JP2018003424A - 柱と梁との接合構造および接合方法 - Google Patents

Abstract

【課題】 柱内部にダイアフラム等の部材を接合することなく、また、特殊な構造の柱梁接合金物を用いることなく、簡易な構造で柱の外部のみで作業が可能な柱と梁との接合構造を提供する。【解決手段】 柱５には、一対の外ダイアフラム３ａ、３ｂが接合される。外ダイアフラム３ａ、３ｂには、エンドプレート１３ａと柱５とで挟まれる方向に雌ねじ１５が形成される。梁９ａの上下のフランジ部１１ａ、１１ｂおよびウェブの端面には、エンドプレート１３ａが溶接によって接合される。エンドプレート１３ａの上下の張り出し部には、外ダイアフラム３ａ、３ｂの雌ねじ１５に応じた位置にボルト孔１７が形成される。エンドプレート１３ａは、梁９ａの長手方向に平行な方向のボルト７によって外ダイアフラム３ａ、３ｂに接合される。【選択図】図２

Description

本発明は、鋼管柱に対して梁が接合される柱と梁との接合構造等に関するものである。

従来、鋼管柱を用いた構造物において、Ｈ形鋼からなる梁を接合する場合がある。柱と梁とを接合する場合には、接合部において、梁からの応力を柱に効率良く伝達させるために、梁のフランジ部の高さに応じた通しダイアフラムや内ダイアフラムが設けられる。通しダイアフラムは、柱と柱の間に溶接で接合される板状部材であり、内ダイアフラムは柱の内部に溶接で接合される板状部材である。通常、通しダイアフラムや内ダイアフラムは、あらかじめ工場で接合される。

このような柱梁接合構造として、柱の外周面の少なくとも梁が取り付けられる範囲が平坦に形成された柱梁接合金物が柱に溶接接合され、Ｈ形鋼からなる梁が柱梁接合金物の外周面にノンスカラップ溶接により接合される柱梁接合構造がある（特許文献１）。

また、柱の外面に接合される外ダイアフラムを用いた方法もある（例えば特許文献２）。

特開２００１−３２９６１３号公報 特開２０１５−２２４４６０号公報

しかし、柱内部に内ダイアフラムを設ける作業は、溶接量が多く、作業性が悪いという問題がある。また、特許文献１に記載の構造では、柱梁接合部を一体成型する必要があり、金物の質量が大きくなるとともに高価なものとなる。

また、外ダイアフラムは柱の外部から作業が可能ではあるが、特許文献２の構造では、接続部の構造が複雑で大型化するという問題がある。また、外ダイアフラムのサイズが大きいため、外ダイアフラムを接合した柱を工場から運搬するのが困難である。

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、柱内部にダイアフラム等の部材を接合することなく、また、特殊な構造の柱梁接合金物を用いることなく、簡易な構造で柱の外部のみで作業が可能な柱と梁との接合構造を提供することを目的とする。

前述した目的を達成するため、第１の発明は、柱と梁との接合構造であって、柱の外面の異なる高さに接合される外ダイアフラムと、端面に第１のエンドプレートが接合された第１の梁と、を具備し、前記外ダイアフラムには、前記第１のエンドプレートと前記柱とで挟まれる方向に雌ねじが形成され、前記第１のエンドプレートには、前記外ダイアフラムの前記雌ねじに応じた位置にボルト孔が形成され、前記第１のエンドプレートと前記外ダイアフラムとが、前記第１の梁の長手方向に平行な方向にボルトよって接合されることを特徴とする柱と梁との接合構造である。

前記外ダイアフラムは、周方向に複数に分割されており、分割されたそれぞれの前記外ダイアフラムは、少なくとも前記柱の二面にまたがって前記柱の外面に接合されてもよい。

分割されたそれぞれの前記外ダイアフラム同士は隙間をあけて前記柱に接合されてもよい。

前記第１の梁と高さが異なり、前記第１の梁とは異なる方向に前記柱と接合される第２の梁を有し、前記第２の梁の端面には第２のエンドプレートが接合され、前記第２のエンドプレートの高さは、前記第２の梁の高さよりも高く、前記第２のエンドプレートの両端部は、前記第２の梁の両フランジ面から上下に張り出しており、前記第２のエンドプレートの張り出し部には、前記外ダイアフラムの前記雌ねじに応じた位置にボルト孔が形成され、前記第２のエンドプレートと前記外ダイアフラムとが、前記第２の梁の長手方向に平行な方向にボルトよって接合されてもよい。

前記第１のエンドプレートの高さは、前記第１の梁の高さよりも高く、前記第１のエンドプレートの両端部は、前記第１の梁の両フランジ面から上下に張り出しており、前記ボルト孔は、前記第１のエンドプレートの張り出し部に形成されてもよい。

第１の発明によれば、柱の外面に外ダイアフラムが接合されるため、柱の外部のみで施工が可能であり、内ダイアフラムや通しダイアフラムと比較して、施工が容易である。また、エンドプレートと外ダイアフラムとを、梁の長手方向に平行な方向にボルトで接合するため、外ダイアフラムの厚みは、ボルトとの接合代程度でよい。このため、特殊な構造の柱梁接合金物を用いることなく、施工が容易であり、コンパクトで簡易な構造の柱と梁との接合構造を得ることができる。

また、外ダイアフラムが周方向に複数に分割されれば、柱への外ダイアフラムの接合が容易となる。また、分割された外ダイアフラムが少なくとも２面にまたがって柱に接合されることで、梁からの応力を確実に柱に伝達することができる。

また、分割された外ダイアフラム同士が、柱の外周で隙間をあけて接合されることで、柱や外ダイアフラムの加工精度等によって、外ダイアフラムと柱との間に隙間などが生じることを抑制することができる。

また、異なる高さの梁を接合する際には、それぞれの梁の高さに応じたエンドプレートを用い、それぞれのエンドプレートを対応する部位に外ダイアフラムに接合することで、互いに高さの異なる梁に対しても、簡易な構造で対応することができる。

また、第１のエンドプレートの高さを、第１の梁の高さよりも高くし、ボルト孔を、第１のエンドプレートの張り出し部に形成することで、第１の梁のウェブに干渉せずに、ボルトを配置することができる。

第２の発明は、柱と梁との接合方法であって、外ダイアフラムと、あらかじめ端面にエンドプレートが接合された梁を用い、前記外ダイアフラムには、前記エンドプレートと前記柱とで挟まれる方向に雌ねじが形成され、前記エンドプレートの高さは、前記梁の高さよりも高く、前記エンドプレートの両端部は、前記梁の両フランジ面から上下に張り出しており、前記エンドプレートの張り出し部には、前記外ダイアフラムの雌ねじに応じた位置にボルト孔が形成され、柱の外面の異なる高さに前記外ダイアフラムを接合し、前記エンドプレートと前記外ダイアフラムとを、前記梁の長手方向に平行な方向に前記ボルト孔および前記雌ねじにボルトを挿入して接合することを特徴とする柱と梁との接合方法である。

第２の発明によれば、現場で容易に施工が可能な柱と梁との接合方法を得ることができる。

本発明によれば、柱内部にダイアフラム等の部材を接合することなく、また、特殊な構造の柱梁接合金物を用いることなく、簡易な構造で柱の外部のみで作業が可能な柱と梁との接合構造を提供することができる。

柱と梁の接合構造１を示す斜視図。 柱と梁の接合構造１を示す平面図。 柱と梁の接合構造１ａを示す平面図。 柱と梁の接合構造１ｂを示す平面図。 柱と梁の接合構造１ｃを示す平面図。 柱と梁の接合構造１ｄを示す平面図。 柱と梁の接合構造１ｅを示す平面図。 柱と梁の接合構造１ｆを示す平面図。 柱と梁の接合構造１ｇを示す平面図。 柱と梁の接合構造１ｈを示す平面図。 柱と梁の接合構造１ｉを示す平面図。 柱と梁の接合構造１ｊを示す平面図。 柱と梁の接合構造１ｋを示す平面図。

以下、本発明の実施の形態にかかる柱と梁の接合構造１について説明する。図１は、柱と梁の接合構造１を示す斜視図であり、図２は平面図（柱５の断面図）である。柱と梁の接合構造１は、柱５に複数の梁９ａが接合された構造である。

柱５は中空の角形鋼管柱である。また、第１の梁である梁９ａはＨ形鋼である。なお、図示した例では、柱５の四面のそれぞれに、同一高さの梁９ａが四方向に接合される例を示すが、梁９ａは、二方向にのみ接合されてもよく、三方向に接合されてもよい。

柱５には、一対の外ダイアフラム３ａ、３ｂが接合される。なお、外ダイアフラム３ａ、３ｂは、柱５の外面に接合される。外ダイアフラム３ａ、３ｂは、柱５に所定の間隔をあけて異なる高さに設けられる。外ダイアフラム３ａ、３ｂには、前記第１のエンドプレートと前記柱とで挟まれる方向に雌ねじ１５が形成される（図２参照）。

梁９ａの上下のフランジ部１１ａ、１１ｂおよびウェブの端面には、第１のエンドプレートである、エンドプレート１３ａが溶接によって接合される。エンドプレート１３ａの高さは、梁９ａの高さよりも高い。したがって、エンドプレート１３ａの上下の両端部は、梁９ａの両フランジ部１１ａ、１１ｂの上下面から上下に張り出す。エンドプレート１３ａの張り出し部には、外ダイアフラム３ａ、３ｂの雌ねじ１５に応じた位置にボルト孔１７が形成される。ボルト孔１７は、雌ねじ１５よりも大きな孔である。複数のボルト孔１７は、上下のそれぞれの部位において、横一列に配置される。

ボルト孔１７および雌ねじ１５の位置は略一致するため、梁９ａの長手方向に平行な方向に、ボルト７をボルト孔１７および雌ねじ１５に挿入することができる。したがって、エンドプレート１３ａは、梁９ａの長手方向に平行な方向に、ボルト７によって外ダイアフラム３ａ、３ｂに接合される。

なお、柱と梁との接合方法としては、まず、梁９ａとエンドプレート１３ａとを、あらかじめ工場等で接合する。外ダイアフラム３ａ、３ｂは、あらかじめ工場等で柱５の外面の異なる高さに接合してもよく、現場で接合してもよい。いずれにしても、柱５の外形が大きくなり過ぎることがないため、運搬等が容易である。現場において、エンドプレート１３ａと外ダイアフラム３ａ、３ｂとを、梁９ａの長手方向に平行な方向にボルト孔１７および雌ねじ１５にボルト７を挿入して接合することで、柱と梁との接合を得ることができる。

以上、第１の実施の形態によれば、柱５の内部に内ダイアフラム等の部材を接合することなく、また、特殊な構造の柱梁接合金物を用いることなく、簡易な構造で柱５の外部のみで作業が可能な柱と梁との接合構造１を得ることができる。この際、外ダイアフラム３ａ、３ｂがあらかじめ柱５に接合されていれば、ボルト７のみで接合が完了するため、現場での作業が容易である。また、外ダイアフラム３ａ、３ｂとエンドプレート１３ａとがボルト７によって接合されるため、梁９ａからの応力を柱５に確実に伝達することができる。

次に、第２の実施形態について説明する。図３は、柱と梁の接合構造１ａを示す平面図（柱５の断面図）である。なお、以下の説明において、柱と梁との接合構造１と同様の機能を奏する構成については図１〜図２と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。

柱と梁の接合構造１ａは、柱と梁の接合構造１とほぼ同様であるが、外ダイアフラム３ａ、３ｂが、周方向に複数に分割される点で異なる。図示した例では、外ダイアフラム３ａは、柱５のそれぞれの面の幅方向の略中央で分割され、周方向に四分割される。なお、外ダイアフラム３ａも同様である。分割されたそれぞれの外ダイアフラム３ａは、少なくとも柱５の二面にまたがって柱５の外面に接合される。

この際、外ダイアフラム３ａ同士の間には、隙間１９が形成される。このようにすることで、柱５や外ダイアフラム３ａの加工精度によって、外ダイアフラム３ａ同士が突き合わさり、柱５と外ダイアフラム３ａとの間に隙間等が形成されることを抑制し、効率よく、柱５へ外ダイアフラム３ａを接合することができる。

なお、外ダイアフラム３ａを周方向に分割した場合でも、外ダイアフラム３ａが柱５の少なくとも二面にまたがるようにＬ字等の屈曲形状を設けることで、梁９ａから柱５への応力伝達を効率よく行うことができる。このように、外ダイアフラム３ａが柱５の少なくとも二面にまたがるように分割できれば、例えば、図４に示す柱と梁の接合構造１ｂのように、対角線上に対向する一組のコーナー部を分割部としてもよい。

また、図５に示す柱と梁の接合構造１ｃのように、外ダイアフラム３ａは、柱５の対向する一組の面の幅方向の略中央で分割され、周方向に二分割されてもよい。この場合でも、外ダイアフラム３ａが柱５の少なくとも二面（本実施形態では三面）にまたがるようにＵ字等の屈曲形状を設けることで、梁９ａから柱５への応力伝達を効率よく行うことができる。

なお、応力伝達が十分であれば、図６に示す柱と梁の接合構造１ｄのように、外ダイアフラム３ａは、柱５の二面にまたがるように配置されなくてもよい。例えば、対角線上に対向する二組のコーナー部をすべて分割部としてもよい。

第２の実施形態によれば、第１の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、外ダイアフラム３ａ、３ｂを分割することで、柱５に対して、外ダイアフラム３ａの接合が容易である。

次に、第３の実施形態について説明する。図７は、柱と梁の接合構造１ｅを示す側面図である。なお、以下の実施形態においては、図３に示すように、外ダイアフラム３ａが四分割された例を示すが、他の実施形態も適用可能である。

柱と梁の接合構造１ｅは、柱と梁の接合構造１ａとほぼ同様であるが、外ダイアフラム３ａ、３ｂの厚みが厚く、それぞれのコーナー部に切欠き２１が形成される。すなわち、外ダイアフラム３ａ、３ｂは、全体として略矩形であるが、本実施形態では、コーナー部の角が切り欠かれた形状となる。

外ダイアフラム３ａ、３ｂの厚みを厚くすることで、雌ねじ１５の深さを深くすることができる。このため、ボルト７との螺合長を長くすることができる。この結果、ボルト７と外ダイアフラム３ａ、３ｂの接合強度を高めることができる。

また、外ダイアフラム３ａ、３ｂを厚くしても、切欠き２１を形成することで、外ダイアフラム３ａ、３ｂの重量増を抑制し、材料コストの上昇も抑制することができる。この際、外ダイアフラム３ａ、３ｂのコーナー部は、応力伝達にはほとんど寄与しないため、切欠き２１を形成しても、梁９ａから柱５への応力伝達の低下はほとんどない。

第３の実施形態によれば、第１の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、外ダイアフラム３ａ、３ｂが厚いため、梁９ａと柱５との接合強度を高めつつ、外ダイアフラム３ａ、３ｂを最適な形状設計とすることができる。

次に、第４の実施形態について説明する。図８は、柱と梁の接合構造１ｆを示す側面図である。なお、図示した例では、対向する二方向に梁９ａが接合された状態を示す。

柱と梁の接合構造１ｆは、柱と梁の接合構造１ａとほぼ同様であるが、梁９ａの上下のフランジ部１１ａ、１１ｂからのエンドプレート１３ａの張り出し量が大きい。すなわち、エンドプレート１３ａの全高が高い。

また、同様に、外ダイアフラム３ａ、３ｂの高さも、エンドプレート１３ａに応じてそれぞれ高さが高い。エンドプレート１３ａの梁９ａの上下面からの張り出し量を大きくし、外ダイアフラム３ａ、３ｂの高さを高くすることで、雌ねじ１５およびボルト孔１７をフランジ部１１ａ、１１ｂの上下にそれぞれ二列に配置することができる。すなわち、梁９ａの上下において、それぞれ、複数列のボルト７によって、エンドプレート１３ａと外ダイアフラム３ａ、３ｂとを接合することができる。

なお、梁９ａの上下において、それぞれ、複数列のボルト７によって、エンドプレート１３ａと外ダイアフラム３ａ、３ｂとを接合する方法は、図８に示す例には限られない。例えば、図９に示す柱と梁の接合構造１ｇのように、フランジ部１１ａを上下に跨ぐように、一対の外ダイアフラム３ａを配置し、フランジ部１１ｂを上下に跨ぐように、一対の外ダイアフラム３ｂを配置してもよい。

なお、フランジ部１１ａの下部に配置される外ダイアフラム３ａについては、ボルト７が梁９ａのウェブと干渉しないように配置される。同様に、フランジ部１１ｂの上部に配置される外ダイアフラム３ｂについては、ボルト７が梁９ａのウェブと干渉しないように配置される。

このように、外ダイアフラム３ａ、３ｂをフランジ部１１ａ、１１ｂを跨ぐようにそれぞれ複数段に配置し、それぞれの外ダイアフラム３ａ、３ｂとエンドプレート１３ａおよび梁９ａとを接合することで、効率よく、梁９ａと柱５との接合強度を高めることができる。また、この際、エンドプレートのサイズを過剰に大きくする必要がない。

また、同様の効果は、図１０に示す柱と梁の接合構造１ｈのように、フランジ部１１ａを上下に跨ぐように、高さの高い外ダイアフラム３ａを配置し、フランジ部１１ｂを上下に跨ぐように、高さの高い外ダイアフラム３ｂを配置してもよい。すなわち、図９に示す柱と梁の接合構造１ｇに対して、上下一対の外ダイアフラム３ａ、３ｂをそれぞれ一体化してもよい。このように、外ダイアフラム３ａ、３ｂのそれぞれをフランジ部１１ａ、１１ｂを跨ぐように配置し、フランジ部１１ａ、１１ｂそれぞれの上下において、外ダイアフラム３ａ、３ｂとエンドプレート１３ａとを複数段で接合することで、梁９ａと柱５との接合強度を高めることができる。

第４の実施形態によれば、第１の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ボルト７の本数を増やすことができるため、梁９ａと柱５との接合強度を高めることができる。

次に、第５の実施形態について説明する。図１１は、柱と梁の接合構造１ｉを示す側面図である。柱と梁の接合構造１ｉは、梁９ａ、９ｂが柱５に接合される。第２の梁である梁９ｂは、梁９ａとは高さが異なる。また、梁９ｂは、梁９ａとは異なる方向に柱５に接合される。なお、図示した例では、対向する二方向に梁９ａ、９ｂが接合された状態を示す。

梁９ｂの上下のフランジ部１１ａ、１１ｂおよびウェブの端面には、第２のエンドプレートである、エンドプレート１３ｂが溶接によって接合される。エンドプレート１３ｂの高さは、梁９ｂの高さよりも高い。したがって、エンドプレート１３ｂの上下の両端部は、梁９ｂの両フランジ部１１ａ、１１ｂの上下面から上下に張り出す。なお、エンドプレート１３ｂはエンドプレート１３ａよりも高さが低い。

梁９ｂが接合される部位には、柱５に、一対の外ダイアフラム３ｂ、３ｃが接合される。なお、外ダイアフラム３ｃの形状および構造は、外ダイアフラム３ａ、３ｂと同様である。外ダイアフラム３ｃは、外ダイアフラム３ａ、３ｂと同様に、柱５の外面に接合される。外ダイアフラム３ｂ、３ｃは、柱５に所定の間隔をあけて異なる高さに設けられる。図示した例では、外ダイアフラム３ｃは、外ダイアフラム３ａよりも低い位置に接合される。なお、外ダイアフラム３ａ、３ｂ、３ｃの高さ方向の位置関係は図示した例には限られない。例えば、梁９ａ、９ｂの下端位置（フランジ部１１ｂの高さ）を合わせた例を示すが、上端位置（フランジ部１１ａの高さ）を合わせてもよい。または、梁９ａ、９ｂのそれぞれの上下端の高さをずらしてもよい。

エンドプレート１３ｂの張り出し部には、外ダイアフラム３ｂ、３ｃの雌ねじ１５に応じた位置にボルト孔１７が形成される。エンドプレート１３ｂは、梁９ｂの長手方向に平行な方向のボルト７によって外ダイアフラム３ｂ、３ｃに接合される。

本実施形態では、外ダイアフラム３ａ、３ｂ、３ｃは、周方向に四分割されているため、梁９ａ、９ｂ（エンドプレート１３ａ、１３ｂ）との接合部にのみ、外ダイアフラム３ａ、３ｂ、３ｃをそれぞれ配置すればよい。したがって、図示したように、二方向にのみ梁９ａ、９ｂを接合する場合には、外ダイアフラム３ａ、３ｃは、それぞれ半周分でよい。このように、本実施形態では、高さの異なる梁９ａ、９ｂに対しても適用が可能である。

また、図１２は、柱と梁の接合構造１ｊを示す側面図である。柱と梁の接合構造１ｊは、柱と梁の接合構造１ｉに対して、紙面に直交する方向にもさらに梁９ｂが接合されたものである。

本実施形態でも、外ダイアフラム３ａ、３ｂ、３ｃは、周方向に四分割されているため、梁９ａ、９ｂ（エンドプレート１３ａ、１３ｂ）との接合部にのみ、外ダイアフラム３ａ、３ｂ、３ｃをそれぞれ配置すればよい。例えば、図示した例における背面側にも梁９ｂが接合される場合（すなわち、梁９ｂが三方向に接合され、梁９ａが残りの一方向に接合される場合）には、外ダイアフラム３ｂ、３ｃは全周に接合する必要があるが、外ダイアフラム３ａは、半周分でよい。

なお、この場合には、梁９ａと接合されるエンドプレート１３ａを、さらに、外ダイアフラム３ｃと接合してもよい。すなわち、外ダイアフラム３ｃの雌ねじ１５に対応する部位のエンドプレート１３ａにボルト孔１７を設け、ウェブと干渉しない範囲で、ボルト７によって外ダイアフラム３ｃと接合することもできる。このようにすることで、高さの高い梁９ａに対して、ボルト７の本数を増やすことができるため、接合強度をより高めることができる。

第５の実施形態によれば、第１の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、高さの異なる梁９ａ、９ｂについても効率よく柱５と接合することができる。なお、接合される梁９ａ、９ｂは、図示した例には限られず、梁９ｂを一方向に接合してもよく、互いに直交する二方向に梁９ａ、９ｂをそれぞれ配置してもよい。

以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

例えば、外ダイアフラム３ａ、３ｂとエンドプレート１３ａとの接合強度が十分なのであれば、図１３に示す、柱と梁の接合構造１ｋのように、フランジ部１１ａの下部と、フランジ部１１ｂの上部でのみ外ダイアフラム３ａ、３ｂと、エンドプレート１３ａとをボルト７で接合してもよい。すなわち、エンドプレート１３ａは、梁９ａの両フランジ面の上下に張り出した位置でボルト７によって固定されるのではなく、両フランジ面の内側のみで、ボルト７によって固定されてもよい。このようにすることで、エンドプレート１３ａの高さをより低くすることができる。

なお、各実施形態は互いに組み合わせることができることは言うまでもない。

１、１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ、１ｅ、１ｆ、１ｇ、１ｈ、１ｉ、１ｊ、１ｋ………柱と梁の接合構造
３ａ、３ｂ、３ｃ………外ダイアフラム
５………柱
７………ボルト
９ａ、９ｂ………梁
１１ａ、１１ｂ………フランジ部
１３ａ、１３ｂ………エンドプレート
１５………雌ねじ
１７………ボルト孔
１９………隙間
２１………切欠き

Claims (6)

1. 柱と梁との接合構造であって、
   柱の外面の異なる高さに接合される外ダイアフラムと、
   端面に第１のエンドプレートが接合された第１の梁と、
   を具備し、
   前記外ダイアフラムには、前記第１のエンドプレートと前記柱とで挟まれる方向に雌ねじが形成され、
   前記第１のエンドプレートには、前記外ダイアフラムの前記雌ねじに応じた位置にボルト孔が形成され、
   前記第１のエンドプレートと前記外ダイアフラムとが、前記第１の梁の長手方向に平行な方向にボルトよって接合されることを特徴とする柱と梁との接合構造。
2. 前記外ダイアフラムは、周方向に複数に分割されており、分割されたそれぞれの前記外ダイアフラムは、少なくとも前記柱の二面にまたがって前記柱の外面に接合されることを特徴とする請求項１記載の柱と梁との接合構造。
3. 分割されたそれぞれの前記外ダイアフラム同士は隙間をあけて前記柱に接合されることを特徴とする請求項２記載の柱と梁との接合構造。
4. 前記第１の梁と高さが異なり、前記第１の梁とは異なる方向に前記柱と接合される第２の梁を有し、
   前記第２の梁の端面には第２のエンドプレートが接合され、
   前記第２のエンドプレートの高さは、前記第２の梁の高さよりも高く、前記第２のエンドプレートの両端部は、前記第２の梁の両フランジ面から上下に張り出しており、前記第２のエンドプレートの張り出し部には、前記外ダイアフラムの前記雌ねじに応じた位置にボルト孔が形成され、
   前記第２のエンドプレートと前記外ダイアフラムとが、前記第２の梁の長手方向に平行な方向にボルトよって接合されることを特徴とする請求項１から請求項３のいずれかに記載の柱と梁との接合構造。
5. 前記第１のエンドプレートの高さは、前記第１の梁の高さよりも高く、前記第１のエンドプレートの両端部は、前記第１の梁の両フランジ面から上下に張り出しており、前記ボルト孔は、前記第１のエンドプレートの張り出し部に形成されることを特徴とする請求項１から請求項４のいずれかに記載の柱と梁との接合構造。
6. 柱と梁との接合方法であって、
   外ダイアフラムと、
   あらかじめ端面にエンドプレートが接合された梁を用い、
   前記外ダイアフラムには、前記エンドプレートと前記柱とで挟まれる方向に雌ねじが形成され、
   前記エンドプレートの高さは、前記梁の高さよりも高く、前記エンドプレートの両端部は、前記梁の両フランジ面から上下に張り出しており、前記エンドプレートの張り出し部には、前記外ダイアフラムの雌ねじに応じた位置にボルト孔が形成され、
   柱の外面の異なる高さに前記外ダイアフラムを接合し、
   前記エンドプレートと前記外ダイアフラムとを、前記梁の長手方向に平行な方向に前記ボルト孔および前記雌ねじにボルトを挿入して接合することを特徴とする柱と梁との接合方法。
   

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