なお、前記ポリビニルブチラール樹脂の水酸基量(mol%)とは、ブチラール基(mol%)、アセチル基(mol%)、水酸基(mol%)の 全mol量に対して、水酸基(mol%)の含有率を示すものである。
また、ボールの直径は、特に限定されないが、一般的には0.2mm〜2.0mm程度である。
着色剤(酸性染料と塩基性染料との造塩染料) 5.0質量%
着色剤(有機酸と塩基性染料との造塩染料) 5.0質量%
着色剤(顔料分散体、顔料分17%、ピグメントブルー) 20.0質量%
アルコール系溶剤(ベンジルアルコール) 45.0質量%
グリコールエーテル系溶剤(エチレングリコールモノフェニルエーテル)10.0質量%
没食子酸エステル 0.5質量%
分岐鎖を有する脂肪酸(イソステアリン酸) 2.0質量%
ポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBL−1、水酸基量:36mol%、平均重合度:300)10.0質量%
曳糸性付与樹脂(ポリビニルピロリドン樹脂) 0.5質量%
有機アミン(オキシエチレンアルキルアミン) 2.0質量%
実施例1〜12及び比較例1〜5で作製した筆記具用油性インキ組成物を、インキ収容筒(ポリプロピレン製)の先端に、ボール(φ0.7mm)を回転自在に抱時したステンレス材のボールペンチップを装着するとともに、インキ収容筒内に、実施例1の油性ボールペン用インキ(0.2g)を直に収容してボールペンレフィルを(株)パイロットコーポレーション製の油性ボールペン(商品名:スーパーグリップ(登録商標))に配設して、油性ボールペンを作製し、以下の試験及び評価を行った。
金属塩析出物がなく、良好のもの ・・・◎
金属塩析出物が微少に発生したもの ・・・○
金属塩析出物が発生したが、実用上問題のないもの ・・・△
金属塩析出物が発生し、カスレや筆記不良などの原因になるもの ・・・×
ボール座の摩耗が5μm未満のもの ・・・◎
ボール座の摩耗が5μm以上、10μm未満であるもの ・・・○
ボール座の摩耗が10μm以上、20μm未満であるが、筆記可能であるもの ・・・△
ボール座の摩耗がひどく、筆記不良になってしまうのもの ・・・×
<筆記条件>筆記荷重200gf、筆記角度70°、筆記速度4m/minの条件で、走行試験機にて直線書きを行い、筆跡カスレ長さを測定し、評価した。
筆跡カスレ5mm未満であるもの ・・・◎
筆跡カスレ5mm以上、10mm未満であるもの ・・・○
筆跡カスレ10mm以上、20mm未満であるもの ・・・△
筆跡カスレ20mm以上であるもの ・・・×
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかなもの ・・・○
やや重いもの ・・・△
重いもの ・・・×
チップ先端のインキ滴がないもの ・・・◎
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以内のもの ・・・○
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以上、1/2以内のもの・・・△
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/2以上のもの ・・・×
Claims (6)
- 着色剤、有機溶剤、没食子酸エステルを含んでなることを特徴とする筆記具用油性インキ組成物。
- 前記没食子酸エステルのアルキル基の炭素数が、1〜18であることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用油性インキ組成物。
- 前記没食子酸エステルの含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1〜5.0質量%であること特徴とする請求項1または2に記載の筆記具用油性インキ組成物。
- 前記筆記具用油性インキ組成物に、分岐鎖を有する脂肪酸を含んでなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
- 前記分岐鎖を有する脂肪酸の含有量が、インキ組成物全質量に対して、0.1〜10.0質量%であること特徴とする請求項4に記載の筆記具用油性インキ組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物が収容されてなることを特徴とする筆記具。
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JP2016155500A JP2018024721A (ja) | 2016-08-08 | 2016-08-08 | 筆記具用油性インキ組成物及びそれを用いた筆記具 |
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